JP5702448B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハードディスクドライブ装置に搭載される磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
ハードディスクドライブ装置(HDD装置)に搭載される磁気記録媒体として磁気ディスクがある。磁気ディスクは、アルミニウム−マグネシウム合金などで構成された金属板上にNiP膜を被着した基板、ガラス基板、セラミックス基板上に磁性層や保護層を積層したりして作製される。従来では、磁気ディスク用の基板としてアルミニウム合金基板が広く用いられていたが、近年の磁気ディスクの小型化、薄板化、高密度記録化に伴って、アルミニウム合金基板に比べて表面の平坦度や薄板での強度に優れたガラス基板が用いられるようになってきている。
このような磁気ディスク用ガラス基板は、形状加工工程及び第1ラッピング工程(第1研削工程);端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程));端面研磨工程(外周端部及び内周端部);第2ラッピング工程(第2研削工程);主表面研磨工程(第1及び第2研磨工程);化学強化工程などの工程を経て製造される。
ガラス基板の外周端面を研磨する方法としては、特許文献1に開示されているように、回転ブラシによる研磨方法が知られている。この研磨方法においては、複数のガラス基板を積層して円柱状とし、一対の円柱状の回転ブラシ及びガラス基板をそれぞれ回転させた状態で研磨用スラリーを供給し、ガラス基板の外周端面に回転ブラシを接触させる。
特開平11−28649号公報
上記回転ブラシは、使用していくと共に毛材が磨耗して行くので、使用済バッチ数が増えると共に、磁気ディスク用ガラス基板の外周端部に対する取り代(削り量)が変化する。したがって、時間などの研磨条件が同じであっても、回転ブラシの使用初期と使用末期とでは、外周端部の品質が異なることがある(使用済バッチ数により品質がばらつく)。このような品質のばらつきを抑えるために、回転ブラシの使用初期と使用末期とで研磨条件を変えることが考えられる。しかしながら、このように回転ブラシの使用初期と使用末期とで研磨条件を変えても、外周端部の品質のばらつきは比較的大きいものとなる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、磁気ディスク用ガラス基板の外周端部の端面研磨における品質の変動幅を小さく抑えることができる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、外周端部に面取り面を有する円環状の磁気ディスク用ガラス基板の前記外周端部に当接するようにして配設された転ブラシに遊離砥粒を供給し、前記転ブラシと前記遊離砥粒とを用いて研磨を行うブラシ研磨方法により鏡面研磨を行う端面研磨工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記端面研磨工程では、前記回転ブラシとして、使用されたバッチ数に対応して毛材の先端形状が異なっている複数の回転ブラシを同時に使用することによって、前記面取り面の角度を調整し、研磨後の前記面取り面の角度のバッチ間での変動幅を小さくすることを特徴とする。
また本発明では、前記端面研磨工程では、前記外周端部の面取り面の角度がバッチ間で一定になるように、前記複数の回転ブラシのそれぞれの先端形状を変えるべく、それぞれの回転ブラシの交換タイミングを決定し、決定されたタイミングで各回転ブラシを交換し、前記複数の回転ブラシのそれぞれの交換タイミングをずらすことが好ましい。
これにより、面取り面の角度をバッチ間で一定にすることができる。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、前記複数の回転ブラシは、前記磁気ディスク用ガラス基板を挟んで配設された一対の回転ブラシであることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、特定の回転ブラシが寿命使用済バッチ数の約半分の使用済バッチ数のときに、他の回転ブラシを新規のものに交換することが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、端面研磨工程前の面取り面の角度と、端面研磨工程後の面取り面の角度が実質的に等しいことが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、円環状の磁気ディスク用ガラス基板の外周端面に当接するようにして配設された複数の回転ブラシを用いるブラシ研磨方法により鏡面研磨を行う端面研磨工程を有し、前記端面研磨工程において、前記外周端部に対する前記複数の回転ブラシによる研磨力が一定になるように、所定のバッチ数を経る毎に各回転ブラシを交互に新規のものに交換するので、磁気ディスク用ガラス基板の外周端部の端面研磨における品質の変動幅を小さく抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において使用する端面研磨装置を示す図である。 