JPH11322362A - 結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板及び情報記録媒体 - Google Patents

結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板及び情報記録媒体

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JPH11322362A
JPH11322362A JP11066003A JP6600399A JPH11322362A JP H11322362 A JPH11322362 A JP H11322362A JP 11066003 A JP11066003 A JP 11066003A JP 6600399 A JP6600399 A JP 6600399A JP H11322362 A JPH11322362 A JP H11322362A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヤング率、強度及び耐熱性が高く、表面平滑
性や表面均質性に優れ、かつガラスの液相温度が比較的
低く安価に製造できる、情報記録媒体用結晶化ガラス基
板及び情報記録媒体を提供すること。 【解決手段】 SiO2:35−65モル%、Al2O3: 5−25モ
ル%、MgO: 10−40モル%、TiO2:5−15モル%、Y
2O3:0.8−10モル%を含有する組成を有する情報記録媒
体用結晶化ガラス基板。この基板と、該基板上に形成さ
れた記録層とを有する情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク、光
ディスク、光磁気ディスク等の情報記録媒体に用いられ
る基板用に適した結晶化ガラス、この結晶化ガラスから
なる情報記録媒体用基板および該情報記録媒体用基板を
用いた情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターなどの磁気記憶装置の主
要構成要素は、磁気記録媒体と磁気記録再生用の磁気ヘ
ッドである。磁気記録媒体としてはフレキシブルディス
クとハードディスクとが知られている。このうちハード
ディスク用の基板材料としては主としてアルミニウム合
金が使用されてきている。最近、ノートパソコン用ハー
ドディスクドライブの小型化や磁気記録の高密度化にと
もなって磁気ヘッドの浮上量が顕著に減少してきてい
る。これに伴い、磁気ディスク基板の表面平滑性につい
て、きわめて高い精度が要求されてきている。しかし、
アルミニウム合金の場合には、硬度が低いことから高精
度の研磨材及び工作機器を使用して研磨加工を行って
も、この研磨面が塑性変形するので、ある程度以上高精
度の平坦面を製造することは困難である。たとえアルミ
ニウム合金の表面にニッケル−リンめっきを施しても、
表面粗さRaを5オングストローム以下にすることはでき
ない。さらに、ハードディスクドライブの小型化・薄型
化が進展するのにつれて、磁気ディスク用基板の厚みを
小さくすることも強く要求されている。しかし、アルミ
ニウム合金は、強度、剛性が低いので、ハードディスク
ドライブの仕様から要求される所定の強度を保持しつ
つ、ディスクを薄くすることは困難である。
【0003】そこで、高強度、高剛性、高耐衝撃性、高
表面平滑性を必要とされる磁気ディスク用ガラス基板が
登場してきた。このうち、基板表面をイオン交換法で強
化した化学強化ガラス基板や、結晶化処理を施した結晶
化基板などがよく知られている。イオン交換強化ガラス
基板としては、例えば、特開平1−239036号公報
に開示のガラスが知られている。このイオン交換強化ガ
ラス基板は、重量%表示で、SiO2:50−65%、Al2O
3:0.5−14%、R2O(ただしRはアルカリ金属イオ
ン):10−32、ZnO:1−15%、B2O3:1.1−
14%を含むガラスをアルカリイオンによるイオン交換
法によってガラス基板の表面に圧縮応力層形成し強化さ
れた磁気ディスク用ガラス基板が開示されている。
【0004】また、結晶化ガラスとしては、例えば、特
許第2516553号公報に記載のものがある。この結
晶化ガラスは、重量%表示で、SiO2:65−83%、Li
2O:8−13%、K2O:0−7%、MgO:0.5−5.5
%、ZnO:0−5%、PbO:0−5%(ただしMgO+ZnO+ P
bO:0.5−5%)P2O5:1−4%、Al2O3:0−7
%、As2O3+Sb2O3:0−2%を含み、主結晶として微細
なLi2O・2SiO2結晶粒子を含む磁気ディスク用結晶化ガ
ラスである。さらに、特開平7−291660号公報に
も、結晶化ガラスが開示されている。この結晶化ガラス
は、重量百分率で、SiO2 38%〜50%、Al2O3
18%〜30%、MgO 10%〜20%、ただし、重
