JP2008189172A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】路面等から大きな衝撃があったときでも、歯車のバックラッシに起因するラトル音が発生するのを防止することができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】操舵部材1から操向車輪4に至る操舵機構Aに、電動モータ9の動力を付与して操舵補助を行う。操舵機構Aの減速歯車81の側部に、この減速歯車81の歯部81aの形状に沿って当該歯部81aの外縁より外方にはみ出る板状バネ部材(弾性部材)83を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】操舵部材1から操向車輪4に至る操舵機構Aに、電動モータ9の動力を付与して操舵補助を行う。操舵機構Aの減速歯車81の側部に、この減速歯車81の歯部81aの形状に沿って当該歯部81aの外縁より外方にはみ出る板状バネ部材(弾性部材)83を設ける。
【選択図】 図2
Description
この発明は、自動車などの車両に搭載され、電動モータを用いてドライバーの操舵動作を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
自動車に搭載される従来の電動パワーステアリング装置は、図6に示すように、操舵部材100から操向車輪(図示省略)に至る操舵機構Aに連結された電動モータ109を備えており、このモータ動力を操舵機構Aに付与することで操舵部材100でのドライバーによる操舵動作を補助するようになっている。また、このような電動パワーステアリング装置Eの出力軸124には、減速歯車181及びこれに噛み合うピニオン軸182を有する減速機構108と、前記ピニオン軸182が出力軸124に一体回転可能に取り付けられる操舵補助用の前記電動モータ9とが連結されている。また、減速機構108の減速歯車181は、例えば一段のはすば歯車により構成されており、さらにその歯車歯部とピニオン軸182の歯部との噛み合い部において、ある程度のバックラッシが存在するよう構成されている(例えば、下記特許文献1参照)。
しかしながら、前述した従来の電動パワーステアリング装置Eでは、不整路等を走行して路面から大きな衝撃があった場合、前記歯車のバックラッシに起因するラトル音が発生するという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、路面等から大きな衝撃があったときでも、歯車のバックラッシに起因するラトル音が発生するのを防止することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵部材から操向車輪に至る操舵機構に、電動モータの動力を付与して操舵補助を行う電動パワーステアリング装置であって、前記操舵機構の歯車の側部に、前記歯車の歯部の形状に沿って当該歯部の外縁より外方にはみ出る弾性部材を設けたことを特徴とするものである。
このように構成された電動パワーステアリング装置によれば、前記歯車が、これに対応する歯車と噛み合う際に前記弾性部材によって、前記歯車同士のバックラッシに伴う当該歯車の衝撃が緩和されるため、前記歯車のバックラッシに起因するラトル音が発生するのを防止することができる。
また、前記弾性部材が板状バネ部材であり、この板状バネ部材は、円盤状の円盤部と、この円盤部の外周に前記歯車の歯部に対応する位置に配置された曲部とから構成されていてもよく、また、前記弾性部材が線状バネ部材であり、この線状バネ部材は、その外周が前記歯車の歯部の形状に沿ってひだ状に湾曲するひだ部から構成されていてもよい。
これらの場合、汎用性の高い弾性部材を用いることで、前記歯車のバックラッシに起因するラトル音が発生するのを容易に防止することができる。
これらの場合、汎用性の高い弾性部材を用いることで、前記歯車のバックラッシに起因するラトル音が発生するのを容易に防止することができる。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、路面等から大きな衝撃があったときでも、歯車のバックラッシに起因するラトル音が発生するのを防止することができる。
以下、本発明の電動パワーステアリング装置を示す好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置Eの主要部の構成を示す模式図である。図2は、図1の減速機構8の要部を示す拡大図である。図1において、電動パワーステアリング装置Eは、例えば自動車に搭載され、操舵部材(ステアリングホイール)1に加わるドライバーの操舵動作に応じて、操向車輪4の向きを変える操舵軸2を備えている。この操舵軸2には、操舵部材1が上端部に取り付けられる筒状の取付軸21と、この取付軸21に一体回転可能に連結された筒状の入力軸22と、トーションバー23を介在させて入力軸22に同軸的に連結された筒状の出力軸24が設けられている。
