JP5788643B2 - ガラス基板 - Google Patents

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Description

本発明は、各種装置に用いられるガラス基板に関し、特に低比重、高ヤング率であり、破壊靭性に優れ、かつ、加工後の表面粗度が極めてスムーズであり、ヘッド摺動特性、耐衝撃特性に優れ、基板表面への研磨剤やガラススラッジの付着が極度に少ない、将来の情報記録媒体基板用途として必要な物性を備えた情報記録媒体用ガラス基板に関する。
尚、本発明において「情報記録媒体」とは、各種電子デバイス用ハードディスクにおいて使用可能な情報磁気記録媒体を意味する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては動画や音声等の大きなデータが扱われるようになり、大容量の情報記録装置が必要となっている。その結果、情報気記録媒体は年々高記録密度化の要求が高まっている。
これに対応するべく、垂直磁気記録方式の採用、量産化が進められている。この垂直磁気記録方式においては、現在の基板と比較して基板の耐熱性、表面の平滑性がより高いレベルで求められている。また、スピンドルモーターへの負担を軽減するための低比重化と、ディスクのクラッシュを防止するための高い機械的強度、落下時のヘッドとの衝撃に耐えうる高い破壊靱性を有することが現在にもまして重要になっている。
情報記録媒体用基板に用いられる材料としてはAl合金、ガラス、結晶化ガラスなどがある。アモルファスガラスおよび結晶化ガラス等のガラス材料はAl合金よりもビッカース硬度が高い、表面平滑性が高い等の点で優位であり、動的な使用が想定される用途において現在多く使用されている。
しかし、ガラスは一般的に脆い為、基板表面の僅かな傷が基点となって基板の破損が発生しやすいという特性がある。特に次世代のハードディスクに使用される情報記録媒体用基板おいては、高記録密度化に伴って磁気ディスク回転速度が高速化の傾向にある為に、基板表面の僅かな傷を基点とする亀裂伝播に対する耐性、すなわち破壊靭性が特に重要な評価項目となっており、高い破壊靭性を有することが求められている。
また、メディア成膜に供することのできる基板、とりわけガラス基板においては、近年の高記憶密度化上昇に伴うヘッド−メディア間距離の縮小化が求められており、1nm未満というヘッド浮上距離に対応すべく、基板の表面粗度指標であるRaの値が1Å未満かつμWaの値が0.8nm未満であることが求められている。
加えて今後のHAMR(Heat Assisted Magnetic Recording)方式に対応するメディア成膜温度の上昇(>600℃)に伴い、基板自体の耐熱性も熱処理後の形状変化を抑制するため、十分高くする必要がある。
その上、メディア成膜前の基板表面は極度に清浄である必要があり、研磨剤やガラススラッジ、洗浄汚れ等のコンタミネーション発生要因を極度に回避できなければならない。
特許文献1には、高記録密度磁気ディスク用基板としてガラス表面に固着する欠陥の個数の少ない磁気ディスク用ガラス基板が開示されている。これは基板を洗浄する洗浄液に特定の添加剤を含めることにより製造される。しかし、このような研磨液や洗浄液の調製だけでは近年求められる基板表面の清浄度を実現することは非常に困難である。
特許文献2には、研磨剤であるシリカ粒子の付着に起因する凸状欠陥の形成が抑制された磁気ディスクの製造方法が開示されている。この文献においても研磨液の調製によってシリカ粒子の付着を低減させているが、上述のとおり清浄度の低減には限界がある。また、シリカ粒子は主として最終の仕上げ研磨(鏡面研磨またはいわゆる2ndポリと言われる工程)の段階で使用されるが、基板表面のコンタミネーション発生は仕上げ研磨の前工程である粗研磨工程(いわゆる1stポリと言われる工程)で使用されることが多い酸化セリウム粒子の付着が主な要因となっている。
従来ガラス基板表面に付着するコンタミネーションは、研磨剤やガラススラッジの付着が洗浄工程を経て除去しきれず残存してしまうことで発生しており、それを除去するため、一般的には酸もしくはアルカリの濃度を高くすることで除去する方法や、低濃度(0.010〜0.050wt%)のフッ酸に短時間浸漬することでコンタミネーション除去を行う方法がおこなわれてきた。
さらには、研磨剤または洗浄液の調製によってコンタミネーションの付着を抑制していた。
しかしながら、このような方法によっても次世代の情報記録媒体用基板として求められる基板表面の清浄度の達成は困難となっている。
特開2010−108591号公報 特開2009−087441号公報
