JP2012101319A - ガラスハードディスク基板の製造方法 - Google Patents

ガラスハードディスク基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスハードディスク基板の製造方法において、低い表面粗さと高い研磨速度を維持でき、基板の生産性を向上できる、ガラスハードディスク基板の製造方法の提供。
【解決手段】研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程を有するガラスハードディスク基板の製造方法であって、前記研磨液組成物が、コロイダルシリカ、下記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物、ヒドロキシ多価カルボン酸、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板の製造方法。
R−O−(AO)n−SO3M (I)
[式中、Rは炭素数3〜20の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、nはAOの平均付加モル数であって1〜4であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機カチオン及び水素原子からなる群から選択される。]
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラスハードディスク基板の製造方法、ガラスハードディスク基板の研磨方法、及び、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物に関する。
ハードディスクドライブに搭載されるハードディスクは高速で回転するため消費電力が高く、近年では環境への配慮から、低消費電力化が求められている。消費電力を低減する方法として、ハードディスク1枚あたりの記録容量を増大させ、ドライブに搭載されるハードディスクの枚数を減らし、搭載量を軽量化する方法がある。基板1枚あたりの記録容量を向上させるためには、単位記録面積を縮小する必要がある。しかし、単位記録面積を縮小すると磁気信号が弱くなる問題が発生する。そこで磁気信号の検出感度を向上するため、磁気ヘッドの浮上高さをより低くするための技術開発が進められている。ハードディスク基板の研磨においては、この磁気ヘッドの低浮上化に対応するため、表面粗さなどの平滑性や、残留物などの欠陥の低減に対する要求が厳しくなっている。また、基板1枚の重量を軽量化するために、基板の厚さを薄くする方法がある。この観点から、アルミ基板に比べて機械的強度が高いガラス基板の需要が高まり、近年、ガラス基板の伸張は著しい。
近年、ガラス基板の表面粗さを低減するために複数の研磨工程が行なわれ、このうち仕上げ研磨工程、特に最終仕上げ研磨工程においては、砥粒として、コロイダルシリカ粒子を含む研磨液が用いられている。しかし、コロイダルシリカ粒子はセリア粒子等に比べて研磨速度が低いため研磨時間が長くなり生産性が悪い。このような問題に対し、コロイダルシリカ粒子の表面を活性化して機械的研磨力を強め研磨速度を向上させるための酸性(pH0.5〜6)研磨液組成物を用いてガラス基板を研磨する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
酸性の研磨液組成物を使用した場合、研磨中にガラス基板に含有されるアルカリイオンが溶出するリーチング作用が起こり、基板表面の硬度が低下して研磨速度が向上するという利点がある。しかしながら、リーチング作用が大き過ぎると、脆いリーチング層がガラス基板の深くまで生成し、研磨工程後のアルカリ洗浄工程におけるアルカリエッチングにより基板の表面粗さが著しく悪化するという問題があった。このような問題に対し、研磨液の電解質濃度を上げる添加剤を含有する弱酸性(pH4〜6)の研磨液でガラス基板を研磨する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2005−138197号公報 特開2009−087439号公報
しかしながら、前記特許文献2記載の方法では、研磨液を循環使用(リサイクル)するガラスハードディスク基板の研磨において、研磨液の循環耐久性が低いため、低い表面粗さと高い研磨速度を維持できず、循環研磨できる回数が少なく生産性に課題がある。
本発明は、研磨液組成物を用いたガラスハードディスク基板の研磨において、研磨液の循環耐久性に優れ、低い表面粗さと高い研磨速度を両立でき、高い生産性を実現できる、ガラスハードディスク基板の製造方法を提供する。
本発明は、研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程を有するガラスハードディスク基板の製造方法であって、前記研磨液組成物が、コロイダルシリカ、下記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物、ヒドロキシ多価カルボン酸、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板の製造方法に関する。
