JP4774466B1 - 情報記録媒体用結晶化ガラス基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主結晶相としてRAl2O4、R2TiO4、(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であり、比重が3.00以下であることを特徴とする結晶化ガラスからなる情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
【選択図】図1
Description
しかし、現在使用されている結晶化ガラスはガラス相に析出した結晶によって高い機械的強度を得ているが、反面、析出結晶とガラス相の間に加工差やエッチングレート差が生じてしまうため、次世代の基板に求められるRa<2Åレベルの表面性状を充分満足することができない。
また、ガラスは脆い為、基板表面の僅かな傷が基点となって基板の破損が発生しやすいという特性がある。特に次世代のハードディスクに使用される情報記録媒体用基板おいては、高記録密度化に伴って磁気ディスク回転速度が高速化の傾向にある為に、基板表面の僅かな傷を基点とする亀裂伝播に対する耐性、すなわち破壊靭性が特に重要な評価項目となっており、高い破壊靭性を有することが求められている。しかし、現在使用されているガラス基板ではその要求を満たすことは容易ではなく、研磨後の基板に化学強化を施す工程が必要となる。
ダイレクトプレス法においては、ガラスを溶融する際に、溶融ガラスから泡を除くために清澄剤として砒素やアンチモン成分が使用されていたが、近年、人体及び環境に対して悪影響を及ぼす恐れがあるとして、その含有量を低減、あるいは使用しないことが求められている。しかし砒素成分やアンチモン成分を実質的に使用せず、他の清澄成分を使用するとガラス素地の泡やダイレクトプレス時のリボイルの発生が生じる問題があった。
また、この結晶化ガラスは、原ガラスを熱処理して結晶化する際に、結晶の析出が急激に発生する傾向があり、析出する結晶の結晶化度、結晶粒径の制御が非常に困難である。これについての詳細は後述する。
主結晶相としてRAl2O4、R2TiO4、(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であり、比重が3.00以下であることを特徴とする結晶化ガラスからなる情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成2)
前記結晶化ガラスは酸化物基準の質量%で、
SiO2:40〜60%、および
Al2O3:7〜20%、および
RO:5〜35%(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)
の各成分を含有する構成1に記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成3)
前記結晶化ガラスは酸化物基準の質量%で、
ZnO成分を5〜25%含有する構成1または2に記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成4)
前記結晶化ガラスは酸化物基準の質量%で、
TiO2:1〜15%、および
R’2O:2〜15%、(ただしR’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)
の各成分を含有する構成1から3のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成5)
前記結晶化ガラスは酸化物基準の質量%で、
Li2O:0〜5%、および/または
Na2O:0〜15%、および/または
K2O:0〜10%、
の各成分を含有する構成1から4のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成6)
前記結晶化ガラスは酸化物基準の質量%で、
P2O5:0〜7%、および/または
B2O3:0%以上8%未満、および/または
MgO:0〜15%、および/または
CaO:0〜15%、および/または
SrO:0〜5%、および/または
BaO:0〜5%、および/または
FeO:0〜8%、および/または
ZrO2:0〜10%
の各成分を含有する構成1から5のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成7)
前記情報記録媒体用結晶化ガラス基板の外周端面および内周端面の一方または両方に圧縮応力層が形成されている構成1から6のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成8)
前記情報記録媒体用結晶化ガラス基板の二つの主表面の一方または両方に圧縮応力層が形成されており、圧縮応力層の厚さが30μm未満であることを特徴とする構成1から7のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成9)