本発明の目的は、各種装置用途として表面の清浄度が高いレベルで求められるガラス基板、特に垂直磁気記録方式等に代表される次世代の情報記録媒体基板用途として要求される各種物性を備え、高密度化に対応すべく基板表面へのコンタミネーション付着によって生じるヘッドクラッシュを抑制し、メディア成膜後の記録再生特性を良好にする情報記録媒体用ガラス基板を提供することにある。また、高い破壊靭性を有する情報記録媒体用基板、およびその為の加工性に優れており、今後の記録密度増大において必要となりうるHAMRに対応すべく耐熱性が高く、かつ、低コストで溶融ガラスを薄板加工することができるダイレクトプレス法に適したガラス材料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意試験研究を重ねた結果、特定の測定条件で測定されるガラス基板のゼータ電位の値を特定の範囲に制御することをもって、ガラス基板固有の物性を制御することにより、従来の加工、洗浄工程を用いても、研磨および洗浄などの基板加工後の基板の表面粗度Raの値を容易に1.0Å未満とすることが可能であり、かつ、基板表面のコンタミネーション付着量が従来基板と比較して極度に少ないガラス材料およびガラス基板を開発することに成功した。
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(構成1)
NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが10に調整された水溶液を用いて測定した表面のゼータ電位が−50mVより低い値を示すことを特徴とするガラス基板。ただし、前記ガラス基板の表面から十分に離れた前記水溶液の電気的に中性な領域の電位を0Vとする。
(構成2)
NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが2に調整された水溶液を用いて測定した表面のゼータ電位がマイナスであることを特徴とする構成1に記載のガラス基板。ただし、前記ガラス基板の表面から十分に離れた前記水溶液の電気的に中性な領域の電位を0Vとする。
(構成3)
酸化セリウム粒子を含み、NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが調整された水溶液を用いて測定した基板表面と前記酸化セリウム粒子との電位差において、前記水溶液のpHを10〜12の範囲で変化させて測定した時の前記電位差の最小値が20mV以下であることを特徴とする構成1または2に記載のガラス基板。
(構成4)
シリカ粒子を含み、NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHを4に調整された水溶液を用いて測定した基板表面と前記シリカ粒子との電位差が15mV以上であることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のガラス基板。
(構成5)
酸化物基準のmol%で表わしたとき、ガラス構成成分として、SiO、Alを含有し、さらに、
O成分の含有量が10mol%以下(R;Li,Na、Kから選択される1種以上)、及びR’O成分の含有量が15mol%以上(R’;Mg、Ca、Zn、Ba、Sr、Feから選択される1種以上)であることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のガラス基板。
本発明のガラス基板は、次世代の情報記録媒体用基板として要求される比重及びヤング率、ビッカース硬度、表面平滑性、高い破壊靭性を有する。加えて、本発明のガラス基板は基板研磨加工における加工性が良好であり、基板表面のコンタミネーション発生が極度に少ない。そのため、本発明は高い生産性を有する情報記録媒体用ガラス基板を提供することができる。
本発明の実施例1及び比較例1〜4、7のゼータ電位のpH依存性を示した図である。 溶液の種類を変化させた時の酸化セリウムのゼータ電位のpH依存性を示した図。 溶液の種類を変化させた時のSiO(コロイダルシリカ)のゼータ電位を示した図である。 本発明の実施例1のAFM画像である。 本発明の実施例1のTEM写真像であり、図右下の基準線は5nmである。
ここで、ゼータ電位とは、一般的に液体中の粒子が存在する時、粒子から十分に離れて電気的に中性である領域の電位を0とした時の、粒子周囲に存在する滑り面の電位をいう。
測定セルに粒子が分散している溶液を収容し外部から電場をかけると、粒子が帯電している為に、粒子は電極に向かって泳動(移動)する。その泳道速度は粒子の荷電に比例するので、その粒子の泳動速度を測定することによりゼータ電位を求めることができる。電気泳動光散乱法を用いる場合、粒子の泳動速度はドップラー効果による散乱光の周波数のシフト量から求めることができる。
また、平板試料のゼータ電位を測定する場合は、測定セルの片面に平板試料を取り付け、平板試料に接する溶液における当該平板試料の表面電位を反映した電気浸透流を観測することにより求めることができる。
ゼータ電位は例えば大塚電子株式会社製ゼータ電位・粒径測定システムELSZ−1またはELSZ-2を用いて測定することが可能である。
