JP2010058668A - 反力発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗発生機構において摩擦抵抗が静止摩擦から動摩擦へと変化する際に生じる操舵抵抗の一時的な低下を抑制し得る反力発生装置を提供する。
【解決手段】この反力発生装置11は、ステアバイワイヤ式の操舵制御装置のステアリングホイール1に操舵軸2を介して操舵反力を付与するものであり、操舵軸に対して操舵反力を付与する反力用モータ12と、操舵軸に対して摩擦による摺動抵抗を常時発生させる抵抗発生機構13と、舵角センサ6から検出された操舵角の変化量Δθとトルクセンサ7から検出された操舵トルクの変化量ΔTとに基づき反力用モータの出力を演算する反力制御部C2と、を備え、抵抗発生機構において摩擦抵抗の変動に伴う摩擦係数の低下が発生し得る所定条件下では、反力用モータを駆動制御することにより、前記摩擦係数の低下に伴う操舵抵抗の低下を補うようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステアリングホイールと転蛇輪との間に機械的リンクを有しないステアバイワイヤ式の操舵制御装置に用いられ、ステアリングホイールの操舵操作につき、該ステアリングホイールと転舵輪とが機械的リンクをもって連係している場合と同様の操舵抵抗を擬似的に付与する反力発生装置に関するものである。
従来の反力発生装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この反力発生装置は、ステアリングホイールと転舵輪とが機械的に分離して構成されたステアバイワイヤ式の操舵制御装置にて、ステアリングホイールと転舵輪が機械的リンクをもって連係している場合の操舵抵抗に相当する擬似的な反力を発生させるものであって、操舵軸に対し操舵方向と反対の方向へ反力を付与する反力アクチュエータと、操舵軸に対して摩擦による摺動抵抗を発生させる抵抗発生機構と、から構成されている。
かかる反力発生装置では、操舵角や操舵トルクのほか、車速などの車両運転状態を示す情報(信号)から適切な反力が演算され、この演算結果に基づいて前記反力アクチュエータ及び抵抗発生機構をそれぞれ駆動制御することにより、車両運転状態に応じたより適切な反力を付与することを可能としている。
特開平11−78947号公報
しかしながら、前記従来の反力発生装置にあっては、操舵操作が行われた際、前記抵抗発生機構により操舵軸に対して摩擦による操舵抵抗を与えつつ、その後の操舵角や操舵トルク、転舵輪の負荷などの上昇に伴い反力アクチュエータにより生成された反力が操舵軸に付与される。すなわち、前記従来の反力発生装置では、前記抵抗発生機構に生じる操舵抵抗に遅れて反力アクチュエータによる反力が操舵軸に付与されることになる。
このため、運転者の操舵操作により入力された操舵力に基づき前記抵抗発生機構に生ずる摩擦が静止摩擦から動摩擦へと変化してしまうような場合には、該摩擦状態の変化に伴う摩擦係数の低下により運転者がステアリングホイールを通じて感じる操舵抵抗が一時的に低下してしまうこととなり、これによって運転者に違和感を与えてしまうという問題があった。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであって、抵抗発生機構において摩擦が静止摩擦から動摩擦へと変化する際に生じる操舵抵抗の一時的な低下を抑制し得る反力発生装置を提供するものである。
本願発明は、とりわけ、操舵軸に摩擦抵抗を付与する抵抗発生機構において摩擦力の変動に伴う操舵抵抗の低下が生じ得る所定条件下では、該操舵抵抗の低下を補うべく反力アクチュエータを駆動制御することを特徴としている。
この発明によれば、反力アクチュエータによって操舵軸に対し常に操舵反力を付与することによって、抵抗発生機構において摩擦力の変動が生じる場合、すなわち静止摩擦状態から動摩擦状態に移行する場合にも、当該摩擦力の変動に伴う操舵抵抗の低下を抑制することができる。これによって、操舵操作時の違和感の発生を抑制し、良好な操舵フィーリングを確保することができる。
以下、本発明に係る反力発生装置の実施の形態を図面に基づいて詳述する。なお、本実施の形態では、この反力発生装置を、車両に用いるいわゆるステアバイワイヤ式の操舵制御装置に適用したものを示している。
