JP2019197604A - ガラスハードディスク基板用研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨速度を維持しつつ、洗浄後の基板表面の表面粗さの悪化を抑制できるガラスハードディスク基板用研磨液組成物を提供する。【解決手段】砥粒、スルファミン酸、リン酸塩、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物。さらにpHが0.9以上6以下である、研磨液組成物。さらに砥粒がシリカ粒子である研磨液組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物、ガラスハードディスク基板の製造方法、及び、ガラス基板の研磨方法に関する。
ハードディスクドライブに搭載されるハードディスクは高速で回転するため消費電力が高く、近年では環境への配慮から、低消費電力化が求められている。消費電力を低減するためには、ハードディスク1枚あたりの記録容量を増大させ、ドライブに搭載されるハードディスクの枚数を減らし、軽量化する方法がある。基板1枚の重量を軽量化するためには、基板の厚さを薄くする必要があり、この観点から、アルミ基板に比べて機械的強度が高いガラス基板の需要が高まり、近年の伸張は著しい。また、基板1枚あたりの記録容量を向上させるためには、単位記録面積を縮小する必要がある。しかし、単位記録面積を縮小すると磁気信号が弱くなる問題が発生する。そこで磁気信号の検出感度を向上するため、磁気ヘッドの浮上高さをより低くするための技術開発が進められている。ハードディスク基板の研磨においては、この磁気ヘッドの低浮上化に対応するため、表面欠陥や残留物の低減に対する要求が厳しくなっている。
このような要求に対し、例えば、特許文献1では、特定のグレイン径及び特定のゼータ電位を有するシリカ粒子を含む酸性の研磨液組成物が提案されている。
また、特許文献2では、(a)水、(b)リン酸エステル化合物、(c)研磨促進剤、(d)研磨材を含む研磨液組成物が提案されている。
さらに、特許文献3では、(A)リン酸、リン酸塩及びリン酸化合物から選ばれる少なくとも1種、(B)シリカ、(C)水を含む研磨液組成物が提案されている。
特開2011−704号公報 特開2001−89749号公報 特表2003−183630号公報
ガラスハードディスク基板の研磨においては、酸性の研磨液組成物でガラス基板を研磨する方法が採用されている。酸性の研磨液組成物を用いることで、研磨中にガラス基板に含有されるアルカリイオンが溶出するリーチング作用が起こり、基板表面の硬度が低下して研磨速度が向上するという利点がある。しかしながら、酸性の研磨液組成物でガラス基板を研磨する方法は、pHが低いとリーチング作用が大きく働くため、脆いリーチング層が深くまで生成し、研磨工程後のアルカリ洗浄工程におけるアルカリエッチングにより表面粗さが著しく悪化するという問題がある。また、一般的に、研磨速度と表面粗さとはトレードオフの関係にあり、一方が改善すれば一方が悪化するという問題がある。
本開示は、一又は複数の実施形態において、ガラス基板を酸性研磨液で研磨する工程と洗浄する工程を有するガラスハードディスク基板の製造方法において、研磨工程において研磨速度を維持しつつ、洗浄工程においてガラス基板の表面粗さの悪化を抑制できるガラスハードディスク基板用研磨液組成物、並びにこれを用いたガラスハードディスク基板の製造方法及びガラス基板の研磨方法を提供する。
本開示は、一態様において、砥粒、スルファミン酸、リン酸塩、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物に関する。
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程を含む、ガラスハードディスク基板の製造方法に関する。
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨することを含む、ガラス基板の研磨方法に関する。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、研磨工程において研磨速度を維持しつつ、洗浄工程においてガラス基板の表面粗さの悪化を抑制できる。
本開示は、ガラス基板を酸性研磨液で研磨した後にアルカリ洗浄した場合であっても、研磨液組成物中にスルファミン酸とリン酸塩とが含まれていると、酸性研磨液による研磨速度を維持しつつ、洗浄によるガラス基板の表面粗さの悪化を抑制できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、砥粒、スルファミン酸、リン酸塩、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。
本開示の効果発現のメカニズムは明らかではないが、以下のように推察される。
一般に、ガラス基板を酸性研磨すると、ガラス基板表面から金属イオンが溶出して、ガラス基板表面が脆弱化し、研磨されやすくなることが知られている。
本開示では、スルファミン酸とリン酸塩とを研磨液組成物中に含有させることで、金属イオンの溶出が促進され、研磨速度の向上と表面粗さの悪化抑制とを両立できると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
[砥粒(成分A)]
