JP2010238310A - 磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】端面を安定した寸法精度、形状精度に加工できる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のガラス基板の製造方法は、円環状に形成され、端面を有する磁気ディスク用基板の端面を研磨する端面研磨工程を有し、前記端面研磨工程においては、予め決められた移動量で研磨砥石をトラバースさせて駆動することにより、前記磁気ディスク用基板の前記端面を研磨することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のガラス基板の製造方法は、円環状に形成され、端面を有する磁気ディスク用基板の端面を研磨する端面研磨工程を有し、前記端面研磨工程においては、予め決められた移動量で研磨砥石をトラバースさせて駆動することにより、前記磁気ディスク用基板の前記端面を研磨することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハードディスクドライブ装置(HDD装置)等の磁気ディスク装置に用いられる磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
近年、HDD装置の記録容量の増大に伴い、HDD装置の高回転化が求められている。HDD装置の高回転化には、基板の内外径の寸法精度が寄与しており、記録面に直接関わらない基板の端面部の品質向上が必要とされている。従来の基板の製造工程において、基板の端面部は研磨によって加工される(例えば、特許文献1参照)。
一般に、磁気ディスク用基板の製造工程の端面研磨装置は、基板を回転させる回転機構と、基板を研磨するブラシと、このブラシを回転させるブラシ回転機構と、を備えており、研磨材を供給することにより端面研磨を行う。基板の端面部の研磨は、基板及びブラシを相対的に回転させながら研磨材を投入することにより、研磨材が基板に接触することで行われる。
しかしながら、従来の端面研磨装置はバッチ式で研磨するため、研磨材などの性状変化により、品質のバラつきが生じてしまう。一方、研磨工程での人為作業によるマニュアル補正による研磨の調整も行われていたが、熟練度に差が生じていた。このように、従来の磁気ディスク用基板の製造工程においては、物質面、人的面それぞれの組み合わせが経時的に変化するため、バッチ内のバラつきと共に、バッチ間のバラつきが発生し、基板の端面の品位、寸法の制御及び高精度化が困難であった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、端面を安定した寸法精度、形状精度に加工できる磁気ディスク用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法は、円環状に形成され、端面を有する磁気ディスク用基板の端面を研磨する端面研磨工程を有する磁気ディスク用基板の製造方法であって、前記端面研磨工程において、予め決められた移動量で研磨砥石をトラバースさせて駆動することにより、前記磁気ディスク用基板の前記端面を研磨することを特徴とする。
この方法によれば、NC制御により回転砥石をトラバース移動し、基板端面を枚葉式に研磨するので、常時加工動作を安定化させることができると共に、研磨量を精密に制御することができる。このため、高品質かつ寸法性の高い磁気ディスク用基板を製造することができる。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法においては、前記磁気ディスク用基板の外周端面及び内周端面を共に研磨することが好ましい。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法においては、前記砥石が総形形状砥石であることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法においては、前記研磨砥石を監視して磨耗量を算出し、前記磨耗量に基づいて前記研磨砥石の移動量を補正することが好ましい。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法においては、前記磁気ディスク用基板がガラス基板であることが好ましい。
本発明によれば、円環状に形成され、端面を有する磁気ディスク用基板の端面を研磨する端面研磨工程において、予め決められた移動量で研磨砥石をトラバースさせて駆動することにより、前記磁気ディスク用基板の前記端面を研磨するので、端面を安定した寸法精度、形状精度に加工することができる。
磁気ディスクの高容量化に伴い、高回転化に耐え得る磁気ディスク用ガラス基板の品質の向上が要望されている。従来の端面研磨装置はバッチ式で研磨するため、バッチ間のバラつきが発生し、ガラス基板の端面の品位、寸法の制御及び高精度化が困難であった。
本発明者は、NC(Numerical Control)制御を用いて研磨砥石の駆動を制御して枚葉式で研磨加工することにより、バラつきを小さくして端面研磨を行うことができることを見出し本発明をするに至った。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、磁気ディスク用基板がガラス基板である場合について説明する。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法は、円環状に形成され、端面を有する磁気ディスク用基板の端面を研磨する端面研磨工程において、予め決められた移動量で研磨砥石をトラバースさせて駆動することにより、前記磁気ディスク用基板の前記端面を研磨することを特徴とする。
上記方法は、例えば、図1に示す端面研磨装置を用い行われる。図1は、本発明の実施の形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法で使用する端面研磨装置の概略図である。
