JP6490842B2 - 研削工具、ガラス基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

研削工具、ガラス基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6490842B2
JP6490842B2 JP2018004802A JP2018004802A JP6490842B2 JP 6490842 B2 JP6490842 B2 JP 6490842B2 JP 2018004802 A JP2018004802 A JP 2018004802A JP 2018004802 A JP2018004802 A JP 2018004802A JP 6490842 B2 JP6490842 B2 JP 6490842B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
abrasive grains
glass substrate
grinding
dispersed
grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018004802A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018092697A (ja
Inventor
博則 吉川
博則 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Publication of JP2018092697A publication Critical patent/JP2018092697A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6490842B2 publication Critical patent/JP6490842B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/8404Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers manufacturing base layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/11Lapping tools
    • B24B37/20Lapping pads for working plane surfaces
    • B24B37/24Lapping pads for working plane surfaces characterised by the composition or properties of the pad materials
    • B24B37/245Pads with fixed abrasives
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B7/00Machines or devices designed for grinding plane surfaces on work, including polishing plane glass surfaces; Accessories therefor
    • B24B7/20Machines or devices designed for grinding plane surfaces on work, including polishing plane glass surfaces; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of the material of non-metallic articles to be ground
    • B24B7/22Machines or devices designed for grinding plane surfaces on work, including polishing plane glass surfaces; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of the material of non-metallic articles to be ground for grinding inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain
    • B24B7/228Machines or devices designed for grinding plane surfaces on work, including polishing plane glass surfaces; Accessories therefor characterised by a special design with respect to properties of the material of non-metallic articles to be ground for grinding inorganic material, e.g. stone, ceramics, porcelain for grinding thin, brittle parts, e.g. semiconductors, wafers

Description

本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置に搭載される磁気ディスク用ガラス基板の製造に適用される研削工具、該研削工具を用いた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置に搭載される情報記録媒体の一つとして磁気ディスクがある。磁気ディスクは、基板上に磁性層等の薄膜を形成して構成されたものであり、その基板として従来はアルミ基板が用いられてきた。しかし、最近では、高記録密度化の追求に呼応して、アルミ基板と比べて磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔をより狭くすることが可能なガラス基板の占める比率が次第に高くなってきている。
また、ガラス基板表面は磁気ヘッドの浮上高さを極力下げることができるように、高精度に研磨して高記録密度化を実現している。近年、HDDの更なる大記録容量化、低価格化の要求は増すばかりであり、これを実現するためには、磁気ディスク用ガラス基板においても更なる高品質化、低コスト化が必要になってきている。
上述したように高記録密度化にとって必要な低フライングハイト(浮上量)化のために磁気ディスク表面の高い平滑性は必要不可欠である。磁気ディスク表面の高い平滑性を得るためには、結局、高い平滑性の基板表面が求められるため、高精度にガラス基板表面を研磨する必要がある。このようなガラス基板を作製するために、研削加工にて板厚の調整と平坦度(平面度)を低減した後、さらに研磨処理を行って表面粗さや微小うねりを低減することによって、主表面における極めて高い平滑性を実現してきた。