量比で、Al2O3/MgO=1.2〜2.3、B2O3
%〜5%、CaO 0%〜5%、BaO 0%〜5%、
SrO 0%〜5%、ZnO 0.5%〜7.5%、T
iO2 4%〜15%、ZrO2 0%〜5%、As2O3
よび/またはSb2O3 0%〜2%、の組成から成るガラ
スを溶融し、成形した後、熱処理することにより得ら
れ、主結晶として、コージェライト系結晶を含有するこ
とを特徴とするコージェライト系結晶化ガラスである。
さらに、この結晶化ガラスからなる磁気ディスク用基板
も開示されている。
【0005】また、特開平9−77531号公報にも結
晶化ガラスが開示されている。この結晶化ガラスは、ヤ
ング率が約14×106 から約24×106 psi(96〜16
5GPa)までの範囲にあり、破壊靱性が1.0 MPa・
m1/2 より大きいガラスセラミック製品であって、ケイ
質を多く含む残存ガラスマトリックス相中に均一に分散
している均一な大きさの尖晶石型結晶から主になる結晶
相集成体から構成され、酸化物基準の重量パーセントで
表して、35−60%のSiO2 と、20−35%のAl2O
3と、0−25%のMgOと、0−25%のZnOと、0−2
0%のTiO2と、0−10%のZrO2と、0−2%のL
2Oと、0−8%のNiOとから実質的になり、Mg
O+ZnOの合計が少なくとも約10%であり、BaO、
CaO、PbO、SrO、P25、B2O3、およびGa2
O3 からなる群より選択される5%までの任意の成分
と、Na2O、K2O、Rb2O、およびCs2Oからなる
群より選択される、0−5%のR2Oと、0−8%の遷
移金属酸化物とを含んでもよく、Al2O3が約25%未満
の量しか含まれない場合には、TiO2+ZrO2+Ni
Oの合計量が5%以上である組成を有するガラスセラミ
ックであり、このガラスセラミックからなる磁気ディス
ク用基板も開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
ハードディスクの小型化、薄型化、記録の高密度化に伴
って、磁気ヘッドの低浮上化及びディスク回転の高速化
が急速に進み、そのため、ディスク基板材料の強度やヤ
ング率、表面平滑性などが一層厳しく要求されてきてい
る。特に最近パソコン及びサーバー用3.5インチハード
ディスク情報記録の高密度化によって基板材料の表面平
滑性及び表面平坦性が厳しく要求され、またデータ処理
の高速化に対応してディスクの回転数を10000rpm以上に
する必要があるため、基板材料の剛性度に対する要求が
一層厳しくなってきており、従来のアルミ基板の限界が
すでにはっきりとなっている。今後、ハードディスクの
高容量化、高速回転化の需要が必然であるかぎり、磁気
記録媒体用基板材料としては高ヤング率、高強度、優れ
た表面平坦性、耐衝撃性などが強く要求されつつあるに
間違いない。
【0007】高ヤング率の必要性は、次のような事実に
基づき説明することができる。即ち、最近、HDDの小
型化、高容量化、高速化に伴って、将来の磁気記録媒体
陽基板の厚みは恐らく現在3.5インチの0.8mmから0.635m
mへと、2.5インチの0.635mmから0.43mmさらに0.38mmへ
と薄くなり、基板の回転速度も現在の最高速度の10000r
pmから14000rpmへと高速回転化すると予測されている。
このような磁気記録媒体用基板は薄くなればなるほど、
基板のたわみやうねりや反りが生じしやくなり、また高
速回転すればするほど基板の受ける応力(回転によって
生じる風圧に基づくディスクに働く力)が大きくなるこ
とが予想できる。力学の理論に基づけば、単位面積当た
りPの荷重を受けている円板のたわみWは以下のように
表される。
【0008】
【数1】
【0009】但し、aは円板の外円径、hは基板の厚
み、Eは円板材料のヤング率である。静止状態において
は、円板に加わる力は重力のみであり、たわみは、円板
材料の比重をdとすると、
【0010】
【数2】
【0011】と表される。ここでGは円板材料の比弾性
率(=ヤング率/比重)である。一方、円板の回転状態
においては、重力成分は遠心力成分をバランスして無視
できると考えた場合、円板に加わる力は回転に基づく風
圧としてよい、風圧は円板回転速度の関数であり、一般
的にその2乗に比例すると言われている。従って、円板
が高速回転するときのたわみは以下のように表される。
【0012】
【数3】
【0013】この結果ら、高速回転化基板のたわみを押
さえるためにはヤング率の高い基板材料が必要となるこ
とがわかる。本発明者らの計算によると2.5インチ基板
の厚みを0.635mmから0.43mmに、3.5インチ基板の厚みを
0.8mmから0.635mmに薄くすると基板材料の比弾性率は少
なくとも37MNm/kg以上であることが要求される。また、
3.5インチハイエンド基板の回転速度を現在の7200rpmか
