JP2005081486A - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 非常に良好なプラテン接着力が得られ、しかも、使用後にパッドをプラテンから剥離する場合に、プラテンに残存する粘着剤が全くなくなる研磨パッドを提供する。
【解決手段】 研磨面と固定面とを有する研磨層8、及び該固定面に設けられた両面粘着テープ17を有し、使用の際には該両面粘着テープ17によって研磨装置のプラテンに固定される形態の研磨パッドにおいて、該両面粘着テープ17が、フィルム基材12と、該フィルム基材12の研磨層に面した側に設けられた第1粘着剤層9と、該フィルム基材12のプラテンに面した側に設けられた第2粘着剤層15とを有し、該第2粘着剤層15がプラテンよりもフィルム基材12に対して高い接着力を示す研磨パッド。
【選択図】図2

Description

本発明は、使用の際に両面粘着テープによって研磨装置のプラテンに固定される形態の研磨パッドに関し、詳しくは、ウェハ表面の凹凸をケミカルメカニカルポリシング法によって平坦化する際に使用される研磨パッドに関する。
半導体装置を製造する際には、シリコンウェハのような半導体ウェハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィ、エッチング等をすることにより配線層を形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウェハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウェハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウェハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(Chemical Mechanical Polishing:以下CMPという)法が採用されている。CMPは、ウェハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下スラリーという)を用いて研磨する技術である。
図1はCMP法で使用する研磨装置の一例を示す模式図である。研磨パッド1を支持するプラテン2と、被研磨物であるウェハ4を支持する支持台(ポリシングヘッドとも呼ばれる。)5とウェハの均一加圧を行うためのバッキング材(非表示)と、研磨剤3の供給機構を備えている。プラテン2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、一般に支持台5には、ウェハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
研磨パッドはプラテンに対して着脱可能に支持されている。研磨パッドは研磨を行なっているうちに磨耗し、定期的に交換する必要があるからである。CMPの作業効率を上げるためには研磨パッドの交換は簡便に行なえることが好ましい。他方、研磨パッドは研磨中に発生する応力に対抗するのに十分な強度でプラテンに固定される必要がある。
通常、研磨パッドはプラテンに対して両面粘着テープによって固定されている。研磨層の裏面に予め両面粘着テープを設けた形態の研磨パッドであれば、装着操作は離型紙を剥がして貼るだけであり、非常に簡便だからある。また、粘着剤の粘着力を向上させて確実な固定を得ることも可能だからである。
しかしながら、両面粘着テープには、これまで、使用後のプラテンから剥がす時に粘着剤が一部プラテン表面に残る、という問題が有る。プラテン表面に粘着剤のような異物が付着したまま新たに研磨パッドを装着すると、研磨パッドの研磨面が平坦でなくなるため研磨精度が阻害される。従って、プラテン表面に残った粘着剤は完全に除去する必要があり、その除去作業は煩雑になる。つまり、研磨パッドを両面粘着テープによって固定している現状では、研磨パッドの脱離操作を効率的に行うことができず、CMPの作業効率は未だ向上の余地がある。他方、粘着剤が残らないように低粘着の粘着剤にすると、研磨パッドが使用中にプラテンから剥離してしまい、研磨パッドの使用寿命が短くなる。
このような問題に関してこれまで以下のような研磨パッドが開発され、その一部は実用化されている。
特許文献1及び2には研磨パッドのプラテン側粘着剤に感圧接着剤層を用いたことを特徴とする研磨パッドが記載されている。この研磨パッドは、プラテンの温度を変えることで、研磨中はプラテンに強固に接着し、プラテン温度を下げることで粘着力を低下させ剥離しやすくさせる事ができる特徴がある。しかしながら、実際にプラテンの温度を変えるには時間がかかり、操作性が非常に悪いという欠点を有している。
特許文献3にはパッドをプラテンに張り合わせるときの気泡を含むことなく良好に貼れるように、研磨層上下面を貫通する形で多数の穴を形成したことを特徴とする研磨パッドが記載されている。この研磨パッドは、穴を開けた部分から研磨液が染み込み、パッドの剥離を招いたり、また、使用後にプラテンから剥がす場合、その穴がきっかけとなり、両面粘着テープが破れてプラテンに残ってしまうことがある。
特許文献4には粘着剤の主成分がアクリル酸エステル系共重合体とメラミン樹脂又はフエノール樹脂とを含有し75〜100℃で熱硬化反応を起こす熱硬化型粘着剤層が設けられ、その反対面に感圧粘着剤層が設けられた研磨材固定用両面粘着テープが記載されている。この研磨パッドには特許文献1及び2のものと同様の問題点が有ると共に、使用後に温度を変えずにプラテンからパッドを剥がそうとして時に、両面粘着テープの粘着剤がプラテンに残ってしまう問題がある。
