JP2014203503A - ハードディスク用基板の製造方法 - Google Patents

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豊 山下
正義 宮川
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正義 宮川
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Abstract

【課題】次世代のハードディスク用基板の研磨工程において、従来より高いレベルの表面平滑性、平坦性、その他形状精度等を実現し、かつ、製造コストを低減する。
【解決手段】研磨液を使用する最終の研磨工程(精密研磨工程)以外の研磨液を使用する研磨工程(粗研磨工程)において、研磨面に複数のナップ孔を有しかつ前記研磨面には溝が形成され又は形成されない研磨パッドを使用し、前記溝の総容積B[mm]の、前記溝によって区切られたブロックの研磨面の総面積A[mm]に対する比であるB/Aの値が0〜0.069の範囲であり、前記粗研磨工程後の前記基板の表面粗さ(Ra)が5Å以下、平坦度が3.5μm以下、かつウェビネス(Wa)が5.5Å以下であることを特徴とするハードディスク用基板の製造方法。ただし、前記研磨面に溝が無いときは、B/Aの値を0とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハードディスク用基板の製造方法に関する。より詳しくは優れた平坦性及び平滑性が要求されるハードディスク用基板の研磨方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては動画や音声等の大きなデータが扱われるようになり、大容量の情報記録装置が必要となっている。その結果、磁性体を塗布または蒸着した剛体のディスクからなる記憶装置、いわゆるハードディスクに対して、年々高記録密度化の要求が高まっている。
ハードディスク用基板として用いられるガラス基板または結晶化ガラス基板は、記録エラー等の障害を防ぐため、極めて高い平滑性および平坦性が求められる。ハードディスクの高記録密度化の進歩に伴い、ガラス基板または結晶化ガラス基板は、より高い平滑性、平坦性および形状の精度が求められている。
一方で、ハードディスクの市場の一部がフラッシュメモリを使用した情報記録装置であるSSD(ソリッドステートドライブ)に置き換わりつつある。ハードディスクは、SSDに対しての優位点である記憶容量当たりの単価を訴求する為に、より一層の製造コスト削減が必要であり、ハードディスクを構成するガラス基板または結晶化ガラス基板についても、製造コストを低減することは重要である。
すなわち、次世代のハードディスク用基板の製造においては、従来より高いレベルの表面平滑性、平坦性、およびその他の形状精度を、より低コストで実現する必要がある。
特開2011−86371号公報
現在、ハードディスク用のガラス基板または結晶化ガラス基板の製造における研磨工程は、複数の工程に分かれており、特許文献1に開示されているように、1段目の粗研磨工程においては硬質発泡ウレタン等からなる硬質研磨パッドを用い、最終の精密研磨工程においてスウェードタイプの研磨パッドを用いている。
硬質研磨パッドは、基板の平坦性を維持しやすく、高い加工レートを得る事ができる。
スウェードタイプの研磨パッドは、硬質研磨パッドに比較して、平坦性は維持しにくいが、被研磨物の表面粗さをより小さくすることができる。
この特徴を生かして、1段目の粗研磨工程においては、硬質研磨パッドを用いて、ラッピング工程後の基板表面を、平坦性を維持しつつ短時間で平滑にし、最終の精密研磨工程でスウェードタイプの研磨パッドを用いてより平滑な鏡面に仕上げている。
ところが、硬質研磨パッドは加工レートが高い反面、基板表面にスクラッチが発生する傾向がある。従来は、その後の研磨によって、発生したスクラッチをある程度まで除去すれば問題とはならなかったが、近年の要求では、わずかに残ったスクラッチも問題となってきた。また、スウェードタイプの研磨パッドを用いる最終の研磨によって、完全にスクラッチを除去しようとすると、加工時間が長時間となり、平滑性は良好となっても、基板の平坦性、ウェビネスやマイクロウェビネスが悪化してしまう。
従来は、スクラッチの発生を抑えるために、1段目の粗研磨工程で硬質研磨パッドに代えて、スウェードタイプの研磨パッドを使用することは、加工時間が長時間となり、かつ、基板の平坦性、ウェビネスやマイクロウェビネスが悪化するので、このような工程を採用しうるものではなかった。
本発明の課題は、次世代のハードディスク用基板の研磨工程において、従来より高いレベルの表面平滑性、平坦性、およびその他の形状精度を実現し、かつ、製造コストを低減することにある。特に本発明の課題は、波長が0.2〜1mm程度の算術平均うねりであるウェビネス(Wa)及び波長が0.1〜1mm程度の算術平均うねりであるマイクロウェビネス(μ−Wa)を小さくすることにある。
本発明者らは、鋭意試験研究を重ねた結果、研磨液を使用する最終研磨工程以外の研磨液を使用する研磨工程である粗研磨工程において使用する研磨パッド、および当該研磨工程の諸条件を特定のものとすることにより、上記の課題を解決するに至った。本発明は、具体的には以下のような製造方法を提供する。
(構成1)
研磨パッドを用いて基板を研磨する研磨工程を有するハードディスク基板の製造方法であって、研磨液を使用する最終の研磨工程(以下、「精密研磨工程」とする。)以外の研磨液を使用する研磨工程(以下、「粗研磨工程」とする。)において、研磨面に複数のナップ孔を有しかつ前記研磨面には溝が形成され又は形成されない研磨パッドを使用し、前記溝の総容積B[mm]の、前記溝によって区切られたブロックの研磨面の総面積A[mm]に対する比であるB/Aの値が0〜0.069の範囲であり、前記粗研磨工程後の前記基板の表面粗さ(Ra)が5Å以下、平坦度が3.5μm以下、かつウェビネス(Wa)が5.5Å以下であることを特徴とするハードディスク用基板の製造方法。ただし、前記研磨面に溝が無いときは、B/Aの値を0とする。
(構成2)
前記粗研磨工程で使用する研磨液の供給量が3.0〜9.0リットル/分である構成1に記載のハードディスク用基板製造方法。
(構成3)
前記粗研磨工程で使用する研磨パッドのデュロメータ硬さがA70〜A100である構成1または2に記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成4)
前記粗研磨工程で使用する研磨パッドの表面層に無機化合物が添加されている構成1から3のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成5)
前記粗研磨工程で使用する研磨パッドの前記ナップ孔の平均開口径が10μm〜150μmの範囲内である構成1から4のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成6)
前記粗研磨工程の終了後、さらに研磨工程を施し、最終の研磨工程後の基板の表面粗さ(Ra)が4Å未満となる構成1から5のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成7)