図1は、本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置Eの主要部の構成を示す模式図である。図2は、図1の減速機構8の要部を示す拡大図である。図1において、電動パワーステアリング装置Eは、例えば自動車に搭載され、操舵部材(ステアリングホイール)1に加わるドライバーの操舵動作に応じて、操向車輪4の向きを変える操舵軸2を備えている。この操舵軸2には、操舵部材1が上端部に取り付けられる筒状の取付軸21と、この取付軸21に一体回転可能に連結された筒状の入力軸22と、トーションバー23を介在させて入力軸22に同軸的に連結された筒状の出力軸24が設けられている。
取付軸21は、ステアリングコラム25内に収納された状態で車体側に固定されるものであり、その下端部には、トーションバー23の一端部を内嵌固定した入力軸22の上端部がピン26により連結されている。また、前記トーションバー23の他端部はピン27により出力軸24の下端部に内嵌固定されている。
入力軸22及び出力軸24は、車体側に固定され、かつ同図の上下方向に分離可能な第一、第二、及び第三のハウジングH1、H2、及びH3の内部にニードル軸受61、第一玉軸受62、及び第二玉軸受63を介してそれぞれ回転自在に取り付けられている。
また、出力軸24には、減速歯車81及びこれに噛み合う第一ピニオン軸82を有する減速機構8と、前記第一ピニオン軸82が出力軸24に一体回転可能に取り付けられるとともに、トルクセンサ7の検出結果に応じて制御ユニット(図示せず)により駆動される操舵補助用の電動モータ9とが連結されている。そして、この減速機構8と電動モータ9とで、操舵部材1から操向車輪4に至る操舵機構Aにモータ動力による操舵補助力を付与する操舵補助部を構成している。
また、出力軸24には、減速歯車81及びこれに噛み合う第一ピニオン軸82を有する減速機構8と、前記第一ピニオン軸82が出力軸24に一体回転可能に取り付けられるとともに、トルクセンサ7の検出結果に応じて制御ユニット(図示せず)により駆動される操舵補助用の電動モータ9とが連結されている。そして、この減速機構8と電動モータ9とで、操舵部材1から操向車輪4に至る操舵機構Aにモータ動力による操舵補助力を付与する操舵補助部を構成している。
出力軸24の下端側には、図示しない自在継手などを介在させてラックピニオン式伝達機構3の第二ピニオン軸31及びラック軸32が順次連結されており、さらには左右の前記操向車輪4がタイロッド5及びボールジョイント6を介してラック軸32の対応する左右端部に連結され、出力軸24に接続されている。そして、操舵軸2の回転が、ラックピニオン式伝達機構3によって左右方向の直線運動に変換され、操向車輪4が転舵される。また、第二ピニオン軸31は、第三玉軸受34及び第二ニードル軸受35により、ラックハウジング33内に回転可能に取り付けられている。また、ラック軸32は、サポートヨーク及びラックガイド(図示せず)により摺動支持された状態でラックハウジング33内に収納されている。
減速機構8における減速歯車81は、例えば一段のはすば歯車により構成されており、さらにその歯車歯部81aと第一ピニオン軸82の歯部との噛み合い部において、バックラッシをある程度許容することで減速機構8でのギヤ効率を向上させた状態でモータ動力を出力軸24に伝達している。また、減速歯車81の下端面(側部)81bには、当該減速歯車81の側面形状に沿って板状バネ部材83よりなる弾性部材が設けられている。
板状バネ部材83は、減速歯車81と同心円状に取り付けられており、円盤状の円盤部83bと、この円盤部83bの外周に減速歯車81の歯部81aに対応する位置に配置された曲部83aとから構成されている。図3は、板状バネ部材83の要部の拡大図である。同図(a)は、板状バネ部材83の要部の拡大側面図を示しているが、図2及び同図(a)に示すように、曲部83aは断面略U字型であり、その両端部(図3(a)における左右両端部)は、前記減速歯車81の歯部81aの外縁両端部より僅かに外方にはみ出た形状をしている。
図3(b)は、減速歯車81が第一ピニオン軸82の歯車と噛み合った状態を示す断面図であり、同(c)は、同状態を示す側面図である。これらの図に示すように、第一ピニオン軸82の歯車は減速歯車81の歯幅よりも左端部が長く設定されており、これら歯車同士が噛み合ったときに、この歯幅の差の部分に該当する前記第一ピニオン軸82の左端部の間に曲部83aが位置する。このとき、曲部83aの両端部が第一ピニオン軸82の歯車によって矢印aの方向に撓まされ、歯車(歯部)同士の衝撃が緩和(吸収)される。このため、従来の問題点である、路面等から電動パワーステアリング装置Eに強い衝撃が加わったときに、前記歯車同士のバックラッシに起因するラトル音が発生するのが防止される。