ところで、従来、遊離砥粒を用いていた研削工程(例えば特許文献1等)において、ダイヤモンドパッドを用いた固定砥粒による研削方法が提案されている(例えば特許文献2等)。ダイヤモンドパッドとは、ダイヤモンド粒子や、いくつかのダイヤモンド粒子がガラス等の固定材で固められた凝集体(集結砥粒)を、樹脂(例えばアクリル系樹脂等)などの結合材を用いてシートに固定したものである。これ以外にも、ダイヤモンドを含む樹脂の層をシート上に形成した後に、樹脂層に溝を形成して突起状としたものでもよい。なお、ここで言うダイヤモンドパッドは必ずしも一般的な呼び名ではないが、本明細書では説明の便宜上「ダイヤモンドパッド」と呼ぶこととする。
従来の遊離砥粒では形状が歪な砥粒が定盤とガラスとの間に介在し不均一に存在するために、砥粒への荷重が一定にならず荷重が集中した場合、定盤表面は鋳鉄による低弾性であるため、ガラスに深いクラックが入り、加工変質層が深く、またガラスの加工表面粗さも大きくなるので、後工程の鏡面研磨工程で多くの除去量が必要であったため、加工コストの削減が困難であった。これに対し、ダイヤモンドパッドを用いた固定砥粒による研削では、シート表面に砥粒が均一に存在しているため、荷重が集中することなく、加えて樹脂を用いて砥粒をシートに固定しているため、砥粒に荷重が加わっても砥粒を固定している樹脂の高弾性作用により、加工面のクラック(加工変質層)は浅く、加工表面粗さの低下が可能となり、後工程への負荷(取代など)が低減され、加工コストの削減が可能になる。
特許文献2には、ダイヤモンド砥粒をバインダーで結合した研磨複合体(凝集体)を有機樹脂内部に一定比率で分散させた固定砥粒による研削加工用の工具が開示されている。
特開2001−6161号公報 特表2003−534137号公報
上述のように、ダイヤモンドパッドを用いた固定砥粒による研削方法によれば、加工面の表面粗さの低下が可能となり、後の鏡面研磨工程への負荷が低減され、ガラス基板の加工コストの削減が可能になるものの、本発明者の検討によれば次のような課題があることが判明した。
上記特許文献2に開示されているような固定砥粒による研削加工用工具を用いてガラス基板の研削加工を行った場合、加工物に合わせた凝集体密度を選択し、加工圧力を調整して、常にダイヤモンド砥粒の先端部分(刃先)にかかる圧力をコントロールする必要がある。特に加工を速く行いたい場合は、凝集体密度が低い研削工具を選択することが有利である。この場合、凝集体の間隔が大きいため、加工速度は速くなるが、工具の磨耗も早くなる。また、凝集体密度が低いと分散されている凝集体同士の距離が不均一になりやすく、偏磨耗が起こりやすい。このような従来の研削工具を使用してガラス基板の量産を行うと、初期段階では加工速度が速いが、研削砥粒の脱落、偏磨耗、目詰まり、等が繰り返されて、工具表面にうねり成分が形成されるようになり、比較的早い段階(加工開始から数バッチ経過)で加工速度の低下と加工後の品質低下が発生してくる。特に平坦度の品質低下が顕著になる。工具表面に発生したうねり成分を除去する修正作業によって低下した加工速度を回復させることも可能であるが、このような修正作業を頻繁に行う必要があるので、生産上の負荷が大きい。
要するに、従来技術では、加工速度と加工品質(特に基板の平坦度)の両立が困難であり、安定した加工速度で良好な加工品質が長期間安定して得られない。
本発明はこのような従来の課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、固定砥粒を用いた研削処理において、加工速度と加工品質(特に基板の平坦度)の両立を図り、安定した加工速度で良好な加工品質が長期間安定して得られるガラス基板の研削処理に適用する研削工具を提供し、またこの研削工具を用いた研削処理を含み、高品質のガラス基板を製造できる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、およびそれによって得られるガラス基板を利用した磁気ディスクの製造方法を提供することである。
本発明者は、加工速度を高めて、なお且つ安定した研削加工を行うことが可能な解決手段を模索した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
ガラス基板の主表面を研削する研削処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記研削処理では、研削砥粒と、該研削砥粒を結合する結合材と、該結合材よりも硬く、且つ前記研削砥粒よりも柔らかい分散粒とを備え、前記結合材中に前記研削砥粒と前記分散粒とが分散された状態で結合されている研削工具を用いて、ガラス基板主表面の研削を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成2)
前記結合材は、樹脂材料であることを特徴とする構成1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成3)
前記研削砥粒は、複数の研削砥粒が固定材で結合された集結砥粒であることを特徴とする構成1又は2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成4)
前記研削砥粒は、ダイヤモンド砥粒を含むことを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成5)
前記分散粒は、アルミナ又はジルコニアからなることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成6)
前記分散粒は、研削するガラスよりも柔らかいガラスからなることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成7)
前記分散粒は、複数の分散粒が、研削するガラスよりも柔らかいガラスで結合された凝集体であることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成8)
前記結合材中の前記研削砥粒に対する前記分散粒の比率が、0.1〜5倍の範囲であることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成9)
構成1乃至8のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁気記録層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
(構成10)
電子デバイス用のガラス基板表面を研削する研削工具であって、研削砥粒と、該研削砥粒を結合する結合材と、該結合材よりも硬く、且つ前記研削砥粒よりも柔らかい分散粒とを備え、前記結合材中に前記研削砥粒と前記分散粒とが分散された状態で結合されていることを特徴とする研削工具。