前記粗研磨工程で使用する研磨液は、Zr及びSiを含む化合物からなる研磨砥粒を少なくとも含有し、前記研磨液中の砥粒濃度が2wt%〜40wt%の範囲である構成1から6のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成8)
前記粗研磨工程で使用する研磨液は、Ce、Al、Ti、Mn、Fe、Zn、Mg、およびSiから選ばれる1以上の元素を含む化合物からなる研磨砥粒を少なくとも含有し、前記研磨液中の砥粒濃度が2wt%〜40wt%の範囲である構成1から6のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成9)
前記研磨液中の砥粒の平均粒子径d50が0.2μm〜2.0μmである構成1から8のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成10)
前記粗研磨工程の加工レートが0.30μm/分以上であることを特徴とする構成1から9のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成11)
前記基板は、ガラスまたは結晶化ガラスからなる構成1から10のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成12)
前記基板は、酸化物基準の質量%で、SiO成分を40〜82%、Al成分を2〜20%、およびR’O成分を0〜20%(ただし、R’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)含有する構成1から11のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成13)
前記精密研磨工程で使用する研磨パッドのナップ孔の平均開口径は、粗研磨工程で使用する研磨パッドのナップ孔の平均開口径よりも小さいことを特徴とする構成1から12のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
(構成14)
前記粗研磨工程後のマイクロウェビネス(μ−Wa)が2.0Å以下であることを特徴とする構成1から13のいずれかに記載のハードディスク基板の製造方法。
本発明は、研磨液を使用する最終の研磨工程以外の研磨液を使用する研磨工程において、研磨面に複数のナップ孔を有しかつ前記研磨面には溝が形成され又は形成されない研磨パッドを使用し、前記溝の総容積B[mm]の、前記溝によって区切られたブロックの研磨面の総面積A[mm]に対する比であるB/Aの値が0〜0.069の範囲である研磨パッドを使用する。これにより、粗研磨工程で硬質研磨パッドを使用した場合と比較して、高い加工レートを維持しつつ、スクラッチの発生を抑制することができ、加工終了後の平滑性及び表面平滑性が極めて良好となる。また、従来のスウェードパッドを粗研磨に用いた場合と比較しても、平坦性、ウェビネスやマイクロウェビネスが極めて良好となる。
その結果、次世代のハードディスク用基板の研磨工程において、従来より高いレベルの表面平滑性、平坦性、およびその他の形状精度を実現し、かつ、製造コストを低減することができる。
ガラスまたは結晶化ガラス等の無機材料からなるハードディスク用基板は、一般に以下の方法により製造される。
まず、ガラス原料を溶融して溶融ガラスとし、この溶融ガラスを円板に成形する。円板に成形する方法としては、溶融ガラスを成形型でプレスして成形するダイレクトプレス法や、溶融金属上に浮かせて成形するフロート法、その他公知のフュージョン法、ダウンドロー法、リドロー法等を用いることができる。
ダイレクトプレス法の場合は溶融ガラスを直接円板に成形することが可能である。フロート法などその他の方法の場合、板状のガラスを円板に切り出す工程が必要となることがある。
基板材料が結晶化ガラスの場合は、この板状ガラスまたは円板のガラスを熱処理することにより内部に結晶を析出させる。
その後、円板の中心に円孔をあけるコアリング工程、円板の外周および円孔の内周を研削し、所望の外径および内径に加工しつつ外周および内周を面取りする工程、基板の主表面を研削するラッピング工程を施す。
これらの工程の後、研磨工程を施し、必要に応じて洗浄等を行った後、ハードディスク用基板となる。
必要に応じ、化学強化法等により基板表面に圧縮応力層を生じさせ、基板の強度を高める工程を有していても良い。
なお、本明細書においては、ハードディスク用基板となる前のガラスまたは結晶化ガラスからなる円板を単に「基板」と呼ぶ。
コアリング工程や、基板の外周および円孔の内周を研削し、面取りする工程に使用する研削工具としては、ダイヤモンド粒子をメタルで結合したメタル電着仕様の研削工具や、ダイヤモンド粒子をビトリファイドで結合したビトリファイド電着仕様の研削工具を用いることができる。研削工具の番手としては#270〜#1000までが好ましい。
ラッピング工程は複数の段階に分けて行われてもよい。その場合、段階を経るごとに砥粒を小さくし、被加工物の表面粗さを平滑にしていく事が一般的である。複数のラッピング工程の間に、基板の外周および円孔の内周を研削および面取りする工程を行っても良い。また、基板の外周および円孔の内周を研磨する工程を行っても良い。
ラッピング工程は、基板の全体的な反りを修正したり、基板内の周期が大きい凹凸を修正し、平坦度を最終形状に近づける事と、板厚を最終形状に近づける事を目的とする加工である。このラッピング工程は、基板の主表面を加工する点において、後に行う研磨工程と同じであるが、使用する砥粒の粗さ、主表面の取りしろ、および加工後の主表面の粗さにおいて、両工程は根本的に異なるものである。ラッピング工程後の基板の表面粗さ(Ra)は1200Å以上である。
ラッピング工程は、上下の定盤間に基板を保持し、遊離砥粒を含む研削液を供給しながら定盤と基板とを回転させて相対移動することにより行う遊離砥粒法や、レジン、メタル、またはビトリファイド等のボンドでダイヤモンド等の砥粒をペレット状にし、このペレットを複数個配置した定盤によって研削液(クーラント)を供給しながら定盤と基板とを回転させて相対移動することにより行う固定砥粒法により行われることが一般的である。そのほか、ペレットの代わりにダイヤモンドパッドを用いても良い。
ダイヤモンドパッドとはダイヤモンドシートとも呼ばれ、可とう性があるシート状の樹脂にダイヤモンド砥粒が固定されているものである。ダイヤモンドパッドの表面にはクーラントを研削面に供給し、研削屑を排出する為の溝が設けられている。前記の溝は格子状、螺旋状、放射状、同心円状、もしくはハニカム状、またはこれらの組みあわせのパターンで設けられている。
ラッピング工程は複数の工程に分かれていても良いが、少なくとも1つのラッピング工程においては、好ましくは最終のラッピング工程においては、固定されているダイヤモンド砥粒の平均粒子径が0.1μm〜10μmの範囲内にあるダイヤモンドパッドでラッピングすることが好ましい。前記の様なダイヤモンドパッドを用いてラッピングする事により、加工レートを悪化させる事無くラッピング工程終了後の平坦性と平滑性を良好にする事が可能となり、ラッピング工程と研磨工程を含めた加工時間を短時間とすることができる。上記の効果を得る為のより好ましいダイヤモンド砥粒の平均粒子径は0.1μm〜4.5μmである。ダイヤモンドパッドに固定されるダイヤモンド砥粒は10wt%以下が好ましい。
