JP2015069685A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】最終研磨工程における研磨装置内の研磨量を均一にできる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板110と、主表面を研磨する研磨パッド170との間に遊離砥粒を含有する研磨液を供給し、ガラス基板を保持させたキャリア120と研磨パッドとを相対的に移動させることで研磨する方法で、半径を違えて複数列の保持孔があるキャリアを用いて最終研磨を行う工程を有し、ガラス基板の厚さを測定し、次工程である後記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を準備する工程と、キャリア内における列ごとの研磨量及び研磨速度を事前に把握する把握工程と、その結果を基に、最終研磨を行う際にキャリア内における各列に適した厚み群を調製する調製工程と、調製した1つの群に属するガラス基板をキャリア内の1方の列に、他の群に属するガラス基板を他方の列に設置し、ガラス基板の最終研磨を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法等に関するものである。
近年、情報化技術の高度化に伴い、情報記録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩している。磁気記録媒体のひとつであるHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気記録媒体用基板として、磁気ディスクの小型化、薄板化、および高密度記録化に伴い、従来多く用いられてきたアルミニウム基板に代えて基板表面の平坦性及び基板強度に優れたガラス基板が用いられるようになってきている。
また、磁気記録技術の高密度化に伴い、磁気ヘッドの方も薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきており、磁気ヘッドの基板からの浮上量が6nm程度にまで狭くなってきている。このような磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドには固有の障害としてヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害を引き起こす場合がある。これらの障害は磁気ディスク面上の微小な凹凸によって発生するため、磁気ディスク表面は極めて高度な平滑度および平坦度が求められる。
また、ガラス基板の表面の面積を有効活用するために、従来のCSS方式(Contact Start Stop)に変わって、LUL方式(Load UnLoad)が採用されるようになってきている。LUL方式では、磁気ヘッドがガラス基板の端部を通過することから、ガラス基板の端面形状(特に外周端面)の精度が問題となる。ガラス基板の端部に形状の乱れ(端部の盛り上がりや端部のだれ)があると、磁気ヘッドの浮上姿勢が乱され、磁気ヘッドがガラス基板の外から入ってくる際、または出て行く際に接触しやすくなり、クラッシュ障害を生じる可能性がある。
また、6nm以下というような極狭な浮上量で磁気ヘッドを浮上飛行させる場合には、フライスティクション障害が頻発するという問題が生じている。フライスティクション障害とは、磁気ディスク上を浮上飛行している磁気ヘッドが、磁気ディスク上の凹凸に起因する気圧変化から浮上姿勢や浮上量に変調をきたす障害であり、これにより不規則な再生出力変動の発生を伴うことである。また、このフライスティクション障害が生ずると、浮上飛行中の磁気ヘッドが磁気ディスクに接触してしまうヘッドクラッシュ障害を生じてしまうことがある。これらのことから、磁気ディスク用ガラス基板においては基板表面の平滑度が特に重要となっている。
上述のような磁気ディスク用ガラス基板の製造工程における研磨工程では、ガラス基板を研磨用キャリアに保持させ、研磨パッドを用いて、遊離砥粒を含む研磨液(スラリー)をガラス基板と研磨パッドとの間に供給しながら研磨が行われている。またガラス基板に研磨痕や偏りが発生しないように、定盤に研磨パッドを貼り付けてガラス基板を挟み込み、遊星歯車機構を用いてガラス基板と研磨パッドとを相対的に移動させることにより、まんべんなく研磨している。このような研磨方法は、複数のガラス基板を同時に研磨することができるため、生産効率の面で優れた方法である。
かかる研磨工程において、研磨用キャリアは太陽ギアおよびインターナルギアに噛合して遊星歯車運動をする。このような研磨用キャリア(Carrier)として、ガラス基板を研磨用キャリアの内周側(中央部)と外周側の2列に配置し、より多くのガラス基板を同時に研磨する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2012−218103号公報
本発明者が鋭意検討した結果、以下のことがわかった。
研磨用キャリアにおけるガラス基板の配置を2列、あるいは2列以上に設定し、最終研磨工程においてそれぞれの列の研磨量を同一にすることは難しい。これは、研磨装置内におけるガラス基板の軌道が違うためである。もう少し詳しく言えば、定盤の上下の合致が場所により違うためである。合致が違う場合、定盤の箇所ごとにガラス基板に掛かる圧力が変わってくるため、その個所ごとで研磨速度も違ってくる。そのため、最終研磨工程前でガラスの厚みを「同一」に調整したとしても、キャリア内の列毎の軌道が違うため、キャリア内の列毎に研磨量や研磨速度が変わってきてしまう。そのため、特にバッチ内で研磨量を均一にする方法の開発が急務である。