本発明の実施の形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法における回転ブラシの交換時期を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法における回転ブラシの使用初期から末期の状態を説明するための図である。 (a),(b)は、本発明の実施の形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法における回転ブラシの使用初期から末期にかけての面取り面角度の比較を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、磁気ディスク用ガラス基板の材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦性及び基板強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を提供することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好ましく用いることができる。
磁気ディスク用ガラス基板の製造工程は、素材加工工程及び第1ラッピング工程;端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び/又は内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程));端面研磨工程(外周端部及び内周端部);第2ラッピング工程;主表面研磨工程(第1及び第2研磨工程);化学強化工程などの工程を含む。本発明の方法においては、端面研磨工程において、濃度のばらつきが所定の範囲内に調整された研磨用スラリーを用いるので、研磨用スラリーの研磨能力のばらつきを抑えることができ、その結果、外周端部の各端部の品質ばらつきを処理バッチ間で小さくすることができる。
以下に、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程の各工程について説明する。
(1)素材加工工程及び第1ラッピング工程
まず、素材加工工程においては、板状ガラスの表面をラッピング(研削)加工してガラス母材とし、このガラス母材を切断してガラスディスクを切り出す。板状ガラスとしては、様々な板状ガラスを用いることができる。この板状ガラスは、例えば、溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの方法のうち、プレス法を用いれば、板状ガラスを廉価に製造することができる。
第1ラッピング工程においては、板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス基材とする。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行うことができる。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス基板を得ることができる。
(2)端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程))
コアリング工程においては、例えば、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とする。チャンファリング工程においては、内周端面及び外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す。
(3)第2ラッピング工程
第2ラッピング工程においては、得られたガラス基板の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行う。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(4)端面研磨工程
端面研磨工程においては、ガラス基板の外周端部及び内周端部について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行う。このとき、研磨砥粒としては、例えば、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いることができる。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を防止できる鏡面状態になる。
ここで、端面研磨工程で使用する端面研磨装置について説明する。図1は、磁気ディスク用ガラス基板の端面研磨装置を示す図である。図1に示す端面研磨装置において、ガラス基板1は複数枚が積層されて円柱状に保持されている。本実施の形態では、端面研磨装置が、ガラス基板1の外周端面に当接するようにしてガラス基板1を挟むようにして配設された一対の回転ブラシを備えており、この円柱状のガラス基板1を一対の回転ブラシで研磨する場合について説明する。積層されたガラス基板1には、一対の回転ブラシ2が接触している。これらガラス基板1及び一対の回転ブラシ2を各々平行な軸心で同じ方向に回転させることにより、ガラス基板1の外周面の研磨を行う。また、ガラス基板1と一対の回転ブラシ2の接点には、ノズル3が近接されており、このノズルから研磨用スラリーが供給される。