本開示の研磨液組成物に含まれる砥粒(以下、「成分A」ともいう)としては、研磨用に一般的に使用されている砥粒を使用することができ、金属、金属若しくは半金属の炭化物、窒化物、酸化物、又はホウ化物、ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8族由来のものである。成分Aの具体例としては、酸化珪素(以下、シリカという)、酸化アルミニウム(以下、アルミナという)、炭化珪素、ダイヤモンド、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム(以下、セリアという)、酸化ジルコニウム等が挙げられ、これらの1種以上を使用することは研磨速度を向上させる観点から好ましい。中でも、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、成分Aとしては、シリカ粒子、セリア粒子が好ましく、シリカ粒子がより好ましい。シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、粉砕シリカ、及びそれらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、コロイダルシリカが好ましい。成分Aは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリカ粒子は、例えば、珪酸アルカリ水溶液を原料とした粒子成長による方法(以下、「水ガラス法」ともいう)、及び、アルコキシシランの加水分解物の縮合による方法(以下、「ゾルゲル法」)ともいう)により得たものが挙げられ、製造容易性及び経済性の観点から、好ましくは水ガラス法により得たものである。水ガラス法及びゾルゲル法により得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって製造できる。シリカ粒子の形状は、特に限定されなくてもよく、球状でも非球状でもよい。
成分Aの平均粒径は、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、100nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、40nm以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの平均粒径は、1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上70nm以下がより好ましく、10nm以上40nm以下が更に好ましい。成分Aの平均粒径は、例えば、実施例に記載の方法により求めることができる。
本開示の研磨液組成物中における成分Aの含有量は、研磨速度向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、そして、表面粗さの悪化抑制の観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの含有量は、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上の組合せである場合、成分Aの含有量は、それらの合計含有量をいう。
本開示の一実施形態において、成分A、成分B、成分C、水、及び/又はその他の成分の含有量は、研磨液組成物の全量(100質量%)に対する各成分の配合量とみなすことができる。一又は複数の実施形態において、「含有量」は「配合量」に読み替えることができ、Xを「含有する」はXが「配合された」に読み替えることができる。
[スルファミン酸(成分B)]
本開示の研磨液組成物は、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、スルファミン酸(以下、「成分B」ともいう)を含む。
本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.15質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Bの含有量は、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上7質量%以下がより好ましく、0.15質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Aと成分Bとの質量比A/B(成分Aの含有量/成分Bの含有量)は、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、100以下が好ましく、90以下がより好ましく、80以下が更に好ましい。より具体的には、質量比A/Bは、1以上100以下が好ましく、1.5以上90以下がより好ましく、2以上80以下が更に好ましい。
[リン酸塩(成分C)]
本開示の研磨液組成物は、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、リン酸塩(以下、「成分C」ともいう)を含む。成分Cは、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、pH2の水性媒体中で完全には遊離せず(完全にはH3PO4(aq)とならず)、塩の形態(イオン)で存在するリン酸塩が好ましい。一又は複数の実施形態において、pH2の水性媒体中で塩の形態(イオン)で存在する成分Cの割合は、pH2の水性媒体中に添加された成分Cの全量(100質量%)に対し、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。例えば、成分Cがリン酸二水素ナトリウムの場合、pH2の水性媒体に添加した成分Cの43質量%が塩の形態(イオン)で存在する。成分Cがピロリン酸二水素ナトリウムの場合、pH2の水性媒体に添加した成分Cの96質量%が塩の形態(イオン)で存在する。
