JP2011036174A - シュー皮用改良剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯切れが改善されると共に風味も良好なシュー皮を、体積の減少や外観形状の変化を伴うことなく、安定して製造することができるシュー皮用改良剤組成物を提供すること、該特徴を有するシュー皮を得ることができるシュー生地、及び、該特徴を有するシュー皮を提供すること。
【解決手段】遊離アミノ酸を有効成分とし、好ましくは更に乳清ミネラルを含有するシュー皮用改良剤組成物、該シュー皮用改良剤組成物を使用したシュー生地並びに該シュー生地を加熱処理したシュー皮。
【選択図】なし

Description

本発明は、シュー皮の食感、特に歯切れを改良するためのシュー皮用改良剤組成物に関し、詳しくは、歯切れが改善されたシュー皮を、体積の減少や外観形状の変化を伴うことなく、安定して製造することができるシュー皮用改良剤組成物に関する。
シュー生地は、数あるベーカリー生地の中でも特に卵類の配合量が多いため、焼成したシュー皮は、卵タンパク質の熱変性に由来するゴム様の食感が出やすく、歯切れの悪い食感になりやすいものであった。
また、シュー皮は、澱粉の糊化度が高いこと、及び、一般的に糖類を含まない生地配合であることから、もともと老化しやすいことに加え、生クリームやカスタードクリーム等の冷蔵を要するクリームを充填して、冷蔵で流通・販売することが一般的であるために、ベーカリー製品の中では特に老化しやすいものであり、比較的短時間で歯切れが悪化してしまう問題があった。
さらに、シュー皮の製造に使用する専用油脂には、体積と保型性を出すためにカゼインのアルカリ金属塩を使用することが一般的に行われており、このカゼインのアルカリ金属塩を用いて作られたシュー皮は、焼成当初から歯切れが悪いことに加え、ニカワ臭に似た好ましくない風味を呈するという問題があった。
これらのシュー皮特有の食感の問題を解決するため、例えば、卵殻粉を使用する方法(例えば特許文献1参照)、未α化架橋澱粉を使用する方法(例えば特許文献2参照)等の方法が提案されている。
しかし、卵殻粉や未α化架橋澱粉は、焼成時のシュー生地の伸びを抑制する作用を有するため、例えば卵殻粉を使用する方法ではシュー皮の体積が小さくなってしまう問題があり、未α化架橋澱粉を使用する方法では得られるシュー皮の外観が割れの大きなものとなり孔があいてしまうという問題があった。またさらに、これらの方法は、カゼインのアルカリ金属塩を使用した場合の風味の問題については解決可能なものではなかった。
なお、一般的にベーカリー製品の風味や焼色を改善する目的としてアミノ酸を使用することがある。これは、アミノ酸が、ベーカリー生地に含まれる糖との反応(メーラード反応)でコク味のある風味を生じること等を利用するものである。しかし、アミノ酸が風味・焼色以外の改良効果を呈することについては今まで検討されたことがなく、実際、パン生地やケーキ生地にアミノ酸を添加しても、風味・焼色以外の外観に変化はなく、食感にも変化は見られない。ベーカリー製品の中でもシュー生地は糖類を配合するものではないため、メイラード反応による風味改善や焼色改善は期待できないことから、シュー生地にアミノ酸を配合することは行われていなかった。
特開2005−269993号公報 特開2004−41117号公報
従って、本発明の目的は、歯切れが改善されると共に風味も良好なシュー皮を、体積の減少や外観形状の変化を伴うことなく、安定して製造することができるシュー皮用改良剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、シュー皮の風味改善を検討する過程で、シュー生地に遊離アミノ酸、特に特定配合の遊離アミノ酸混合物を1次加熱前に配合した場合、上記問題を解決可能であること、さらに、乳清ミネラルを併用することで、より高い改良効果が得られることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、遊離アミノ酸を有効成分とするシュー皮用改良剤組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記シュー皮用改良剤組成物を、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、遊離アミノ酸が0.001〜2質量部となる量で含有するシュー生地、及び該シュー生地を加熱処理してなるシュー皮を提供するものである。
また、本発明は、上記シュー皮用改良剤組成物を、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、遊離アミノ酸が0.001〜2質量部となる量で、シュー生地原料中にあらかじめ配合して添加するか、又はシュー生地に添加することにより、上記シュー生地を得るシュー生地の製造方法を提供するものである。