本実施の形態においては、研磨用スラリー6を循環して使用するようになっている。ノズル3から吐出された研磨用スラリー6は、ガラス基板1と回転ブラシ2との間で研磨に供された後に、流下して回収槽4によって回収されて第2タンク9に貯留される。
このようにして第2タンク9において濃度が調整された研磨用スラリー6は、ポンプ10により送出され、再度ノズル3から吐出されて研磨位置に供給されるようになっている。このような端面研磨装置では、回転ブラシ2とガラス基板1とが互いに接触しながら回転することにより、研磨用スラリー6を介して回転ブラシ2がガラス基板1の外周端面を鏡面研磨する。
本発明の方法においては、ガラス基板1の外周端部に対する一対の回転ブラシによる研磨力が一定になるように、所定のバッチ数を経る毎に各回転ブラシを交互に新規のものに交換する。すなわち、一対の回転ブラシ間で所定の使用済バッチ数を経る毎に交互に新規のものに交換するようにする。このため、一方の回転ブラシが使用末期となっても他方の回転ブラシがまだ使用中期となり、あるいは、一方の回転ブラシが使用初期のときに他方の回転ブラシが使用中期となる。例えば、図2に示すように、一対の回転ブラシ2A,2Bがあるとして、回転ブラシ2Bの使用済バッチ数が50バッチで回転ブラシ2Aの使用済バッチ数が0バッチである場合、その状態から50バッチの研磨処理を行った時点で、回転ブラシ2Aをそのままにして、回転ブラシ2Bを新規の回転ブラシ2Cに交換し、その状態で更に50バッチの研磨処理を行う。そして、その時点で回転ブラシ2Cをそのままにして、回転ブラシ2Aを新規の回転ブラシ2Dに交換する。以後、同様の処理を繰り返し行う。ここでは、回転ブラシの寿命使用済バッチ数を100バッチと設定し、その半分である50バッチで交換する場合について説明している。この交換時期については、回転ブラシの寿命使用済バッチ数に応じて適宜設定することができる。例えば、寿命使用済バッチ数の約半分の使用済バッチ数で交換を行う。
このように、一対の回転ブラシで互いに使用済バッチ数を異ならせることにより(回転ブラシの交換時期をずらすことにより)、磁気ディスク用ガラス基板に作用する力のばらつきを小さくすることができる。
図3に示すように、回転ブラシの使用初期と使用末期では毛材の先端形状が異なる。回転ブラシの使用初期においては、図3に示すように、端面研磨前の面取り面の角度a(チャンファー角度)より端面研磨後のチャンファー角度bが大きくなる(a<b)。回転ブラシの使用中期においては、図3に示すように、端面研磨前の面取り面の角度a(チャンファー角度)と端面研磨後のチャンファー角度bがほぼ等しい(a≒b)。回転ブラシの使用末期においては、図3に示すように、端面研磨前の面取り面の角度a(チャンファー角度)より端面研磨後のチャンファー角度bが小さくなる(a>b)。
このため、回転ブラシの使用初期と使用末期では毛材の先端形状が異なるので、一対の回転ブラシの交換時期を揃えると、回転ブラシの使用初期と使用末期との間の磁気ディスク用ガラス基板に作用する力がばらつく。例えば、一対の回転ブラシの交換時期を揃えて端面研磨加工を行ったときの面取り面の角度は図4(a)に示すように大きい。一方、本発明のように、所定のバッチ数を経る毎に各回転ブラシを交互に新規のものに交換すると、一方の回転ブラシが使用末期で他方の回転ブラシが使用中期となる時期と、一方の回転ブラシが使用初期で他方の回転ブラシが使用中期となる時期との間の磁気ディスク用ガラス基板に作用する力のばらつきが小さい。例えば、所定のバッチ数を経る毎に各回転ブラシを交互に新規のものに交換しながら端面研磨加工を行ったときの面取り面の角度は、図4(b)に示すように小さい。このように、本発明によれば、磁気ディスク用ガラス基板の外周端部の端面研磨における品質の変動幅を小さく抑えることができる。このようにして、磁気ディスク用ガラス基板の外周端面に対する複数の回転ブラシによる研磨力が一定になるように調整することが可能となる。
また、端面研磨工程では、外周端部に対する、単位時間当たりの取りしろ及び外周端面と面取り面の鏡面度がバッチ間で一定になるように、複数の回転ブラシにおけるそれぞれの回転ブラシの交換タイミングを決定し、決定されたタイミングで各回転ブラシを交換する。古い回転ブラシは、加工レートは低いが、外周端面及び面取り面の鏡面度を向上させる効果と面取り面の角度を低くする効果がある。一方、新しい回転ブラシは、加工レートは高いが、外周端面及び面取り面の鏡面度はあまり良くない。同時に面取り面の角度を高くする効果がある。このように、加工レート(取りしろ)と鏡面度及び面取り面の角度とはトレードオフの関係にある。したがって、取りしろと鏡面度及び面取り面の角度とをバッチ間で一定になるようなタイミングで回転ブラシを交換することにより、この3つの条件の両方を満足するために、回転ブラシの交換タイミングを決定する。この交換タイミングについては、回転ブラシの寿命使用済バッチ数と加工レートとの間の関係、回転ブラシの寿命使用済バッチ数と鏡面度との間の関係や回転ブラシの寿命使用済バッチ数と面取り面の角度との間の関係を予め求めておき、これらの関係から適宜設定することができる。
(5)主表面研磨工程(第1研磨工程)