ら将来の10000rpmに高速化すれば、70Gpa程度のヤング
率をもつアルミ基板で対応できなくなり、少なくとも11
0Gpa以上のヤング率を有する新しい基板材料が必要とさ
れる。基板材料の比弾性率またはヤング率が高ければ高
いほど基板の剛性度が高くなるだけでなく、基板の耐衝
撃性も強度もともに大きくなるので、高い比弾性率及び
大きなヤング率を持つガラス材料がHDDの市場から強
く要求されている。
【0014】しかしながら、前述の特開平1−2390
36公報に開示されているような化学強化ガラスは、ヤ
ング率が約80Gpa程度であり、今後のハードディスクの
厳しい要求に対応できなくなるのは明らかである。これ
までのイオン交換強化基板ガラスはイオン交換のため多
量のアルカリイオンをガラスに導入しており、そのため
ほとんどの強化ガラスのヤング率が低く(90Gpa)。さら
に、剛性度も低いので、3.5インチのハイエンドディス
ク基板や薄型化ディスク基板に対応できない。また、イ
オン交換による化学強化を施したガラスには多量のアル
カリ成分含まれる。そのため、高温、多湿環境下におい
て長時間使用すると磁気膜のピンホール部または磁気膜
の周辺部など磁気膜が薄い部分またはガラスが露出した
部分からアルカリイオンが析出し、これが引き金となっ
て磁気膜が腐食或いは変質するなどの欠点もある。さら
に磁気記録媒体の製造過程においては、ガラス基板上に
磁気層を設けた後に、磁気層の保磁力などの特性を向上
させるために所定の熱処理を施される場合がある。しか
し、上記従来のイオン交換強化ガラスではガラスの転移
温度がせいぜい500℃程度であり、耐熱性に乏しいの
で、高保磁力が得られないという問題もある。
【0015】また、前述の特許第2516553号公報
に開示されているような従来の結晶化ガラスは、ヤング
率や耐熱性の点では、上記の化学強化ガラス基板より少
々優れている。しかし、表面粗さが10オングストロー
ム以上であり、表面平滑性が乏しく、磁気ヘッドの低浮
上化に限界がある。そのため、磁気記録の高密度化に対
応できないという問題がある。さらに、ヤング率もせい
ぜい90-100Gpa程度であり、3.5インチハイエンドディス
ク基板や薄型化ディスク基板に対応することもできな
い。
【0016】また、前述の特開平7−291660号公
報に開示されている結晶化ガラスは、ヤング率がせいぜ
い100〜130GPaであり、十分とは言えない。さ
らに、中心線平均粗さ(Ra)が8オングストローム程
度の表面平滑性しか有さず、平滑性に劣る。加えて、ガ
ラスの液相温度も1400℃程度と高く、製造しにくい
という欠点がある。さらに、前述の特開平9−7753
1号公報に開示されている結晶化ガラスは、その主結晶
がスピネルであるため、非常に研磨しにくいという欠点
がある。さらには、ガラスの液相温度が1400℃以上
と高く、高温溶融及び高温成形し難いという欠点もあ
る。
【0017】そこで、本発明の目的は、将来の磁気磁気
記録媒体用基板の薄型化、高強度、高耐熱性、高対衝撃
性などの要求を考慮して、ヤング率、強度及び耐熱性が
高く、表面平滑性や表面均質性に優れ、かつ安価に製造
できるガラスの液相温度が比較的低い、磁気ディスク等
の情報記録媒体用基板に適した結晶化ガラスを提供する
ことにある。さらに本発明の目的は、上記結晶化ガラス
からなる、ヤング率、強度及び耐熱性が高く、表面平滑
性や表面均質性に優れ、かつガラスの液相温度が比較的
低く安価に製造できる、磁気ディスク等の情報記録媒体
用の基板及びこの基板を用いた磁気ディスク等の情報記
録媒体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らが種々検討した結果、TiO2成分を核形成
剤としたSiO2−Al2O3−MgO系ガラスにY23を必須成分
として含有させることによって、120Gpa以上の高
いヤング率及び良好な表面平滑性を有する情報記録媒体
用基板に適した結晶化ガラスが得られることを見出し
て、本発明に至った。本発明は、SiO2:35−65モル%、
Al2O3: 5−25モル%、MgO: 10−40モル%、TiO2:5−
15モル%、Y2O3:0.8−10モル%を含有する組成を有す
ることを特徴とする情報記録媒体用結晶化ガラス基板に
関する。さらに本発明は、上記本発明の結晶化ガラスか
らなる情報記録媒体用基板上に形成された記録層を有す
ることを特徴とする情報記録媒体に関す。
【0019】
【発明の実施の形態】結晶化ガラス 本発明の情報記録媒体用基板を構成する結晶化ガラスに
おけるガラスを構成する各成分について以下に説明す
る。SiO2はガラスの網目構造の形成物であり、主な析出
結晶である2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2及びMg
O・Al2O3・4SiO2のような準安定な石英固溶体、MgO・SiO2
