JP2015225687A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板の主表面を研磨処理するとき、研磨スラリを繰り返し使用しても、研磨レートが低くならず、研磨後のガラス基板の表面品質が低下し難い磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】研磨砥粒を含む研磨スラリをガラス基板の主表面に供給しながら前記主表面を研磨パッドで研磨処理するとき、研磨処理中、前記研磨処理に使用した使用後の研磨スラリを循環させて、研磨処理のために前記ガラス基板の前記主表面に供給する。前記研磨スラリの循環経路の途中で、前記研磨砥粒を通過させながら、前記研磨砥粒よりサイズの小さい、前記使用後の研磨スラリに含まれる前記ガラス基板由来のスラッジを捕集する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラス基板の主表面を研磨する処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置では、非磁性体の磁気ディスク用基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられる。磁気ディスク用基板として、例えばガラス基板が用いられる。この磁気ディスクでは、記録再生時に誤動作が生じることを防止するために、あるいは、記録再生が不可能になることを防止するために、磁気ディスクの表面は、極めて平滑で、かつ、異物の無い高清浄化された面に仕上げられることが必要である。このため、磁気ディスク用ガラス基板の主表面には研磨が施される。
研磨の一例として、シリカ砥粒やセリア砥粒を含んだ研磨スラリをガラス基板の主表面に供給しながら研磨パッドで主表面を鏡面にする研磨処理が知られている。この研磨処理は、粗研磨処理と精研磨処理など複数の処理に分けて実施される場合もある。
ところで、研磨に使用した研磨スラリを繰り返しガラス基板の研磨に使用すると、研磨レートが低くなる他、ガラス基板の主表面に直線状等の傷が入り表面品質が低下し易い。一方、使用後の研磨スラリには、研磨砥粒の他に、研磨によってガラス基板の主表面から削れたスラッジが含まれる。このスラッジが、上述の研磨レートの低下及び表面品質の低下の要因となっていると考えられる。
このような状況下、耐衝撃性に優れた磁気情報記録媒体用ガラス基板の製造方法として、以下の方法が知られている。すなわち、当該製造方法において行なう粗研磨行程では、ガラス素板の主面を、酸化セリウムを含有する研磨スラリにて研磨した後に、前記研磨スラリを研磨装置外に取り出し、取り出した研磨スラリ中の研磨剤のレーザ回折散乱法で測定された粒度分布の最大値が3.5μm以下であり、その粒度分布での累積50体積%径D50が0.5〜1.5μmとなるように研磨剤を分級する。この分級した研磨剤を含む研磨スラリにて、他の異なるガラス素板の主面を研磨する。
特開2012−79370号公報
上記研磨スラリの処理では、研磨終了後に、研磨スラリ中の研磨剤を分級するものの、研磨中に研磨スラリを回収して研磨剤を分級する訳ではない。このため、研磨レートが低下した研磨スラリ、あるいはガラス基板の表面品質を低下させる研磨スラリを研磨中に処理することはできない。また、上記研磨スラリの処理では、研磨剤の分級により研磨剤及びスラッジ等の粒子サイズを揃えるだけなので、研磨剤の分級後研磨スラリを使用したとき、研磨レートの低下と研磨後の主表面の表面品質の低下を必ずしも抑制することはできない。
そこで、本発明は、ガラス基板の主表面の研磨処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、研磨スラリを繰り返し使用しても、研磨レートが低くならず、研磨後のガラス基板の主表面の表面品質が低下し難い磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記研磨スラリを研磨に繰り返し使用しても、研磨レートが低くならず、研磨後のガラス基板の主表面の表面品質が低下し難い研磨に関して鋭意検討した結果、研磨スラリに含まれるスラッジが研磨レートの低下及び主表面の表面品質に悪影響を与えると考え、研磨中に研磨スラリを調整する方法を検討した。その結果、研磨砥粒のサイズよりも小さいガラス基板由来のスラッジを捕集することが重要であることに着目して、以下の発明を想到するに至った。
本発明の一形態は、ガラス基板の主表面の研磨処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。当該製造方法は、