前記結晶化ガラスはSnO2成分およびCeO2成分の一方または両方を含み、両成分の合計が酸化物基準の質量%で、0.01〜1.0%である構成1から8のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成10)
前記結晶化ガラスは酸化物基準でAs2O3成分およびSb2O3成分およびCl−、NO−、SO2−、F−成分を含有しないことを特徴とする構成1から9のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成11)
表面粗度Ra(算術平均粗さ)が2Å以下であることを特徴とする構成1から10のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成12)
破壊靭性値K1Cが1.0以上、ヤング率が85GPa以上であり、ヤング率の比重に対する比(ヤング率/比重)が31.4以上であることを特徴とする構成1から11のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
(構成13)
構成1から12のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板を用いた情報記録媒体。
(構成14)
酸化物基準の質量%で
SiO2:40〜60%、および
Al2O3:7〜20%、および
RO:5〜35%(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)
の各成分を含有するガラス基板を作製する工程と、
前記ガラス基板を600℃〜750℃で1〜10時間、その後、650℃〜800℃で1〜10時間熱処理することにより、RAl2O4、R2TiO4、(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上の結晶を析出させる工程を含む情報記録媒体用結晶化ガラス基板の製造方法。
(構成15)
前記情報記録媒体用結晶化ガラス基板の表面に存在するアルカリイオンよりもイオン半径の大きな他のイオンに置換してイオン交換領域を作製する工程と、
前記ガラス基板の2つの主表面に存在するイオン交換領域を削除する工程を有する構成14に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
すなわち、本発明の結晶化ガラス基板を肉眼で観察すると、結晶化前のガラス(母ガラス)と比較して同様の可視光透過性を有し、外観において明確に違いを確認することができない程析出結晶は微細であり、かつ結晶化度も低い。しかも、驚くべき事に本発明の基板を結晶化前のガラスと比較すると、ヤング率、破壊靭性の値は飛躍的に高くなっているのである。そして、本発明の基板は研磨加工後にRa<2Åレベルの表面性状を容易に得ることができ、研磨加工における加工性もガラス材料と遜色のないものである。
その上、成形温度に相当する2.5ポアズ近傍の温度である1250℃においてガラスに失透が発生しない。加えてガラスの結晶成長が極めて緩やかであることから結晶の析出量および析出粒子径の制御が容易であり、量産性に優れた材料であることを見出した。
また、人体及び環境に対して悪影響を及ぼす恐れのある砒素成分やアンチモン成分を不使用としながらも清澄可能かつ、ダイレクトプレス成形等の場合にリボイル発生を抑制し得る、従来よりも優れた効果を奏する情報記録媒体用基板を提供することができる。
特に実際の情報記録媒体用基板の製造では、結晶化はトンネル式の結晶化炉の中を耐熱性のメッシュベルトやローラーの上に載置された原ガラスが連続的に移動することによって行われる。このような結晶化炉では温度条件の詳細な制御が難しく、例え実験室レベルの小型炉で微細な結晶粒径と低い結晶化度を達成したとしても、実際の製造工程でこれを再現することは困難である。
また、図2の曲線において25に示す部分は降温時の吸熱、発熱が現れており、これはガラスが著しく失透しやすいことを意味する。よって、失透が発生したガラスの再ガラス化のために多くの熱量と時間が必要であることを意味し、バッチチャージからガラス化までの必要熱量が多くなるため所要時間も増大するため、量産性を損なってしまう。
本明細書において結晶化ガラス基板を構成する各組成成分について述べるとき、特に記載が無い場合は、各成分の含有量は酸化物基準の質量%で示す。ここで、「酸化物基準」とは、本発明の結晶化ガラスの構成成分の原料として使用される酸化物、炭酸塩等が溶融時にすべて分解され表記された酸化物へ変化すると仮定して、結晶化ガラス中に含有される各成分の組成を表記する方法であり、この生成酸化物の質量の総和を100質量%として、結晶化ガラス中に含有される各成分の量を表記する。
「最大結晶粒径」とはTEM(透過型電子顕微鏡)により倍率100,000〜500,000倍での任意の部位の画像を取得し、得られた画像に現われた結晶を平行な2直線で挟んだ時の最長距離の最大値とする。このときn数は100とする。
破壊靭性の値K1Cは次世代の情報記録媒体用基板として適用しうる為に1.0以上であることが好ましく、1.1以上であることがより好ましく、1.2以上であることが最も好ましい。
