JP2005046960A - クッション性を有する研磨シート - Google Patents

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Abstract

【課題】
研磨面を、傷の発生が少なく、研磨精度がよく、鏡面仕上げできるクッション性を有する研磨シートを提供する。
【解決手段】
5000MPaの荷重を負荷したときの厚さの変化率が−5〜−40%である基材フィルム11の一方の面に、直接又はプライマ層13を介して、研磨層15を有し、また、前記基材フィルム11は内部に空洞を有し、該空洞の空洞率が7〜36%で、空洞の平均直径が3.0〜30.0μmであり、さらに、該空洞が延伸時のボイド発生機構によるもので、前記基材フィルム11の密度が0.9〜1.3g/cm3で、かつ、上記基材フィルム11がリサイクル材を含むニ軸延伸ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研磨シートに関し、さらに詳しくは、磁気ヘッド、磁気および光学ディスク、半導体ウェハ、半導体の集積回路形成時の平坦化、光学レンズ、光ファイバなど精密部品の、表面や端面などの仕上げ研磨に使用でき、また、使用する研磨機の研磨定盤の硬さや、被研磨材の研磨面の形状に影響されずに、研磨面の研磨精度を向上するクッション性を有する研磨シートに関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。
(技術の背景)研磨シートは、被研磨体へ当接させ、相互に相対移動させることで、表面や端面を研磨するものである。近年、部品の高密度、高精度化に伴って、極めて精密で正確な研磨要求されている。
例えば、ウェーハや半導体形成での平坦化、光ファイバの端面研磨などでは、基材フィルムにダイヤモンドや炭化珪素などの研磨層を有する研磨シートが用れている。しかしながら、研磨効率を向上させるために、硬い研磨粒子を用いると、凝集した研磨粒子、混入した大きな研磨粒子、又は万が一脱落した研磨粒子などで研磨面に傷が発生しやすくなる。
このために、研磨シートは、研磨層の研磨粒子への過度な応力な集中を緩和して、凝集した研磨粒子、混入した大きな研磨粒子、又は万が一脱落した研磨粒子などがあっても、被研磨体に対して傷や欠けなどのダメージの発生が極めて少くないことが求められている。
また、半導体の平坦化の場合には、被研磨材全体に生じているうねりや反りに追随し、かつ、被研磨材の加工面に存在する微細な凹凸部を平坦化させるために、研磨層は適度の硬度(ヤング率)が、かつ、研磨シート全体ではクッション性が要求される。さらに、基材フィルムのクッション性で、研磨層面に皺などが発生せずに、表面を凹状にたわませることができ、被研磨材、例えば光ファイバの端面研磨で要求される凸状に研磨することも求められている。
さらにまた、基材フィルムとしては、研磨時の潤滑剤や機械的な強度と、研磨剤の塗工及び乾燥に耐える強度や耐熱性があり、研磨シートの製造では、製造工程が増加することなく、既存の設備を使用でき、安価で、安定した供給が求められている。
(先行技術)従来、研磨シートは、研磨層のバインダを多孔質として弾性を持たせた研磨シートが知られている(例えば、特許文献1〜2参照。)。しかしながら、上記の研磨シートは研磨層が多孔質で弾性を持つので、被研磨物と接触する面が柔軟で研磨速度が遅いという欠点がある。
また、研磨テープを凹円弧状の案内面へ当接させて被研磨材を凸状に研磨する装置および研磨テープが知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3では装置的に凹部とするもので、研磨シート自身にはクッション性はなく、研磨精度の向上には影響はしないという問題点がある。
さらにまた、研磨シートのスティフネス値を規定したものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、基材自身にはクッション性はなく、全体厚みが薄く耐久性に乏しいので、薄膜磁気ヘッド基板の最終研磨以外の用途に対しては、所望の効果が期待できない。適用範囲が極めて狭く、光コネクタフェルールなどの突起状で小面積を研磨するには不向きであるという欠点がある。
さらに、研磨層/硬質要素/弾性要素としたクッション性の研磨シートが知られている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、3次元の所定の表面パターンを有する研磨層の形成が煩雑であり、研磨シート/硬質要素/弾性要素を逐次粘着剤で貼合するために、製造工程数が多く、低歩留りで高コストであるという欠点がある。