本発明によれば、上記構成によって従来の課題を解決でき、固定砥粒による研削処理において、加工速度と加工品質(特に基板の平坦度)の両立を図り、安定した加工速度で良好な加工品質が長期間安定して得られるガラス基板の研削処理に適用する研削工具を提供することができる。また、この研削工具を用いた研削処理を含み、高品質のガラス基板を低コストで製造することが可能である。さらに、それによって得られるガラス基板を利用し、信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
従来のダイヤモンドパッドの構成を示す概略断面図である。 研削加工時の状態を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
磁気ディスク用ガラス基板は、通常、形状加工、主表面研削、端面研磨、主表面研磨、化学強化、等を経て製造される。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、フロート法やダウンドロー法で製造されたシート状ガラスから所定の大きさに切り出してガラス基板を得る。また、これ以外に、溶融ガラスからプレスで作製したシート状板ガラスを用いてもよい。本発明は、研削加工開始時に主表面が鏡面状のガラス基板を使用する場合に好適である。
次に、このガラス基板に寸法精度及び形状精度を向上させるための研削加工処理を行う。
この研削加工は、通常両面研削装置を用い、ダイヤモンド等の硬質砥粒を用いてガラス基板主表面の研削を行う。こうしてガラス基板主表面を研削加工することにより、所定の板厚、平坦度に加工するとともに、所定の表面粗さを得る。
本発明は、この研削加工処理の改善に関わるものである。本発明における研削処理は、例えばダイヤモンド粒子を含む研削砥粒(固定砥粒)を用いた研削加工であり、両面研削装置において、研削工具として例えばダイヤモンドパッドが貼り付けられた上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、さらに前記ガラス基板を上下定盤によって所定圧で挟圧しながら、ガラス基板と上下定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス基板の両主表面を同時に研削する。この際、加工作用面を冷却したり、加工を促進するために潤滑液(クーラント)が供給される。
上記研削処理に使用する研削工具(固定砥粒砥石)は、例えばダイヤモンドパッドであり、図1にその構成の概略を示した。図1に示されるダイヤモンドパッド1は、いくつかのダイヤモンド粒子5(図2参照)がガラスなどの固定材で固められた集結砥粒3を樹脂(例えばアクリル系樹脂等)などの結合材を用いて固定したペレット4をシート2に貼り付けたものである。勿論、図1に示す構成はあくまでも一例であり、これに限定する趣旨ではない。例えば、ダイヤモンド粒子を含む樹脂の層をシート上に形成した後に、樹脂層に溝を形成して突起状としたダイヤモンドパッドを使用してもよい。
なお、本実施の形態においては、固定砥粒あるいは単に砥粒と言った場合は、特に断りのない限り、上記ダイヤモンド粒子のような研削砥粒を意味するものとし、また、砥粒の平均粒径と言った場合は、上記研削砥粒の平均粒径を意味するものとする。
前にも説明したとおり、本発明者は、前述の従来技術では、加工速度と加工品質(特に基板の平坦度)の両立が困難であり、安定した加工速度で良好な加工品質が長期間安定して得られないことを突き止めた。
そこで、本発明者は、加工速度を高めて、なお且つ安定した研削加工を行うことが可能な解決手段を模索した結果、研削砥粒と、該研削砥粒よりも柔らかい分散粒とを併用し、結合材中にこれらの研削砥粒と分散粒とが分散された状態で結合されている研削工具を適用することによって、上記課題を解決できることを見出したものである。
本発明の研削工具においては、上下定盤でガラス基板を挟んだときに、定盤から研削砥粒のそれぞれにかかる力が、上記分散粒の存在によって分散される。つまり、研削砥粒密度を低下させ、研削砥粒の間隔を大きくして、加工速度は速めることができ、しかも研削砥粒間隔は大きくても、その間に分散粒が存在しているので、加工時に定盤から加わる力を分散させることが出来、工具の磨耗を抑制することが可能となる。また、研削砥粒密度が低いと分散されている砥粒同士の距離が不均一になりやすいが、本発明においては、上記のとおり、研削砥粒の他に分散粒が分散されているので、結果的に研削砥粒同士も均一な距離で分散されており、偏磨耗が起こり難い。
従って、このような本発明の研削工具を使用してガラス基板の量産を行っても、従来技術のような加工を続けると工具表面にうねり成分が形成されるようになることを抑制でき、その結果、加工速度と加工品質(特に基板の平坦度)の両立を図ることが可能となり、安定した加工速度で良好な加工品質が長期間安定して得られる。
すなわち、本発明における研削処理に適用される研削工具は、ガラス基板表面を研削する研削工具であって、研削砥粒と、該研削砥粒を結合する結合材と、該結合材よりも硬く、且つ前記研削砥粒よりも柔らかい分散粒とを備え、前記結合材中に前記研削砥粒と前記分散粒とが分散された状態で結合されていることを特徴とするものである。
また、本発明は、ガラス基板を研削する研削処理において、上記研削工具を用いて、ガラス基板主表面の研削を行うことを特徴とするものである。
上記研削砥粒は、砥粒そのものでもよいが、複数の研削砥粒が固定材で結合された集結砥粒であることが好ましい。単体砥粒は表面積が小さいため把持する樹脂強度が低く脱落しやすい。
本発明においては、上記研削砥粒がダイヤモンド砥粒であることが好ましい。この場合、ダイヤモンド砥粒の平均粒子径が1.5〜10μm程度の範囲であることが好適である。
ダイヤモンド砥粒の平均粒子径が上記の範囲を下回ると鏡面状ガラス基板に対する切り込みが浅くなりガラス基板への食い込みが進行し難くなる。一方、ダイヤモンド砥粒の平均粒子径が上記の範囲を上回ると仕上りの粗さが粗くなるため後工程の取り代負荷が大きくなるおそれがある。
また、ダイヤモンド砥粒の集結砥粒である場合、この集結砥粒の粒径は、累積平均粒子径が30〜50μm程度であることが好ましい。
また、砥粒同士を固定する固定材としては例えばガラス材が好適である。
なお、本発明において、上記平均粒子径とは、レーザー回折法により測定された粒度分布における粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径(「累積平均粒子径(50%径)」と呼ぶ。)を言う。この累積平均粒子径(50%径)は、具体的には粒子径・粒度分布測定装置などを用いて測定可能な値である。
研削砥粒を結合する結合材としては、例えば金属、ガラス、樹脂材料等が挙げられるが、適度なクッション性を有してガラスに過度なダメージを与えないことの観点から、特に樹脂材料が好適である。樹脂材料としては、アクリレート、エポキシ、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。
本発明において、結合材中に研削砥粒とともに分散される上記分散粒は、該結合材よりも硬く、且つ研削砥粒よりも柔らかい粒である。加工時に上下定盤でガラス基板を挟んだときに、定盤から研削砥粒のそれぞれにかかる力が、上記分散粒の存在によって分散させることができる。分散粒の硬さは、結合材および研削砥粒の材質にもよるが、概ねモース硬度で研削砥粒は6.5〜9.5程度であるため、それよりも柔らかい硬度を有するものであればよい。また、粒に使用するガラスは砥粒に比べ低いモース硬度であることが好ましい。