R−O−(AO)n−SO3M (I)
[式中、Rは炭素数3〜20の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、nはAOの平均付加モル数であって1〜4であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機カチオン及び水素原子からなる群から選択される。]
本発明によれば、ガラスハードディスク基板の研磨工程において、研磨液を循環使用して研磨しても、研磨後のガラス基板の表面粗さを効果的に低く抑制し、高い研磨速度を維持できる。したがって、本発明によれば、ガラスハードディスク基板の生産性を向上することができる。
本発明は、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物の循環耐久性が、ヒドロキシ多価カルボン酸と所定の硫酸エステル化合物との併用により向上するという知見に基づく。具体的には、ヒドロキシ多価カルボン酸と所定の硫酸エステル化合物とを含有する研磨液組成物は、ガラス基板の循環研磨に使用しても、コロイダルシリカの粒径変化が抑制され、研磨速度の低下が抑制され、研磨後の基板の表面粗さも良好な低さに維持されうるという知見に基づく。
すなわち、本発明は一態様において、研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程を有するガラスハードディスク基板の製造方法であって、前記研磨液組成物が、コロイダルシリカ、下記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物(以下、「硫酸エステル化合物」ということがある。)、ヒドロキシ多価カルボン酸、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板の製造方法(以下、「本発明の基板製造方法」ともいう。)に関する。
R−O−(AO)n−SO3M (I)
[式中、Rは炭素数3〜20の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、nはAOの平均付加モル数であって1〜4であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機カチオン及び水素原子からなる群から選択される。]
本発明の基板製造方法によれば、ガラスハードディスク基板の研磨工程において研磨液組成物を循環使用して研磨しても、研磨後のガラス基板の表面粗さを効果的に低く抑制し、高い研磨速度を維持できる。
本発明の基板製造方法において、高い研磨速度が維持される理由は明らかではないが、1つの理由として、リーチング作用によりガラス基板に含有されるアルカリ金属イオンが研磨中に溶出し、基板表面の硬度が低下して研磨速度が向上することが推定され、その他の理由として、ヒドロキシ多価カルボン酸のpH緩衝能によりpH上昇が抑えられるため、高い研磨速度が維持されると推定される。さらにまた、循環使用回数の増大に伴い、発生する研磨屑の量が増えるが、多量の研磨屑が研磨液組成物に混入しても硫酸エステル化合物が研磨屑に吸着して分散させ、研磨屑とコロイダルシリカの凝集を抑制するため、機械的研磨力の低下を抑制し、高い研磨速度が維持されると推定される。但し、本発明は、これらの推定に限定して解釈されなくてもよい。
さらに、本発明の基板製造方法において、ガラス基板の表面粗さの悪化が抑制されうる理由は明らかではないが、所定の硫酸エステル化合物が研磨中にガラス基板の表面に吸着して過度なリーチング作用を抑制し、ガラス基板の表面粗さの悪化を抑制する効果が発現すると推定される。但し、本発明は、これらの推定に限定して解釈されなくてもよい。
一般に、ガラスハードディスク基板は、溶融ガラスの型枠プレス又はシートガラスから切り出す方法によってガラス基材を得る工程から、形状加工工程、端面研磨工程、粗研削工程、精研削工程、粗研磨工程、仕上げ研磨工程、化学強化工程を経て製造される。化学強化工程は仕上げ研磨工程の前に施してもよい。また各工程の間には洗浄工程が含まれることがある。ガラスハードディスク基板は、記録部形成工程を経ることで磁気ハードディスクとなる。
[ガラス基板]
本明細書において、研磨対象である被研磨ガラス基板及びガラスハードディスク基板におけるガラス基板としては、アルミノ珪酸ガラス基板、ホウ珪酸ガラス基板、アルミノホウ珪酸ガラス基板等のガラス基板が挙げられる。ガラス基板は、研磨速度向上の観点から、アルミノ珪酸ガラス基板が好ましい。アルミノ珪酸ガラス基板は、その構成元素としてO(酸素)以外ではSi(ケイ素)を最も多く含み、次いでAl及びNaを多く含む。通常、Siの含有量は20〜40重量%であり、Alの含有量は3〜25重量%、Naの含有量は3〜25重量%で、他にもK、Ti、Zn、S、Ca、P、B、Zr、Fe、Sr、Nb、Ba、Niなどを含むことがあるが、ハードディスク用としては、研磨速度の向上及び基板の透明性維持の観点から、Alの含有量は、5〜20重量%が好ましく、7〜15重量%がより好ましい。同様の観点から、Naの含有量は3〜20重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。なお、アルミノ珪酸ガラス基板中に含まれるAl及びNaの含有量は実施例に記載の方法による測定することができる。