図1に示す端面研磨装置は、一対の主面11,12及び端面13(図2参照)を有するガラス基板1の外周端面を研磨する外周面用回転砥石2と、ガラス基板1の円環の内周端面を研磨する内周面用回転砥石3とを有する。外周面用回転砥石2は、外周側駆動部4により水平方向、鉛直方向に移動可能になっており、さらに回転可能になっている。内周面用回転砥石3は、内周側駆動部5により水平方向、鉛直方向に移動可能になっており、さらに回転可能になっている。また、外周面用回転砥石2は、その砥石形状を監視する外周面用砥石監視部6により監視されており、その磨耗量が測定される。内周面用回転砥石3は、その砥石形状を監視する内周面用砥石監視部7により監視されており、その磨耗量が測定される。
外周側駆動部4、内周側駆動部5、外周面用砥石監視部6及び内周面用砥石監視部7は、制御部8に電気的に接続されており、制御部8により制御されている。制御部8は、外周面用回転砥石2を予め決められた制御量でトラバースさせるように外周側駆動部4をNC制御すると共に、内周面用回転砥石3を予め決められた制御量でトラバースさせるように内周側駆動部5をNC制御する。このようにして、ガラス基板の外周端面及び内周端面を共に研磨することが可能である。また、制御部8は、外周面用砥石監視部6で求められた外周面用回転砥石2の磨耗量に基づいて外周面用回転砥石2の位置を補正する制御を行う。すなわち、外周面用回転砥石2をトラバースさせる際の基準の位置を補正する。また、同様に、制御部8は、内周面用砥石監視部7で求められた内周面用回転砥石3の磨耗量に基づいて内周面用回転砥石3の位置を補正する制御を行う。すなわち、内周面用回転砥石3をトラバースさせる際の基準の位置を補正する。
図2は、図1に示す端面研磨装置におけるガラス基板と研磨砥石との間の位置関係を示す模式図である。図2に示す研磨砥石は、外周面用回転砥石2を示しているが、内周面用回転砥石3についても同じ構成である。外周面用回転砥石2は、ガラス基板1の端面13と略平行である研磨面21と、ガラス基板1の面取り面14、15とそれぞれ略平行である研磨面22、23と、を備えた総形形状を有している。研磨面21は、回転砥石をトラバースさせて研磨するので、ガラス基板1の端面13よりも長く形成されている。また、研磨面22、23も、回転砥石をトラバースさせて研磨するので、ガラス基板の面取り面14、15よりも長く形成されている。
なお、本実施の形態においては、ガラス基板1の外周面の形状に対応する総形形状の外周面用回転砥石2を用いてガラス基板1の外周端面(面取り面を含む)を研磨するが、外周面用回転砥石2の形状はこれに限定されず、例えば、外周部の一部に対応する総形形状を持つ回転砥石を用いても良く、平面状の回転砥石を用いても良い。
特に、総形形状砥石を用いることにより、1つの砥石で上側面取り面、端面及び下側面取り面を研磨できるので、工程数を削減による時間短縮及びメンテナンスの軽減することができる。また、総形形状砥石を用いることにより、同一の材質、ロットで形成された1つの砥石によって、上側面取り面、端面及び下側面取り面の各面を研磨できるので、安定した鏡面加工を行うことができる。
このように構成された端面研磨装置を用いて、本実施の形態においては、NC制御によるトラバース加工を行いガラス基板1の端面研磨を行う。トラバース加工とは、被研削物を固定し、研削工具(砥石など)を回転軸方向に対して垂直方向に移動させて加工する方法である。なお、砥石を固定し、被加工物を移動させても同じ効果が得られるが、このトラバース加工を用いることにより、砥石が均一に磨耗するので研磨が平均的となり、鏡面加工を行うことができる。
次に、端面研磨装置のNC制御について説明する。本実施の形態においては、図3に示すように、外周部の上側面取り面14→端面13→下側面取り面15→端面13→…の順に研磨されるように外周面用回転砥石2を駆動する。すなわち、図3における矢印a〜矢印fの順に外周面用回転砥石2を移動させて、その動作を所望の研磨量になるまで繰り返す。
また、研磨加工は最初に粗粒度の砥石にて寸法だし研磨加工を行い、次に細粒度の砥石にて鏡面化加工を行う。粗粒度砥石を用いる場合及び細粒度砥石を用いる場合の研磨加工の制御は、共に同じである。なお、この研磨加工のNC制御については、ガラス基板1に応じた切り込み速度、移動速度、切り込み量(砥石の移動量)により条件を変えることが可能である。
また、本実施の形態においては、ガラス基板の寸法を制御するため、回転砥石の磨耗による形状変化を砥石監視部6,7で監視し、回転砥石の磨耗量を求め、この磨耗量から回転砥石の移動量を自動補正する。これは、加工前後の回転砥石自体の寸法変化を磨耗量として検出し、回転砥石の磨耗量に応じて予め求められた関係(例えば、磨耗量−補正値との間の関係)に基づいて自動的に回転砥石の移動量を補正する。これにより、加工時の回転砥石とガラス基板の相対位置が常時一定となり、ガラス基板1に対する回転砥石の移動の始点・終点が常時一定となるので、さらに精密加工を行うことができる。
次に、図5を参照して本実施の形態に係る端面研磨装置の制御フローについて説明する。
まず、ガラス基板1を吸引式ワークに固定する(ST1)。次いで、ガラス基板1を回転させると共に、外周側駆動部4及び内周側駆動部5により外周面用回転砥石2及び内周面用回転砥石3を回転させながら、図3に示すようにしてトラバースさせる。このようにして、ガラス基板1の外周端部及び内周端部を研磨加工する(ST2)。
まず、ガラス基板1を吸引式ワークに固定する(ST1)。次いで、ガラス基板1を回転させると共に、外周側駆動部4及び内周側駆動部5により外周面用回転砥石2及び内周面用回転砥石3を回転させながら、図3に示すようにしてトラバースさせる。このようにして、ガラス基板1の外周端部及び内周端部を研磨加工する(ST2)。