また、TiO2成分の含有量が1%未満であると、熱処理による核形成が生じない為、含有量の下限は1%であることが好ましく、2%がより好ましく、3%が最も好ましい。
Li2O成分は任意で含有できる成分であるが、多量に含有すると所望の結晶相を得難くなるためにその上限は2%であることが好ましい。
Na2O成分は任意で含有できる成分であるが、多量に含有すると所望の結晶相を得難くなるために、その上限は15%であることが好ましく、12%であることがより好ましく、10%であることが最も好ましい。
K2O成分は任意で含有できる成分であるが、多量に含有すると所望の結晶相を得難くなるために、その上限は10%であることが好ましく、8%であることがより好ましく5%であることが最も好ましい。
ここで、Na2O成分は、他アルカリ成分と比較して所望の結晶相を析出させる上で過度に結晶が析出してしまうなどの悪影響をもたらしにくい成分であると同時に、材料の化学的耐久性を良好に保ちつつ、溶融塩への浸漬による基板の化学強化を促進するためには重要な成分であるのでR’2O成分として少なくともNa2O成分を含むことがより好ましい。
一方、機械的強度を維持しつつ、比重を低くし、高い清澄効果を得て、かつダイレクトプレス時のリボイル抑制効果を高めるためには、SnO2成分またはCeO2成分から選択される1種以上の含有量の上限は1%が好ましく、0.7%がより好ましく、0.5%が最も好ましい。
また、PbO成分は環境上有害となるうえに、ガラスの比重が大きくなってしまう為に含まないことが好ましい。本発明のガラスはPbO成分を含まなくても結晶の過大な析出を防止し、溶融性の向上や成型時のガラス安定性が良好となる。
Cs2O成分は原料コストが高く、イオン半径が大きく化学強化が困難であるため含まないことが好ましい。
また、基板端面部の加工時に生じたマイクロクラックを基点とした基板の破損を抑制することができる。
特にアルカリマイグレーションの原因となるのは磁性膜等が成膜されない基板の端面部からのアルカリ成分溶出が原因となることが多い。
このため特に基板端面部付近のLi含有量を減少させることが好ましく、前記情報記録媒体用ガラス基板の端面から中心方向に内部へ5μmまでの領域(以下「端面領域」という)におけるLi成分の酸化物基準による含有割合α%と、前記情報記録媒体用ガラス基板の2つの主表面から厚み方向へ5μm以上内部の領域であって前記基板の端面から中心方向に内部へ5μmを超える領域(以下「内部領域」という)のLi成分の酸化物基準による含有割合β%の比率α/βがα/β≦1であることが好ましい。
Liを含有しない組成の場合、Na含有量を上記の方法で確認すればよい。
実際の測定においては例えば端面領域と内部領域における一部のガラスをサンプリングしLi含有量をICP−AES法による方法を主として用いればよい。
まず、上記の組成範囲のガラス構成成分を有する様に酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の原料を混合し、白金や石英等の坩堝を使用した通常の溶解装置を用いて、ガラス融液の粘度が1.5〜3.0dPa・sとなる温度で溶解する。
次にガラス融液の温度を、粘度が1.0〜2.3dPa・s、好ましくは1.2〜2.2dPa・sとなる温度まで昇温し、ガラス融液内に泡を発生させ撹拌効果を引き起こし均質度を向上させる。
その後、ガラス融液の温度を、粘度が1.8〜2.6dPa・s、好ましくは2.0〜2.5dPa・sとなる温度まで降温し、ガラス内部に発生していた泡の消泡、清澄を行い、その後この温度を維持する。
さらに坩堝からプレス成型形へガラスを導くためのガラス流出パイプの温度を、ガラスの粘度が2.0〜2.6dPa・s、好ましくは2.1〜2.5dPa・sとなる温度に設定し、前記下型上に所定量のガラスを滴下し、上型と下型を接近させプレスし、ガラス成形体を得る。
情報記録媒体用基板の製造においては、1枚あたりのコスト低減が求められるため、プレススピード150〜700mm/sec、サイクルタイム(プレス開始後次のプレス開始までの時間)1〜2secという高速でプレスするが、このようなプレス時の衝撃においても本発明のガラスを使用し、ガラス融液の温度と製造装置の温度を上記の様に管理することで、プレス時のリボイルの発生を抑制することが可能となる。
この結晶化工程においてはディスク状のセラミックス製セッターとディスク状ガラスを交互に積み重ね、セッターで挟み込む(セッターの枚数はガラスの枚数+1枚である)とディスクの平坦度を向上するので好ましい。
本発明の析出結晶の粒径、結晶化度とする為に好ましい熱処理の条件は以下の通りである。
第1の熱処理の最高温度は600℃〜750℃が好ましい。第1段階の熱処理を省略しても良い。第2段階の熱処理の最高温度は650℃〜850℃が好ましい。
第1の温度の保持時間は1時間〜10時間が好ましい。
第2の温度の保持時間は1時間〜10時間が好ましい。
また、平均線膨張係数はJOGIS(日本光学硝子工業会規格)16−2003「光学ガラスの常温付近の平均線膨張係数の測定方法」に則り、温度範囲を25℃から100℃に換えて測定した値をいう。