また、最終研磨工程時に形成される端部形状としては、研磨量と端部形状との間に強い相関があることが分かっている。例えば、最終研磨前の端部形状がスキージャンプ(端部の盛り上がり)に形成され、最終研磨工程でロールオフ(端部のだれ)が形成される場合を例に挙げて説明すると、最終研磨工程での研磨量が少ない場合は、最終研磨前で形成されたスキージャンプの形状が強く残ってしまうという問題点がある。一方、研磨量が多すぎる場合、ロールオフが強く形成されてしまうという問題点がある。
磁気ディスク用基板の外周部位がロールオフ、あるいはスキージャンプのような端部形状であった場合、磁気ディスク読み取り用のヘッドがクラッシュしてしまうという問題点がある。主に端部形状は最終研磨工程に強く依存するため、最終研磨工程時に平坦な端部形状を作成する必要がある
そのため、最終研磨工程にて平坦な端部形状を確保する場合、研磨量を一定に確保する必要がある。このとき、上述したキャリアに関する事情と同様の事情があるため、特にバッチ内で研磨量を均一にする方法の開発が急務である。
本発明は、最終研磨工程における研磨装置内の研磨量を均一にできる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法を提供することを1つの目的としている。
また、本発明は、最終研磨工程後のガラ基板の端部形状のバラツキ(端部形状の偏差)を小さくできる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法を提供することを1つの目的としている。
本発明者が更に鋭意検討した結果、以下のことがわかった。
最終研磨工程で研磨量のバラツキが発生する理由は、主に2つあると考えられる。
1つ目は、研磨前のガラスの厚みの「差」である。この要因としては、ガラスが厚いものから優先的に研磨されるためである。
2つ目は、キャリアにおける基板の配列を内周側と外周側の2列とし、このキャリアを用いて最終研磨工程を行う場合、キャリアにおける各列(例えばA列とB列とする)の研磨量や研磨レート変わってしまうという問題点がある。研磨の状況を図1及び図4で説明する。図4に示すキャリア120が研磨機上にあり、キャリア120自体が自転をし、キャリア120全体が太陽ギア130の廻りを交転しながら回転していく。また、キャリア120が2列配置の場合、例えば、A列のようなキャリアの外周側とB列のようなキャリアの内周側とで見た場合、研磨機上の軌跡が違う。定盤全体がフラット(平坦)ではないため、この状態で研磨した場合、キャリアのA列とB列とで研磨量や研磨レートに「差」が出てしまう。
上記2つの「差」を埋めるために、本発明では、最終研磨工程に投入するガラスの厚みをキャリアのA列とB列とに別々の厚みのガラスを投入する。ガラスの厚みによっても研磨量や研磨速度が変更するため、研磨機起因の研磨速度差の調整をガラスの厚み差で調整するのである。
例えば、A列とB列とに別々の厚みのガラスを投入することによって、各列に設置されたガラス基板が研磨パッドから受ける圧力の差が相対的に小さくなるようにする(各列に設置されたガラス基板に同じ圧力(相対的に均等な圧力)がかかるようにする)。これによって、厚さの厚いガラス基板から優先的に研磨されず、厚さの異なるガラス基板が均等に研磨される。その結果、研磨量を均一にすることが可能であると考えられる。
本発明は、以上の解明事実を基に更に鋭意検討の結果完成したものであり、以下の構成を有する。
(構成1)
ガラス基板と、該ガラス基板の主表面を研磨する研磨パッドとの間に遊離砥粒を含有する研磨液を供給し、該ガラス基板を保持させた研磨用キャリアと該研磨パッドとを相対的に移動させることで研磨する研磨工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記キャリア内の一定の半径位置に一定の間隔で円周に沿って配置されるガラス基板の列が、半径を違えて複数列あるキャリアを用いてガラス基板の最終研磨を行う工程を有し、
ガラス基板の厚さを測定し、次工程である把握工程に適した均等な厚みを事前に調査し、該調査結果に基づいて、前記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を準備する工程と、
前記工程で準備したガラス基板を前記キャリアに設置し、前記キャリア内における列ごとの研磨量及び研磨速度を事前に把握する把握工程と、
前記把握工程の結果を基に、前記最終研磨を行う際に、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを調べ、この結果に基づき前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製する調製工程と、
前記調製工程にて調製した1つの群に属するガラス基板を前記キャリア内の1方の列に設置し、他の群に属するガラス基板を前記キャリア内の他方の列に設置し、ガラス基板の最終研磨を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成2)
前記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を研磨装置に設置可能な枚数分準備し、この準備したガラス基板を研磨装置における各キャリアに設置し、前記把握工程を行うことを特徴とする構成1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成3)
