JP2011025913A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造を複雑にすることなくラトル音の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】操舵トルクが非操舵相当の所定範囲内にあるときも、制御装置で減速機構の駆動ギヤ5aに回転トルクを与える。すなわち、従動ギヤ5bを駆動するには不十分な微小な回転トルクをモータに生じさせることにより、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間で一方向へのバックラッシュBLがない状態とし、かつ、所定時間の経過等の所定の条件で回転トルクの方向を反転させ他方向へのバックラッシュBLがない状態に切り替える。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載され、操舵トルクに基づいてモータにより操舵補助力を生じさせる電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、モータから減速機構を介して操舵機構へ操舵補助力を伝達する構成となっており、減速機構は、駆動ギヤ及び、これと噛み合う従動ギヤを備えている。ギヤ同士の噛み合い部分には、円滑な噛み合いのため、バックラッシュがある。路面から操舵機構へ周期的な逆入力があったときは、このバックラッシュに起因して、ギヤの歯同士が衝突を繰り返すことにより不快なラトル音を発生する場合がある。特に、ギヤが合成樹脂製ではなく金属製の場合には、大きなラトル音が発生しやすい。このようなラトル音の発生を防止するために、ギヤ周辺に特別な工夫を施した電動パワーステアリング装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開2008−189172号公報(図2) 特開2008−254624号公報(図1)
しかしながら、上記のような従来の電動パワーステアリング装置では、減速機構やその周辺の構造が複雑化するという問題点がある。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、構造を複雑にすることなくラトル音の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、操舵機構と、前記操舵機構に操舵補助力を付与するモータと、前記モータにより回転駆動される駆動ギヤ及び、前記操舵機構に取り付けられるとともに前記駆動ギヤと噛み合う従動ギヤを有する減速機構と、前記モータを制御する制御装置と、を備えた電動パワーステアリング装置であって、前記制御装置は、前記モータが前記操舵補助力を発生しない範囲内で、前記従動ギヤを駆動するには不十分な回転トルクを前記モータに生じさせ、かつ、前記回転トルクの方向を所定の条件で切り替える、ことを特徴とするものである。
上記のように構成された電動パワーステアリング装置では、モータが操舵補助力を発生しない範囲内で、従動ギヤを駆動するには不十分な微小な回転トルクをモータに生じさせることにより、駆動ギヤの歯を従動ギヤの歯に当接させ、駆動ギヤ及び従動ギヤ間で一方向へのバックラッシュがない状態とする。この状態では、路面から逆入力があっても、両ギヤは互いに当接した状態を維持することができるので、ラトル音の発生を抑制することができる。また、その状態のみを単に継続するのではなく、所定の条件で回転トルクの方向を反転させ他方向へのバックラッシュがない状態に切り替えることにより、従動ギヤが徐々に一方向へ回動することを防止する。このようにして、減速機構の構造には手を加えず、制御のみによってラトル音の発生を抑制することができる。
(2)上記電動パワーステアリング装置において、制御装置は、回転トルクを一方向に生じさせた状態で所定時間が経過することにより、回転トルクの方向を反転させ、かつ、当該反転を周期的に行わせるようにしてもよい。
この場合、従動ギヤが徐々に回動することを、周期的な切り替えによって確実に防止することができる。
(3)また、上記(1)又は(2)の電動パワーステアリング装置は舵角を検出する舵角検出装置を備え、制御装置は、操舵トルクが前記所定範囲内の値となった時からの舵角の積算値が設定値に達することにより、前記回転トルクの方向を反転させるようにしてもよい。なお、ここで言う舵角とは、操向車輪の転舵角と対応した角度であり、ステアリングホイールの回転角ではない。
この場合、舵角の積算値が設定値に達することにより、回転トルクの方向を反転させることになるので、運転者が車両を進行させたい方向から実際の車両が左右のいずれかに流れていく現象に歯止めをかけることができる。
(4)また、上記(1)の電動パワーステアリング装置は舵角を検出する舵角検出装置を備え、制御装置は、モータに対して、舵角の中心位置へ向かう回転トルクを生じさせ、舵角が、左右の一方側とみなされる領域から境界値を越えて他方側の値になることにより、回転トルクの方向を反転させるようにしてもよい。
この場合、舵角の中心位置から離れるように従動ギヤが徐々に回動することを抑制し、常に中心位置へ向かわせることができる。