まず、本発明に係る反力発生装置が適用される操舵制御装置の概略について説明すれば、該操舵制御装置は、図1に示すように、ステアリングホイール1と転蛇輪2L,2Rとが機械的に分離して構成されていて、前記ステアリングホイール1からの入力に基づき操舵用モータ3が後述する制御装置10からの制御指令に基づいて駆動制御され、該操舵用モータ3の回転が図外のナックルアームを介して転舵輪WL,WRに連係された例えばラックピニオン機構等の転舵機構5によって車軸長方向の移動に変換されることにより、前記ナックルアームが押し引きされる結果、前記転舵輪WL,WRが左右に転舵されるようになっている。
前記ステアリングホイール1には、該ステアリングホイール1に対して一体回転可能な操舵軸2が連結されていて、該操舵軸2を介して運転者による操舵入力が行われる。そして、この操舵軸2には、ステアリングホイール1の操舵角を検出する舵角センサ6と、ステアリングホイール1から入力された回転力(操舵トルク)を検出するトルクセンサ7と、が配設されていて、両者6,7の検出結果は、前記操舵制御装置の全体を制御する制御装置10に入力されるようになっている。
ここで、前記制御装置10は、前記操舵制御装置の操舵制御を司る操舵制御部C1と、後述する反力発生装置11の反力制御を司る反力制御部C2と、から構成されていて、当該制御装置10には、前記舵角センサ6により検出された操舵角及びトルクセンサ7により検出された操舵トルクのほか、車両の速度を検出する車速センサ8により検出された車速Spや、前記転舵機構5と転舵輪WL,WRの間に設けられて該転舵輪WL,WRを転舵させる際に転舵機構5にかかる転舵負荷(前記ナックルアームを押し引きする力)Fを検出する転舵負荷センサ9により検出された転舵負荷が前記操舵制御装置を制御するパラメータとして入力されるようになっている。
なお、前記転舵負荷Fについては、前記転舵負荷センサ9により直接検出する手段のほか、他のセンサ等の検出結果に基づいて推定することも可能であり、この場合、該推定された結果を前記操舵制御装置用のパラメータと用いることも可能である。
前記操舵用モータ3は、周知の電動モータであって、前記操舵制御部C1からの制御指令に基づいて当該操舵用モータ3を駆動する操舵用モータ駆動回路4からの通電により回転駆動される。すなわち、この操舵用モータ3は、前記操舵制御部C1において前記舵角センサ6、トルクセンサ7及び車速センサ8等の検出結果に基づき車両運転状態に応じた適切な制御量が演算され、該演算結果に基づいて回転駆動制御されることとなっている。
また、前記操舵制御装置は、ステアリングホイール1と転舵輪WL,WRとが機械的に分離されているために、両者が機械的なリンクをもって連係された通常の操舵制御装置のように転舵輪WL,WRと路面との間に生じる摩擦抵抗等に基づく操舵反力を運転者に伝えることができないことから、当該操舵制御装置には、前記操舵反力を擬似的に発生させる反力発生装置11が設けられている。
この反力発生装置11は、前記反力制御部C2によって駆動制御され、前記操舵軸2に対して操舵反力を付与する反力アクチュエータである反力用モータ12と、操舵軸2に対して摩擦による摺動抵抗を常時発生させる抵抗発生機構13と、から構成されている。
前記反力用モータ12は、周知の電動モータと同様に構成されていて、図2に示すように、前記操舵軸2を回転軸として、該操舵軸2に一体的に構成されている。すなわち、この反力用モータ12は、回転軸たる操舵軸2と、該操舵軸2の下端部を囲繞するように設けられたほぼ円筒状のハウジング14と、該ハウジング14内の両端部に配設されて、操舵軸2を回転自在に支持する軸受15,15と、該軸受15,15間の範囲における操舵軸2の外周に該操舵軸2と一体回転可能に固定された回転子16と、該回転子16の外周側に所定の径方向隙間を隔てて設けられて、ハウジング14の内周壁に固設された固定子17と、から構成されている。
