JP5297281B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」という)等の磁気ディスク装置に用いられる磁気ディスク用のガラス基板の製造方法に関する。
近年、高記録密度化に適した磁気ディスク用基板の一つとして、ガラス基板が用いられている。ガラス基板は、金属の基板に比べて剛性が高いので、磁気ディスク装置の高速回転化に適している。また、ガラス基板は、平滑で平坦な表面が得られるので、磁気ヘッドの浮上量を低下させてS/N比の向上と高記録密度化に適している。
一般に磁気ディスク用ガラス基板は、ガラス原料を加熱融解させて溶融ガラスを準備する工程と、この溶融ガラスを板状のガラスディスクに成形する工程と、板状に成形されたガラスディスクを加工し研磨してガラス基板を作製する工程が順次実行されることにより作製される。
溶融ガラスを板状のガラスディスクに成形するにあたっては、プレス法、フロート法等の成形方法が採用されている。プレス法では、円柱状のガラス母材から磁気ディスク用基板よりも少し厚い厚さのガラスディスクに切断し、ガラスディスクの形状を整えると共に所望の平坦度及び板厚に加工する。ガラスディスクを所望の平坦度及び板厚に加工する研削工程では、ラッピング装置を用い、ガラスディスクを目標の板厚に研削すると共に目標の平坦度に加工する。ガラスディスクをラッピング装置の上定盤と下定盤とで挟み、これを逆方向に回転させながら遊離砥粒(スラリー)を用いて加工する。遊離砥粒はガラスディスクの所定の寸法精度及び形状精度に応じた粒度の砥粒を用いており、最初の研削加工(ラップ1)では大きな粒径の遊離砥粒を用いて研削し、2回目の研削加工(ラップ2:精ラッピング工程)では小さな粒径の遊離砥粒を用いて研削している。
ところで、上記ラップ2の研削加工において、遊離砥粒に比べて粒径の小さい固定砥粒を研削パッドとして使用して、ガラス基板に発生するクラックを浅くし、ラップ2の研削加工終了時点での表面粗さを小さくすることが行われている(特許文献1)。例えば、シートにダイヤモンド粒子を貼り付けたダイヤモンドシートを研削パッドとして使用する。ダイヤモンドシートは、接着剤や両面テープなどにより定盤に固定される。ダイヤモンドシートに使用するダイヤモンド粒子は、遊離砥粒として使用されるアルミナ系粒子の粒径と比べて小さいので、クラックを浅くでき、表面粗さも小さくすることが可能である。
特開2008−254166号公報
ダイヤモンドシートを用いた研削加工を連続的に行うと、ダイヤモンドシートの表面において定盤軸心から同心円状にうねりが生じる。このため、被加工物である磁気ディスク用ガラス基板にも同心円状のうねりが生じてしまう。このため、ダイヤモンドシートは、所定の加工数毎に修正処理を行って同心円状のうねりを除去している。ダイヤモンドシートの修正処理においては、遊離砥粒を樹脂で固めてなる砥石を用いてダイヤモンドシートの表面を平坦にしている。
ダイヤモンドシートを修正するような工具に関しては寿命を向上させるために硬度を高くする方向に開発が向かっている。上記砥石は、使用する樹脂の種類と焼結温度によって硬度が高くなる。しかしながら、砥石の硬度を高くすると、磨耗速度が非常に速くなってしまう。これは、ダイヤモンドシートの修正処理の際に、砥石に含まれた砥粒が研磨液に混合し、この研磨液を循環して使用することで、研磨液中の砥粒濃度が上昇するためであると考えられる。
このため、ダイヤモンドシートの修正処理量(除去板厚量)を制御することができず、仕上がったダイヤモンドシートの表面粗さが所望値より遥かに粗くなってしまう。その結果、このように修正されたダイヤモンドシートを用いて研削加工された磁気ディスク用ガラス基板は、バッチ間の板厚のばらつきが大きくなり、平坦度のばらつきが大きくなってしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、所望の表面粗さに修正処理された固定砥粒シートを用いて、バッチ間で平坦度のばらつきが小さくなるように研削加工を行うことができる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、固定砥粒を有するシートを用いて磁気ディスク用ガラス基板の主表面の平坦度を調整する表面研削工程を備えた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記表面研削工程において、ジルコニアを含有する遊離砥粒を含む研磨液及び鋳鉄製リングを用い、両面研磨機において面圧及び回転数を単調増加させ、一定に維持し、その後単調減少させて修正処理した前記シートを用いて表面研削を行うことを特徴とする。