特開平8−293477号公報 特開2000−77366号公報 特開2001−219362号公報 特開2003−64327号公報
本発明は、半導体ウェハないし半導体ウェハ上に微細なパターンが形成されたデバイスの該パターンの微小な凹凸を平坦化する研磨工程に使われる研磨パッドにおいて、非常に良好なプラテン接着力が得られ、しかも、使用後にパッドをプラテンから剥離する場合に、プラテンに残存する粘着剤を全くなくすことを目的とするものである。
研磨面と固定面とを有する研磨層、及び該固定面に設けられた両面粘着テープを有し、使用の際には該両面粘着テープによって研磨装置のプラテンに固定される形態の研磨パッドにおいて、
該両面粘着テープが、フィルム基材と、該フィルム基材の研磨層に面した側に設けられた第1粘着剤層と、該フィルム基材のプラテンに面した側に設けられた第2粘着剤層とを有し、
該第2粘着剤層がプラテンよりもフィルム基材に対して高い接着力を示す研磨パッドを提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の研磨パッドは、プラテン接着力が高く、研磨パッドの使用寿命が長い。しかも、使用後にパッドをプラテンから剥離する場合に、プラテンに粘着剤が残存しないため、研磨パッドの脱離操作を効率的に行うことができ、CMPの作業効率が向上する。
本発明は、ケミカルメカニカルポリッシングに用いられる研磨パッドにおいて、研磨面と固定面とを有する研磨層、及び該固定面に設けられた両面粘着テープを有し、使用の際には該両面粘着テープによって研磨装置のプラテンに固定される形態の研磨パッドに関する。両面粘着テープは、フィルム基材と、該フィルム基材の研磨層に面した側に設けられた第1粘着剤層と、該フィルム基材のプラテンに面した側に設けられた第2粘着剤層とを有している。フィルム基材のプラテンに面した側の表面には、第2粘着剤層に対する接着力を増大する手段が施されており、第2粘着剤層はプラテンよりもフィルム基材に対して高い接着力を示すことになる。
第2粘着剤層に対する接着力を増大する手段の代表例は、フィルム基材のプラテンに面した側の表面にコーティングされた易接着層である。これによって、粘着剤が両面粘着テープの基材に強固に接着し、プラテンから研磨パッドを剥離する場合に、プラテン表面に粘着剤が残るようなことは発生しなくなる。
易接着層はイオン性基を含む樹脂であることが好ましく、より好ましくはそのイオン性基含有樹脂の主成分がポリエステル樹脂であることが良い。該易接着層にイオン性基を含ませることで、より強固な接着性を得ることができる。樹脂に含まれるイオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸基、もしくはそれらの塩(水素塩、金属塩、アンモニウム塩)の基等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカチオン性基、好ましくは、カルボキシル基、カルボン酸アンモニウム塩基、スルホン酸基、スルホン酸アルカリ金属塩基等が挙げられる。
ポリエステル樹脂は多価カルボン酸と多価アルコ−ルとを縮重合して得られる樹脂である。多価カルボン酸は、主としてジカルボン酸類からなる。ジカルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、等を用いることができる。芳香族ジカルボン酸は多価カルボン酸成分の40mol%以上を用いることが好ましく、60mol%以上がさらに好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有率がこの範囲に満たない場合には樹脂のガラス転移温度が低下する。本発明において好ましく用いられるジカルボン酸類としてはテレフタル酸、イソフタル酸である。これらは芳香族ジカルボン酸の内50mol%以上使用されることが好ましい。
使用してよい他のジカルボン酸類としてコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、および、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ダイマー酸、トリマー酸、テトラマー酸等の(不飽和)脂環族ジカルボン酸等を使用することができる。必要によりトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリおよびテトラカルボン酸を少量含んでも良い。
多価アルコ−ル成分としては、例えば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、スピログリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、トリシクロデカンジメタノール、ダイマージオール、水添ダイマージオール、等のジオ−ル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等々のジオ−ル類、さらに必要により、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン等のトリオ−ル、ペンタエルスリト−ル等のテトラオ−ル等、他に、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類を用いることができる。
