JP2009072832A - 研磨シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い平滑性が要求される精密部品を高い研削力で研磨することができる研磨シートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る研磨シートは、基材シート4に、互いに独立した複数の研磨構造体1が形成された研磨シートであって、研磨構造体1はその底面と平行な面上にある頂面を有しており、研磨構造体1は飽和共重合ポリエステル樹脂2に、一次粒子径が3μm未満の研磨材粒子3が分散されており、研磨構造体1の頂面では、研磨材粒子3が飽和共重合ポリエステル樹脂2から突出した凸部が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス、セラミック、プラスチック、金属等の表面研磨に用いられる研磨シートおよびその製造方法に関し、特に、通信用光ファイバコネクタ、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板および磁気ヘッド、液晶用カラーフィルター、光学レンズ、半導体ウエハ等のように表面に高い平滑性が要求される精密部品の表面仕上げに用いられる研磨シートに関する。
従来、ガラス、セラミック、プラスチック、金属等、さらには、近年の情報化社会の高度化に伴って、光ファイバー、情報処理装置であるハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板、液晶表示用カラーフィルター、光学レンズ、半導体ウエハ等の精密部品が種々の用途に用いられている。
ガラス、セラミック、プラスチック、金属等の表面を研磨するために研磨シートが用いられている。研磨シートの例としては、砥石または砥粒を備える研磨シートが特許文献1〜4に開示されている。
一方、上記精密部品を研磨するために、上記特許文献1〜4に開示された研磨シートを用いることはできない。これは、研磨される対象物によって求められる平滑性が異なり、研磨シートの構成が異なるためである。上記研磨される対象物の中でも、上記精密部品には特に高い平滑性が要求される。
精密部品においては、その表面に、許容範囲外の大きさの傷や突起が存在することにより、精密部品の設計形状から予定される機能および性能を発揮し得なくなるため、精密部品の表面仕上げ研磨加工が、精密部品の機能等を左右する重要な工程となっている。
例えば、通信用光ファイバーを例に挙げると、通信用光ファイバーの接続においては、取り外し容易な光コネクタを用いて、フィジカルコンタクトと呼ばれる光コネクタ同士を直接つき合わせる方法が用いられている。光ファイバーの接続部の光特性は、光コネクタの加工性状と加工精度に依存するため、良好な光学特性を得るためには、光コネクタ端面の平滑性を高い水準で実現させる必要があり、研磨シートは重要な役割を果たしている。
また、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板においても、以下の理由で高い水準で平滑性が要求される。まず、近年におけるハードディスクドライブ等の情報記録装置の実情として、小型化、高性能化の要望があり、情報記録容量の大量化、情報記録密度の高密度化が求められていることが挙げられる。
具体的な情報記録装置の一例を挙げるとハードディスクドライブでは、情報記録密度を高密度化するためには、いわゆるスペーシンググロスを低減させる必要があるため、記録媒体となる磁気ディスクに対して記録再生を行う磁気ヘッドの浮上量(グライド・ハイト)を少なくする必要がある。磁気ヘッドの浮上量を少なくした場合、磁気ディスクは記録再生時に高速回転するため、磁気ヘッドが磁気ディスクの表面に接触し、破壊(クラッシュ)されてしまうおそれが大きくなる。このような磁気ヘッドが破壊されることを防止するためには、磁気ヘッド側となる磁気ディスクの主表面を極めて平滑な面として仕上げておく必要がある。
このような磁気ディスクの主表面の平滑性を実現するため、ディスク基板として、従来広く用いられてきたアルミニウム基板に代えて、ガラス基板が用いられるようになっている。ガラス基板はアルミニウム基板に比較して、主表面の平坦性および基板強度において優れているからである。なお、このようなガラス基板としては、基板強度を向上させるために、化学強化されたガラス基板や、結晶化によって基板強度を向上させた結晶化ガラス基板が用いられている。
これら精密部品の研磨加工は、研磨に用いる研磨シートの砥粒径を順次小さくして、粗研磨から最終仕上げ研磨までの複数工程の研磨によって行われる。精密部品の研磨加工においては、高い精密を得るため、砥粒径が小さな研磨シートが段階的に用いられる。
さらに、これら研磨加工において、従来の研磨シートでは、研磨加工中に発生する研磨屑が精密部品の表面に作用して、その表面に傷(スクラッチ)を生じさせるという問題がある。その結果、精密部品において所望の光学特性を得ることができなくなってしまう。また、砥粒径が小さな研磨シートでは、研磨加工において生じる研磨屑が研磨シートの表面に付着した際に研削力が持続し難いという問題がある。