比重はアルキメデス法、ヤング率は超音波法を用いて測定した。
ビッカース硬度は対面角が136°のダイヤモンド四角すい圧子を用いて、試験面にピラミッド形状のくぼみをつけたときの荷重(N)を、くぼみの長さから算出した表面積(mm2)で割った値で示した。(株)明石製作所製微小硬度計MVK−Eを用い、試験荷重は4.90(N)、保持時間15(秒)で行った。
(1)全ての研磨工程後の基板に直接処理を実施する場合
(2)基板内外周の研削、研磨、面研削工程終了の後に化学強化を実施し、その後研磨工程を実施する場合(この場合は主に内周と外周に化学強化層が存在する)
(3)基板内周の研削、研磨、外周の研削及び面研削工程終了の後に化学強化を実施し、その後、外周の研磨及び両面研磨を実施する場合(この場合は主に内周に化学強化層が存在する)
等、多様な方法が考えられる。基板のリング曲げ強度に最も影響を及ぼすのは、内周面であるため、基板のリング曲げ強度を向上させるには、(1)、(2)、(3)いずれの処理方法も有効である。以下に示す実施例53〜55及び参考例10は、(1)の方法を用いた。実施例56、57は(3)の方法を用いた。
実施例6の2.5インチHDD用研磨基板(65φ×0.635mmt)を400℃の硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合塩(KNO3:NaNO3=1:3)に0.25時間浸漬し、表面に圧縮応力層を形成した。この基板はリング曲げ強度が圧縮応力層形成前(450MPa)の3倍に向上していることが確認された。なお、リング曲げ強度とは、直径が65mmで厚み0.635mmの薄い円板状試料を作成し、円形の支持リングと荷重リングにより該円板状試料の強度を測定する同心円曲げ法で測定した曲げ強度をいう。また、破壊靱性(K1C)は、2.3に向上していることが確認された。
実施例6の2.5インチHDD用研磨基板(65φ×0.635mmt)を400℃の硝酸カリウム塩(KNO3)に0.5時間浸漬し、表面に圧縮応力層を形成した。この基板はリング曲げ強度が圧縮応力層形成前(450MPa)の4倍に向上していることが確認された。また、破壊靱性(K1C)は、2.4に向上していることが確認された。
実施例6の2.5インチHDD用研磨基板(65φ×0.635mmt)を300℃〜600℃に加熱した後に空冷法で急速冷却を実施し、表面に圧縮応力層を形成した。この基板はリング曲げ強度、破壊靱性(K1C)が向上していることが確認された。
また、参考例9の2.5インチHDD用研磨基板(65φ×0.635mmt)を公知の方法で作製し、400℃の硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合塩(KNO3:NaNO3=1:3)に0.25時間浸漬し、表面に圧縮応力層を形成した。この基板はリング曲げ強度が圧縮応力層形成前(470MPa)の2〜3倍に向上していることが確認された。破壊靱性(K1C)は、2.2に向上していることが確認された。
また、実施例51の2.5インチHDD用基板を500℃の硝酸カリウム塩(KNO3)に0.17時間浸漬し、表面に圧縮応力層を形成した。この基板はリング曲げ強度が圧縮応力層形成前(450MPa)の5倍に向上していることが確認された。また、破壊靱性(K1C)は、4.0であることが確認された。ガラス基板の強化によるNa+からK+への置換領域をSEM/EDX装置により求めた結果、3.0μmであった。
また、実施例51の2.5インチHDD用基板を500℃の硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合塩(KNO3:NaNO3=1:1)に0.17時間浸漬し、表面に圧縮応力層を形成した。この基板はリング曲げ強度が圧縮応力層形成前(450MPa)の2倍に向上していることが確認された。また、破壊靱性(K1C)は、4.0であることが確認された。ガラス基板の強化によるNa+からK+への置換領域をSEM/EDX装置により求めた結果、2.0μmであった。
実施例6の結晶化ガラス組成について2.5インチHDD用研磨基板(65φ×0.635mmt)を公知の方法で化学強化処理工程を含む研磨工程を経て作製し、基板表面をAFMにて3μm2視野にて観察したところ、Ra1.24Å、Rq1.57Å、Rmax35.21Å、マイクロウェービネス(μWa)0.56Åであり、次世代HDD用基板に求められる表面性状として極めて優れていることが確認された。
マイクロウェービネスの測定は、一例として、基板上下面の0°、90°、180°、270°方向における周方向において、光干渉法(装置名;Micro XAM)によりバンドパスフィルター 50〜200nmの条件にて実施する方法が挙げられる。実測定はその限りではない。
また、上記の実施例により得られた基板に、DCスパッタ法により、クロム合金下地層、コバルト合金磁性層を成膜し、さらにダイヤモンドライクカーボン層を形成し、次いでパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布して、情報磁気記録媒体を得た。