現状の一般的な研磨工程は大きく分けて2種類の工程、1P(1stポリ)と2P(2ndポリ)に分かれており、1Pにおいてアルミナやジルコニア、酸化セリウムや固定砥粒を用いて研磨を行い、基板表面に仕上げた後、2Pにてコロイダルシリカを用いることで、最終的には表面が鏡面となるよう基板を研磨する。
その際、各々の工程において研磨後、洗浄工程を経た後次工程に移ることで前工程の研磨剤や研磨によって発生したスラッジを除去する必要がある。
本発明は特定の測定条件で測定されるガラス基板のゼータ電位の値を特定の範囲に制御することをもって、ガラス基板固有の物性を制御することにより、基板の表面粗度Raの値を容易に1.0Å未満とすることが可能であり、かつ、基板表面のコンタミネーション付着量が従来基板と比較して極度に少ないガラス材料を得ることができる。
すなわち、NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが10に調整された水溶液を用いて測定した表面のゼータ電位を−50mVより低い値とする。ここで、前記ガラス基板の表面から十分に離れた前記水溶液の電気的に中性な領域の電位を0Vとする。
前記条件で測定される基板表面のゼータ電位を−50mVより低い値とすることによって、研磨剤とのゼータ電位差を小さくすることができる。すなわち、研磨剤が基板表面に付着し難い状態を容易に得ることができる。
この効果をより得やすくする為には、前記条件で測定される基板表面のゼータ電位は−52mV以下より低いことがより好ましく、−54mV以下より低いことが最も好ましい。前記電位の下限は同条件で測定される研磨剤のゼータ電位より20mV低いことが好ましく、研磨剤のゼータ電位より15mV低いことが好ましく、研磨剤のゼータ電位より10mV低いことが最も好ましい。
さらに、NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが2に調整された水溶液を用いて測定した表面のゼータ電位がマイナスであることが好ましい。ここで、前記ガラス基板の表面から十分に離れた前記水溶液の電気的に中性な領域の電位を0Vとする。
研磨工程において、特に2Pにおいては研磨スラリーのpHを2近傍で行うことがあるが、従来のガラス基板はpH2近傍でのゼータ電位は等電点近傍の値を示してしまう為、研磨剤の付着が顕著となる。そこで、pH2近傍での基板のゼータ電位をマイナスとすることで、基板表面への研磨剤またはスラッジ(ガラス研磨屑)の付着を抑制することができる。この効果をより得やすくする為には、前記条件で測定される基板表面のゼータ電位は−5mV以下より低いことがより好ましく、−10mV以下より低いことが最も好ましい。前記電位の下限は特に限定されない。
また、本発明のガラス基板は、酸化セリウム粒子を含みNaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが調整された水溶液を用いて測定した基板表面と前記酸化セリウム粒子との電位差において、前記水溶液のpHを10〜12の範囲で変化させて測定した時の前記電位差の最小値が20mV以下であることが好ましい。
酸化セリウム粒子はおもに1Pで使用される研磨剤である。その研磨スラリー中の分散性を良好にするためには研磨スラリーのpHをアルカリ側に調整するのが研磨効率および再付着防止のうえで最も好ましい。しかし、研磨スラリーのpHがアルカリであるときの酸化セリウム粒子そのもののゼータ電位と既存のガラス基板のゼータ電位とは電位差が大きい為、研磨剤の付着が避けられない。そこで、基板の物性を調整し、前記測定条件での基板表面と酸化セリウム粒子との電位差を20mV以下とすることにより、これを防ぐことが可能となる。この効果をより得やすくする為には、前記測定条件で測定される基板表面と前記酸化セリウム粒子との電位差が15mV以下であることがより好ましく、10mV以下であることが最も好ましい。
シリカ粒子を含み、NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHを4に調整された水溶液を用いて測定した基板表面と前記シリカ粒子との電位差が15mV以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のガラス基板。
シリカ粒子おもに2Pで使用される研磨剤である。シリカ粒子はナノサイズの粒子であるため、研磨においてはあらかじめ凝集された状態で研磨に供する事が研磨効率が良好となるため、主にpHが2から4の領域で用いられるが、このとき、シリカ粒子と既存の基板との電位差が小さいため研磨剤の付着が生じやすい。そこで、基板の物性を調整し、前記測定条件での基板表面とシリカ粒子との電位差を15mV以上とすることにより、これを防ぐことが可能となる。この効果をより得やすくする為には、前記測定条件で測定される基板表面と前記シリカ粒子との電位差が18mV以上であることがより好ましく、20mVを超えることが最も好ましい。