上記の研磨屑による問題を解決するために種々の研磨シートが開発されている。一例として、特許文献5には、研磨中に発生した研磨屑を取り込むことができる網状クラックを有する研磨シートが開示されている。上記研磨シートは、金属、セラミックス、プラスチックおよびガラス等の研磨を用途としており、研磨中に生じる研磨屑を網状クラックに取り込むことができるので、研磨屑によって、研磨の対象物に傷を生じさせ難い構成となっている。
特開平7−164330号公報(平成7年6月27日公開) 特表平9−502665号公報(平成9年3月18日公表) 特開2004−25445号公報(平成16年1月29日公開) 特開2001−25973号公報(平成13年1月30日公開) 特開2002−103238号公報(平成14年4月9日公開)
しかしながら、上記従来の研磨シートでは、高い平滑性が要求される光ファイバー、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板に代表される精密部品の用途にて用いられる場合、精密部品に傷を生じさせ、所望の平滑性を実現できないという問題がある。
具体的には、特許文献5に開示された研磨シートでは、網目クラックに研磨屑を取り込むことができるものの、この網目クラックは、リバース又はグラビア塗工によって、ベースフィルムに研磨塗料を塗工した後に、研磨塗料の乾燥によって生じる。このような網目クラックを有する研磨シートは、平滑性が低い対象物を研磨する際に用いることが可能である。
しかしながら、高い平滑性が要求される精密部品に対して用いられた場合、微細なサイズの研磨屑が発生するため、上記研磨シートの網目クラックでは研磨屑を充分に取り込むことができず、精密部品の表面に傷を生じさせてしまうおそれがある。これにより、設計形状から予想される精密部品の機能および性能を発揮できなくなることとなる。
また、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板においては、所望の平滑性が得られない結果、上記磁気記録媒体用ガラス基板と磁気ヘッドとが接触することによって、磁気ヘッドが破壊されてしまうおそれが生じる。
さらに、研磨加工の最終仕上げ研磨付近の段階、特に最終仕上げ研磨では、砥粒径が非常に小さな研磨シートが用いられるが、砥粒径が非常に小さいため、研磨シートの研削力が非常に小さくなり、前工程でできたスクラッチを取り除くことが困難となる。このため、高い平滑性を有する精密部品を得ることが困難であるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、高い平滑性が要求される精密部品を高い研削力で研磨することができる研磨シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の研磨シートは、上記課題を解決するために、基材シートに、互いに独立した複数の研磨構造体が形成された研磨シートであって、上記研磨構造体はその底面と平行な面上にある頂面を有しており、上記研磨構造体は飽和共重合ポリエステル樹脂に、一次粒子径が3μm未満の研磨材粒子が分散されており、上記研磨構造体の頂面では、研磨材粒子が飽和共重合ポリエステル樹脂から突出した凸部が形成されていることを特徴としている。
上記の発明によれば、研磨構造体が互いに独立しているため、研磨構造体間に溝部が形成されている。研磨加工時には、この溝部に研磨屑が移動することができるため、研磨される対象物にスクラッチを生じさせるおそれを低減できる。また、研磨構造体を形成する樹脂には、飽和共重合ポリエステル樹脂が用いられ、その硬度が低く、研磨構造体が頂面を有しているため、上記対象物の研磨面と頂面とを水平に配置させることができ、樹脂による所望しない研磨を抑制し、頂面に形成された凸部によって、適切な研磨が可能となる。
また、本発明の研磨シートでは、上記研磨材粒子は、複数個の研磨材粒子が凝集されてなる造粒粒子であることが好ましい。
これにより、凸部の大きさを増加させることができ、研磨シートの研削力をさらに向上させることができる。
また、本発明の研磨シートでは、上記研磨構造体の底面の面積が0.005mm以上、5mm以下であり、上記研磨構造体の頂面の面積が、上記研磨構造体の底面の面積未満であり、上記研磨構造体の高さが2μm以上、200μm以下であり、上記凸部の高さは、5nm以上、5μm以下であることが好ましい。
上記範囲であれば、研磨構造体の構造が安定化されるため、研磨シートの研削力の持続性を向上させることができる。
また、本発明の研磨シートでは研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率が、10%以上、70%以下であることが好ましい。