研磨砥粒を含む研磨スラリをガラス基板の主表面に供給しながら研磨パッドを用いて前記主表面に対して行う研磨処理と、
前記研磨処理中、前記研磨処理に使用した使用後の研磨スラリを循環させて、前記研磨処理のために前記ガラス基板の前記主表面に供給する処理と、
前記研磨スラリの循環経路の途中で、前記研磨砥粒を通過させながら、前記研磨砥粒よりサイズの小さい、前記使用後の研磨スラリに含まれる前記ガラス基板由来のスラッジを捕集する処理と、を含む。
このとき、前記スラッジを捕集する処理は、前記スラッジと親和性を有する粒子を充填剤として含んだカラムに、前記研磨スラリを通過させる処理である、ことが好ましい。
前記充填剤は、シリカ粒子、アルミナ粒子、及びガラス粒子からなる群のうち少なくとも1種類の粒子を含むことが好ましい。
前記研磨砥粒は、セリア砥粒、ジルコニア砥粒、及び、アルミナ砥粒のいずれか1つである、ことが好ましい。
上述の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、研磨スラリを研磨処理に繰り返し使用しても、研磨レートが低くならず、研磨後のガラス基板の表面品質が低下し難くなる。
(a)は、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法で行なう第1研磨処理で使用される研磨装置の概略断面図であり、(b)は、(a)の研磨装置におけるガラス基板及びキャリアの配置を説明する図である。 本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法で用いるスラッジ除去カラムを説明する図である。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
(磁気ディスク用ガラス基板)
ハードディスク装置に内蔵される磁気ディスクに用いるガラス基板は、円環状を成している。このガラス基板の主表面に、少なくとも磁性層(垂直磁気記録層)等を含む層が形成されて磁気ディスクが構成される。
本実施形態における磁気ディスクに用いるガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、アルカリボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、主表面の平坦度及びガラス基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルカリアルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の組成は限定するものではないが、本実施形態のガラス基板は好ましくは、酸化物基準に換算し、モル%表示で、
・SiO:50〜75%、
・Al:1〜15%、
・LiO、NaO及びKOから選択される少なくとも1種の成分:合計で12〜35%、
・MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分:合計で0〜20%、
・ZrO、TiO、La、Y、Ta、Nb及びHfOから選択される少なくとも1種の成分:合計で0〜10%、
を有する組成からなるアルカリアルミノシリケートガラスである。
ガラス基板のサイズは限定されないが、例えば、公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板に好適である。
(研磨装置)
図1(a)は、本実施形態のガラス基板の製造方法に用いる研磨装置10の概略断面図である。図1(b)は、図1(a)に示す研磨装置において、ガラス基板及びキャリアの配置を説明する図である。図1(a)では、上下定盤が離れている状態を示している。研磨装置10は、ガラス基板の研磨処理に用いられる。研磨処理は、ガラス基板の形状を所定の寸法範囲にするように形状を整える研削、及び、所定の寸法範囲にあるガラス基板の主表面の表面凹凸を研磨パッドにより目標とする表面粗さにする研磨を含む。
研磨装置10は、遊星歯車運動式のガラス基板の両主表面を研磨する加工装置である。研磨装置10は、研磨装置本体部Aと研磨スラリ循環装置Bとを有する。研磨装置本体部Aは、研磨パッド11、保持板13a,14a、研磨定盤である上下定盤(上定盤13、下定盤14)、キャリア15、太陽ギア16、インターナルギア17を有している。
研磨パッド11は、例えば硬質あるいは軟質発泡ウレタンで形成されている。研磨パッド11を保持する保持板13a,14aは上定盤13及び下定盤14の対向した面に取り付けられている。上定盤13と下定盤14とは例えば互いに反対方向に回転するようになっている。