本発明のシュー皮用改良剤組成物を用いることにより、歯切れ、体積が良好で、風味も良好であるシュー皮を安定して製造することができる。
以下、本発明のシュー皮用改良剤組成物について詳述する。
本発明のシュー皮用改良剤組成物は、遊離アミノ酸を有効成分として含有する。
ここで、遊離アミノ酸を使用した場合に、なぜ、パン生地やケーキ生地においては色調以外の外観に変化はなく、食感にも変化が見られないのに、シュー生地において顕著な改良効果が見られるのかについては明らかではないが、シュー生地は糖類を含有しないのが一般的であるため、通常ベーカリー生地において糖との反応に消費されるアミノ酸が、糖以外のシュー生地の基本成分に配向しているのではないかと考えられる。また、シュー皮は、数あるベーカリー製品の中でも、2回の加熱工程(澱粉類を糊化させる一次加熱と、シュー生地を加熱処理する二次加熱)を有することで特徴的であることから、シュー生地中の糊化した澱粉類や加熱変性したグルテンタンパク質との何らかの相互作用である可能性も考えられる。
本発明において、遊離アミノ酸とは、遊離アミノ酸、又は、アミノ酸の塩酸塩や、ナト
リウム塩、カルシウム塩等の塩の形態の状態、或いはこれらの塩の水和物の状態を指し、ペプチドや蛋白質を構成する等の2個以上のアミノ酸結合体は含まない。2個以上のアミノ酸結合体の形態である場合は、本発明の効果は得られない。
上記遊離アミノ酸としては、食用に適するものであれば特に制限なく使用可能であるが、本発明のシュー皮用改良剤組成物は、上記遊離アミノ酸として、バリン及びフェニルアラニンからなる群の中から選ばれた1種又は2種を含む疎水性アミノ酸、リジンを含む塩基性アミノ酸、並びに、酸性アミノ酸を含有するものであることが、より歯切れが良好なシュー皮が得られる点、さらには、シュー皮にバター様のコク味を付与することも可能な点で好ましい。
本発明では、必要により、疎水性アミノ酸として、上記バリン及び上記フェニルアラニン以外に、疎水性アミノ酸であるグリシン、アラニン、ロイシン及びイソロイシンからなる群の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができ、グリシン及びアラニンからなる群の中から選ばれた1種又は2種を用いることが好ましい。
上記疎水性アミノ酸中、バリン及びフェニルアラニンからなる群の中から選ばれた1種又は2種の疎水性アミノ酸の合計の含有量は、好ましくは15〜90質量%、さらに好ましくは25〜80質量%、最も好ましくは35〜70質量%である。
また、本発明では、必要により、塩基性アミノ酸として、上記リジン以外に、塩基性アミノ酸であるヒスチジン及びアルギニンからなる群の中から選ばれた1種又は2種を用いることができ、アルギニンを用いることが好ましい。
上記塩基性アミノ酸中、リジンの含有量は好ましくは75〜100質量%、さらに好ましくは80〜95質量%、最も好ましくは85〜90質量%である。
また、上記酸性アミノ酸としては、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなる群の中から選ばれた1種又は2種を用いることが好ましく、グルタミン酸を用いることがさらに好ましい。
上記酸性アミノ酸中、グルタミン酸の含有量は好ましくは40〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%、最も好ましくは80〜100質量%である。
本発明のシュー皮用改良剤組成物の、遊離アミノ酸のアミノ酸組成における、上記のバリン及びフェニルアラニンからなる群の中から選ばれた1種又は2種を含む疎水性アミノ酸の含有量は、好ましくは30〜60質量% 、さらに好ましくは35〜55質量%、最も好ましくは40〜50質量%である。
本発明のシュー皮用改良剤組成物の、遊離アミノ酸のアミノ酸組成における、上記のリジンを含む塩基性アミノ酸の含有量は、好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは40〜60質量%、最も好ましくは45〜55質量%である。
本発明のシュー皮用改良剤組成物の、遊離アミノ酸のアミノ酸組成における、上記の酸性アミノ酸の含有量は、好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは2.5〜15質量%、最も好ましくは5〜10質量%である。
本発明のシュー皮用改良剤組成物は、上記遊離アミノ酸に加え、乳清ミネラルを併用することが歯切れ及び風味の改良効果がより高くなる点で好ましい。
乳清ミネラルとは、乳又はホエー(乳清)から、可能な限り蛋白質や乳糖を除去したものであり、高濃度に乳の灰分を含有するという特徴を有する。そのため、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエー中のミネラル組成に近い比率となる。