特開平6−278038号公報 特開2001−138249号公報 特開2001−18156号公報 特開平5−228844号公報 特表2001−505489号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、クッション性を有する基材フィルムの一方の面に研磨層を有する研磨シートで、光コネクタフェルールなどを傷の発生が少なく研磨精度がよく鏡面仕上げでき、かつ、取扱いが容易で、安定した研磨機能を有するクッション性を有する研磨シートを提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わるクッション性を有する研磨シートは、基材フィルムの一方の面に、直接又はプライマ層を介して、研磨層を有する研磨シートにおいて、5000MPaの荷重を負荷したときの、前記基材フィルムの厚さの変化率が−5〜−40%であるようにしたものである。
請求項2の発明に係わるクッション性を有する研磨シートは、上記基材フィルムの内部に複数の微細な空洞を有し、該空洞の空洞率が7〜36%で、空洞の平均直径が3.0〜30.0μmあるようにしたものである。
請求項3の発明に係わるクッション性を有する研磨シートは、上記空洞が延伸時のボイド発生機構によるもので、上記基材フィルムの密度が0.9〜1.3g/cm3で、かつ、上記基材フィルムがリサイクル材を含むニ軸延伸ポリエチレンテレフタレートであるように、したものである。
(発明のポイント)本出願人は、既に、研磨層/基材/弾性層からなるクッション性の研磨シートを特開2003−103471号公報で提案している。しかしながら、基材層の研磨層と反対側へ、ラミネション法などで弾性層を貼合し、弾性層の機能であるパッド機能を、ラミネーション法などの別工程を追加してでも、一体的に設けることに着想している。この研磨シートを通常使用されている現行の研磨装置で使用するためには、研磨装置を改造せねばならない。従って、この研磨シートは現行の研磨装置で使用できず汎用性に欠ける。また、全体厚みが厚く、コスト的に高くなるという欠点がある。
そこで、さらに鋭意研究を重ねて、基材自身の表面が固く、平滑で、腰があり、かつ、基材自身へクッション性を持たせることで、パッド機能を合わせ持たせ、研磨性能を低下させずに、高い研磨性能を維持しつつ、現行研磨装置でも改造なしで使用することができて高い汎用性が得られ、かつ、短い製造工程で製造できて低コストなクッション性を有する研磨シートが得られることを見出して、本発明に至った。
請求項1、2の本発明によれば、研磨層への応力集中を緩和でき、凝集した研磨粒子、混入した大きな研磨粒子、又は万が一脱落した研磨粒子などがあっても、被研磨体に対して傷や欠けなどのダメージの発生を極めて減少できる。
また、基材フィルムのクッション性で、研磨層面に皺などが発生せずに、表面を凹状にたわませることができ、被研磨材、例えば光ファイバの端面研磨で要求される凸状に研磨することができる。
さらに、種々の被研磨材の対応させることができ、例えば、半導体の平坦化では、基材フィルムのヤング率を、研磨層とのヤング率より小さくすることで、該基材層が通常のCMP研磨におけるパッド機能(クッション)として働く。即ち、被研磨材を半導体としたの平坦化を行う場合には、研磨シートが被研磨材全体に生じているうねりや反りに追随させるためには、適度の弾性(圧縮率や曲げ弾性)を必要とし、また、被研磨材の加工面に存在する微細な凹凸部を平坦化させるためには、研磨層面には適度の硬度(ヤング率)が必要である。本発明の研磨シートは、平坦化すべき被研磨材の種類に応じて、弾性(圧縮率や曲げ弾性)および硬度(ヤング率)を調整することができる。即ち、基材フィルムの材質と厚さを組合わせることで、種々の被研磨材の対応させることができる。
さらにまた、該研磨シートの製造では、製造工程が増加することなく、既存の設備を使用でき、安価で、安定した研磨シートを供給できる。
請求項3の本発明によれば、表面が平滑である程度硬く、かつクッション性があり、環境への負荷も少ないクッション性を有する研磨シートが提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す研磨シートの断面図である。
(基本の構成)本発明の研磨シート1は、基材フィルム11の一方の面へ、直接又は他の層、例えばプライマー層13を介して、研磨層15が設けられ、前記基材フィルム11へ従来の基材としての機能に加えて、クッション性を合わせ持たせたものである。
(基材フィルム)基材フィルム11としては、研磨時の潤滑剤や機械的な強度と、研磨剤の塗工及び乾燥に耐える強度や耐熱性があり、その材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂などが適用でき、好ましくは延伸フィルムである。