上記分散粒は、硬さに関して上記要件を満たすものであれば、特に材質は制約されないが、モース硬度の点で、ガラス、アルミナ又はジルコニアからなることが好ましい。また、材質の異なる粒の混合物でもよい。これらの材料はダイヤモンドよりも適度に柔らかいため、ダイヤモンド砥粒よりも先に磨耗する。ゆえにダイヤモンドの加工を阻害することがない。アルミナ又はジルコニアの粒子の平均粒径の範囲は、ダイヤモンド砥粒の平均粒子径と同様とすることが好ましい。
上記分散粒は、粒そのものでもよいが、複数の分散粒が、例えばビトリファイド結合のようにガラスの固定材で結合された凝集体であってもよい。この場合の複数の分散粒は材質が同じでも異なるものでもよい。また、この場合のガラスは、研削するガラス基板よりも柔らかいガラスであることが好ましい。
上記分散粒の大きさは、粒そのものの場合は、凝集体の場合と同等であることが好ましい。こうすることで、両者を均一に分散させやすくなる。
また、上記研削砥粒の大きさ(集結砥粒の場合はその大きさ)と分散粒との大きさの比は、ほぼ同等であることが好適であり、特に両者が同じ大きさであることが望ましい。研削砥粒と分散粒との大きさの比は、研削砥粒の平均粒径に対する分散粒の平均粒径の比((分散粒の平均粒径)/(研削砥粒の平均粒径))で0.8〜1.2の範囲内とすることが好ましい。こうすることで、両者を均一に分散させやすくなる。
また、研削砥粒の固定材と分散粒の固定剤とが用いられる場合、両者の結合材は同じ材料であることが好ましい。こうすることで、両者を均一に分散させやすくなる。
また、上記分散粒は、好ましくは研削するガラスよりも柔らかいガラスのみからなる粒であってもよい。
このガラスのみからなる分散粒の場合、分散粒の大きさや、研削砥粒との大きさの比などに関しては、上記アルミナ等の分散粒の場合と同様である。
本発明の研削工具は、前記結合材中に前記研削砥粒と前記分散粒とが分散された状態で結合されているが、具体的には、たとえばダイヤモンド研削砥粒と、アルミナ等の非ダイヤモンド分散粒との併用や、ダイヤモンド研削砥粒と、ガラスからなる分散粒との併用、あるいはダイヤモンド研削砥粒と、アルミナ等の非ダイヤモンド分散粒と、ガラスからなる分散粒との併用等が実施態様として挙げられる。
本発明においては、特にダイヤモンド研削砥粒と、ガラスからなる分散粒との併用の実施態様が好適である。この実施態様によれば、うねり成分発生を防止する分散効果が最も高くなる。
本発明において、結合材中の前記研削砥粒と前記分散粒の比率は特に制約されないが、本発明による作用効果が十分に発揮される観点からは以下の分散比率とすることが好ましい。
ダイヤモンド研削砥粒と、アルミナ等の非ダイヤモンド分散粒との併用の場合は、研削砥粒1に対し分散粒0.1〜3倍の範囲であることが好適である。
また、ダイヤモンド研削砥粒と、ガラスからなる分散粒との併用の場合は、研削砥粒1に対し分散粒0.1〜5倍の範囲であることが好適である。
また、ダイヤモンド研削砥粒と、アルミナ等の非ダイヤモンド分散粒と、ガラスからなる分散粒との併用の場合は、研削砥粒1に対し分散粒の全量が0.1〜5倍の範囲であることが好適である。
また、樹脂等の結合材中に分散される固定砥粒の合計(集結砥粒や凝集体の場合はそれを1個と数える)の研削面における密度は、10〜40(個/mm)の範囲であることが好ましい。また、研削工具中における固定砥粒の含有量は、5〜80体積%であることが好ましい。固定砥粒の含有量が上記範囲を逸脱(超過及び不足のいずれも)すると、いずれも加工時間の増大を招いてコスト高となる場合がある。
本発明では、ダイヤモンド砥粒よりやわらかい材料の砥粒及びその凝集体を、ダイヤモンド集結砥粒と一緒に分散させることにより、ダイヤモンド集結砥粒の砥粒間距離を均一に伸ばすことができる。また、ダイヤモンド集結砥粒への過度の圧力集中を防止することができる。これにより、高い加工速度においても加工を安定化することができ、良好な平坦度を維持することができる。
本発明における研削処理においては、加工時の荷重は、面圧で15g〜200g/cmとすることが好ましい。
なお、鏡面状のガラス基板表面を例えばダイヤモンドパッドで研削加工する場合、まず、ダイヤモンド砥粒をガラス基板表面に食い込ませるためガラス表面に対して通常の研削加工時よりも高い荷重負荷をかけることが好適である。高い負荷はそれだけ砥粒の切り込み深さが深くなるため、ガラス表面の粗さを粗くさせる(粗面化する)ことができる。
このような加工初期段階でガラス表面が粗面化された後には、研削加工に対して高い負荷は必要なく、むしろ負荷を下げて砥粒の切り込み深さを浅くした条件で研削加工を行うことが望ましい。図2は、研削加工時の状態を説明するための模式図であり、ダイヤモンド砥粒3がガラス基板10に食い込んで研削している状態を示している(予想図)。
本発明においては、研削処理終了後のガラス基板の表面粗さが、Raで0.02〜3.0μmの範囲に仕上がることが好ましい。このように仕上がりの粗さを低く抑えることで、後の工程の加工負荷を減らすことができる。
本発明においては、ガラス基板を構成するガラス(の硝種)は、アモルファスのアルミノシリケートガラスとすることが好ましい。このようなガラス基板は表面を鏡面研磨することにより平滑な鏡面に仕上げることができ、また加工後の強度が良好である。このようなアルミノシリケートガラスとしては、例えば、SiO2 を主成分としてAl2O3 を20重量%以下含むガラスが好ましい。さらに、SiO2を主成分としてAl2O3を15重量%以下含むガラスとするとより好ましい。具体的には、SiO2を62重量%以上75重量%以下、Al2O3 を5重量%以上15重量%以下、Li2 Oを4重量%以上10重量%以下、Na2Oを4重量%以上12重量%以下、ZrO2 を5.5重量%以上15重量%以下、主成分として含有するとともに、Na2O/ZrO2の重量比が0.5以上2.0以下、Al2 O3 /ZrO2 の重量比が0.4以上2.5以下であるリン酸化物を含まないアモルファスのアルミノシリケートガラスを用いることができる。
また、次世代の熱アシスト磁気記録用の磁気ディスクに用いられる耐熱性ガラスとしては、例えば、モル%表示にて、SiO2を50〜75%、Al2O3を0〜5%、BaOを0〜2%、Li2Oを0〜3%、ZnOを0〜5%、Na2OおよびK2Oを合計で3〜15%、MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、ZrO2、TiO2、La2O3、Y2O3、Yb2O3、Ta2O5、Nb2O5およびHfO2を合計で2〜9%、含み、モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、且つモル比[Al2O3/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲であるガラスを好ましく用いることができる。