このような物性をガラス基板に付与する為には、酸化物基準のmol%でガラス構成成分の含有量を表わしたとき、SiO、Alを含有し、さらに、RO成分の含有量が10mol%以下(R;Li,Na、Kから選択される1種以上)、及びR’O成分の含有量が15mol%以上(R’;Mg、Ca、Zn、Ba、Sr、Feから選択される1種以上)であることが好ましい。
ここで、酸化物基準のmol%とは、ガラスの構成成分の原料として使用される酸化物、硝酸塩等が溶融時にすべて分解され酸化物へ変化すると仮定して、ガラス中に含有される各成分の組成を表記する方法であり、この生成酸化物のモル数の総和を100mol%として、ガラス中に含有される各成分の量を表わすものである。以下、特に明記しない限りはmol%を意味する。
O成分(但しRはLi、Na、Kから選ばれる1種以上)は、ガラスの低粘度化、成形性向上、均質性向上をもたらす一方で、基板のゼータ電位に影響を及ぼす成分である。また、RO成分を含有させることにより、基板成形後に表面のアルカリ金属イオンを交換し、付加的な特性を付与することが出来る。本発明のガラス基板のゼータ電位を所望の値とする為には、RO成分の含有量(LiO、NaO、及びKOの各成分の合計)の上限は10%が好ましく、9%がより好ましく、8%が最も好ましい。また、RO成分の含有量が1%未満であると、上記ガラスの低粘度化等の効果を得ることが出来ない為、含有量の下限は1%であることが好ましい。また、RO成分を少なくすると基板表面へのアルカリ成分の析出を制限する効果もある。その効果は特にLiO成分においてもっとも顕著であることから、極力LiO成分の含有量を少なく、または実質的に含有しないことが好ましい。
LiO、NaO、及びKOの各成分の個々の含有量について説明する。
LiO成分は任意で含有できる成分であるが、その上限は2%であることが好ましい。
NaO成分は任意で含有できる成分であるが、その上限は10%であることが好ましく、9%であることがより好ましく、8%であることが最も好ましい。
O成分は任意で含有できる成分であるが、その上限は6%であることが好ましく、4%であることがより好ましく1%であることが最も好ましい。
ここで、NaO成分は、ガラス基板を結晶化ガラス基板から製造するためには、他のアルカリ成分と比較して所望の結晶相を析出させる上で過度に結晶が析出してしまうなどの影響を抑制しやすい成分であると同時に、材料の化学的耐久性を良好に保ちつつ、溶融塩への浸漬による基板の化学強化を促進するためには重要な成分である。
R’O成分(R’;Mg、Ca、Zn、Ba、Sr、Feから選択される1種以上)はガラスの低粘度化、成形性向上、均質性向上をもたらす一方で、基板のゼータ電位に影響を及ぼす成分である。また、結晶化ガラスとする場合には、原ガラスの熱処理により主結晶相を構成する成分である。基板のゼータ電位を所望の値とするためには、含有量の下限は、15%が好ましく、18%がより好ましく、20%が最も好ましい。一方、合計量が35%を超えると、ガラス化が困難となるばかりか、未溶物の析出や失透温度の上昇を招いてしまう。含有量の上限は35%が好ましく、32%がより好ましく、26%が最も好ましい。
ZnO成分は、原ガラスの熱処理により主結晶相を構成する成分の一つであり、ガラスの低比重化およびヤング率向上に寄与すると共にガラスの低粘性化にも有効である。しかしその含有量が5%未満であると、前記の効果が得られない為、含有量の下限は5%であることが好ましく、6%がより好ましく、7%が最も好ましい。また、ZnO成分の含有量が20%を超えると、原ガラスからの結晶の析出が不安定になり、結晶粒子が粗大化し易くなる為、含有量の上限は20%とすることが好ましく、17%がより好ましく、14%が最も好ましい。
MgO成分は、ガラスの低比重化およびヤング率向上に寄与する成分であり、ガラスの低粘性化にも有効な任意に添加できる成分である。しかしその含有量が5%未満であると、前記の効果が得られない為、含有量の下限は5%であることが好ましく、6%がより好ましく、7%が最も好ましい。また、MgO成分の含有量が20%を超えると、原ガラスからの結晶の析出が不安定になり、結晶粒子が粗大化し易くなる為、含有量の上限は20%とすることが好ましく、17%がより好ましく、14%が最も好ましい。
FeO成分は、原ガラスの熱処理により主結晶相を構成する成分の一つでありAl成分やTiO成分と共にスピネル系化合物を生成する。また、清澄剤としても作用する化合物であるが、反面、ガラス熔融時に一般的に用いられる白金を合金化させてしまう。よって、含有量の上限は、8%であることが好ましく、6%であることが更に好ましく、4%あることが最も好ましい。
CaO成分は、ガラスの低比重化およびヤング率向上に寄与する成分であり、ガラスの低粘性化にも有効であるので任意成分として添加することができる。しかし、CaO成分が10%を超えると、原ガラスの比重が高くなり所望のガラスを得にくくなる。したがって、これらの成分の含有量の上限は10%が好ましく、7%がより好ましく、4%が最も好ましい。