以下ポリエステル樹脂の場合を例にして、イオン性基含有樹脂を説明する。これらイオン性基は樹脂に共重合された形態にて含有されることが好ましい。ポリエステル樹脂に共重合可能なスルホン酸金属塩基含有化合物としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等の金属塩をあげることができる。またスルホ安息香酸およびその金属塩等のモノカルボン酸を用いることにより高分子末端にイオン性基を導入することが出来る。勿論、ポリエステル樹脂末端に残存するカルボキシル基は、これを有効に使うことが出来る。
なお、さらにポリエステル樹脂の重合末期に無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水フタル酸等、多価カルボン酸無水物を加えることにより、樹脂末端により多くのカルボキシル基を導入する事ができる。カルボキシル基は後処理により、アンモニア、アルカリ金属、アミン類等により中和することにより、イオン性基として有効に活用することができる。金属塩としてはLi、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好ましいものはNa塩である。
これらイオン性基の含有量は、スルホン酸基およびまたはその塩の基を含め、該樹脂に対し、20〜1000eq/tonである。かかるイオン性基は、樹脂の可溶性、水分散性、接着性を発現させるにおいて必要とされる。
イオン性基含有樹脂は、単独あるいは必要により2種以上併用することができる。また、溶融状態、溶液状態で、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネ−ト化合物等と混合することもできる。またさらに、これらの化合物を架橋剤として用いて一部反応させることもできる。架橋剤は、通常、膜強度の向上、基材との密着力向上のために使用される。
易接着層は乾燥厚さが通常0.01〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μmになるように、フィルム基材の表面上に形成される。易接着層の厚さが0.01μm未満であると十分な接着力向上の効果が得られなくなり、1μmを越えると易接着層の強度が不十分で、同層が破壊されて膜が剥離してしまうことがある。なお、易接着層はフィルム基材のプラテンに面した側の表面及び研磨層に面した側の表面の両方に形成されていてもよい。
両面粘着テープのフィルム基材となるものは通常ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックから成るフィルムである。その中でもポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルフィルムが好ましい。ポリエステルフィルムの表面はコロナ処理をされていることが好ましい。コロナ処理をされることによって、表面の官能基が増え、易接着層と基材フィルムとの接着性がより一層向上する。そのため、基材フィルムから易接着層の上に形成された粘着剤層が剥離することを防ぐことができる。なお、コロナ処理はポリエステルフィルムのプラテンに面した側の表面及び研磨層に面した側の表面の両方に行われていてもよい。
ポリエステルフィルムは1軸又は2軸で延伸されたものが良い。延伸されたフィルムを用いることで強度及び耐熱性が向上し、プラテンにパッドを貼り付けるときのこしが出て、貼りやすくなる。また、剥がすときには強度が高いため、破れたり伸びたりしてしまうこともない。その場合、易接着層を、同ポリエステルフィルムの延伸前に塗布し、その後延伸することが好ましい。延伸前に塗布しその後延伸する工程を踏まえることで、易接着層と基材フィルムであるポリエステル樹脂との接着性が極めて向上する。
フィルム基材としては、厚さが通常1〜500μm、好ましくは10〜200μmのフィルムを用いる。フィルムの厚さが1μm未満であると、取扱いが困難であり易接着層の塗工がし難くなり、500μmを越えると易接着層の塗工において、ロール対ロールの塗工ができなくなり生産性が劣る。
両面粘着テープの粘着剤層は、第1粘着剤層及び第2粘着剤層共にアクリル系粘着剤から形成することが好ましい。アクリル系粘着剤としては、例えば、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体もしくは(メタ)アクリル酸エステルモノマー同士の共重合体、又は上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと該(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な重合性モノマーとの共重合体等を主成分としてなるものが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸nーブチル、(メタ)アクリル酸2ーエチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸nーオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