前記調製工程は、前記キャリア内における各列に設置されたガラス基板が研磨パッドから受ける圧力の差が相対的に小さくなるように、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製することを特徴とする構成1又は2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成4)
前記調製工程は、前記キャリア内における各列に設置されたガラス基板の研磨量の差が相対的に小さくなるように、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製することを特徴とする構成1から3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成5)
前記ガラス基板は、相対的に回転する太陽ギヤと内歯歯車に噛合して遊星歯車運動をするキャリヤに保持して前記研磨パッドと相対的に移動させることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成6)
構成1から5のいずれかに記載の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に、磁性層を形成する工程を有することを特徴とする、磁気ディスクの製造方法。
本発明によれば、最終研磨工程における研磨装置内の研磨量を均一にできる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法を提供できる。
両面研磨装置の駆動機構部の説明図である。 両面研削装置の全体図である。 駆動機構部の回転方向を示す図である。 キャリアを示す図である。
以下、本発明を実施するための実施の形態について説明する。
[最終研磨工程]
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ガラス基板と、該ガラス基板の主表面を研磨する研磨パッドとの間に遊離砥粒を含有する研磨液を供給し、該ガラス基板を保持させた研磨用キャリアと該研磨パッドとを相対的に移動させることで研磨する研磨工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記キャリア内の一定の半径位置に一定の間隔で円周に沿って配置されるガラス基板の列が、半径を違えて複数列あるキャリアを用いてガラス基板の最終研磨を行う工程を有し、
ガラス基板の厚さを測定し、次工程である把握工程に適した均等な厚みを事前に調査し、該調査結果に基づいて、前記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を準備する工程と、
前記工程で準備したガラス基板を前記キャリアに設置し、前記キャリア内における列ごとの研磨量及び研磨速度を事前に把握する把握工程と、
前記把握工程の結果を基に、前記最終研磨を行う際に、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを調べ、この結果に基づき前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製する調製工程と、
前記調製工程にて調製した1つの群に属するガラス基板を前記キャリア内の1方の列に設置し、他の群に属するガラス基板を前記キャリア内の他方の列に設置し、ガラス基板の最終研磨を行うことを特徴とする(構成1)。
上記構成により、最終研磨工程における研磨装置内の研磨量を均一にできる。
(ガラス厚み均等化工程)
ガラス厚み均等化工程では、ガラス基板の厚さを測定し、次工程である把握工程に適した均等な厚みを事前に調査し、該調査結果に基づいて、前記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を準備する。
ガラス厚み均等化工程では、次工程である把握工程にて用いられるバッチ内のガラス基板の厚みを、次工程である把握工程に適した均等な厚みにしておくことが好ましい。これにより、次工程である把握工程において研磨装置の上下の定盤の合致が場所により違うことが起因で発生する研磨量の差を把握することができるからである。
本発明において、次工程である把握工程に適した均等な厚みは、例えば、ガラス基板の厚みのバラツキ(Max−Min)が、厚み(単位はmm)の1000分の1(0.1%)以下であることが好ましく、2000分の1以下であることがより好ましく4000分の1以下であることが更に好ましい。厚みのバラツキ(Max−Min)が大きくなる程、次工程である把握工程において、研磨量のバラツキが、研磨前の板厚のバラツキに起因するものなのか、研磨中に起因するものなのか、判断が難しくなり、正確な把握が困難となる。
前記ガラス厚み均等化工程において、ガラスの厚みを均等化する方法としては、一般的な測定方法を用いることができる。例えば接触式の場合、マイクロメーターや超音波厚さ計など、非接触式の場合はレーザー方式などの測定方式を用いることができる。また、その際に、面内数ポイント測定することが好ましい。
(把握工程)
前記把握工程では、前記ガラス厚み均等化工程で準備したガラス基板を前記キャリアに設置し、前記キャリア内における列ごとの研磨量及び研磨速度を事前に把握する。
一般的に、研磨工程内での研磨量のバラツキは、研磨前の板厚のバラツキに起因するものと、研磨中に起因するものとがある。後者の場合、特に前記最終研磨工程でキャリア内に2列以上ガラスを設置した場合、最終研磨工程前のガラスの厚みを均等にしたとしても、各キャリアの列毎の研磨量や研磨速度に差が出てしまう。この把握工程では、その差を把握することが可能である。