Claims (13)
- 酸化物基準の質量%で、SiO 2 を40〜60%、Al 2 O 3 を7〜19%、ROを5〜35%(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)、TiO 2 を1〜6.00%及びNa2Oを2.00〜15%含有し、ZrO 2 の含有量が0〜2.00%であり、R’2Oの含有量が2〜15%(ただしR’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上である)であり、主結晶相としてRAl2O4、R2TiO4、(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であり、比重が3.00以下であることを特徴とする結晶化ガラスからなる情報記録媒体用結晶化ガラス基板(ただし、R’2Oを2%含有するものを除く)。
- 前記結晶化ガラスは酸化物基準の質量%で、
ZnO成分を5〜25%含有する請求項1に記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。 - 前記結晶化ガラスは酸化物基準の質量%で、
Li2O:0〜5%、および/または
K2O:0〜10%、
の各成分を含有する請求項1または2に記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。 - 前記結晶化ガラスは酸化物基準の質量%で、
P2O5:0〜7%、および/または
B2O3:0%以上8%未満、および/または
MgO:0〜15%、および/または
CaO:0〜15%、および/または
SrO:0〜5%、および/または
BaO:0〜5%、および/または
FeO:0〜8%、
の各成分を含有する請求項1から3のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。 - 前記情報記録媒体用結晶化ガラス基板の外周端面および内周端面の一方または両方に圧縮応力層が形成されている請求項1から4のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
- 前記情報記録媒体用結晶化ガラス基板の二つの主表面の一方または両方に圧縮応力層が形成されており、圧縮応力層の厚さが30μm未満であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
- 前記結晶化ガラスはSnO2成分およびCeO2成分の一方または両方を含み、両成分の合計が酸化物基準の質量%で、0.01〜1.0%である請求項1から6のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
- 前記結晶化ガラスは酸化物基準でAs2O3成分およびSb2O3成分およびCl−、NO−、SO2−、F−成分を含有しないことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
- 表面粗度Ra(算術平均粗さ)が2Å以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
- 破壊靭性値K1Cが1.0以上、ヤング率が85GPa以上であり、ヤング率の比重に対する比(ヤング率/比重)が31.4以上であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板。
- 請求項1から10のいずれかに記載の情報記録媒体用結晶化ガラス基板を用いた情報記録媒体。
- 酸化物基準の質量%で
SiO2:40〜60%、および
Al2O3:7〜19%、および
RO:5〜35%(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)、および
TiO 2 を1〜6.00%、および
Na2O:2.00〜15%
の各成分を含有し、
ZrO 2 の含有量が0〜2.00%であり、
R’2Oの含有量が2〜15%であるガラス基板(ただし、R’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上であり、R’2Oを2%含有するものを除く)を作製する工程と、
前記ガラス基板を600℃〜750℃で1〜10時間、その後、650℃〜800℃で1〜10時間熱処理することにより、RAl2O4、R2TiO4、(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上の結晶を析出させる工程を含む情報記録媒体用結晶化ガラス基板の製造方法。 - 前記情報記録媒体用結晶化ガラス基板の表面に存在するアルカリイオンよりもイオン半径の大きな他のイオンに置換してイオン交換領域を作製する工程と、
前記ガラス基板の2つの主表面に存在するイオン交換領域を削除する工程を有する請求項12に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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