(5)また、上記(4)の電動パワーステアリング装置において、一方側とみなされる領域とは、一方側の領域の他、一方側の領域にあった過去の状態からの継続的事象として中心位置から他方側へ所定範囲のヒステリシス領域にあることを含むものであってもよい。
この場合、中心位置近傍で回転トルクの方向反転が頻繁に行われるハンチングを防止することができる。
(6)また、上記(4)又は(5)の電動パワーステアリング装置において、制御装置は、操舵トルクが所定範囲内の値となった時からの舵角の積算値が設定値に達することにより、回転トルクの方向を反転させるようにしてもよい。
この場合、舵角の積算値が設定値に達することにより、回転トルクの方向を反転させることになるので、運転者が車両を進行させたい方向から実際の車両が左右のいずれかに流れていく現象に歯止めをかけることができる。
(7)また、上記(1)〜(6)のいずれかの電動パワーステアリング装置において、制御装置は、回転トルクの方向反転時及び回転トルクの方向反転を伴う操舵補助動作の開始時に、モータの駆動電流に振動成分を含ませるようにしてもよい。
この場合、バックラッシュが無い方から有る方へ駆動ギヤが反転回動する時の、歯と歯の一発目の打撃音を振動成分によって緩和することができる。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、制御装置による制御によってラトル音の発生を抑制するので、構造を複雑にすることなくラトル音の発生を抑制することができる。また、ラトル音の発生を抑制することによって、減速機構に金属製の歯車を採用することができるので、ギヤの高強度化や小型化にも寄与する。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 減速機構のギヤの略図(概念図)である。 ECUによって実行される操舵に関する制御のフローチャートである(第1実施形態)。 舵角の線図である(第2実施形態)。 ECUによって実行される操舵に関する制御のフローチャートである(第2実施形態)。 ECUによって実行される操舵に関する制御のフローチャートである(第3実施形態)。 (a)は、振動成分を付加しない場合に、駆動ギヤの歯が従動ギヤの歯を打撃する音圧レベルを示したグラフであり、また、(b)は、振動成分を付加した場合に、駆動ギヤの歯が従動ギヤの歯を打撃する音圧レベルを示したグラフである。 舵角の変移例を示すグラフである(第4実施形態)。 一例としての舵角の変移に対する積算の概念を示すグラフである(第4実施形態)。 ECUによって実行される操舵に関する制御のフローチャートである(第4実施形態)。 操舵トルクと操舵補助力との関係の一例を示すグラフである。
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。図において、ステアリングホイール1は、第1ステアリングシャフト2と接続されている。第1ステアリングシャフト2は、トーションバー3を介して、第2ステアリングシャフト4と接続されている。第2ステアリングシャフト4には、減速機構5を介して、モータ6の回転による操舵補助力を付与することができる。
減速機構5は、モータ6により回転駆動される駆動ギヤ5aと、この駆動ギヤ5aと噛み合い、操舵機構(この例では第2ステアリングシャフト4)に操舵補助力を付与する従動ギヤ5bとを有している。ここでは、両ギヤ5a,5bは金属製であるとする。第2ステアリングシャフト4の下端にはピニオン7が形成されており、このピニオン7が、ラック8と噛み合う。ラック8がその軸方向(紙面の横方向)に動くことにより、操向車輪(一般には前輪)9に転舵角を付与することができる。
上記ステアリングホイール1、第1ステアリングシャフト2、トーションバー3、第2ステアリングシャフト4、ピニオン7及びラック8は、操向車輪9に転舵角を付与する操舵機構100を構成している。
トーションバー3の捻れ(第1ステアリングシャフト2と第2ステアリングシャフト4との相対回転角度差)すなわち、操舵トルクは、トルク検出装置10によって検出される。トルク検出装置10の出力は、制御装置としてのECU(電子制御ユニット)12に与えられる。また、第2ステアリングシャフト4の舵角を検出する舵角検出装置11が設けられており、その出力は、ECU12に与えられる。なお、以下において、舵角とは、舵角検出装置11の出力を意味する。また、舵角とは、操向車輪9の転舵角と対応した角度でもある。ECU12には、その他、車速センサ13からの車速信号も入力される。ECU12は、操舵トルクや車速に基づいて必要な操舵補助力を生じさせるべく、モータ6を駆動する。
図2(a)〜(c)は、減速機構5のギヤの略図(概念図)である。なお、ギヤの径、形状、歯数等は、実物に忠実に対応したものではない。例えば車両が直進していて、運転者が操舵をしていないとき、図2(a)に示すように、駆動ギヤ5aと従動ギヤ5bとの間で、互いの歯同士が当接せず、駆動ギヤ5aの歯の両方向にバックラッシュBLがある状態となっていることが多い。この状態で、路面から周期的な逆入力が従動ギヤ5bに伝わると、従動ギヤ5bの歯が繰り返し駆動ギヤ5aの歯を打撃し、ラトル音が発生する。