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施す。第1研磨工程は、前述のラッピング工程で主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする工程である。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行う。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いることができる。
(6)主表面研磨工程(最終研磨工程)
次に、最終研磨工程として、第2研磨工程を施す。第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする工程である。第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行う。スラリーとしては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒(平均粒子径0.8μm)を用いることがきる。
(7)化学強化工程
化学強化工程においては、前述のラッピング工程及び研磨工程を終えたガラス基板に化学強化を施す。化学強化に用いる化学強化液としては、例えば、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)の混合溶液などを用いることができる。化学強化においては、化学強化液を300℃〜400℃に加熱し、洗浄済みのガラス基板を200℃〜300℃に予熱し、化学強化溶液中に3時間〜4時間浸漬することによって行う。この浸漬の際には、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行うことが好ましい。なお、化学強化に用いる混合溶液における塩の配合比については、塩の種類により適宜変更して用いることができる。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中の相対的にイオン半径の大きなナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例)
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラス素材(ブランクス)を得た。この時点でブランクスの直径は66mmであった。次に、このブランクスの両主表面を第1ラッピング加工した後、円筒状のコアドリルを用いて、このガラス基板の中心部に穴部を形成して円環状のガラス基板に加工(コアリング)した。そして端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング加工(面取り面形成工程))を施して、直径2.5インチのガラス基板とした。その後、このガラス基板に第2ラッピング加工を行った。
次いで、ガラス基板の外周端部について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。なお、ブラシ研磨方法による鏡面研磨においては、図2に示すように、50バッチ毎に交互に回転ブラシを交換した。そして、鏡面研磨工程を終えたガラス基板を水洗浄した。
次いで、主表面研磨工程として、ガラス基板の両主表面に対して第1研磨工程を施した。第1研磨工程においては、研磨装置として、両面研磨機を使用した。この研磨装置における研磨パッドとしては、ウレタンパッドを用いた。また、研磨剤としては、セリウム研磨剤を用いた。また、研磨条件としては、加工面圧を130g/cm2とし、加工回転数を22rpmとした。これにより、ガラス基板の主表面の表面粗さRaは約1.0nmとなった。
次いで、ガラス基板の両主表面について、主表面を鏡面状に仕上げる第2研磨工程を施した。第2研磨工程においては、研磨装置として、両面研磨機を使用した。この研磨装置における研磨パッドとしては、軟質スウェードパッド(アスカーC硬度:54、圧縮変形量:476μm、密度:0.53g/cm3)を用いた。また、研磨剤としては、平均粒径20nmのコロイダルシリカ研磨剤を用いた。また、研磨条件としては、加工面圧を60g/cm2とし、加工回転数を20rpmとした。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、アルカリ溶液に浸漬して、超音波を印加して洗浄し、アルカリ洗浄液を用いてスクラブ洗浄を行い、極微量に希釈した希硫酸及び前記アルカリ洗浄液で洗浄を行った後に、IPA(イソプロピルアルコール)の蒸気乾燥を行った。
次いで、上述した最終研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を380°Cに加熱し、その中に洗浄済みのガラス基板を約4時間浸漬することによって行った。そして、この化学強化を終えたガラス基板に対して、酸洗浄、アルカリ洗浄、及び純水洗浄を順次行った。これにより形成された強化応力層の厚さは100μmであった。