成分Cのリン酸塩としては、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、アルカリ金属リン酸塩が好ましく、アルカリ金属リン酸水素塩がより好ましい。アルカリ金属リン酸水素塩の具体例としては、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、ピロリン酸二水素ナトリウム(酸性ピロリン酸ソーダ)、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。成分Cは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Cの含有量は、0.3質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上7質量%以下がより好ましく、1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の組合せである場合、成分Cの含有量は、それらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物中の成分Aと成分Cとの質量比A/C(成分Aの含有量/成分Cの含有量)は、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.5以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、26以下が好ましく、20以下がより好ましく、16以下が更に好ましい。より具体的には質量比A/Cは、0.5以上26以下が好ましく、1以上20以下がより好ましく、1.5以上16以下が更に好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Bと成分Cとの質量比B/C(成分Bの含有量/成分Cの含有量)は、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、10以下が更に好ましい。より具体的には質量比B/Cは、0.01以上50以下が好ましく、0.01以上30以下がより好ましく、0.03以上20以下が更に好ましく、0.05以上10以下が更に好ましい。
[水]
本開示の研磨液組成物は、媒体として水を含有する。水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。本開示の研磨液組成物中の水の含有量は、成分A、成分B、成分C及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。具体的には、本開示の研磨液組成物中の水の含有量は、研磨液組成物の取扱いがさらに容易になるため、55質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、85質量%以上が更に好ましく、そして、研磨速度向上の観点から、99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、97質量%以下が更に好ましい。したがって、水の含有量は、55質量%以上99質量%以下が好ましく、70質量%以上98質量%以下がより好ましく、80質量%以上97質量%以下が更に好ましく、85質量%以上97質量%以下が更に好ましい。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、必要に応じてさらにその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、成分B及びC以外の酸又はその塩、酸化剤、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物、水溶性高分子、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤、可溶化剤等が挙げられる。本開示の研磨液組成物中の前記その他の成分の含有量は、0質量%以上が好ましく、0質量%超がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。より具体的には、その他の成分の含有量は、0質量%以上10質量%以下が好ましく、0質量%超10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、リン酸エステル化合物を含んでもよいし、含まなくてもよい。
また、本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、成分A、成分B、成分C及び水からなる研磨液組成物であってもよい。
[研磨液組成物のpH]
本開示の研磨液組成物のpHは、研磨速度を維持しつつ表面粗さの悪化を抑制する観点から、0.9以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.5以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4.5以下が更に好ましい。より具体的には、本開示の研磨液組成物のpHは、0.9以上6以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、1.5以上4.5以下が更に好ましい。pHは、上述した成分B及び成分Cや公知のpH調整剤等を用いて調整することができる。本開示において、上記pHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、例えば、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値とすることができる。
