JPWO2013099584A1 - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
ガラス素板の表面に圧縮応力層を形成する工程(S70)と、研磨パッドを含む研磨機を準備し、圧縮応力層が形成されたガラス素板の表面に研磨砥粒を含む研磨液を供給しつつ、圧縮応力層が形成されたガラス素板の表面に対して研磨パッドを用いて精密研磨を行なう工程(S80)と、研磨パッドからガラス素板を取り外した後、ガラス素板の表面に洗浄液を供給しつつ、圧縮応力層が形成されたガラス素板の表面に対してスクラブ洗浄を行なう工程(S90)と、を備え、研磨パッドからガラス素板を取り外す際、ガラス素板は、研磨砥粒の濃度が0.5w%以上10w%以下の液体と接触した状態で研磨パッドから取り外される。
Description
本発明は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法に関し、特に、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などの情報記録装置に情報記録媒体の一部として搭載される情報記録媒体用ガラス基板の製造方法に関する。
ハードディスクドライブ等の情報記録装置は、コンピューター等のさまざまな機器に内蔵されている。このような情報記録装置には、円盤状に形成された磁気ディスク等の情報記録媒体が搭載される。情報記録媒体は、ガラス製またはアルミ製の基板の主表面上に、磁気記録用の磁気記録層が成膜されることによって製造される。
情報記録媒体の製造に用いられるガラス製の基板は、情報記録媒体用ガラス基板(以下、単にガラス基板ともいう)という。情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、たとえば特開2011−167769号公報(特許文献1)および特開2011−156646号公報(特許文献2)に開示されている。
ハードディスクドライブ等の情報記録装置は、使用用途および使用環境が年々拡大している。情報記録装置に対する大容量化、耐衝撃性、および耐熱性などの要求は、年々高まる傾向にある。この傾向に伴い、情報記録媒体用ガラス基板にも、様々なことが要求されている。たとえば、情報記録媒体の大容量化を達成するために、ガラス基板に対しては高清浄度および高平滑性が要求されている。さらに、ガラス基板に対しては、耐衝撃性の向上に加えて、様々な使用環境下でも特性が劣化しないこと等も要求されている。
ガラス基板としての耐衝撃性を向上させるために、一般的には、化学強化処理(イオン交換処理ともいう)が行なわれる。化学強化処理においては、ガラス基板(ガラス素板)の表層のイオンが、そのイオンよりも大きいイオン半径を有するイオンに交換される。ガラス基板の表面に圧縮応力層が形成されることによって、ガラス基板としての耐衝撃性を向上させることが可能となる。
一般的に、化学強化処理は、ガラス素板に対する精密研磨工程の後に行われる。近年では、ガラス基板の高平滑性に対する要求が高まるにつれて、化学強化処理後に精密研磨工程が行なわれることもある。この場合、ガラス基板の表面の平滑性を高めるために、酸化セリウムまたは酸化ジルコニウムなどを用いて粗研磨工程を行った後に、化学強化処理が行なわれる。化学強化処理の後、コロイダルシリカなどを用いて精密研磨が行なわれる。化学強化処理後に精密研磨工程が行なわれることにより、ガラス基板の表面は、表面粗さが1〜2Åという高い平滑性を得ることが可能となる。
一方で、ガラス基板の表面の清浄度を高めるために様々な洗浄方法も検討されている。たとえば、ガラス基板の表面の清浄度を高めるために、ガラス基板の表面に精密研磨を実施した後、ガラス基板の表面に残留している研磨砥粒を洗い流すこと(リンス工程と称される)が行われている。
化学強化処理後に精密研磨工程が行なわれ、さらにその精密研磨後のガラス基板に対してリンス工程を行なった後に、そのガラス基板をスクラブ洗浄したとする。本発明者らは、このようにして得られたガラス基板の中には、耐衝撃性に劣るものがあることがわかった。具体的には、本発明者らは、そのガラス基板を情報記録媒体として搭載する情報記録装置に対してある条件(たとえば高温多湿状態)の下で落下衝撃試験を行なったところ、上記のようにして得られたガラス基板は耐衝撃性が低下することがわかった。
本発明は、化学強化処理後に精密研磨工程を行なう場合であっても、得られたガラス基板の耐衝撃性が低下することを抑制可能な情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、ガラス素板に含有されるアルカリ金属イオンをそのイオン半径よりも大きいイオン半径を有する化学強化塩にイオン交換することによって、上記ガラス素板の表面に圧縮応力層を形成する工程と、研磨パッドを含む研磨機を準備し、上記圧縮応力層が形成された上記ガラス素板の上記表面に研磨砥粒を含む研磨液を供給しつつ、上記圧縮応力層が形成された上記ガラス素板の上記表面に対して上記研磨パッドを摺接させて精密研磨を行なう工程と、上記研磨パッドから上記精密研磨後の上記ガラス素板を取り外した後、上記ガラス素板の上記表面に洗浄液を供給しつつ、上記圧縮応力層が形成された上記ガラス素板の上記表面に対してスクラブ洗浄装置を用いてスクラブ洗浄を行なう工程と、を備え、上記研磨パッドから上記精密研磨後の上記ガラス素板を取り外す際には、上記ガラス素板は、上記研磨砥粒の濃度が0.5w%以上10w%以下の液体と接触した状態で上記研磨機の上記研磨パッドから取り外される。
好ましくは、上記精密研磨を行なう工程に用いられる上記研磨砥粒は、コロイダルシリカを含む。好ましくは、上記スクラブ洗浄を行なう工程に用いられる上記スクラブ洗浄装置は、ロールスクラブ洗浄装置である。
好ましくは、上記スクラブ洗浄を行なう工程に用いられる上記洗浄液のpHは、9.0以上12.2以下である。好ましくは、上記圧縮応力層を形成する工程に用いられる上記化学強化塩は、ナトリウムイオンとカリウムイオンとを含む。
本発明によれば、化学強化処理後に精密研磨工程を行なう場合であっても、得られたガラス基板の耐衝撃性が低下することを抑制可能な情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を得ることができる。
本発明に基づいた実施の形態および各実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態および各実施例の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態]
(情報記録装置30)
図1を参照して、まず、情報記録装置30について説明する。図1は、情報記録装置30を示す斜視図である。情報記録装置30は、実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板(以下、単にガラス基板ともいう)の製造方法によって製造されたガラス基板1を、情報記録媒体10として備える。