そこで、図2(b)に示すように、ECU12は、駆動ギヤ5aの歯を従動ギヤ5bの歯に軽く当接させておく制御を実行するものとする。ここで、「軽く」とは、従動ギヤ5bを駆動しない程度であり、従動ギヤ5bを駆動するには不十分な微小な回転トルクを時計回りにモータ6に生じさせることにより、このような状態を実現する。すなわち、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間で一方向へのバックラッシュがない状態である。この状態では、駆動ギヤ5aの回転トルクは、従動ギヤ5bを動かすための静摩擦トルクより小さい。
しかしながら、図2(b)において、路面からの影響等により上記静摩擦トルクと同等以上のトルクが従動ギヤ5bに対して反時計回り方向に作用すると、従動ギヤ5bが同方向に微動することがある。このときの駆動ギヤ5aは、従動ギヤ5bの微動を後押しするか又は、微動した従動ギヤ5bを追うように時計回り方向に回動する。このような現象が起きると、徐々に従動ギヤ5bが回動し、車両が片寄る可能性がある。そこで、ECU12は、所定の条件でモータ6の回転トルクの方向を反転させ、図2(c)に示す他方向へのバックラッシュがない状態に切り替える制御を行うものとする。以下、このような制御動作に関しての、ECU12の実施形態について説明する。
《第1実施形態》
まず、第1実施形態に係るECU12の制御動作について説明する。
図3は、ECU12によって実行される操舵に関する制御のフローチャートである。図において、ECU12は、制御開始により、まず操舵中か否かの判定を行う(ステップS1)。具体的には、ECU12は、トルク検出装置10の出力に基づいて、運転者による操舵トルクが非操舵相当の所定範囲内にあれば操舵していないと判定し、所定範囲外であれば操舵していると判定する。
上記の非操舵相当の所定範囲内とは、モータ6が操舵補助力を発生しない範囲内、いわゆる制御の不感帯の範囲内である。図11は、操舵トルク(トルク検出装置10の出力)と操舵補助力との関係の一例を示すグラフである。操舵トルク(トルク検出装置10の出力の絶対値)が所定値以下である不感帯の範囲内にあるときは、従動ギヤ5bを駆動するような実質的な操舵補助力は発生しない。但し、この不感帯の範囲内において、従動ギヤ5bを駆動するには不十分な、微小な回転トルクをモータに生じさせることは可能である。
運転者が操舵していると判定した場合、ECU12は、操舵トルクや車速に基づいて通常演算処理を行い(ステップS2)、必要な操舵補助力を発生させるようにモータ6を駆動する(ステップS3)。操舵中は、これらのステップS1〜S3によるアシスト制御が繰り返し実行され、必要な操舵補助力がピニオン7に与えられる。
一方、運転者が操舵していないと判定した場合、ECU12は、通常のアシスト制御とは異なる、ラトル音抑制のための処理(ステップS4〜S9)を実行する。まず、ECU12は、ステップS4において、このステップS4の実行が初回か否か、又は、前回は操舵中であって今回初めて非操舵の状態となったか否かを判定する。ここでは初回であるとして(ステップS4でYES)、ECU12は、ステップS7に進み、時間の計測をスタートさせる。次に、ECU12は、所定時間(例えば5秒程度)が経過したか否かを判定する(ステップS5)。最初は当然ながら「NO」であり、ECU12は、微小電流の設定を行う(ステップS6)。なお、前回から非操舵が継続していて(ステップS4でNO)、所定時間が経過していない場合(ステップS5でNO)、ECU12は、微小電流を維持する(ステップS6)。
ここで、微小電流とは、前述のように、従動ギヤ5bを駆動するには不十分な微小な回転トルクをモータ6に生じさせるための電流である。ECU12は、設定された微小電流でモータ6を駆動し(ステップS3)、ステップS1に戻る。ここで、非操舵の状態が変わらなければ、ECU12は、ステップS4,S5,S6を実行し、微小電流でのモータ駆動を維持する(ステップS3)。このようにして、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、一方向へのバックラッシュがない状態となる(図2の(b)又は(c))。
上記ステップS1,S4,S5,S6,S3を繰り返し実行する間に所定時間が経過すると(ステップS5の「YES」)、ECU12は、微小電流の符号を逆にして、回転トルクの方向を反転する(ステップS8)。そして、ECU12は、時間のリセット・スタートを行い(ステップS9)、モータ6を駆動し(ステップS3)、ステップS1に戻る。ここで、非操舵の状態が変わらなければ、ECU12は、ステップS4,S5,S6を実行し、微小電流でのモータ駆動を維持する(ステップS3)。このようにして、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、上記の一方向とは逆の、他方向へのバックラッシュがない状態となる(図2の(c)又は(b))。