[研磨液組成物の製造方法]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、成分A、成分B、成分C及び水を配合してなる、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物とすることができる。例えば、本開示の研磨液組成物は、成分A、成分B、成分C及び水と、さらに所望により、その他の成分とを公知の方法で配合することにより製造できる。すなわち、本開示は、その他の態様において、少なくとも成分A、成分B、成分C及び水を配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法(以下、「本開示の研磨液組成物の製造方法」ともいう)に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、成分C及び水、並びに必要に応じてその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。成分Aの砥粒は、濃縮されたスラリーの状態で混合されてもよいし、水等で希釈してから混合されてもよい。成分Aが複数種類の砥粒からなる場合、複数種類の砥粒は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。成分Cが複数種類のリン酸塩からなる場合、複数種類のリン酸塩は、同時に又はそれぞれ別々に配合できる。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。本開示の研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示において「研磨液組成物中の各成分の含有量」とは、使用時、すなわち、研磨液組成物の研磨への使用を開始する時点における前記各成分の含有量をいう。本開示の研磨液組成物は、その保存安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存及び供給されてもよい。この場合、製造及び輸送コストを更に低くできる点で好ましい。本開示の研磨液組成物の濃縮物は、使用時に、必要に応じて前述の水で適宜希釈して使用すればよい。希釈倍率は、希釈した後に上述した各成分の含有量(使用時)を確保できれば特に限定されるものではなく、例えば、10〜100倍とすることができる。
[研磨液キット]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を製造するためのキット(以下、「本開示の研磨液キット」ともいう)に関する。本開示の研磨液キットの一実施形態としては、例えば、成分A及び水を含む砥粒分散液と、成分B及び成分Cを含む添加剤水溶液と、を相互に混合されない状態で含む、研磨液キット(2液型研磨液組成物)が挙げられる。前記砥粒分散液と前記添加剤水溶液とは、使用時に混合され、必要に応じて水を用いて希釈される。前記砥粒分散液及び前記添加剤水溶液にはそれぞれ必要に応じて、上述したその他の成分をさらに含有させることができる。本開示の研磨液キットによれば、研磨速度を維持しつつ、洗浄後の表面粗さの悪化を抑制できる研磨液組成物が得られうる。
[被研磨ガラス基板]
本開示の研磨液組成物を用いて研磨される被研磨ガラス基板は、一又は複数の実施形態において、ガラスハードディスク基板の製造工程で使用されるガラス基板である。前記ガラス基板の材質としては、例えば、石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス等が挙げられる。本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、アルミノシリケートガラス基板やアルミノボロシリケートガラス基板の研磨に好適に用いられる。本開示の被研磨ガラス基板は、一又は複数の実施形態において、水平磁気記録用基板、垂直磁気記録用基板、熱アシスト記録(HAMR)用基板のいずれにも用いることができる。
被研磨ガラス基板の形状としては、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が挙げられる。中でも、ディスク状の被研磨ガラス基板が適している。ディスク状の被研磨ガラス基板の場合、その外径は例えば2mm以上100mm以下程度であり、その厚みは例えば0.4mm以上2mm以下程度である。
[ガラスハードディスク基板の製造方法]
一般に、ガラスハードディスク基板は、溶融ガラスの型枠プレス又はシートガラスから切り出す方法によってガラス基材を得る工程から、形状加工工程、端面研磨工程、粗研削工程、精研削工程、粗研磨工程、仕上げ研磨工程、化学強化工程を経て製造される。化学強化工程は仕上げ研磨工程の前に施しても良い。また各工程の間には洗浄工程が含まれることがある。研磨工程後のガラスハードディスク基板は、磁性膜の形成を含む記録部形成工程を経ることで磁気ディスク化されたガラスハードディスク基板となる。本開示の研磨液組成物は、仕上げ研磨工程における研磨(仕上げ研磨)に使用されることが好ましい。
したがって、本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程(以下、「本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう)を含む、ガラスハードディスク基板の製造方法(以下、「本開示の基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の基板製造方法によれば、本開示における研磨液組成物を用いることで、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。
(研磨工程)