(情報記録装置30)
図1を参照して、まず、情報記録装置30について説明する。図1は、情報記録装置30を示す斜視図である。情報記録装置30は、実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板(以下、単にガラス基板ともいう)の製造方法によって製造されたガラス基板1を、情報記録媒体10として備える。
具体的には、情報記録装置30は、情報記録媒体10、筐体20、ヘッドスライダー21、サスペンション22、アーム23、垂直軸24、ボイスコイル25、ボイスコイルモーター26、クランプ部材27、および固定ネジ28を備える。筐体20の上面上には、スピンドルモーター(図示せず)が設置される。
磁気ディスクなどの情報記録媒体10は、クランプ部材27および固定ネジ28によって、上記のスピンドルモーターに回転可能に固定される。情報記録媒体10は、このスピンドルモーターによって、たとえば数千rpmの回転数で回転駆動される。詳細は図4および図5を参照して後述されるが、情報記録媒体10は、ガラス基板1に圧縮応力層12(図5参照)および磁気記録層14(図4および図5参照)が形成されることによって製造される。
アーム23は、垂直軸24回りに揺動可能に取り付けられる。アーム23の先端には、板バネ(片持ち梁)状に形成されたサスペンション22が取り付けられる。サスペンション22の先端には、ヘッドスライダー21が情報記録媒体10を挟み込むように取り付けられる。
アーム23のヘッドスライダー21とは反対側には、ボイスコイル25が取り付けられる。ボイスコイル25は、筐体20上に設けられたマグネット(図示せず)によって挟持される。ボイスコイル25およびこのマグネットにより、ボイスコイルモーター26が構成される。
ボイスコイル25には所定の電流が供給される。アーム23は、ボイスコイル25に流れる電流と上記マグネットの磁場とにより発生する電磁力の作用によって、垂直軸24回りに揺動する。アーム23の揺動によって、サスペンション22およびヘッドスライダー21も矢印AR1方向に揺動する。ヘッドスライダー21は、情報記録媒体10の表面上および裏面上を、情報記録媒体10の半径方向に往復移動する。ヘッドスライダー21に設けられた磁気ヘッド(図示せず)はシーク動作を行なう。
当該シーク動作が行なわれる一方で、ヘッドスライダー21は、情報記録媒体10の回転に伴って発生する空気流により、浮揚力を受ける。当該浮揚力とサスペンション22の弾性力(押圧力)とのバランスによって、ヘッドスライダー21は情報記録媒体10の表面に対して一定の浮上量で走行する。当該走行によって、ヘッドスライダー21に設けられた磁気ヘッドは、情報記録媒体10内の所定のトラックに対して情報(データ)の記録および再生を行なうことが可能となる。ガラス基板1が情報記録媒体10を構成する部材の一部として搭載される情報記録装置30は、以上のように構成される。
(ガラス基板1)
図2は、本実施の形態に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板1を示す平面図である。図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図2は、本実施の形態に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板1を示す平面図である。図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図2および図3に示すように、情報記録媒体10(図4および図5参照)にその一部として用いられるガラス基板1(情報記録媒体用ガラス基板)は、主表面2、主表面3、内周端面4、孔5、および外周端面6を有し、全体として円盤状に形成される。孔5は、一方の主表面2から他方の主表面3に向かって貫通するように設けられる。主表面2と内周端面4との間、および、主表面3と内周端面4との間には、面取部7がそれぞれ形成される。主表面2と外周端面6との間、および、主表面3と外周端面6との間には、面取部8(チャンファー部)が形成される。
ガラス基板1の大きさは、たとえば0.8インチ、1.0インチ、1.8インチ、2.5インチ、または3.5インチである。ガラス基板の厚さは、破損防止の観点から、たとえば0.30mm〜2.2mmである。本実施の形態におけるガラス基板の大きさは、外径が約64mm、内径が約20mm、厚さが約0.8mmである。ガラス基板の厚さとは、ガラス基板上の点対象となる任意の複数の点で測定した値の平均によって算出される値である。
(情報記録媒体10)
図4は、情報記録媒体としてガラス基板1を備えた情報記録媒体10を示す平面図である。図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。
図4は、情報記録媒体としてガラス基板1を備えた情報記録媒体10を示す平面図である。図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。
図4および図5に示すように、情報記録媒体10は、ガラス基板1と、圧縮応力層12と、磁気記録層14とを含む。圧縮応力層12は、ガラス基板1の主表面2,3、内周端面4、および外周端面6を覆うように形成される。磁気記録層14は、圧縮応力層12の主表面2,3上の所定の領域を覆うように形成される。ガラス基板1の内周端面4上に圧縮応力層12が形成されることによって、内周端面4の内側に孔15が形成される。孔15を利用して、情報記録媒体10は筐体20(図1参照)上に設けられたスピンドルモーターに対して固定される。
図5に示す情報記録媒体10においては、主表面2上に形成された圧縮応力層12と主表面3上に形成された圧縮応力層12との双方(両面)の上に、磁気記録層14が形成されている。磁気記録層14は、主表面2上に形成された圧縮応力層12の上(片面)にのみ設けられていてもよく、主表面3上に形成された圧縮応力層12の上(片面)に設けられていてもよい。
磁気記録層14は、磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂をガラス基板1の主表面2,3上の圧縮応力層12にスピンコートすることによって形成される(スピンコート法)。磁気記録層14は、ガラス基板1の主表面2,3上の圧縮応力層12に対して実施されるスパッタリング法または無電解めっき法等により形成されてもよい。
磁気記録層14の膜厚は、スピンコート法の場合は約0.3μm〜1.2μm、スパッタリング法の場合は約0.04μm〜0.08μm、無電解めっき法の場合は約0.05μm〜0.1μmである。薄膜化および高密度化の観点からは、磁気記録層14はスパッタリング法または無電解めっき法によって形成されるとよい。
磁気記録層14に用いる磁性材料としては、高い保持力を得る目的で結晶異方性の高いCoを主成分とし、残留磁束密度を調整する目的でNiまたはCrを加えたCo系合金などを付加的に用いることが好適である。