ラッピング工程が複数の工程に分かれている場合、最終のラッピング工程より前のラッピング工程ではダイヤモンドパッドの砥粒の平均粒子径を2μm以上10μm以下の範囲内とし、最終のラッピング工程で使用するダイヤモンドパッドの砥粒の平均径を0.1μm以上2μm未満の範囲内とすることが好ましい。このようにすることで、研磨工程前の基板の表面粗さを小さくすることができ、ラッピング工程と研磨工程の加工時間を総合的に短くしつつ、ラッピング加工終了後の、基板表面のスクラッチの発生を低減することが可能となる。このような効果を得るために、最終のラッピング工程で使用するダイヤモンドパッドの砥粒の平均粒子径を0.2μm以上1.8μm以下の範囲内とすることがより好ましい。この効果は特に結晶化ガラスからなる基板を加工する時に顕著である。これは結晶化ガラスの場合、ダイヤモンドパッドの目詰まりを発生させにくいことが要因の一つであると考えられる。
また、ダイヤモンドパッドに固定されているダイヤモンド砥粒の平均粒子径はレーザー回折錯乱法で測定された体積基準のd50の値を用いることができる。通常は製造段階で管理されるダイヤモンド砥粒の粒径分布により把握されるが、ダイヤモンドパッドを薬液で溶解する等してダイヤモンド砥粒のみを取りだして測定することも可能である。
研磨工程は、ラッピング工程と同様に上下の定盤間に基板を保持し、定盤に研磨パッドを貼付け、遊離砥粒を含有する研磨液を供給しながら定盤と基板とを回転させて相対移動することにより行われる。
研磨工程は複数の段階に分けて行われ、段階を経るごとに砥粒を小さくし、基板の表面粗さを平滑にしていく。本発明においては、砥粒を含む研磨液を使用した研磨工程において、第1段の研磨工程から最終の研磨工程直前の研磨工程を粗研磨工程、最終の研磨工程を精密研磨工程と呼ぶ。
[粗研磨工程]
(粗研磨工程で使用する研磨パッド)
本発明は、最終の研磨工程以外の研磨工程において、研磨面に複数のナップ孔を有しかつ前記研磨面には溝が形成され又は形成されない研磨パッドを使用し、前記溝の総容積B[mm]の、前記溝によって区切られたブロックの研磨面の総面積A[mm]に対する比であるB/Aの値が0〜0.069の範囲である研磨パッドを使用する。
このような研磨パッドを使用することにより、0.30μm/分以上の加工レートを維持しつつ、粗研磨工程後の前記基板の表面粗さ(Ra)を5Å以下、表面粗さ(Rmax)を100Å以下、ウェビネス(Wa)を5.5Å以下、マイクロウェビネス(μ−Wa)を2.0Å以下、かつ平坦度を3.5μm以下、とすることができる。
粗研磨工程は1段のみでもよく、砥粒を段階的に小さくするなどして2段以上に分かれていてもよい。
本発明の粗研磨工程で使用する研磨パッドは、いわゆるスウェードタイプの研磨パッドであり、基材層と、複数のナップ孔を有しスウェード調の外観を呈するナップ層とを有する。基材層とナップ層の間に中間層があってもよい。ナップ層は被研磨物側に位置する表面層である。ナップ層の材質はポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネート等の合成樹脂の発泡体よりなり、表面に開口する縦長のナップ孔を多数有する。また、これらの樹脂に異種の材料(イソシアネート等)を添加させたものでも良い。ナップ孔は発泡体の気泡からなり、ナップ層の研磨面と垂直な断面に現れる気泡の形状において、[パッドの厚み方向の寸法]の[パッドの平面方向の寸法]に対する比(以下、「気泡のアスペクト比」という。)が、気泡個数の平均で1.5以上である。
ナップ層にベーマイト、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、スピネル系化合物、カーボンブラック、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、ジルコン(ZrSiO)から選ばれる一種以上の微粒子が分散して含まれていても良い。これにより、研磨レートをより向上させることや研磨後の表面性状をより良好にすることができる。ナップ層の樹脂にカーボンブラックを添加した軟質パッドが、本発明の目的とする被研磨材料に対して研磨後のスクラッチを効果的に低減できる点で好ましい。
基材層の材質はポリエステル系樹脂やポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が使用でき、例えばポリエチレンエチレンテレフタレートが好ましい。基材層の形状は前記の材料からなるフィルムや不織布を使用できる。
本発明の粗研磨工程で使用する研磨パッドは、研磨面に溝が形成されないか又は溝が形成されている。溝の断面形状は限定されないが、四角状、V形状、またはU形状が例示される。
前記溝は格子状、螺旋状、放射状、同心円状、もしくはハニカム状、またはこれらの組みあわせのパターンで設けられていて良いが、格子状であることが研磨パッドの製造コストの点で好ましい。この溝によって、研磨液が研磨パッドの全域に供給されやすくなり、かつ、研磨屑が排出されやすくなる場合がある。
研磨面に溝がある場合、この溝によって、研磨パッドの研磨面は複数のブロックに区切られることとなる。本発明では、溝を設けないか又は溝の総容積B[mm]の、前記溝によって区切られたブロックの研磨面の総面積A[mm]に対する比であるB/Aの値を特定の範囲とすることにより、研磨工程後の基板のウェビネス(Wa)及びマイクロウェビネス(μ-Wa)の値を小さくすることが可能となる。
前記B/Aの値の下限値は0であり、基板のウェビネス(Wa)又はマイクロウェビネス(μ−Wa)の値を小さくする為には、B/Aの値は0が最も好ましく、B/Aの値が0に近いほど好ましい。なお、B/Aの値が0とは研磨面に溝が無いことを意味する。
また、前記B/Aの値が0.069より大きいと、基板のウェビネス(Wa)又はマイクロウェビネス(μ−Wa)が悪化してしまうため、好ましくは0.069、より好ましくは0.028、最も好ましくは0.012を上限とする。
研磨面に溝を設ける場合、前記溝の幅は、研磨液を効率よく供給し、加工レートを良好にするために、その下限を0.5mmとすることが好ましく、0.7mmとすることがより好ましく、1mmとすることが最も好ましい。また、研磨面に溝を設ける場合、前記溝の幅は、研磨工程後の基板のウェビネス(Wa)及びマイクロウェビネス(μ-Wa)の値を小さくするために、その上限を8mmとすることが好ましく、7mmとすることがより好ましく、5mmとすることが最も好ましい。
研磨面に溝を設ける場合、前記溝の深さは、研磨液を効率よく供給し、加工レートを良好にするために、その下限を0.3mmとすることが好ましく、0.4mmとすることがより好ましく、0.5mmとすることが最も好ましい。また、研磨面に溝を設ける場合、前記溝の深さは、研磨工程後の基板のウェビネス(Wa)の値を小さくするために、その上限を2.5mmとすることが好ましく、2.3mmとすることがより好ましく、2.0mmとすることが最も好ましい。
なお、前記溝の深さとは、溝の底部形状がU状やV状である場合、最低部からパッドの研磨面までの距離をいう。