なお、曲部83aの形状は、歯部81aの形状に合わせて側面略台形に形成されており、その幅はバックラッシの寸法に合わせて調整することにより、歯車のギヤ効率を向上させることができる。また、曲部83aと第一ピニオン軸82の歯車とは面接触するため、安定して歯車同士の衝撃を緩和することができる。
図4は、他の実施形態に係る減速機構8の要部を示す拡大図である。この減速機構8の基本的構造は図2の減速機構8と同じであり、同一部分に同一の参照符号を付している。この実施の形態にかかる減速機構8が、図2の減速機構8と相違する点は、減速歯車81の上端面(側部)81c(図1参照)に、当該減速歯車81の側面形状に沿って線状バネ部材84よりなる弾性部材が設けられている点である。
線状バネ部材84は、減速歯車81の径方向内方でピン85によって減速歯車81と同心円状に取り付けられているとともに、外周が歯部81aの形状に沿ってひだ状に湾曲するひだ部84aから構成されている。図5は、線状バネ部材84の要部の拡大図である。同図(a)は、線状バネ部材84の要部の拡大側面図を示しているが、図4及び同図(a)に示すように、ひだ部84aの両端部(図5(a)における左右両端部)は、前記減速歯車81の歯部81aの外縁両端部より僅かに外方にはみ出た形状をしている。
図5(b)は、減速歯車81が第一ピニオン軸82の歯車と噛み合った状態を示す断面図であり、同(c)は、同状態を示す側面図である。これらの図に示すように、第一ピニオン軸82の歯車は減速歯車81の歯幅よりも左端部が長く設定されており、これら歯車同士が噛み合ったときに、この歯幅の差の部分に該当する前記第一ピニオン軸82の左端部の間にひだ部84aが位置する。減速歯車81と前記第一ピニオン軸82の歯車とが噛み合ったとき、前記ひだ部84aの両端部が第一ピニオン軸82の歯車によって矢印aの方向に撓まされ、歯車(歯部)同士の衝撃が緩和(吸収)される。このため、従来の問題点である、路面等から電動パワーステアリング装置Eに強い衝撃が加わったときに、前記歯車同士のバックラッシに起因するラトル音が発生するのが防止される。
なお、曲部83aの形状は、歯部81aの形状に合わせて側面略台形に形成されており、その幅はバックラッシの寸法に合わせて調整することにより、歯車のギヤ効率を向上させることができる。また、線状バネ部材84は、線状の金属より構成されているため、用いる金属を少なくすることができ、製造コストを安くすることができる。
なお、曲部83aの形状は、歯部81aの形状に合わせて側面略台形に形成されており、その幅はバックラッシの寸法に合わせて調整することにより、歯車のギヤ効率を向上させることができる。また、線状バネ部材84は、線状の金属より構成されているため、用いる金属を少なくすることができ、製造コストを安くすることができる。
本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。例えば、前記実施形態では、減速機構8の減速歯車81が一段のはすば歯車から構成されているが、二段で構成されていてもよく、かさ歯車から構成されていてもよい。
また、前記実施形態において、部材の組み付け易さを考慮して、板状バネ部材(弾性部材)83が減速歯車81の下端面81bに取り付けられているが、上端面81cに取り付けられてもよい。同様に、線状バネ部材84(弾性部材)は、減速歯車81の下端面81bに取り付けられてもよい。
また、弾性部材は、噛み合わされる歯車の衝撃を緩和する部材であればよく、例えば歯車の歯部の外縁より外方に僅かにはみ出た状態で、当該歯車の側部(側面)に取り付けられたゴム状の弾性部材であってもよい。
また、前記実施形態において、部材の組み付け易さを考慮して、板状バネ部材(弾性部材)83が減速歯車81の下端面81bに取り付けられているが、上端面81cに取り付けられてもよい。同様に、線状バネ部材84(弾性部材)は、減速歯車81の下端面81bに取り付けられてもよい。
また、弾性部材は、噛み合わされる歯車の衝撃を緩和する部材であればよく、例えば歯車の歯部の外縁より外方に僅かにはみ出た状態で、当該歯車の側部(側面)に取り付けられたゴム状の弾性部材であってもよい。
1 操舵部材(ステアリングホイール)
4 操向車輪
9 電動モータ
81 減速歯車(歯車)
81a 歯部
81b 下端面(側部)
81c 上端面(側部)
83 板状バネ部材(弾性部材)