の組成を有するエンスタタイト及び(Mg・Al)SiO3の組成
を有するエンスタタイト固溶体を構成成分でもある。Si
O2の含有量が35%未満では溶解したガラスが非常に不安
定なので、高温成形ができなくなるおそれがあるうえ、
上記のような結晶も析出し難しくなる。また、SiO2の含
有量が35%より少なくなると、残存ガラスマトリックス
相の化学耐久性が悪化したり、耐熱性も悪化する傾向が
ある。一方、SiO2の含有量が65%を超えると、主結晶相
として準安定な石英固溶体及びエンスタタイトが析出し
にくくなり、ガラスのヤング率が急激に小さくなる傾向
がある。そのため、SiO2の含有量は、析出結晶種及びそ
の析出量、化学耐久性、耐熱性及び成形・生産性を考慮
すると、35−65%の範囲である。より好ましい物性を有
する結晶化ガラスが得られるという観点から、SiO2の含
有量は、好ましくは、37−60%の範囲である。
【0020】Al2O3はガラスの中間酸化物であり、主な
結晶種である2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及
びMgO・Al2O3・4SiO2等の準安定な石英固溶体結晶の構成
成分である。Al2O3の導入は準安定な石英固溶体結晶の
析出を促進し、ガラス表面硬度の向上に寄与する。しか
し、Al2O3の含有量が 5%未満では上記のような高ヤン
グ率結晶が析出しにくくなり、ガラスマトリックス相の
化学耐久性も低下し、基板材料に要求される強度が得ら
れにくくなる傾向がある。一方、Al2O3の含有量が25モ
ル%を超えると、エンスタタイトのような高ヤング率結
晶相が析出しにくくなくとともに、溶融温度が高くなっ
てガラスが溶けにくくなるうえ、失透しやすくなって容
易に成形しにくくなる傾向がある。従って、ガラスの溶
解性、高温度成形性、析出結晶種などを考慮して、Al2O
3の含有量は5−25%の範囲、好ましくは7−22%の範囲と
することが適当である。MgOはガラスの修飾成分であ
り、エンスタタイト結晶や準安定な石英固溶体の結晶構
造をもち、2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及び
MgO・Al2O3・4SiO2のような組成を有する結晶種の主成分
でもある。MgOの含有量が10%未満では上記のような結
晶が析出しにくく、ガラスの失透傾向及び溶融温度が高
く、かつガラス成形の作業温度幅が狭くなるけいこうが
ある。一方、MgOの含有量が40モル%を超えると、ガラ
スの高温粘性が急激に低くなって熱的に不安定となり、
生産性も悪化し、ヤング率や耐久性も低下する傾向があ
る。そこで、MgOの含有量は、ガラスの生産性、化学耐
久性、高温粘性及び強度などを考慮すると、10−40%の
範囲であること、好ましくは12−38%の範囲であること
が適当である。
【0021】TiO2はエンスタタイト結晶相や準安定な石
英固溶体の結晶構造をもつ2MgO・2Al 2O3・5SiO2、MgO・Al2
O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2結晶相析出の核生成剤
である。さらに、TiO2は、SiO2の含有量が少ない場合
に、ガラスの失透を抑える効果も有する。但し、TiO2
含有量が5%未満の場合、主結晶の核生成剤としての効果
が充分に得られず、ガラスが表面結晶化してしまい、均
質な結晶化ガラスの作製が難しくなる傾向がある。一
方、TiO2の含有量が15%を超えると、ガラスの高温粘性
が低くなりすぎて分相したり、失透したりするので、ガ
ラスの生産性が極端に悪化する傾向がある。そのため、
ガラスの生産性、化学耐久性、高温粘性、結晶核生成な
どを考慮すると、TiO2の含有量は5−15%の範囲であるこ
と、好ましくは5.5−14%の範囲であることが適当であ
る。
【0022】本発明の結晶化ガラスにおいて、Y2O3は重
要な働きをする。後述の実施例で示すように、例えば、
2%のY2O3を導入することによって結晶化ガラスのヤング
率を10Gpa程度増大でき、かつ液相温度を50−100℃程度
低減することができる。即ち、少量のY2O3の導入によっ
てガラスの特性や生産性を格段に向上させることができ
る。但し、Y2O3の含有量が0.8%よりも少ないと、この
ようなY2O3の効果が充分に得られない。また、Y2O3は前
述のガラスに含まれる主結晶の成長を抑える力をもつ。
そのため、Y2O3の含有量が多過ぎると、ガラスを結晶化
させる目的で行われる熱処理において、表面結晶化が起
り易く、目的とする結晶化ガラスが作れなくなる傾向が
ある。このような観点からY2O3の含有量は、10%以下と
することが適当である。特に、Y2O3の含有量は、8%以下
であることが好ましい。
【0023】上記以外の成分としては、結晶化ガラスの
所望の特性を損なわない範囲で、Li 2O、Na2O、K2O、Ca