そして、かかる構成からなる反力用モータ12は、前記反力制御部C2からの制御指令に基づいて当該反力用モータ12を駆動する反力用モータ駆動回路18からの通電により回転駆動される。具体的には、この操舵用モータ3は、前記反力制御部C2において前記舵角センサ6によって検出された操舵角θの変化量Δθ及びトルクセンサ7によって検出された操舵トルクTの変化量ΔT、並びに車速センサ8等の検出結果に基づき車両運転状態に応じた適切な制御量が演算され、該演算結果に基づいて回転駆動制御されることとなっている。
前記抵抗発生機構13は、図2に示すように、前記操舵軸2の先端(図中の下端)に対をなして設けられ、操舵軸2の先端に一体回転可能に固定された第1摩擦部材20a及びこの第1摩擦部材20aに対し常時付勢された第2摩擦部材20bと、該第2摩擦部材20bを第1摩擦部材20a側へ付勢する例えばコイルばね等の付勢部材21と、から構成されている。このように、操舵軸2に対して常に摩擦抵抗を付与し得る抵抗発生機構13を設けることにより、前記反力用モータ12の回転の安定化が図れると共に、適度な剛性感を有する安定した操舵フィーリングが得られるようになっている。
前記反力制御部C2は、図3に示すように、主として三つの演算部から構成されていて、具体的には、前記舵角センサ6から入力された操舵角θを基に、車速センサ8から入力された車速Sp等により車両の運転状態に応じた適切な操舵反力としての反力用モータ12の回転トルクである反力トルクを演算し、この演算結果に基づき反力トルクを発生させるための反力用モータ12に対する指令値(以下、反力トルク指令値という。)Trを演算する反力トルク演算部10aと、舵角センサ6から入力された操舵角θ及びトルクセンサ7から入力された操舵トルクTを基に、後述する抵抗発生機構13において発生する摩擦抵抗が静止摩擦から動摩擦に変化したときの摩擦係数の低下に伴う操舵反力の低下を補う補助的な操舵反力としての補助反力トルク(本発明のステアリングホイールの操舵操作時に抵抗となるトルク)を演算し、この演算結果に基づき補助反力トルクを発生させるための反力用モータ12に対する指令値(以下、補助反力トルク指令値という。)Tsを演算する補助反力トルク演算部10bと、前記両演算部10a,10bの演算結果に基づいて反力用モータ制御回路18に対して出力すべき反力用モータ12の制御量Thを演算する指令トルク演算部10cと、により構成されている。
前記反力トルク演算部10aでは、前記舵角センサ6、車速センサ8及び転舵負荷センサ9の各検出値を所定の周期でサンプリング収集すると共に、舵角センサ6の検出値に基づき操舵角の角速度である舵角速度値θsの演算を行い、これらにより得られた値を用いて、前記所定のサンプリング周期毎に前記反力トルク指令値Trの演算を行う。
前記補助反力トルク演算部10bでは、所定のサンプリング周期毎に操舵角θの変化量Δθ及び操舵トルクTの変化量ΔTを確認し、この結果に基づいて前記補助反力トルクを付与する制御を行うかどうかの決定を行う。
具体的には、操舵角θの変化量Δθについては、前記サンプリング周期毎に前回サンプリングした操舵角θ0と今回サンプリングした操舵角θ1とを比較して、この差分となる操舵角の変化量Δθの絶対値が予め設定した閾値である所定舵角変化量θtよりも小さいか否かで判断し、該所定舵角変化量θtよりも小さいと判断した場合に、前記補助反力トルクを付与する制御を行う。
一方、操舵トルクTの変化量ΔTについても、同様に前記サンプリング周期毎に前回サンプリングした操舵トルクT0と今回サンプリングした操舵トルクT1とを比較して、両者の差分となるトルクの変化量ΔTが予め設定した閾値である所定トルク変化量Ttよりも大きいか否かで判断し、該所定トルク変化量Ttよりも大きいと判断した場合に、前記補助反力トルクを付与する制御を行う。なお、前記所定トルク変化量Ttについては、トルクセンサ7の検出値のノイズ成分等を考慮して定められている。
ここで、前記補助反力トルクを付与する制御を実施する条件として挙げた、操舵角θの変化量Δθが所定舵角変化量θtよりも小さく、かつ、操舵トルクの変化量ΔTが所定トルク変化量Ttよりも大きい状態というのは、具体的には、前記抵抗発生機構13による摩擦抵抗につき、その摩擦状態が静止摩擦から動摩擦に変化する場合であって、かかる変化が生じる前の状態をいう。すなわち、前記所定舵角変化量θtの絶対値については、前記摩擦状態の変化が生じる操舵角よりも小さい角度に、前記所定トルク変化量Ttについては、少なくとも前記摩擦状態の変化が生じさせるトルクに、それぞれ設定されている。