本発明で使用する乳清ミネラルとしては、歯切れ、特にカゼインのアルカリ金属塩を併用した場合の歯切れの改良効果が高い点、及び、カゼインのアルカリ金属塩由来の風味の改善効果が高い点で、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満、特に1質量%未満の乳清ミネラルを使用することが好ましい。尚、該カルシウム含量は低いほど好ましい。
牛乳から通常の製法で製造された乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が5質量%以上である。上記カルシウム含量が2質量%未満の乳清ミネラルは、乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換、さらには冷却により、乳糖及び蛋白質を除去して乳清ミネラルを得る際に、あらかじめカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエーを用いる方法、あるいは、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にカルシウムを除去する工程を挿入することで得ることができるが、工業的に実施する上での効率やコストの点で、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入することで得る方法を採ることが好ましい。ここで使用する脱カルシウムの方法としては、特に限定されず、調温保持による沈殿法等の公知の方法を採ることができる。
本発明のシュー皮用改良剤組成物において、上記乳清ミネラルの含有量は、遊離アミノ酸100質量部に対して、固形分として好ましくは10〜4000質量部、さらに好ましくは50〜800質量部である。この範囲であれば、本発明のシュー皮用改良剤組成物をシュー生地に配合する際に、シュー生地における後述の好ましい遊離アミノ酸量及び乳清ミネラル量を同時に満足させることが容易になる。
本発明のシュー皮用改良剤組成物には、さらにカゼインのアルカリ金属塩を含有させることができる。本発明のシュー皮用改良剤組成物においてカゼインのアルカリ金属塩を併用すると、カゼインのアルカリ金属塩を使用した場合に従来問題となっていた食感や風味の悪化を起こすことなく、さらに体積の大きなシュー皮とすることができる。カゼインのアルカリ金属塩としては、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインカルシウム等が挙げられる。
本発明のシュー皮用改良剤組成物において、上記カゼインのアルカリ金属塩の含有量は、遊離アミノ酸100質量部に対して、好ましくは300〜18000質量部、さらに好ましくは900〜6000質量部である。この範囲であれば、本発明のシュー皮用改良剤組成物をシュー生地に配合する際に、シュー生地における後述の好ましい遊離アミノ酸量及びカゼインのアルカリ金属塩量を同時に満足させることが容易になる。
本発明のシュー皮用改良剤組成物は、その効果を阻害しない範囲内において、上記の遊離アミノ酸、乳清ミネラル及びカゼインのアルカリ金属塩のほかに、その他の成分として、卵白・卵黄・ゼラチン等の動植物性蛋白質類及びその分解物、有機酸又は有機酸塩、無機酸又は無機酸塩類、還元糖・オリゴ糖・乳糖・ブドウ糖・砂糖・麦芽糖・トレハロース・サイクロデキストリン等の糖類、甘味料、ポリオール類、油脂類、食塩、ビタミンC・グルタチオン・グルタチオン含有酵母エキス・システイン等の還元剤類、アミラーゼ・ヘミセルラーゼ・パーオキシターゼ・プロテアーゼ・リパーゼ・その他酵素等の酵素類、色素類、着香料、乳化剤、ゲル化剤、増粘多糖類、デキストリン、脱脂粉乳等の賦形剤類、水、イーストフード、澱粉類、穀類、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、金属イオン封鎖剤、強化剤等を配合してもよい。本発明のシュー皮用改良剤組成物において、その他の成分の含有量は、成分の種類等によって適宜選択すればよく特に制限されるものではないが、好ましくは遊離アミノ酸100質量部に対して合計で50質量部以下とする。
本発明のシュー皮用改良剤組成物の形態としては、特に制限されず、固形、顆粒状、粉末状、ペースト状、流動状、液状等のいずれの形態であってもよい。
本発明のシュー皮用改良剤組成物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を使用することができる。例えば、粉末状の場合は、粉体混合用混合機を使用し、各粉末原料を混合することによって得ることができ、また、液状〜ペースト状の場合は、水や油脂等に各原料を溶解又は分散することによって得ることができる。