太陽ギア16とインターナルギア17は上定盤13と下定盤14との間に配置されており、太陽ギア16とインターナルギア17の間に複数のキャリア15が配置されている。図1(b)では、5つのキャリア15が設けられているが、この数に限定されない。
キャリア15は、複数のガラス基板12を保持している。図1(b)では、1つのキャリア15に4つのガラス基板12が設けられるが、この数に限定されない。
キャリア15の外周には太陽ギア16とインターナルギア17とに噛み合う歯車が形成されている。上下定盤13,14の回転と共に太陽ギア16とインターナルギア17が回転することにより、キャリア15が自転及び公転(遊星歯車運動)するようになっている。
上記構成の研磨装置10において、研磨パッド11が貼り付けられた上下定盤13,14の間にキャリア15により保持したガラス基板12を密着させ、このキャリア15を太陽ギア16とインターナルギア17とに噛合させ、ガラス基板12を上下定盤13,14によって挟圧する。その後、研磨パッド11とガラス基板12の研磨面との間に研磨砥粒を含んだ研磨スラリを供給して回転させることによって、ガラス基板12が上下定盤13,14上で自転しながら公転(遊星歯車運動)し、これによってガラス基板12の両面が同時に研磨処理される。
図1(a)に示される研磨スラリ循環装置Bは、送液管22、排液管23、送液溝24、排液受け25、送液ポンプ26、及び、スラリタンク27を備えている。
送液管22から供給された研磨スラリは送液溝24を通して、研磨パッド11とガラス基板12との間に必要十分に供給される。送液管22の末端にフィルタ28が備えられ、排液管23の末端にフィルタ29が備えられ、研磨中に発生する塵埃を除去するようになっている。さらに、排液管23の途中には、スラッジ除去部材30が設けられている。スラッジ除去部材30の例としては、例えば金属酸化物等の粒子を詰めたカラムなどが挙げられる。
送液ポンプ26、送液管22、フィルタ28、送液溝24、排液受け25、排液管23、スラッジ除去部材30、フィルタ29、スラリタンク27は、研磨スラリの循環経路を形成する。研磨処理中、送液ポンプ26からスラリタンク27にいたる一連の循環経路により、研磨スラリが循環されて使用される。
研磨スラリに含まれる砥粒としては、例えば、セリア砥粒、ジルコニア砥粒、及び、アルミナ砥粒のいずれか1つであることが、研磨スラリを繰り返しガラス基板の研磨処理に用いるとき、研磨スラリによる研磨レートの低下及び研磨後のガラス基板の主表面の表面品質が低下しない点で好ましい。これらの砥粒はガラス基板に対する研磨レートが高いので、研磨レートや研磨品質を低下させずに繰り返し用いることができれば生産性を大きく向上させることができる。
送液管22の一端は送液ポンプ26に取り付けられ、他端は上定盤24の送液溝24に取り付けられている。送液溝24に供給された研磨スラリは、上定盤13に穿孔された複数の孔を通して、研磨装置10(上定盤13と下定盤14の間)に供給される。
排液管23の一端は、排液受け25に取り付けられ、他端はスラリタンク27に取り付けられている。排液受け25は下定盤14から排出された研磨スラリを受けるためのものであり、その底に穿孔された複数の孔を通して排液管23に連結されている。これにより、上下定盤13,14で使用されて排液受け25に排出された研磨スラリが排液管23内に流れ込み、スラッジ除去部材30及びフィルタ29を介してスラリタンク27に貯えられる。
スラッジ除去部材30は、研磨処理中、研磨スラリの循環経路の途中に設けられ、研磨スラリ中の研磨砥粒を通過させながら、研磨砥粒よりサイズの小さい、研磨に使用した研磨スラリに含まれるガラス基板由来のスラッジを捕集する。スラッジ除去部材30は、筒状の容器内に、スラッジと親和性を有する粒子を充填剤として複数含むことが好ましい。研磨スラリは、スラッジ除去部材30の充填剤の隙間を通過する。これにより、研磨スラリ中の研磨砥粒よりサイズの小さいガラス基板由来のスラッジを捕集することができる。研磨砥粒のサイズは、例えば0.5〜3μmである。ガラス基板由来のスラッジは、ケイ酸成分、アルミナ成分を含む。このため、このスラッジを除去するために、充填剤は、金属酸化物粒子を含むことが好ましく、例えばシリカ粒子、アルミナ粒子、及びガラス粒子からなる群のうち少なくとも1種類の粒子を含むことが、スラッジを捕集する点でより好ましい。シリカ粒子やガラススラッジの表面には水酸基やシラノール基が多数存在するので、お互いに電気的に引き付け易い。アルミニウム粒子及びガラス粒子も同様の理由からガラススラッジを電気的に引き付け易い。このため、研磨スラリ中の研磨砥粒よりサイズの小さい、ガラス基板由来のスラッジを捕集することができ、スラッジよりサイズの大きな研磨砥粒を通過させることができる。充填剤の粒子サイズは、例えば10〜10000μmである。