BaO成分やSrO成分は、ガラスの低粘性化と化学的耐久性向上、機械的向上に有効な成分としてMgO、CaO等と同様の働きをする反面、ガラス比重が高くなる傾向にあるため、それぞれの含有量の上限を6%とすることが好ましく、4%とすることがより好ましく、3%とすることが最も好ましい。
SiO成分は、ガラス網目構造を形成し、化学的安定性の向上や低比重化を達成するためにも必須の含有成分である。その量が40%未満では、得られたガラスの化学的耐久性が乏しく、かつ、他成分含有量の増加に伴い比重が高くなる傾向にあるので、含有量の下限は40%であることが好ましく、45%がより好ましく、50%が好ましい。また、80%を超えると粘性の上昇に伴い溶解、プレス成形が困難になり易く、また、材料の均質性や清澄効果が低下しやすくなるので、含有量の上限は80%とすることが好ましく、75%がより好ましく、70%が最も好ましい。
Al成分は、ガラスの安定化、化学的耐久性向上にも寄与する重要な成分であるが、その量が3%未満ではその効果に乏しいので、含有量の下限は3%であることが好ましく、5%がより好ましく、7%が最も好ましい。また20%を超えるとかえって溶解、成形性、耐失透性が悪化し、また、均質性や清澄効果が低下しやすくなるので、含有量の上限は、20%とすることが好ましく、16%がより好ましく、12%が最も好ましい。
成分は、ガラスのクラック進展を抑制する効果を奏するため、ビッカース硬度の上昇に寄与することができる。かつ、低粘性化に寄与するとともにSiOとの共存により原ガラスの溶融、清澄性を向上させることができる。これらの効果を得るためにP成分は任意で含有させることができ、0.1%以上含有させることがより好ましく、0.2%以上含有させることが最も好ましい。しかしながら、この成分を過剰に添加するとガラス化し難くなり、失透や分相が発生しやすくなるので、含有量の上限は3%とすることが好ましく、2%がより好ましく、1%が最も好ましい。
情報記録媒体用基板に要求される物性を維持しつつ、高い清澄効果を得るためには、主たる清澄成分として、SnO成分、CeO成分から選ばれる1種以上の成分を含有することが好ましい。高い清澄効果を得るためには、SnO成分、CeO成分、または両者の合計の含有量の下限が0.01%であることが好ましく、0.05%であることがより好ましく、0.1%であることが最も好ましい。
一方、機械的強度を維持しつつ、比重を低くし、高い清澄効果を得て、かつダイレクトプレス時のリボイル抑制効果を高めるためには、SnO成分またはCeO成分から選択される1種以上の含有量の上限は0.8%が好ましく、0.6%がより好ましく、0.4%が最も好ましい。
As成分やSb成分およびCl、NO、SO 、F成分は清澄剤として作用するが、環境上有害となりうる成分であり、その使用は控えるべきである。本発明のガラスはAs成分やSb成分を含有しなくても清澄効果を得る事ができるし、これら成分と本願の清澄剤成分を添加した場合、清澄剤同士で清澄効果が相殺されてしまうことになる。
また、PbO成分は環境上有害となるうえに、ガラスの比重が大きくなってしまう為に含まないことが好ましい。本発明のガラスはPbO成分を含まなくても結晶の過大な析出を防止し、溶融性の向上や成型時のガラス安定性が良好となる。
CsO成分は原料コストが高く、イオン半径が大きく化学強化が困難であるため含まないことが好ましい。
Gd、La、Y、Nb、Ga、WO成分はガラスの低粘性化、ヤング率向上による機械的特性の向上、耐熱性向上に寄与するため、任意成分として添加することができるが、添加量の増加は比重の上昇や原料コストの上昇も招く。従って、その量はこれら成分のうち1種以上の合計量が5%までで充分であり、合計量が5%を超えると比重及びヤング率、比剛性率を満足できなくなる。したがって、これら成分の合計量の上限は5%とすることが好ましく、4%がより好ましく、3%が最も好ましい。
ガラスの着色成分として用いられるV、Cu、Mn、Cr、Co、Mo、Ni、Te、Pr、Nd、Er,Eu、Sm等の成分は、それらの成分に起因する蛍光特性を利用してガラスの種類を判別し、製造所等において他の種類のガラスとの混合防止目的のために添加させることが可能であるが、比重の上昇、原料コスト上昇、ガラス形成能力の低下を招くため、その量はこれら成分のうち1種以上の合計量が3%までで充分である。従って、これら成分の合計量の上限は酸化物基準で3%とすることが好ましく、2%がより好ましく、1%が最も好ましい。