外周面用砥石監視部6及び内周面用砥石監視部7により、加工前後の回転砥石自体の寸法変化を磨耗量として測定する(ST3)。この磨耗量は、外周面用砥石監視部6及び内周面用砥石監視部7から制御部8にフィードバックされる。次いで、外周面用砥石監視部6及び内周面用砥石監視部7からの磨耗量に基づいて必要な研磨量を演算し、この研磨量に応じて外周面用回転砥石2及び内周面用回転砥石3の移動量(外周側駆動部4及び内周側駆動部5の回転数)が算出される(ST4)。この移動量は、回転数として制御部8から外周側駆動部4及び内周側駆動部5に出力される。そして、外周側駆動部4及び内周側駆動部5は、補正された回転数に基づいてそれぞれ外周面用回転砥石2及び内周面用回転砥石3を水平移動する(ST5)。最後に、研磨済みガラス基板1を吸引式ワークから搬出して端面研磨工程を終了する(ST6)。
本発明に係る方法によれば、トラバース加工を用いており、回転砥石の均一な磨耗を促し、研削、磨耗が平均的となるため、高品位の粗さを均一に出すことが可能となる。また、本発明に係る方法は、NC制御により、回転砥石の動作を数値化して距離と移動を制御し、回転砥石の移動量を加工時の切り込み量としている。このため、回転砥石の移動量の終点が加工後の内外径寸法の位置にすることにより、求める内外径寸法を正確に得ることができる。
なお、本発明に係る方法においては、総形形状砥石ではなく、平型砥石を用いて鏡面加工を行っても良い。この場合、平型砥石で上側面取り面を研磨した後、平型砥石の角度を変えて端面を研磨し、その後平型砥石の角度を再び変えて下側面取り面を研磨する。また、本発明に係る方法においては、複数の砥石を使用して鏡面加工を行っても良い。例えば、上側面取り面、端面及び下側面取り面のそれぞれに対応する所定の角度3つの砥石を配設し、それぞれの砥石をガラス基板に対して駆動することにより、鏡面研磨を行っても良い。この場合においても、上側面取り面、端面及び下側面取り面の研磨前後の砥石の移動量を検出し、NC制御を行うことにより、精密な端面研磨を行うことができる。
このように、本発明に係る方法によれば、回転砥石を用いて枚葉式で研磨加工するので、複数枚同時加工(バッチ式)した場合に生じる不均一性を排除することができ、精密研磨を行うことができる。
磁気ディスク用基板の材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦性及び基板強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を提供することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好ましく用いることができる。また、ガラス基板に限らず、本発明の効果は磁気ディスク基板種によらず発揮できることから、その他の磁気ディスク基板(アルミニウム基板など)への適用を排除するものではない。
磁気ディスク用基板の製造工程は、素材加工工程及び第1研削工程;端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び/又は内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程));端面研磨工程(外周端部及び内周端部);第2研削工程;主表面研磨工程(第1及び第2研磨工程);化学強化工程などの工程を含む。
以下に、磁気ディスク用基板の製造工程の各工程について説明する。ここでは、磁気ディスク用基板がガラス基板である場合について説明する。
(1)素材加工工程及び第1研削工程
まず、素材加工工程においては、ガラス基板となるガラス基材は、例えば溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの方法うち、プレス法を用いれば、板状ガラスを廉価に製造することができる。
まず、素材加工工程においては、ガラス基板となるガラス基材は、例えば溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの方法うち、プレス法を用いれば、板状ガラスを廉価に製造することができる。
第1研削工程においては、板状ガラスの両主表面を研削加工し、ディスク状のガラス基材とする。この研削加工は、遊星歯車機構を利用した両面研削装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行うことができる。具体的には、板状ガラスの両面に上下から研削定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させて研削加工を行う。この研削加工により、平坦な主表面を有するガラス基板を得ることができる。
(2)端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程))
コアリング工程においては、例えば、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とする。チャンファリング工程においては、内周端面及び外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す。
コアリング工程においては、例えば、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板とする。チャンファリング工程においては、内周端面及び外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す。
(3)第2研削工程
第2研削工程においては、得られたガラス基板の両主表面について、第1研削工程と同様に、第2研削加工を行う。この第2研削工程を行うことにより、前工程において主表面に形成された微細な凹凸形状/表面ダメージ・傷などを除去し、かつ第1研削よりもさらに表面粗さを低減することで、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