前記把握工程の方法としては、前記厚み均等化工程で測定した基板を研磨し、その後ガラスの厚みを測定する。なお、研磨後のガラス厚みを測定する際、前記ガラス厚み均等化工程と同じ方法で厚みを測定する必要がある。
なお、前記把握工程を実施する時期としては、研磨パッドのドレッシング直後に行うことが好ましい。ドレッシングを行うと、研磨パッドの厚みが変更されるため、定盤の合致度が変更してしまうためである。
(厚み調製工程)
調製工程では、前記把握工程の結果を基に、前記最終研磨を行う際に、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを調べ、この結果に基づき前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製する。
調製工程では、例えば、前記把握工程の結果を基に、前記最終研磨を行う際に、前記キャリア内の各列(それぞれの列)への設置に適した厚みを「予測」する。次いで、この結果に基づき前記キャリア内の各列への設置に適した厚みを有すると考えられる複数群のガラス基板を予備調製する。次いで、この予備調製した1つの群に属するガラス基板を前記キャリア内の1方の列に設置し、他の群に属するガラス基板を前記キャリア内の他方の列に設置し、ガラス基板の最終研磨を行う。これにより、前記「各列への設置に適した厚み」を調べることができる。
前記調製工程では、例えば、前記把握工程の結果により、キャリア内の各列の研磨量及び研磨速度に応じてガラスの厚みを調整する態様が含まれる。
前記調製工程では、例えば、前記把握工程の結果により、キャリア内の各列の研磨量及び研磨速度に応じて、キャリア内の一方の列に設置する基板の厚さを決め(1つの値とし)、キャリア内の他方の列に設置する基板の厚さを決め(前記値とは異なる他の1つの値とし)、各々をキャリアの各列に配置する態様が含まれる。この態様は、予備調製した基板の研磨及び調製工程で調製した基板の研磨において適用できる。このことは、以下の場合に関しても同様である。
前記調製工程では、例えば、キャリア内の一方の列に設置する基板の厚さを1つの値から所定範囲内とし、キャリア内の他方の列に設置する基板の厚さを前記値とは異なる他の1つの値から所定範囲内とし、各々をキャリア内の各列に配置する態様が含まれる。
前記調製工程では、例えば、製造工程(過程)で得られる最終研磨前の基板を、厚さに基づき、基板の厚さが相対的に厚い群と相対的に薄い群の2つ(2群)に分け、各々をキャリアの各列に配置する態様が含まれる。
前記調製工程では、例えば、製造工程(過程)で得られる最終研磨前の基板を、厚さに基づき、厚さ範囲の互いに異なる3つ以上の群(厚みを所定範囲内に揃えた群)に分け、適宜組み合わせて各々をキャリアの各列に配置する態様が含まれる。なお、厚さ範囲の互いに異なる3つ以上の群は、厚さ範囲が一部重複する部分を有している態様とすることもできる。
なお、上記の各態様は、予備調製した基板の研磨及び調製工程で調製した基板の研磨において適用できる。
前記調製工程では、ガラスの厚さを測定し、ガラスの厚みを調製(調整)する。このときガラスの厚さを測定する方法としては、前記ガラス厚み均等化工程と同様の方法を用いることがでる。前記調製工程では、ガラスの厚さの測定は、非接触式の方法が好ましい。接触式の場合、ガラスにキズが入ってしまう可能性があるからである。
本発明において、前記調製工程は、前記キャリア内における各列に設置されたガラス基板の研磨量の差が相対的に小さくなるように、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製する態様が含まれる(構成4)。
(最終研磨工程)
前記最終研磨工程では、前記調製工程にて調製した1つの群に属するガラス基板を前記キャリア内の1方の列に設置し、他の群に属するガラス基板を前記キャリア内の他方の列に設置し、ガラス基板の最終研磨を行う。
通常、ガラスの厚みを均等に揃えても(即ち厚みを同一にしたとしても)、前記最終研磨工程での研磨量はキャリア内の各列で研磨量が変わってしまう。本発明によれば、キャリア内の列毎に前記調製工程で厚みを調整された所定の厚みのガラス入れることで、キャリア内の列毎の研磨量の差を殆どなくすことが可能となる。
本発明においては、最終研磨工程の結果をフィードバックして利用できる。例えば、最終研磨の結果を、前記調製工程にフィードバックして利用できる。
本発明においては、前記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を研磨装置に設置可能な枚数分準備し、この準備したガラス基板を研磨装置における各キャリアに設置し、前記把握工程を行う態様が含まれる(構成2)。
ここで、ガラス基板を研磨装置に設置可能な枚数分とは、1バッチ分のことであり、研磨装置に設置可能な最大枚数(研磨装置により1回の研磨で得られる基板数)のことである。各キャリア毎に更に詳細に研磨量及び研磨速度を事前に把握し、上述した内容と同様に対応することが可能である。これによりキャリア間のバラツキを低減することが可能となる。
本発明においては、例えば、1つのキャリアにだけ前記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を設置し、他のキャリアについては通常の基板(例えば、前記均等な範囲から外れる基板が含まれる基板)を設置し、1つのキャリアについて前記キャリア内における列ごとの研磨量及び研磨速度を事前に把握し、この結果を、他のキャリアも適用し、その後上記と同様に対応する態様が含まれる。