また、SiO2を56〜75モル%、Al2O3を1〜9モル%、Li2O、Na2OおよびK2Oからなる群から選ばれるアルカリ金属酸化物を合計で6〜15モル%、MgO、CaOおよびSrOからなる群から選ばれるアルカリ土類金属酸化物を合計で10〜30モル%、ZrO2、TiO2、Y2O3、La2O3、Gd2O3、Nb2O5およびTa2O5からなる群から選ばれる酸化物を合計で0%超かつ10モル%以下、含むガラスであってもよい。
本発明において、ガラス組成におけるAl2O3の含有量が15重量%以下であると好ましい。さらには、Al2O3の含有量が5モル%以下であるとなお好ましい。
以上説明した研削処理の終了後は、高精度な平面を得るための鏡面研磨加工を行う。本発明においては、固定砥粒を用いた研削処理において安定した加工が行えるため、後の鏡面研磨加工での除去量が少なくて済み、加工負荷が低減され、加工コストの削減が可能になる。
ガラス基板の鏡面研磨方法としては、酸化セリウムやコロイダルシリカ等の金属酸化物の研磨材を含有するスラリー(研磨液)を供給しながら、ポリウレタン等のポリシャの研磨パッドを用いて行うのが好適である。高い平滑性を有するガラス基板は、たとえば酸化セリウム系研磨材を用いて研磨した後(第1研磨加工)、さらにコロイダルシリカ砥粒を用いた仕上げ研磨(鏡面研磨)(第2研磨加工)によって得ることが可能である。
本発明においては、鏡面研磨加工後のガラス基板の表面は、算術平均表面粗さRaが0.2nm以下、さらに好ましくは0.1nm以下である鏡面とされることが好ましい。なお、本発明において算術平均粗さRaというときは、日本工業規格(JIS)B0601に準拠して算出される粗さのことである。
また、本発明において表面粗さ(上記算術平均粗さRa)は、原子間力顕微鏡(AFM)で測定したときに得られる表面形状の表面粗さとすることが実用上好ましい。
本発明においては、化学強化処理を施すことができる。化学強化処理の方法としては、例えば、ガラス転移点の温度を超えない温度領域で、イオン交換を行う低温型イオン交換法などが好ましい。化学強化処理とは、溶融させた化学強化塩とガラス基板とを接触させることにより、化学強化塩中の相対的に大きな原子半径のアルカリ金属元素と、ガラス基板中の相対的に小さな原子半径のアルカリ金属元素とをイオン交換し、ガラス基板の表層に該イオン半径の大きなアルカリ金属元素を浸透させ、ガラス基板の表面に圧縮応力を生じさせる処理のことである。化学強化処理されたガラス基板は耐衝撃性に優れているので、例えばモバイル用途のHDDに搭載するのに特に好ましい。化学強化塩としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属硝酸塩を好ましく用いることができる。
また、本発明は、以上の磁気ディスク用ガラス基板を用いた磁気ディスクの製造方法についても提供する。
本発明において磁気ディスクは、本発明による磁気ディスク用ガラス基板の上に少なくとも磁気記録層(磁性層)を形成して製造される。磁性層の材料としては、異方性磁界の大きな六方晶系であるCoCrPt系やCoPt系強磁性合金を用いることができる。磁性層の形成方法としてはスパッタリング法、例えばDCマグネトロンスパッタリング法によりガラス基板の上に磁性層を成膜する方法を用いることが好適である。
また、上記磁気記録層の上に、保護層、潤滑層を形成してもよい。保護層としてはアモルファスの炭素系保護層が好適である。また、潤滑層としては、パーフルオロポリエーテル化合物の主鎖の末端に官能基を有する潤滑剤を用いることができる。
本発明によって得られる磁気ディスク用ガラス基板を利用することにより、信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の(1)基板準備、(2)形状加工、(3)端面研磨、(4)主表面研削加工、(5)主表面研磨(第1研磨)、(6)化学強化、(7)主表面研磨(第2研磨)、を経て本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
(1)基板準備
フロート法により製造された厚さ1mmのアルミノシリケートガラスからなる大板ガラスを準備し、70mm×70mmの正方形の小片にダイヤモンドカッターを用いて裁断した。次いで、ダイヤモンドカッターを用いて、外径65mm、内径20mmの円盤形状に加工した。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO2:62〜75重量%、ZrO2:5.5〜15重量%、Al2O3:5〜15重量%、Li2O:4〜10重量%、Na2O:4〜12重量%を含有する化学強化可能なガラスを使用した。
得られた基板の表面は、表面粗さRaが5nm以下の鏡面であった。
(2)形状加工
次に、ダイヤモンド砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。
(3)端面研磨
次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)を研磨した。
(4)主表面研削加工
この主表面研削加工は両面研削装置を用い、ダイヤモンドパッドが貼り付けられた上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板をセットして行なった。本実施例では、ダイヤモンドパッドとして、複数のダイヤモンド砥粒をガラスで固めた集結砥粒と、複数のアルミナ粒子をガラスで固定した凝集体と、複数の当該集結砥粒及び凝集体を結合している樹脂とを備え、ダイヤモンド砥粒の平均粒径が4.0μm、ダイヤモンドの集結砥粒の平均粒径が40μm、アルミナ粒子の平均粒径が4.0μm、アルミナ凝集体の平均粒径は40μm、最大粒径は45μm、ダイヤモンド集結砥粒とアルミナ凝集体との比率が1:0.5となるように樹脂中に分散させたダイヤモンドパッドを使用した。上記砥粒等を固めたガラスは、加工するガラスよりも硬度の小さいものを使用した。また、上記固定砥粒の合計の研削面における密度は、20(個/mm2)とした。また、潤滑液を使用しながら行った。また、定盤の回転数、ガラス基板への荷重は、適宜調整して行った。
(5)主表面研磨(第1研磨)
次に、上述した研削加工で残留した傷や歪みを除去するための第1研磨を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下研磨定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアを太陽歯車(サンギア)と内歯歯車(インターナルギア)とに噛合させ、上記ガラス基板を上下定盤によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、第1研磨を実施した。研磨液としては酸化セリウムを研磨剤として分散した純水とし、荷重、研磨時間は適宜設定した。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(6)化学強化