磁気ヘッドの滑りをよくするために、磁気記録層14の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、たとえば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
磁気記録層14には、必要に応じて下地層または保護層を設けてもよい。情報記録媒体10における下地層は、磁性膜の種類に応じて選択される。下地層の材料としては、たとえば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、またはNiなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。
磁気記録層14に設ける下地層は、単層に限らず、同一または異種の層を積層した複数層構造としても構わない。たとえば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、または、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁気記録層14の摩耗および腐食を防止する保護層としては、たとえば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、またはシリカ層が挙げられる。これらの保護層は、下地層および磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成されることができる。これらの保護層は、単層としてもよく、または、同一若しくは異種の層からなる多層構成としてもよい。
上記保護層上に、あるいは上記保護層に代えて、他の保護層を形成してもよい。たとえば、上記保護層に代えて、Cr層の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)層を形成してもよい。
(ガラス基板の製造方法)
次に、図6に示すフローチャート図を用いて、本実施の形態におけるガラス基板(情報記録媒体用ガラス基板)の製造方法S100について説明する。本実施の形態におけるガラス基板の製造方法S100は、板状ガラス成形工程S10、第1ラッピング工程S20、切り出し成形工程S30、第2ラッピング工程S40、端面研磨工程S50、粗研磨工程S60、化学強化工程S70、精密研磨工程S80、および、スクラブ洗浄工程S90を備える。
次に、図6に示すフローチャート図を用いて、本実施の形態におけるガラス基板(情報記録媒体用ガラス基板)の製造方法S100について説明する。本実施の形態におけるガラス基板の製造方法S100は、板状ガラス成形工程S10、第1ラッピング工程S20、切り出し成形工程S30、第2ラッピング工程S40、端面研磨工程S50、粗研磨工程S60、化学強化工程S70、精密研磨工程S80、および、スクラブ洗浄工程S90を備える。
スクラブ洗浄工程S90を経ることによって得られたガラス基板に対して、磁気薄膜形成工程S200が実施される。磁気薄膜形成工程S200を経ることによって、情報記録媒体10(図4および図5参照)が得られる。以下、ガラス基板の製造方法S100を構成する各工程S10〜S90の詳細について順に説明する。
(板状ガラス成形工程S10)
まず、板状ガラス成形工程S10において、溶融ガラスを材料として、ダイレクトプレス法、フロート法、ダウンドロー法、リドロー法、またはフュージョン法など、公知の成形方法を用いて、板状ガラスを製造する。これらのうち、ダイレクトプレス法は、溶解したガラスから目的とするガラス成形品に直接的に成形できるため、同一の形状を有する板状ガラスを多量に生産する場合に好適である。ダイレクトプレス法では、溶融ガラスをプレス成形型に供給し、このガラスが軟化状態にある間にプレス成形型でプレスして板状ガラスを成形する。
まず、板状ガラス成形工程S10において、溶融ガラスを材料として、ダイレクトプレス法、フロート法、ダウンドロー法、リドロー法、またはフュージョン法など、公知の成形方法を用いて、板状ガラスを製造する。これらのうち、ダイレクトプレス法は、溶解したガラスから目的とするガラス成形品に直接的に成形できるため、同一の形状を有する板状ガラスを多量に生産する場合に好適である。ダイレクトプレス法では、溶融ガラスをプレス成形型に供給し、このガラスが軟化状態にある間にプレス成形型でプレスして板状ガラスを成形する。
ガラス素板の材質としては、たとえばアモルファスガラスを利用できる。アモルファスガラスを用いる場合、化学強化を適切に施すことができるとともに、主表面の平坦性および基板強度において優れた情報記録媒体用ガラス基板を提供することが可能となる。
(第1ラッピング工程S20)
第1ラッピング工程S20においては、板状ガラスの表面に対してラッピング(研削)加工を行なう。ラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行なう。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。このラッピング加工により、平坦な主表面を有する板状ガラスを得ることができる。
第1ラッピング工程S20においては、板状ガラスの表面に対してラッピング(研削)加工を行なう。ラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行なう。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。このラッピング加工により、平坦な主表面を有する板状ガラスを得ることができる。
(切り出し成形工程S30)
切り出し成形工程S30においては、ダイヤモンドカッターを用いて板状ガラスを切断し、この板状ガラスから円盤状のガラス素板を切り出す。切り出し成形工程S30では、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス素板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス素板を成形する(コアリング加工)。その後、内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す(フォーミング、チャンファリング)。
切り出し成形工程S30においては、ダイヤモンドカッターを用いて板状ガラスを切断し、この板状ガラスから円盤状のガラス素板を切り出す。切り出し成形工程S30では、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス素板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス素板を成形する(コアリング加工)。その後、内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す(フォーミング、チャンファリング)。
(第2ラッピング工程S40)