これらは、単独で、又は組み合わせて用いることができるが、得られる粘着剤の粘着性や、粘着力と凝集性とのバランスに優れたものとするために、通常、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が−50℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、更に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の低級のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを併用することが好ましい。
また、これらのビニルモノマー以外のこれらと共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその無水物や2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロオキシブチルアクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー等が挙げられる。
この粘着剤には、例えばイソシアネート系やエポキシ系の、架橋剤(硬化剤)を含有して粘着力が調節されているものであってもよい。また、粘着剤中には、さらに必要に応じて、各種の添加剤が添加されていても良い。各々の粘着剤層の厚みは特に限定されず、通常、乾燥厚み10〜100μm程度とされる。
本発明で用いる両面粘着テープは、例えば、以下の様にして製造される。イオン性基含有樹脂を適当な架橋剤と共に溶媒に溶解し、易接着層用コーティング液を得る。溶媒はイオン性基含有樹脂を溶解し、コーティング後に容易に蒸発するものであれば特に限定されない。好ましい溶媒の例には、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン等の溶媒を単独もしくは混合したもの等が挙げられる。
次に、フィルム基材の片面又は両面に必要に応じて処理を施し、作製しておいた易接着層用コート液をコーティングし、加熱乾燥させる。その上に、粘着剤層を貼り合せて両面粘着テープを得る。その後、粘着剤層にほこりやごみ等が付着すると接着力が低下するので、通常粘着剤層の露出面には離型紙が付加される。
得られた両面粘着テープを、研磨層の固定面に貼り付けることにより本発明の研磨パッドが得られる。ここで、研磨層とは研磨を行なう際に研磨剤の担体として機能し、被研磨材を研磨する部材をいう。但し、研磨層には被研磨材に対する加圧を均一に行うために研磨面と反対側の面にクッション層が設けられることもある。本明細書では、説明を簡便にするために、クッション層を含めて研磨層と称する。即ち、特に言及が無い場合でも、本発明の研磨パッドの研磨層はクッション層を含んでいてよい。
固定面とは使用に際してプラテンに面することになる研磨層の表面(又はクッション層の表面)をいう。研磨層の研磨に使用される表面を研磨面という。研磨面と固定面とは研磨層の表裏をなす。
両面粘着テープを研磨層の固定面に貼り付ける際、両面粘着テープの方向は、易接着層のような接着力を増大する手段が第2粘着剤層を介してプラテンに面するように合わせる必要がある。両面粘着テープの貼り付けには、例えば、ラミネーター等の貼り合わせ装置を使用して良い。
図2は本発明の一実施態様である研磨パッドの断面図である。この研磨パッドは研磨面と固定面とを有する研磨層8、及び該固定面に設けられた両面粘着テープ17を有している。両面粘着テープ17はフィルム基材12と、該フィルム基材の研磨層に面した側に設けられた第1粘着剤層9と、該フィルム基材のプラテンに面した側に設けられた第2粘着剤層15とを有する。フィルム基材12の表面には、易接着層10、14が形成されている。またフィルム基材12は、表面にコロナ処理が施されたポリエステルフィルムであってよく、その場合は、コロナ処理層11、13を有している。第2粘着剤層15の露出面には離型紙16が付加されている。
本発明で用いる研磨層は、微細な発泡体であれば限定されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。ポリウレタン樹脂は、耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより、所望の物性を有したポリマーが得られる素材であることより好ましい。
該ポリウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネート、ポリオール、鎖延長剤からなるものである。使用する有機ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’− ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’− ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
使用するポリオールとしては、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ルに代表されるポリエ−テルポリオール、ポリブチレンアジペ−トに代表されるポリエステルポリオ−ル、ポリカプロラクトンポリオ−ル、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコ−ルとアルキレンカ−ボネ−トとの反応物などで例示されるポリエステルポリカ−ボネ−トポリオ−ル、エチレンカ−ボネ−トを多価アルコ−ルと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカ−ボネ−トポリオ−ル、ポリヒドキシル化合物とアリ−ルカ−ボネ−トとのエステル交換反応により得られるポリカ−ボネ−トポリオ−ルなどが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