84 線状バネ部材(弾性部材)
A 操舵機構
E 電動パワーステアリング装置
4 操向車輪
9 電動モータ
81 減速歯車(歯車)
81a 歯部
81b 下端面(側部)
81c 上端面(側部)
83 板状バネ部材(弾性部材)
84 線状バネ部材(弾性部材)
A 操舵機構
E 電動パワーステアリング装置
Claims (3)
- 操舵部材から操向車輪に至る操舵機構に、電動モータの動力を付与して操舵補助を行う電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵機構の減速機構を構成する歯車の側部に、前記歯車の歯部の形状に沿って当該歯部の外縁より外方にはみ出る弾性部材を設けたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記弾性部材が板状バネ部材であり、この板状バネ部材は、円盤状の円盤部と、この円盤部の外周に前記歯車の歯部に対応する位置に配置された曲部とから構成されている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記弾性部材が線状バネ部材であり、この線状バネ部材は、その外周が前記歯車の歯部の形状に沿ってひだ状に湾曲するひだ部から構成されている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007026443A JP2008189172A (ja) | 2007-02-06 | 2007-02-06 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007026443A JP2008189172A (ja) | 2007-02-06 | 2007-02-06 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007026443A Pending JP2008189172A (ja) | 2007-02-06 | 2007-02-06 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2354597A1 (fr) * | 2010-02-02 | 2011-08-10 | Patek Philippe SA Genève | Mobile à rattrapage de jeu |
US8684129B2 (en) | 2009-06-25 | 2014-04-01 | Jtekt Corporation | Electric power steering system |
US9884642B2 (en) | 2011-12-12 | 2018-02-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Steering device |
-
2007
- 2007-02-06 JP JP2007026443A patent/JP2008189172A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8684129B2 (en) | 2009-06-25 | 2014-04-01 | Jtekt Corporation | Electric power steering system |
EP2354597A1 (fr) * | 2010-02-02 | 2011-08-10 | Patek Philippe SA Genève | Mobile à rattrapage de jeu |
WO2011095851A1 (fr) * | 2010-02-02 | 2011-08-11 | Patek Philippe Sa Geneve | Mobile a rattrapage de jeu |
US8904894B2 (en) | 2010-02-02 | 2014-12-09 | Patek Philippe Sa Geneve | Backlash-compensating mobile |
US9884642B2 (en) | 2011-12-12 | 2018-02-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Steering device |
DE112011105939B4 (de) | 2011-12-12 | 2018-12-13 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Lenkvorrichtung |
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