これにより、基材シート上に占める研磨構造体の総面積と、研磨構造体の底面間の総面積との比率をバランス良く調整でき、研磨加工で生じた研磨屑を取り込む性能と、研削力と好ましいバランスで兼ね備えた研磨シートを提供することができる。
また、本発明の研磨シートでは、上記研磨材構造体は、プライマー処理層を介して上記基材シートに固定されていることが好ましい。
これにより、基材シート上に研磨構造体をより強固に固定することができる。
また、本発明の研磨シートでは、上記研磨構造体は、スクリーン印刷によりパターン形成されたことが好ましい。
これにより、微細な形状、サイズおよびパターンの研磨構造体を形成することができ、研磨シートの設計の自由度を向上させることができる。
また、本発明の上記研磨シートの製造方法は、上記研磨シートを製造する研磨シートの製造方法であって、単量体化合物、溶剤、架橋材、カップリング剤および研磨材粒子を混合し、研磨材粒子が分散したスラリーを調整し、上記スラリーを基材シート上にスクリーン印刷し、スクリーン印刷されたスラリーを乾燥することによって、上記基材シート上に研磨構造体を形成する製造方法である。
これにより、サイズおよびパターンの研磨構造体を形成することができ、研磨シートの設計の自由度を向上させることができる。また、容易に上記研磨シートを製造することが可能である。
本発明の研磨シートは、以上のように、基材シートに、互いに独立した複数の研磨構造体が形成された研磨シートであって、上記研磨構造体はその底面と平行な面上にある頂面を有しており、上記研磨構造体は飽和共重合ポリエステル樹脂に、一次粒子径が3μm未満の研磨材粒子が分散されており、上記研磨構造体の頂面では、研磨材粒子が飽和共重合ポリエステル樹脂から突出した凸部が形成されているものである。
それゆえ、研磨構造体が互いに独立しているため、研磨構造体間に溝部が形成されている。研磨加工時には、この溝部に研磨屑が移動することができるため、研磨される対象物にスクラッチを生じさせるおそれを低減できる。また、研磨構造体を形成する樹脂には、飽和共重合ポリエステル樹脂が用いられ、その硬度が低く、研磨構造体が頂面を有しているため、上記対象物の研磨面と頂面とを水平に配置させることができ、樹脂による所望しない研磨を抑制し、頂面に形成された凸部によって、適切な研磨が可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。
<研磨シート>
図1は、本発明に係る研磨シートの断面図を示している。本願発明に係る研磨シートは、基材シート4に、互いに独立した複数の研磨構造体1が形成された研磨シートであって、研磨構造体1はその底面と平行な面上にある頂面を有しており、研磨構造体1は、飽和共重合ポリエステル樹脂2に、一次粒子径が3μm未満の研磨材粒子3が分散されており、研磨構造体1の頂面では、研磨材粒子3が飽和共重合ポリエステル樹脂2から突出した凸部が形成されている。
研磨構造体1は、研磨加工において研磨される対象物(以下、研磨対象物とする)に接触し、研磨をなす部材である。研磨構造体1中には、飽和共重合ポリエステル樹脂2に研磨材粒子3が分散されている。
飽和共重合ポリエステル樹脂2は、研磨構造体1において、研磨材粒子3のバインダーとなるものである。飽和共重合ポリエステル樹脂2としては、従来公知の飽和共重合ポリエステル樹脂を用いればよい。本発明に係る研磨シートにおいて、飽和共重合ポリエステル樹脂2を採用している理由としては、他の樹脂、例えば、エポキシ樹脂などよりも硬度が低い(柔らかい)ため、精密部品の研磨加工において、精密部品にスクラッチ(傷)を付けることを防止することができるからである。
また、飽和共重合ポリエステル樹脂2は、研磨材粒子3を保持するためのバインダーとして良好に機能する。すなわち、研磨材粒子3を樹脂内に保持する機能に長けている。一方、バインダーとして不適な樹脂、例えば、エポキシ樹脂を用いた場合には、研磨材粒子3の分散性が悪く、さらに、研磨材粒子3を保持する能力に欠けるため、研磨材粒子3が脱粒することとなる。このため、精密加工において、脱粒した研磨材粒子3が精密部品にスクラッチを生じさせる結果となる。
研磨材粒子3は、研磨対象物を研磨する役割を果たす部材である。研磨材粒子としては造粒されていない砥粒である、ダイヤモンド、アルミナ、シリカなどを用いることができる。
研磨材粒子3の一次粒子径は3μm未満である。その下限値については、精密部品の研磨加工において要求される平滑性および研削力によって変更されるため、特定することは困難であるが、研削力を重視した場合、下限値は好ましくは0.1μmであり、さらに好ましくは0.5μmであり、特に好ましくは1μmである。なお、上記一次粒子径は、平均粒子径を示している。上記平均粒子径の算出方法については、日機装製マイクロトラック粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法によって測定することができる。
一次粒子径が3μm以上であると、研磨材粒子の加工の過程において、特に研磨対象物が精密部品の場合、一次粒子径が大きいため、精密部品にスクラッチを生じさせるおそれがあるため好ましくない。