本実施形態では、スラッジ除去部材30は、下定盤14とフィルタ29との間の循環経路の途中に配置されているが、スラッジ除去部材30の循環経路中の配置位置は特に制限されない。例えば、スラリタンク27と上定盤13との間の循環経路中に配置されてもよい。
スラリタンク27は、排液管23から排出された研磨スラリを一時的に貯える容器である。送液ポンプ26は、スラリタンク27内の研磨スラリを吸い上げて、送液管22、送液溝24を介して再び上定盤13に供給する。
フィルタ28は、送液管22と送液溝24の間に設けられており、研磨スラリに混入している、研磨砥粒より大きなサイズのスラッジを含む塵埃を濾過してから研磨スラリを研磨装置10に導入する。フィルタ29は、排液管23とスラリタンク27の間に設けられており、排出された研磨スラリに混入している塵埃を濾過して研磨スラリをスラリタンク27に導入する。
研磨処理を行うとき、研磨装置10は、研磨スラリを、研磨装置10の循環経路を通して循環させながらガラス基板12に供給して研磨パッド11を用いて主表面の研磨を行う。すなわち、研磨砥粒を含む研磨スラリをガラス基板の主表面に供給しながらガラス基板の主表面を研磨パッドで研磨処理する。研磨処理中、研磨処理に使用した使用後の研磨スラリを循環させて、研磨処理のためにガラス基板の主表面に再度供給する。研磨スラリの循環経路の途中、研磨砥粒を通過させながら、研磨砥粒よりサイズの小さい、使用後の研磨スラリに含まれるガラス基板由来のスラッジを捕集する。
本実施形態では、スラッジを補修する手段としてスラッジ除去部材30を用いるが、これ以外の捕集装置を用いてもよい。
スラッジを捕集する処理は、スラッジと親和性を有する粒子を充填剤として含んだカラムに、研磨スラリを通過させる処理であることが、効率よくスラッジを除去することができる点から好ましい。
また、充填剤は、金属酸化物粒子を含むこと、具体的には、シリカ粒子、アルミナ粒子、及びガラス粒子からなる群のうち少なくとも1種類の粒子を含むことが、スラッジを効率よく除去することができる点から好ましい。
研磨砥粒は、セリア砥粒、ジルコニア砥粒、及び、アルミナ砥粒のいずれか1つである、
ことが、ガラス基板の主表面の表面品質及び研磨レートを高くする点から好ましい。
このように、ガラス基板の主表面の研磨処理の間、研磨処理に使用した研磨スラリを回収し、この研磨スラリ中の研磨砥粒を通過させながら、研磨処理によって形成された、研磨スラリに含まれるスラッジを捕集した後、研磨処理に再度使用するために研磨パッドとガラス基板の主表面との間に供給するので、研磨処理中の研磨レートを略一定とすることができ、かつ、ガラス基板の主表面の表面品質を低下させない。
このような研磨は、以下に説明する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の研磨処理、特に第2研磨処理よりも比較的研磨レートが高いことが望まれる第1研磨処理に有効に用いることができる。
(ガラス基板の製造方法)
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を説明する。
先ず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクをプレス成形により作製する(プレス成形処理)。なお、本実施形態ではガラスブランクをプレス成形で作製するが、周知のフロート法、リドロー法、あるいはフュージョン法でガラス板を形成し、ガラス板から上記ガラスブランクと同じ形状のガラスブランクを切り出してもよい。次に、作製されたガラスブランクの中心部分に円孔を形成しリング形状(円環状)のガラス基板とする(円孔形成処理)。次に、円孔を形成したガラス基板に対して形状加工を行う(形状加工処理)。これにより、ガラス基板が生成される。次に、形状加工されたガラス基板に対して端面研磨を行う(端面研磨処理)。端面研磨の行われたガラス基板の主表面に研削を行う(研削処理)。次に、ガラス基板の主表面に第1研磨を行う(第1研磨処理)。次に、必要に応じてガラス基板に対して化学強化を行う(化学強化処理)。次に、ガラス基板の主表面に対して第2研磨を行う(第2研磨処理)。その後、第2研磨処理後のガラス基板に対して洗浄を行う。以上の処理を経て、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。以下、各処理について説明する。