本発明のシュー皮用改良剤組成物のシュー生地への添加量は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、遊離アミノ酸が好ましくは0.001〜2質量部、より好ましくは0.05〜1質量部となる量である。上記遊離アミノ酸の含有量が0.001質量部未満であると、歯切れの向上効果が見られにくい。また、2質量部を超えると、糖類を含有しないシュー生地であってもシュー皮の焼色が極端に濃化したり、苦味等の異味を感じるおそれがある。
本発明のシュー皮用改良剤組成物が、さらに乳清ミネラルを含有する場合は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、乳清ミネラルが、固形分として好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜2質量部となる量とする。上記乳清ミネラルの含有量が0.01質量部未満であると、歯切れの向上効果が見られにくく、またシュー生地にカゼインのアルカリ金属塩を使用した場合の風味の改善効果も見られにくい。また、5質量部を超えると、苦味を感じるおそれがある。
本発明のシュー皮用改良剤組成物のシュー生地への添加方法としては、澱粉類、油脂類、水、卵類等のシュー生地原料に混合して添加する方法や、出来上がったシュー生地に添加して混合する方法等を挙げることができる。シュー生地原料に混合する場合には、ミックス粉とすることもできる。
なかでも、シュー生地原料中にあらかじめ配合して添加する方法が風味の改善効果が特に高い点で好ましく、とりわけ、澱粉類、油脂類、水等のシュー生地製造時の一次加熱工程で使用するシュー生地原料にあらかじめ配合して添加することが好ましく、特に、遊離アミノ酸の効果を最大限に発揮可能であること、及び安定して保存が可能であることから、油脂類にあらかじめ配合して添加することが好ましい。
なお、油脂類中にあらかじめ配合して添加する場合、該油脂類の製造時に、本発明のシュー皮用改良剤組成物の構成成分を添加して、シュー皮用改良剤組成物含有油脂組成物として製造することももちろん可能である。
次に、本発明のシュー生地について説明する。
本発明のシュー生地は、本発明のシュー皮用改良剤組成物を含有するものである。本発明のシュー生地は、本発明のシュー皮用改良剤組成物を、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは遊離アミノ酸が0.001〜2質量部、より好ましくは0.05〜1質量部となる量で含有する。
また、本発明のシュー皮用改良剤組成物が、さらに乳清ミネラルを含有する場合は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、乳清ミネラルが、固形分として好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜2質量部となる量で、本発明のシュー皮用改良剤組成物を含有することが望ましい。
本発明のシュー生地は、上記シュー皮用改良剤組成物を含有する以外は、従来のシュー生地と同様、澱粉類、油脂類、水、卵類等のシュー生地原料を使用する。
上記の澱粉類としては、特に限定されるものではないが、例えば、薄力粉・中力粉・強力粉・全粒粉・デュラム粉等の小麦粉、大麦粉、米粉、ライ麦粉、大豆粉、ハトムギ粉等の穀粉類をはじめ、小麦でんぷん、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米でんぷん、甘薯でんぷん、じゃがいもでんぷん、タピオカでんぷん等の食用澱粉、さらにはこれらの穀粉類や食用澱粉に酵素処理、酸処理、アルカリ処理、エステル化、リン酸架橋化、焙焼、湿熱等の物理的、化学的処理を行った化工澱粉類、水に溶解し易いように予め加熱処理あるいはアルカリ処理等により糊化させた糊化澱粉類を挙げることができる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができ、好ましくは小麦粉を使用する。
上記の油脂類としては、特に限定されないが、バター、ラード、ヘット、マーガリン、ショートニング、サラダ油、食用油脂、食用精製加工油脂、水中油型クリーム、濃縮牛乳状組成物等を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。これらの油脂類に使用する油脂としては、特に限定されず、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。上記油脂類の配合量は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、純油分として、好ましくは60〜150質量部、さらに好ましくは80〜130質量部である。
