JPWO2012132073A1 - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012132073A1
JPWO2012132073A1 JP2013507042A JP2013507042A JPWO2012132073A1 JP WO2012132073 A1 JPWO2012132073 A1 JP WO2012132073A1 JP 2013507042 A JP2013507042 A JP 2013507042A JP 2013507042 A JP2013507042 A JP 2013507042A JP WO2012132073 A1 JPWO2012132073 A1 JP WO2012132073A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass substrate
polishing
information recording
processing
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013507042A
Other languages
English (en)
Inventor
小松 隆史
隆史 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Publication of JPWO2012132073A1 publication Critical patent/JPWO2012132073A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/8404Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers manufacturing base layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

加工工具の端面への不純物の蓄積を抑制できる、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供する。ガラス基板の主表面に磁気記録層が形成される情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、ガラス基板を形成する工程と、主表面を研磨加工する平面状の加工表面(311)と加工表面(311)の周縁を形成する端面(312)とを有する研磨パッド(310)の加工表面(311)を主表面に接触させ、研磨パッド(310)を主表面に対して相対的に摺動させて、主表面を加工する工程と、を備える。端面(312)は、加工表面(311)に対して90°より大きい角度を成して傾斜している。

Description

本発明は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体に関し、特に、情報記録媒体の製造に用いられる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、およびその情報記録媒体用ガラス基板を備えた情報記録媒体に関する。
磁気ディスクなどの情報記録媒体は、コンピュータなどにハードディスクとして搭載される。情報記録媒体は、基板の表面上に、磁気、光、または光磁気などの性質を利用した記録層を含む磁気薄膜層が形成されて製造される。記録層が磁気ヘッドによって磁化されることによって、所定の情報が情報記録媒体に記録される。
情報記録媒体は年々記録密度が向上している。それに伴い情報記録媒体に使用される基板の品質にも高い品質が要求されている。情報記録媒体用の基板としては、従来アルミニウム基板が用いられてきたが、記録密度の向上に伴い、アルミニウム基板に比較して基板表面の平滑性および強度に優れるガラス基板に徐々に置き換わりつつある。
情報記録媒体用のガラス基板の製造方法では、高い表面形状精度を確保するための研磨工程を有している。ガラス基板の高精度な形状品質を達成するために、加工処理能力の異なるスラリーや研磨パッドを効果的に組み合わせた2段階以上の研磨工程が適用されている。従来のガラス基板の研磨に関する技術は、たとえば特開2009−154232号公報(特許文献1)および特開2008−142851号公報(特許文献2)に提案されている。
特開2009−154232号公報 特開2008−142851号公報
ガラス基板に求められる品質水準が高まるにつれて、基板表面のキズ・付着物を低減することが一層重要視されている。特に、ガラス基板の最終研磨時に生じるキズ・付着物は、その後の磁気薄膜層の形成工程において大きな問題となるため、ガラス基板の研磨加工中の不純物混入を低減することが求められている。
特開2009−154232号公報(特許文献1)および特開2008−142851号公報(特許文献2)に記載の技術では、研磨加工で使用する研磨パッドの表面を洗浄し、凝集したスラリーなどの不純物を定期的に研磨パッドの表面から除去して、研磨パッドの表面への不純物の蓄積を防ぐことができる。しかし、この手法を研磨パッドの端面に適用するのは難しく、凝集したスラリーなどの不純物を研磨パッドの端面から取り除くのは困難であった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、加工工具の端面への不純物の蓄積を抑制でき、ガラス基板の主表面へのキズおよび付着物の発生を低減できる、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することである。
本発明に係る情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、ガラス基板の主表面に磁気記録層が形成される情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、ガラス基板を形成する工程と、主表面を研削加工または研磨加工する平面状の加工表面と加工表面の周縁を形成する端面とを有する加工工具の加工表面を主表面に接触させ、加工工具を主表面に対して相対的に摺動させて、主表面を加工する工程と、を備える。端面は、加工表面に対して90°より大きい角度を成して傾斜している。
上記方法において、端面は、加工表面に対して95°以上170°以下の角度を形成してもよい。
上記方法において、加工する工程において、主表面の一部が加工表面からはみ出してもよい。加工する工程は、主表面の最終研磨工程であってもよい。
上記方法において、加工工具の加工表面と端面とは、ガラス基板の主表面を一回または複数回加工した後に洗浄されてもよい。