この方法によれば、所望の表面粗さに修正処理された固定砥粒シートを用いるので、バッチ間で板厚のばらつきが小さくなるように研削加工を行うことができる。これにより、バッチ間での平坦度のばらつきが小さい状態で磁気ディスク用ガラス基板を製造することができる。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、前記遊離砥粒が#1000〜#4000の粒度範囲のものであり、前記研磨液の濃度が5重量%〜20重量%であることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、前記遊離砥粒の濃度に応じて前記修正処理の時間を変えることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、前記シートの修正量が、新品のシートの表面凹凸の差異の最大値をA(mm)とし、前記新品のシートの板厚ばらつきの最大値をB(mm)としたときに、(A+B)×2(mm)以上であることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、固定砥粒を有するシートを用いて磁気ディスク用ガラス基板の主表面の平坦度を調整する表面研削工程を備えた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記表面研削工程において、ジルコニアを含有する遊離砥粒を含む研磨液及び鋳鉄製リングを用いて修正した前記シートを用いて表面研削を行うので、所望の表面粗さに修正処理された固定砥粒シートを用いて、バッチ間で平坦度のばらつきが小さくなるように研削加工を行うことができる。
ダイヤモンドシートの模式図である。 修正処理の際の面圧と回転数のプロファイルを示す図である。 修正処理時間と遊離砥粒濃度との間の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
固定砥粒を用いて磁気ディスク用ガラス基板の主表面の平坦度を調整する表面研削加工を行う場合には、固定砥粒パッドを上下定盤に装着する。この固定砥粒パッドは、基材に研削砥粒を散在させてなるものである。例えば、固定砥粒パッドとしては、図1に示すようなダイヤモンドシート10が挙げられる。このダイヤモンドシート10は、基材であるシート11にダイヤモンド砥粒12を研削砥粒として備えたものである。基材としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)などを用いることができる。
このダイヤモンドシートを用いた研削加工を連続的に行うと、上述したように、ダイヤモンドシートの表面において定盤軸心から同心円状にうねりが生じる。このため、ダイヤモンドシートは、所定の加工数毎に修正処理を行って同心円状のうねりを除去する。本発明においては、ジルコニアを含有する遊離砥粒を含む研磨液及び鋳鉄製リングを用いてダイヤモンドシートを修正処理する。
修正処理に遊離砥粒を用いることにより、研磨液における砥粒の濃度を維持することができる。このため、修正処理において一定の速度で修正処理(加工)を行うことが可能となる。また、修正処理に遊離砥粒を用いることにより、研磨液を調整したときの砥粒濃度で、修正処理の速度と修正処理後のダイヤモンドシートの粗さとを制御することができる。そのため、修正処理後に直ちに製品加工が可能な粗さにダイヤモンドシートを仕上げることが可能である。さらに、遊離砥粒を用いたとしても、掃除に関しては砥石と変わりはない。
遊離砥粒としては、アルミナ砥粒、炭化珪素砥粒などを挙げることができる。例えば、本発明に係る遊離砥粒はジルコニアを含む。具体的には、FO(フジミ社製)、AZ(平成サンケイ社製)、MO(日ノ本研磨剤社製)、RO(理研コランダム社製)などが挙げられる。また、遊離砥粒は、表面粗さを考慮すると、#1000〜#4000の粒度範囲のものが好ましい。また、研磨液における遊離砥粒の濃度は、加工速度などを考慮すると、5重量%〜20重量%であることが好ましい。研磨液に用いる水については、使用するダイヤモンドの砥粒径に応じて濾過水や純水を選択する。
本発明において、修正処理に鋳鉄製リングを用いる。鋳鉄製リングは、外形寸法公差が要求を満たすので、ダイヤモンドシートが取り付けられた定盤の平坦度を修正処理後に所望の値とすることができる。また、修正処理に鋳鉄製リングを用いることにより、磨耗速度が一定となり、長期間にわたって使用することができる。
修正処理においては、両面研磨機にダイヤモンドシートを装着し、さらに鋳鉄製リングを等間隔に配置した状態で、例えば、図2に示すような荷重(面圧)及び回転数でジルコニアを含む遊離砥粒を用いてダイヤモンドシートを研磨処理する。すなわち、面圧及び回転数を単調増加させ、一定に維持し、その後単調減少させるような直線状のプロファイルになるようにして修正処理を行う。これにより自在なパッド面の真直状況を得ることができる。なお、修正処理中に研磨液を循環する流量は、ダイヤモンド砥粒の高さに応じて調整する。例えば、ダイヤモンド砥粒の高さが高いときには、修正処理中に研磨液を循環する流量を相対的に多くする。
ダイヤモンドシートを修正処理して適切な量だけ研磨除去する場合、研磨液中の遊離砥粒の濃度により修正時間が異なる。例えば、図3に示すように、同じ研磨除去量に要する修正処理時間は、研磨液中の遊離砥粒の濃度が高いほど短くなる。したがって、修正処理においては、使用する研磨液中の遊離砥粒の濃度に応じて修正処理の時間を変えることが好ましい。