[ガラス基板の研磨]
本発明の基板製造方法は、研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程(以下、単に「ガラス基板研磨工程(1)」ということがある)を含む。ガラス基板研磨工程(1)における被研磨基板は、前記精研削工程を経た後のガラス基板であり、例えば、セリア砥粒を含む研磨液組成物を用いた前記粗研磨工程後のガラス基板であることが好ましい。ガラス基板研磨工程(1)は、ガラス基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、所定の圧力(荷重)をかけながら、研磨パッドや被研磨基板を動かすこと等によって行うことができる。ガラス基板研磨工程(1)は、最終の基板品質をより向上させる観点から、仕上げ研磨工程であることが好ましい。また、ガラス基板研磨工程(1)は、生産性の向上の点から、前記研磨液組成物を循環使用して前記被研磨ガラス基板を研磨することを含むことが好ましい。
[研磨液組成物の循環使用]
本明細書において、研磨液組成物の循環使用とは、ガラス基板の研磨工程において、使用した研磨液組成物を回収して再度研磨機に投入し、該研磨液組成物を研磨機内で循環させて再利用することをいう。研磨後の廃研磨液を一度全量回収してから研磨機に再投入してもよいし、廃研磨液を回収タンクに戻しながら連続的に研磨機に再投入してもよい。ガラス基板を酸性の研磨液組成物を用いて研磨する際には、ガラス基板に含有されているアルカリ金属イオンが溶出し、結果として、研磨液組成物のpHが上昇して、長時間研磨をしていると研磨速度が低下してくることを本発明者は見出した。その際、後述するヒドロキシ多価カルボン酸と一般式(I)で表わされる硫酸エステル化合物を併用することにより、緩衝能が増大して、研磨速度の低下を抑制し、より長時間の循環研磨が可能となると考えられる。
研磨液組成物を研磨機内で循環使用する際、その再利用回数は特に制限されないが、研磨液組成物を用いて、被研磨ガラス基板を好ましくは10〜30回、より好ましくは15〜30回研磨する場合の使用に適している。
[研磨装置]
ガラス基板の研磨に用いられる研磨装置としては、特に制限はなく、被研磨ガラス基板を保持する、アラミド製やガラスエポキシ製等の冶具(「キャリア」ともいう。)と研磨布(「研磨パッド」ともいう。)とを備える片面又は両面研磨装置を用いることができる。中でも、両面研磨装置が好適に用いられる。
研磨パッドの材質としては、有機高分子等が挙げられ、前記有機高分子としては、ポリウレタン等が挙げられる。前記研磨パッドの形状は、不織布状が好ましい。例えば、粗研磨工程ではスウェード調のウレタン製硬質パッド、仕上げ研磨工程ではスウェード調のウレタン製軟質パッドが好適に用いられる。
該研磨装置を用いる研磨の具体例としては、被研磨ガラス基板をキャリアで保持し研磨パッドを貼り付けた1対の研磨定盤で挟み込み、研磨液組成物を研磨パッドと被研磨ガラス基板との間に供給し、所定の圧力の下で研磨定盤及び/又は被研磨ガラス基板を動かすことにより、研磨液組成物を被研磨基板に接触させながら被研磨基板を研磨する方法が挙げられる。
ガラス基板研磨工程(1)における研磨荷重は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは3kPa以上、4kPa以上がより好ましく、5kPa以上がさらに好ましく、6kPa以上がさらにより好ましい。研磨中に研磨機に振動が発生しないように安定に研磨できるという観点から、好ましくは40kPa以下、30kPa以下がより好ましく、20kPa以下がさらに好ましく、15kPa以下がさらにより好ましい。従って、高い研磨速度を維持し、安定に研磨できるという観点から、好ましくは3〜40kPa、より好ましくは4〜30kPa、さらに好ましくは5〜20kPa、さらにより好ましくは6〜15kPaである。ここで、「研磨荷重」とは、研磨時に被研磨基板を挟み込む定盤から被研磨基板の研磨対象面に加えられる圧力をいう。
ガラス基板研磨工程(1)における研磨液組成物の供給方法は、予め研磨液組成物の構成成分が十分に混合された状態で研磨パッドと被研磨ガラス基板の間にポンプ等で供給する方法、研磨の直前の供給ライン内等で構成成分を混合して供給する方法、研磨砥粒スラリーと後述の硫酸エステル化合物及びヒドロキシ多価カルボン酸を含有する水溶液とを別々に研磨装置に供給する方法等を用いることができる。