本発明に係る情報記録媒体は、上記のいずれかの情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって得られたガラス基板と、ガラス基板の表面に形成された磁気記録層と、を備える。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によると、凝集したスラリーなどの不純物が加工工具の端面に蓄積されるのを抑制でき、ガラス基板の主表面へのキズおよび付着物の発生を低減できるので、ガラス基板の歩留まりを向上させることができる。
実施の形態におけるガラス基板の製造方法によって得られるガラス基板を示す斜視図である。 実施の形態におけるガラス基板の製造方法によって得られるガラス基板を備えた磁気ディスクを示す斜視図である。 実施の形態におけるガラス基板の製造方法を示すフローチャート図である。 研磨工程に用いられる両面研磨装置の部分斜視図である。 研磨パッドの部分断面図である。 ガラス基板の研磨時の、研磨パッドに対するガラス基板の相対移動を示す第一の図である。 ガラス基板の研磨時の、研磨パッドに対するガラス基板の相対移動を示す第二の図である。 ガラス基板の研磨時の、研磨パッドに対するガラス基板の相対移動を示す第三の図である。 ガラス基板の研磨時の、研磨パッドに対するガラス基板の相対移動を示す第四の図である。 ガラス基板の一部が研磨パッドの加工表面からはみ出た状態を模式的に表す平面図である。 実施例および比較例の両面研磨装置を用いてガラス基板を研磨加工した評価結果を示す図である。
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[ガラス基板1・磁気ディスク10]
図1および図2を参照して、まず、本実施の形態に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって得られるガラス基板1、およびガラス基板1を備えた磁気ディスク10について説明する。図1は、磁気ディスク10(図2参照)に用いられるガラス基板1を示す斜視図である。図2は、情報記録媒体として、ガラス基板1を備えた磁気ディスク10を示す斜視図である。
図1に示すように、磁気ディスク10に用いられるガラス基板1(情報記録媒体用ガラス基板)は、中心に孔1Hが形成された環状の円板形状を呈している。円形ディスク形状のガラス基板1は、表主表面1A、裏主表面1B、内周端面1C、および外周端面1Dを有している。
ガラス基板1の大きさは、特に制限はなく、たとえば外径0.8インチ、1.0インチ、1.8インチ、2.5インチ、または3.5インチなどである。ガラス基板の厚さは、破損防止の観点から、たとえば0.30〜2.2mmである。本実施の形態におけるガラス基板の大きさは、外径が約65mm、内径が約20mm、厚さが約0.8mmである。ガラス基板1の厚さとは、ガラス基板1上の点対象となる任意の複数の点で測定した値の平均によって算出される値である。
図2に示すように、磁気ディスク10は、上記したガラス基板1の表主表面1A上に磁性膜が成膜されて、磁気記録層を含む磁気薄膜層2が形成されることによって、構成される。図2中では、表主表面1A上にのみ磁気薄膜層2が形成されているが、裏主表面1B上にも磁気薄膜層2が形成されていてもよい。
磁気薄膜層2は、磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂をガラス基板1の表主表面1A上にスピンコートすることによって形成される(スピンコート法)。磁気薄膜層2は、ガラス基板1の表主表面1Aに対してスパッタリング法、または無電解めっき法等により形成されてもよい。
ガラス基板1の表主表面1Aに形成される磁気薄膜層2の膜厚は、スピンコート法の場合は約0.3μm〜1.2μm、スパッタリング法の場合は約0.04μm〜0.08μm、無電解めっき法の場合は約0.05μm〜0.1μmである。薄膜化および高密度化の観点からは、磁気薄膜層2はスパッタリング法または無電解めっき法によって形成されるとよい。
磁気薄膜層2に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金などが好適である。また、熱アシスト記録用に好適な磁性層材料として、FePt系の材料が用いられてもよい。
また、磁気記録ヘッドの滑りをよくするために磁気薄膜層2の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、たとえば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに、必要により下地層や保護層を設けてもよい。磁気ディスク10における下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としては、たとえば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、またはNiなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。
また、下地層は単層とは限らず、同一または異種の層を積層した複数層構造としても構わない。たとえば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁気薄膜層2の摩耗や腐食を防止する保護層としては、たとえば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられる。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一または異種の層からなる多層構成としてもよい。
上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。たとえば、上記保護層に替えて、Cr層の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO)層を形成してもよい。
[ガラス基板の製造方法]
次に、図3に示すフローチャート図を用いて、本実施の形態におけるガラス基板(情報記録媒体用ガラス基板)の製造方法について説明する。図3は、実施の形態におけるガラス基板1の製造方法を示すフローチャート図である。
本実施の形態におけるガラス基板の製造方法は、ガラスブランク材準備工程(ステップS10)、ガラス基板形成工程(ステップS20)、研磨工程(ステップS30)、化学強化工程(ステップS40)、および洗浄工程(ステップS50)を備えている。化学強化処理工程(ステップS40)を経ることによって得られたガラス基板(図1におけるガラス基板1に相当)に対して、磁気薄膜形成工程(ステップS60)が実施されてもよい。磁気薄膜形成工程(ステップS60)によって、磁気ディスク10が得られる。