本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は、一又は複数の実施形態において、被研磨ガラス基板の研磨対象面に本開示の研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、所定の圧力(荷重)をかけながら、研磨パッド及び被研磨基板の少なくとも一方を動かして研磨する工程である。また、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は、その他の一又は複数の実施形態において、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本開示の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する工程である。
被研磨基板の研磨工程が多段階で行われる場合は、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は2段階目以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程又は仕上げ研磨工程で行われるのがより好ましい。その際、前工程の研磨材や研磨液組成物の混入を避けるために、それぞれ別の研磨機を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨機を使用した場合では、研磨工程毎に被研磨基板を洗浄することが好ましい。さらに、使用した研磨液を再利用する循環研磨においても、本開示の研磨液組成物は使用できる。研磨機としては、特に限定されず、基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができ、研磨速度の観点から、スエードタイプの研磨パッドが好ましい。
研磨パッドの表面部材の平均開孔径は、研磨速度向上及びパッド寿命の観点から、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましく、35μm以下が更に好ましく、そして、パッドの研磨液保持性の観点から、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、1μm以上が更に好ましく、10μm以上が更に好ましい。より具体的には、研磨パッドの表面部材の平均開孔径は、0.01μm以上50μm以下が好ましく、0.1μm以上45μm以下がより好ましく、1μm以上40μm以下が更に好ましく、10μm以上35μm以下が更に好ましい。研磨パッドの開孔径の最大値は、研磨速度維持の観点から、100μm以下が好ましく、70μm以下がより好ましく、60μm以下が更に好ましく、50μm以下が更に好ましい。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨荷重は、研磨速度向上の観点から、3kPa以上が好ましく、4kPa以上がより好ましく、そして、研磨中に研磨機に振動が発生しないように安定に研磨できる観点から、40kPa以下が好ましく、15kPa以下が更により好ましい。より具体的には、研磨荷重は、3kPa以上40kPa以下が好ましく、4kPa以上15kPa以下がより好ましい。本開示において研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。また、研磨荷重の調整は、定盤及び被研磨基板のうち少なくとも一方に空気圧や重りを負荷することにより行うことができる。
本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程における、本開示の研磨液組成物の供給速度は、コスト低減及び研磨速度向上の観点から、被研磨基板1cm2あたり、0.01mL/分以上1mL/分以下が好ましく、0.025mL/分以上0.6mL/分以下がより好ましく、0.05mL/分以上0.4mL/分以下が更に好ましく、0.1mL/分以上0.4mL/分以下が更により好ましい。また循環研磨をする場合であれば研磨液組成物を再利用できるので供給流量は上記記載の流量よりも多くなってもよい。
本開示の研磨液組成物を研磨機へ供給する方法としては、例えばポンプ等を用いて連続的に供給を行う方法が挙げられる。研磨液組成物を研磨機へ供給する際は、全ての成分を含んだ1液で供給する方法の他、研磨液組成物の安定性等を考慮して、複数の配合用成分液に分け、2液以上で供給することもできる。後者の場合、例えば供給配管中又は被研磨基板上で、上記複数の配合用成分液が混合され、本開示の研磨液組成物となる。
(洗浄工程)
本開示の基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を用いた研磨が施されたガラス基板(被洗浄基板)を、上述の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程(以下、「洗浄工程」ともいう)を含む。洗浄工程における被洗浄基板には、本開示の研磨液組成物を使用した研磨工程の直後のガラス基板や、研磨工程後に乾燥を防ぐための水等への浸漬工程、予備洗浄として水洗浄工程や酸洗浄工程等を経たガラス基板が含まれる。この洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、(a)被洗浄基板を洗浄剤組成物に浸漬すること、及び/又は、(b)洗浄剤組成物を射出して被洗浄基板の表面上に洗浄剤組成物を供給することにより行われる。
前記方法(a)において、被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限されなくてもよい。例えば、洗浄剤組成物の温度は、安全性及び操業性の観点から、20℃以上100℃以下が挙げられ、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性と生産効率の観点から、10秒以上60分以内が挙げられる。残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、例えば、20kHz以上2000kHz以下が挙げられる。
