JP6110716B2 - Ni−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物、Ni−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板の研磨方法、Ni−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板の製造方法、及びNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板 - Google Patents

Ni−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物、Ni−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板の研磨方法、Ni−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板の製造方法、及びNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板 Download PDF

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本発明は、基板等の研磨に用いられる仕上げ研磨用研磨剤組成物、磁気ディスク基板の研磨方法、製造方法、及び磁気ディスク基板に関する。
磁気ディスク基板の研磨において磁気記録密度向上のために種々の研磨特性向上が求められている。例えば、スクラッチについてはスクラッチ部分が書き込みや読み込みのエラー原因となったり、スクラッチの周りに生じたバリの部分で、ヘッドの衝突等の原因となったりすることもある。
これに対し粗粒や凝集粒を除去したり、粒子の形状を調整したり、研磨液の腐食性を調整することでスクラッチを減らすことが試みられている。例えば、粗粒の含有量の調整(特許文献1)、研磨液の腐食性の調整(特許文献2)、粒子の形状の調整(特許文献3)、凝集物の含有量の調整(特許文献4)等が考えられている。
特開2006−75075号公報 特開2009−120850号公報 特開2009−172709号公報 特開2010−170650号公報
しかしながら、改善を求められるスクラッチのレベルがより小さく、浅くなってきており、前述の対策では不十分となっている。
本発明の課題は、研磨後の基板のスクラッチを低減する仕上げ研磨用研磨剤組成物を提供することにある。また仕上げ研磨用研磨剤組成物を用いた磁気ディスク基板の研磨方法、製造方法、及び磁気ディスク基板を提供する。
上記課題を解決するため、本発明によれば、以下の仕上げ研磨用研磨剤組成物、磁気ディスク基板の研磨方法、製造方法、及び磁気ディスク基板が提供される。
[1] 研磨材と、酸と、酸化剤と、スクラッチを低減するスクラッチ低減剤と水とを含み、前記スクラッチ低減剤が、スルホン酸系アニオン性界面活性剤および/または硫酸エステル系アニオン性界面活性剤であり、かつこれらのアニオン性界面活性剤がアミド構造を有するNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物。
[2] 前記スクラッチ低減剤が構造式()で表されるアニオン性界面活性剤である前記[1]に記載のNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物。
Figure 0006110716
(式中、Rは炭素数が8〜18のアルキル基、アルケニル基を示し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Rは炭素数が1〜8のアルキレン基、−(CHCHO)−及び−(CHCH(CH)O)−から選ばれる少なくとも一種からなる繰返し単位を示し、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、アンモニウム又は有機カチオンを示す。ここで、m及びnの合計は1〜8の整数である。)
[3] 前記研磨材の平均粒子径が5〜100nmである前記[1]または[2]に記載のNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物。
] 前記[1]〜[]のいずれかに記載のNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物を用いて磁気ディスク基板を研磨するNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板の研磨方法。
] 前記[]に記載の磁気ディスク基板の研磨方法を用いたNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板の製造方法。
] 前記[1]〜[]のいずれかに記載の仕上げ研磨用研磨剤組成物を用いて研磨されたNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板。
本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物は、研磨後の基板のスクラッチを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.仕上げ研磨用研磨剤組成物:
本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物は、研磨材と、酸と、酸化剤と、スクラッチを低減するスクラッチ低減剤と水とを含む。スクラッチ低減剤が、スルホン酸系アニオン性界面活性剤および/または硫酸エステル系アニオン性界面活性剤であり、かつこれらのアニオン性界面活性剤がアミド構造を有するものである。
スクラッチ低減剤としては、構造式(I)で表わされるアニオン性界面活性剤が挙げられる。
Figure 0006110716
(式中、Rは炭素数が8〜18のアルキル基、アルケニル基を示し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示し、Rは炭素数が1〜8のアルキレン基、−(CHCHO)−及び−(CHCH(CH)O)−から選ばれる少なくとも一種からなる繰返し単位を示し、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、アンモニウム又は有機カチオンを示す。ここで、m及びnの合計は1〜8の整数である。)
が−(CHCHO)−及び−(CHCH(CH)O)−から選ばれる少なくとも一種からなる繰返し単位で構成されている界面活性剤としては、アミドエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤が挙げられる。さらにアミドエーテルサルフェート型アニオン性界面活性剤の中でm及びnの合計が2以上である界面活性剤として、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸およびその塩が挙げられる。
これらの界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、ポリオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド硫酸塩等が挙げられる。
がアルキレン基で構成されている界面活性剤として、N−アシルスルホン酸型アニオン性界面活性剤が挙げられる。さらにN−アシルスルホン酸型アニオン性界面活性剤の中でアルキレン基がエチレン基である界面活性剤として、N−アシル−N−アルキルタウリン酸塩、N−アシルタウリン酸塩が挙げられる。
これらの界面活性剤の具体例としては、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン酸塩、ラウロイルメチルタウリン酸塩、ミリストイルメチルタウリン酸塩、パルミトイルメチルタウリン酸塩、ステアロイルメチルタウリン酸塩、オレオイルメチルタウリン酸塩、牛脂脂肪酸メチルタウリン酸塩、ヤシ油脂肪酸タウリン酸塩、ラウロイルタウリン酸塩、ミリストイルタウリン酸塩、パルミトイルタウリン酸塩、ステアロイルタウリン酸塩、オレオイルタウリン酸塩、牛脂脂肪酸タウリン酸塩等が挙げられる。
仕上げ研磨用研磨剤組成物中に含まれるスクラッチ低減剤の含有量は、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.002〜2質量%であることがより好ましく、0.002〜1質量%であることがさらに好ましく、0.002〜0.2質量%であることが最も好ましい。含有量が少ない場合には十分なスクラッチ低減効果が得られず、含有量が多い場合にはレートの低下が著しいため上記範囲内の含有量であることが好ましい。
研磨材としては、酸化ケイ素粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化セリウム粒子等を一種もしくは二種以上組み合わせて使用することができる。研磨材の砥粒は、酸化ケイ素粒子であることが好ましく、砥粒である酸化ケイ素粒子としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられる。砥粒としてより好ましくは、コロイダルシリカである。コロイダルシリカを研磨材の砥粒として用いた場合には、磁気ディスク基板のスクラッチを低減することができる。コロイダルシリカはさらに製法により、脱陽イオン法コロイダルシリカ、ゾルゲル法コロイダルシリカ等が挙げられる。また、コロイダルシリカの形状は一般的な球状の他に、製造方法を調整することによって鎖状、数珠状、長球状、金平糖状(表面に凹凸状の突起(角状)をもつ小球形)などの球形以外の形状のものが知られている。研磨材としては、これらのいずれでも利用することができ、これらを組み合わせて使用することもできる。
仕上げ研磨用研磨剤組成物中に含まれる研磨材の平均粒子径は、5〜100nmであることが好ましく、5〜80nmであることがより好ましく、5〜40nmであることが最も好ましい。粒子径が小さい場合には十分な研磨レートが得られず、粒子径が大きい場合にはスクラッチの増加さらには、表面粗さなどの悪化が起きるため、範囲内の粒子径であることが好ましい。なお、研磨材として二種以上組み合わせて使用した場合には、仕上げ研磨用研磨剤組成物中に含まれる研磨材の平均粒子径とは、混合後の全体の平均粒子径である。
本明細書においてコロイダルシリカの平均粒子径は、シアーズ法によって測定した粒子径を意味する。シアーズ法は、アナレティカル・ケミストリー(ANALYTICAL CHEMISTRY)第28巻第12号(1956年12月)第1981頁に説明されている様に、水酸化ナトリウムを用いた滴定による比表面積から換算される粒子径の測定方法である。
コロイダルシリカ以外を含む研磨材粒子の平均粒子径の測定は、レーザー光回折法や動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置を用いて測定することで、求めることができる。ここで、平均粒子径は粒度分布測定装置で粒度分布から算術計算された「平均粒子径」、「平均値」、「平均径」などの名称で測定結果として得られる、粒度分布から算術計算された値を表わしている。