以下、これらの各ステップS10〜S60の詳細について順に説明する、以下には、各ステップS10〜S60間に適宜行なわれる簡易的な洗浄については記載していない。
(ガラスブランク材準備工程)
ガラスブランク材準備工程(ステップS10)においては、ガラス基板を構成するガラス素材が溶融される(ステップS11)。ガラス素材は、たとえば一般的なアルミノシリケートガラスが用いられる。アルミノシリケートガラスは、58質量%〜75質量%のSiOと、5質量%〜23質量%のAlと、3質量%〜10質量%のLiOと、4質量%〜13質量%のNaOと、を主成分として含有する。溶融したガラス素材は、下型上に流し込まれた後、上型および下型によってプレス成形される(ステップS12)。プレス成形によって、円盤状のガラスブランク材(ガラス母材)が形成される。
ガラスブランク材は、ダウンドロー法またはフロート法によって形成されたシートガラス(板ガラス)を、研削砥石で切り出すことによって形成されてもよい。またガラス素材も、アルミノシリケートガラスに限られるものではなく、任意の素材であってもよい。
(ガラス基板形成工程)
次に、ガラス基板形成工程(ステップS20)においては、プレス成形されたガラスブランク材の両方の主表面に対して、寸法精度および形状精度の向上を目的として、ラップ研磨処理が施される(ステップS21)。ガラスブランク材の両方の主表面とは、後述する各処理を経ることによって、図1における表主表面1Aとなる主表面および裏主表面1Bとなる主表面のことである(以下、両主表面ともいう)。
ラップ研磨処理は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置を用いて行なわれる。具体的には、ガラスブランク材の両主表面に上下からラップ定盤を押圧させ、研削液を両主表面上に供給し、ガラスブランク材とラップ定盤とを相対的に移動させて、ラップ研磨処理が行なわれる。ラップ研磨処理によって、ガラス基板としてのおおよその平行度、平坦度、および厚みなどが予備調整され、おおよそ平坦な主表面を有するガラス母材が得られる。たとえば、粒度#400のアルミナ砥粒(粒径約40〜60μm)を含有する研削液を用い、上定盤の荷重を100kg程度に設定することによって、ガラス基板の両面を面精度0μm〜1μm、表面粗さRmaxで6μm程度に仕上げてもよい。
ラップ研磨処理の後、円筒状のダイヤモンドドリルなどを用いて、ガラスブランク材の中心部に対してコアリング(内周カット)処理が施される(ステップS22)。コアリング処理によって、中心部に孔の開いた円環状のガラス基板が得られる。中心部の孔に対しては、所定の面取り加工が施されてもよい。
(研磨工程)
次に、研磨工程(ステップS30)においては、上述のステップS21と同様に、ガラス基板の両主表面に対してラップ研磨処理が施される(ステップS31)。コアリング工程(ステップS22)においてガラス基板の両主表面に形成された微細なキズや突起物などが除去される。ラップ研磨処理の後、ガラス基板の外周端面がブラシによって鏡面状に研磨される(ステップS32)。研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリーが用いられる。
次に、第1ポリッシュ研磨工程(粗研磨)として、ラップ研磨工程(ステップS31)においてガラス基板の両主表面に残留したキズを除去しつつ、ガラス基板の反りを矯正する(ステップS33)。第1ポリッシュ研磨工程においては、遊星歯車機構を利用した両面研磨装置などが使用される。たとえば、硬質ベロア、ウレタン発泡、またはピッチ含浸スウェードなどの研磨パッドを用いて研磨が行なわれる。研磨剤としては、一般的な酸化セリウム砥粒が用いられる。
第2ポリッシュ研磨工程(精密研磨)においては、ガラス基板に研磨加工が再度実施され、ガラス基板の両主表面上に残留した微小欠陥等が解消される(ステップS34)。ガラス基板の両主表面は鏡面状に仕上げられることによって所望の平坦度に形成され、ガラス基板の反りも解消される。第2ポリッシュ研磨工程においては、遊星歯車機構を利用した両面研磨装置などが使用される。たとえば、スウェードまたはベロアを素材とする軟質ポリッシャである研磨パッドを用いて研磨が行なわれる。研磨剤としては、第一ポリッシュ研磨工程で用いた酸化セリウムよりも微細な、一般的なコロイダルシリカが用いられる。
ここで、図4および図5を参照して、両面研磨装置1000の構成について簡単に説明する。図4は、研磨工程に用いられる両面研磨装置1000の部分斜視図、図5は、研磨パッド310,410の部分断面図である。
図4および図5を参照して、両面研磨装置1000は、上定盤(上側砥石保持定盤)300と、下定盤(下側砥石保持定盤)400と、上定盤300の下定盤400に対向する側の下面に取り付けられた研磨パッド(上側研磨パッド)310と、下定盤400の上定盤300に対向する側の上面に取り付けられた研磨パッド(下側研磨パッド)410と、を備える。研磨パッド310,410は、ガラス基板1の両主表面を研磨加工するための加工工具の一例である。上定盤300と下定盤400とは、キャリア500の公転方向に対して互いに反対方向に回転するようになっている。上定盤300と下定盤400との間に形成される隙間に、キャリア500が配置される。ディスク状のガラス基板1は、このキャリア500に保持される。
なお、図4では、キャリア500に保持される複数のガラス基板1を挟持する一対の定盤である上定盤300および下定盤400のうち、一方の定盤である下定盤400が図示され、上定盤300は図示を省略されている。また図5では、キャリア500とキャリア500に保持されたガラス基板1とは、図示を省略されている。
図5に示すように、研磨パッド310は、ガラス基板1の表主表面1Aに接触する加工表面311を有する。加工表面311は、円環板形状の研磨パッド310の一方の表面である。加工表面311は、平面的に延び、平面形状が円環状に形成されている。加工表面311をガラス基板1の表主表面1Aに接触させた状態で、研磨パッド310を表主表面1Aに対して相対的に摺動させることにより、表主表面1Aが研磨加工される。加工表面311の周縁には、端面312が設けられている。加工表面311と端面312との境界313の平面形状は円形状である。端面312は、円錐面形状に形成されている。端面312は、加工表面311との間に角度αを形成するように、加工表面311に対して傾斜して設けられている。
