JP5262005B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵部材に加えられる操舵トルクの検出結果に基づいて駆動されるモータの回転力を舵取機構に加えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
ステアリングホイール等の操舵部材の回転操作に応じて操舵補助用のモータを駆動し、該モータの発生力を舵取機構に加えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置は、操舵部材に加えられる操舵トルクをトルクセンサにより検出し、検出された操舵トルクに基づいて操舵補助力の目標値を求め、この目標補助力を発生させるべく前記モータを駆動制御する構成となっている。
このような電動パワーステアリング装置の一形式として、操舵部材と舵取機構とを連結するステアリングコラムの中途に操舵補助用のモータを取り付け、該モータの回転を、ウォームギヤ減速機、平歯車減速機等の歯車減速機を介してステアリングコラム内部のステアリング軸に減速伝動し、舵取機構に伝えるように構成されたコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2006−298300号公報 特開2000−43789号公報
この種の電動パワーステアリング装置においては、歯車減速機を構成するモータの側の小歯車とステアリング軸の側の大歯車との間のバックラッシが過大である場合、このバックラッシの範囲内で相対移動する両歯車の歯が衝突して、耳障りな異音(歯打ち音)が発生するという問題があり、特に、非操舵中に舵取機構の側から加わる逆入力の作用により歯打ち音が発生した場合、これを聴取した運転者に無用な不安感を与える虞れがあり、また逆に、両歯車間のバックラッシが過小であった場合、噛み合い摩擦が大きくなって伝動効率が低下するという不具合があって、小歯車及び大歯車間のバックラッシを適正化することが重要な課題となっている。
この課題に対応するため、従来においては、小歯車と大歯車との間のバックラッシを適正に保つように歯車減速機の組立てを実施しているが、小歯車及び大歯車の外径及び歯形に高い寸法精度が要求される上、両歯車の中心間距離に高い精度が要求されて、加工及び組立てに多大の工数を要するという問題がある。
特許文献1に記載された電動パワーステアリング装置においては、小歯車としてのウォームを大歯車としてのウォームとの噛合部に向けて押圧付勢する押しばねを設け、この押しばねの作用によりウォームをウォームホイールに押し付けて組立て時に発生するバックラッシの誤差を吸収するようにしてある。
また特許文献2に記載された電動パワーステアリング装置においては、ウォームの一側の支持部を、ウォームホイールに対して接離する方向の位置調節が可能となるように構成し、組立て時に発生するバックラッシの誤差を、支持部の位置調節により調節できるようにしてある。
これらの構成によれば、加工及び組立てに高い精度を要求されずにバックラッシを適正化することができるが、小歯車の支持構造が複雑であり、部品点数が増し、周辺部分の加工が新たに加わることから、加工及び組立て工数の削減効果は小さい。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、操舵補助用のモータの回転を舵取機構に減速伝動する歯車減速機における歯打ち音の発生、特に、逆入力の作用による歯打ち音の発生を、機械的なバックラッシ調整によることなく操舵補助用のモータの制御により有効に抑制し得る電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵部材に加えられる操舵トルクを、該操舵部材と舵取機構とを連結するステアリング軸の中途に配したトルクセンサにより検出し、該トルクセンサの検出トルクに基づいて駆動される操舵補助用のモータの回転力を歯車減速機を介して前記舵取機構に伝えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、前記トルクセンサの検出トルクを周波数解析する解析手段と、前記検出トルクが前記操舵部材の側から加わる正入力トルクであるか、前記舵取機構の側から加わる逆入力トルクであるかを、前記解析手段による解析結果に基づいて判定する正逆判定手段と、前記ステアリング軸の回転角度を前記トルクセンサよりも前記舵取機構の側にて検出する操舵角センサと、前記正逆判定手段により逆入力トルクであると判定された場合に動作し、前記歯車減速機を構成する歯車の歯同士が押し付け状態を保つために必要な大きさの回転トルクを、前記操舵角センサによる検出結果から求まる操舵の方向に対して逆向き発生させるべく前記モータを駆動する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記正逆判定手段による判定が、前記解析手段の解析結果から抽出される周波数を、前記正入力トルクが加わっている際の周波数を基として予め定めた基準周波数と比較して行われることを特徴とする。
本発明の第3発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵部材に加えられる操舵トルクを、該操舵部材と舵取機構とを連結するステアリング軸の中途に配したトルクセンサにより検出し、該トルクセンサの検出トルクに基づいて駆動される操舵補助用のモータの回転力を歯車減速機を介して前記舵取機構に伝えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、前記トルクセンサの検出トルクを周波数解析する解析手段と、前記操舵部材の側から加わる正入力トルクの周波数及び前記舵取機構の側から加わる逆入力トルクの周波数に基づいて予め定めた基準周波数以上のトルク成分が前記解析手段の解析結果に含まれるとき、前記歯車減速機を構成する歯車の歯同士が押し付け状態を保つために必要な大きさの回転トルクを、操舵の方向に対して逆向き発生させるべく前記モータを駆動する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第4発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記逆向きの回転トルクが、前記逆入力トルクの作用時に前記ステアリング軸に加わることが想定される回転トルクに基づいて定めてあることを特徴とする。
発明に係る電動パワーステアリング装置においては、歯車減速機における歯打ち音の原因となる逆入力が、操舵のための操舵部材の操作に応じて舵取機構に加えられる正入力よりも高い周波数を有することに着目し、トルクセンサによる検出トルクを周波数解析し、解析結果に基づいて正入力トルクであるか逆入力トルクであるかを判定し、逆入力トルクであると判定された場合、操舵の方向に対して逆向きの回転トルクを発生するように操舵補助用のモータを駆動する制御を実施するから、歯車減速機を構成する小歯車と大歯車の歯同士が前記回転トルクの作用により押し付けられた状態を保ち、歯打ち音の発生を効果的に防止することができる。
前記回転トルクは、逆入力によりステアリング軸に加わることが想定される回転トルク(5Nm程度)を基準とし、この基準トルクよりもやや小さい回転トルク(4Nm程度)を、歯車減速機の減速比により除したトルクとすることにより、正入力による操舵補助を阻害せず、逆入力の作用下での歯の接触状態を保つことができ、歯打ち音の発生を確実に防止することが可能となる。
入力の作用によりステアリング軸に加わるトルクの周波数、一般に10Hz以上であり、正入力の作用によりステアリング軸に加わるトルクの周波数に比して十分に高いことから、トルクセンサによる検出トルクを周波数解析した結果から正、逆入力のいずれであるかを確実に判定することができ、逆入力の場合にのみ操作補助用のモータの前述した制御を実行するから、正入力による操舵補助を阻害することなく歯打ち音の発生を確実に防止することが可能となる。
御手段の動作時に操舵補助用のモータが発生する回転トルクの方向は、操舵角センサによる検出結果から求まる操舵の方向に対して逆方向とするから、操舵補助のための回転トルクの方向と逆向きの回転トルクにより歯車減速機の歯の押し付けをより確実に実施することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す模式図である。なお本図においては、ラックピニオン式の舵取機構1を備える車両への適用例が示されているが、本発明は、ボールねじ式の舵取機構等、他の形式の舵取機構を備える車両への適用も可能である。