このようにして前記両変化量Δθ,ΔTについて判断した結果、該両変化量Δθ,ΔTにつき前記条件を両方とも充足する場合のみ、前記補助反力トルクを付与する制御を実施すべく入力された操舵トルクに基づき補助反力トルク指令値Tsの演算を行い、いずれか一方の条件でも満たしていない場合には、前記補助反力トルクを付与する制御は行わない。
なお、前記補助反力トルクを付与する制御を実施する際には、トルクセンサ7による検出値の符号を判別することによって前記補助反力トルクを付与する方向、すなわち、前記補助反力トルクを付与する際の反力用モータ12の回転方向が決定される。
前記指令トルク演算部10cでは、前記反力トルク演算部10aの演算結果である反力トルク指令値Trと前記補助反力トルク演算部10bの演算結果である補助反力トルク指令値Tsとの比較を行い、この両者のうちの大きい方を制御量Thとする。
以下、本実施の形態に係る前記反力発生装置11の制御内容について図4に示すフローチャート及び図5に示すタイムチャートに基づいて説明する。なお、図4は、前記補助反力トルクを付与する制御のフローを示すフローチャートであり、図5は、前記補助反力トルクを付与する制御についての一例を時系列で示したタイムチャートである。
まず、図4に示すように、ステップS101にて、操舵角θの変化量Δθの絶対値が所定舵角変化量θtより小さいか否かについての判定を行い、ここで、操舵角θの変化量Δθの絶対値が所定舵角変化量θtより小さいと判定された場合には、ステップS102にて、操舵トルクTの変化量ΔTの絶対値が所定トルク変化量Ttより大きいか否かについての判定を行う。
そして、このステップS102にて、操舵トルクTの変化量ΔTの絶対値が所定トルク変化量Ttより大きいと判定された場合には、前記補助反力トルク発生条件を充足したこととなり、ステップS103にて、操舵トルクTの変化量ΔTについて正負の判定を行い、ここで、前記操舵トルクTの変化量ΔTが「負」であると判定された場合にはステップS104に、前記操舵トルクTの変化量ΔTが「正」であると判定された場合にはステップS105にそれぞれ進むことによって、現在の操舵方向と反対の方向へ前記補助反力トルクが付与されるように該補助反力トルクの付与方向の設定についての処理を行う(図5中に示すt201の時点)。
この制御内容は、前述のように図5のt201の時点での制御内容であり、この時点ではまだ前記反力トルク指令値Trに基づく反力用モータ12による反力トルクは付与されていないため、図5中に実線で示すように、前記制御量Thとしては、前記補助反力トルク指令値Tsが選択されることになる。
なお、前記ステップS104又はS105にて設定する前記補助反力トルク指令値Tsについては、前記操舵軸2には抵抗発生機構13による摩擦抵抗が常時作用していることから、この抵抗発生機構13による摩擦抵抗を加味して実際に操舵軸2に対し付与すべき補助反力トルク指令値が予め定義されており、当該反力発生装置11として適正な反力トルクを付与することが可能となっている。
続いて、前記ステップS104あるいはステップS105にて前記補助反力トルク指令値Tsを設定した後は、ステップS106にて、前述した補助反力トルク発生条件(ステップS101及びS102の条件)から外れた後に補助反力トルク指令値Tsを保持する時間、換言すれば、前記補助反力トルク発生条件から外れた後に後述する補助反力トルクの漸減処理を開始するまでの時間を規定する保持カウンタの値Chがゼロとなるように該保持カウンタの値Chをリセットして、補助反力トルク指令値Tsに基づき反力用モータ12により補助反力トルクが操舵軸2に付与されることになる(図5中に示すt201〜t202の間)。
一方、前記ステップS101にて操舵角θの変化量Δθの絶対値が所定舵角変化量θt以上であると判定された場合、あるいは前記ステップS102にて操舵トルクTの変化量ΔTの絶対値が所定トルク変化量Tt以下であると判定された場合は、ステップS107にて、現状にて既に前記補助反力トルク指令値Tsが発生しているか否かの判定を行い、現状では当該補助反力トルク指令値Tsが発生していないと判定された場合には、本制御プログラムは終了し、通常の反力制御、つまり前記反力トルク指令値Trに基づいて駆動制御された反力用モータ12による反力トルクが付与されることとなる。