第2研削工程においては、得られたガラス基板の両主表面について、第1研削工程と同様に、第2研削加工を行う。この第2研削工程を行うことにより、前工程において主表面に形成された微細な凹凸形状/表面ダメージ・傷などを除去し、かつ第1研削よりもさらに表面粗さを低減することで、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(4)端面研磨工程
端面研磨工程においては、ガラス基板の外周端面及び内周端面について、上述したようにして、回転砥石を用いて鏡面研磨を行う。このとき、研磨砥粒としては、例えば、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いることができる。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面での汚染・ダメージ・傷の除去を行うことで、ナトリウムやカリウムのようなコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止できる状態になる。
端面研磨工程においては、ガラス基板の外周端面及び内周端面について、上述したようにして、回転砥石を用いて鏡面研磨を行う。このとき、研磨砥粒としては、例えば、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いることができる。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面での汚染・ダメージ・傷の除去を行うことで、ナトリウムやカリウムのようなコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止できる状態になる。
(5)主表面研磨工程(第1研磨工程)
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施す。主表面研磨加工においては、例えば、遊星歯車機構を用いた研磨装置を用いて行う。第1研磨工程は、前述のラッピング工程で主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする工程である。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行う。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いることができる。
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施す。主表面研磨加工においては、例えば、遊星歯車機構を用いた研磨装置を用いて行う。第1研磨工程は、前述のラッピング工程で主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする工程である。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行う。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いることができる。
(6)主表面研磨工程(最終研磨工程)
次に、最終研磨工程として、第2研磨工程を施す。第2研磨工程は、両主表面のうち記録面となる面のみを鏡面状に仕上げることを目的とする工程である。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行う。スラリーとしては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒やコロイダルシリカなどを用いることがきる。
次に、最終研磨工程として、第2研磨工程を施す。第2研磨工程は、両主表面のうち記録面となる面のみを鏡面状に仕上げることを目的とする工程である。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行う。スラリーとしては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒やコロイダルシリカなどを用いることがきる。
(7)化学強化工程
化学強化工程においては、前述の研削工程及び研磨工程を終えたガラス基板に化学強化を施す。化学強化に用いる化学強化液としては、例えば、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)の混合溶液などを用いることができる。化学強化においては、化学強化液を300℃〜400℃に加熱し、洗浄済みのガラス基板を200℃〜300℃に予熱し、化学強化溶液中に3時間〜4時間浸漬することによって行う。この浸漬の際には、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行うことが好ましい。
化学強化工程においては、前述の研削工程及び研磨工程を終えたガラス基板に化学強化を施す。化学強化に用いる化学強化液としては、例えば、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)の混合溶液などを用いることができる。化学強化においては、化学強化液を300℃〜400℃に加熱し、洗浄済みのガラス基板を200℃〜300℃に予熱し、化学強化溶液中に3時間〜4時間浸漬することによって行う。この浸漬の際には、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行うことが好ましい。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中の相対的にイオン半径の大きなナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例)