第2ラッピング工程S40においては、得られたガラス素板の両主表面に対して、第1ラッピング工程と同様にラッピング加工を行う。第2ラッピング工程S40を行うことにより、前工程である切り出し成形工程S30において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後に実施される粗研磨工程S60を短時間で完了させることが可能になる。
第2ラッピング工程S40においては、得られたガラス素板の両主表面に対して、第1ラッピング工程と同様にラッピング加工を行う。第2ラッピング工程S40を行うことにより、前工程である切り出し成形工程S30において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後に実施される粗研磨工程S60を短時間で完了させることが可能になる。
(端面研磨工程S50)
端面研磨工程S50においては、ガラス素板の内周端面および外周端面が、螺旋状のブラシ毛材を有する研磨ブラシを用いて研磨される。研磨ブラシとガラス素板の各端面との間に研磨スラリーを供給しつつ、研磨ブラシを各端面に当接させた状態で回転させる。ガラス素板を研磨液の中に浸漬した状態で、研磨ブラシを各端面に当接させた状態で回転させてもよい。
端面研磨工程S50においては、ガラス素板の内周端面および外周端面が、螺旋状のブラシ毛材を有する研磨ブラシを用いて研磨される。研磨ブラシとガラス素板の各端面との間に研磨スラリーを供給しつつ、研磨ブラシを各端面に当接させた状態で回転させる。ガラス素板を研磨液の中に浸漬した状態で、研磨ブラシを各端面に当接させた状態で回転させてもよい。
(粗研磨工程S60)
内周端面および外周端面が研磨されたガラス素板は、複数回に分けて主表面が粗く研磨される。たとえば、第1および第2粗研磨工程の2回にわけて、主表面が研磨される。徐々にガラス素板の仕上がり精度を高めることにより、平滑性および平坦性の高い表面を有するガラス素板を得ることができる。2回に分けて粗研磨を行なう場合、第1粗研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズおよび歪みを除去することを主たる目的とし、第2粗研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。
内周端面および外周端面が研磨されたガラス素板は、複数回に分けて主表面が粗く研磨される。たとえば、第1および第2粗研磨工程の2回にわけて、主表面が研磨される。徐々にガラス素板の仕上がり精度を高めることにより、平滑性および平坦性の高い表面を有するガラス素板を得ることができる。2回に分けて粗研磨を行なう場合、第1粗研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズおよび歪みを除去することを主たる目的とし、第2粗研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。
図7を参照して、粗研磨工程S60は、後続する精密研磨工程S80において最終的に必要とされるガラス素板の面粗さが効率よく得られるように、ガラス素板の両主表面に対して研磨スラリーを用いて粗研磨を行なう工程である。この工程で採用される研磨方法としては特に限定されず、両面研磨機を用いて研磨することが可能である。
本実施の形態においては、図7に示す両面研磨機40を用いた。両面研磨機40は、上下に相対向して設けられた下定盤41と上定盤42とを備える。下定盤41および上定盤42の対向面には、それぞれ研磨パッド43,44が固定されている。
ガラス素板1は、キャリア45の保持孔に保持され、下定盤41と上定盤42との間に挟まれる。下定盤41および上定盤42は駆動源(図示省略)によって回転される。下定盤41および上定盤42の回転駆動は、制御装置48により制御される。ガラス素板1がキャリア45の保持孔によって保持された状態で、上下の研磨パッド43,44によりガラス素板1の第1主表面および第2主表面が同時に研磨される。研磨時には、研磨剤供給装置46から研磨スラリーが供給される。図7において研磨剤供給装置46は一ヶ所であるがそれに限るものではなく、その位置と個数とは任意に構成することができる。
粗研磨工程S60の際、使用される研磨液(研磨スラリー)は、酸化セリウムまたは酸化ジルコニウムなどを研磨砥粒として含むとよい。研磨液中の酸化セリウムの濃度は、たとえば5%〜10%程度である。研磨するガラス素板の表面に対する取り代は、たとえば10μm〜30μmである。粗研磨によって、ガラス素板の表面のうねりおよび粗さを低く抑えることができる。粗研磨によって、ガラス素板の内周端面および外周端面の形状などを整えることもできる。粗研磨後のガラス素板の表面Raは、たとえば3〜10Å程度となる。以上のようにして、ガラス素板1の主表面が粗研磨される。当該粗研磨の後、ガラス素板1は、硫酸もしくはフッ化水素酸などを用いて酸洗浄される。
(化学強化工程S70)
図6を再び参照して、粗研磨工程S60の後、ガラス素板1は化学強化される。化学強化液としては、たとえば硝酸カリウム(60%)と硫酸ナトリウム(40%)との混合液を用いることができる。化学強化液は、たとえば300℃〜400℃に加熱される。洗浄したガラス素板1は、たとえば200℃〜300℃に予熱される。ガラス素板1は、化学強化液中にたとえば3時間〜4時間浸漬される。
図6を再び参照して、粗研磨工程S60の後、ガラス素板1は化学強化される。化学強化液としては、たとえば硝酸カリウム(60%)と硫酸ナトリウム(40%)との混合液を用いることができる。化学強化液は、たとえば300℃〜400℃に加熱される。洗浄したガラス素板1は、たとえば200℃〜300℃に予熱される。ガラス素板1は、化学強化液中にたとえば3時間〜4時間浸漬される。
浸漬の際には、ガラス素板1の両主表面全体が化学強化されるように、複数のガラス素板1が各々の端面で保持されるように、ホルダーに収納した状態で行うことが好ましい。ガラス素板1を化学強化液中に浸漬することによって、ガラス素板1の表層のアルカリ金属イオン(リチウムイオンおよびナトリウムイオン)が、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きい化学強化塩(ナトリウムイオンおよびカリウムイオン)に置換される。これにより、ガラス素板1の表層にはたとえば50μm〜200μmの厚さを有する圧縮応力層が形成される。
圧縮応力層の形成によってガラス素板1の表面が強化され、ガラス素板1は、良好な耐衝撃性を有することとなる。化学強化処理されたガラス素板1は、適宜洗浄される。たとえば、ガラス素板1は、硫酸で洗浄された後に、純水またはIPA(イソプロピルアルコール)等を用いてさらに洗浄される。
(精密研磨工程S80)
化学強化工程S70の後、ガラス素板1に対して精密研磨処理が実施される。精密研磨工程S80は、ガラス素板1の主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。精密研磨工程S80では、上述の粗研磨工程S60と同様に、両面研磨機(図7参照)を用いてガラス素板1に対する精密研磨が行われる。