また、研磨材粒子3として、砥粒を凝集させることによって、造粒した造粒粒子を用いることもできる。造粒粒子を用いた場合には、研磨シートの研削力をさらに向上させることができるため好ましい。造粒粒子は、上記砥粒を樹脂で凝集させ、造粒することによって得ることができる。砥粒同士を接着させる媒体としては、水溶性樹脂を用いることが好ましく、ポリビニルアルコール、ポリビニルPVP、ポリエチレングリコール、セルロース、ゼラチン系樹脂等を挙げることができ、特にポリビニルアルコール系の樹脂を用いることが好ましい。また、造粒粒子を得る方法としては、スプレードライ法を好ましく用いることができる。
造粒粒子の平均粒子径は、研磨加工において、研磨対象物にスクラッチを生じさせなければ特に限定されるものではないが、精密部品を研磨することを考慮すると、8μm以上、30μm以下であることが好ましい。
基材シート4は、研磨構造体1が固定されるため部材である。基材シート4の種類としては、研磨加工において、研磨構造体とが良好に密着されるものであれば、特に限定されるものではない。基材シート4としては、従来公知のプラスチックシートを好ましく用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどを用いることができる。なお、基材シート4には、接着性を向上させるために、プライマー処理、コロナ処理などがなされていてもよい。図1に示す研磨シートでは、基材シート4にプライマー処理層5が施されている。
基材シート4の厚さは、用いる用途に応じて適宜変更すればよいが、例えば、精密部品の研磨加工に用いられる利便性を考慮すると、30μm以上、150μm以下であることが好ましい。
<研磨構造体1>
研磨構造体1は、その底面と平行な面上にある頂面を有している。また、頂面には研磨材粒子3によって凸部が形成されている。このような構造であることによって、頂面部分を研磨対象物に対し水平に位置させることができ、研磨加工時に飽和共重合ポリエステル樹脂2が研磨を妨げることとならない。一方、飽和共重合ポリエステル樹脂2が研磨に関与し難く、凸部によってのみ研磨加工が行われることとなるため、研磨シートにおける研削力を安定したものとすることができる。
研磨構造体1は、その底面と平行な面上にある頂面を有しているが、この形状の例として、三角柱、四角柱、五角柱などの多角柱構造、または、円柱構造を挙げることができる。
さらに、研磨構造体1の頂面の面積が、底面の面積未満であることがさらに好ましい。上記の構造であれば、研磨構造体1の安定性が増し、研磨加工時における研磨シートの研削力の持続性を向上させることができる。このような、研磨構造体1の具体例としては、三角錐台、四角錐台、五角錐台などの多角錐台構造、または、円錐台構造を挙げることができる。
また、本発明に係る研磨シートでは、基材シート4に、互いに独立した複数の研磨構造体1が形成されている。互いに独立しているとは、基材シート4において、複数の研磨構造体1がそれぞれ独立しており、接触していないことを示している。すなわち、上記の構造であることによって、研磨構造体1同士の間には溝部が形成されることとなる。このように、溝部が形成されていることによって、研磨加工において生じた研磨屑が溝部に移動することができるため、研磨屑が研磨対象物の表面に移動し、研磨シートによって圧力が加えられることによって、スクラッチを形成することを抑制することができる。
研磨シートの総面積に対する、研磨構造体1における底面の総面積の比率、すなわち、上記溝部が位置するプライマー処理層5上の総面積との比率は、10%以上、70%以下であることが好ましく、20%以上、40%以下であることがさらに好ましい。上記の範囲であることによって、溝部の割合と研磨構造体1との割合とがより好ましいバランスとなり、研磨加工で生じた研磨屑を取り込む性能と、研削力と好ましいバランスで兼ね備えた研磨シートを提供することができる。
研磨構造体1の形成数としては、特に限定されるものではなく、基材シート4の1mm当たり4個以上、400個以下とすることができる。ここで、上記溝部が多く形成されることとなるため、研磨構造体1の形成数は、1mm当たり9個以上、100個以下であることが好ましい。
研磨構造体1の底面の面積、頂面の面積、研磨構造体1の高さ、凸部の高さは、研磨対象物に応じて適宜変更すればよいが、好ましい一例として、研磨構造体1の底面の面積は、0.005mm以上、5mm以下、研磨構造体1の頂面の面積(頂面の幅はL2で示されている)が、研磨構造体1の底面の面積未満であり、研磨構造体1の高さが2μm以上、200μm以下であり、上記凸部の高さL3は、5nm以上、5μm以下とすることができる。上記範囲であれば、研磨構造体1の構造が安定化されるため、研磨シートの研削力の持続性を向上させることができる。
図1に示す研磨シートは、シート状にカットされているが、これに限定されず、帯状であってもよい。