(a)プレス成形処理
熔融ガラス流の先端部を切断器により切断し、切断された熔融ガラス塊を一対の金型のプレス成形面の間に挟みこみ、プレスしてガラスブランクを成形する。所定時間プレスを行った後、金型を開いてガラスブランクが取り出される。
(b)円孔形成処理
ガラスブランクに対してドリル等を用いて円孔を形成することにより円形状の孔があいたディスク状のガラス基板を得ることもできる。
(c)形状加工処理
形状加工処理では、円孔形成処理後のガラス基板の端部に対する面取り加工を行う。面取り加工は、研削砥石等を用いて行なわれる。面取り加工により、ガラス基板の端面に、ガラス基板の主表面に対して垂直に延びる基板の側壁面と、この側壁面と主表面の間に設けられ、側壁面に対して傾斜して延びる面取り面とを有する端面が形成される。
(d)端面研磨処理
端面研磨処理では、ガラス基板の内側端面及び外周側端面に対して、端面研磨処理により鏡面仕上げを行う。端面研磨処理では、その方法について特に制限されないが、例えば、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、ダイヤモンド等の研磨砥粒を含む研磨スラリを用いて、ブラシで端面を研磨するブラシ研磨処理が用いられる。
(e)研削処理
研削処理では、遊星歯車機構を備えた図示されない両面研削装置を用いて、ガラス基板の主表面に対して研削加工を行う。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、両面研削装置の保持部材に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研削を行う。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させ、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス基板の両主表面を研削することができる。
(f)第1研磨処理
次に、研削後のガラス基板の主表面に第1研磨が施される。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、研磨装置のキャリアに設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨は、粗研磨ともいい、研削処理後の主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整を目的とする。
第1研磨処理では、図1(a),(b)に示す研磨装置10を用いて、研磨スラリを与えながらガラス基板が研磨される。第1研磨処理では、遊離砥粒を含んだ研磨スラリが用いられる。第1研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、セリア砥粒、あるいはジルコニア砥粒などが用いられる。これらの砥粒はいずれもガラス基板に対する研磨レートが高いが、セリア砥粒は特に高いので好ましい。
(g)化学強化処理
ガラス基板を化学強化する場合、化学強化液として、例えば硝酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合熔融液等を用い、ガラス基板を化学強化液中に浸漬する。
(h)第2研磨(最終研磨)処理
次に、ガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、図1(a),(b)に示す両面研磨装置のキャリアに設けられた保持孔内に保持させながら、ガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第2研磨処理では、第1研磨処理に用いた遊離砥粒の種類及び粒子サイズと異なる研磨砥粒を用いる。さらに、研磨パッドのポリッシャも第1研磨処理に比べて硬度の低いものが用いられる。例えばコロイダルシリカを遊離砥粒として含む研磨スラリが両面研磨装置の研磨パッドとガラス基板の主表面との間に供給され、ガラス基板の主表面が研磨される。
本実施形態では、化学強化処理を行なうが、必要に応じて化学強化処理は行なわなくてもよい。第1研磨処理及び第2研磨処理の他にさらに別の研磨処理を加えてもよく、2つの主表面の研磨処理を1つの研磨処理で済ませてもよい。また、上記各処理の順番は、適宜変更してもよい。第2研磨処理では、コロイダルシリカ等のシリカゲルを研磨砥粒として用いる場合、スラッジ除去部材30においてシリカゲルの研磨砥粒も同時に捕集されるため、図1(a)に示すスラッジ除去部材30を有する研磨装置10を用いることは好ましくない。この場合、スラッジ除去部材30を除いた研磨装置を用いる。また、第2研磨処理では、研磨スラリを循環させてもよいし、循環させなくてもよい。