そして、基材フィルム11は、5000MPaの荷重を負荷したときの、厚さの変化率が−5〜−40%であるようなクッション性を持たせる。該クッション性は小さい負荷下では少なく、大きい負荷下のときに機能することが望ましく、5000MPaの荷重下での厚さの変化率が重要である。
上記厚さの変化率が−5未満ではクッション性が不足し、研磨後の被研磨材の表面が傷付き易く、−40%を超えるとクッション性が過剰となって、研磨レートが低下するか、研磨できなくなる。
クッション性は、基材フィルム11の内部へ複数の微細な空洞を設けることで付与し、本出願人が特開2003−103471号公報で提案したような、別途弾性層を用いることがないので、弾性層が不要で該弾性層を積層する工程もいらなくなる。該空洞の空洞率が7〜36%で、空洞の平均直径が3.0〜30.0μmとする。
上記該空洞の空洞率が7未満ではクッション性が不足し、36%を超えるとクッション性が過剰となってしまう。また、空洞の平均直径が3.0未満では、5000MPaの荷重を負荷したときの厚さの変化率が−5%未満となってクッション性が不足し、30.0μmを超えると、5000MPaの荷重を負荷したときの厚さの変化率が−40%を超えて柔軟過ぎて、研磨レートが低下する。
上記複数の微細な空洞は延伸時のボイド発生機構により設け、基材フィルム11のJIS K−7112による密度を0.9〜1.3g/cm3とすることで、表面が平滑である程度硬く、かつクッション性を付与することができる。基材フィルム11は、研磨層の塗工適性及び後加工適性、並びに研磨機における取扱い性が求められるので、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、更に好ましくは、リサイクル材を含むニ軸延伸ポリエチレンテレフタレートであり、具体的には、クリスパー(東洋紡績社製、商品名)が挙げられる。ボイド発生剤の他に、ポリエチレンテレフタレートなどのリサイクル材を含むことで、環境への負荷も少なくできる。
該基材フィルムの厚さは、被研磨材の材質、大きさ、厚さなどから適宜選択すれば良いが、その厚さは、例えば、25〜250μmである。基材フィルム11は、作業工程での粉塵の付着を防止するために、帯電防止剤を加えても良い。帯電防止剤は、公知の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤などやポリアミド誘導体やアクリル酸誘導体などを、適宜に選択して加える。
(易接着処理)次に、基材フィルム11の一方の面へ、研磨層15を塗布する。該研磨層15を塗布する側には、両者の接着性を向上させるためにプライマー層13、またはコロナ放電処理、オゾンガス処理などの易接着処理を施すことが好ましい。特に、プライマー層13は、研磨層15との接着性を向上させ、バインダ17と研磨粒子19の脱落を防止して安定した研磨作業ができ、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、エポキシ樹脂などが適用できる。
(プライマ層)これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを基材フィルム11に公知のコーティング法で塗布し乾燥してプライマー層13とする。また、樹脂にモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどと、反応開始剤、硬化剤、架橋剤などを適宜組み合わせたり、あるいは、主剤と硬化剤とを組み合わせて、塗布し乾燥して、乾燥または乾燥した後のエージング処理によって反応させて、形成しても良い。該プライマー層13の厚さは、0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。
(研磨層)次いで、プライマー層13面に積層する研磨層15は、研磨粒子19と、バインダ17とからなる。通常、バインダ17となる樹脂の溶液中に研磨粒子19を分散させたインキを、印刷手段により、塗布し乾燥して、必要な場合には、更に加熱硬化させて形成する。研磨層15の厚さは、使用する研磨粒子の粒子径などによっても異なるが2μm〜30μmである。
(研磨粒子)研磨粒子19としては、例えば、シリカ(酸化珪素)、アルミナ、炭化珪素、ダイヤモンド、酸化鉄、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、窒化珪素、酸化アンチモン、窒化ホウ素、リチウムシリケートなどを、単独、または二種以上を組み合わせて使用することができる。ガラス材および光ファイバの研磨には、ダイヤモンド、アルミナ、酸化鉄、カーボランダム、酸化クロム、酸化セリウムが適し、特に、硬度が高いダイヤモンドが好適である。該研磨粒子19の粒子径は、平均粒子径で0.005μm〜10μmの範囲が好ましい。