前記方法(b)では、残留物の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄するか、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらには、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に供給する手段としては、スプレーノズル等の公知の手段を用いることができる。洗浄用ブラシとしては、例えば、ナイロンブラシやPVA(ポリビニルアルコール)スポンジブラシ等の公知のものが挙げられる。超音波の周波数としては、前記方法(a)で好ましく採用される値と同様であればよい。
洗浄工程では、前記方法(a)及び/又は前記方法(b)に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄等の公知の洗浄を用いる工程を1つ以上含んでもよい。
洗浄工程で用いる洗浄剤組成物としては、例えば、アルカリ剤、水、及び必要に応じて各種添加剤を含有するものが使用できる。アルカリ剤は、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤の少なくとも一方を用いることができる。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。各種添加剤としては、例えば、非イオン界面活性剤、キレート剤、エーテルカルボキシレート、脂肪酸、アニオン性界面活性剤、水溶性高分子、消泡剤、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤等が挙げられる。
洗浄工程で用いる洗浄剤組成物のpHは、基板上の残留物の分散性を向上させる観点から、例えば、8以上13以下が好ましい。上記のpHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、例えば、電極を洗浄剤組成物へ浸漬して3分後の数値を採用できる。
(磁性膜の形成工程)
本開示の基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、被研磨ガラス基板の研磨工程及び洗浄工程後のガラス基板上に磁性膜を形成する工程、或いは、磁性膜の形成を含む記録部形成工程を有してもよい。
[ガラス基板の研磨方法]
本開示は、その他の態様として、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨することを含む、ガラス基板の研磨方法(以下、「本開示の研磨方法」ともいう)に関する。本開示の研磨方法を使用することにより、高品質の磁気ディスク基板を高収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。本開示の研磨方法における被研磨ガラス基板としては、上述のとおり、ガラスハードディスク基板の製造に使用されるものが挙げられる。具体的な研磨の方法及び条件は、上述した本開示の基板製造方法と同じ方法及び条件とすることができる。
本開示の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨することは、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして研磨することであり、或いは、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本開示の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨することである。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.研磨液組成物の調製(実施例1〜10及び比較例1〜7)
成分A(コロイダルシリカ、平均粒径20nm)、成分B(スルファミン酸)又は非成分B(表1に示す酸)、成分C(表1に示すリン酸塩)及びイオン交換水を、表1に記載の割合(質量%)で配合して撹拌することにより、実施例1〜10及び比較例1〜7の研磨液組成物を調製した。
表1に示す研磨液組成物の調製において、成分B、非成分B、成分Cには以下のものを使用した。
スルファミン酸[サンケミカル社製](成分B)
硫酸[和光純薬工業社製](非成分B)
リン酸[和光純薬工業社製](非成分B)
クエン酸[磐田化学工業社製](非成分B)
酒石酸[和光純薬工業社製](非成分B)
酸性ピロリン酸ソーダ[ピロリン酸二水素二ナトリウム、燐化学工業社製](成分C)
リン酸二水素カリウム[和光純薬工業社製](成分C)
硫酸ナトリウム[和光純薬工業社製](非成分C)
2.各種パラメータの測定方法
[シリカ粒子(成分A)の平均粒径の測定方法]
コロイダルシリカ粒子を含む試料を、透過型電子顕微鏡「JEM−2000FX」(80kV、1〜5万倍、日本電子社製)により当該製造業者が添付した説明書に従って試料を観察し、TEM(Transmission Electron Microscope)像を写真撮影した。この写真をスキャナで画像データとしてパソコンに取り込み、解析ソフト「WinROOF ver.3.6」(販売元:三谷商事)を用いて、個々のシリカ粒
子の円相当径を計測し、粒子径を求めた。このようにして、1000個のシリカ粒子の粒子径を求めた後、これらの平均値を算出し、この平均値を平均粒径とした。
[研磨液組成物のpHの測定方法]