化学強化工程S70の後、ガラス素板1に対して精密研磨処理が実施される。精密研磨工程S80は、ガラス素板1の主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。精密研磨工程S80では、上述の粗研磨工程S60と同様に、両面研磨機(図7参照)を用いてガラス素板1に対する精密研磨が行われる。
精密研磨工程S80と上記の粗研磨工程S60とでは、使用される研磨液(スラリー)に含有される研磨砥粒、および、使用される研磨パッドの組成が異なる。精密研磨工程S80では、粗研磨工程S60よりも、圧縮応力層が形成されたガラス素板1の表面に供給される研磨液中の研磨砥粒の粒径を小さくし、研磨パッドの硬さを柔らかくする。
精密研磨工程S80に用いられる研磨パッドとしては、たとえば軟質発泡樹脂ポリッシャーである。精密研磨工程S80に用いられる研磨液としては、たとえば、粗研磨工程S60で用いる酸化セリウム砥粒よりも微細な粒径を有するコロイダルシリカが用いられる。精密研磨工程S80に用いられるコロイダルシリカの粒径(1次)は、15nm〜80nmであることが好ましい。コロイダルシリカを用いた精密研磨によって、ガラス素板の表面の平滑性が高くなる。
(スクラブ洗浄工程S90)
精密研磨工程S80の後、ガラス素板1に対してスクラブ洗浄処理が実施される。具体的には、精密研磨工程S80において使用した研磨パッドから精密研磨後のガラス素板1を取り外した後、ガラス素板1の表面に洗浄液を供給しつつ、圧縮応力層が形成されたガラス素板1の表面に対してスクラブ洗浄装置を用いてスクラブ洗浄を行なう。
精密研磨工程S80の後、ガラス素板1に対してスクラブ洗浄処理が実施される。具体的には、精密研磨工程S80において使用した研磨パッドから精密研磨後のガラス素板1を取り外した後、ガラス素板1の表面に洗浄液を供給しつつ、圧縮応力層が形成されたガラス素板1の表面に対してスクラブ洗浄装置を用いてスクラブ洗浄を行なう。
本実施の形態におけるガラス基板の製造方法においては、精密研磨工程S80の後であってスクラブ洗浄工程S90の前に、いわゆるリンス工程は実施されない。研磨パッドから精密研磨後のガラス素板1を取り外す際には、ガラス素板1は、研磨液が十分に付着した状態で研磨パッドからそのまま取り外される。ガラス素板1は、研磨砥粒の濃度が0.5w%以上10w%以下の研磨液(若しくは他の液体)と接触した状態のままで、両面研磨機の研磨パッドから取り外される。その後、ガラス素板1はスクラブ洗浄される。
ガラス素板1は、両面研磨機の研磨パッドから取り外された後、一時的に水中保管されてもよい。水中保管により、精密研磨後にガラス素板1の表面が乾燥することを防ぎつつ、精密研磨後のガラス素板1に付着している研磨滓または遊離砥粒等の異物の量を低減することができる。所定の時間だけガラス素板1を水中保管した後、ガラス素板1をスクラブ洗浄装置にセットし、ガラス素板1に対するスクラブ洗浄を行う。
スクラブ洗浄としては、たとえば、洗剤または純水等の洗浄液が用いられる。スクラブ洗浄に用いられる洗浄液のpHは、9.0以上12.2以下であるとよい。この範囲内であれば、ζ電位を容易に調整でき、効率的にスクラブ洗浄を行なうことが可能となる。スクラブ洗浄としては、洗剤によるスクラブ洗浄と、純水によるスクラブ洗浄との双方を行ってもよい。洗剤および純水を用いることによって、より適切にガラス素板1を洗浄できる。洗剤によるスクラブ洗浄と純水によるスクラブ洗浄との間に、ガラス素板1を純水でさらにリンス処理してもよい。
図8に、スクラブ洗浄装置の一例として、ロールスクラブ洗浄装置を示す。図8に示すロールスクラブ洗浄装置50は、ノズル52、支持ローラー54、および互いに圧接するように配置された1対のスポンジローラー55,56を含む。ガラス素板1をスポンジローラー55,56のニップ部で挟み込んだ状態で、上方に配設されたノズル52から、スポンジローラー55,56とガラス素板1との接触部近傍に洗浄液53が滴下またはスプレー噴霧される。
一対のスポンジローラー55,56を互いに逆方向に回転させると同時に、ガラス素板1も支持ローラー54で支持しながら回転させることにより、ガラス素板1の表裏面全体が洗浄される。スクラブ洗浄の洗浄条件としては、2つのスポンジローラー55,56の回転数はそれぞれ同一でもよいし、必要に応じてそれぞれ異なる回転数としてもよい。
スポンジローラー55,56の回転数は、300rpm〜500rpm程度に設定されるとよい。ガラス素板1の回転数は、100rpm〜300rpm程度に設定されるとよい。洗浄液53の供給速度は、50ml/分〜500ml/分程度に設定されるとよい。スクラブ洗浄の時間は、たとえば10秒〜100秒である。ロールスクラブ洗浄装置50の使用によって、ガラス素板1の表面は十分に洗浄される。ガラス素板1の表面に傷が付くこともほとんどない。
図9に、スクラブ洗浄装置の他の例として、カップスクラブ洗浄装置を示す。図9に示すカップスクラブ洗浄装置51においても、互いに圧接するように配置された一対のスポンジローラー57,58のニップ部にガラス素板1が挟み込まれる。上方に配設されたノズル52から、スポンジローラー57,58とガラス素板1との接触部近傍に洗浄液53が滴下またはスプレー噴霧される。1対のスポンジローラー57,58を互いに同方向に回転させると同時に、ガラス素板1も支持ローラー54で支持しながら回転させることにより、ガラス素板1の表裏面全体が洗浄される。
スクラブ洗浄工程S90におけるスクラブ洗浄装置としては、図9に示すロールスクラブ洗浄装置50が用いられてもよいし、図9に示すカップスクラブ洗浄装置51が用いられてもよい。スクラブ洗浄を行った後に、ガラス素板1に対して超音波洗浄をさらに行ってもよい。洗剤および純水によるスクラブ洗浄を行った後に、硫酸水溶液等の薬液による超音波洗浄、純水による超音波洗浄、洗剤による超音波洗浄、IPAによる超音波洗浄、およびまたは、IPAによる蒸気乾燥等を更に行ってもよい。
図6を再び参照して、本実施の形態におけるガラス基板の製造方法S100としては、以上のように構成される。ガラス基板の製造方法S100を使用することによって、図2および図3に示す本実施の形態のガラス素板1を得ることができる。
(磁気薄膜形成工程S200)
スクラブ洗浄処理が完了したガラス素板1の両主表面(またはいずれか一方の主表面)に対し、磁気記録層が形成される。磁気記録層は、たとえば、Cr合金からなる密着層、CoFeZr合金からなる軟磁性層、Ruからなる配向制御下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、C系からなる保護層、およびF系からなる潤滑層が順次成膜されることによって形成される。磁気記録層の形成によって、図4および図5に示す情報記録媒体10を得ることができる。