本発明のガラス基板を結晶化ガラスとする場合、RAl、RTiO、 (ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を結晶相として含有し、析出結晶の結晶化度が1%〜15%、結晶粒径が0.5nm〜20nmであることが好ましい。これらを主結晶相とする結晶化ガラスは結晶がスピネル型構造を示し、スピネル自体のモース硬度が8と優れているため、優れた機械的強度を得ることができ、その結晶化度及び結晶粒径が上述の範囲であると、次世代の情報記録媒体用基板に要求される表面の平滑性とヤング率、ビッカース硬度、破壊靭性等の機械的強度をバランス良く得ることが可能となるのである。前記の効果を得る為には前記結晶化度は2%〜14%がより好ましく、3%〜13%が最も好ましい。同様に前記結晶粒径は0.5nm〜15nmであることがより好ましく、0.5nm〜10nmであることが最も好ましい。同様に、前記効果を得る為には主結晶相の最大粒径は30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、15nm以下が最も好ましい。
ここで、「主結晶相」とはXRD回折においてメインピーク(最も高いピーク)に相応する結晶相をいう。X線回折による分析ではガーナイト(ZnAl)とスピネル(MgAl)はピークが同じ角度に現われる為、両者の区別が困難である。これは、RTiOの場合も同様である。
「結晶化度」とはリートベルト法を用い粉末XRDから得られた回折強度より算出した結晶の量(質量%)を合計すれば得られる。リートベルト法については、日本結晶学会「結晶解析ハンドブック」編集委員会編、「結晶解析ハンドブック」、共立出版株式会社、1999年9月、p.492−499に記載されている方法を用いた。
「結晶粒径」とはTEM(透過型電子顕微鏡)により倍率100,000〜500,000倍での任意の部位の画像を取得し、得られた画像に現われた結晶を平行な2直線で挟んだ時の最長距離の平均値とする。このときn数は100とする。
「最大結晶粒径」とはTEM(透過型電子顕微鏡)により倍率100,000〜500,000倍での任意の部位の画像を取得し、得られた画像に現われた結晶を平行な2直線で挟んだ時の最長距離の最大値とする。このときn数は100とする。
ビッカース硬度は基板表面の硬さを表わす値であり、具体的には以下の方法で測定して得られる値である。すなわち、対面角が136°のダイヤモンド四角すい圧子を加重4.90Nで、15秒間押し込み、試験加重4.90(N)を圧痕のくぼみの長さから算出した表面積(mm)で割ることにより求められる。測定は(株)明石製作所製微小硬度計MVK−Eを用いることができる。
破壊靭性(K1C)はSEPB法(JIS R1607)によって得られた値を用いる。
破壊靭性の値K1Cは次世代の情報記録媒体用基板として適用しうる為に1.0以上であることが好ましく、1.1以上であることがより好ましく、1.2以上であることが最も好ましい。
近年の高回転化に対するフラッタニングの影響を極力回避するため、ヤング率が85GPa未満のガラス基板の場合は、例えば2.5インチ対応基板の場合、従来は基板厚みが0.635mmであったのに対し、0.8mmと基板の厚みを増加させることでフラッタニングを防止する傾向にある。このような状況下においては、基板比重がある程度高い値であろうとも、ヤング率の高い基板であれば、基板厚みを従来どおりの0.635mmにて使用することが実現可能な材料が求められている。本発明は、このような状況下においてスピンドルモーターにかかる負荷を低減し、次世代の情報記録媒体用基板として適用しうる比重と機械的強度のバランスを得るために、材料設計における比重値とヤング率の最適化に成功した。
本発明のガラス基板は、基板表面に存在するイオンよりイオン半径の大きい他の成分と置換することにより基板表面に成膜した磁性膜へのアルカリマイグレーションによるダメージを抑制することができる。
また、基板端面部の加工時に生じたマイクロクラックを基点とした基板の破損を抑制することができる。
特にアルカリマイグレーションの原因となるのは磁性膜等が成膜されない基板の端面部からのアルカリ成分溶出が原因となることが多い。
このため特に基板端面部付近のLi含有量を減少させることが好ましく、前記情報記録媒体用ガラス基板の端面から中心方向に内部へ5μmまでの領域(以下「端面領域」という)におけるLi成分の酸化物基準による含有割合α%と、前記情報記録媒体用ガラス基板の2つの主表面から厚み方向へ5μm以上内部の領域であって前記基板の端面から中心方向に内部へ5μmを超える領域(以下「内部領域」という)のLi成分の酸化物基準による含有割合β%の比率α/βがα/β≦1であることが好ましい。
Liを含有しない組成の場合、Na含有量を上記の方法で確認すればよい。
実際の測定においては例えば端面領域と内部領域における一部のガラスをサンプリングしLi含有量をICP−AES法による方法を主として用いればよい。
実際の製造においては研磨加工後の基板をイオン交換処理により、LiやNaを他の成分、例えばNaやKに置換することによりLi又はNa成分の含有割合を上記のものとすることができる。結晶化ガラスの場合は、析出結晶によりあらかじめ機械的特性が高いのに加え、イオン交換処理によりより望ましい強度を得ることができる。この場合、結晶化ガラス基板の2つの主表面のイオン交換処理(化学強化)による圧縮応力層が30μm未満でも十分な強度を得ることができる。