(バインダ)研磨層15のバインダ17としては、シロキサン結合を有する樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ゴムおよびその誘導体、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂などが適用できる。また、通常、バインダ17樹脂100重量部に対して、研磨粒子19の無機質微粉末が100〜1400重量部程度の割合で混入させれば良い。
さらに、研磨層15を形成するインキの溶剤には、バインダ樹脂の種類に応じて、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン等からなる単独溶剤あるいはこれらの2種以上の混合溶剤等が使用され、また、必要に応じて、粘度調整剤、分散剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料などを添加しても良く、スクリーン印刷に相応しい粘度と印刷適性を持つインキに調製する。
なお、研磨層15の耐摩耗性、耐溶剤性、耐熱性などの向上を計ると共に、研磨層15と、基材フィルム11またはプライマー層13との間の密着性を向上させるためには、研磨層形成用のインキ中に、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)などのイソシアネート系の硬化剤を添加しても良い。このイソシアネート系硬化剤の添加量は、イソシアネート系硬化剤のイソシアナート基(−NCO)とバインダ樹脂における官能基との当量比、すなわち、[(−NCO)/バインダ樹脂における官能基]で表示される当量比が、0.5〜10の範囲内にあることが好ましい。
(研磨層の形状)研磨層15の形状は、研磨使用時に必要とする、同心円状、水玉状、放射線状、渦巻き状、亀甲模様、又は斜線状など各種の溝形状がなどの任意のパターン状に形成しても良く、被研磨材の形状に合わせて、適宜形成すれば良い。該パターン(研磨層)のない溝部分は、研磨作業中に発生し補足された研磨屑や脱落した研磨粒子などは、積極的に研磨層面から排出され、さらには研磨シートからも排出される。
このようにして、研磨屑や脱落研磨粒子は、被研磨材と接触することがなくなり、該被研磨材である磁気ヘッド、磁気および光学ディスク、半導体ウェハ、半導体の集積回路、光学レンズ、光ファイバなどを傷をつけることが、極めて少なくできる。
溝巾は0.1μm〜10mm程度、好ましくは1μmから5mmで、溝深さは、最大研磨層厚みであるが、0.1μm〜30μm程度、好ましくは0.5μmから10μmで、被研磨材の材料、研磨手法や研磨粒子の大きさ、研磨層の厚さなどに応じて適宜選択すれば良い。
(形成法)研磨層15を全面に設けるには、ロールコーティング・リバースロールコーティング・グラビアコーティング・グラビアリバースコーティング・バーコーティング・コンマコーティングなどの公知のコーティング法が適用できる。該コーティング法で、前述の研磨層15形成用インキを用い、基材フィルムへ直接またはプライマー層上へ、塗布し乾燥して、必要に応じてエージングして研磨層15を形成する。
また、研磨層15をパターン形状に設けるには、スクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷などが適用でき、スクリーン印刷が好適である。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
基体フィルムとして、事前にプライマー層が施された厚さ75μmのクリスパー(東洋紡績社製、発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム商品名)を用い、5000MPa荷重時の厚さの変化率が−20%、空洞率22%、空洞の平均直径が13μm、密度1.1g/cm3である。該基体フィルムのプライマー層面へ、下記の研磨層用組成物インキをグラビアリバースコーティング法で、乾燥後の厚さが10μmになるように、塗布し乾燥し、さらに55℃で、72時間加熱し硬化させて、実施例1の研磨シートとした。
研磨層用組成物インキとしては、水酸化アルミニウム(平均粒子径2μm)52質量部、固定分30質量%のウレタン変性ポリエステル樹脂37質量部、イソシアネート硬化剤5質量部、メチルエチルケトンとトルエンの等量混合溶媒21質量部、を公知の方法で溶解又は分散したものとした。