スクラブ洗浄処理が完了したガラス素板1の両主表面(またはいずれか一方の主表面)に対し、磁気記録層が形成される。磁気記録層は、たとえば、Cr合金からなる密着層、CoFeZr合金からなる軟磁性層、Ruからなる配向制御下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、C系からなる保護層、およびF系からなる潤滑層が順次成膜されることによって形成される。磁気記録層の形成によって、図4および図5に示す情報記録媒体10を得ることができる。
(作用・効果)
冒頭に述べたように、ガラス基板の表面の高平滑性と耐衝撃性とを両立するために、化学強化工程の後に精密研磨工程が行なわれる場合がある。本実施の形態におけるガラス基板の製造方法においても、化学強化工程S70の後に、精密研磨工程S80が行なわれる。
冒頭に述べたように、ガラス基板の表面の高平滑性と耐衝撃性とを両立するために、化学強化工程の後に精密研磨工程が行なわれる場合がある。本実施の形態におけるガラス基板の製造方法においても、化学強化工程S70の後に、精密研磨工程S80が行なわれる。
図10を参照して、ここで、比較例におけるガラス基板の製造方法S101のように、化学強化工程S70の後に精密研磨工程S80が行なわれ、さらに精密研磨工程S80とその後のスクラブ洗浄工程S90との間にリンス工程S85が行なわれたとする。リンス工程S85は、両面研磨機の研磨パッドからガラス素板が取り外される前に、研磨パッドとガラス素板との間にリンス用の洗浄液が供給されて行なわれるものである。
比較例のガラス基板の製造方法S101を使用して製造されたガラス基板をハードディスクに搭載し、そのハードディスクに対して高温多湿の環境下で落下試験を行なったとする。この場合、ガラス基板の製造方法S101を使用して製造されたガラス基板を備えたハードディスクの耐落下衝撃性は、本実施の形態のガラス基板の製造方法S100を使用して製造されたガラス基板を備えたハードディスクに比べて低くなる。
すなわち、ガラス基板の製造方法S101を使用して製造されたガラス基板の表面には、極微小の傷(凹凸)の存在している。ハードディスクが高温多湿の環境下に置かれた際、この極微小の傷からイオンが溶出する。その結果、イオンが溶出した分だけイオン交換効果が薄まることにより、ガラス素板には圧縮応力層の弱い部分が発生する。この圧縮応力層の弱い部分を起点としてガラス素板に割れが発生することにより、比較例のガラス基板の製造方法S101を使用して製造されたガラス基板を搭載するハードディスクとしては、耐落下衝撃が低下することとなる。
本発明者らは、この極微小な傷がどの工程が原因で発生しているかを鋭意考察したところ、この極微小な傷の発生は、リンス工程、スクラブ洗浄工程、および、化学強化工程がそれぞれ影響していることがわかった。
比較例のガラス基板の製造方法S101のように、リンス工程は、研磨砥粒を含んだスラリーと呼ばれる液体にて精密研磨を行った後に、ガラス素板の表面に残存した研磨砥粒を除去するために行われる。一般的には、このリンス工程を行なった後、スクラブ洗浄を引き続き行うことにより、高い清浄度を達成できると考えられていた。
ここで、リンス工程を行うことで、ガラス素板に付着している研磨砥粒の濃度(量)は低下する。一方で、研磨機(研磨パッド)からガラス素板の表面へ付与される圧力は、リンス工程が行なわれている最中は略一定の値である。したがって、リンス工程においてガラス素板の表面に残留している研磨砥粒の量が徐々に減少することに伴って、研磨パッドの研磨砥粒に対する圧力の分散が減り、研磨パッドから研磨砥粒の1粒1粒(一次粒子でも二次粒子でも同様)に付与される圧力が増加することとなって、研磨砥粒の1粒1粒のガラス素板に作用する圧力も次第に高くなる。
研磨砥粒の濃度が低くなるにつれて、1粒1粒の研磨砥粒としてはその分強くガラス素板の表面に接触することとなる。特に、一般的なリンス工程においては、純水またはRO水などが使われており、洗浄液のpHは5〜8の中性領域である。よって、ζ電位の観点からも、研磨砥粒の濃度が低くなるにつれて、ガラス素板の表面には研磨砥粒の1粒1粒が付着しやすくなる。
本実施の形態のガラス基板の製造方法S100のように、両面研磨機の研磨パッドからガラス素板をリンス処理せずに取り外した後にガラス素板の表面上に残留している研磨砥粒が除去される場合、ガラス素板の表面は研磨砥粒からの圧力を受けることがほとんどない。したがってこの場合、研磨砥粒がガラス素板の表面に強固に付着することはほとんどなく、研磨砥粒はガラス素板の表面から容易に除去されることができる。
ガラス素板の表面に強く付着した研磨砥粒は、その後のスクラブ洗浄などでも除去しにくい。たとえばUS洗浄(超音波洗浄)などでは、使用される超音波の波長よりも砥粒径が極端に小さいため、強く付着した研磨砥粒に対する洗浄効果は低い。研磨砥粒は20nm程度の粒径を有するものを使用するのが一般的であるため、高周波であっても除去が行いにくい。
その結果、リンス工程にてガラス素板の表面に残存した少量の付着物は、スクラブ洗浄を行うまで除去されず、スクラブ洗浄が行われている際もガラス素板の表面に存在することとなる。スクラブ洗浄においては、ガラス素板の表面に強固に付着した研磨砥粒は除去されるが、スクラブ洗浄の際には、ガラス素板の表面に強固に付着した研磨砥粒によって、ガラス素板の表面には極微小な傷が入ってしまう。研磨砥粒がガラス素板の表面に強く付着しているため、研磨砥粒は、スクラブによって取り除かれる前にガラス素板の表面に対して強く擦り付けられてしまうからである。
このような極微小の傷は、圧縮応力層がガラス素板の表面に形成されている場合に特に発生しやすい。その理由としては、圧縮応力層がガラス素板の表面に形成されている場合、ガラス素板の表面においては、イオン半径の大きいイオンの割合が多くなる。したがって、コロイダルシリカなどの研磨砥粒は、ガラス素板の表面に、より安定して付着しやすくなると考えられる。コロイダルシリカは、ガラス素板の表面にファンデルワールス力または静電的な作用により付着しているが、イオン半径の大きいイオンが存在することで、このイオンがコロイダルシリカの末端の水酸基などと作用し、ガラス素板の表面により安定して付着しやすくなると考えられる。特に、リンス工程などにより液性が中性付近になるとコロイダルシリカの等電点は酸性であるため、水酸基はO−となり、より安定する傾向になる。
リンス工程に起因して発生する上記のような極微小の傷は、一般的な傷と違って、光学検査機では検知されない。上記のような極微小の傷は局所的に発生するため、ガラス素板の表面粗さなどにも影響しない。極微小の傷を有するガラス基板をハードディスクに組み込んでも、磁気ヘッドと衝突を起こすこともないため、通常の環境下で使用する際には問題ない傷である。しかし、そのようなハードディスクが高温多湿の環境下に置かれた場合、上記したようにイオン溶出の原因となり、結果として、耐落下衝撃性の低下につながることとなる。