格子状の溝によって研磨パッドの研磨面に正方形のブロックが形成されている場合、研磨液の供給排出性能と、被研磨物の平坦性を実現するためには、前記溝によって区切られたブロックの幅の下限は、5mmであることが好ましく、6mmであることがより好ましく、6.5mmでることが最も好ましい。前記溝によって区切られたブロックの幅の上限は、350mmであることが好ましい。
パッドの研磨面に形成された溝が一定のパターンで繰り返されて形成されている場合、繰り返しパターンの最小単位の領域のブロック面の面積A’と溝の容積B’のB’/A’の値を前記B/Aの値として良い。
溝の幅や深さは、全て同一であっても、変化があっても良い。例えば、異なる溝幅w1とw2(w1>w2)があり、溝幅w1の溝と、溝幅w2の溝が交互に格子状に形成されていても良い。このとき、深さについても変化させ、w1の溝幅の溝の深さをd1とし、w2の溝幅の溝の深さをd2とするとき、d1>d2としてもよい。
本発明の粗研磨工程で使用する研磨パッドは、デュロメータ硬さがA70以上A100以下の範囲であることが好ましい。デュロメータ硬さがA70未満であると、加工後のウェビネスや平坦性が悪化するので、好ましくはA70、より好ましくはA82、最も好ましくはA86を下限とする。また、硬度がA100を超えるとスクラッチの発生が予測されるので、好ましくはA100、より好ましくはA95、最も好ましくはA90を上限とする。
なお、デュロメータ硬さとは、JIS K 6253:2006で定義されたタイプAデュロメータを用いて測定される見掛け硬さである。測定は、1枚の研磨パッドの研磨表面にデュロメータの押針及び加圧板を接触させて行う。試験片の厚さ以外の測定条件は、JIS K 6253:2006に従う。
本発明の粗研磨工程で使用する研磨パッドのナップ孔の平均開口径(個数基準)は、10μm〜150μmの範囲内にあることが好ましい。ナップ孔の平均開口径が10μmより小さいと、粗研磨工程で使用する研磨砥粒の粒径とのマッチングが悪くなり、加工レートが低くなりやすい。そのため、ナップ孔の平均開口径は、好ましくは10μm、より好ましくは20μm、最も好ましくは25μmを下限とする。
ナップ孔の平均開口径が150μmより大きいと、必要な研磨パッドの硬度が保ち難くなりやはり加工レートが低くなりやすい。そのため、ナップ孔の平均開口径は、好ましくは150μm、より好ましくは120μm、最も好ましくは100μmを上限とする。
研磨パッドのナップ孔の平均開口径を算出する場合、研磨パッド全体のナップ孔の開口径を測定することは事実上不可能であるので、任意に選択した特定範囲の領域について測定し、算出すれば良い。
本発明の粗研磨工程で使用する研磨パッドのナップ孔の長さ(研磨パッドの厚さ方向の長さ)は、400μm〜650μmが好ましい。400μmより短いと加工レート低下となり、650μmより長いと必要な硬度が得られにくくなる。ナップ孔の長さは500μm以下であることが、より好ましい。
本発明の粗研磨工程で使用する研磨パッドの厚さは、500μm〜1500μmが好ましい。500μmより薄いと研磨パッドが摩耗しやすくなり、1500μmより厚いと加工レート低下となりやすい。研磨パッドの厚さは、1200μm以下であることが、より好ましい。
研磨パッドの平面度は5点スパンゲージで測定した時のX・Y方向の値がそれぞれ−25μm〜+25μmの範囲であることが好ましい。この範囲とすることで平坦なガラス基板を得やすくなる。より好ましくは−10μm〜+10μmの範囲である。
研磨パッドは、加工を経るごとに加工レートが低下するので、数バッチの加工後に電着ドレッサーでドレッシングをすることが好ましい。ドレッシングをすることにより、加工レートが回復する。本発明の粗研磨工程で使用する研磨パッドは、加工レートの低下も少なく、ドレッシングにより従来の研磨パッドよりも長期間使用することが可能である。
以上が本発明の粗研磨工程で使用する研磨パッドの特徴である。
他方、硬質研磨パッドとは、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ等の合成樹脂の発泡体のブロックをスライスして作製されるもので、表面には容易に目視できる程度の気泡が開口している。硬質研磨パッドの気泡のアスペクト比は1.5未満である。硬質研磨パッドとスウェードタイプの研磨パッドとは、本質的に異なるものである。
(粗研磨工程の加工条件)
粗研磨工程の研磨工程の最大加工圧力(両面研磨機の最大加工圧力)は100g/cm〜150g/cmが好ましく、100g/cm〜130g/cmがより好ましく、更に好ましくは105g/cm〜120g/cmが更に好ましい。
粗研磨工程における両面研磨機の回転速度は、上定盤の回転速度で5〜50rpm、下定盤の回転速度で10〜50rpmが好ましい。公転は無くとも良いが、公転させる場合1〜10rpmが好ましい。回転速度が前記の速度より遅いと加工レートが低下し、回転速度が前記の速度より速いと基板のウェビネス(Wa)及びマイクロウェビネス(μ−Wa)が大幅に悪化してしまう。
粗研磨工程で使用する研磨液の供給量は、高い加工レートを得るため、3.0リットル/分以上が好ましく、3.5リットル/分以上がより好ましく、4.0リットル/分以上が最も好ましい。また、本発明のB/Aの値においては、研磨液の供給量が多いとハイドロプレーニングによって高い加工レートが得られなくなるので、高い加工レート得るため研磨液の供給量は9.0リットル/分以下が好ましく、6.8リットル/分以下がより好ましく、6.5リットル/分以下が最も好ましい。特にB/Aの値が0の場合、研磨液の供給量の上限は、ハイドロプレーニングが生じることを防ぐため、7.0リットル/分以下が好ましく、6.5リットル/分以下がより好ましく、6.0リットル/分以下が最も好ましい。
最大加工圧力での加工時間は、長すぎると基板の平坦性およびウェビネスが悪化し、かつ製造コストが悪化し、短すぎると所望の表面粗さが得られない。したがって、加工時間は、好ましく15分、より好ましくは20分、最も好ましくは30分を下限とし、好ましくは90分、より好ましくは60分、最も好ましくは50分を上限とする。
(粗研磨工程で使用する研磨液)
粗研磨工程で使用する研磨液は、研磨砥粒を水などの液体中に分散させたものが用いられる。研磨液にはヘキサメタリン酸ナトリウム等の分散剤を添加してもよい。研磨砥粒の平均粒子径d50が0.2μm以上であると、研磨加工中の機械的研磨作用が十分に得られ、高い加工レートが得られるため、0.2μm以上が好ましく、0.3μm以上が好ましく、0.4μm以上が最も好ましい。
また、研磨砥粒の平均粒子径d50が2.0μm以下であると基板表面にスクラッチの発生がより低減し、より平滑な表面が得られるため、2.0μm以下が好ましく、1.8μm以下がより好ましく、1.6μm以下が最も好ましい。
粗研磨工程で使用する研磨液の研磨砥粒は、Zr及びSiを少なくとも含む化合物からなる研磨砥粒、またはCe、Al、Ti、Mn、Fe、Zn、MgおよびSiから選ばれる1以上の元素を含む化合物からなる研磨砥粒を用いることが好ましい。
このような研磨砥粒を用いることにより、加工レートを高く保ちつつウェビネスやマイクロウェビネスを良好とすることができ、研磨後の表面粗さを特に平滑にすることが可能となり、且つ、表面に発生するスクラッチを極限まで低減することが可能になる。