なお、これらポリオールの数平均分子量は、特に限定するものではないが、得られるポリウレタンの弾性特性等の観点から、500から2000までであることが望ましい。
このポリオールの数平均分子量が500未満であると、これを用いて得られるポリウレタンは十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなり、このポリウレタンから製造される研磨パッドは硬くなりすぎ、研磨対象である加工物の研磨面でのスクラッチの原因となり、好ましくない。また、摩耗しやすくなるため、パッド寿命の観点からも好ましくない。
数平均分子量が2000を超えると、これを用いて得られるポリウレタンから製造される研磨パッドは、軟らかくなり、十分に満足のいく平坦化加工ができないため好ましくない。
また、ポリオールとしては、上述した高分子量のポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオールを併用しても構わない。
鎖延長剤としては、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
該ポリウレタン樹脂における有機ポリイソシアネート、ポリオール、鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るためには、ポリオールと鎖延長剤の合計官能基(水酸基+アミノ基)数に対する有機ポリイソシアネートのイソシアネート基数は0.95〜1.15の範囲が望ましく、好ましくは、0.99〜1.10であることがより望ましい。
また、ポリオール中の、高分子量成分と低分子量成分の比は、これらから製造される研磨パッドに要求される特性により決められる。
該ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
該ポリウレタン樹脂の重合手順としては、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前に有機ポリイソシアネートとポリオールからイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が一般的である。なお、有機ポリイソシアネートとポリオールから製造されるイソシアネート末端プレポリマーが市販されているが、本発明に適合するものであれば、それらを用いて、プレポリマー法により本発明で使用するポリウレタンを重合することも可能である。
また、該ポリウレタン樹脂に対して、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、界面活性剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えても差し支えない。
該ポリウレタン樹脂の微細発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法等により発泡体とする方法などが挙げられるが、これらには限定されない。各方法を併用してもよいが、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡法がより好ましい。かかるシリコーン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示される。
研磨層を構成する独立気泡タイプのポリウレタン樹脂発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、典型的には以下の(1)〜(3)の工程を有する。
(1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する撹拌工程
イソシアネート末端プレポリマーにシリコーン系界面活性剤を添加し、非反応性気体と撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
(2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤を添加し、混合撹拌する。
(3)硬化工程
鎖延長剤を混合したイソシアネート末端プレポリマーを注型し、加熱硬化させる。
以上のようにして作製されたポリウレタン発泡体は、所定のサイズに裁断して前述の本発明加工方法により研磨層として使用する。
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコーン系界面活性剤を含むイソシアネート末端プレポリマーに分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。
なお、撹拌工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。撹拌工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
該ポリウレタン微細発泡体の製造方法においては、気泡分散液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。金型に気泡分散液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径を大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うことが気泡形状が安定するために好ましい。