ガラス基板研磨工程(1)における研磨液組成物の供給速度は、コスト低減の観点から、被研磨ガラス基板1cm2あたり1.0mL/分以下が好ましく、より好ましくは0.6mL/分以下、さらに好ましくは0.4mL/分以下である。また、前記供給速度は、研磨速度をさらに向上できることから、被研磨ガラス基板1cm2あたり0.01mL/分以上が好ましく、より好ましくは0.025mL/分以上、さらに好ましくは0.05mL/分以上である。したがって、前記供給速度は、被研磨ガラス基板1cm2あたり0.01〜1.0mL/分が好ましく、より好ましくは0.025〜0.6mL/分、さらに好ましくは0.05〜0.4mL/分である。また、研磨液組成物を循環使用する場合には、研磨速度をさらに向上できることから、被研磨ガラス基板1cm2あたり0.1mL/分以上が好ましく、より好ましくは0.2mL/分以上、さらに好ましくは0.5mL/分以上である。また、前記供給速度の上限は特に限定されないが、コスト低減の観点から、被研磨ガラス基板1cm2あたり3.0mL/分以下が好ましく、より好ましくは2.5mL/分以下、さらに好ましくは2.0mL/分以下である。したがって、前記供給速度は、被研磨ガラス基板1cm2あたり0.1〜3.0mL/分が好ましく、より好ましくは0.2〜2.5mL/分、さらに好ましくは0.5〜2.0mL/分である。
[研磨方法]
本発明は、その他の態様において、被研磨ガラス基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして研磨することを含むガラス基板の研磨方法であって、前記研磨液組成物が、コロイダルシリカ、前記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物、ヒドロキシ多価カルボン酸、及び水を含有するガラス基板の研磨方法(以下、単に「本発明の研磨方法」ともいうことがある)に関する。本発明の研磨方法の具体的な形態については、本発明の基板製造方法における前記ガラス基板研磨工程(1)と同様とすることができる。
[研磨時のpH]
本発明の研磨方法における、研磨時のpHは、研磨速度向上及び表面粗さ低減の観点、循環研磨における耐久性向上の観点、研磨機の腐食防止及び作業者の安全性向上の観点から、好ましくは1〜4、より好ましくは2〜4、さらに好ましくは2〜3.5、さらにより好ましくは2.5〜3.5である。ここで、研磨時のpHは、廃研磨液のpHを測定することにより推定することができる。
[研磨液組成物]
ガラス基板研磨工程(1)で使用される研磨液組成物は、コロイダルシリカ、下記一般式(I)で表わされる硫酸エステル化合物(以下、「硫酸エステル化合物」ということがある)、ヒドロキシ多価カルボン酸及び水を含有する。したがって、本発明は、その他の態様において、ガラス基板研磨工程(1)に使用できる研磨液組成物であって、コロイダルシリカ、前記一般式(I)で表わされる硫酸エステル化合物、ヒドロキシ多価カルボン酸、及び水を含有する研磨液組成物(以下、単に「本発明の研磨液組成物」ということがある)に関する。なお、本発明の研磨液組成物は、前述の本発明の研磨方法にも使用できる。本発明の研磨液組成物によれば、ガラス基板の研磨工程において研磨液組成物を循環使用しても、生産性を損なうことなく、研磨後のガラス基板の表面粗さを効果的に低く抑制できる。
本発明の研磨液組成物により、高い研磨速度が維持される理由は明らかではないが、1つの理由として、リーチング作用によりガラス基板に含有されるアルカリ金属イオンが研磨中に溶出し、基板表面の硬度が低下して研磨速度が向上することが推定される。その他の理由として、ヒドロキシ多価カルボン酸のpH緩衝能によりpH上昇が抑えられるため、高い研磨速度が維持されると推定される。さらにまた、循環使用回数の増大に伴い、発生する研磨屑の量が増えるが、多量の研磨屑が本発明の研磨液組成物に混入しても硫酸エステル化合物が研磨屑に吸着して分散させ、コロイダルシリカの凝集を抑制するため、機械的研磨力の低下を抑制し、高い研磨速度が維持されると推定される。但し、本発明は、これらの推定に限定して解釈されなくてもよい。
また、本発明の研磨液組成物により、ガラス基板の表面粗さの悪化が抑制されうる理由は明らかではないが、硫酸エステル化合物が研磨中にガラス基板の表面に吸着して、過度なリーチング作用を抑制して、ガラス基板の表面粗さの悪化を抑制する効果が発現すると推定される。但し、本発明は、これらの推定に限定して解釈されなくてもよい。
[コロイダルシリカ]
本発明の研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、研磨砥粒としてコロイダルシリカを含有する。本発明に使用されるコロイダルシリカとしては、市販のコロイダルシリカの他、表面修飾したシリカ等が挙げられる。コロイダルシリカは通常、スラリーの形態で入手できる。
前記コロイダルシリカは、珪酸ナトリウム等の珪酸アルカリ金属塩を原料とし、水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる水ガラス法で得られうる。あるいは、前記コロイダルシリカは、テトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、アルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で縮合反応させて成長させるアルコキシシラン法で得られうる。
前記コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径は、研磨速度向上及び表面粗さ低減の観点から、5〜200nmが好ましく、より好ましくは7〜100nm、さらに好ましくは9〜80nm、さらにより好ましくは10〜50nmである。ここで、コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