これに対して、本実施の形態におけるガラス基板の製造方法S100においては、化学強化工程S70および精密研磨工程S80が順次実施された後、リンス工程を実施することなくスクラブ洗浄工程S90が行なわれる。研磨砥粒がガラス素板の表面に強固に付着することがないため、研磨砥粒は、スクラブ洗浄においてガラス素板の表面に傷を付けることなく十分に除去されることが可能となる。したがって本実施の形態におけるガラス基板の製造方法S100によれば、化学強化処理後に精密研磨工程を行なう場合であっても、得られたガラス基板の耐衝撃性が低下することを抑制することが可能となる。
[実験例]
図11を参照して、上述の実施の形態に関し、実施例1〜6および比較例1に基づく下記の実験を行なった。実施例1〜6および比較例1においては、これらのすべてに共通して、上述の実施の形態と同様に粗研磨工程S60(図6参照)までを実施した。
図11を参照して、上述の実施の形態に関し、実施例1〜6および比較例1に基づく下記の実験を行なった。実施例1〜6および比較例1においては、これらのすべてに共通して、上述の実施の形態と同様に粗研磨工程S60(図6参照)までを実施した。
(実施例1)
実施例1の化学強化工程S70においては、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として準備した。400℃に加熱した化学強化塩の中にガラス基板を浸漬し、6時間イオン交換を行った。ガラス基板を化学強化塩から取り出した後、ガラス基板を急冷し、温水にて洗浄して硝酸塩をガラス基板の表面から取り除いた。
実施例1の化学強化工程S70においては、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として準備した。400℃に加熱した化学強化塩の中にガラス基板を浸漬し、6時間イオン交換を行った。ガラス基板を化学強化塩から取り出した後、ガラス基板を急冷し、温水にて洗浄して硝酸塩をガラス基板の表面から取り除いた。
実施例1の精密研磨工程S80においては、ガラス基板を両面研磨機にセットし、一次粒子径が20nmのコロイダルシリカを含む研磨液を用いて研磨し、ガラス基板の表面粗さが2Åになるまで研磨した。その後、コロイダルシリカ(研磨砥粒)を5.0w%含む溶液(研磨液)にガラス基板を接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。
実施例1のスクラブ洗浄工程S90においては、80kHzの超音波を使用して超音波洗浄を行った後に、スクラブ洗浄を行った。超音波洗浄とスクラブ洗浄との順番は、どちらが先であっても良い。スクラブ洗浄に用いた洗浄液のpHは、10.5である。上記洗浄後、超純水などによるリンス工程を行った後に、IPAベーパーにて乾燥させた。以降の各工程は、上述の実施の形態と同様である。
(実施例2)
実施例2の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を3.0w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが11.0である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
実施例2の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を3.0w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが11.0である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
(実施例3)
実施例3の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を0.5w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが9.0である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
実施例3の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を0.5w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが9.0である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
(実施例4)
実施例4の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を10.0w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが12.2である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
実施例4の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を10.0w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが12.2である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
(実施例5)
実施例5の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を0.5w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが8.0である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
実施例5の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を0.5w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが8.0である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
(実施例6)
実施例6の化学強化工程S70においては、硝酸Kを化学強化塩として用いて上述の実施例1と同様に化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を10.0w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが10.5である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
実施例6の化学強化工程S70においては、硝酸Kを化学強化塩として用いて上述の実施例1と同様に化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を10.0w%含む溶液(研磨液)に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(リンス工程は実施していない)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが10.5である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