該ポリウレタン樹脂において、第3級アミン系、有機スズ系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
該ポリウレタン微細発泡体の製造は、容器に各成分を計量して投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
本発明における微細発泡体からなる研磨領域の平均気泡径は、70μm以下であることが好ましい。この範囲から逸脱する場合は、プラナリティが悪化するため好ましくない。
本発明における微細発泡体からなる研磨領域の比重が、0.5〜1.0g/cmであることが好ましい。比重が0.5g/cm未満の場合、研磨領域の表面の強度が低下し、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化し、また、1.0g/cmより大きい場合は、研磨領域表面での微細気泡の数が少なくなり易く、プラナリティは良好であるが、研磨速度が悪化してしまうため好ましくない。
本発明における微細発泡体からなる研磨領域の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜65であることが好ましい。D硬度が45度未満の場合、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化し、また、65度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨物のユニフォミティ(均一性)が悪化してしまう。
本発明における微細発泡体からなる研磨領域の圧縮率は、0.5〜5.0%であることが好ましい。該範囲に圧縮率があることにより、プラナリティとユニフォミティを両立させることが可能となる。
本発明における微細発泡体からなる研磨領域の圧縮回復率が、50〜100%であることが好ましい。圧縮回復率がこの範囲を逸脱する場合、被研磨物による繰り返しの荷重が研磨中に研磨領域にかかるにつれて、研磨層厚みに大きな変化が現れ、研磨特性の安定性が悪化してしまうため好ましくない。
本発明における微細発泡体からなる研磨領域の貯蔵弾性率が、測定温度40℃、測定周波数1Hzにおいて、200MPa以上であることが好ましい。貯蔵弾性率とは、微細発泡体に、動的粘弾性測定装置で引っ張り試験用治具を用い、正弦波振動を加え測定した弾性率のことをいう。貯蔵弾性率が200MPa未満の場合、研磨領域の表面の強度が低下し、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化してしまうため好ましくない。
本発明における微細発泡体からなる研磨領域は、被研磨物と接触する研磨層表面には、スラリーを保持・更新する表面形状を有することが好ましい。微細発泡体を用いていることにより、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持する働きを持っているが、更なるスラリーの保持性とスラリーの更新を効率よく行うため、また被研磨物との吸着による被研磨体の破壊を防ぐためにも、研磨層表面に表面凹凸を有することが好ましい。スラリーを保持・更新する表面形状であれば、特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝やこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの表面凹凸は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
該表面形状の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
本発明における研磨領域の厚みは特に限定されるものではないが、一般的には0.8〜2.0mmである。これらの厚みの研磨層を作製する方法としては、該微細発泡体のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法や所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法や、コーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが用いられる。
また、本発明における研磨層の加工方法により、研磨層の厚みバラツキは100μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層に大きなうねりを持ったものとなり、被研磨物に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒が電着又は、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させるものとなる。
以下、実施例により、この発明をさらにくわしく説明するが、本発明は実施例により特に制限されるものではない。
比重測定方法
JIS Z8807−1976に準拠して行った。4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用いた。
硬度測定方法