以下同様に、非操舵の状態が続く限り、所定時間ごとにモータ6の回転トルクの方向を反転させることによる状態の切り替えが周期的に行われる。駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間でいずれか一方向へのバックラッシュがない状態では、路面から逆入力があっても、両ギヤは互いに当接した状態を維持することができるので、ラトル音の発生を抑制することができる。また、その状態のみを単に継続するのではなく、所定時間ごとに回転トルクの方向を反転させ他方向へのバックラッシュがない状態に切り替えることにより、従動ギヤ5bが徐々に一方向へ回動することを防止できる。
また、非操舵から操舵の状態に転じた場合は、ECU12は直ちに、ステップS1からステップS2に進み、通常の演算処理を行い(ステップS2)、モータ6を駆動する(ステップS3)。その後、再び操舵から非操舵の状態に転じた場合、ECU12は、ステップS4からステップS7に進み、時間のリセット・スタートを行う。以下、同様に、上述の処理が行われる。
このようにして、減速機構5の構造には手を加えず、ECU12による制御のみによってラトル音の発生を抑制することができる。すなわち、構造を複雑にすることなくラトル音の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することができる。また、ラトル音の発生を抑制することによって、減速機構5に金属製の歯車を採用することができるので、ギヤの高強度化や小型化にも寄与する。
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係るECU12の制御動作について説明する。
図4は、図11の不感帯を定義する操舵トルク、すなわち、トーションバー3のねじれ量の範囲内における舵角(舵角検出装置11の出力値)の変化を説明するための線図である。舵角は、中心位置(0)を中心として左右互いに逆符号(右が正、左が負)で表される。θN、−θNは、後述の処理で使用される境界値である。図5は、ECU12によって実行される操舵に関する制御のフローチャートである。図において、ステップS11,S12,S13はそれぞれ、図3におけるステップS1,S2,S3と同様の処理を行うものであり、説明は省略する。
一方、ステップS11において、運転者が操舵していないと判定した場合、ECU12は、通常のアシスト制御とは異なる、ラトル音抑制のための処理(ステップS14〜S21)を実行する。まず、ECU12は、舵角方向フラグが0:左、1:右のどちらにセットされているかを判定する(ステップS14)。舵角方向フラグとは、直前に、舵角が左右のどちらの領域にあったものと記憶しているかを示す情報である。操舵していない場合の舵角とは、路面からの逆入力により第2ステアリングシャフト4が回転された場合の舵角検出装置11の出力値である。
ここで、例えば舵角方向フラグが0:左であったとすると、ECU12は、現在の舵角が図4におけるθNより右にある(大きい)か否かの判定を行う(ステップS15)。そしてECU12は、現在の舵角がθNより右にあるとき舵角方向フラグに1:右をセットし(ステップS17)、逆にθN又はそれより左であれば、舵角方向フラグの変更は行わない。これらのステップS14,S15,S17によれば、舵角が左から中心位置を越えても、θNを越える右とならなければ、舵角方向フラグは依然として左として扱われ、θNを越える右となって初めて右として扱われることになる。すなわち、0〜θNの範囲は、舵角は右の領域ではあるが、左から来たときは舵角フラグが未だ右ではない、として扱われるヒステリシス領域である。
逆に、ステップS14において舵角方向フラグが1:右であったとすると、ECU12は、現在の舵角が図4における−θNより左にあるか否かの判定を行う(ステップS16)。そしてECU12は、現在の舵角が−θNより左にあるとき舵角方向フラグに0:左をセットし(ステップS18)、逆に−θN又はそれより右であれば、舵角方向フラグの変更は行わない。これらのステップS14,S16,S18によれば、舵角が右から中心位置を越えても、−θNを越える左とならなければ、舵角方向フラグは依然として右として扱われ、−θNを越える左となって初めて左として扱われることになる。すなわち、0〜−θNの範囲は、舵角は左の領域ではあるが、右から来たときは舵角フラグが未だ左ではない、として扱われるヒステリシス領域である。
次に、ECU12は、上記の処理を経た舵角方向フラグが0:左、1:右のどちらにセットされているかを判定する(ステップS19)。ここで、舵角方向フラグが0:左であれば、ECU12はステップS20において微小電流の設定を行い、かつ、それによる回転トルクの方向が右方向(右操舵の方向)となるように設定した後、モータ6を駆動する(ステップS13)。逆に、ステップS19において、舵角方向フラグが1:右であれば、ECU12はステップS21において微小電流の設定を行い、かつ、それによる回転トルクの方向が左方向(左操舵の方向)となるように設定した後、モータ6を駆動する(ステップS13)。