Zr及びSiを含む化合物としては、ジルコン(ZrSiO)、ZrSi等が挙げられ、その他、これらの化合物に他の元素が固溶したものでもよい。ジルコンは、市場価格が安価であり、これを砥粒として用いることで、製造コストを低減することが可能になる。
Ce、Al、Ti、Mn、Fe、Zn、MgおよびSiから選ばれる1以上の元素を含む化合物からなる研磨砥粒としては、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ケイ素、スピネル(RAl、ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)等が挙げられる。
また、これらの研磨砥粒どうし、またはこれらの研磨砥粒とその他の研磨砥粒を研磨液に混合することも可能である。
そのなかでも、研磨砥粒としてジルコン(ZrSiO)または酸化セリウム(CeO)を主に用いることが、製造コストおよび加工後の基板の表面性状が良好となる点で好ましい。これらの研磨砥粒の研磨液中の含有量は、研磨液中の全研磨砥粒質量に対して、70wt%以上が好ましく、80wt%以上がより好ましく、90wt%以上がさらに好ましく、95wt%以上が最も好ましい。その他の研磨砥粒は、これらの砥粒の効果を損なわない範囲で混合することがよく、その他の砥粒の各種の量は、ジルコン及び酸化セリウムの全質量に対して、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。
粗研磨工程で使用する研磨液のpHは、基板材料の組成や種類に応じて適宜調整できる。pHの調整は、公知のpH調整剤を用いることができる。
スピネル系結晶を主結晶とする結晶化ガラスを研磨する場合を含めて、研磨工程開始時の研磨液のpHが5.0以上であると、基板の表面の荒れがより低減することで、より平滑な表面を有する基板が得られる。そのため、研磨工程開始時の研磨液のpHは、5.0以上が好ましく、6.0以上がより好ましく、7.0以上が最も好ましい。また、研磨工程開始時の研磨液のpHが12.0以下であると、研磨加工中の化学的研磨作用が適度に作用し、基板表面の荒れがより低減されることで、より平滑な表面を有する基板が得られる。そのため、研磨工程開始時の研磨液のpHは、12.0以下が好ましく、11.5以下がより好ましく、11.0以下が最も好ましい。
研磨液中の砥粒の分散状態は、研磨液のpHに応じて変化するので、分散状態を公知の分散調整剤により調整してもよい。
粗研磨工程で使用する研磨液中の研磨砥粒の濃度は、研磨工程開始時において2wt%以上であると、加工レートがより高くなり研磨加工が進むので、研磨工程開始時において2wt%以上が好ましく、5wt%以上がより好ましく、6wt%以上が最も好ましい。また、研磨工程開始時において40wt%以下であると研磨液の流動性が高くなり、研磨液のコストもより低くなる為、研磨工程開始時において40wt%以下が好ましく、29wt%以下がより好ましく、15wt%以下が最も好ましい。
両面研磨機に接続されているタンクに貯留された研磨液中の研磨砥粒の濃度を、上記の範囲となるように管理することが好ましい。研磨液の濃度は所定量のスラリーの重量を測定し、砥粒と溶媒の比重から求めることができる。
研磨液の温度は、冷温却チラーユニットや、冷却チラー定盤等の温度制御手段によって調整してもよい。研磨液の温度は5℃〜30℃の範囲とすることが、基板端部表面形状安定化ために好ましい。
砥粒を含む研磨液を用いた最終の研磨工程(精密研磨工程)は、仕上げ研磨であるので、コロイダルシリカ等の粒径が小さく、研磨力の小さい砥粒を用いる。最終の研磨工程直前には、基板の主表面をある程度の表面粗さに加工をしておく必要がある。他方、粗研磨工程で必要以上に小さい表面粗さを目標とすると、加工時間を長くせざるを得ず、製造コストが高額となる。したがって、次世代のハードディスク用基板を低い製造コストで得るためには、粗研磨工程後の基板の表面粗さRaを1Å以上5Å以下の範囲とし、平坦度を1.5μm以上3.5μm以下の範囲とし、ウェビネス(Wa)を1Å以上5.5Å以下、及びマイクロウェビネス(μ−Wa)を1Å以上4Å以下とすることが好ましい。
[精密研磨工程]
砥粒を含む研磨液を用いた最終の研磨工程は精密研磨工程であり、最終的な鏡面を得るために行われる。精密研磨工程は、粗研磨工程と同様に、両面研磨機を用いる。
精密研磨工程において使用する研磨パッドは、スウェードタイプの研磨パッドを用いる。精密研磨工程で使用するスウェードタイプの研磨パッドは、公知の研磨パッドを使用することができ、その仕様は以下のものが好ましい。
デュロメータ硬さ:A70〜A90
ナップ孔の平均開口径(個数基準):10μm〜30μm
ナップ孔長さ:200μm〜650μm(より好ましい上限は500μm)
溝の幅:0mm〜350mm
本発明の精密研磨工程で使用する研磨パッドのナップ孔の平均開口径(個数基準)は、粗研磨工程で使用する研磨パッドの平均開口径(個数基準)よりも小さいことが好ましい。精密研磨工程で使用する研磨パッドのナップ孔の平均開口径(個数基準)が、粗研磨工程で使用する研磨パッドの平均開口径(個数基準)以上であると、Waやμ−Waが悪化するためである。
精密研磨工程の両面研磨機を用いた加工は以下の条件で行うことが好ましい。
加工圧力:50g/cm〜140g/cm(より好ましい上限は120g/cm
上定盤の回転速度:5rpm〜30rpm(より好ましい上限は25rpm)
下定盤の回転速度:5rpm〜35rpm(より好ましい上限は25rpm)
研磨液の供給量:0.5リットル/分〜8リットル/分
加工時間:7分〜30分(より好ましい下限は10分)
精密研磨工程で使用する研磨液は以下のものが好ましい。
研磨砥粒の平均粒子径d50:0.010μm〜0.030μm
研磨液の砥粒濃度:10wt%〜40wt%(より好ましい上限は25wt%)
研磨液のpH:2〜7(より好ましい上限は5)
精密研磨工程で使用する研磨液は、基板の表面の平滑性を容易に高くすることができるため、コロイダルシリカが好ましいが、これに限られず、粗研磨工程で使用するものと同一の物質を有するものでも良い。また、最終の精密研磨工程では、研磨砥粒を含まない研磨液を使用してもよい。
[研磨装置]
本発明のラッピング工程および研磨工程で使用できる両面研磨装置について説明する。
両面研磨装置は、上定盤と下定盤との間にペレット砥石もしくはダイヤモンドパッド、または研磨パッドを介して、基板を保持し、ペレット砥石もしくはダイヤモンドパッド、または研磨パッドとワークを相対移動させて、ラッピングまたは研磨を行う。
当該研磨装置は、例えば公知の遊星歯車方式の両面研磨装置を例示できる。遊星歯車方式の両面研磨装置は下定盤、外歯を備えたサンギア、内歯を備えたインターナルギアおよび上定盤を有しており、これらはそれぞれ回転軸を同一にして機台に回転可能に支持されている。上定盤はさらに昇降可能になっており、基板に対して加圧することが可能となっている。基板は外歯を有する円形のキャリアの保持孔内に収められ、研磨パッドが貼付けられた上定盤と下定盤の間に保持される。キャリアの外歯がサンギアとインターナルギアに噛合する事によって、キャリアは公転しながら自転し、さらに上下の定盤が回転する事によって、基板と研磨パッドが相対移動し、基板がラッピングまたは研磨される。その他、研削液や研磨液の供給装置等の付属装置も公知のものが使用できる。