JIS K6253−1997に準拠して行った。2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製 アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
圧縮率・圧縮回復率測定方法
直径7mmの円(厚み:任意)に切り出したものを圧縮率・圧縮回復率測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定には熱分析測定器 TMA(SEIKO INSTRUMENTS製 SS6000)を用い、圧縮率と圧縮回復率を測定した。また、圧縮率と圧縮回復率の計算式は以下の通りである。
Figure 2005081486
[式中、T1は研磨層に無負荷状態から30KPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、T2はT1の状態から180KPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みである。]
Figure 2005081486
[式中、T1は研磨層に無負荷状態から30KPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、T2はT1の状態から180KPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、T3はT2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、その後、30KPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みである。]
研磨層の作製
テフロン(登録商標)コーティングした反応容器内に、フィルタリングしたポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製 アジプレンL−325;イソシアネート基濃度 2.22meq/g)100重量部とフィルタリングしたシリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製 SH192)3重量部とを混合し、反応温度を80℃に調整した。テフロン(登録商標)コーティングした撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しくことを行った。そこへ予め120℃の温度で溶融させ、フィルタリングした4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製 イハラキュアミンMT)を26重量部添加した。約1分間撹拌を続けた後、テフロン(登録商標)コーティングしたパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液に流動性がなくなった時点で、オーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行いポリウレタン樹脂発泡体ブロックを得た。このポリウレタン樹脂発泡体ブロックからバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を使用してポリウレタン樹脂発泡体シートを得た。
得られたシートは平均厚さ約1.5mmであり、このシートをバフ機(アミテック社製)を用いて、シートの両面を研削し、シート厚みを約1.27mmとした。また、この時のシートの厚みは20μm以下であった。このバフ処理をしたシートを所定の直径に打ち抜き、溝加工機(テクノ社製)を用いて表面に溝幅0.25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mmの同心円状の溝加工を行った。
両面粘着テープの作製
イオン性基を含む樹脂10重量部(バイロンRV280 東洋紡績社製)とメチルエチルケトン50重量部、テトラヒドロフラン50重量部をフラスコにいれ加熱しながら溶解し、樹脂が完全に溶解した溶液にイソシアネート系架橋剤1重量部(コロネートL 日本ポリウレタン工業社製)を混合し易接着層用コーティング液とした。次に、厚さ25μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製)の表面にコロナ処理を施し、その直後に、作製しておいた易接着層用コート液をバーコーターにてコロナ処理を施した層にコーティングした後、120度にて30分間乾燥させた。
次に、乾燥させた易接着層を形成したポリエステルフィルムの上に、厚さ10μmのアクリル系粘着剤(リンテック社製)を貼り合せ、また、そのポリエステルフィルムの処理を施されていない側にも同様に粘着剤を貼り合せて、ポリエステルベースフィルムによる両面粘着テープを作製した。
研磨パッドの作製
前記シートの溝加工面(研磨面)と反対の面にラミネーターを使用して、両面粘着テープ(積水化学工業社製 ダブルタックテープ ダブルセパレートタイプ)を貼り、更に、クッション層としては、表面をバフがけ、コロナ処理をしたポリエチレンフォーム(東レ社製 トーレペフ 厚み0.80mm)にラミネーターを使用して張り合わせ、さらにクッション層の張り合わせた面と反対の面にラミネーターを使用して先に作製した両面粘着テープを貼り合わせ、研磨パッドとした。研磨層の各物性を以下の表1に示す。
得られた研磨パッドは、長時間使用していてもプラテンからパッドが浮いてしまうことは無く、寿命が非常に長くなった。また、同パッドを使用後にプラテンから剥離したとき、プラテン側に粘着剤の残りは全く無かった。