前記研磨液組成物における前記コロイダルシリカの含有量は、研磨速度向上及び表面粗さ低減の観点から、研磨液組成物中、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜19重量%、さらに好ましくは3〜18重量%、さらにより好ましくは5〜16重量%である。
[硫酸エステル化合物]
本発明の研磨液組成物は、研磨速度向上及び表面粗さ低減の観点から、下記一般式(I)で表わされる硫酸エステル化合物を含有する。
R−O−(AO)n−SO3M (I)
[式中、Rは炭素数3〜20の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、nはAOの平均付加モル数であって1〜4であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機カチオン及び水素原子からなる群から選択される。]
一般式(I)中のRは、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でも良く、飽和炭化水素が好ましい。また、直鎖構造でも分岐鎖構造でもよく、直鎖構造が好ましい。また、脂肪族炭化水素でも芳香族炭化水素でもよい。さらに、Rは、本発明の効果を奏する範囲内で炭化水素の水素原子の一部が他の原子又は置換基で置換されていてもよい。耐泡立ち性等の操作性向上の観点及び表面粗さ低減の観点から、Rは、炭素数3〜20のアルキル基が好ましく、炭素数3〜18のアルキル基がより好ましく、炭素数8〜16のアルキル基がさらに好ましく、炭素数10〜16のアルキル基がさらにより好ましく、炭素数10〜14のアルキル基がさらにより好ましく、炭素数12〜14のアルキル基がさらにより好ましく、炭素数12〜13のアルキル基がさらにより好ましく、炭素数12のアルキル基がさらにより好ましい。
前記研磨液組成物に含まれる前記硫酸エステル化合物は、一種類でもよく、二種類以上でもよい。また、前記硫酸エステル化合物は、酸の形態でもよく、塩の形態であってもよい。したがって、Mとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機カチオン、水素原子が挙げられる。前記有機カチオンとしては、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられる。これらの中でも、水への溶解性の観点から周期律表(長周期型)1A族に属する金属又はアンモニウムとの塩が好ましい。
一般式(I)中のAOは、炭素数が2〜3のオキシアルキレン基である。本発明の研磨液組成物に配合される硫酸エステル化合物は、AOの数が増える程ガラス基板に吸着しやすくなるため、表面粗さが低減すると考えられるが、硫酸エステル化合物のAO数が多過ぎると、コロイダルシリカが均一分散状態を保持できず沈澱する傾向にある。これは、硫酸エステル化合物がコロイダルシリカにも吸着し粒子同士が凝集するためと考えられる。このように凝集して沈澱が生じた研磨液は、低い表面粗さを得られ難くなり、研磨性能が不安定なると考えられる。つまり、コロイダルシリカを凝集させず表面粗さの低減と研磨速度の向上を両立するためには、最適なAO数を含有する硫酸エステル化合物を添加する必要がある。ただし、これらの推測は本発明を限定するものではない。
AOとしては、オキシエチレン基(EO)、オキシプロピレン基(PO)が挙げられる。水への溶解性向上の観点、コロイダルシリカ粒子表面への吸着を抑制し基板の表面粗さを低減させる観点、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは、オキシエチレン基(EO)である。これらは一種単独でもよいし、それらの混合物であってもよい。
硫酸エステル化合物におけるAOの付加モル数nは、硫酸エステル化合物のコロイダルシリカ粒子表面への吸着を抑制し、コロイダルシリカの分散安定性を高める観点、研磨液の循環耐久性を向上させ観点から1〜4であり、好ましくは1〜3、より好ましくは2〜3である。
研磨液組成物に含有される硫酸エステル化合物の具体例としては、ポリオキシエチレン(2.9モル付加)C12硫酸ナトリウムや、ポリオキシエチレン(2.0モル付加)C12/C14硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2.4モル付加)C12/C13硫酸ナトリウム等が挙げられる。なお、「C12」とは、炭素数12のアルキル基を有することを示し、「C12/C14」とは、炭素数12のアルキル基と炭素数14のアルキル基とが混在することを示す。
研磨液組成物における、硫酸エステル化合物の含有量は、表面粗さを低減する観点、及び研磨液の循環使用における耐久性向上の観点から、0.001〜1重量%が好ましく、0.005〜1重量%がより好ましく、0.01〜1重量%がさらに好ましい。また、耐泡立ち性等の操作性を考慮すると、前記含有量は、0.01〜0.5重量%がさらに好ましい。
[ヒドロキシ多価カルボン酸]