<研削力>
研削力とは、研磨シートによって研磨対象物から研磨された量を示す値であり、具体的には、単位時間当たりの研磨対象物から研磨された体積量を表す値である。研削力は研磨対象物によって、要求される値が異なるが、一例として、光ファイバーコネクタを研磨する場合、1mm/min以上、4mm/min以下であることが好ましい。また、要求される研削力を保持しつつ、研削力の持続性を示す研削力持続性が高いことも重要である。研削力持続性が低ければ、短時間で研削力が所望の値を示さなくなり、研磨シートとして好適に用いることができないからである。
ただし、研削力および研削力持続性を満たしているからといって、研磨加工において、研磨対象物にスクラッチを生じさせることは、研磨対象物の物性を損なうため好ましくない。スクラッチは、研磨材粒子3の一次粒子径が大きい場合や、研磨構造体1のバインダーとなる樹脂の硬度が高い場合などに生じる。
<研磨シートの製造方法>
次に本発明に係る研磨シートの製造方法について説明する。本発明に係る研磨シートの製造方法は、単量体化合物、溶剤、架橋材、カップリング剤および研磨材粒子3を混合し、研磨材粒子3が分散したスラリーを調整し、上記スラリーを基材シート4上にスクリーン印刷し、スクリーン印刷されたスラリーを乾燥することによって、基材シート4上に研磨構造体1を形成する製造方法である。
本発明に係る研磨シートはスクリーンシート印刷によって製造するために、まず、研磨構造体のスラリー(塗工液)を調整する。スラリーの成分として、以下の単量体化合物、架橋剤、分散剤、カップリング剤、研磨材粒子および溶媒が含まれる。
単量体化合物(樹脂)として、ジカルボン酸化合物としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などを用いることできる。また、単量体化合物(樹脂)として、ジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用いることができる。上記のジカルボン酸化合物は単独種類で用いられてもよいし、複数種類が併用されてもよい。ジオール化合物についても同様である。
架橋剤としては、NCO基中の炭素を除き、炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)ポリイソシアネート化合物が適用でき、およびこれらの2種以上の混合物を用いてもよい。
架橋剤の使用量は、用いる架橋剤によって適宜調節されるものであるが、例えば、単量体化合物100重量部に対して、25重量部以上、30重量部以下とすることができる。
分散剤は、研磨剤粒子をスラリー中に好適に分散させるために用いられる。分散剤としては、特に限定されず、公知の分散剤を用いればよい。
また、カップリング剤がスラリー成分として添加される。カップリング剤を添加することによって、研磨材粒子が飽和共重合ポリエステル樹脂中に保持され易くなるため、研磨材粒子の脱粒を抑制することができる。この結果、研磨加工時において、脱粒した研磨剤粒子によって研磨対象物にスクラッチが生じることを抑制することができる。カップリング剤としては、飽和共重合ポリエステル樹脂の製造に用いることができればよく、公知のカップリング剤を用いることができる。
分散剤の使用量は、用いる架橋剤によって適宜調節されるものであるが、例えば、単量体化合物100重量部に対して、5重量部以上、10重量部以下とすることができる。
研磨材粒子としては、上述した研磨材粒子を添加すればよい。混合する際には、混合用ミキサーなどを用い、十分に混合することが好ましい。研磨材粒子の使用量は、用いる架橋剤によって適宜調節されるものであるが、例えば、単量体化合物100重量部に対して、300重量部以上、400重量部以下とすることができる。
溶剤としては、スクリーン印刷が可能な程度にスラリーの粘度を調整できれば特に限定されるものではない。具体的には、イソフラン、MEK、イソホロン、テルピネオール、Nメチルピロリドン、シクロヘキサノン、プロピレンカーボネートなどを用いることができる。
溶剤の使用量は、用いる架橋剤によって適宜調節されるものであるが、例えば、単量体化合物100重量部に対して、300重量部以上、400重量部以下とすることができる。
上記の単量体化合物、架橋剤、分散剤、カップリング剤、研磨材粒子、溶剤を溶解させたスラリーの粘度は、スクリーン印刷時における塗工性の観点から、1000mPa以上、10000mPa以下であることが好ましい。15000mPaを超える場合には、粘度が向上しすぎスクリーン印刷を行うことが困難となる。
調整したスラリーは、基材シート4のプライマー処理層5側に、スクリーン印刷によって塗工される。スクリーン印刷としては、従来公知の手法を用いることができる。この際、スクリーン印刷を行うパターンによって、研磨構造体1の形状を変更することができ、研磨構造体1同士間の溝部の形状、面積を調整することができる。特に、スクリーン印刷法によって、製造するメリットとしては、微細な溝部を形成することができ、そのパターンの設計の自由度も大きいことが挙げられる。また、容易に本発明に係る研磨シートを製造することが可能である。