研磨パッド410は、ガラス基板1の裏主表面1Bに接触する加工表面411を有する。加工表面411は、円環板形状の研磨パッド410の一方の表面である。加工表面411は、平面的に延び、平面形状が円環状に形成されている。加工表面411をガラス基板1の裏主表面1Bに接触させた状態で、研磨パッド410を裏主表面1Bに対して相対的に摺動させることにより、裏主表面1Bが研磨加工される。加工表面411の周縁には、端面412が設けられている。加工表面411と端面412との境界413の平面形状は円形状である。端面412は、円錐面形状に形成されている。端面412は、加工表面411との間に角度βを形成するように、加工表面411に対して傾斜して設けられている。
図5には、円環板形状を有する上定盤300、下定盤400および研磨パッド310,410の、円の中心を通る線に沿う、上定盤300、下定盤400および研磨パッド310,410の断面が図示されている。円環板形状の研磨パッド310を当該円の径方向に切断した断面において、加工表面311と端面312とは、角度αを形成する。円環板形状の研磨パッド410を当該円の径方向に切断した断面において、加工表面411と端面412とは、角度βを形成する。角度αと角度βとは、相等しい角度であってもよく、または、互いに異なる角度であってもよい。
加工表面311と端面312との間の角度α、および、加工表面411と端面412との間の角度βは、90°より大きい。端面312,412は、加工表面311,411に対して90°より大きい角度を成して傾斜している。角度α,βはそれぞれ、95°以上170°以下の角度を有する。研磨パッド310の端面312は、加工表面311に対して95°以上170°以下の角度を形成する。研磨パッド410の端面412は、加工表面411に対して95°以上170°以下の角度を形成する。
上記の角度αの範囲は、円環板形状の研磨パッド310の径方向断面において加工表面311と端面312とが成す角度の、円の全周における平均の値として、規定される。上記の角度βの範囲は、円環板形状の研磨パッド410の径方向断面において加工表面411と端面412とが成す角度の、円の全周における平均の値として、規定される。つまり、研磨パッド310,410の円の一周の平均で角度α,βが上記の範囲であれば、研磨パッド310,410の径方向に沿う一断面において角度α,βが上記の範囲を外れていても構わない。
第2ポリッシュ研磨工程(ステップS34)において、研磨パッド310,410の表面の洗浄が行なわれてもよい。研磨パッド310,410の表面の洗浄は、加工表面311,411に対して略垂直な方向に延びる毛を有するキャリアブラシ、または、加工表面311,411に対して略垂直な方向に供給される高圧水を用いて、行なわれてもよい。加工表面311,411と略垂直である方向から洗浄されることにより、研磨パッド310,410の表面上、または表面近傍の研磨パッド310,410の内部に存在する、加工屑や凝集した砥粒などをある程度取り除くことが可能になる。高圧水を用いて洗浄する場合、高圧水は加工表面311,411に対して傾斜した方向に供給されてもよい。
研磨パッド310,410の表面の洗浄は、研磨工程(ステップS30)中の任意の工程において行なわれてもよく、研磨工程(ステップS30)中の任意の工程間に行なわれてもよく、または、研磨工程(ステップS30)の終了後に行なわれてもよい。ガラス基板の両主表面を一回または複数回研磨加工した後に、両面研磨装置1000において研磨パッド310,410の表面の洗浄が行なわれてもよい。研磨パッド310,410の表面(すなわち、加工表面311,411および端面312,412)は、一回もしくは複数回の研磨を行なう毎に定期的に洗浄されてもよく、または、不定期的に洗浄されてもよい。
(化学強化工程)
ガラス基板が洗浄された後、化学強化処理液にガラス基板を浸漬することによって、ガラス基板の両主表面に化学強化層を形成する(ステップS40)。ガラス基板が洗浄された後、300℃に加熱された硝酸カリウム(70%)と硝酸ナトリウム(30%)との混合用液などの化学強化処理液中に、ガラス基板を30分間浸漬することによって、化学強化を行なう。
ガラス基板に含まれるリチウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンは、これらのイオンに比べてイオン半径の大きなカリウムイオン等のアルカリ金属イオンによって置換される(イオン交換法)。イオン半径の違いによって生じる歪みより、イオン交換された領域に圧縮応力が発生し、ガラス基板の両主表面が強化される。たとえば、ガラス基板の両主表面において、ガラス基板表面から約5μmまでの範囲に化学強化層を形成し、ガラス基板の剛性を向上させてもよい。以上のようにして、図1に示すガラス基板1に相当するガラス基板が得られる。
ガラス基板1に対しては、両主表面上における取り代が0.1μm以上0.5μm以下のポリッシュ研磨処理がさらに施されてもよい。化学強化工程を経た後にガラス基板の主表面上に残留している付着物が除去されることによって、ガラス基板1を用いて製造される磁気ディスクにヘッドクラッシュが発生することが低減される。また、ポリッシュ研磨処理における両主表面上の取り代を0.1μm以上0.5μm以下とすることによって、化学強化処理によって発生した応力の不均一性が表面に現れることもなくなる。本実施の形態におけるガラス基板の製造方法としては、以上のように構成される。
なお、第1ポリッシュ研磨工程(粗研磨)と第2ポリッシュ研磨工程(精密研磨)との間に、化学強化工程を施してもかまわない。
(洗浄工程)
次に、ガラス基板は洗浄される(ステップS50)。ガラス基板の両主表面が洗剤、純水、オゾン、IPA(イソプロピルアルコール)、またはUV(ultraviolet)オゾンなどによって洗浄されることによって、ガラス基板の両主表面に付着した付着物が除去される。
その後、ガラス基板表面上の付着物の数が、光学式欠陥検査装置等を用いて検査される。
(磁気薄膜形成工程)
化学強化処理が完了したガラス基板(図1に示すガラス基板1に相当)の両主表面(またはいずれか一方の主表面)に対し、磁性膜が形成されることにより、磁気薄膜層2が形成される。磁気薄膜層は、Cr合金からなる密着層、CoFeZr合金からなる軟磁性層、Ruからなる配向制御下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、C系からなる保護層、およびF系からなる潤滑層が順次成膜されることによって形成される。磁気薄膜層の形成によって、図2に示す磁気ディスク10に相当する垂直磁気記録ディスクを得ることができる。