[基板材料]
ハードディスク用基板の材料は、少なくともSiO成分を含むガラスまたは結晶化ガラスからなる材料である。この材料は次世代のハードディスク用基板の要求に合致する、機械的硬度の高い材料である。
材料が結晶化ガラスの場合、主結晶相がスピネル系結晶(RAl:RはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)、RTiO、二珪酸リチウム、エンスタタイト(MgSiO)、β−石英、α−クリストバライト及びそれらの固溶体から選ばれる1種以上の結晶を含む結晶化ガラスを使用することができる。
材料がガラスの場合、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス等を使用することができる。
より好ましくは、本発明が目的とするハードディスク用基板の材料は、酸化物基準の質量%で、SiO成分40〜82%、Al成分2〜20%、R’O成分0〜20%(ただし、R’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)を含有するガラスまたは結晶化ガラスである。
さらに好ましくは、酸化物基準の質量%で、SiO成分40〜82%、Al成分2〜20%、R’O成分0〜20%(ただし、R’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)、P成分0〜7%、ZrO成分0〜10%、B成分0〜15%、BaO成分0〜15%、SrO成分0〜15%、ZnO成分0〜35%、MgO成分0〜35%、FeO成分0〜35%を含有するガラスまたは結晶化ガラスである。なお、その他の成分も適宜含むことが可能である。
その中でも特に、酸化物基準の質量%で、SiO成分40〜60%、Al成分7〜20%、RO成分1〜35%(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)、TiO成分1〜15%、R’O成分2〜15%、(ただしR’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)、P成分0〜7%、B成分0%以上8%未満、CaO成分0〜15%、SrO成分0〜5%、BaO成分0〜5%、ZrO成分0〜10%、SnO+CeO:0.01〜1.0%の各成分を含んだガラスを熱処理し、主結晶相としてRAl、RTiO、(ただしRはZn、Mg、Feから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上の結晶相を含有する結晶化ガラスは、機械的強度が特に高いため、これに対し本発明の製造方法を用いる意義が大きい。
また、酸化物基準の質量%で、SiO成分40〜82%、Al成分2〜20%、R’O成分0〜20%(ただし、R’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)、P成分0〜7%、ZrO成分0〜10%、B成分0〜15%、BaO成分0〜15%、SrO成分0〜15%、ZnO成分0〜35%、MgO成分0〜35%、FeO成分0〜35%を含有するガラスについても、本発明の製造方法の効果を得ることが可能である。
なお、近年は環境への配慮の為に、ガラス溶融の際の清澄剤として、As成分やSb成分を使用せず、CeO成分やSnO成分が用いることが好ましい。ただし、As成分やSb成分を清澄剤として用いても良い。
なお、結晶化ガラスとは、ガラスセラミックスとも呼ばれ、ガラスを加熱することでガラス内部に結晶を析出させてなる材料であり、非晶質固体とは区別される。ガラスを出発材料として製造したものであれば、100%が結晶となったものも結晶化ガラスとして良い。結晶化ガラスは、内部に分散している結晶により、ガラスでは得られない物性値を備える事ができる。例えば、ヤング率、破壊靱性等の機械的強度、酸性やアルカリ性の薬液に対する被エッチング特性、熱膨張係数等の熱的特性等について、結晶化ガラスは、ガラスでは実現しえない物性値を付与することができる。
同様に、結晶化ガラスは紛体を焼結してなるセラミックスとは異なる物性値を備えることができる。結晶化ガラスはガラスを出発材料として、内部に結晶を析出させることにより製造される為、セラミックスと比較して、空孔が無く、緻密な組織を得ることができる。
ガラス、結晶化ガラス、セラミックスの違いは以上の通りであるが、本発明は、ガラス、結晶化ガラスの双方に効果があることが、実験により明らかになっている。
[強化工程]
本発明の対象となるハードディスク用基板は、その材料がガラス、結晶化ガラスにかかわらず、表面に圧縮応力層を設けることにより、機械的強度をより向上させる効果を得ることができる。
圧縮応力層の形成方法としては、例えば圧縮応力層形成前の基板の表面層に存在するアルカリ金属成分と、よりイオン半径の大きなアルカリ金属成分とで交換反応させることによる化学強化法がある。また、基板を加熱し、その後急冷する熱強化法、基板の表面層にイオンを注入するイオン注入法がある。
化学強化法としては、例えばカリウム又はナトリウムを含有する塩、例えば硝酸カリウム(KNO)、硝酸ナトリウム(NaNO)またはその複合塩の溶融塩を300〜600℃に加熱し、その溶融塩に基板を0.1〜12時間浸漬する。この工程により、基板表面付近に存在するリチウム成分(Liイオン)が、ナトリウム成分(Naイオン)もしくはカリウム成分(Kイオン)と交換され、または、基板表面に存在するナトリウム成分(Naイオン)がカリウム(Kイオン)成分と交換される。その結果、基板表面層中に圧縮応力が発生する。
以上はアルカリ金属成分の交換について述べたが、アルカリ土類金属成分の交換処理を行うことも可能である。
化学強化法による基板表面への圧縮応力層の形成は、基板表面の研磨後におこなって良い。しかし、溶融塩から基板をひきあげた後に、基板表面に溶融塩が結晶化して付着し、その後に洗浄を行っても完全に除去できない場合がある。そのため、化学強化法による圧縮応力層の形成工程後に少なくとも1回、研磨工程を行うことが好ましい。化学強化工程後の研磨工程によって、基板表面に付着した塩の結晶を除去することが容易となるからである。
[洗浄工程]
各研磨工程や化学強化工程の後には、基板を洗浄することが好ましい。洗浄はRO水、純水、超純水、酸、アルカリ、IPA等を用い、超音波洗浄装置等を使用して洗浄する。
[実施例1−25]
[基板材料の準備]
表1の組成となるように酸化物、炭酸塩等のガラス原料を混合し、これを石英製の坩堝を用いて約1250〜1450℃の温度でガラス原料の溶け残りが発生しないよう溶解した。その後、約1,350〜1,500℃の温度に昇温した後、1,450〜1,250℃の温度まで降温し、ガラス内部に発生していた泡の消泡、清澄化を行った。
清澄化の後、温度を維持したまま所定量の溶融ガラスを流出し、上型の温度を300±100℃、下型の温度を当該ガラスのTg±50℃に設定した成形型を用い、ダイレクトプレス方式により、直径約67mm、厚さ0.95mmの円板及び直径97mm、厚さ0.95mmの円板にそれぞれ成形した。