上記のシュー生地中の水の配合量はシュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、純水分として、好ましくは100〜250質量部、さらに好ましくは120〜200質量部である。
なお、本発明においては、水の一部又は全部を、その他の原料として後に挙げる、水を多く含む食品や食品素材、例えば、牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、果汁、コーヒー、紅茶等で置換しても良い。また、上記油脂類が水を含有する場合は、それらに含まれる水分についても水の配合量に算入するものとする。
上記の卵類としては、全卵、卵黄、卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等を用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記卵類の配合量は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは150〜300質量部、さらに好ましくは200〜280質量部である。
なお、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白等の乾燥品を使用する場合は、それぞれ乾燥前の、全卵、卵黄、卵白に換算して、配合量を計算する。また、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白等の加塩品や、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白等の加糖品を使用する場合は、それぞれ食塩や糖類を除いた、全卵、卵黄、卵白に換算して、配合量を計算する。
本発明のシュー生地においては、カゼインのアルカリ金属塩をシュー生地中に含有させることにより、食感や風味を悪化させることなく、さらに体積の大きなシュー皮とすることができる。なお、該カゼインのアルカリ金属塩としては、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインカルシウム等を挙げることができる。
通常のシュー皮においては、カゼインのアルカリ金属塩、特にカゼインナトリウムを使用すると、体積の大きなシュー皮は得られるものの、焼成当初から歯切れが悪く、また、ニカワ臭に似た好ましくない風味を呈するという問題があった。しかし、本発明のシュー皮用改良剤組成物を使用すると、このような品質の劣化もなく、焼成当初から歯切れ、風味とも良好であるシュー皮を得ることができる。
本発明のシュー生地における、上記カゼインのアルカリ金属塩の配合量は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは2〜10質量部、さらに好ましくは3〜9質量部である。
上記カゼインのアルカリ金属塩のシュー生地への添加方法は特に制限されず、前述のように本発明のシュー皮用改良剤組成物中に含有させて添加する方法や、澱粉類、油脂類、水、卵類等のシュー生地原料に混合して添加する方法や、ミックス粉として含有させる方法や、出来上がったシュー生地に添加して混合する方法等を挙げることができる。
なかでも、本発明のシュー皮用改良剤組成物中に含有させて添加する方法、及び/又は、シュー生地原料中にあらかじめ配合して添加する方法が好ましく、とりわけ、澱粉類、油脂類、水等のシュー生地製造時の糊化工程で使用するシュー生地原料中にあらかじめ配合して添加する方法が好ましく、特に好ましくは油脂類中にあらかじめ配合して添加する方法が好ましい。
また、本発明のシュー生地には、本発明の効果を阻害しない範囲内において、一般的にシュー生地製造に使用する上記成分以外の、その他の原料を配合することが出来る。上記のその他の原料としては、ゲル化剤や安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類や甘味料、乳や乳製品、タンパク質、食塩、無機塩、有機酸塩、酵素、ジグリセライド、植物ステロール、植物ステロールエステル、果汁、果肉、野菜、野菜汁、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、デキストリン、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材、重炭安・重曹・ベーキングパウダー等の膨張剤、アスコルビン酸・シスチン等の酸化剤や還元剤、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