(比較例1)
比較例1の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を0.01w%含む溶液に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(ガラス基板を研磨パッドから取り外す前にリンス工程を実施した)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが11.0である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
比較例1の化学強化工程S70においては、上述の実施例1と同様に、硝酸Naと硝酸Kとを5:5(モル比)の割合で混合させたものを化学強化塩として用いて化学強化処理を行なった。精密研磨工程S80においては、上述の実施例1と同様に精密研磨処理を実施した後、ガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を0.01w%含む溶液に接触させながら、研磨パッドからガラス基板を取り外した(ガラス基板を研磨パッドから取り外す前にリンス工程を実施した)。スクラブ洗浄工程S90においては、pHが11.0である洗浄液を用いて、上述の実施例1と同様に洗浄処理を行なった。
(耐衝撃性試験結果)
実施例1〜6および比較例1によって得られたガラス基板に対して磁気記録層の成膜処理を行ない、それぞれハードディスクに組み込んだ。実施例1〜6および比較例1の各々に対応するハードディスクを、200℃でRH80%の環境下で96時間放置した。その後、実施例1〜6および比較例1の各々に対応するハードディスクをそれぞれ落下させ、耐落下衝撃性について評価した。
実施例1〜6および比較例1によって得られたガラス基板に対して磁気記録層の成膜処理を行ない、それぞれハードディスクに組み込んだ。実施例1〜6および比較例1の各々に対応するハードディスクを、200℃でRH80%の環境下で96時間放置した。その後、実施例1〜6および比較例1の各々に対応するハードディスクをそれぞれ落下させ、耐落下衝撃性について評価した。
荷重が1100Gの際にガラス基板に割れが生じた場合、評価Bとした。荷重が1200Gの際にガラス基板に割れが生じた場合、評価Aとした。荷重が1300Gの際にガラス基板に割れが生じた場合、評価Sとした。荷重が1300Gの際でもガラス基板に割れが生じない場合、評価SSとした。
図11に示す結果から、化学強化処理に用いられる化学強化塩は、少なくともナトリウムイオンを含む方が良いと考えられる。化学強化塩にナトリウムイオンが含まれる場合、圧縮応力層が安定して形成されるためである。カリウムイオンとナトリウムイオンとの比率は、ガラス基板の耐衝撃性には特に影響しないと考えられる。
比較例1に示すように、研磨パッドからガラス基板を取り外す際、リンス工程を実施してガラス基板をコロイダルシリカ(研磨砥粒)を0.5w%未満の溶液に接触させながら取り外す場合には、耐落下衝撃性が悪化することがわかる。
洗浄液のpHを12.2以下にすることにより耐落下衝撃性が維持できることがわかる。洗浄液のpHが9より低い値であれば、実施例1から4よりもコロイダルシリカが凝集しやすくなるため傷ができやすくなると考えられる。洗浄液のpHが12.2より大きい場合、ガラス基板の表面粗さRaが悪化するため問題となると考えられる。
以上、本発明に基づいた実施の形態および各実施例について説明したが、今回開示された実施の形態および各実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ガラス基板(ガラス素板)、2,3 主表面、4 内周端面、5 孔、6 外周端面、7,8 面取部、10 情報記録媒体、12 圧縮応力層、14 磁気記録層、20 筐体、21 ヘッドスライダー、22 サスペンション、23 アーム、24 垂直軸、25 ボイスコイル、26 ボイスコイルモーター、27 クランプ部材、28 固定ネジ、30 情報記録装置、40 両面研磨機、41 下定盤、42 上定盤、43,44 研磨パッド、45 キャリア、46 研磨剤供給装置、48 制御装置、50 ロールスクラブ洗浄装置、51 カップスクラブ洗浄装置、52 ノズル、53 洗浄液、54 支持ローラー、55,56,57,58 スポンジローラー。
Claims (5)
- ガラス素板に含有されるアルカリ金属イオンをそのイオン半径よりも大きいイオン半径を有する化学強化塩にイオン交換することによって、前記ガラス素板の表面に圧縮応力層を形成する工程と、
研磨パッドを含む研磨機を準備し、前記圧縮応力層が形成された前記ガラス素板の前記表面に研磨砥粒を含む研磨液を供給しつつ、前記圧縮応力層が形成された前記ガラス素板の前記表面に対して前記研磨パッドを摺接させて精密研磨を行なう工程と、
前記研磨パッドから前記精密研磨後の前記ガラス素板を取り外した後、前記ガラス素板の前記表面に洗浄液を供給しつつ、前記圧縮応力層が形成された前記ガラス素板の前記表面に対してスクラブ洗浄装置を用いてスクラブ洗浄を行なう工程と、を備え、
前記研磨パッドから前記精密研磨後の前記ガラス素板を取り外す際には、前記ガラス素板は、前記研磨砥粒の濃度が0.5w%以上10w%以下の液体と接触した状態で前記研磨機の前記研磨パッドから取り外される、
情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 前記精密研磨を行なう工程に用いられる前記研磨砥粒は、コロイダルシリカを含む、
請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 前記スクラブ洗浄を行なう工程に用いられる前記スクラブ洗浄装置は、ロールスクラブ洗浄装置である、
請求項1または2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 前記スクラブ洗浄を行なう工程に用いられる前記洗浄液のpHは、9.0以上12.2以下である、
請求項1から3のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 前記圧縮応力層を形成する工程に用いられる前記化学強化塩は、ナトリウムイオンとカリウムイオンとを含む、
請求項1から4のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013551579A JPWO2013099584A1 (ja) | 2011-12-28 | 2012-12-11 | 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法 |
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