次に材料Aと材料Fはディスク状のセラミックス製セッターと得られた基板を交互に積み重ね、680℃〜780℃で熱処理することにより結晶を析出させ、結晶化ガラス基板とした。
得られたガラス基板・結晶化ガラス基板をアニールし、内部歪を除去した。
基板の比重は、ヤング率、ビッカース硬度Hv、主結晶相の結晶粒子径を測定した。
比重はアルキメデス法、ヤング率は超音波法を用いて測定した。
ビッカース硬度は対面角が136°のダイヤモンド四角すい圧子を用いて、試験面にピラミッド形状のくぼみをつけたときの荷重(N)を、くぼみの長さから算出した表面積(mm2)で割った値で示した。(株)明石製作所製微小硬度計MVK−Eを用い、試験荷重は4.90(N)、保持時間15(秒)で行った。
結晶相の平均結晶粒径はTEM(透過型電子顕微鏡)により倍率100,000〜500,000倍での任意の部位の画像を取得し、得られた画像に現われた結晶を平行な2直線で挟んだ時の最長距離の平均値とした。このときのn数は30とした。
Figure 2014203503
[前加工]
得られた基板に対し、コアドリルで中央部分へΦ18.7mmの孔を空け、その後コアツールで基板の内外周部端面を研削し、面取形状加工を施した。
[1段目のラッピング工程]
浜井産業株式会社製の16B両面加工機、砥粒の平均粒径が9μmのダイヤモンドパッドを使用し、基板の主表面をラッピングした。
[2段目のラッピング工程]
浜井産業株式会社製の16B両面加工機、砥粒の平均粒径が2μmのダイヤモンドパッドを使用し、ラッピングをした。
2段目のラッピング工程終了後の基板は、表面粗さRaが0.10μm、実施例1から実施例15及び比較例1から3では厚さ0.645〜0.670mm、実施例16から実施例25及び比較例4、5では厚さ0.810〜0.830mmであった。
[内外周研磨工程]
研削工程の後、内外周の端面の表面を平滑に研磨した。加工後のディスクの直径は実施例1から実施例15及び比較例1から3では64.950〜65.080mm、実施例16から実施例25及び比較例4、5では94.950〜95.080mmであった。
[粗研磨工程(1P)]
内外周研磨工程、ラッピング工程を施した後の基板表面に対し、表2から表7に記載の複数の条件で、1段目の研磨工程を行った。表2から表7に記載した条件以外の条件は共通であり、下記の通りである。
(研磨パッド)
スウェードタイプの研磨パッドを使用した。研磨パッドの溝は等ピッチの格子状に形成され、研磨面がブロック状に区切られている。研磨パッドの厚さは1.2mmである。基材層は不織布と樹脂層からなり、ナップ層はポリウレタン系の樹脂にカーボンブラックを分散したものからなる。
研磨面に溝を設ける場合、その断面形状は四角とした。
研磨パッドは、使用する前に、#1000のドレッサーでドレッシングを施した。
(加工条件)
浜井産業株式会社製の16B両面加工機を使用し、上下の定盤に研磨パッドを貼付け、樹脂製のキャリアと共に上下の定盤間(研磨パッドの間)に基板を保持し、研磨砥粒を含む研磨スラリーを再生循環供給しながら下記の条件で研磨した。
研磨液の温度:18℃
研磨液の循環供給経路内には5μmのフィルターを設けた。
(研磨液)
研磨液は、研磨砥粒として酸化セリウム(CeO)を水に分散させ、研磨液のpH調整のため、NaOH水溶液を添加した。
加工開始から回転数、加工圧力ともに段階的に上昇させ、最大回転数、最大加工圧力で一定時間保持し、その後回転数、加工圧力ともに下降させた。
尚、1バッチの加工枚数は実施例1から実施例15及び比較例1から3では基板110枚であり、実施例16から実施例25及び比較例4、5では基板40枚である。研磨定盤の内側に位置していた基板と、外側に位置していた基板を任意に1枚ずつ抜きだし、加工後の形状等を測定しその平均を測定値とした。
[精密研磨工程(2P)]
粗研磨工程後に洗浄した基板に対し、精密研磨工程を施した。加工条件は以下の通りである。
(研磨パッド)
スウェードタイプの研磨パッドを使用した。研磨パッドの溝は等ピッチの格子状に形成され研磨面がブロック状に区切られている。研磨パッドの厚さは1mmである。基材層は不織布と樹脂層からなり、ナップ層はポリウレタン系の樹脂にカーボンブラックを分散したものからなる。
研磨パッドのデュロメータ硬さ:A87
開口径:10μm
ナップ孔長:480μm
パッド溝幅:0μm
パッド溝深さ:0mm
パッド溝構造:溝無
研磨面ブロック幅:0mm
研磨パッドは、使用する前に、#1000のドレッサーでドレッシングを施した。
(加工条件)
浜井産業株式会社製の16B両面加工機を使用し、上下の定盤に研磨パッドを貼付け、樹脂製のキャリアと共に上下の定盤間(研磨パッドの間)に基板を保持し、研磨砥粒を含む研磨スラリーを再生循環供給しながら下記の条件で研磨した。
最大加工圧力:120g/cm
下定盤の最大回転数:20rpm
上定盤の最大回転数:7rpm
研磨液の供給量:3.0リットル/分
加工時間:33分
研磨液の温度:20℃
研磨液の循環供給経路内には0.5μmのフィルターを設けた。
(研磨液)
研磨液は、平均粒子径d50が0.02μm、最大粒子径dmaxが0.05μmであるコロイダルシリカを用い、分散剤(リン酸ナトリウム化合物)を0.2wt%混合したものを用いた。
NaOHを添加し、加工開始前の研磨液のpHを1.0〜7.0に調整した。
加工開始から回転数、加工圧力ともに段階的に上昇させ、最大回転数、最大加工圧力で一定時間保持し、その後回転数、加工圧力ともに下降させた。
尚、1バッチの加工枚数は実施例1から実施例15及び比較例1から3では基板110枚であり、実施例16から実施例25及び比較例4、5では基板40枚である。研磨定盤の内側に位置していた基板と、外側に位置していた基板を任意に1枚ずつ抜きだし、加工後の形状等を測定した。
[評価]
粗研磨工程後、精密研磨工程後のそれぞれの基板の表面性状について、評価を行いその時の加工条件と結果を表2から表7へ記載した。
ここで、本発明における表中の各評価項目は、以下の通りである。
「平均開口径」、「ナップ孔長」、「パッド溝幅」、「パッド溝深さ」及び「ブロック幅」とは、当該実施例で使用した研磨パッドに関する値であり、「ブロック幅」とは研磨面の溝で区切られた正方形のブロックの1辺の幅である。
「平均粒子径」とは当該実施例で使用した研磨液中の砥粒の平均粒子径d50の値である。
「最大粒子径」とは当該実施例で使用した研磨液中の砥粒の最大粒子径dmaxの値である。
「上回転数」とは、研磨機の上定盤の最大回転数である。
「下回転数」とは、研磨機の下定盤の最大回転数である。
「加工時間」とは最大加工圧力での加工時間である。
「研磨液pH」とは、研磨加工開始時のpHの値である。
「砥粒濃度」とは、研磨加工開始時の研磨液の砥粒濃度(wt%)である。
「加工レート」とは、研磨加工時における単位時間(分)当たりの、減耗厚さ(μm)である。
「Ra」とは、JIS B0601:2001により規定される、加工後の算術平均粗さRaである。その値が0.006μm以上200μm以下の場合は、例えば、株式会社ミツトヨ製粗さ測定機SV−3100で測定し、JIS B0633:2001で規定される方法で算出することができる。この場合、粗さが0.03μm以下であった場合は、例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)で計測しJIS R1683:2007で規定される方法で算出する。