両面粘着テープのポリエステルフィルムにコロナ処理を施さないこと以外は実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られた研磨パッドは、長時間使用していてもプラテンからパッドが浮いてしまうことは無く、寿命が非常に長くなった。また、同パッドを使用後にプラテンから剥離したとき、プラテン側に粘着剤の残りは全く無かった。
両面粘着テープの作製
イオン性基を含む樹脂10重量部(バイロンRV285 東洋紡績社製)と純水50重量部、メタノール50重量部をフラスコにいれ加熱しながら溶解し、樹脂が完全に溶解した溶液にイソシアネート系架橋剤1重量部(コロネートL 日本ポリウレタン工業社製)を混合し易接着層用コーティング液とした。次に、厚さ125μmの未延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製)を加熱しながら3倍率で1軸延伸しその後、フィルム表面に作製しておいた易接着層用コート液をバーコーターにてコーティングした直後、加熱しながら1軸目とは異なる方向に、2倍率で延伸し、150度にて2分間乾燥させた。
次に、乾燥させた易接着層を形成した2軸延伸ポリエステルフィルムの上に、厚さ10μmのアクリル系粘着剤(リンテック社製)を貼り合せ、また、そのポリエステルフィルムの処理を施されていない側にも同様に粘着剤を貼り合せて、ポリエステルベースフィルムによる両面粘着テープを作製した。
この両面粘着テープを用いること以外は実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られた研磨パッドは、長時間使用していてもプラテンからパッドが浮いてしまうことは無く、寿命が非常に長くなった。また、同パッドを使用後にプラテンから剥離したとき、プラテン側に粘着剤の残りは全く無かった。
比較例1
易接着層をコーティングしないこと以外は実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られた研磨パッドは、長時間使用していてもプラテンからパッドが浮いてしまうことは無く、寿命が非常に長くなった。しかし、同パッドを使用後にプラテンから剥離したとき、プラテン側に粘着剤の残りが多数発生してしまった。
比較例2
粘着剤層として架橋度を高めて粘着力を低くした粘着剤を用いたこと以外は比較例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られた研磨パッドは、長時間使用するとプラテンからパッド周辺部分一部が浮いてしまった、ため、寿命が短くなった。さらに、同パッドを使用後にプラテンから剥離したとき、プラテン側に粘着剤の残りが発生してしまった。
比較例3
ポリエステルフィルムにコロナ処理を施さず、また、易接着層をコーティングしないこと以外は実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。得られた研磨パッドは、長時間使用していてもプラテンからパッドが浮いてしまうことは無く、寿命が非常に長くなった。しかし、同パッドを使用後にプラテンから剥離したとき、プラテン側に粘着剤の残りが多数発生してしまった。
Figure 2005081486
Figure 2005081486
CMP法で使用する研磨装置の一例を示す模式図である。 本発明の一実施態様である研磨パッドの断面図である。
符号の説明
8…研磨層、
9…第1粘着剤層、
10…易接着層、
11…コロナ処理層、
12…基材フィルム、
13…コロナ処理層、
14…易接着層、
15…第2粘着剤層、
16…離型紙。

Claims (9)

  1. 研磨面と固定面とを有する研磨層、及び該固定面に設けられた両面粘着テープを有し、使用の際には該両面粘着テープによって研磨装置のプラテンに固定される形態の研磨パッドにおいて、
    該両面粘着テープが、フィルム基材と、該フィルム基材の研磨層に面した側に設けられた第1粘着剤層と、該フィルム基材のプラテンに面した側に設けられた第2粘着剤層とを有し、
    該第2粘着剤層がプラテンよりもフィルム基材に対して高い接着力を示す研磨パッド。
  2. 前記フィルム基材のプラテンに面した側の表面に、第2粘着剤層に対する接着力を増大する手段が施されている請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記フィルム基材がポリエステルフィルムであり、前記第2粘着剤層に対する接着力を増大する手段がコーティングされた易接着層である請求項2記載の研磨パッド。
  4. 前記ポリエステルフィルムのプラテンに面した側の表面にコロナ処理が施されている請求項3記載の研磨パッド。
  5. 前記ポリエステルフィルムが延伸されたものである請求項3又は4記載の研磨パッド。
  6. 前記ポリエステルフィルムが、未延伸の状態で易接着層がコーティングされ、その後に少なくとも1回延伸されたものである請求項5記載の研磨パッド。
  7. 前記易接着層がイオン性基を含む樹脂からなる請求項3記載の研磨パッド。
  8. 前記易接着層がポリエステル樹脂を主として含有する請求項7記載の研磨パッド。
  9. 半導体ウェハ表面の凹凸をケミカルメカニカルポリシング法により平坦化するために使用される請求項1〜8のいずれか記載の研磨パッド。
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