酸としては、無機酸および/または有機酸を一種以上使用することができる。無機酸としては、硝酸、亜硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、ポリリン酸、モリブデン酸、過塩素酸、過硫酸、亜硫酸などを用いることができるが、これらの使用に限定されるものではない。有機酸としては、カルボン酸や有機ホスホン酸などを用いることができ、具体例としては、グリコール酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、アロクエン酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、グルコン酸、グリオキシル酸、グリセリン酸、マンデル酸、ベンジル酸、サリチル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、へプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、イソ酪酸、1−ヒドロキシエチリンデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、スルファミン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などを用いることが好ましいが、これらの使用に限定されるものではない。
また、酸の全体若しくは一部を塩の状態で含ませることもできる。また、塩を酸と塩基の状態で研磨剤組成物に含ませ、研磨剤組成物中で塩としてもよい。しかしながら、よりスクラッチを低減させる観点からすると塩を実質的には含まない方が好ましい。
酸化剤としては、過酸化物、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、ハロゲンオキソ酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類、それらの酸化剤を二種以上混合したもの、等を用いることができるが、これらの使用に限定されるものではない。具体的には、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸の金属塩、ジクロム酸の金属塩、ペルオキソ二硫酸塩、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、硫酸アンモニア鉄(III)などを用いることができる。特に、過酸化物やペルオキソ酸の中でも、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸およびその塩、次亜塩素酸およびその塩などの使用が好ましいが、これらの使用に限定されるものではない。
さらに、本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物には、研磨促進効果、表面粗さ低減効果、うねりやノジュール低減効果などを示すその他の添加剤を含ませることができ、それらの添加剤としては、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等を用いることができる。また、一般的な半導体等の研磨に使用される研磨剤において、防食剤が含まれることがあるが、本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物は防食剤がスクラッチの増加を引き起こす要因となる場合があるので、防食剤を含まない方が好ましい。
2.仕上げ研磨用研磨剤組成物の使用:
本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物は、Ni−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板(以下、「アルミディスク」)やガラス磁気ディスク基板等の磁気ディスク基板の研磨での使用に適している。特に、アルミディスクの研磨での使用に適している。したがって、本発明は、上記の仕上げ研磨用研磨剤組成物を用いて磁気ディスク基板を研磨する磁気ディスク基板の研磨方法であり、その研磨方法を用いた磁気ディスク基板の製造方法である。また、本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物は、炭化ケイ素、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガリウム燐、インジウム燐、チッ化ガリウム等の半導体基板、サファイア、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の単結晶基板、磁気ヘッド等の研磨にも利用することができる。
本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物を適用することが可能な研磨方法としては、例えば、研磨機の定盤に研磨パッドを貼り付け、対象物(例えばアルミディスク)の研磨する表面または研磨パッドに仕上げ研磨用研磨剤組成物を供給し、研磨する表面を研磨パッドで擦り付ける方法(ポリッシングと呼ばれている)がある。例えば、磁気ディスク基板に用いるアルミディスクのおもて面と裏面を同時に研磨する場合には、上定盤および下定盤それぞれに研磨パッドを貼り付けた両面研磨機を用いる方法がある。この方法では、上定盤および下定盤に貼り付けた研磨パッドでアルミディスクを挟み込み、研磨面と研磨パッドの間に仕上げ研磨用研磨剤組成物を供給し、2つの研磨パッドを同時に回転させることによって、アルミディスクのおもて面と裏面を削る。