ラックピニオン式の舵取機構1は、図示しない車体の左右方向に延設されたラックハウジング10の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸11と、ラックハウジング10の中途に交叉するピニオンハウジング20の内部に回転自在に支持されたピニオン軸2とを備えている。
ラックハウジング10の両側外部に突出するラック軸11の両端は、各別のタイロッド12,12を介して操舵輪としての左右の前輪13,13に連結され、またピニオンハウジング20の外部に突出するピニオン軸2の上端は、ステアリング軸3を介して操舵部材としてのステアリングホイール30に連結されている。
ピニオンハウジング20の内部に延びるピニオン軸2の下部には、図示しないピニオンが形成されており、該ピニオンは、ラックハウジング10との交叉部において、ラック軸11の中途に適長に亘って設けられたラックに噛合させてある。ステアリング軸3は、筒形をなすコラムハウジング31の内部に回転自在に支持され、該コラムハウジング31を介して、図示しない車室の内部に前方を下とした傾斜姿勢を保って固定されており、コラムハウジング31の下方への突出端にピニオン軸2が連結され、同じく上方への突出端にステアリングホイール30が固設されている。
以上の構成により、操舵のためにステアリングホイール30が回転操作された場合、この回転がステアリング軸3を介してピニオン軸2に伝達され、該ピニオン軸2の回転が、ピニオンとラックとの噛合部においてラック軸11の軸長方向の移動に変換されることとなり、この移動により、左右の前輪13,13が各別のタイロッド12,12を介して押し引きされて操舵がなされる。
ステアリング軸3を支持するコラムハウジング31の中途には、ステアリングホイール30の回転操作によりステアリング軸3に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ4が設けてあり、また、該トルクセンサ4の下位置にステアリング軸3の回転角度を検出する操舵角センサ5が並設してあり、更に、これらの下部の外側に操舵補助用のモータ6が取付けてある。
トルクセンサ4は、検出対象となるステアリング軸3を上下の2軸に分割し、これらの2軸を捩れ特性が既知のトーションバーにより同軸上に連結して、操舵トルクの作用によりトーションバーの捩れを伴って前記2軸間に生じる相対角変位を適宜の手段により検出する公知の構成を有している。
操舵角センサ5は、トルクセンサ4よりも舵取機構1の側においてステアリング軸3の回転角度を検出する回転角センサである。検出対象となるステアリング軸3は、ステアリングホイール30の回転操作に応じて左右夫々に数回転する回転軸であり、操舵角センサ5は、ステアリング軸3の全回転範囲に亘って絶対回転角度を検出可能に構成された回転角センサであるのが望ましいが、1回転内の回転角度を検出する一般的な回転角センサを用い、該センサの検出値を逐次積算してステアリング軸3の絶対回転角度を検出するように構成することもできる。
なお操舵トルクの検出のためのトルクセンサ4として、上下の2軸の回転角度を夫々検出し、これらの検出角度の差から前記2軸間に生じる相対角変位を求めるように構成されたトルクセンサが用いられることがあり、この種のトルクセンサ4が用いられている場合には、下軸の回転角度の検出手段を操舵角センサ5として兼用することができる。
操舵補助用のモータ6は、コラムハウジング31の外側に軸心を略直交させて取り付けてあり、この取り付け部には、コラムハウジング31の内部に延びるモータ6の出力端に固着されたウォームと、ステアリング軸3の中途に外嵌固定され、前記ウォームに噛合するウォームホイールとを備えるウォームギヤ減速機60が構成されている。この構成により操舵補助用のモータ6の回転は、ウォームギヤ減速機60により減速してステアリング軸3に伝えられ、該ステアリング軸3の下端に連設されたピニオン軸2に回転力が付与されることとなり、この回転に応じて前述の如く行われる操舵が補助される。