また、前記ステップS107にて既に前記補助反力トルク指令値Tsが発生していると判定された場合には、ステップS108にて、前記保持カウンタの値Chが予め設定した所定の上限値tcを超えているか否かについての判定を行い、このとき、当該保持カウンタの値Chが前記上限値tcよりも小さいと判定された場合は、ステップS109にて、保持カウンタの値Chのカウントアップが開始され、前記反力トルク指令値Trに基づいて駆動制御された前記反力用モータ12による反力トルク付与が開始される(図5中に示すt202の時点)。
なお、図5に示すt202〜t204の間では、前記保持カウンタの値Chが前記上限値tcに達するまでは前記既に発生している補助反力トルク指令値Tsが保持され、該補助反力トルク指令値Tsに基づく補助反力トルク付与が維持される。
ここで、図5に示すように、t202以降では前記反力トルク指令値Trに基づく反力トルクも増大し、t203を境に該反力トルク指令値Trに基づく反力トルクが前記補助反力トルク指令値Tsに基づく反力トルクを上回ることになることから、t203以降では、図5中に実線で示すように、前記制御量Thとして、前記反力トルク指令値Trが選択されることとなる。
また、図4に示すように、前記ステップS108にて保持カウンタの値Chが前記上限値tc以上であると判定された場合には、ステップS110にて、前記既に発生している補助反力トルク指令値Tsの漸減処理を行う(図5中に示すt204の時点)。この補助反力トルク指令値Tsの漸減処理は、この補助反力トルク指令値Tsに基づく補助反力トルク付与を終了する際に該補助反力トルク指令値Tsを徐々に減少させる処理であり、具体的には、一定の減少量Δtmを予め設定しておき、次式Ts=sgn|Ts|×(|Ts|−Δtm)に基づいて行う。そして、かかる処理によって、補助反力トルク指令値Tsは、図5に示すように、やがてt205の時点でゼロとなる。
以上のことから、本実施の形態に係る反力制御装置11によれば、前記抵抗発生機構13による摩擦抵抗が静止摩擦から動摩擦に変化するような操舵操作を行う場合には、前記摩擦状態の変化が生じる前に前記補助反力トルク指令値Tsに基づいて反力用モータ12を駆動制御することによって操舵反力を補助する前記補助反力トルクを操舵軸2に付与することとしたことから、この補助反力トルクにより前記摩擦状態の変化に伴う摩擦係数の低下による操舵反力の低下分を補い、操舵軸2に付与される操舵反力の低下を抑制することができる。これにより、操舵軸2からステアリングホイール1を介して運転者に伝達される操舵操作時の前記操舵反力の低下に基づく操舵違和感の発生を抑制し、良好な操舵フィーリングを確保することができる。
そして、このとき、前記補助反力トルク指令値Tsについては、入力された操舵トルクに基づいて行うこととしたことから、該操舵トルクに応じた適正な補助反力トルクを発生させることが可能となっている。
さらには、前記所定舵角変化量θt及び所定トルク変化量Ttの各絶対値をそれぞれ一定の所定値としたことから、前記補助反力トルク制御を簡略化することができ、これによって、当該補助反力トルク制御の安定化も図れる。
また、前記補助反力トルクを付与する制御において、反力トルクが発生した後も、所定時間は前記補助反力トルクを維持するようにしたことから、反力用モータ12に対する指令トルクについて、補助反力トルクから反力トルクへと滑らかに移行させることができる。これによって、運転者に対して与える操舵違和感の発生をさらに抑制することができ、一層良好な操舵フィーリングが得られる。
さらに、前記補助反力トルクの出力を停止する際には、前記補助反力トルク指令値Tsの漸減させる処理を導入したことから、当該補助反力トルクを急激に抜くことによるトルク変動の発生を防止することが可能となり、この結果、当該トルク変動に基づく操舵違和感の発生を防止することができる。