本発明の研磨液組成物は、研磨速度の向上、循環研磨における耐久性向上の観点から、ヒドロキシ多価カルボン酸を含有する。好ましいヒドロキシ多価カルボン酸としては、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸が挙げられ、酒石酸、クエン酸が好ましく、クエン酸がより好ましい。含有するヒドロキシ多価カルボン酸は、一種類でもよく、二種類以上でもよい。
前記ヒドロキシ多価カルボン酸は塩の形態であってもよい。これらの塩を用いる場合、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム等との塩が挙げられる。上記金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの中でも、研磨速度向上、粗さ低減の観点から1A族に属する金属又はアンモニウムとの塩が好ましい。
研磨液組成物におけるヒドロキシ多価カルボン酸の含有量は、研磨速度向上の観点及び循環研磨における耐久性向上の観点から、0.05重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.15重量%以上である。また、前記酸の含有量は、研磨装置の腐食をさらに抑制できるため、10重量%以下が好ましく、より好ましくは7.5重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。従って、前記酸の含有量は、0.05〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7.5重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
また、前記研磨液組成物は、ヒドロシキ多価カルボン酸以外の有機酸、無機酸等をさらに含有していても良い。研磨速度向上の観点及び循環研磨における耐久性向上の観点から、ヒドロキシ多価カルボン酸と組み合わせることが好ましい他の酸としては、シュウ酸、コハク酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、フタル酸等の多価カルボン酸、グリコール酸、乳酸等のヒドロキシモノカルボン酸、ニトロトリ酢酸、ニトロ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸等の有機酸、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の含リン有機酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、メタンジスルホン酸、エタンジスルホン酸、フェノールジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸等の含硫黄有機酸等が挙げられるが、ヒドロキシモノカルボン酸、含リン有機酸、無機酸が好ましく、基板製造における排水による水質汚染の基準であるBOD値及び/またはCOD値低減の観点から、無機酸がより好ましい。
ヒドロキシ多価カルボン酸以外の酸の含有量としては、研磨速度向上の観点及び循環研磨における耐久性向上の観点、基板製造における排水による水質汚染の基準であるBOD値及び/またはCOD値低減の観点から、0.05〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7.5重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
[水]
本発明の研磨液組成物は、媒体として水を含む。前記水としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。本発明の研磨液組成物中の水の含有量は、研磨液組成物の取扱いがさらに容易になるため、55重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは85重量%以上である。また、前記水の含有量は、研磨速度向上の観点から、99重量%以下が好ましく、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは97重量%以下である。従って、前記媒体の含有量は、55〜99重量%が好ましく、より好ましくは70〜98重量%、さらに好ましくは80〜97重量%、さらにより好ましくは85〜97重量%である。
[研磨液組成物のpH]
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度向上及び表面粗さ低減の観点、循環研磨における耐久性向上の観点、研磨機の腐食防止及び作業者の安全性向上の観点から、好ましくは1〜4、より好ましくは1.5〜4、さらに好ましくは2〜4、さらにより好ましくは2〜3.5、さらにより好ましくは2.5〜3.5である。pHは、前記酸の種類、含有量によって適宜調整できる。尚、上記のpHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、電極の研磨液組成物への浸漬後3分後の数値である。
[その他の成分]