本発明においては、前記調製工程は、前記キャリア内における各列に設置されたガラス基板が研磨パッドから受ける圧力の差が相対的に小さくなるように、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製する態様が含まれる(構成3)。
従来、実際には、キャリア内でのバラつきと、キャリア間でのバラつきの両方があわさって、複雑なバラつきが生じていると考えられていた。
また、前述したように、最終研磨工程で研磨量のバラツキが発生する理由の1つとして、研磨前のガラスの厚みの差が挙げられ、ガラスが厚いものから優先的に研磨されるため研磨量のバラツキが発生すると考えられていた。
実際に、最終研磨工程前のガラス基板の厚さを「同一」にしたとしても研磨量のバラツキが発生する。
このような状況下、意外にも、厚みを揃えた複数の群のうち、一つの群をキャリアの内周側の列に配置し、他の一つの群をキャリアの外周側の列に配置する手法によって、結果として、研磨量を均一にすることが可能であることを見い出したものである。
このとき、各列に設置されたガラス基板が研磨パッドから受ける圧力の差が相対的に小さくなるようにする(各列に設置されたガラス基板に同じ圧力がかかるようにする)ことによって、ガラスが厚いものから優先的に研磨されず、その結果、研磨量を均一にすることが可能であると考えられる。
なお、バッチ内で研磨量を均一にする方法としては、最終研磨工程前でガラスの厚みを同一に調整したときに、研磨量を均一にする方法、即ち絶対的な方法が考えられる。このための手法としては、例えば、定盤をよりフラットにする、パッドなどの研磨条件等を調整するなどの手法が考えられる。本発明者は、このような方法とは別の手法があることを見い出したものである。
ちなみに、キャリアの各列で単に板厚を変えただけでは、本発明に比べ、研磨量の差を小さくできない。例えば、板厚分布で板厚が大きく板厚バラツキの悪化の原因となっている群の基板を、研磨量が相対的に大きい列に配置し、板厚分布で板厚は標準的(平均値に近い)群の基板を研磨量が相対的に小さい列に配置した場合、研磨量の差は小さくできない。これは、厚い基板が主に研磨され、標準的な厚さの基板はあまり研磨されないからである。
[両面研磨装置]
図1は、両面研磨装置の駆動機構部の説明図である。図1に示すように、両面研磨装置100はそれぞれ所定の回転比率で回転駆動される太陽ギア130及びインターナルギア140を有するキャリア装着部と、このキャリア装着部を挟んで互いに逆回転駆動される上定盤150及び下定盤160とを有する。上定盤150および下定盤160のガラス基板110と対向する面には、それぞれ研磨パッド170が貼り付けられている。キャリア120は太陽ギア130及びインターナルギア140に噛合するように装着されている。
図2は両面研削装置の全体図である。上下方向において下定盤160は固定的に設置されており、上定盤150は上下移動可能に構成されて、研磨用キャリア120に保持されたガラス基板110に研磨パッド170で挟んで押圧することができる。
研磨工程においては、遊離砥粒を含む研磨液(スラリー)を供給しながら研磨を行う。容器210に貯留された研磨液220はポンプ230によって上定盤150に供給され、研磨に供された後に下定盤160から回収し、容器210へと戻して循環させる。粒径の大きな砥粒や研磨屑を回収するフィルタ240を、下定盤160の出口や、配管から容器210への出口などに設けている。
図4に示すように、研磨用キャリア120は、ガラス基板110を保持するための複数の保持孔312を有し、外周面に太陽ギア130およびインターナルギア140と噛合するための歯322を有している。
図3は駆動機構部の回転方向を示す図である。図3(a)に示すように、下定盤160の上にて、キャリア120の保持孔312にガラス基板110が保持されている。また、上定盤150は太陽ギア130と共に回転し、下定盤160はインターナルギア140と共に回転する。研磨用キャリア120を太陽ギア130、インターナルギア140に噛合させ、太陽ギア130を矢印方向に回転させることにより、各研磨用キャリア120はそれぞれの矢印方向に遊星歯車として自転しながら公転する。太陽ギア130とインターナルギア140とは相対的に回転していればよく、いずれか一方が回転することでも、両方が回転することでもよい。インターナルギア140は太陽ギア130と角速度が異なってさえいればキャリア120に遊星歯車運動を生じさせるが、太陽ギア130と反対方向に回転させることによって、効果的に高速に研磨用キャリア120を回転させることができる。
図3(b)は、図3(a)の研磨用キャリア120のA−A断面図である。下定盤160に対して上定盤150は上下方向に移動可能であって、図3(b)に示すように、上定盤150と下定盤160は、それぞれ、研磨パッド170が研磨面に配備されており、上下から研磨用キャリア120を挟み、ガラス基板110の表裏の主表面に研磨パッド170を加圧する。そして遊離砥粒を含有する研磨液(スラリー)を供給しつつ、研磨用キャリア120の遊星歯車運動と、上定盤150および下定盤160が互いに逆回転することにより、ガラス基板110と研磨パッド170とは相対的に移動して、ガラス基板110の表裏の主表面が研磨される。