本実施の形態における磁気ディスクは、磁気薄膜層から構成される垂直磁気ディスクの一例である。磁気ディスクは、いわゆる面内磁気ディスクとして磁性層等から構成されてもよい。
(作用・効果)
図6〜図9は、両面研磨装置1000を用いたガラス基板1の研磨時の、研磨パッド310,410に対するガラス基板1の相対移動を示す図である。ガラス基板1を研磨する際には、上定盤300と下定盤400とは、それぞれ反対方向に回転する。たとえば、両面研磨装置1000の上方から見て、上定盤300は時計方向に回転し、下定盤400は半時計方向に回転する。このときキャリア500は、自転しながら公転する。たとえばキャリア500は、上定盤300と下定盤400との回転軸を中心に時計回りまたは反時計回りに公転しながら、キャリア500自身が形成する円形状の中心回りに自転する。
キャリア500が自転することにより、キャリア500に保持されているガラス基板1の、研磨パッド310,410に対する相対位置が変化する。具体的には、図6に示す研磨パッド310,410によってガラス基板1の全体が挟持された状態から、キャリア500の自転に伴って研磨パッド310,410の径方向にガラス基板1が移動することで、図7に示すように、ガラス基板1の一部が研磨パッド310,410の外部を通過する。
図7に示す状態では、ガラス基板1の表主表面1Aの一部は研磨パッド310の加工表面311の外側に配置されており、ガラス基板1の裏主表面1Bの一部は研磨パッド410の加工表面411の外側に配置されている。ガラス基板1の表主表面1Aと裏主表面1Bとは、加工表面311,411の外側を通過する。ガラス基板1は、ガラス基板1の少なくとも一部が上定盤300および下定盤400の周縁を越えて外側にはみ出し上定盤300および下定盤400の外を通過する、いわゆる「オーバーハング回転」を行なう。このとき、ガラス基板1の表主表面1Aの一部が研磨パッド310の加工表面311からはみ出し、裏主表面1Bの一部が研磨パッド410の加工表面411からはみ出した状態になる。
図10は、ガラス基板1の一部が研磨パッド310の加工表面311からはみ出た状態を模式的に表す平面図である。ガラス基板1の研磨加工中に、ガラス基板1が上定盤300および下定盤400から最も大きくはみ出る状態が、図10に図示されている。このときの、研磨パッド310の加工表面311と端面312との境界313と、ガラス基板1の外周部と、の間の距離Hが、研磨加工時にガラス基板1が定盤上からはみ出る最大長さであり、オーバーハング長と称する。
図7に示す状態からキャリア500が自転を続けることにより、図8に示すようにガラス基板1が研磨パッド310,410からはみ出る部分が減少し、さらに図9に示すようにガラス基板1の全体が研磨パッド310,410によって挟持された状態に戻る。
上述したように、ガラス基板1を研磨するために、研磨剤が供給される。研磨剤としては、研磨砥粒を含むスラリー600が用いられる。研磨パッド310,410の径方向にガラス基板1が移動することにより、図6〜図9に示すように、研磨パッド310,410の間の空間に供給されたスラリー600が、ガラス基板1の端面またはキャリア500の端面によって当該空間から押し出され、その後再び当該空間内へ戻される。
このスラリー600には、凝集したスラリーなどの不純物601が含まれている。図6に示す、研磨パッド310,410によってガラス基板1の全体が挟持された状態では、不純物601は研磨パッド310,410の間の空間に存在する。キャリア500の自転に伴って研磨パッド310,410の径方向にガラス基板1が移動することにより、不純物601もまた、ガラス基板1の端面によって当該空間から押し出される(図7)。
ここで、図5を参照して説明したように、本実施の形態の研磨パッド310において、加工表面311と端面312とは90°より大きい角度、より具体的には95°以上170°以下の角度αを有する。そのため、端面312は、加工表面311に対して傾斜している。かつ、研磨パッド410において、加工表面411と端面412とは90°より大きい角度、より具体的には95°以上170°以下の角度βを有する。そのため、端面412は、加工表面411に対して傾斜している。そのため、図7に示すように研磨パッド310,410の間の空間の外へ押し出された不純物601は、図8および図9に示すように、端面312,412を伝って、研磨パッド310,410の間の空間へ戻ることができる。
研磨パッドの端面が加工表面に対して90°の角度を形成する場合、ガラス基板1が定盤外部に露出し、その後定盤内に再進入する際に、凝集したスラリーなどの不純物601が研磨パッドの端面に拭われて端面上に残される。そのため、研磨パッドの端面上に、不純物が蓄積する。この蓄積された不純物601が端面上で乾燥すると、オーバーハングされたガラス基板1の表面が不純物601により引っ掻かれて、ガラス基板1の表面にキズが発生する原因となる。または、水分が減少し粘度の高くなった不純物601がガラス基板1の表面上に付着して、ガラス基板1の表面に突起部が形成される原因となる。これらのキズや付着物が発生すると、ガラス基板1は不良品とされるので、最終的なガラス基板1の歩留まりが低下する。
これに対し、本実施の形態においては、研磨パッド310,410の端面312,412が加工表面311,411に対して垂直ではなく、端面312,412には傾斜が付けられている。端面312,412を積極的に傾斜させることにより、不純物601が研磨パッド310,410の間の空間の外へ押し出されても、再度研磨パッド310,410の間の空間内に不純物601が引き込まれ易い構成とされている。これにより、研磨工程においてガラス基板1がオーバーハング回転する際に不純物601が端面312,412で拭われて、不純物601が端面312,412上に残存することを抑制する。そのため、スラリー600中に含まれる凝集したスラリーなどの不純物601が研磨パッド310,410の端面312,412に蓄積されることを、抑制することができる。
その結果、端面312,412において不純物601が成長して増大することを回避できるので、研磨パッド310,410の端面312,412に蓄積した不純物601を原因として、ガラス基板1の表面にキズや付着物が発生することを抑制できる。したがって、研磨加工後のガラス基板1の良品の割合を向上できるので、ガラス基板1の歩留まりを向上させることができる。