ここで、修正処理により研磨除去する必要(最適)量について検討する。新品のダイヤモンドシートの表面凹凸の差異と、板厚ばらつきとを以下の装置を用いてより数値化し、それぞれの最大値を調べた。その結果、新品のダイヤモンドシートの表面凹凸の差異の最大値(A)が約0.02mmであり、新品のダイヤモンドシートの板厚ばらつきの最大値(B)が約0.03mmであった。修正処理により研磨除去する必要量(D)は、(A+B)×2(上面、下面)とすることができるので、必要量D=(0.02+0.03)×2=0.1mm以上である。このように、ダイヤモンドシートの修正量は、100μm以上であることが好ましい。
日立造船社製「真直度形状測定器HSSシリーズ」
ミツトヨ社製「微細輪郭形状測定器SV600シリーズ(感度1100倍)」
キーエンス社製「渦電流測定器 EX−110V(分解能0.4μm)」
このように、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法では、固定砥粒を用いて磁気ディスク用ガラス基板の主表面の平坦度を調整する表面研削工程を備えており、この表面研削工程において、ジルコニアを含有する遊離砥粒を含む研磨液及び鋳鉄製リングを用いて修正した前記シートを用いて表面研削を行う。これにより、所望の表面粗さに修正処理された固定砥粒シートを用いるので、バッチ間で板厚のばらつきが小さくなるように研削加工を行うことができる。ここで、所望の表面粗さとは、パッドの表面を直接測定して適宜設定しても良いが、例えば、表面研削工程後の基板として表面粗さが2.5〜3.5μm程度、及び、最終製品の基板としてRvが1μm以下(Ra0.1μm以下)となるように適宜設定することができる。
磁気ディスク用ガラス基板の材料として好ましいガラスとしては、アルミノシリケートガラスを挙げることができる。アルミノシリケートガラスは、優れた平滑鏡面を実現することができるとともに、例えば、化学強化を行うことによって、破壊強度を高めることができる。
アルミノシリケートガラスとしては、SiO:62重量%〜75重量%、Al:5重量%〜15重量%、LiO:4重量%〜10重量%、NaO:4重量%〜12重量%、ZrO:5.5重量%〜15重量%を主成分として含有するとともに、NaOとZrOとの重量比が0.5〜2.0、AlとZrOとの重量比が0.4〜2.5である化学強化用ガラスが好ましい。
また、本発明において製造する磁気ディスク用ガラス基板をなす材料は、前述したものに限定されるわけではない。すなわち、ガラス基板の材質としては、前述したアルミノシリケートガラスの他に、例えば、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、または、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどを挙げることができる。
磁気ディスク用ガラス基板の製造工程は、素材加工工程及び第1ラッピング工程(ラップ1);端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び/又は内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程));第2ラッピング工程(ラップ2);端面研磨工程(外周端部及び内周端部);主表面研磨工程(第1及び第2研磨工程);化学強化工程:洗浄工程などの工程を含む。なお、主表面研磨工程(第2研磨工程)と化学強化工程とは順序が逆であっても良い。
以下に、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程の各工程について説明する。
(1)素材加工工程及び第1ラッピング工程
まず、素材加工工程においては、板状ガラスの表面をラッピング(研削)加工してガラス母材とし、このガラス母材を切断してガラスディスクを切り出す。板状ガラスとしては、様々な板状ガラスを用いることができる。この板状ガラスは、例えば、溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの方法うち、プレス法を用いれば、板状ガラスを廉価に製造することができる。
第1ラッピング工程においては、板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス基材とする。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行うことができる。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス基板を得ることができる。
(2)端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程))
コアリング工程においては、例えば、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とする。チャンファリング工程においては、内周端面及び外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す。
(3)第2ラッピング工程
第2ラッピング工程においては、得られたガラス基板の両主表面について、第2ラッピング加工を行う。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。本発明においては、図1に示すような固定砥粒パッドを用いて行う。この固定砥粒パッドは、新しく張り替えたとき、基板の平坦度が悪化したとき、パッドにウェーブが生じたときなどに修正処理がなされる。この修正処理においては、ジルコニアを含有する遊離砥粒を含む研磨液及び鋳鉄製リングを用いる。