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラス素材(ブランクス)を得た。この時点でブランクスの直径は66mmである。次に、このブランクスの両主表面を第1研削加工して後、円筒状のコアドリルを用いて、このガラス基板の中心部に穴部を形成し円環状のガラス基板に加工(コアリング)を実施し、そして端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程))を施し、その後第2ラッピング加工を行った。
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラス素材(ブランクス)を得た。この時点でブランクスの直径は66mmである。次に、このブランクスの両主表面を第1研削加工して後、円筒状のコアドリルを用いて、このガラス基板の中心部に穴部を形成し円環状のガラス基板に加工(コアリング)を実施し、そして端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成するチャンファリング工程(面取り面形成工程))を施し、その後第2ラッピング加工を行った。
次いで、ガラス基板の外周端部及び内周端部について、上述した方法(NC制御により回転砥石をトラバースさせる方法)により、枚葉式で鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。
そして、鏡面研磨工程を終えたガラス基板を水洗浄した。これにより、ガラス基板の直径は65mmとなり、2.5インチ型磁気ディスクに用いる基板とすることができた。
次いで、主表面研磨工程として、ガラス基板の両主表面に対して第1研磨工程を施した。第1研磨工程においては、研磨装置として、両面研磨機を使用した。この研磨装置における研磨パッドとしては、軟質スウェードパッドを用いた。また、研磨剤としては、セリウム研磨剤を用いた。また、研磨条件としては、加工面圧を130g/cm2とし、加工回転数を22rpmとした。これにより、ガラス基板の算術平均粗さ(Ra)は約1.5nmとなった。
次いで、このガラス基板に対して第2研磨処理を施した。第2研磨工程においては、研磨装置として、両面研磨機を使用した。この研磨装置における研磨パッドとしては、軟質スウェードパッド(アスカーC硬度:54、圧縮変形量:476μm以上、密度:0.53g/cm3以下)を用いた。また、研磨剤としては、平均粒径100nmのセリウム研磨剤を用いた。また、研磨条件としては、加工面圧を60g/cm2とし、加工回転数を20rpmとした。ガラス基板の算術平均粗さ(Ra)は約0.30nmとなった。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、KOH溶液に浸漬して、超音波を印加して120秒洗浄し、アルカリ洗浄液を用いてスクラブ洗浄を4秒行い、極微量に希釈した希硫酸及びアルカリ洗浄液で洗浄を行った後に、IPA(イソプロピルアルコール)の蒸気乾燥を行った。
次いで、上述した第2研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を380°Cに加熱し、その中に洗浄済みのガラス基板を約4時間浸漬することによって行った。そして、この化学強化を終えたガラス基板に対して、酸洗浄、アルカリ洗浄、及び純水洗浄を順次行った。このようにして磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
このようにして得られたガラス基板100枚に対して、外周端面及び内周端面の算術平均粗さ(Ra)を微細輪郭測定器(ミツトヨ製SV−600)により測定し、そのバラつきを求めたところ、外周端面のバラつきが0.05μm〜0.07μmであり、内周端面のバラつきが0.05μm〜0.07μmであった。これは、NC制御により回転砥石をトラバース移動し、基板端面を枚葉式に研磨することで、常時加工動作を安定化させることができたためであると考えられる。
(比較例1)
ガラス基板の外周端部及び内周端部の端面研磨をバッチ式のブラシ研磨とすること以外は実施例と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を作製した。このようにして得られたガラス基板100枚に対して、外周端面及び内周端面の算術平均粗さ(Ra)を実施例と同様にして測定し、そのバラつきを求めたところ、外周端面のバラつきが0.07μm〜0.09μmであり、内周端面のバラつきが0.07μm〜0.09μmであった。これは、バッチ式で研磨したため、研磨材などの性状変化により、品質のバラつきが生じたためであると考えられる。
ガラス基板の外周端部及び内周端部の端面研磨をバッチ式のブラシ研磨とすること以外は実施例と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を作製した。このようにして得られたガラス基板100枚に対して、外周端面及び内周端面の算術平均粗さ(Ra)を実施例と同様にして測定し、そのバラつきを求めたところ、外周端面のバラつきが0.07μm〜0.09μmであり、内周端面のバラつきが0.07μm〜0.09μmであった。これは、バッチ式で研磨したため、研磨材などの性状変化により、品質のバラつきが生じたためであると考えられる。
このようにして得られたガラス基板100枚に対して、外周端面及び内周端面の寸法(μm)をマイクロメーターにより測定し、そのバラつきを求めたところ、外周端面のバラつきが±5であり、内周端面のバラつきが±5であった。これは、NC制御により回転砥石をトラバース移動し、基板端面を枚葉式に研磨することで、常時加工動作を安定化させることができたためであると考えられる。
(比較例2)