また、前記補助反力トルクを付与する制御において、前記補助反力トルクと前記反力トルクの両方が発生している間は、該両トルク指令値の比較を行ったうえ、そのうちの大きい方を指令トルクして反力用モータ駆動回路18に出力するように構成したことから、反力用モータ12に対する指令トルクについて、補助反力トルクから反力トルクへと滑らかに移行させ、運転者に対して与える操舵違和感の発生をさらに抑制することができ、一層良好な操舵フィーリングが得られる。
本発明は前記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、前記所定舵角変化量θt及び所定トルク変化量Ttの各絶対値については、適用される操舵制御装置の仕様等によって前述した範囲内において適宜自由に設定することができる。
また、前記抵抗発生機構13については、前記実施の形態の構造に限定されるものではなく、操舵軸2に対して摩擦抵抗を常時発生させ得る構造であればいかなる構造であってもよく、また、前記抵抗発生機構13に対して他の抵抗発生機構を追加することも可能である。なお、前記抵抗発生機構13に対して他の抵抗発生機構を追加した場合には、操舵フィーリングの向上に必要な摩擦抵抗をさらに追加することが可能となるため、操舵フィーリングのより一層の向上が期待できる。
さらに、前記補助反力トルク指令値Tsの演算に用いるパラメータとしては、前述したパラメータを基本とするが、該パラメータのほかに、車両の左右方向や前後方向の加速度、ヨーレイト等を用いることも可能である。
なお、前記実施の形態における補助反力トルクは、ステアリングホイールの操舵操作時に抵抗となるすべてのトルクをいい、該補助反力トルクには、操舵方向と反対の方向に作用するトルクだけでなく、操舵角を維持するように作用するトルクも含まれるものとする。
本発明に係る反力発生装置が適用される操舵制御装置の全体を示す模式図である。 反力用モータ及び抵抗付与機構の構成を示す要部拡大断面図である。 制御装置の反力制御部における反力用モータの制御量の演算の過程を示す制御ブロック図である。 補助反力トルクを付与する制御フローを示すフローチャートである。 補助反力トルクを付与する制御についての一例を時系列で示すタイムチャートである。
符号の説明
1…ステアリングホイール
2…操舵軸
3…操舵用モータ
4…操舵用モータ駆動回路
5…転舵機構
6…舵角センサ
7…トルクセンサ
10…制御装置
11…反力制御装置
12…反力用モータ(反力アクチュエータ)
13…抵抗発生機構
18…反力用モータ駆動回路
WL,WR…転舵輪
C1…操舵制御部
C2…反力制御部

Claims (3)

  1. ステアリングホイールと転舵輪とが機械的に分離して構成された操舵制御装置のステアリングホイールに、該ステアリングホイールに連結された操舵軸を介して操舵反力を付与する反力発生装置であって、
    前記操舵軸に対して操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
    前記操舵軸に対して摩擦による摺動抵抗を常時発生させる抵抗発生機構と、
    前記操舵軸の操舵角を検出する舵角センサによって検出された操舵角の変化量と前記操舵軸に与えられた操舵トルクを検出するトルクセンサによって検出された操舵トルクの変化量とに基づいて前記反力アクチュエータの出力を演算する反力制御部と、を備え、
    前記反力制御部は、操舵角の変化量の絶対値が所定舵角変化量よりも小さく、かつ、操舵トルクの変化量の絶対値が所定トルク変化量よりも大きいときに、ステアリングホイールの操舵操作時に抵抗となるトルクを発生させるべく前記反力アクチュエータの出力を演算することを特徴とする反力発生装置。
  2. 前記反力制御部は、操舵角の変化量の絶対値が前記所定舵角変化量よりも小さく、かつ、操舵トルクの変化量の絶対値が前記所定トルク変化量よりも大きいときには、前記トルクセンサによって検出された操舵トルクに基づいて前記反力アクチュエータの出力を演算することを特徴とする請求項1に記載の反力発生装置。
  3. 前記所定舵角変化量は、前記抵抗発生機構において発生する摩擦が静止摩擦から動摩擦へと変化する操舵角の変化量の絶対値よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の反力発生装置。
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