(4)端面研磨工程
端面研磨工程においては、ガラス基板の外周端面及び内周端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行う。このとき、研磨砥粒としては、例えば、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いることができる。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止できる鏡面状態になる。
(5)主表面研磨工程(第1研磨工程)
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施す。第1研磨工程は、前述のラッピング工程で主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする工程である。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行う。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いることができる。
(6)主表面研磨工程(最終研磨工程)
次に、最終研磨工程として、第2研磨工程を施す。第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする工程である。第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行う。スラリーとしては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細なコロイダルシリカ砥粒(平均粒子径0.5μm以下)を用いることがきる。
(7)化学強化工程
化学強化工程においては、前述のラッピング工程及び研磨工程を終えたガラス基板に化学強化を施す。化学強化に用いる化学強化液としては、例えば、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)の混合溶液などを用いることができる。化学強化においては、化学強化液を300℃〜400℃に加熱し、洗浄済みのガラス基板を200℃〜300℃に予熱し、化学強化溶液中に3時間〜4時間浸漬することによって行う。この浸漬の際には、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行うことが好ましい。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中の相対的にイオン半径の大きなナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例)
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラス素材(ブランクス)を得た。この時点でブランクスの直径は66mmであった。次に、このブランクスの両主表面を第1ラッピング加工した後、円筒状のコアドリルを用いて、このガラス基板の中心部に穴部を形成して円環状のガラス基板に加工(コアリング)した。そして端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング加工(面取り面形成工程))を施して、直径2.5インチのガラス基板とした。
次いで、このガラス基板に砥粒径が4μmであるダイヤモンド砥粒を有するダイヤモンドシートを用いて第2ラッピング加工を行った。このときの1バッチの加工数は100枚である。第2ラッピング後の各ガラス基板の平坦度をニレック製FT900(非接触式平坦度)により測定したところ、平坦度ばらつきが±4μmであった。次いで、ガラス基板の外周端部について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。そして、鏡面研磨工程を終えたガラス基板を水洗浄した。
次いで、主表面研磨工程として、ガラス基板の両主表面に対して第1研磨工程を施した。第1研磨工程においては、研磨装置として、両面研磨機を使用した。この研磨装置における研磨パッドとしては、ウレタンパッドを用いた。また、研磨剤としては、セリウム研磨剤を用いた。また、研磨条件としては、加工面圧を130g/cmとし、加工回転数を22rpmとした。これにより、ガラス基板の主表面の表面粗さRaは約1.0nmとなった。
次いで、ガラス基板の両主表面について、主表面を鏡面状に仕上げる第2研磨工程を施した。第2研磨工程においては、研磨装置として、両面研磨機を使用した。この研磨装置における研磨パッドとしては、軟質スウェードパッド(アスカーC硬度:54、圧縮変形量:476μm、密度:0.53g/cm)を用いた。また、研磨剤としては、平均粒径20nmのコロイダルシリカ研磨剤を用いた。また、研磨条件としては、加工面圧を60g/cmとし、加工回転数を20rpmとした。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、アルカリ溶液に浸漬して、超音波を印加して洗浄し、アルカリ洗浄液を用いてスクラブ洗浄を行い、極微量に希釈した希硫酸及び前記アルカリ洗浄液で洗浄を行った後に、IPA(イソプロピルアルコール)の蒸気乾燥を行った。