O、SrO、BaO、ZnO、NiOなどのアルカリ金属及びアルカ
リ土類金属の酸化物成分の一種又は二種以上を0−10モ
ル%、 B2O3、P2O5、R2O3(R:Yを除く希土類金属イ
オン)、ZrO2、CeO2、N2O5(N:Nb、Ta)を0−5モル%
含有させることができる。また、ガラスの均質化を図る
ために脱泡剤としてAs2O3及び/又はSb2O3を含有させる
こともできる。ガラスの組成により変化するの高温粘性
に応じて、適当量のAs2O3やSb2O3或いはAs2O3+Sb2O3
ガラスに添加することで、より均質なガラスが得られ
る。但し、脱泡剤の添加量が多過ぎると、ガラスの比重
が上昇してヤング率を低下させる傾向があり、また溶解
用白金るつぼと反応してるつぼにダメージを与える場合
もある。そこで、脱泡剤の添加量は2%以下、好ましく
は1.5%以下とすることが適当である。以上の基本成分
の他に原料中の不純物、例えばガラスの清澄剤となるC
l、F、SO3等を本発明の結晶化ガラスの特性を損ねるこ
とのない、それぞれ1%以下であれば含有させることが
できる。
【0024】本発明の結晶化ガラスにおける主結晶相
は、例えば、MgO・SiO2及び(Mg・Al)SiO 3の組成を有する
エンスタタイト(エンスタタイト固溶体を含む)結晶
相、または2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及び
MgO・Al2O3・4SiO2からなる群から選ばれる1種又は2種
以上の組成有するが準安定なクオーツ(石英固溶体)で
あることができる。石英固溶体としては、特にβ−石英
固溶体を挙げることが出来る。また、エンスタタイトに
は、クリノエンスタタイト、プロトエンスタタイト及び
エンスタタイトが包含される。さらに上記の結晶のほか
スピネル、ムライト、2MgO・SiO2、MgO・SiO2などその他
の結晶を含むこともできる。さらに、本発明の結晶化ガ
ラスに含まれる結晶のサイズの平均値は、3μm以下で
あることが好ましく、1μm以下であることがより好ま
しく、0.5μm以下であることがさらに好ましい。結晶サ
イズの平均値は1μmを超えると、ガラスの機械強度を
低下させるだけでなく、研磨加工時に結晶の欠落を引き
起こしてガラスの表面粗度を悪化させるおそれがある。結晶化ガラス及び基板の製造方法 本発明の結晶化ガラス及び基板は、公知のガラスの製造
方法を用いて製造することができる。例えば、高温溶融
法、即ち所定の割合のガラス原料を空気中または不活性
ガス雰囲気で溶解し、バブリングや脱泡剤の添加や撹拌
などによってガラスの均質化を行い、周知のプレス法や
ダウンドーロ成形などの方法により板ガラスに成形し、
その後、研削、研磨などの加工を施こすことで、所望の
サイズ、形状のガラス成形品を得ることができる。最終
製品が基板である場合、基板の形状等を考慮したガラス
成形品とすることができる。得られたガラス成形品は、
結晶化のための熱処理方法を施される。熱処理方法には
特に制限はなく、結晶化促進剤の含有量やガラスの転移
温度、結晶化ピーク温度などに応じて適宜選択すること
ができる。但し、初期の段階で比較的低温度(例えば、
700〜850℃)で熱処理して多数の結晶核を発せし
め、その後、温度を850〜1150℃に上げて結晶を
成長させることが、結晶を微細化するという観点からは
好ましい。本発明の結晶化ガラスの製造に際しては、熱
処理のスケジュール又はガラス組成を順次に変えること
により、析出結晶サイズや結晶量を制御することがで
き、それにより結晶化ガラスの特性を大幅に調整するこ
とができる。また、本発明においては、同じヤング率や
同じ結晶粒子の大きさまたは同じ結晶化均質性を有する
結晶化ガラスを作製するための結晶核生成熱処理及び結
晶成長熱処理の許容温度範囲は30℃以上の温度幅をもつ
ので、結晶化の製造工程を容易に制御することができ
る。
【0025】さらに、本発明においては、熱処理により
MgO・SiO2の組成を有するエンスタタイト及び(Mg・Al)SiO
3の組成を有するエンスタタイト固溶体の結晶相や石英
固溶体の結晶構造をもち、例えば、2MgO・2Al2O3・5Si
O2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2ような組成
を有する結晶の内少なくとも一種以上が主結晶として析
出する熱処理条件とすることが適当である。尚、これら
の主結晶のほか、2MgO・SiO2、スピネル、ムライトなど
のその他の結晶が析出してもよいが、主結晶相としては
エンスタタイトや準安定なクオーツ(石英固溶体)が析
出する条件を設定することが好ましい。そのような条件
としては、結晶化処理温度をできるだけ低く抑える。例
えば、1150℃以下にすることが適当である。また、
核生成処理温度をガラスの転移温度より30〜60℃高
い温度に設定することが適当である。
【0026】熱処理を終えた結晶化ガラスの成形品は、