このように取付けられた操舵補助用のモータ6は、アシスト制御部7から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って駆動される。アシスト制御部7には、トルクセンサ4による操舵トルクの検出値が与えられ、また周波数解析部8を介して与えられている。またアシスト制御部7には、操舵角センサ5による操舵角の検出値とが与えられており、更に、車両の適宜部位に配された車速センサ9による車速の検出値が与えられている。
図2は、アシスト制御部7のブロック図である。アシスト制御部7は、内部バス70により相互に接続されたCPU71、ROM72及びRAM73を備え、ROM72に記憶された制御プログラムに従うCPU71の動作により以下のアシスト制御及び歯打ち音抑制制御を実行するように構成されており、これらの制御動作に用いる制御マップ、各種の補正値等の定数値を外部からの書き込みにより記憶するEEPROM74を備えている。トルクセンサ4による操舵トルクの検出値、この検出値を周波数解析した結果として与えられる周波数解析部8の出力、操舵角センサ5による操舵角の検出値及び車速センサ9による車速の検出値は、各別の入力インターフェイス75〜78を介してCPU71に取り込まれる。
アシスト制御部7のアシスト制御動作は、トルクセンサ4から直接入力される操舵トルクの検出値を取り込み、この操舵トルクをEEPROM74に格納された制御マップに適用して、発生すべき操舵補助力の目標値(目標補助力)を定め、この目標補助力を発生すべく操舵補助用のモータ6に制御指令を発し、該モータ6を駆動制御する公知の制御動作である。
目標補助力の決定に用いる制御マップは、車速に応じて複数準備されており、車速センサ9から取り込まれる車速の検出結果に応じて選定されて使用される。これにより、車速の高低に応じて補助力特性を異ならせることができ、例えば、前輪13,13に加わる路面反力が小さい高速走行時には、モータ6が発生する操舵補助力を低く抑え、ステアリングホイール30に剛性感を付与して、ふらつきのない安定した操舵を行わせることができる。逆に、路面反力が大きい停止時及び低速走行時には、操舵補助力を可及的に高めてステアリングホイール30の操作を軽快に行わせ、操舵に要する労力負担を軽減する等、車速の如何に拘らず常に適正な操舵状態を得ることができる。
また操舵角センサ5から取り込まれる操舵角の検出結果は、制御マップにより決定される目標補助力の補正に用いられる。この補正は、例えば、操舵角が大きいときに目標補助力を増すようになされ、この補正により、前輪13,13に加わる路面反力が大きい大転舵時に小転舵時よりも操舵補助力が大となり、良好な操舵感を実現することができる。
アシスト制御部7は、以上のアシスト制御動作に並行して、ウォームギヤ減速機60に発生する歯打ち音を抑制することを目的とし、歯打ち音抑制のための以下に示す制御動作を行う。図3は、歯打ち音抑制動作の内容を示すフローチャートである。
図3のフローチャートに従うアシスト制御部7の動作は、前述したアシスト制御動作の実行中に所定の周期毎に繰り返し実行される。なお、以下に示す制御動作をなす専用の制御部をアシスト制御部7と独立して設けることも可能である。
この制御動作には、周波数解析部8の出力が用いられる。周波数解析部8は、トルクセンサ4からの入力を周波数解析する公知の解析手段であり、例えば、この周波数解析の結果として得られる周波数毎の強度分布を出力するように構成されている。
まずアシスト制御部7は、周波数解析部8の出力を取り込み(ステップS1)、周波数解析部8の出力から操舵トルクの周波数Fを抽出する(ステップS2)。ステップS2においては、周波数解析部8の出力として与えられる周波数毎の強度分布中において所定レベルを超える強度を有する周波数Fが抽出される。
次いでアシスト制御部7は、抽出された周波数Fを予め設定された基準周波数F0 と比較する(ステップS3)。この比較は、トルクセンサ4の検出トルクが、操舵部材としてのステアリングホイール30の側から加わるトルク(正入力トルク)であるか、舵取機構1の側から加わるトルク(逆入力トルク)であるかを判定するために行われる。操舵トルクの周波数Fが基準周波数F0 以上である場合(S3:YES)には、逆入力トルクが加わっており、歯打ち音の抑制のための動作が必要であると判定してステップS4に進み、操舵トルクの周波数Fが基準周波数F0 よりも小さい場合(S3:NO)には、正入力トルクが加わっていると判定し、歯打ち音抑制のためのステップS4以降の動作を行うことなく終了する。