上記ゲル化剤や安定剤としては、ゼラチン、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガム等が挙げられる。本発明では、上記ゲル化剤や安定剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記乳化剤としては、レシチン、酵素処理レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。本発明では、上記の乳化剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。本発明では、上記の糖類・甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
ただし、本発明においては、メイラード反応による着色を極力発生させないことが好ましいため、上記糖類については、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、2質量部以下とすることが好ましく、1質量部以下とすることがより好ましく、含有しないことが最も好ましい。
上記のその他の原料の配合量は、特に制限されるものではないが、シュー生地中、好ましくは45質量%以下とする。
次に、本発明のシュー生地の製造方法について述べる。
本発明のシュー生地の製造方法は、本発明のシュー皮用改良剤組成物を含有させる以外は、通常のシュー生地の製造方法でよい。例えば、通常の製造方法においては、水、油脂類、食塩等を大きめの鍋、ボール等の容器に入れて煮沸させ、これに小麦粉等の澱粉類を加え、練り上げ、十分に糊化させる。これに卵類を数回に分けて加え、均一に混合することによって、シュー生地を得ることができる。この通常の製造方法の工程のいずれかの段階において、本発明のシュー皮用改良剤組成物を添加すればよい。例えば、前述したように、水、油脂類、澱粉類、卵類等のシュー生地原料中にあらかじめ配合して添加することが好ましく、とりわけ、糊化工程で使用するシュー生地原料(なかでも油脂類)にあらかじめ配合して添加することが好ましい。
なお、澱粉類の一部又は全部について糊化小麦粉や糊化澱粉を使用し、煮沸、練り上げ工程を略する、いわゆるインスタントシュー生地の製造方法であってもよいが、本発明の効果は2回の加熱工程(澱粉類を糊化させる一次加熱と、シュー生地を加熱処理する二次加熱)を有する一般的なシュー生地の製造方法において極めて高い効果が得られることから、上記インスタントシュー生地の製法に拠らないことが好ましい。
また、本発明のシュー生地は、生地の状態で、あるいは絞って玉にした状態で冷凍してもよい。シュー生地を冷凍する場合は、−30℃〜−45℃の急速冷凍庫を使用し、急速冷凍を行うことが好ましい。
次に、本発明のシュー皮について述べる。
本発明のシュー皮は、本発明のシュー生地を加熱処理、好ましくは焼成することによって得られるものであり、歯切れ及び体積が良好で、かつ、風味も良好という特徴を有する。特にカゼインのアルカリ金属塩を使用した場合であっても、歯切れ及び風味が良好である。
加熱処理方法としては、例えば、上記シュー生地を、展板上又は焼き型や紙型に絞り又は充填後、焼成する方法等が挙げられる。あるいは、上記シュー生地を、パン生地やケーキ生地等の他のベーカリー生地と複合させ、焼成してもよい。複合の方法としては、他のベーカリー生地上にシュー生地を絞る方法や、シュー生地の上に他のベーカリー生地を積載する方法や、他のベーカリー生地中にシュー生地を充填あるいは包餡する方法等が挙げられる。
焼成条件は、好ましくは160〜240℃で5〜30分、より好ましくは180〜220℃で8〜30分、さらに好ましくは180〜210℃で10〜20分である。
以下に実施例を比較例とともに挙げるが、本発明は、これらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
バリン8質量部、フェニルアラニン8質量部、グリシン3質量部及びアラニン4質量部からなる疎水性アミノ酸46質量%、リジン7質量部及びアルギニン1質量部からなる塩基性アミノ酸48質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸6質量%を混合し、本発明のシュー皮用改良剤組成物Aを得た。
パーム軟部油のランダムエステル交換油脂60質量%、大豆液状油30質量%及びパーム分別硬部油10質量%からなる混合油脂74.55質量部、ステアリン酸モノグリセリド0.3質量部、レシチン0.1質量部及び香料0.1質量部を加熱混合し、油相とした。一方、水23.5質量部を加温し、上記シュー皮用改良剤組成物A0.25質量部、食塩1質量部及びホエーパウダー0.2質量部を添加、混合、溶解し、水相とした。そして、上記の油相と水相とを混合、乳化し、急冷混和して、シュー生地練り込み用マーガリンAを得た。