必要により研磨することができ、研磨方法については特
に制限がない。例えば、合成ダイヤモンド、炭化珪素、
酸化アルミニウム、炭化ホウ素などの合成砥粒や、天然
ダイヤモンド、酸化セリウムなどの天然砥粒を用いて、
公知の方法により研磨することができる。本発明の本発
明の結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板は、上記
方法において、成形品を基板形状とすることで得ること
ができる。本発明の結晶化ガラスから基板は、AFMで測
定した平均粗さRaで20オングストローム以下の表面平滑
性を有することが好ましい。特に本発明の結晶化ガラス
を磁気ディスク基板に用いる場合、表面の平均粗さRa
は、磁気ディスクの記録密度に大きく影響する。表面粗
さが20オングストロームを超えると、高記録密度化を達
成しにくくなる。本発明の結晶化ガラスから基板の表面
粗さは磁気ディスクの高記録密度化を考慮すると、15オ
ングストローム以下であることがより好ましく、10オン
グストローム以下であることがさらに好ましい。
【0027】2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及
びMgO・Al2O3・4SiO2から選ばれる少なくとも1種の石英
固溶体結晶を主結晶として含む本発明の結晶化ガラスか
らなる基板は、高強度、高硬度、高ヤング率であり、か
つ化学的耐久性や耐熱性が優れることから、磁気ディス
ク基板として有用である。さらに、本発明の結晶化ガラ
スは、無アルカリ、又は低アルカリであるため、磁気デ
ィスク基板とした場合でも、磁気膜と基板とのコロージ
ョンを大いに低減することができ、磁気膜を最善に保つ
ことができる。
【0028】本発明の結晶化ガラスからなる磁気ディス
ク基板は、磁気ディスク基板として必要な表面平滑性、
平坦性、強度、硬度、化学耐久性、耐熱性などをすべて
満足することができる。また、従来の結晶化ガラス(Li
2O−SiO2結晶化ガラス)に比べ、約2倍程度のヤング率
をもつので、ディスクの高速回転化によるたわみをより
小さく抑えることができ、高TPIハードディスクの実現
のため基板材料として好適である。本発明の結晶化ガラ
スは、耐熱性、表面平滑性、化学耐久性、光学的性質及
び機械的強度に優れているので、磁気ディスク等の情報
記録媒体用基板や光磁気ディスク用のガラス基板や光デ
ィスクなどの電子光学用ガラス基板、次世代LCDとし
て気体される低温多結晶シリコン液晶表示装置用の耐熱
性基板、或いは電気、電子部品用のガラス基板として好
適に使用できる。
【0029】磁気ディスクの説明 本発明の情報記録媒体は、本発明の基板と、該基板上に
形成された記録層とを有することを特徴とする。以下、
本発明の結晶化ガラスからなる基板の主表面に、少なく
とも磁性層を形成した磁気ディスク(ハードディスク)
ものについて説明する。磁性層以外の層としては、機能
面から、下地層、保護層、潤滑層、凹凸制御層などが挙
げられ、必要に応じて形成される。これらの各層の形成
には各種薄膜形成技術が利用される。 磁性層の材料は
特に制限されない。磁性層としては、例えば、Co系の
他、フェライト系、鉄−希土類系などが挙げられる。磁
性層は、水平磁気記録、垂直磁気記録のいずれの磁性層
でもよい。磁性層としては、具体的には、例えば、Coを
主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPt
CrやCoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtSiO などの
磁性薄膜が挙げられる。また、磁性層を非磁性層で分割
してノイズ低減を図った多層構成としてもよい。
【0030】磁性層における下地層は、磁性層に応じて
選択される。下地層としては、例えば、Cr、Mo、Ta、T
i、W、V、B、Alなどの非磁性金属から選ばれる少な
くとも一種以上の材料、又はそれらの金属の酸化物、窒
化物、炭化物等からなる下地層等が挙げられる。Coを主
成分とする磁性層の場合には、磁気特性向上の観点から
Cr単体やCr合金であることが好ましい。下地層は単層と
は限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造とす
ることもできる。例えば、Al/Cr/CrMo、Al/Cr/Cr等
の多層下地層等が挙げられる。また、基板と磁性層の間
又は磁性層の上部に、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着
することを防止するための凹凸制御層を設けてもよい。
この凹凸制御層を設けることによって、磁気ディスクの
表面粗さは適度に調整されるので、磁気ヘッドと磁気デ
ィスクが吸着することがなくなり、信頼性の高い磁気デ
ィスクが得られる。凹凸制御層の材料及び形成方法は多