次いで、上述した最終研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を380°Cに加熱し、その中に洗浄済みのガラス基板を約4時間浸漬することによって行った。
ダイヤモンドシートを用いた第2ラッピング加工においては、基板の平坦度が4μmを超えたときに、#1000のアルミナ遊離砥粒(遊離砥粒全量に対してジルコニアを35重量%含有)を16重量%含有する研磨液を用い、鋳鉄製リングを用いて20μm〜30μm(削り量)を研磨除去した。
上述した工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板(修正処理前後のバッチのものから抽出したガラス基板)に対して、インライン型スパッタリング装置にて、NiAlシード層、CrV下地層、CoPtCrB磁性層、水素化カーボン保護層を成膜し、ディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層を形成して磁気ディスクを作製した。得られた磁気ディスクに対して、長期信頼性試験を行った。長期信頼性試験としては、ロード/アンロード方式のHDD装置に搭載した際の耐久性を調べた。耐久性試験は、DFHヘッドを用いてヘッド浮上量(スライダ浮上量)を9nmでロード・アンロード試験を規定回数(100万回)実施することにより行った。その結果、ガラス基板から作製された磁気ディスクにヘッドクラッシュなどの不具合は生じなかった。これは、ダイヤモンドシートの修正処理に遊離砥粒及び鋳鉄製リングを用いたので、研磨速度が速すぎず、ダイヤモンドシートの表面粗さを所望の値にすることができ、バッチ間で板厚のばらつきが小さくすることができ、これにより、バッチ間での平坦度のばらつきが小さい状態で磁気ディスク用ガラス基板を製造することができたためであると考えられる。
(比較例)
第2ラッピング加工において、ダイヤモンドシートの修正処理に、遊離砥粒を樹脂で固めてなる砥石を用いること以外実施例と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を作製した。なお、第2ラッピング後の各ガラス基板の平坦度を実施例と同様にして測定したところ、平坦度ばらつきが4μm以上であった。このようにして得られた磁気ディスク用ガラス基板を用いて実施例と同様にして磁気ディスクを作製した。得られた磁気ディスクに対して、実施例と同様にして長期信頼性試験を行ったところ、30万回でヘッドクラッシュが発生した。これは、ダイヤモンドシートの修正処理に遊離砥粒を樹脂で固めてなる砥石を用いたので、研磨速度が速すぎ、ダイヤモンドシートの表面粗さを所望の値にすることができず、バッチ間で板厚のばらつきが大きくなり、これにより、バッチ間での平坦度のばらつきが大きくなったためであると考えられる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。上記実施の形態においては、固定砥粒パッドがダイヤモンドシートである場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、固定砥粒パッドがダイヤモンドシート以外の固定砥粒パッドである場合にも適用することができる。例えば、上記実施の形態における材質、個数、サイズ、処理手順などは一例であり、本発明の効果を発揮する範囲内において種々変更して実施することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
10 ダイヤモンドシート
11 シート
12 ダイヤモンド砥粒

Claims (4)

  1. 固定砥粒を有するシートを用いて磁気ディスク用ガラス基板の主表面の平坦度を調整する表面研削工程を備えた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記表面研削工程において、ジルコニアを含有する遊離砥粒を含む研磨液及び鋳鉄製リングを用い、両面研磨機において面圧及び回転数を単調増加させ、一定に維持し、その後単調減少させて修正処理した前記シートを用いて表面研削を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記遊離砥粒が#1000〜#4000の粒度範囲のものであり、前記研磨液における前記遊離砥粒の濃度が5重量%〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記遊離砥粒の濃度に応じて前記修正処理の時間を変えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記シートの修正量が、新品のシートの表面凹凸の差異の最大値をA(mm)とし、前記新品のシートの板厚ばらつきの最大値をB(mm)としたときに、(A+B)×2(mm)以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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