研磨パッドは、ウレタンタイプ、スウェードタイプ、不織布タイプ、その他いずれのタイプも使用することができる。
研磨では、通常、平均粒子径の大きい研磨材を含有する研磨剤組成物を用いて対象物の表面を深めに粗く削っていく粗研磨といわれる工程を行い、続いて、粗研磨が施された表面を対象として、平均粒子径の小さい研磨材を含有する研磨剤組成物を用いて少しずつ削っていく仕上げ研磨といわれる工程を行う。粗研磨工程では、端面だれやうねりといった基板全体の形状を整えることに主眼が置かれている。対して仕上げ研磨工程では、表面粗さやスクラッチといった基板表面の面精度を整えることに主眼が置かれている。このような理由から、スクラッチの低減効果を示す本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物は、仕上げ研磨に適用することが好ましい。
また、粗研磨工程と仕上げ研磨工程では上述の目的の違いから、使用されるパッドも異なってくる。例えば、磁気ディスク基板の研磨においては、主にスエードパッドが用いられるが、粗研磨工程で使用される研磨パッドよりも仕上げ研磨工程で使用される研磨パッドは、パッド孔の孔径が小さい傾向にある。本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物がスクラッチ低減効果を十分に発揮するためには、仕上げ研磨工程で使用される研磨パッドを用いることが好ましい。
本発明の磁気ディスク基板の製造方法は、前記研磨剤組成物を用いた研磨工程を含む。ここで研磨工程は、前記研磨方法を用いるものであればよいが、研磨工程の中でも前記研磨剤組成物を仕上げ研磨工程に用いることが好ましい。
本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物がスクラッチを低減することのできる理由として、メカニズムは明らかではないが以下のような理由が考えられる。本発明の界面活性剤の添加により仕上げ研磨用研磨剤組成物の研磨材粒子は良好な分散状態となり、スクラッチの原因となるような凝集が抑えられることで、スクラッチを低減することができると考えられる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)仕上げ研磨用研磨剤組成物の調製方法
(実施例1〜11、比較例1〜3)
実施例1〜11および比較例1〜3で使用した仕上げ研磨用研磨剤組成物は下記の材料を含んだ研磨剤組成物である。イオン交換水と、下記の材料とを表1および表2に示した割合(イオン交換水と下記の材料との合計が100質量%)で含む。
コロイダルシリカ粒子I(平均粒子径:27nm、市販のコロイダルシリカ。含有量は表に示す。ただし、実施例7〜11、比較例2、3には含まない。)
コロイダルシリカ粒子II(平均粒子径:12nm、市販のコロイダルシリカ。含有量は表に示す。ただし、実施例1〜6、比較例1には含まない。)
HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸) 0.20質量%
リン酸(含有量は表に示す。)
硫酸 0.60質量%
リン酸アンモニウム(含有量は表に示す。ただし、実施例1〜7、10、11、比較例1〜3には含まない。)
リン酸ナトリウム(含有量は表に示す。ただし、実施例1〜9、比較例1〜3には含まない。)
過酸化水素 0.60質量%
スクラッチ低減剤他(下記の界面活性剤A〜D、含有量は表に示す。ただし、比較例1、2には含まない。)
A:ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸エステルナトリウム塩(日油製 サンアミドC−3)
Figure 0006110716
(Rはヤシ油由来)
B:脂肪酸アミドエーテル硫酸エステルナトリウム塩(日油製 サンアミドCF−3)
Figure 0006110716
C:ヤシ油脂肪酸メチルタウリン酸ナトリウム塩(日油製 ダイヤポンK−SF)
Figure 0006110716
(Rはヤシ油由来)
D:ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム(東邦化学製 コハクールL−400A)
Figure 0006110716
用いたコロイダルシリカ粒子の平均粒子径は、シアーズ法で測定した。以下、シアーズ法による粒子径測定方法を説明する。
(1)1.5gのコロイダルシリカを含有するコロイダルシリカ分散液量を下式で計算した。
サンプル量 Wr(g)=150/コロイダルシリカ分散液中のコロイダルシリカ濃度(%)
(2)(1)で計算した量のコロイダルシリカ分散液をビーカーに秤量した。実際の秤量値をWa(g)とした。
(3)秤量したコロイダルシリカ分散液に純水100mlを加えた。
(4)さらにpHが3〜3.5になるように0.1mol/l塩酸水溶液を加えた。
(5)塩化ナトリウムを30g加え、純水50mlを加えて攪拌した。
(6)液にpH電極を浸けて攪拌しながら0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液をpH4.0となるまで滴定した。