種知られており、特に制限されない。例えば、凹凸制御
層の材料としては、Al、Ag、Ti、Nb、Ta、Bi、Si、Zr、
Cr、Cu、Au、Sn、Pd、Sb、Ge、Mgなどから選ばれる少な
くとも一種以上の金属、又はそれらの合金、あるいは、
それらの酸化物、窒化物、炭化物等からなる下地層等が
挙げられる。形成が容易であるという観点からは、Al単
体やAl合金、酸化Al、窒化AlといったAlを主成分とする
金属であることが望ましい。
【0031】また、ヘッドスティクションを考慮する
と、凹凸形成層の表面粗さは、Rmax=50〜300オン
グストロームであることが好ましい。より好ましい範囲
は、Rmax=100〜200オングストロームである。Rm
axが50オングストローム未満の場合、磁気ディスク表
面が平坦に近いため、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着
し、磁気ヘッドや磁気ディスクが吸着し、磁気ヘッドや
磁気ディスクが傷ついてしまったり、吸着によるヘッド
クラッシュを起こすので好ましくない。また、Rmaxが3
00オングストロームを超える場合、グライド高さ(グ
ライドハイト)が大きくなり記録密度の低下を招くので
好ましくない。尚、凹凸制御層を設けずに、ガラス基板
表面に、エッチング処理やレーザー光の照射等の手段で
凹凸を付け、テクスチャリング処理を施してもよい。保
護層としては、例えば、Cr膜、Cr合金膜、炭素膜、ジル
コニア膜、シリカ膜等が挙げられる。これらの保護膜
は、下地層、磁性層等とともにインライン型スパッタ装
置等で連続して形成できる。また、これらの保護膜は、
単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の膜からな
る多層構成としてもよい。上記保護層上に、あるいは上
記保護膜に替えて、他の保護層を形成してもよい。例え
ば、上記保護層上にテトラアルコキシランをアルコール
系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分
散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)膜を
形成してもよい。この場合、保護膜と凹凸制御層の両方
の機能を果たす。潤滑層としては多種多様な提案がなさ
れているが、一般的には、液体潤滑剤であるパーフルオ
ロポリエーテルをフレオン系などの溶媒で希釈し、媒体
表面にディッピング法、スピンコート法、スプレイ法に
よって塗布し、必要に応じて加熱処理を行って形成す
る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を上げて本発明の詳細を説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。表1及び2には実施例1−16のガラス組成をモル
%で示した。これらのガラスを溶解する際の出発原料と
しては、SiO2、Al2O3、Al(OH)3、MgO、CaCO3、Y2O3、Ti
O2、ZrO2、Li2CO3などを用いて表1及び2に示した所定
の割合に250−300g秤量し、十分に混合して調合
バッチと成し、これを白金るつぼに入れ、1550℃で
攪拌しながら空気中4−5時間ガラスの溶解を行った。
熔融後、ガラス融液をサイズ180x15x25mmのカー
ボンの金型に流し、ガラスの転移点温度まで放冷してか
ら直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約
1時間アニールして炉内で室温まで放冷した。得られた
ガラスは顕微鏡で観察できる結晶が析出しなかった。
【0033】180x15x25mmサイズのガラスを10
0x10x10mm、10x10x20mm、10x1x20mmに
研磨した後、熱処理炉に入れ、表1及び2に示した第一
次熱処理温度まで1−5℃/分の昇温速度で昇温し、当該
温度で2−10時間程度保温し第一次熱処理を行い、第一
次熱処理を終えた後直ちに第一次熱処理温度から表1及
び2に示した第二次熱処理温度までに2−10℃/分の昇
温速度で昇温し、1−5時間程度保温した後、炉内で室温
まで冷却することによって結晶化ガラスを作製した。得
られた結晶化ガラスをさらに長さを95mmに研磨してヤン
グ率、比重の測定サンプルとした。ヤング率の測定は95
x10x10mmのサンプルを用いて超音波法で行われた。
測定で得られたデータをガラスの組成と共に表1及び2
に示した。
【0034】比較のため、特開平1−239036号に
開示されたイオン交換ガラス基板と米国特許第2516553
号に記載されたガラス基板とをそれぞれ比較例1及び2
として、表3に組成と特性を記載する。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表1及び2に示す結果から明らかなよう