上記シュー生地練り込み用マーガリンA140gと水140gをミキサーボウルに計量し、ガスコンロにかけ、105℃になるまで加熱溶解した。これに小麦粉(薄力粉)100gを一気に投入し、十分糊化・混合して糊化物を得た。ミキサーボウルをミキサーにセットし、中速2分ミキシングし、糊化物が55℃まで冷えたところで、膨張剤(重炭酸アンモニウム)1gと全卵250gとの混合物を、中速でミキシングしながら徐々に加え、均一なシュー生地とした。絞り袋にシュー生地を充填し、ベーキングシートを敷いた展板に25g絞り、上火200℃、下火180℃に設定した固定オーブンで15分(5分経過後はダンパー開放)焼成し、シュー皮を得た。
得られたシュー皮について、下記の<体積評価方法>及び<官能評価方法>に従って各評価を行った。なお、官能評価については、焼成当日室温放冷後と10℃保存3日後において評価を行った。これらの評価結果を表1に記した。
<体積評価方法>
シュー皮の体積について、以下の評価基準に従って評価した。
・評価基準
◎ きわめて良好である。
○ 良好である。
△ やや不良である。
× 不良である。
<官能評価方法>
シュー皮を試食し、風味及び歯切れそれぞれについて、以下の評価基準に従って評価した。
・風味評価基準
◎ きわめて良好である。
○ 良好である。
△ ややニカワ臭を感じ、やや不良である。
× ニカワ臭を強く感じ、不良である。
・歯切れ評価基準
◎ きわめて良好である。
○ 良好である。
△ やや不良である。
× 不良である。
(実施例2)
バリン8質量部、フェニルアラニン8質量部、グリシン3質量部及びアラニン4質量部からなる疎水性アミノ酸46質量%、リジン7質量部及びアルギニン1質量部からなる塩基性アミノ酸48質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸6質量%からなるアミノ酸混合物1質量部に対し、カゼインナトリウム18質量部を混合し、本発明のシュー皮用改良剤組成物Bを得た。
シュー皮用改良剤組成物A0.25質量部に代えてシュー皮用改良剤組成物B4.75質量部を使用し、水の配合量を23.5質量部から19.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、シュー生地練り込み用マーガリンBを製造し、該シュー生地練り込み用マーガリンBを用いて実施例1と同様にシュー皮の製造、及び評価を行った。これらの評価結果を表1に記した。
(実施例3)
バリン8質量部、フェニルアラニン8質量部、グリシン3質量部及びアラニン4質量部からなる疎水性アミノ酸46質量%、リジン7質量部及びアルギニン1質量部からなる塩基性アミノ酸48質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸6質量%からなるアミノ酸混合物1質量部に対し、下記製造方法によって得られた乳清ミネラルA1.2質量部を混合し、本発明のシュー皮用改良剤組成物Cを得た。
シュー皮用改良剤組成物A0.25質量部に代えてシュー皮用改良剤組成物C0.55質量部を使用し、水の配合量を23.5質量部から23.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、シュー生地練り込み用マーガリンCを製造し、該シュー生地練り込み用マーガリンCを用いて実施例1と同様にシュー皮の製造、及び評価を行った。これらの評価結果を表1に記した。
<乳清ミネラルAの製造>
チーズを製造する際に副産物として得られた甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%であった。
(実施例4)
バリン8質量部、フェニルアラニン8質量部、グリシン3質量部及びアラニン4質量部からなる疎水性アミノ酸46質量%、リジン7質量部及びアルギニン1質量部からなる塩基性アミノ酸48質量%、並びに酸性アミノ酸であるグルタミン酸6質量%からなるアミノ酸混合物1質量部に対し、カゼインナトリウム18質量部及び上記乳清ミネラルA1.2質量部を混合し、本発明のシュー皮用改良剤組成物Dを得た。
シュー皮用改良剤組成物A0.25質量部に代えてシュー皮用改良剤組成物D5.05質量部を使用し、水の配合量を23.5質量部から18.7質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、シュー生地練り込み用マーガリンDを製造し、該シュー生地練り込み用マーガリンDを用いて実施例1と同様にシュー皮の製造、及び評価を行った。これらの評価結果を表1に記した。
(比較例1)
シュー皮用改良剤組成物Aを無添加とし、水の配合量を23.5質量部から23.75質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてシュー生地練り込み用マーガリンEを製造し、該シュー生地練り込み用マーガリンEを用いて実施例1と同様にシュー皮の製造、及び評価を行った。これらの評価結果を表1に記した。
(比較例2)