上記のごとく構成した両面研磨装置100は、研磨液に含有される遊離砥粒と、研磨液を供給されながらガラス基板110と相対的に移動する研磨パッド170とで構成されるセットを複数セット用いることにより、ガラス基板110の製造工程において段階的に複数回行われるガラス基板110の主表面研磨に用いることができる。後述する実施例では、ガラス基板110の主表面を研磨する工程として、予備研磨(1次研磨)工程、鏡面研磨(2次研磨)工程の2回の研磨工程を実施する。これらの工程において両面研磨装置100の構成はほぼ同様であるが、使用する研磨液に含有される遊離砥粒、および研磨パッド170の組成が異なる。一般的な傾向としては後工程になるほど遊離砥粒の粒径は小さくなり、研磨パッド170の硬さは柔らかくなる。これにより徐々に表面の平滑度を向上させていくのである。
本発明では、上記両面研磨装置を使用して、最終研磨工程を実施するに際し、最終研磨工程で発生するキャリア内における列ごとの研磨量や研磨速度を事前に調査し、その結果を基に上記ガラス厚みの調製(調整)工程にて調製したガラス基板をキャリア内の所定の列に設置する。これにより、バッチ内の最終研磨の研磨量を均一にでき、端部形状をフラット(平坦)に形成できる。
具体的な一例を以下に示す。
上記ガラス厚み均等化工程でガラスの厚みを、次工程である把握工程に適した厚みに均一化し、そのガラスを用いて上記研磨量及び研磨速度の把握工程で、キャリアのA列とB列との研磨量あるいは研磨レートの差を把握する(図4参照)。このとき研磨量をキャリアのA列>B列とする。次に上記ガラス厚みの調製(調整)工程にて、例えば、ガラスの厚みを厚いものと、薄いものとを二通り作成する。そして、最終研磨工程にてこれらのガラスをキャリアに設置する際に、キャリアのA列に薄いガラスを、一方、キャリアのB列には厚いガラスを入れる。そうすることで、最終研磨工程の研磨量の差及び研磨量のバラツキを低減でき、又は殆どなくすことができる。この結果、端部形状のバラツキ(端部形状の偏差)を解消することができる。
なお、本発明は、研磨量がキャリアのB列>A列の場合においても適用できる。定盤の内側の当りが強い(荷重が大きい)と、研磨用キャリア内側(中央部)に保持されたガラス基板が研磨されやすく、定盤の外側の当りが強いと、研磨用キャリア外側(外周部)に保持されたガラス基板が研磨されやすい。
本発明によれば、最終研磨工程で発生するキャリア内における各列ごとの研磨量や研磨速度の差を事前に調査でき、その結果を基に前記ガラス厚み調製(調整)工程にて調製したガラス基板をキャリア内の所定の列に設置することで、最終研磨工程におけるバッチ内の研磨量を均一にできる。この結果、端部形状のバラツキ(端部形状の偏差)を低減又は解消でき、端部形状をフラット(平坦)に形成できる。
本発明によれば、キャリアの列毎に上記厚み調製工程で調製された所定の厚みのガラス入れることで、例えば実施例に一例を示すように、キャリアの列毎の研磨量の差が殆どなくすことが可能となる。
本発明においては、例えば、板厚が相対的に厚い群の基板を研磨量が相対的に小さい列に配置し、板厚が相対的に薄い群の基板を研磨量が相対的に大きい列に配置する態様が含まれる。
[実施例]
以下に、本発明を適用した磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について実施例を説明する。この磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクは、0.8インチ型ディスク(内径6mm、外径21.6mm、板厚0.381mm)、1.0インチ型ディスク(内径7mm、外径27.4mm、板厚0.381mm)、1.8インチ型磁気ディスク(内径12mm、外径48mm、板厚0.508mm)、2.5インチ型磁気ディスク(内径20mm、外径65mm、板厚0.635,0.800mm)、などの所定の形状を有する磁気ディスクとして製造される。また、3.5インチ型ディスクとして製造してもよい。
(1)形状加工工程およびラッピング工程
本実施例に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、まず、板状ガラスの表面をラッピング(研削)加工してガラス母材とし、このガラス母材を切断してガラスディスクを切り出す。
板状ガラスとしては、様々な板状ガラスを用いることができる。この板状ガラスは、例えば、溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらのうち、プレス法を用いれば、板状ガラスを廉価に製造することができる。板状ガラスの材質としては、アモルファスガラスやガラスセラミクス(結晶化ガラス)を利用できる。板状ガラスの材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等を用いることができる。特にアモルファスガラスとしては、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦性及び基板強度において優れた磁気ディスク用基板を供給することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好ましく用いることができる。
次に、この板状ガラスの両主表面をラッピング加工した。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング、チャンファリング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から円板状(ディスク状の)のガラス基板を切り出した。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とした(コアリング)。そして内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(フォーミング、チャンファリング)。