なお、グラビア印刷法などによっては、そもそも基材シート4の全面に印刷されることとなるため、本発明に係る研磨シートのように、互いに独立した研磨構造体1を製造することはできない。
スクリーン印刷されたスラリーはその後乾燥されることによって架橋される。乾燥温度および乾燥時間は、スラリーの成分によって適宜変更されるが、一般的に、100℃〜140℃、5時間〜30時間の条件で架橋がなされ、本発明に係る研磨シートを得ることができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
<研削力の測定方法>
研磨シートの研削力の測定方法は以下のようにして行った。得られた研磨シートを直径110mmの円形に打ち抜き、光ファイバコネクタ研磨における研削力の測定を行った。研磨機としては、OFL−15(セイコーインスツル株式会社製)を用い、潤滑剤としては蒸留水を使用した。研削力評価においては、斜め球面(APC)フェルールを使用した。研磨開始(0分)〜7.5分、7.5分〜15.0分、15.0分〜30.0分、30.0分〜37.5分のそれぞれにおいて研削力を測定した。
<端面評価>
得られた研磨シートによって光ファイバコネクタの端面を研磨し、上記端面の状態を観察した。光ファイバコネクタとしては、SCフェルール付きファイバ(OPTゲート社製)を平均粒子径9μmのダイヤモンド研磨フィルム(バンドー化学株式会社製、品名TOPX D902)を用いて、予めコネクタ端面を研磨処理したものを端面評価の対象物とした。
上記端面評価の対象物を得られた研磨シートおよび研磨機OFL−15を用いて、研磨加工を60秒間行った。研磨工程後の光ファイバコネクタの端面状態を Westover SCIENTIFIC製 Video Fiber Microscopeによって確認した。
〔実施例1〕
厚さ75μm、研磨構造体側にプライマー処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィルムとして用いた。また、研磨材粒子(砥粒)として、一次粒子の平均粒径が1μmのダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ製、品番 IRM0−2)を用いた。
飽和共重合ポリエステル樹脂の原料としては、単量体化合物(樹脂)として、複数のテレフフタル酸成分および複数のジオール成分からなるバイロンGK880(東洋紡株式会社製)、架橋剤として、デスモジュールL75(住化バイエルウレタン社製)、分散剤として、Disperbyk-161(ビックケミー社製)、カップリング剤として、KBM-403(信越化学工業社製)を溶剤であるイソホロンに混合し、スラリー(塗工液)を調製した。これらの配合量は表1に示す通りである。
その後、スクリーン印刷機を用い、基材シートのプライマー処理面に上記スラリーを塗工し、架橋条件100℃、20時間の条件で架橋を行い、研磨構造体を形成し、研磨シートを得た。形成された研磨構造体の形状は、四角推台構造であり、研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。また、研磨構造体の1箇所当たりの底面面積は、0.02mm、研磨構造体の高さは、6μm、研磨構造体の配置パターンは、格子状であり、凸部の高さは、50nmであった。得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1におけるダイヤモンド粒子の代わりに、一次粒子の平均粒径が1μmのダイヤモンド粒子(トーメイダイヤ製、品番 IRM0−2)の造粒粒子を用いた。造粒粒子は平均粒子径が15μmであった。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。また、研磨構造体の1箇所当たりの底面面積はは、0.02mm、研磨構造体の高さは、10μm、研磨構造体の配置パターンは、格子状であり、凸部の高さは、300nmであった。
実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表1に示す。
〔実施例3,4〕
溶剤であるイソフランの配合比率を増加させた以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを作成した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表1に示す。
〔実施例5,6〕
用いたダイヤモンド粒子の配合比率を減少させた以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを作成した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表1に示す。
〔実施例7,8〕