シュー皮用改良剤組成物Aを無添加とし、水相にカゼイントリウム4.5質量部を添加し、水の配合量を23.5質量部から19.25質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、シュー生地練り込み用マーガリンFを製造し、該シュー生地練り込み用マーガリンFを用いて実施例1と同様にシュー皮の製造、及び評価を行った。これらの評価結果を表1に記した。
(実施例5)
上記シュー生地練り込み用マーガリンF140gと水140gをミキサーボウルに計量し、ガスコンロにかけ、105℃になるまで加熱溶解した。これに小麦粉(薄力粉)100gを一気に投入し、十分糊化・混合して糊化物を得た。ミキサーボウルをミキサーにセットし、中速2分ミキシングし、糊化物が55℃まで冷えたところで、膨張剤(重炭酸アンモニウム)1g、シュー皮用改良剤組成物C0.77g及び全卵250gの混合物を、中速でミキシングしながら徐々に加え、均一なシュー生地とした。絞り袋にシュー生地を充填し、ベーキングシートを敷いた展板に25g絞り、上火200℃、下火180℃に設定した固定オーブンで15分(5分経過後はダンパー開放)焼成し、シュー皮を得た。得られたシュー皮について、実施例1と同様にシュー皮の評価を行った。これらの評価結果を表1に記した。
(実施例6)
上記シュー生地練り込み用マーガリンF140gと水140gをミキサーボウルに計量し、ガスコンロにかけ、105℃になるまで加熱溶解した。これに小麦粉(薄力粉)100gとシュー皮用改良剤組成物C0.77gの混合物を一気に投入し、十分糊化・混合して糊化物を得た。ミキサーボウルをミキサーにセットし、中速2分ミキシングし、糊化物が55℃まで冷えたところで、膨張剤(重炭酸アンモニウム)1g及び全卵250gの混合物を、中速でミキシングしながら徐々に加え、均一なシュー生地とした。絞り袋にシュー生地を充填し、ベーキングシートを敷いた展板に25g絞り、上火200℃、下火180℃に設定した固定オーブンで15分(5分経過後はダンパー開放)焼成し、シュー皮を得た。得られたシュー皮について、実施例1と同様にシュー皮の評価を行った。これらの評価結果を表1に記した。
Figure 2011036174
上記表1からわかるように、遊離アミノ酸を有効成分として含有するシュー皮用改良剤組成物を使用して得られたシュー皮(実施例1〜6)は、遊離アミノ酸を使用せずに得られたシュー皮(比較例1及び2)に比べ、風味、食感(歯切れ)が良好であった。
特に、実施例1と実施例3との比較、及び実施例2と実施例4との比較から明らかなように、乳清ミネラルを併用したシュー皮用改良剤組成物を使用して得られたシュー皮は、同一製法で乳清ミネラルを併用しない場合と比べて、保存後でも良好な風味、食感(歯切れ)を維持していた。
また、実施例1と実施例2との比較、及び実施例3と実施例4との比較から明らかなように、本発明のシュー皮用改良剤組成物を使用すると、カゼインのアルカリ金属塩を使用したシュー生地であっても、風味や歯切れを悪化させることなく、体積を一層良好にできることがわかる。
さらに、実施例4〜6の結果からは、本発明のシュー皮用改良剤組成物は、卵類中に含有させた場合(実施例5)、澱粉類中に含有させた場合(実施例6)、油脂類中に含有させた場合(実施例4)の順に高い改良効果が得られることがわかる。

Claims (7)

  1. 遊離アミノ酸を有効成分とするシュー皮用改良剤組成物。
  2. 遊離アミノ酸として、バリン又はフェニルアラニンを含む疎水性アミノ酸、リジンを含む塩基性アミノ酸、及び酸性アミノ酸を含有する請求項1記載のシュー皮用改良剤組成物。
  3. 上記遊離アミノ酸のアミノ酸組成において、上記疎水性アミノ酸を30〜60質量%、上記塩基性アミノ酸を35〜65質量%、上記酸性アミノ酸を1〜20質量%含有する請求項2記載のシュー皮用改良剤組成物。
  4. さらに乳清ミネラルを含有する請求項1〜3のいずれかに記載のシュー皮用改良剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のシュー皮用改良剤組成物を、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、遊離アミノ酸が0.001〜2質量部となる量で含有するシュー生地。
  6. 請求項5記載のシュー生地を加熱処理してなるシュー皮。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のシュー皮用改良剤組成物を、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、遊離アミノ酸が0.001〜2質量部となる量で、シュー生地原料中にあらかじめ配合して添加するか、又はシュー生地に添加することにより、請求項5記載のシュー生地を得るシュー生地の製造方法。
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