本実施例においては、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラスを得た。なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
したがって、ディスク形状のガラスの両主表面をラッピング加工し、内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(フォーミング、チャンファリング)。
(3)第2ラッピング工程
次に、得られたガラス基板の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研削工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(4)端面研磨工程
次に、ガラス基板の外周端面及び内周端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
(5)主表面第1研磨工程
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。本実施例に係る第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、研磨パッドとして軟質スウェードパットを用いて、主表面の鏡面研磨を行った。研磨剤(遊離砥粒)としては、コロイダルシリカを用いた。
この第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
(6)主表面第2研磨工程
次に、主表面研磨工程として、第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、研磨パッドとして軟質スウェードパットを用いて、主表面の鏡面研磨を行った。研磨剤(遊離砥粒)としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
[評価]
本実施例に係る第2研磨工程における本発明の有効性について説明する。
本実施例においては、図4に示すキャリア120を使用した。このキャリア120は、キャリアの中心からの配置距離が互いに異なる複数列A、Bにガラス基板を配置してなる。キャリアA列が7枚、キャリアB列が13枚とした。この図4に示すキャリア120を5つ準備し、図1及び図3に示す研磨装置に図4に示すキャリア120を5つ設置し研磨を行った。1バッチ当りのガラス基板の研磨枚数は100枚である。
まず初めに、上記ガラス厚み均等化工程にて、ガラスの厚みを均等にした。上記ガラス厚み均等化工程にて厚みを測定する方法としては、レーザー方式の測定装置で、面内ポイントを測定した。このとき、ガラス1枚に対して0度90度180度270度の4ポイントを測定した。1バッチ100枚のため、バッチ内の厚みのバラツキ(Max−Min)を0.2μm以下にした。
次に、上記研磨速度把握工程を行う前に、ドレッシングにより研磨パッドのコンディショニングを行った。なお、このとき行ったドレッシングの方法としては、研磨パッド用ドレッサー(#600、ブロッキータイプ)を使用した。その後、上記ガラス厚み均等化工程で測定したガラスを用いて研磨を行った。このとき使用した研磨パッドはスェードパッドを用い、研磨剤として酸化セリウム砥粒を含む研磨液(スラリー)を用いた。図4に示すキャリアA列とキャリアB列との研磨量を測定した。なお、このとき用いたガラスの測定方法としては、上記と同じレーザー方式の測定装置を用いた。このときのキャリアA列の研磨量が1.20μmでキャリアB列の研磨量が1.80μmであった。またこのときの端部形状(r=31.0mm−32.0mm)の研磨量=1.20μmのものは−20nm、研磨量=1.75μmのものは18nmであった(比較例)。
次に、上記ガラス厚み調整工程を行った。キャリアA列の1バッチ内の総和が65枚で、キャリアB列の1バッチ内の総和が35枚であるため、厚み802.0μmのガラス65枚、801.4μmのガラスを35枚用意した。これらの基板を厚み802.0μmの板厚のガラスをキャリアA列に、一方、801.4μmのガラスをキャリアB列に設置した。その結果、キャリアA列の研磨量=1.40μmであり、キャリアB列の研磨量=1.50μmであった。また、このときの端部形状(r=31.0−32.0nm)に関しては、研磨量=1.40μmのものは2nm、研磨量=1.50μmのものは7nmであった(実施例)。
(7)化学強化工程
上記主表面第2研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、まず硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した粉末状の化学強化塩を、固体の化学強化塩として用意し、塩投入容器に投入して、電磁波発生器によって加熱溶融した。
このように、ガラス基板中のリチウムイオンおよびナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化された。
化学強化処理を終えたガラス基板を、20℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。そして、急冷を終えたガラス基板を、約40℃に加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス基板を純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。