本発明のガラス基板はより具体的には以下の方法で製造する。
まず、上記の組成範囲のガラス構成成分を有する様に酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の原料を混合し、白金や石英等の坩堝を使用した通常の溶解装置を用いて、ガラス融液の粘度が1.5〜3.0dPa・sとなる温度で溶解する。
次にガラス融液の温度を、粘度が1.0〜2.3dPa・s、好ましくは1.2〜2.2dPa・sとなる温度まで昇温し、ガラス融液内に泡を発生させ撹拌効果を引き起こし均質度を向上させる。
その後、ガラス融液の温度を、粘度が1.8〜2.6dPa・s、好ましくは2.0〜2.5dPa・sとなる温度まで降温し、ガラス内部に発生していた泡の消泡、清澄を行い、その後この温度を維持する。
上記の条件で作製した溶融ガラスを下型に滴下し、上下型で溶融ガラスをプレス(ダイレクトプレス)することによって厚さ0.7mm〜1.2mm程度のディスク状に成形する。具体的にはプレス成形型の上型の温度を300±100℃、好ましくは300±50℃、下型の温度をガラスのTg±50℃、好ましくはTg±30℃に設定する。
さらに坩堝からプレス成型形へガラスを導くためのガラス流出パイプの温度を、ガラスの粘度が2.0〜2.6dPa・s、好ましくは2.1〜2.5dPa・sとなる温度に設定し、前記下型上に所定量のガラスを滴下し、上型と下型を接近させプレスし、ガラス成形体を得る。
情報記録媒体用基板の製造においては、1枚あたりのコスト低減が求められるため、プレススピード150〜700mm/sec、サイクルタイム(プレス開始後次のプレス開始までの時間)1〜2.3secという高速でプレスするが、このようなプレス時の衝撃においても本発明のガラスを使用し、ガラス融液の温度と製造装置の温度を上記の様に管理することで、プレス時のリボイルの発生を抑制することが可能となる。
そのほか円柱状に成形したガラス体をスライスする方法、フロート法によって作製したガラスシートを円形に切り抜く方法などでも製造することができる。但し、生産効率の点ではダイレクトプレスによる製造が最も好ましい。
結晶化ガラスとする場合、次に得られたディスク状のガラスを熱処理により結晶を生成させる。この熱処理は2段階の温度で熱処理することが好ましい。すなわちまず第1の温度で熱処理し核形成工程を行い、この核形成工程の後に核形成工程より高い第2の温度で熱処理することにより結晶成長工程を行う。
この結晶化工程においてはディスク状のセラミックス製セッターとディスク状ガラスをを交互に積み重ね、セッターで挟み込む(セッターの枚数はガラスの枚数+1枚である)とディスクの平坦度を向上するので好ましい。
本発明の析出結晶の粒径、結晶化度とする為に好ましい熱処理の条件は以下の通りである。
第1の熱処理の最高温度は600℃〜750℃が好ましい。第1段階の熱処理を省略しても良い。第2段階の熱処理の最高温度は650℃〜850℃が好ましい。
第1の温度の保持時間は1時間〜10時間が好ましい。
第2の温度の保持時間は1時間〜10時間が好ましい。
次に本発明の好適な実施例について説明する。
本発明の上記実施例のガラスは、いずれも酸化物、炭酸塩の原料を混合し、これを石英製もしくは白金製の坩堝を用いて約1250〜1450℃の温度で溶解し原料となるバッチを溶け残りが発生しないよう充分溶解した後、約1350〜1500℃の温度に昇温後、1,450〜1,250℃の温度まで降温し、ガラス内部に発生していた泡の消泡、清澄化を行った。その後、温度を維持したまま所定量のガラスを流出しダイレクトプレス方式により上型の温度を300±100℃、下型の温度をTg±50℃に設定した上、ディスク状に成形して、冷却しガラス成形体を得た。次いで得られたガラス成形体を上述の方法でラッピングおよび研磨、研磨剤除去のためのフッ酸洗浄を行い、情報記録媒体用の基板を得た。この時の基板の表面粗度Ra(算術平均粗さ)はすべて1Å以下であった。なお、表面粗度Ra(算術平均粗さ)は原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した。
表1から3に実施例1〜6および比較例1〜7のガラス組成(mol%)、プレス成形後の基板の比重、ビッカース硬度、ヤング率、ヤング率の比重に対する比(E/ρ)、25℃〜100℃における平均線膨張係数(α)を示す。
また、平均線膨張係数はJOGIS(日本光学硝子工業会規格)16−2003「光学ガラスの常温付近の平均線膨張係数の測定方法」に則り、温度範囲を25℃から100℃に換えて測定した値をいう。
比重はアルキメデス法、ヤング率は超音波法を用いて測定した。