研磨パッド310の加工表面311と端面312との間の角度α、および、研磨パッド410の加工表面411と端面412との間の角度βは、95°未満では凝集したスラリーなどの不純物601が端面312,412に蓄積し易くなるので、95°以上とするのが好ましい。また、角度αおよび角度βは、170°より大きいと、研磨パッド310,410の表面のうち研磨に用いられる加工表面311,411の面積が減少して研磨効率が低下するので、170°以下とするのが好ましい。より好ましくは、角度αおよび角度βは、研磨パッド310,410の一周の平均で、110°以上150°以下である。
このような研磨パッド310,410が角度α,βを有する両面研磨装置1000は、予め所定の形状に形成された研磨パッド310,410がそれぞれ上定盤300、下定盤400に貼着されることにより、形成されてもよい。または、両面研磨装置1000は、上定盤300、下定盤400の全面を覆う研磨パッド素材を、上定盤300および下定盤400にそれぞれ貼り付け、当該研磨パッド素材の周縁を所定の形状に切断することにより、形成されてもよい。
ガラス基板1の研磨加工時に、ガラス基板1の表面の一部が研磨パッド310,410の加工表面311,411の外側を通過し、ガラス基板1をオーバーハングさせることにより、研磨パッド310,410の偏磨耗を抑制でき、したがってガラス基板1の平坦度を向上させることができる。ガラス基板1をオーバーハングさせるとスラリー600に含まれる不純物601が研磨パッド310,410の端面312,412上へ移動するが、端面312,412を加工表面311,411に対して傾斜させることにより、不純物601は端面312,412から研磨パッド310,410の内側へ容易に引き込まれ、端面312,412上へは蓄積されない。したがって、上述した基板平坦度を向上させる効果が得られるとともに、不純物601の端面312,412への蓄積を抑制し、ガラス基板1の歩留まりを向上することができる。
研磨パッド310,410の表面の洗浄は、ガラス基板1の研磨工程内において、ナイロンなど樹脂製の毛を有するキャリアブラシ、または、7MPa程度の圧力の高圧水を用いて行なわれてもよい。研磨パッド310,410の端面312,412が加工表面311,411に対して傾斜を有することにより、研磨工程中に端面312,412に不純物601が残存したとしても、洗浄時にキャリアブラシまたは高圧水が端面312,412に接触して不純物601は端面312,412から除去される。そのため、端面312,412に不純物601が蓄積されることを、さらに抑制することができる。
上述した両面研磨装置1000は、図3に示す研磨工程(ステップS30)のうち、最終の研磨工程である第2ポリッシュ研磨工程(精密研磨)(ステップS34)でのガラス基板1の研磨に使用されるのが望ましい。ガラス基板1の表面上の付着物が特に問題となる最終研磨工程で、付着物を低減させることにより、最終的なガラス基板1の品質を確保することができるので、確実にガラス基板1の歩留まりを向上することができる。化学強化工程(ステップS40)を経た後にポリッシュ研磨処理がさらに施される場合には、第2ポリッシュ研磨工程(ステップS34)ではなく、化学強化工程(ステップS40)後のポリッシュ研磨処理において、上述した両面研磨装置1000を使用してガラス基板1を研磨してもよい。
以下、この発明の実施例について説明する。図11は、実施例および比較例の両面研磨装置1000を用いてガラス基板1を研磨加工した評価結果を示す図である。実施例および比較例では、外径φ65mm、内径φ20mm、板厚0.8mmの円環板状のガラス基板1を準備し、100枚のガラス基板1を研磨加工したときの歩留まり率について評価した。
図11には、図3に示す第1ポリッシュ研磨工程(ステップS33)で使用した研磨パッド310,410の条件と、第2ポリッシュ研磨工程(ステップS34)で使用した研磨パッド310,410の条件と、が記載されている。いずれの条件でも、前工程までの加工で作成された別個のガラス基板100枚ずつを用い、それぞれの実験水準につき15回の加工を行ない、15回目の加工内容を実施例または比較例とした。
第1ポリッシュ研磨工程では、一般的な硬質ウレタン製の研磨パッド310,410を用い、スラリーの種類は粒径約1.0μmの酸化セリウムスラリーとした。実施例1〜4および比較例1〜2では、研磨パッド310,410の加工表面311,411と端面312,412とのなす角度が90°である。一方実施例5では、加工表面311,411と端面312,412とのなす角度が135°であり、端面312,412が加工表面311,411に対して傾斜する研磨パッド310,410を使用した。第1ポリッシュ研磨工程では、加工中にガラス基板1をオーバーハングさせないように、ガラス基板1を加工した。一回の研磨毎に、キャリアブラシによる研磨パッド310,410の表面の洗浄を行なった。
第2ポリッシュ研磨工程では、一般的なスウェード製の研磨パッド310,410を用い、スラリーの種類は粒径約20nmのシリカスラリーとした。比較例1〜2では、研磨パッド310,410の加工表面311,411と端面312,412とのなす角度が90°である。一方、実施例1,2および5では、加工表面311,411と端面312,412とのなす角度が135°である。また実施例3および4では、加工表面311,411と端面312,412とのなす角度が100°である。このように実施例1〜5ではそれぞれ、端面312,412が加工表面311,411に対して傾斜する研磨パッド310,410を使用した。実施例2,4および比較例2では、研磨加工中にガラス基板1をオーバーハングさせた。このときのオーバーハング長は1mmとした。一回の研磨毎に、キャリアブラシによる研磨パッド310,410の表面の洗浄を行なった。
ガラス基板1の歩留まり率は、He−Neレーザ光源を用いたシステム精工社製表面検査装置SSI−640を用いて、ガラス基板1の表面を外観検査することにより、評価した。表面検査装置では、凸部(バンプ)、凹部(ピット)、塵埃(パーティクル)および擦り傷(スクラッチ)などの、ガラス基板1の表面に発生する欠陥が検出される。検出された欠陥数が所定の閾値を超えたものを不良品とした。
計測の結果、図11に示すように、比較例1では歩留まり率が「可」(C)レベルであり、比較例2では歩留まり率が「不良」(D)レベルであった。これに対し、実施例1〜5では、ガラス基板1の歩留まり率は「優」(A)または「良」(B)レベルであり、比較例と比べて実施例ではガラス基板1の歩留まり率が改善していた。実施例1,2と実施例3,4とを比較して、研磨パッド310,410の加工表面311,411と端面312,412とのなす角度が135°であるときに、より良い結果を得ることができた。