微小電流によって、微小な回転トルクをモータ6に生じさせることにより、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、一方向へのバックラッシュがない状態となる(図2の(b)又は(c))。また、ヒステリシス領域を越えて左から右へ、又はその逆に舵角が変化すれば、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、上記の一方向とは逆の、他方向へのバックラッシュがない状態となる(図2の(c)又は(b))。
以下同様に、非操舵の状態が続く限り、舵角の変化に応じてモータ6の回転トルクの方向を反転させることによる状態の切り替えが行われ、中心位置へ向かう制御が行われる。
上記のような第2実施形態に係る制御動作によれば、モータ6に対して、舵角の中心位置へ向かう回転トルクを生じさせ、舵角が、左右の一方側とみなされる領域から境界値を越えて他方側の値になることにより、回転トルクの方向を反転させる。これにより、舵角の中心位置から離れるように従動ギヤ5bが徐々に回動することを抑制し、常に中心位置へ向かわせることができる。
このようにして、減速機構5の構造には手を加えず、ECU12による制御のみによってラトル音の発生を抑制することができる。すなわち、構造を複雑にすることなくラトル音の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することができる。また、ラトル音の発生を抑制することによって、減速機構に金属製の歯車を採用することができるので、ギヤの高強度化や小型化にも寄与する。
また、上記の、左右の一方側とみなされる領域とは、一方側の領域の他、一方側の領域にあった過去の状態からの継続的事象(左から右へ来たこと、又は、右から左へ来たこと)として中心位置から他方側へ所定範囲のヒステリシス領域にあることを含むものである。このようなヒステリシス領域の設定により、中心位置近傍で回転トルクの方向反転が頻繁に行われるハンチングを防止することができる。
《第3実施形態》
次に、第3実施形態に係るECU12の制御動作について説明する。
図6は、ECU12によって実行される操舵に関する制御のフローチャートである。図において、ECU12は、制御開始により、まず操舵中か否かの判定を行う(ステップS31)。具体的には、ECU12は、トルク検出装置10の出力に基づいて、運転者による操舵トルクが非操舵相当の所定範囲内にあれば操舵していないと判定し、所定範囲外であれば操舵していると判定する。
運転者が操舵していると判定した場合、ECU12は、直前の非操舵の状態から操舵の状態に転じたもの否かの判定を行う(ステップS32)。ここでは、とりあえず、直前も操舵の状態であったものとする(ステップS32でNO)。従って、ECU12は、操舵トルクや車速に基づいて通常演算処理を行い(ステップS33)、必要な操舵補助力を発生させるようにモータ6を駆動する(ステップS34)。操舵中は、これらのステップS31〜S34によるアシスト制御が繰り返し実行され、必要な操舵補助力がピニオン7に与えられる。
(非操舵時のラトル音抑制)
一方、ステップS31において運転者が操舵していないと判定した場合、ECU12は、通常のアシスト制御とは異なる、ラトル音抑制のための処理(ステップS37〜S42)を実行する。まず、ECU12は、ステップS37において、このステップS37の実行が初回か否か、又は、前回は操舵中であって今回初めて非操舵の状態となったか否かを判定する。ここでは初回であるとして(ステップS37でYES)、ECU12は、ステップS40に進み、時間の計測をスタートさせる。次に、ECU12は、所定時間(例えば5秒程度)が経過したか否かを判定する(ステップS38)。最初は当然ながら「NO」であり、ECU12は、微小電流の設定を行う(ステップS39)。なお、前回から非操舵が継続していて(ステップS37でNO)、所定時間が経過していない場合(ステップS38でNO)、ECU12は、微小電流を維持する(ステップS39)。
ここで、微小電流をI1とすると、モータ6に指示する駆動電流I_objは、I_obj=I1となる。ECU12は、この電流でモータ6を駆動し(ステップS34)、ステップS31に戻る。ここで、非操舵の状態が変わらなければ、ECU12は、ステップS37,S38,S39を実行し、微小電流でのモータ駆動を維持する(ステップS34)。このようにして、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、一方向へのバックラッシュがない状態となる(図2の(b)又は(c))。
上記ステップS31,S37,S38,S39,S34を繰り返し実行する間に所定時間が経過すると(ステップS38の「YES」)、ECU12は、微小電流の符号を逆にして、回転トルクの方向を反転するとともに、振動成分を付与する(ステップS41)。具体的には、I1を−I1に置き換える。振動成分I2_fの周波数は、例えば40Hzである。すなわち、このときの駆動電流I_objは、I1=−I1の置換をした上で、
I_obj=I1+I2_f ...(1)