本発明の研磨液組成物は、さらに、殺菌剤、抗菌剤、増粘剤、分散剤、防錆剤等を含んでも良い。これらの成分の研磨液組成物中の含有量は、研磨特性の観点から、5重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。
[研磨液組成物の調製方法]
本発明の研磨液組成物は、各成分を公知の方法で混合することにより、調製することができる。研磨液組成物は、経済性の観点から、通常、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈する場合が多い。したがって、本発明の研磨液組成物も、そのまま使用する形態でも良いし、濃縮液の形態であって希釈して使用するものでもよい。濃縮液を希釈する場合、その希釈倍率は、特に制限されず、前記濃縮液における各成分の濃度(研磨材の含有量等)や研磨条件等に応じて適宜決定できる。
前記研磨液組成物のpHは、前記成分の混合後、所定のpHに調整しても良いし、混合前にそれぞれ調整していても良い。pHの調整は、前記ヒドロキシ多価カルボン酸、硫酸エステル化合物、及びそれら以外のpH調整剤により行うことができる。
[実施例1〜8及び比較例1〜9]
1.被研磨ガラス基板の調製
セリア砥粒を含有する研磨液組成物であらかじめ粗研磨したアルミノ珪酸ガラス基板を被研磨ガラス基板(表面粗さ(Ra):0.3nm)として用意した。基板中に含まれる構成元素は、Siの含有量は27重量%、Alの含有量は9重量%、Naの含有量は6重量%であった。基板中に含まれる構成元素は、ESCA法を用い以下の測定条件で測定した。
〔ESCA測定条件〕
・試料作製
アルミノ珪酸ガラス基板を1cm×1cmに切断し、カーボン製両面テープ上に乗せ固定した。表面のゴミ等を除くためにArスパッタを加速電圧2kVで6分間かけ、ESCA測定を実施した。
・測定
機器:アルバックファイ製 PHI Quantera SXM
X線源:単色化AlKα線、1486.6eV、25W、15kV
ビーム径:100μm
X線入射角:45°
測定範囲:500×500(μm2
Pass energy:280.0(survey)、140.0eV(narrow)
Step size:1.00(survey)、0.250eV(narrow)
測定元素:C,N,O,Na,Mg,Al,Si,S,K,Ti,Zr,Nb
帯電補正:Neutralizer及びAr+照射
2.研磨液組成物の調製
イオン交換水に、下記表1に示す硫酸エステル化合物を添加した後、下記表1に示す酸を添加し、さらにコロイダルシリカ(平均粒子径:25nm、有効成分:40重量%、媒体:水)を撹拌しながら添加して、実施例1〜8及び比較例1〜8の研磨液組成物を調製した。酸の添加量は、配合後の研磨液組成物のpHが3.0になるよう、下記表1に示す酸のみで調整した。研磨液組成物中の酸の含有量は、0.1〜3重量%の範囲であった。
また、比較例9については、硫酸ナトリウムを添加し、さらに硫酸を添加してpH4.0の研磨液組成物を調製した。研磨液組成物中の硫酸ナトリウムの濃度は1重量%であり、研磨液組成物のpHが4.0になるよう、硫酸のみで調整した。研磨液組成物中の硫酸の含有量は、0.07重量%であった。
〔コロイダルシリカの一次粒子の平均粒子径の測定方法〕
コロイダルシリカを含む試料を、透過型電子顕微鏡「JEM−2000FX」(80kV、1〜5万倍、日本電子社製)により当該製造業者が添付した説明書に従って試料を観察し、TEM(Transmission Electron Microscope)像を写真撮影した。この写真をスキャナで画像データとしてパソコンに取り込み、解析ソフト「WinROOF ver.3.6」(販売元:三谷商事)を用いて、個々のシリカ粒子の円相当径を計測し、粒子径を求めた。このようにして、1000個のシリカ粒子の粒子径を求めた後、これらの平均値を算出し、この平均値を平均粒子径とした。
3.研磨方法
下記の研磨条件で研磨を行った。なお、研磨は循環研磨20回目の研磨液組成物を用いて行った。
〔研磨条件〕
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B−5P研磨機」
研磨パッド:スウェードタイプ(厚さ0.9mm、平均開孔径30μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:約0.3mL/分)
下定盤回転数:30rpm
研磨荷重:8.8kPa
キャリア:アラミド製、厚さ0.45mm
研磨時間:20min
被研磨基板:アルミノ珪酸ガラス基板(外径65mm、内径20mm、厚さ0.635mm)
投入基板枚数:10枚
循環研磨回数:20回
供試研磨液量:2L
研磨液補給量:50mL/回
循環研磨20回目の基板をpH11のKOH水溶液で洗浄し、評価を実施した。
4.評価方法
循環研磨20回目の研磨液組成物を用いた研磨の研磨速度、前記研磨後の被研磨基板の表面粗さ、及び、循環研磨前と循環研磨20回後の研磨液組成物の平均粒子径の変化の評価は、以下のように行った。
〔研磨速度の測定方法〕
研磨前後の基板の重量差(g)を該基板の密度(2.46g/cm3)、基板の表面積(30.04cm2)、及び研磨時間(min)で除した単位時間当たりの研磨量を計算し、研磨速度(μm/min)を算出した。その結果を表1に示す。