用いたダイヤモンド粒子の一次粒子の平均粒径を0.5μmに変更した以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを作成した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表1に示す。
〔実施例9,10〕
研磨構造体の形状を三角柱構造に変更した以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを作成した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表1に示す。
Figure 2009072832
実施例1では、得られた研磨シートの研削力は、2.1以上であり高い研削力を実現することができた。また、研削力の測定開始から測定終了まで高い研削力を持続させることができることが判明した。さらに、光コネクタの端面状態も非常に良好であり、実用性を十分に満足させる結果が得られた。
さらに、実施例2のように、研磨材粒子として、造粒粒子を用いたところ、研削力を向上させることができた。この際、研磨持続性の低下および光コネクタの端面評価においてキズ(スクラッチ)等は生じず、良好な結果が得られた。
実施例3,4では、溶剤の配合比率を増加させたが、この場合には、研削力が実施例1,2と比較するとやや低下する傾向が見られた。これは、スラリーの粘度が低下した結果、スクリーン印刷後のスラリーの乾燥時において、研磨材粒子の分散状況が低下した可能性があると考えられる。
実施例5,6では、ダイヤモンド粒子の配合比率を減少させたところ、研削力が低下したものの、光コネクタの端面にキズが生じることはなくその状態は良好であった。このような研磨シートは、研削力が低いため、特に研磨加工の最終仕上げ研磨において用いられることができる。
実施例7,8では、一次粒子の平均粒径を0.5μmに変更したため、研削力は原料したものの、研削力持続性を高い水準で実現することができる結果が得られた。また、光コネクタの端面状態も良好であった。
実施例9,10では、研磨構造体の形状を三角柱の構造としたところ、実施例1のように、四角錐台の形状と比較して、高い研削力を実現することができた。しかしながら、研削力の測定後半には研削力が次第に低下し、研削力持続性については劣る結果となった。
〔比較例1〕
実施例1において、本発明に係る研磨構造体を1箇所のみ形成、すなわち、研磨構造体を複数形成せずに、研磨シートを製造した。印刷方法としては、グラビア印刷を用いた。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、100%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表2に示す。
〔比較例2〕
比較例1において、研磨剤粒子として実施例2において用いた造粒粒子を用いた。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、100%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表2に示す。
〔比較例3,4〕
用いるダイヤモンド粒子の一次粒子の平均粒径を3μmとした以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを製造した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表2に示す。
〔比較例5,6〕
カップリング剤を用いなかった以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを製造した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表2に示す。
〔比較例7,8〕
研磨剤粒子(ダイヤモンド粒子、ダイヤモンド粒子の造粒粒子)の配合量を増加させた以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを製造した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表2に示す。
〔比較例9,10〕
溶剤であるイソホロンの配合量を減少させた以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを製造した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表2に示す。
Figure 2009072832
表2に示すように、比較例1,2では、研削力が低い値となった。これは、研磨構造体の形成箇所が1箇所であり、研磨構造体間に溝部が形成されておらず、研磨加工時に生じる研磨屑が研磨を阻害したためであると考えられる。なお、光コネクタの端面状態は良好であったが、これは研磨屑のサイズが小さいため、端面にキズを生じさせるに至らなかったものと考えられる。