次に、上記洗浄を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記洗浄・乾燥済みのガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行なった。
(7)主表面研磨(第2研磨)
次いで上記の第1研磨で使用したものと同じ両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッド(発泡ポリウレタン製)に替えて第2研磨を実施した。この第2研磨は、上述した第1研磨で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えばガラス基板主表面の表面粗さをRaで0.2nm程度以下の平滑な鏡面に仕上げるための鏡面研磨加工である。研磨液としてはコロイダルシリカを分散した純水とし、荷重、研磨時間は適宜設定した。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、Rmax=1.53nm、Ra=0.13nmと超平滑な表面を持つガラス基板を得た。
(実施例2)
実施例1の主表面研削加工において、複数のダイヤモンド砥粒をガラスで固めた集結砥粒と、ガラスで出来た複数の分散粒と、複数の当該集結砥粒及び分散粒を結合している樹脂とを備え、ダイヤモンド砥粒の平均粒径が約4.0μm、ダイヤモンド集結砥粒の平均粒径が40μm、ガラス分散粒の平均粒径が4.0μm、ガラス凝集体の最大粒径は45μm、ダイヤモンド集結砥粒とガラス凝集体との比率が1:0.5となるように樹脂中に分散させたダイヤモンドパッドを使用したこと以外は、実施例1と同様にして研削加工を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
(実施例3)
実施例1の主表面研削加工において、複数のダイヤモンド砥粒をガラスで固めた集結砥粒と、複数のアルミナ粒子をガラスで固定した凝集体と、ガラスで出来た複数の分散粒凝集体と、複数の当該集結砥粒、アルミナ粒子凝集体及びガラス分散粒凝集体を結合している樹脂とを備え、ダイヤモンド砥粒の平均粒径が約4.0μm、アルミナ粒子の平均粒径が約1〜4.0μm、ガラス粒子の平均粒径が約1〜4.0μm、アルミナ凝集体とガラス凝集体の最大粒径は45μm、これらダイヤモンド集結砥粒とアルミナ凝集体とガラス凝集体の比率が1:0.5:0.5となるように樹脂中に分散させたダイヤモンドパッドを使用したこと以外は、実施例1と同様にして研削加工を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
(比較例1)
実施例1の主表面研削加工において、複数のダイヤモンド砥粒をガラスで固めた集結砥粒(ダイヤモンド砥粒の平均粒径が約4.0μm)を樹脂中に分散させた従来のダイヤモンドパッドを使用したこと以外は、実施例1と同様にして研削加工を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
(比較例2)
固定砥粒の合計(この例ではダイヤモンド集結砥粒のみ)の研削面における密度を30(個/mm2)としたダイヤモンドパッドを使用したこと以外は、比較例1と同様にして研削加工を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
上記各実施例および比較例において、上記主表面研削加工は、1バッチあたり100枚、合計100バッチの連続加工を行った。
上記実施例および比較例において、研削加工後のガラス基板について、フラットネステスターを用いて、平坦度の測定を行い、所定の基準(3μm以下)を良品とし、この基準を満たさないガラス基板の発生率(平坦度不良率)を算出し、結果を表1に示した。また、研削加工時の加工速度(比較例1に対する加工速度比)についても併せて表1に示した。
Figure 0006490842
上記表1の結果から、以下のことがわかる。
1.従来のダイヤモンド集結砥粒だけを含む研削工具(ダイヤモンドパッド)を用いた比較例1では、100バッチの連続加工を行うと、加工速度と加工品質が低下し、安定した研削加工が行えない。
これに対して、アルミナ粒子凝集体もしくはガラス分散粒、或いはアルミナ粒子凝集体とガラス分散粒の両者をダイヤモンド集結砥粒とともに分散させた研削工具を用いた実施例1〜3では、加工速度と加工品質(特に基板の平坦度)の両立を図り、安定した加工速度で良好な加工品質が長期間安定して得られる。特に、ダイヤモンド集結砥粒とガラス分散粒を併用した実施例2では、平坦度不良率がゼロ%であった。
また、比較例1、2の比較より、従来のダイヤモンドパッドにおいて固定砥粒の研削面密度を低下させると、加工速度は向上するものの平坦度不良率が悪化してしまうことがわかる。これは、単純に固定砥粒密度を下げるだけでは安定した加工ができないことを示している。
(磁気ディスクの製造)
上記実施例1で得られた磁気ディスク用ガラス基板に以下の成膜工程を施して、垂直磁気記録用磁気ディスクを得た。
すなわち、上記ガラス基板上に、Ti系合金薄膜からなる付着層、CoTaZr合金薄膜からなる軟磁性層、Ru薄膜からなる下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、保護層、潤滑層を順次成膜した。保護層は、水素化カーボン層を成膜した。また、潤滑層は、アルコール変性パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤をディップ法により形成した。
得られた磁気ディスクについて、DFHヘッドを備えたHDDに組み込み、80℃かつ80%RHの高温高湿環境下においてDFH機能を作動させつつ1ヶ月間のロードアンロード耐久性試験を行ったところ、特に障害も無く、良好な結果が得られた。
1 ダイヤモンドパッド
2 シート
3 集結砥粒
4 ペレット
5 ダイヤモンド粒子
10 ガラス基板

Claims (13)

  1. 電子デバイス用のガラス基板表面を研削する研削工具であって、
    研削砥粒と、該研削砥粒を結合する結合材と、前記研削砥粒にかかる研削圧力を分散させるための分散粒とを備え、該分散粒は前記結合材よりも硬く、且つ前記研削砥粒よりも柔らか、前記結合材中に前記研削砥粒と前記分散粒とが分散された状態で結合されており、
    前記研削砥粒と前記分散粒との合計の、前記研削工具の研削面における密度は10〜40個/mmの範囲であることを特徴とする研削工具。
  2. 前記結合材は、樹脂材料であることを特徴とする請求項1に記載の研削工具。
  3. 前記研削砥粒は、複数の研削砥粒が固定材で結合された集結砥粒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の研削工具。
  4. 前記研削砥粒は、ダイヤモンド砥粒を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の研削工具。
  5. 前記分散粒は、アルミナ、ジルコニア又はガラスのいずれかからなる粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の研削工具。