(7)続けてpH9.0となるまで0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を滴定した。ここでpH4.0から9.0までの滴定に要した0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液の量をVs(ml)とした。
(8)ブランク測定を行った。塩化ナトリウム30gに純水150mlを加えて攪拌し、pHが3〜3.5になるように0.1mol/l塩酸水溶液を加えた。さらに(6)、(7)と同様の方法で滴定を行い、ここでpH4.0〜9.0までの滴定に要した0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液の量をVb(ml)とした。
(9)比表面積SSAを計算した。
比表面積 SSA(m/g)=26.5(Vs−Vb)/(Wr/Wa)
(10)比表面積から平均粒子径Dを計算した。
平均粒子径 D(nm)=3100/SSA
(コロイダルシリカの密度を1.9g/cmとして計算した。)
(2)研磨条件
Ni−P無電解メッキした外径2.5インチのアルミディスクを研磨対象の基板として下記研磨条件で研磨を行った。
研磨機:スピードファム(株)製 9B両面研磨機
研磨パッド:(株)FILWEL社製 P2用パッド
定盤回転数:上定盤−7.5rpm
下定盤22.5rpm
研磨剤供給量:100ml/分
研磨時間:研磨量が0.37〜0.45μm/片面となる時間、研磨する(300〜390秒)。
加工圧力:9.8kPa
(3)研磨したディスク表面の評価
(3−1)研磨レート比
研磨レートは、研磨後に減少したアルミディスクの質量を測定し、下記式に基づいて算出した。
研磨レート(μm/min)=アルミディスクの質量減少量(g)/研磨時間(min)/アルミディスク片面の面積(cm)/Ni−Pメッキの密度(g/cm)×10
(但し、上記式中、アルミディスク片面の面積は28.3cm、Ni−Pメッキの密度は8.0g/cm
研磨レート比は、実施例1〜6においては上記式を用いて求めた比較例1の研磨レートを1とした場合の相対値であり、実施例7〜11および比較例3においては上記式を用いて求めた比較例2の研磨レートを1とした場合の相対値である。
(3−2)スクラッチ比
スクラッチは、MicroMAX VMX−4100を用いて、基板にあるスクラッチ本数を、測定条件チルト角−5°、倍率20倍で測定した。スクラッチ比は、実施例1〜6においては比較例1のスクラッチ本数を1とした場合の相対値であり、実施例7〜11および、比較例3においては比較例2のスクラッチ本数を1とした場合の相対値である。
Figure 0006110716
Figure 0006110716
(3−3)結果
実施例1〜11と、スクラッチ低減剤を含まない比較例1、2および本発明のスクラッチ低減剤と異なる界面活性剤を含む比較例3とを比較すると、本発明のスクラッチ低減剤を使用した場合にスクラッチが低減することがわかる。また、実施例7と、酸の塩を含む実施例8〜11とを比較すると、酸の塩を含まない実施例7の方がよりスクラッチが低減していることがわかる。
本発明の仕上げ研磨用研磨剤組成物は、磁気ディスク基板、磁気ヘッド、半導体基板、単結晶基板などの研磨に使用することができる。これらの中でも特に磁気ディスク基板の研磨への使用に適しており、スクラッチの低減された研磨面に仕上げることができる。

Claims (6)

  1. 研磨材と、酸と、酸化剤と、スクラッチを低減するスクラッチ低減剤と水とを含み、
    前記スクラッチ低減剤が、スルホン酸系アニオン性界面活性剤および/または硫酸エステル系アニオン性界面活性剤であり、かつこれらのアニオン性界面活性剤がアミド構造を有するNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物。
  2. 前記スクラッチ低減剤が構造式()で表されるアニオン性界面活性剤である請求項1に記載のNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物。
    Figure 0006110716
    (式中、R は炭素数が8〜18のアルキル基、アルケニル基を示し、R は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R は炭素数が1〜8のアルキレン基、−(CH CH O) −及び−(CH CH(CH )O) −から選ばれる少なくとも一種からなる繰返し単位を示し、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、アンモニウム又は有機カチオンを示す。ここで、m及びnの合計は1〜8の整数である。)
  3. 前記研磨材の平均粒子径が5〜100nmである請求項1または2に記載のNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板仕上げ研磨用研磨剤組成物を用いて磁気ディスク基板を研磨するNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板の研磨方法。
  5. 請求項4に記載の磁気ディスク基板の研磨方法を用いたNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の仕上げ研磨用研磨剤組成物を用いて研磨されたNi−Pメッキされたアルミ磁気ディスク基板。
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