空洞率7%の基体フィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして、研磨シートを得た。なお、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの密度は1.3g/cm3で、5000MPa荷重時の厚さの変化率は−5%であった。
空洞率36%の基体フィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして、研磨シートを得た。なお、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの密度は0.9g/cm3で、5000MPa荷重時の厚さの変化率は−35%であった。
(比較例1)基体フィルムとして、空洞がなく事前にプライマー層が施された厚さ75μmのルミラー(東レ社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム商品名)を用いる以外は、実施例1と同様にして、研磨シートを得た。なお、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの密度は1.4g/cm3で、5000MPa荷重時の厚さの変化率は−5%未満であった。
(比較例2)基体フィルムとして、空洞率36%で、事前にコロナ処理が施された厚さ75μmの発泡ポリプロピレンを用いる以外は、実施例1と同様にして、研磨シートを得た。該発泡ポリプロピレンの密度は0.58g/cm3で、5000MPa荷重時の厚さの変化率は−40%以上であった。空洞の直径はバラツキ及び形状変形が大で測定できなかった。
(評価)評価は、精工技研社製の光コネクタ研磨機SFP−120Aへ、予め直径125mmφの円形に打抜いた研磨シートをセットし、樹脂製の光ファイバコネクタの研磨を行って研磨性能を評価する。まず、試験に使用する多芯光ファイバコネクタは、炭化珪素(SiC)研磨剤を塗布した研磨シートでコネクタ端面の付着エポキシ樹脂の接着剤を除去し、平面加工しておいたものを使用した。実施例及び比較例の125mmφの研磨シートをセットし、潤滑剤として純水5mlを研磨シートの中央部へ滴下して、30秒間、前記光ファイバコネクタの最終研磨を行った。
評価は、被研磨面の傷、研磨面の周辺部の状態、及び研磨後の研磨シートの表面状態を測定した。いずれも光学顕微鏡800倍で目視観察した。結果を表1に示す。
Figure 2005046960
実施例1〜3は、コネクタの研磨面に深い傷はなく、周辺部とともに良好な状態であった。研磨後の研磨シートも脱落などの異常もなく良好であった。該研磨シートは適度なクッション性を持っており、研磨粒子への過度な応力集中を緩和することができ、被研磨体に対して傷などのダメージが極めて少なく、良好な研磨面とできた。
比較例1は、コネクタの研磨面に深い傷が不規則に発生しており、周辺部には研磨層段差への引っかかりによると考えられる縁欠けが発生していた。さらに、研磨シートの研磨層も一部に脱落が見られた。
比較例2は、クッション性があり過ぎて、全く研磨出来なかった。
本発明のクッション性を有する研磨シートは、被研磨物の表面や端面などの仕上げ研磨に利用できる。また、磁気ヘッド、磁気および光学ディスク、半導体ウェハ、半導体の集積回路形成時の平坦化、光学レンズ、光ファイバなど精密部品の研磨、特に光コネクタフェルールの端面の仕上げ研磨の好適に利用できる。
本発明の1実施例を示す研磨シートの断面図である。
符号の説明
1 研磨シート
11 基材フィルム
13 プライマー層
15 研磨層
17 バインダ
19 研磨粒子

Claims (3)

  1. 基材フィルムの一方の面に、直接又はプライマ層を介して、研磨層を有する研磨シートにおいて、5000MPaの荷重を負荷したときの、前記基材フィルムの厚さの変化率が−5〜−40%であることを特徴とするクッション性を有する研磨シート。
  2. 上記基材フィルムの内部に複数の微細な空洞を有し、該空洞の空洞率が7〜36%で、空洞の平均直径が3.0〜30.0μmあることを特徴とする請求項1記載のクッション性を有する研磨シート。
  3. 上記空洞が延伸時のボイド発生機構によるもので、上記基材フィルムの密度が0.9〜1.3g/cm3で、かつ、上記基材フィルムがリサイクル材を含むニ軸延伸ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項2記載のクッション性を有する研磨シート。
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