  6. 前記分散粒は、複数の分散粒がガラスで結合された凝集体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の研削工具。
  7. 前記結合材中の前記研削砥粒の個数に対する前記分散粒の個数の比率が、0.1〜5倍の範囲であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の研削工具。
  8. 前記研削砥粒は、複数の研削砥粒が固定材で結合された集結砥粒であり、前記集結砥粒の平均粒径が30〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の研削工具。
  9. 前記研削砥粒の平均粒径に対する前記分散粒の平均粒径の比が、0.8〜1.2の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の研削工具。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載の研削工具を用いて電子デバイス用のガラス基板の主表面を研削する処理を含むことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  11. 前記ガラス基板は、磁気ディスク用ガラス基板の元となるガラス基板であることを特徴とする請求項10に記載のガラス基板の製造方法。
  12. 請求項11に記載のガラス基板の製造方法により製造されたガラス基板の主表面に対し、少なくとも研磨処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  13. 請求項12に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁気記録層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
JP2018004802A 2013-09-28 2018-01-16 研削工具、ガラス基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 Active JP6490842B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013202843 2013-09-28
JP2013202843 2013-09-28

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015539444A Division JP6313314B2 (ja) 2013-09-28 2014-09-29 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法、並びに研削工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018092697A JP2018092697A (ja) 2018-06-14
JP6490842B2 true JP6490842B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=52743664

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015539444A Active JP6313314B2 (ja) 2013-09-28 2014-09-29 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法、並びに研削工具
JP2018004802A Active JP6490842B2 (ja) 2013-09-28 2018-01-16 研削工具、ガラス基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015539444A Active JP6313314B2 (ja) 2013-09-28 2014-09-29 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法、並びに研削工具

Country Status (5)

Country Link
JP (2) JP6313314B2 (ja)
CN (2) CN105579198B (ja)
MY (1) MY176672A (ja)
SG (2) SG11201602379QA (ja)
WO (1) WO2015046543A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY176672A (en) * 2013-09-28 2020-08-19 Hoya Corp Method for manufacturing magnetic-disk glass substrate, method for manufacturing glass substrate, method for manufacturing magnetic disk, and grinding tool
WO2016181751A1 (ja) * 2015-05-13 2016-11-17 バンドー化学株式会社 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法
WO2017119342A1 (ja) * 2016-01-06 2017-07-13 バンドー化学株式会社 研磨材
CN113808627B (zh) * 2017-09-29 2023-03-17 Hoya株式会社 玻璃间隔件和硬盘驱动器装置
JP7023829B2 (ja) * 2018-12-20 2022-02-22 本田技研工業株式会社 ビトリファイド砥石及びその製造方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03501371A (ja) * 1988-06-30 1991-03-28 ミッチェル,リチャード・ジェイ 研磨粒子の少ない研磨製品
JPH0761615B2 (ja) * 1992-09-28 1995-07-05 東芝タンガロイ株式会社 被覆高硬質粉末及びその製造方法
US6458018B1 (en) * 1999-04-23 2002-10-01 3M Innovative Properties Company Abrasive article suitable for abrading glass and glass ceramic workpieces
JP4099291B2 (ja) * 1999-06-23 2008-06-11 Hoya株式会社 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP2001138244A (ja) * 1999-08-17 2001-05-22 Mitsubishi Materials Corp レジンボンド砥石