実施例2,4および比較例2を比較して、研磨加工時にガラス基板1をオーバーハングさせる加工方法の場合、研磨パッド310,410の端面312,412に傾斜を付けることにより、ガラス基板1の歩留まり率の大幅な改善が見られた。また、実施例5に示すように、前加工である第1ポリッシュ研磨工程において、端面312,412を傾斜させた研磨パッド310,410を用いることにより、実施例1と比較してもガラス基板1の歩留まり率を一層改善することが確認された。
なお、これまでの実施の形態および実施例の説明においては、研磨パッド310,410の端面312,412が円錐面の一部を形成し、加工表面311,411と端面312,412との間に円形状の境界313,413が形成される例について説明した。端面312,412の形状はこの例に限られるものではない。たとえば端面は、球面の一部形状、放物面の一部形状などに代表される、曲面であってもよい。この場合、当該曲面と加工表面との境界における曲面に対する接平面と、加工表面と、が垂直でない角度を形成し、当該接平面が加工表面に対して90°より大きい角度、望ましくは95°以上170°以下の角度を形成して、傾斜していればよい。
また、これまでの実施の形態および実施例の説明においては、研磨パッド310,410を用いてガラス基板1の両主表面1A,1Bを平滑化する加工である研磨処理について説明した。研磨処理に限らず、たとえばガラス基板1の両主表面1A,1Bの寸法精度の向上を伴う機械加工である研削処理を行なう場合に、本願発明を適用してもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ガラス基板、1A 表主表面、1B 裏主表面、2 磁気薄膜層、10 磁気ディスク、300 上定盤、310,410 研磨パッド、311,411 加工表面、312,412 端面、313,413 境界、400 下定盤、500 キャリア、600 スラリー、601 不純物、1000 両面研磨装置、α,β 角度。

Claims (6)

  1. ガラス基板(1)の主表面(1A)に磁気記録層(2)が形成される情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板(1)を形成する工程(S20)と、
    前記主表面(1A)を研削加工または研磨加工する平面状の加工表面(311)と前記加工表面(311)の周縁を形成する端面(312)とを有する加工工具(310)の前記加工表面(311)を前記主表面(1A)に接触させ、前記加工工具(310)を前記主表面(1A)に対して相対的に摺動させて、前記主表面(1A)を加工する工程(S34)と、を備え、
    前記端面(312)は、前記加工表面(311)に対して90°より大きい角度を成して傾斜している、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記端面(312)は、前記加工表面(311)に対して95°以上170°以下の角度を形成する、請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記加工する工程(S34)において、前記主表面(1A)の一部が前記加工表面(311)からはみ出す、請求項1または請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記加工する工程(S34)は、前記主表面(1A)の最終研磨工程である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記加工表面(311)と前記端面(312)とは、前記主表面(1A)を一回または複数回加工した後に洗浄される、請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって得られたガラス基板(1)と、
    前記ガラス基板(1)の表面に形成された磁気記録層(2)と、を備える、情報記録媒体(10)。
JP2013507042A 2011-03-29 2011-10-05 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体 Pending JPWO2012132073A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011072504 2011-03-29
JP2011072504 2011-03-29
PCT/JP2011/072949 WO2012132073A1 (ja) 2011-03-29 2011-10-05 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2012132073A1 true JPWO2012132073A1 (ja) 2014-07-24

Family

ID=46929878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013507042A Pending JPWO2012132073A1 (ja) 2011-03-29 2011-10-05 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2012132073A1 (ja)
WO (1) WO2012132073A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6589762B2 (ja) 2016-07-13 2019-10-16 株式会社Sumco 両面研磨装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000315665A (ja) * 1999-04-29 2000-11-14 Ebara Corp 研磨方法及び装置
JP2002252191A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Mitsubishi Materials Silicon Corp 半導体ウェーハの研磨装置
JP2006147731A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Komatsu Electronic Metals Co Ltd 研磨クロス,ウェーハ研磨装置及びウェーハ製造方法
JP2006196836A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 研磨パッド
JP2006218553A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Asahi Sunac Corp 研磨パッドのドレッシング方法