このような工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板について、表面粗さ形状測定機を用いて外周端面の算術平均粗さ(Ra)を測定した。また、1バッチ目と100バッチ目とでの算術平均粗さ(Ra)を比較した。その結果、1バッチ目の算術平均粗さはRa0.15μmであり、100バッチ目の算術平均粗さはRa0.12μmであり、処理バッチ間での品質ばらつきを小さく抑えることができた。また、ブラシの使用初期と使用末期との間の面取り面の角度の差を調べたところ1.510度で小さかった。このように、処理バッチ間での品質ばらつきが小さかったのは、一対の回転ブラシで使用済バッチ数をそれぞれ異ならせて、所定の使用済バッチ数を経る毎に交互に新規のものに交換したため、ガラス基板の端面に作用する力のばらつきを小さくできたためであると考えられる。
(比較例)
端面研磨工程において、一対の回転ブラシの交換時期(50バッチ)を揃えること以外は実施例と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を製造した。この磁気ディスク用ガラス基板について、実施例と同様にして1バッチ目と100バッチ目の外周端面の算術平均粗さを求めた。その結果、1バッチ目の算術平均粗さはRa0.33μmであり、100バッチ目の算術平均粗さはRa0.08μmであり、処理バッチ間での品質ばらつきが非常に大きかった。また、ブラシの使用初期と使用末期との間の面取り面の角度の差を調べたところ2.932度で大きかった。これは、一対の回転ブラシの交換時期(50バッチ)が揃い、使用初期と使用末期との間の研磨能力の差が大きく、ガラス基板の端面に作用する力のばらつきを小さくできないからであると考えられる。
このように、本発明によれば、端面研磨工程において、一対の回転ブラシの使用済バッチ数を互いに異ならせ、所定の使用済バッチ数を経る毎に交互に新規のものに交換することで、磁気ディスク用ガラス基板の外周端部の端面研磨における品質の変動幅を小さく抑えることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、適宜変更して実施することができる。上記実施の形態においては、端面研磨装置が、ガラス基板の外周端部に当接するようにしてガラス基板を挟むように配設された一対の回転ブラシを備えた場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、端面研磨装置が、ガラス基板の外周端部に当接するようにしてガラス基板を挟むように配設された複数のブラシを備えている場合にも同様に適用することができる。また、上記実施の形態においては、ガラス基板に対して第1研磨加工及び最終研磨加工を行った後に化学強化を行う場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、ガラス基板に対して第1研磨加工を行った後に化学強化を行い、その後に最終研磨加工を行う場合にも同様に適用することができる。また、上記実施の形態における材質、個数、サイズ、処理手順などは一例であり、本発明の効果を発揮する範囲内において種々変更して実施することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
1 ガラス基板
2,2A,2B,2C,2D 回転ブラシ
3 ノズル
4 回収槽
5 第1タンク
6 研磨用スラリー
7,10 ポンプ
8 濾過装置
9 第2タンク

Claims (5)

  1. 外周端部に面取り面を有する円環状の磁気ディスク用ガラス基板の前記外周端部に当接するようにして配設された転ブラシに遊離砥粒を供給し、前記転ブラシと前記遊離砥粒とを用いて研磨を行うブラシ研磨方法により鏡面研磨を行う端面研磨工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記端面研磨工程では、前記回転ブラシとして、使用されたバッチ数に対応して毛材の先端形状が異なっている複数の回転ブラシを同時に使用することによって、前記面取り面の角度を調整し、研磨後の前記面取り面の角度のバッチ間での変動幅を小さくすることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 記端面研磨工程では、前記外周端の面取り面の角度がバッチ間で一定になるように、前記複数の回転ブラシのそれぞれの先端形状を変えるべく、それぞれの回転ブラシの交換タイミングを決定し、決定されたタイミングで各回転ブラシを交換し、前記複数の回転ブラシのそれぞれの交換タイミングをずらすことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 特定の回転ブラシが寿命使用済バッチ数の約半分の使用済バッチ数のときに、他の回転ブラシを新規のものに交換することを特徴とする請求項記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記複数の回転ブラシが、前記磁気ディスク用ガラス基板を挟んで配設された一対の回転ブラシであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 端面研磨工程前の面取り面の角度と、端面研磨工程後の面取り面の角度が実質的に等しいこと特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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