上記の如く、ラッピング工程、切り出し工程、研削工程、端面研磨工程、第1および第2研磨工程、ならびに化学強化工程を施すことにより、平坦、かつ、平滑な、高剛性の磁気ディスク用ガラス基板を得た。
(8)磁気ディスク製造工程
上述した工程を経て得られたガラス基板の両面に、ガラス基板の表面にCr合金からなる付着層、CoTaZr基合金からなる軟磁性層、Ruからなる下地層、CoCrPt基合金からなる垂直磁気記録層、水素化炭素からなる保護層、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を順次成膜することにより、垂直磁気記録ディスクを製造した。なお、本構成は垂直磁気ディスクの構成の一例であるが、面内磁気ディスクとして磁性層等を構成してもよい。
〔DFHタッチダウン試験〕
次に、上記〔表1〕に示した条件で洗浄工程を行ったガラス基板を用いて磁気ディスクを作製し、クボタコンプス社製HDFテスター(Head/Disk Flyability Tester)を用いて、DFHヘッド素子部のタッチダウン試験を行った。この試験は、DFH機構によって素子部を徐々に突き出していき、AEセンサーによって磁気ディスク表面との接触を検知することによって、ヘッド素子部が磁気ディスク表面と接触するときの距離を評価するものである。ヘッドは320GB/P磁気ディスク(2.5インチサイズ)向けのDFHヘッドを用いた。素子部の突き出しがない時の浮上量は10nmである。また、その他の条件は以下の通り設定した。
磁気ディスク:2.5インチ(内径20mm、外径65mm、板厚0.8mm)のガラス基板を製造し、当該ガラス基板に記録層等を成膜
評価半径:22mm
磁気ディスクの回転数:5400RPM
温度:25℃
湿度:60%
DFHタッチダウン試験の結果より、ガラス基板の端部形状のバラツキ(端部形状の偏差)を解消でき、端部形状をフラット(平坦)に形成できた基板(上記実施例)を用いた場合に、ヘッド素子部と磁気ディスクが接触した距離を1.0nm以下と小さくすることができた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、磁気ディスク用のガラス基板の製造方法に利用することができる。
100…両面研磨装置、110…ガラス基板、120…研磨用キャリア、130…太陽ギア、140…インターナルギア、150…上定盤、160…下定盤、170…研磨パッド、210…容器、220…研磨液、230…ポンプ、240…フィルタ、312…保持孔、322…歯、A、B…キャリア内における基板の配列の各列

Claims (6)

  1. ガラス基板と、該ガラス基板の主表面を研磨する研磨パッドとの間に遊離砥粒を含有する研磨液を供給し、該ガラス基板を保持させた研磨用キャリアと該研磨パッドとを相対的に移動させることで研磨する研磨工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記キャリア内の一定の半径位置に一定の間隔で円周に沿って配置されるガラス基板の列が、半径を違えて複数列あるキャリアを用いてガラス基板の最終研磨を行う工程を有し、
    ガラス基板の厚さを測定し、次工程である把握工程に適した均等な厚みを事前に調査し、該調査結果に基づいて、前記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を準備する工程と、
    前記工程で準備したガラス基板を前記キャリアに設置し、前記キャリア内における列ごとの研磨量及び研磨速度を事前に把握する把握工程と、
    前記把握工程の結果を基に、前記最終研磨を行う際に、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを調べ、この結果に基づき前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製する調製工程と、
    前記調製工程にて調製した1つの群に属するガラス基板を前記キャリア内の1方の列に設置し、他の群に属するガラス基板を前記キャリア内の他方の列に設置し、ガラス基板の最終研磨を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記把握工程に適した均等な厚みのガラス基板を研磨装置に設置可能な枚数分準備し、この準備したガラス基板を研磨装置における各キャリアに設置し、前記把握工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記調製工程は、前記キャリア内における各列に設置されたガラス基板が研磨パッドから受ける圧力の差が相対的に小さくなるように、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記調製工程は、前記キャリア内における各列に設置されたガラス基板の研磨量の差が相対的に小さくなるように、前記キャリア内における各列への設置に適した厚みを有する複数群のガラス基板を調製することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記ガラス基板は、相対的に回転する太陽ギヤと内歯歯車に噛合して遊星歯車運動をするキャリヤに保持して前記研磨パッドと相対的に移動させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に、磁性層を形成する工程を有することを特徴とする、磁気ディスクの製造方法。
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