ガラス基板の外周端部及び内周端部の端面研磨をバッチ式のブラシ研磨とすること以外は実施例と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を作製した。このようにして得られたガラス基板100枚に対して、外周端面及び内周端面の寸法(μm)を実施例と同様にして測定し、そのバラつきを求めたところ、外周端面のバラつきが±20であり、内周端面のバラつきが±15であった。これは、バッチ式で研磨したため、研磨材などの性状変化により、品質のバラつきが生じたためであると考えられる。
ガラス基板の外周端部及び内周端部の端面研磨をバッチ式のブラシ研磨とすること以外は実施例と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を作製した。このようにして得られたガラス基板100枚に対して、外周端面及び内周端面の寸法(μm)を実施例と同様にして測定し、そのバラつきを求めたところ、外周端面のバラつきが±20であり、内周端面のバラつきが±15であった。これは、バッチ式で研磨したため、研磨材などの性状変化により、品質のバラつきが生じたためであると考えられる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、適宜変更して実施することができる。上記実施の形態における数値、材質、サイズ、処理手順などは一例であり、本発明の効果を発揮する範囲内において種々変更して実施することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明は、パーソナルコンピュータ、携帯用音楽機器など、各種HDDの搭載機器に適用可能である。
1 ガラス基板
2 外周面用回転砥石
3 内周面用回転砥石
4 外周側駆動部
5 内周側駆動部
6 外周面用砥石監視部
7 内周面用砥石監視部
8 制御部
2 外周面用回転砥石
3 内周面用回転砥石
4 外周側駆動部
5 内周側駆動部
6 外周面用砥石監視部
7 内周面用砥石監視部
8 制御部
Claims (5)
- 円環状に形成され、端面を有する磁気ディスク用基板の端面を研磨する端面研磨工程を有する磁気ディスク用基板の製造方法であって、前記端面研磨工程において、予め決められた移動量で研磨砥石をトラバースさせて駆動することにより、前記磁気ディスク用基板の前記端面を研磨することを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。
- 前記磁気ディスク用基板の外周端面及び内周端面を共に研磨することを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
- 前記砥石が総形形状砥石であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
- 前記研磨砥石を監視して磨耗量を算出し、前記磨耗量に基づいて前記研磨砥石の移動量を補正することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
- 前記磁気ディスク用基板がガラス基板であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009086066A JP2010238310A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 磁気ディスク用基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009086066A JP2010238310A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 磁気ディスク用基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010238310A true JP2010238310A (ja) | 2010-10-21 |
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ID=43092497
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010238310A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014103986A1 (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-03 | Hoya株式会社 | 情報記録媒体用ガラス基板およびその製造方法 |
WO2016047543A1 (ja) * | 2014-09-26 | 2016-03-31 | 日本電気硝子株式会社 | 面取り加工装置及び面取り加工方法 |
US9815173B2 (en) | 2011-07-21 | 2017-11-14 | Fuji Manufacturing Co., Ltd. | Method for grinding side portion of stacked hard, brittle material substrate |
-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009086066A patent/JP2010238310A/ja active Pending
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WO2014103986A1 (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-03 | Hoya株式会社 | 情報記録媒体用ガラス基板およびその製造方法 |
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