研磨液組成物のpHは、pHメータ(東亜ディーケーケー社製)を用いて25℃にて測定し、電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値を採用した。測定結果を表1に示した。
3.被研磨基板の調製
セリア砥粒を含有する研磨液組成物であらかじめ粗研磨したアルミノホウ珪酸ガラス基板を被研磨基板として用意した。基板中に含まれる構成元素は、Siの含有量は24質量%、Alの含有量は8質量%、Bの含有量は1質量%であった。構成元素は、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)法を用い以下の測定条件で測定した。
<ESCA測定条件>
(1)試料作製
アルミノホウ珪酸ガラス基板を1cm×1cmに切断し、カーボン製両面テープ上に乗せ固定した。表面のゴミ等を除くためにArスパッタを加速電圧2kVで6分間かけ、ESCA測定を実施した。
(2)測定条件
機器:アルバックファイ製 PHI Quantera SXM
X線源:単色化AlKα線、1486.6eV、25W、15kV
ビーム径:100μm
X線入射角:45°
測定範囲:1000×1000(μm2
Pass energy:280.0(survey)、112.0eV(narrow)
Step size:1.00(survey)、0.200eV(narrow)
測定元素:C,O,Mg,Al,Si,Ca,Sr,Sn,Ba
帯電補正:Neutralizer及びAr+照射
4.研磨方法
実施例1〜10及び比較例1〜7の研磨液組成物を用いて、以下に示す研磨条件にて上記被研磨基板を研磨した。
[研磨条件]
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:スエードタイプ(厚さ0.9mm、平均開孔径30μm、材質:発泡ウレタン)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:約0.3mL/分)
下定盤回転数:24rpm
研磨荷重:4.9kPa
キャリア:アラミド製、厚さ0.5mm
研磨時間:30分
被研磨基板:アルミノボロシリケートガラス基板(外径95mm、内径25mm、厚さ0.65mm)
投入基板枚数:5枚
5.評価
[研磨速度の評価]
研磨前後の各基板1枚当たりの重さを計り(Sartorius社製、「BP−210S」)を用いて測定し、各基板の質量変化から質量減少量を求めた。全5枚の平均の質量減少量を研磨時間で割った値を研磨速度とし、下記式により算出した。実施例1〜10、比較例1、3〜7の研磨速度の測定結果を、下記表1に、比較例2を100とした相対値として示す。
質量減少量(g)={研磨前の質量(g)− 研磨後の質量(g)}
研磨速度(mg/min)=質量減少量(mg)/ 研磨時間(min)
[表面粗さの評価]
研磨後の基板を、20ppmのKOH水溶液からなるpH12のアルカリ洗浄剤組成物(温度:25℃)の入った槽内に1時間浸漬する。浸漬後の基板を、イオン交換水で60秒間すすぎを行った後、基板表面を完全に乾燥させる。そして、各々の基板の両面を、下記測定条件にて、AFM(Bruker製 Dimension Icon)を用いて表面粗さを測定し、平均値を算出した。表面粗さ(AFM−Ra)の結果を、下記表1に、比較例2を100とした相対値として示す。
<AFMの測定条件>
Mode: Tapping mode
Area: 1×1μm
Scan rate: 1.0Hz
Cantilever: OTESPA−R3
Line: 256×256
Figure 2019197604
上記表1に示すとおり、実施例1〜10の研磨液組成物は、比較例1〜7の研磨液組成物に比べて、研磨速度が維持されつつ、洗浄後の基板の表面粗さの悪化が抑制されていた。
本開示の研磨液組成物によれば、研磨速度を維持しつつ、洗浄後の基板表面の表面粗さの悪化を抑制できる。したがって、本開示の研磨液組成物は、様々なガラス基板の製造において有用であり、中でも、ハードディスク用ガラス基板の製造に有用である。

Claims (9)

  1. 砥粒、スルファミン酸、リン酸塩、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物。
  2. pHが0.9以上6以下である、請求項1に記載の研磨液組成物。
  3. 砥粒がシリカ粒子である、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
  4. 研磨液組成物中のスルファミン酸の含有量は、0.05質量%以上10質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物。
  5. 研磨液組成物中のリン酸塩の含有量は、0.3質量%以上10質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
  6. 研磨液組成物中のスルファミン酸とリン酸塩との質量比(スルファミン酸の含有量/リン酸塩の含有量)は、0.01以上50以下である、請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物。
  7. ガラスハードディスク基板が、アルミノボロシリケートガラス基板である、請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程を含む、ガラスハードディスク基板の製造方法。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨することを含む、ガラス基板の研磨方法。
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