〔表面粗さの測定方法〕
原子間力顕微鏡AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)を用いて、以下に示す条件にて前述の研磨方法及び洗浄方法により研磨した基板10枚のうち、無作為に2枚を選択し、1枚あたり2点の表面粗さ(Ra)を測定し、4点の平均値を算出した。その結果を表1に示す。
(AFMの測定条件)
Mode: Tapping mode
Area: 1×1μm
Scan rate: 1.0Hz
Cantilever: NCH−10V
Line: 512×512
〔平均粒子径の変化の測定方法〕
循環研磨前の研磨液組成物の平均粒径及び循環研磨20回後の研磨液組成物の平均粒子径を、ゼータサイザーナノZS(マルバーンインスツルメント社製)を用いて測定し、(研磨20回後の平均粒子径)−(研磨前(研磨0回)の平均粒子径)の式より、平均粒子径の変化を算出した。その結果を下記表1に示す。
(平均粒子径の測定条件)
液の温度:25℃
測定セル:DTS0012ディスポーザブルタイプ
検出角度:173°
測定回数:10回
データプロセス:モノモーダル
Figure 2012101319
上記表1に示すとおり、実施例1〜8は、比較例1〜9に比べ循環研磨において高い研磨速度及び優れた表面粗さを維持しつつ、循環研磨前後の研磨液の平均粒子径の変化が抑制されていた。
本発明の基板製造方法によれば、ガラス基板の研磨工程において、研磨後のガラス基板の表面粗さを効果的に低減でき、高い生産性を維持することが可能なガラスハードディスク基板の製造方法を提供できる。従って、本発明の基板製造方法は、ガラスハードディスク基板の製造において有用である。

Claims (6)

  1. 研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程を有するガラスハードディスク基板の製造方法であって、前記研磨液組成物が、コロイダルシリカ、下記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物、ヒドロキシ多価カルボン酸、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板の製造方法。
    R−O−(AO)n−SO3M (I)
    [式中、Rは炭素数3〜20の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、nはAOの平均付加モル数であって1〜4であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機カチオン及び水素原子からなる群から選択される。]
  2. 前記研磨する工程が、前記研磨液組成物を循環使用して前記被研磨ガラス基板を研磨することを含む、請求項1記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  3. 被研磨ガラス基板が、アルミノ珪酸ガラス基板である、請求項1又は2に記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  4. 前記研磨液組成物のpHが1〜4である、請求項1から3のいずれかに記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  5. 被研磨ガラス基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして研磨することを含むガラス基板の研磨方法であって、前記研磨液組成物が、コロイダルシリカ、下記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物、ヒドロキシ多価カルボン酸、及び水を含有する、ガラス基板の研磨方法。
    R−O−(AO)n−SO3M (I)
    [式中、Rは炭素数3〜20の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、nはAOの平均付加モル数であって1〜4であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機カチオン及び水素原子からなる群から選択される。]
  6. コロイダルシリカ、下記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物、ヒドロキシ多価カルボン酸、及び水を含有する、ガラスハードディスク基板用研磨液組成物。
    R−O−(AO)n−SO3M (I)
    [式中、Rは炭素数3〜20の炭化水素基を示し、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、nはAOの平均付加モル数であって1〜4であり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機カチオン及び水素原子からなる群から選択される。]
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