となる。なお、I1,I2の数値例(実効値)を挙げると、I1=0.9A、I2=0.4Aである。
そして、ECU12は、時間のリセット・スタートを行い(ステップS42)、モータ6を駆動する(ステップS34)。これにより、モータ6の回転トルクの方向は反転し、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、上記一方向とは逆の、他方向へのバックラッシュがない状態となる(図2の(c)又は(b))。また、振動成分I2_fを付加したことにより、駆動ギヤ5aの歯が振動しながら従動ギヤ5bの歯に当接する。これにより、バックラッシュが無い方から有る方へ駆動ギヤ5aが反転回動する時の、歯と歯の一発目の打撃音を振動成分によって緩和することができる。
その後、非操舵の状態が変わらなければ、ECU12は、ステップS37,S38,S39を実行する。ステップS39では、I_obj=I1となり、上記(1)式の右辺から振動成分が取れた形となる。以後、非操舵である限り、I_obj=I1でのモータ駆動を維持する(ステップS34)。このようにして、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、上記の一方向とは逆の、他方向へのバックラッシュがない状態(図2の(c)又は(b))を維持する。
以下同様に、非操舵の状態が続く限り、所定時間ごとにモータ6の回転トルクの方向を反転させることによる状態の切り替えが周期的に行われ、第1実施形態と同様に、ラトル音の発生を抑制することができ、また、従動ギヤ5bが徐々に一方向へ回動することを防止できる。
(非操舵から操舵へ転じたときのラトル音抑制)
一方、本実施形態では、非操舵の状態から操舵している状態へ転じたときにも、ラトル音抑制のための処理(ステップS32,S35,S36)を実行する。すなわち、非操舵の状態から操舵している状態へ転じたときは、ECU12は、ステップS31からS32へ進み、ここで「YES」の判定によりステップS35を実行する。ステップS35において、ECU12は、駆動ギヤ5aの歯を従動ギヤ5bの歯に当接させている方向(押し当て方向)と、操舵トルクの方向とが互いに同じか逆かを判定する。この判定は、例えば操舵トルクT(トルク検出装置10の出力値)に、モータ6の直前の駆動電流I_objを乗じた(T×I_obj)の符号に基づいて行うことができる。すなわち、押し当て方向と操舵トルクの方向とが互いに同方向であれば、(T×I_obj)の符号は正、逆方向のときは(T×I_obj)の符号は負である。
そこで、ECU12は、(T×I_obj)≧0であれば、同方向であるとして、ステップS33に進み、通常の演算処理を行う。一方、(T×I_obj)<0であれば、逆方向であるとして、ステップS36を実行する。このステップS36の処理は、前述のステップS41と同一である。これにより、運転者の操舵によって、バックラッシュが無い方から有る方へ駆動ギヤ5aが反転回動して従動ギヤ5bを駆動する時の、歯と歯の一発目の打撃音を振動成分によって緩和することができる。なお、その後操舵が続いても、ステップS32で「NO」となるので、結果的に、ステップS36の処理は1回だけ行われることになる。
このようにして、減速機構5の構造には手を加えず、ECU12による制御のみによってラトル音の発生を抑制することができる。すなわち、構造を複雑にすることなくラトル音の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することができる。また、ラトル音の発生を抑制することによって、減速機構に金属製の歯車を採用することができるので、ギヤの高強度化や小型化にも寄与する。
また、バックラッシュが無い方から有る方へ駆動ギヤ5aが反転回動する時の、歯と歯の一発目の打撃音を振動成分によって緩和することができる。
図7の(a)は、上記のような振動成分を付加しない場合に、駆動ギヤ5aの歯が従動ギヤ5bの歯を打撃する音圧レベルを示したグラフである。また、図7(b)は、上記のような振動成分を付加した場合に、駆動ギヤ5aの歯が従動ギヤ5bの歯を打撃する音圧レベルを示したグラフである。図7(a)、(b)の比較により明らかなように、振動成分を付加することにより音が群発的に発生するが、ピーク値が大幅に下がり、このことが打撃音の緩和をもたらす。
なお、振動周波数に関しては、周波数が低すぎると打撃音低減の効果が弱まり、逆に、周波数が高すぎるとモータ6の作動音が大きくなる。従って、低すぎず、かつ、高すぎずの値として、40Hz近傍が好ましい。
《第4実施形態》
次に、第4実施形態に係るECU12の制御動作について説明する。図8(a)、(b)は、舵角の変移例を示すグラフである。例えば、第2実施形態の制御動作を行っているとして、図8(a)に示すようにヒステリシス領域の範囲内(−θN〜θN)で舵角が変移しても、回転トルクの方向反転による切り替えは行われない。逆に、図8(b)に示すように、左右の一方向から他方向のヒステリシス領域の境界値を突き抜ける舵角の変化が頻繁に起こると、切り替えが頻繁に行われる。