ATE302092T1 (de) * 2000-04-28 2005-09-15 3M Innovative Properties Co Schleifmittel und verfahren zum schleifen von glas
JP4198607B2 (ja) * 2004-01-13 2008-12-17 Hoya株式会社 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
US20070128995A1 (en) * 2005-12-06 2007-06-07 Disco Corporation Polishing grindstone and method for producing same
JP2009072832A (ja) * 2007-09-18 2009-04-09 Bando Chem Ind Ltd 研磨シートおよびその製造方法
JP2012064295A (ja) * 2009-11-10 2012-03-29 Showa Denko Kk 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法
CN106297833B (zh) * 2009-12-29 2019-03-08 Hoya株式会社 磁盘用玻璃基板的制造方法以及磁盘用玻璃基板
JP5585269B2 (ja) * 2010-07-22 2014-09-10 旭硝子株式会社 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP2012169024A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Showa Denko Kk 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP5906823B2 (ja) * 2011-03-15 2016-04-20 旭硝子株式会社 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP2013012280A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Konica Minolta Advanced Layers Inc Hdd用ガラス基板の製造方法
JP5814719B2 (ja) * 2011-09-28 2015-11-17 Hoya株式会社 基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法および修正キャリア
CN103182659A (zh) * 2011-12-30 2013-07-03 财团法人金属工业研究发展中心 磨削工具及其制作方法
MY176672A (en) * 2013-09-28 2020-08-19 Hoya Corp Method for manufacturing magnetic-disk glass substrate, method for manufacturing glass substrate, method for manufacturing magnetic disk, and grinding tool

Also Published As

Publication number Publication date
CN105579198B (zh) 2018-04-27
CN108447507A (zh) 2018-08-24
CN108447507B (zh) 2020-07-28
MY176672A (en) 2020-08-19
CN105579198A (zh) 2016-05-11
JP2018092697A (ja) 2018-06-14
SG10202006113YA (en) 2020-07-29
SG11201602379QA (en) 2016-05-30
WO2015046543A8 (ja) 2016-04-21
JPWO2015046543A1 (ja) 2017-03-09
WO2015046543A1 (ja) 2015-04-02
JP6313314B2 (ja) 2018-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6490842B2 (ja) 研削工具、ガラス基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
US20120196033A1 (en) Method of manufacturing a glass substrate for a magnetic disk and method of manufacturing a magnetic disk
CN105163906A (zh) 玻璃基板的制造方法和磁盘的制造方法以及玻璃基板用研磨液组合物
JP5744159B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP7270682B2 (ja) 固定砥粒砥石及びガラス基板の製造方法
JP2009087483A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体
JP5235916B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法及び磁気ディスク
JP2010080015A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板製造用ガラス素材、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び磁気ディスクの製造方法
JP6193387B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の元となるガラス基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法、並びに研削工具
JP6193388B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法、並びに固定砥粒砥石
WO2023189233A1 (ja) 磁気ディスク及び磁気ディスク用基板
JP5492276B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク
JP5704777B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP2005285276A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法及び磁気ディスク
JP2015069685A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6490842

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250