「Wa」とは、加工後のウェビネス(算術平均うねり)であり、波長が0.2μm〜1mm程度のうねりである。Waは、例えばZygo社製ZEMAPPERを用い、測定波長(λ)を5.0〜0.8mmとして測定することができる。
「μ−Wa」とは、加工後のマイクロウェビネス(算術平均うねり)であり、波長が0.1μm〜1mm程度のうねりである。μ−Waは、例えばZygo社製ZEMAPPERを用い、測定波長(λ)を0.5〜0.08mmとして測定することができる。
「平坦度」とは、基板中心外側に向かって11.5mmから29.9mmの領域のPV値であり、加工後の値である。例えば、Nidek社製フラットネステスターFT−900を用いて測定することができる。
「基板品質」とは、加工後の外観検査においてキズ、クラックの長さが30μm以内の場合を「〇」と、範囲外の場合を「×」と評価した。
「Dub-Off値」とは、基板主表面に垂直であり、基板の中心を通る断面に現れる外径について、基板を水平に保持した場合の基板の外周縁に接する垂直線から中心に向かって水平に0.575mmの距離にある基板表面上の点と、基板の外周縁に接する垂直線から中心に向かって水平に0.475mmの距離にある基板表面上の点との2点について、当該2点を結んだ直線と、当該2点間の基板外径線との最大距離をいい、加工後の値である。
Figure 2014203503
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Figure 2014203503
Figure 2014203503
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溝の総容積B[mm]の、前記溝によって区切られたブロックの研磨面の総面積A[mm]に対する比であるB/Aの値が特定の範囲のスウェードタイプの研磨パッドを粗研磨工程で用いることにより、粗研磨工程後および精密研磨工程後の表面性状、特にWa、μ−Waが極めて良好であることが分かる。
[比較例4]
次に実施例1において、粗研磨工程で使用する研磨パッドを硬質発泡ウレタンパッドに代え、その他の条件は実施例1と同様の条件で加工した。研磨パッドの仕様は以下の通りである。
硬質発泡ウレタンパッド
硬度:90
加工後の結果は表8の通りであった。
Figure 2014203503
実施例1の結果と比較例4の結果を比較すると、B/Aの値が特定の範囲のスウェードタイプの研磨パッドを粗研磨工程で用いることにより、粗研磨工程後および精密研磨工程後の表面性状、ならびに粗研磨工程の加工レートが極めて良好となることが分かる。
また、粗研磨工程後の基板表面は、実施例1の基板はスクラッチがなく、比較例4の基板はスクラッチが観察された。

Claims (14)

  1. 研磨パッドを用いて基板を研磨する研磨工程を有するハードディスク基板の製造方法であって、研磨液を使用する最終の研磨工程(以下、「精密研磨工程」とする。)以外の研磨液を使用する研磨工程(以下、「粗研磨工程」とする。)において、研磨面に複数のナップ孔を有しかつ前記研磨面には溝が形成され又は形成されない研磨パッドを使用し、前記溝の総容積B[mm]の、前記溝によって区切られたブロックの研磨面の総面積A[mm]に対する比であるB/Aの値が0〜0.069の範囲であり、前記粗研磨工程後の前記基板の表面粗さ(Ra)が5Å以下、平坦度が3.5μm以下、かつウェビネス(Wa)が5.5Å以下であることを特徴とするハードディスク用基板の製造方法。ただし、前記研磨面に溝が無いときは、B/Aの値を0とする。
  2. 前記粗研磨工程で使用する研磨液の供給量が3.0〜9.0リットル/分である請求項1に記載のハードディスク用基板製造方法。
  3. 前記粗研磨工程で使用する研磨パッドのデュロメータ硬さがA70〜A100である請求項1または2に記載のハードディスク用基板の製造方法。
  4. 前記粗研磨工程で使用する研磨パッドの表面層に無機化合物が添加されている請求項1から3のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  5. 前記粗研磨工程で使用する研磨パッドの前記ナップ孔の平均開口径が10μm〜150μmの範囲内である請求項1から4のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  6. 前記粗研磨工程の終了後、さらに研磨工程を施し、最終の研磨工程後の基板の表面粗さ(Ra)が4Å未満となる請求項1から5のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  7. 前記粗研磨工程で使用する研磨液は、Zr及びSiを含む化合物からなる研磨砥粒を少なくとも含有し、前記研磨液中の砥粒濃度が2wt%〜40wt%の範囲である請求項1から6のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  8. 前記粗研磨工程で使用する研磨液は、Ce、Al、Ti、Mn、Fe、Zn、Mg、およびSiから選ばれる1以上の元素を含む化合物からなる研磨砥粒を少なくとも含有し、前記研磨液中の砥粒濃度が2wt%〜40wt%の範囲である請求項1から6のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  9. 前記研磨液中の砥粒の平均粒子径d50が0.2μm〜2.0μmである請求項1から8のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  10. 前記粗研磨工程の加工レートが0.30μm/分以上であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  11. 前記基板は、ガラスまたは結晶化ガラスからなる請求項1から10のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  12. 前記基板は、酸化物基準の質量%で、SiO成分を40〜82%、Al成分を2〜20%、およびR’O成分を0〜20%(ただし、R’はLi、Na、Kから選ばれる1種以上)含有する請求項1から11のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  13. 前記精密研磨工程で使用する研磨パッドのナップ孔の平均開口径は、粗研磨工程で使用する研磨パッドのナップ孔の平均開口径よりも小さいことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のハードディスク用基板の製造方法。
  14. 前記粗研磨工程後のマイクロウェビネス(μ−Wa)が2.0Å以下であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のハードディスク基板の製造方法。
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