上記図8(a)又は(b)のような舵角の変移は、悪路の走行時に現れやすい。図8(b)の場合は、例えば第1実施形態のように5秒程度で周期的に回転トルクの方向反転による切り替えを行う場合と比べると、切り替えが頻繁に行われる。また、図8(a)の場合には、切り替えが行われないまま、車両が道路の左右いずれか一方に片寄りし続ける可能性がある。そこで、本実施形態では、舵角の積算(積分)という概念を導入し、これに基づいて制御動作を行うものとする。
図9は、一例としての舵角の変移に対する積算の概念を示すグラフであり、舵角の積分、すなわち、舵角のプラス側(右側)とマイナス側(左側)でそれぞれ、図示の斜線の面積を積算していく。そして、この積算値が設定値に達すると、回転トルクの方向反転による切り替えを行うものとする。
図10は、ECU12によって実行される操舵に関する制御のフローチャートである。図において、ECU12は、制御開始により、まず操舵中か否かの判定を行う(ステップS51)。具体的には、ECU12は、トルク検出装置10の出力に基づいて、運転者による操舵トルクが非操舵相当の所定範囲内にあれば操舵していないと判定し、所定範囲外であれば操舵していると判定する。
運転者が操舵していると判定した場合、ECU12は、積算値をリセットする処理(ステップS52)を行ってから、操舵トルクや車速に基づいて通常演算処理を行い(ステップS53)、必要な操舵補助力を発生させるようにモータ6を駆動する(ステップS54)。操舵中は、これらのステップS51〜S54によるアシスト制御が繰り返し実行され、必要な操舵補助力がピニオン7に与えられる。
一方、運転者が操舵していないと判定した場合、ECU12は、通常のアシスト制御とは異なる、ラトル音抑制のための処理(ステップS55〜S61)を実行する。まず、ECU12は、舵角の積算を行う(ステップS55)。具体的には、舵角検出装置11の出力に基づく現在の舵角θ(t)を積算することにより、積算値S=Σθ(t)を求める。ここで、tは、ステップS55を実行する時刻を意味し、ECU12の処理速度は舵角の変化に比べて速いので、舵角の積算値Sが、図9の面積に相当する。ECU12は、舵角のプラス側とマイナス側とでそれぞれ、積算値Sp、Smを求める。
続いて、ECU12は、積算値SpまたはSmが設定値に到達したか否かを判定する(ステップS56)。積算値SpまたはSmが設定値に到達していない場合(ステップS56でNO)、ECU12は、微小電流の設定・維持(最初は設定、2回目以降は維持)を行う(ステップS57)。ここで、ECU12は、微小電流の設定により駆動ギヤ5aの歯を従動ギヤ5bの歯に押し当てようとする方向が、左右の舵角積算値のうち大きい方の舵角の方向と同じか逆かを判定する(ステップS60)。そして、同じであれば、ステップS54へ進むが、逆の場合は、当該積算値(大きい方)を所定の上限値にとどめる(ステップS61)。すなわち、当該積算値が上限値より小さいときは、当該積算値そのままの値とするが、当該積算値が上限値以上であれば強制的に上限値に設定し、積算値が上限値より大きくなることを阻止する。
次に、ECU12は、設定された微小電流でモータ6を駆動し(ステップS54)、ステップS51に戻る。ここで、非操舵の状態が変わらなければ、ECU12は、ステップS55,S56,S57を実行し、微小電流でのモータ駆動を維持する(ステップS54)。このようにして、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、一方向へのバックラッシュがない状態となる(図2の(b)又は(c))。
上記ステップS51,S55,S56,S57,S60,S54を繰り返し実行する間に、現在、駆動ギヤ5aの歯を従動ギヤ5bの歯に押し当てている方向の積算値Sp又はSmが設定値に到達すると(ステップS56の「YES」)、ECU12は、微小電流の符号を逆にして、回転トルクの方向を反転する(ステップS58)。そして、ECU12は、積算値Sp及びSmのリセットを行い(ステップS59)、モータ6を駆動し(ステップS54)、ステップS51に戻る。ここで、非操舵の状態が変わらなければ、ECU12は、ステップS55,S56,S57を実行し、微小電流でのモータ駆動を維持する(ステップS54)。このようにして、駆動ギヤ5a及び従動ギヤ5b間では、上記の一方向とは逆の、他方向へのバックラッシュがない状態となる(図2の(c)又は(b))。
以下同様に、非操舵の状態が続く限り、駆動ギヤ5aの押し当て方向の積算値Sp又はSmが設定値に到達するごとにモータ6の回転トルクの方向を反転させる。これにより、バックラッシュがない状態が、一方向及び他方向の間で、切り替えられる。こうして、ラトル音の発生を抑制し、また、従動ギヤ5bが徐々に一方向へ回動することを防止できる。
また、非操舵から操舵の状態に転じた場合は、ECU12は直ちに、ステップS51からステップS52に進み、積算値をリセットした後、通常の演算処理を行い(ステップS53)、モータ6を駆動する(ステップS54)。その後、再び操舵から非操舵の状態に転じた場合、ECU12は、ステップS51からステップS55に進み、舵角の積算を開始する。以下、同様に、上述の処理が行われる。