JP2006351081A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Fuji Electric Holdings Co Ltd 磁気ディスク基板の研磨方法
JP2007090452A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
WO2009096294A1 (ja) * 2008-01-30 2009-08-06 Asahi Glass Co., Ltd. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011062781A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000315665A (ja) * 1999-04-29 2000-11-14 Ebara Corp 研磨方法及び装置
JP2002252191A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Mitsubishi Materials Silicon Corp 半導体ウェーハの研磨装置
JP2006147731A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Komatsu Electronic Metals Co Ltd 研磨クロス,ウェーハ研磨装置及びウェーハ製造方法
JP2006196836A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 研磨パッド
JP2006218553A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Asahi Sunac Corp 研磨パッドのドレッシング方法
JP2006351081A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Fuji Electric Holdings Co Ltd 磁気ディスク基板の研磨方法
JP2007090452A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
WO2009096294A1 (ja) * 2008-01-30 2009-08-06 Asahi Glass Co., Ltd. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012132073A1 (ja) 2012-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5297549B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP2013140669A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP5635078B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP5361185B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP2010005772A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の加工方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び磁気ディスク用ガラス基板、並びに磁気ディスクの製造方法
JP5227132B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP6138113B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、および、研削用キャリア
WO2012132073A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体
CN108564970B (zh) 玻璃基板的制造方法、磁盘用玻璃基板的制造方法
JP5778165B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法
JP5461936B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP5701938B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
WO2013146132A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体
JP5639215B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、並びに磁気ディスクの製造方法
JP5386037B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP6328052B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法および研磨パッド
JP2010073289A (ja) 磁気ディスク用基板および磁気ディスク
JP6138114B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、および、研磨用キャリア
WO2013146131A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体
CN109285565B (zh) 磁盘用玻璃基板的制造方法和磁盘的制造方法
JP2015069685A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
WO2014156798A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP6088534B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法、および、円盤状のガラス基板
WO2013146134A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体
JPWO2013099584A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160802