ビッカース硬度は対面角が136°のダイヤモンド四角すい圧子を用いて、試験面にピラミッド形状のくぼみをつけたときの荷重(N)を、くぼみの長さから算出した表面積(mm)で割った値で示した。(株)明石製作所製微小硬度計MVK−Eを用い、試験荷重は4.90(N)、保持時間15(秒)で行った。






































(実施例7)
実施例1の結晶化ガラス組成について2.5インチHDD用研磨基板(65φ×0.800mmt)を公知の方法で化学強化処理工程を含む研磨工程を経て作製し、基板表面をAFMにて3μm視野にて観察したところ、Ra0.78Å、Rmax8.9Å、マイクロウェービネス(μWa)0.45Åであり、次世代HDD用基板に求められる表面性状として極めて優れていることが確認された。
マイクロウェービネス(μWa)は、磁気記録媒体の電磁変換特性に影響を与える要素のひとつであり、電磁変換特性を優れたものにするためには、前記マイクロウェービネスは、Ra同様低減が必要である。
マイクロウェービネスの測定は、一例として、基板上下面の0°、90°、180°、270°方向における周方向において、光干渉法(装置名;Micro XAM)によりバンドパスフィルター 50〜200nmの条件にて実施する方法が挙げられる。実測定はその限りではない。
(実施例8)
また、上記の実施例により得られた基板に、DCスパッタ法により、クロム合金下地層、コバルト合金磁性層を成膜し、さらにダイヤモンドライクカーボン層を形成し、次いでパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布して、情報磁気記録媒体を得た。
本発明の磁気記録媒体用基板等の基板は、表面のコンタミネーションが少なく、成膜後の記録再生特性に優れており、エラー発生率も極度に少なく、面記録密度の増大に相応する基板であることが確認できた。
実施例1、3、4、比較例1、2、4について研磨加工された基板の表面のOSA(Optical Surface Analysis)検査を行った。具体的には基板表面に波長405nmおよび波長632nmの光を照射し、散乱光から異物を検出する。その結果を表3に示す。なお、耐候性試験は検査後温度90℃、湿度5%で保持時間480時間後の基板表面の観察結果である。実施例1、3、4については基板表面の異物の個数が少なく、耐候性試験実施後も殆ど変化がない。一方、比較例1、2、4については、基板表面の異物の個数が多く、また、耐候性試験実施後は基板表面の異物の個数極端に増加する。これはアルカリ成分、特にリチウム成分が基板表面に析出した為である。

Claims (4)

  1. 酸化物基準のmol%で表わしたとき、ガラス構成成分として、SiOを40mol%以上80mol%以下、Alを3mol%以上12mol%以下、Na Oを2.20mol%以上10mol%以下含有し、
    O成分の含有量が10mol%以下(R;Li,Na、Kから選択される1種以上)、及びR’O成分の含有量が15mol%以上(R’;Mg、Ca、Zn、Ba、Sr、Feから選択される1種以上)であり、
    RAl、RTiO(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を結晶相として含有する結晶化ガラスであって、
    NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが10に調整された水溶液を用いて測定した表面のゼータ電位が−50mVより低い値を示すことを特徴とするガラス基板。ただし、前記ガラス基板の表面から十分に離れた前記水溶液の電気的に中性な領域の電位を0Vとする。
  2. NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが2に調整された水溶液を用いて測定した表面のゼータ電位がマイナスであることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板。ただし、前記ガラス基板の表面から十分に離れた前記水溶液の電気的に中性な領域の電位を0Vとする。
  3. 酸化セリウム粒子を含み、NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHが調整された水溶液を用いて測定した基板表面と前記酸化セリウム粒子との電位差において、前記水溶液のpHを10〜12の範囲で変化させて測定した時の前記電位差の最大値が20mV以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス基板。
  4. シリカ粒子を含み、NaSOを緩衝剤として混合し、HSOとNaOHにてpHを4に調整された水溶液を用いて測定した基板表面と前記シリカ粒子との電位差が15mV以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のガラス基板。
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