なお、例えば路面の傾き(道路幅方向への傾き)がある場合には、駆動ギヤ5aの押し当て方向とは逆方向へ舵角が積算されていく、という現象が発生する。この場合は、当該逆方向への積算値が設定値に到達しても、押し当ての方向とは異なるため方向反転の対象とはならない。そこで、この場合には、前述のように、積算値を所定の上限値にとどめるものとする(ステップS61)。すなわち、押し当て方向が、左右の舵角積算値のうち優勢な方の舵角の方向と逆である、という状態が続く場合は、方向反転は行われない。
このようにして、減速機構5の構造には手を加えず、ECU12による制御のみによってラトル音の発生を抑制することができる。すなわち、構造を複雑にすることなくラトル音の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することができる。また、ラトル音の発生を抑制することによって、減速機構に金属製の歯車を採用することができるので、ギヤの高強度化や小型化にも寄与する。
また、舵角の積算値が設定値に達することにより、回転トルクの方向を反転させることになるので、運転者が車両を進行させたい方向から実際の車両が左右のいずれかに流れていく現象に歯止めをかけることができる。
《その他》
なお、上記各実施形態における制御動作は、回転トルクの方向反転を、何を条件として行うかという点で互いに異なっており、第1、第3実施形態では時間経過、第2実施形態では舵角が中心位置を越えて左右変化を生じること、第4実施形態では舵角の積算値が設定値に達すること、である。これらの条件は、任意に組み合わせてもよく、その場合にはいずれか最初に成立した条件で方向反転することができる。また、第3実施形態における振動成分の付加は、第2、第4実施形態でも適用可能である。
なお、図1の構成は、減速機構5から第2ステアリングシャフト4及びピニオン7に操舵補助力を付与するピニオンアシストの構成であるが、減速機構5からラック8に操舵補助力を付与するラックアシストの構成であっても、上記と同様の制御を適用することができる。
5:減速機構、5a:駆動ギヤ、5b:従動ギヤ、6:モータ、11:舵角検出装置、
12:ECU(制御装置)、100:操舵機構、BL:バックラッシュ

Claims (7)

  1. 操舵機構と、
    前記操舵機構に操舵補助力を付与するモータと、
    前記モータにより回転駆動される駆動ギヤ及び、前記操舵機構に取り付けられるとともに前記駆動ギヤと噛み合う従動ギヤを有する減速機構と、
    前記モータを制御する制御装置と、
    を備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記制御装置は、前記モータが前記操舵補助力を発生しない範囲内で、前記従動ギヤを駆動するには不十分な回転トルクを前記モータに生じさせ、かつ、前記回転トルクの方向を所定の条件で切り替える、
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制御装置は、前記回転トルクを一方向に生じさせた状態で所定時間が経過することにより、前記回転トルクの方向を反転させ、かつ、当該反転を周期的に行わせる請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 舵角を検出する舵角検出装置を備え、
    前記制御装置は、操舵トルクが前記所定範囲内の値となった時からの舵角の積算値が設定値に達することにより、前記回転トルクの方向を反転させる請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 舵角を検出する舵角検出装置を備え、
    前記制御装置は、前記モータに対して、舵角の中心位置へ向かう回転トルクを生じさせ、舵角が、左右の一方側とみなされる領域から境界値を越えて他方側の値になることにより、前記回転トルクの方向を反転させる請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記一方側とみなされる領域とは、一方側の領域の他、一方側の領域にあった過去の状態からの継続的事象として前記中心位置から他方側へ所定範囲のヒステリシス領域にあることを含む請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記制御装置は、操舵トルクが前記所定範囲内の値となった時からの舵角の積算値が設定値に達することにより、前記回転トルクの方向を反転させる請求項4又は5に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記制御装置は、前記回転トルクの方向反転時及び回転トルクの方向反転を伴う操舵補助動作の開始時に、前記モータの駆動電流に振動成分を含ませる請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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