に、実施例1−16の本発明の結晶化ガラスはヤング率
(120Gpa以上)や比弾性率(40-60MNm/kgの範囲)など
の強度特性が大きい。そのため、これらのガラスを磁気
記録媒体等の情報記録媒体用基板として使用した場合、
このガラス基板が高速回転しても、基板に反りやブレが
生じにくく、より基板の薄型化にも対応できることが分
かる。さらに、これらの結晶化ガラスの表面粗度(Ra)
は、例えば、合成ダイヤモンド、炭化珪素、酸化カルシ
ウム、酸化鉄、酸化セリウムなどの研磨剤を用いる通常
の光学ガラスの研磨法で5オングストローム以下に研磨
することができる。そのため、平坦性に優れた基板を得
ることができ、磁気ヘッドの低浮上化を図ることを目的
とする磁気記録媒体用ガラス基板として有用である。
【0039】図1及び2に実施例16で得られた結晶化
ガラスの原子間力顕微鏡の写真を示す。写真に示したよ
うに、酸化セリウムを用いた通常の光学ガラスの研磨法
で実施例16の結晶化ガラスの表面平滑性を4オングス
トローム以下に研磨することができる。また、実施例1
6の液相温度を測定したところ、1320℃であり、成
形が容易であることがわかる。
【0040】これに対し、比較例1の化学強化ガラス基
板は、表面平滑性及び平坦性に優れているものの、耐熱
性及びヤング率などの強度特性で本発明の結晶化ガラス
に比べかなり劣る。従って、磁気記録媒体を製造する
際、高い保磁力を得るために行う磁気層に対する熱処理
が十分できず、高保磁力を有する磁気記録媒体が得られ
ないし、また、比較例1のガラスには多量のアルカリを
含有するため、磁気膜と基板とのコロージョンが生じや
すく、磁気膜にダメージを与えるおそれがある。また、
比較例2の結晶化ガラス基板は、ヤング率や比弾性率及
び平滑性の点で本発明のガラスに比べ劣る。特に基板の
平滑性が大きな結晶粒子の存在によって損なわれるの
で、高密度記録化を図ることが難しい。
【0041】
【発明の効果】本発明の結晶化ガラスは、容易に成形す
ることができ、110GPa以上の大きなヤング率及び900
℃以上の高い耐熱性を有し、優れた表面平滑性(表面粗
さRa<20オングストローム)をもち、かつ硬度や強度の
大きい基板材料として用いられる他、電子部品用材料と
しても好適に使用することができる。また、本発明の結
晶化ガラスからなる基板は、当該材料の耐熱性が優れる
ため、磁気膜の特性向上に必要な熱処理を基板の変形無
しに施すことができ、平坦性が優れるため、磁気ヘッド
の低浮上化、即ち高密度記録化が達成でき、ヤング率や
比弾性率及び強度が大きいので、磁気ディスクの薄型化
及び高速回転化を達成できると共に磁気ディスクの破損
も避けられるという利点を有する。さらに本発明の結晶
化ガラスは、比較的安定に得ることができ、工業的規模
での生産が容易であるため、安価な次世代磁気記録媒体
用基板ガラスとして大きく期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例16で得られた結晶化ガラスの原子間力
顕微鏡の写真を示す。
【図2】実施例16で得られた結晶化ガラスの原子間力
顕微鏡の写真を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2:35−65モル% Al2O3: 5−25モル% MgO: 10−40モル% TiO2:5−15モル% Y2O3:0.8−10モル% を含有する組成を有することを特徴とする情報記録媒体
    用結晶化ガラス基板。
  2. 【請求項2】主結晶相が準安定な石英固溶体及びエンス
    タタイトであることを特徴とする請求項1に記載の基
    板。
  3. 【請求項3】準安定な石英固溶体が、2MgO・2Al2O3・5SiO
    2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2からなる群
    から選ばれる1種又は2種以上の組成を有することを特
    徴とする請求項2に記載の基板。
  4. 【請求項4】表面平均粗さRaが20オングストローム以
    下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板。
  5. 【請求項5】情報記録媒体が磁気ディスクである請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の基板。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板
    と、該基板上に形成された記録層とを有することを特徴
    とする情報記録媒体。
  7. 【請求項7】記録層が磁気記録層である請求項6に記載
    の情報記録媒体。
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