(実施例)
本実施形態のガラス基板の製造方法の効果を確認するために、ガラス基板の第1研磨処理を行った。
ガラス基板は、セリア砥粒を含む研磨スラリを用いて研磨を行なった。ガラス基板は、第2研磨処理終了後、厚さ0.7mm、直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板となるアルミノシリケートガラスのガラス基板を用いた。第1研磨処理では、以下に示す実施例及び従来例のそれぞれにおいて、ガラス基板を研磨した。具体的には、第1研磨処理では、ガラス基板に100g/cmの荷重条件で負荷をかけて、研磨スラリを用いて60分、10枚ずつ研磨をした。10枚の研磨を1回の第1研磨処理として10回の第1研磨処理を、研磨スラリを循環させながら、交換することなく行なった。
実施例では、図1(a)に示すように、シリカ粒子を含んだスラッジ除去部材30を用いて、図1(a),(b)に示す研磨装置10を用いて研磨砥粒を通過させながら、ガラス基板由来のスラッジを捕集した。
従来例では、図1(a),(b)に示す研磨装置10のうち、スラッジ除去部材30を取り除いて研磨スラリを循環させながら研磨を行なった。
10回の第1研磨処理を行った後、最後の第1研磨処理を行ったガラス基板の厚さを計測したところ、実施例の研磨による取代量は、約50μmであり、従来例の研磨による取代量は約40μmであった。また、最後の第1研磨処理を行ったガラス基板の主表面を光学式の表面検査装置を用いて観察したところ、実施例の10枚のガラス基板のいずれの主表面にも、直線状の傷が入っていなかった。他方、従来例の10枚のガラス基板のうち、8枚のガラス基板の主表面には、直線状の傷が入っており、主表面の表面品質が低下していた。
これより、本実施形態のガラス基板の製造方法は、研磨処理中、研磨スラリを循環しながら繰り返しガラス基板の研磨に使用しても、研磨レートが低くならず、研磨後のガラス基板の表面品質が低下し難いことがわかった。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 研磨装置
11 研磨パッド
12 ガラス基板
13 上定盤
13a,14a 保持板
14 下定盤
15 キャリア
16 太陽ギア
17 インターナルギア
22 送液管
23 排液管
24 送液溝
25 排液受け
26 送液ポンプ
27 スラリタンク
28,29 フィルタ
30 スラッジ除去部材

Claims (4)

  1. ガラス基板の主表面の研磨処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    研磨砥粒を含む研磨スラリをガラス基板の主表面に供給しながら研磨パッドを用いて前記主表面に対して行う研磨処理と、
    前記研磨処理中、前記研磨処理に使用した使用後の研磨スラリを循環させて、前記研磨処理のために前記ガラス基板の前記主表面に供給する処理と、
    前記研磨スラリの循環経路の途中で、前記研磨砥粒を通過させながら、前記研磨砥粒よりサイズの小さい、前記使用後の研磨スラリに含まれる前記ガラス基板由来のスラッジを捕集する処理と、
    を含むことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記スラッジを捕集する処理は、前記スラッジと親和性を有する粒子を充填剤として含んだカラムに、前記研磨スラリを通過させる処理である、請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記充填剤は、シリカ粒子、アルミナ粒子、及びガラス粒子からなる群のうち少なくとも1種類の粒子を含む、請求項2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記研磨砥粒は、セリア砥粒、ジルコニア砥粒、及び、アルミナ砥粒のいずれか1つである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
JP2014112008A 2014-05-30 2014-05-30 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Pending JP2015225687A (ja)

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