また、比較例3,4のように、ダイヤモンド粒子の一次粒子径を3μmとした場合には、研磨加工時に研磨される量が増加する結果、端面状態にキズを発生させる結果となった。比較例5,6のように、カップリング剤を用いなかった場合には、研磨材粒子を研磨構造体に保持することが困難であり、研磨材粒子の脱粒が生じ、それによって光コネクタの端面にキズを生じさせる結果となった。
さらに、比較例7,8では研磨材粒子の量を増加させ、比較例9,10では溶剤量を減少させたが、これらの場合には、粘度が上昇しスクリーン印刷ができず、研磨シートを製造することができなかった。
〔比較例11,12〕
研磨構造体を構成する樹脂として、飽和共重合ポリエステル樹脂の原料に代えて、エポキシ樹脂であるビスフェノールA型(ジャパンエポキシレジン株式会社製、品番:JER828)を、架橋剤として、アミキュアーMY24(味の素株式会社製)を用いた以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを製造した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表3に示す。
〔比較例13,14〕
研磨構造体を構成する樹脂として、エポキシ樹脂であるビスフェノールF型(ジャパンエポキシレジン株式会社製、品番:828)を用いた以外は、実施例1,2と同様に研磨シートを製造した。研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率は、50%であった。実施例1と同様に、用いた研磨シートの原料の配合量、および、得られた研磨シートの研削力および端面評価の結果を表3に示す。
Figure 2009072832
表3に示すように、エポキシ樹脂を用いた場合、比較例11,12のビスフェノールA型、比較例13,14のビスフェノールF型を用いた場合の何れの場合にも、端面評価においてキズが観測された。端面評価中には、研磨剤粒子の脱粒が観測されたため、脱粒した研磨剤粒子によって、光ファイバコネクタにキズを生じさせているものと考えられる。
本発明に係る研磨シートは、ガラス、セラミック、プラスチック、金属等、特に高い水準で平滑性が求められる、光ファイバーコネクタ、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板等の研磨加工に用いることができる。
本発明における研磨シートの実施の一形態を示す断面図である。
符号の説明
1 研磨構造体
2 樹脂バインダー
3 研磨材粒子
4 プライマー処理層
5 基材シート

Claims (7)

  1. 基材シートに、互いに独立した複数の研磨構造体が形成された研磨シートであって、
    上記研磨構造体はその底面と平行な面上にある頂面を有しており、
    上記研磨構造体は飽和共重合ポリエステル樹脂に、一次粒子径が3μm未満の研磨材粒子が分散されており、
    上記研磨構造体の頂面では、研磨材粒子が飽和共重合ポリエステル樹脂から突出した凸部が形成されていることを特徴とする研磨シート。
  2. 上記研磨材粒子は、複数個の研磨材粒子が凝集されてなる造粒粒子であることを特徴とする請求項1に記載の研磨シート。
  3. 上記研磨構造体の底面の面積が0.005mm以上、5mm以下であり、
    上記研磨構造体の頂面の面積が、上記研磨構造体の底面の面積未満であり、
    上記研磨構造体の高さが2μm以上、200μm以下であり、
    上記凸部の高さは、5nm以上、5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨シート。
  4. 研磨シートの総面積に対する、上記研磨構造体における底面の総面積の比率が、10%以上、70%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の研磨シート。
  5. 上記研磨材構造体は、プライマー処理層を介して上記基材シートに固定されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の研磨シート。
  6. 上記研磨構造体は、スクリーン印刷によりパターン形成されたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の研磨シート。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の研磨シートを製造する研磨シートの製造方法であって、
    単量体化合物、溶剤、架橋材、カップリング剤および研磨材粒子を混合し、研磨材粒子が分散したスラリーを調整し、
    上記スラリーを基材シート上にスクリーン印刷し、スクリーン印刷されたスラリーを乾燥することによって、上記基材シート上に研磨構造体を形成することを特徴とする研磨シートの製造方法。
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