ステップS3の判定は、路面反力の作用により舵取機構1の側から加わる逆入力トルクが、一般的に、正入力トルクよりも十分に高い周波数(10Hz〜15Hz)の振動成分を有しているという知見に基づいている。ステップS3での判定に用いる基準周波数F0 は、例えば、10Hzに設定されており、ステップS2において抽出される現状の操舵トルクの周波数Fが基準周波数F0 以上である場合に逆入力トルクが加わっており、歯打ち音の抑制動作が必要であると判定することができる。正入力の作用時に高周波数の操舵トルクが検出されることもあり得るが、この場合に以下の歯打ち音抑制動作が行われても問題はない。
ステップS3において、現状の操舵トルクの周波数Fが基準周波数F0 以上であり、逆入力トルクであると判定された場合、アシスト制御部7は、操舵角センサ5の検出値を取り込み(ステップS4)、この検出値から操舵の方向を判定し(ステップS5)、この判定の後、操舵補助用のモータ6に動作指令を発し、該モータ6を予め定めた回転トルクを一方向に発生させるべく駆動して(ステップS6,S7)一回の制御動作を終える。
ステップS5における操舵の方向の判定結果は、モータ6の回転方向の決定に用いられており、ステップS6,S7においては、ステップS5において判定された操舵の方向と逆向きの回転トルクを発生するようにモータ6を駆動せしめる動作がなされる。即ち、右操舵であると判定された場合(ステップS5:YES)にはステップS6に進み、モータ6は左操舵の方向に駆動され、左操舵であると判定された場合(ステップS5:NO)には、ステップS7に進み、モータ6は右操舵の方向に駆動される。
図4は、歯打ち音の発生状態を調べるために行った実験の結果を示す図である。この実験は、操舵補助用のモータ6に短周期にて変動するモータトルクを発生させて、逆入力トルクの作用時の状態を模擬的に現出し、このときウォームギヤ減速機60に発生する歯打ち音を測定したものであり、図の上半部には、モータトルクの変化の状態を示してあり、図の下半部には、歯打ち音の測定結果を示している。
下半部の歯打ち音の測定結果を参照すると、図中にA,B,Cとして示すように、歯打ち音の音圧レベルが他の領域における音圧レベルと比較して明らかに低レベルとなる領域が存在していることがわかる。この結果を上半部に示すモータトルクの変化の状態と対照すると、歯打ち音が低レベルとなる領域A,B,Cにおいては、モータトルクが“0”の一側に偏倚した範囲において変動しており、逆に、歯打ち音が高レベルとなる他の領域においてはいずれも、モータトルクが“0”を挟んで変動していることがわかる。
本願発明者は、以上の実験の結果により、モータ6を一方向に駆動しておくことが歯打ち音の発生を防止するために有効であることを見出した。この理由は、モータ6が駆動された場合、ウォームギヤ減速機60の内部において、小歯車としてのウォームと大歯車としてのウォームホイールの歯同士が回転方向に押し付けられた状態となり、歯打ち音の原因となる歯の相対移動が生じないからである。
舵取機構1からの逆入力の作用により大歯車が振動する場合、この大歯車は、モータ6からモータトルクを加えられる小歯車と同向き及び逆向きに相対回転する。この相対回転の方向がモータトルクの方向と逆向きである場合、前述した押し付けを強化するように作用するため歯の相対移動が生じないことは自明である。一方、前記相対回転の方向がモータトルクの方向と同向きである場合であっても、大歯車の歯の離反に追随するように小歯車が回転することにより、両歯車の歯は押し付け状態を保つことができる。
モータトルクが“0”を挟んで変動している場合、モータ6の回転方向が反転することから歯同士の押し付け状態が保てず、図4に示すように高レベルの歯打ち音が発生することとなり、このことは、モータ6が停止状態にある場合にも全く同様に生じる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置においては、ステップS3において逆入力の判定がなされた場合、ステップS6又はS7におけるアシスト制御部7の動作によりモータ6に動作指令が発せられ、該モータ6が所定の回転トルクにより一方向に駆動されるから、図4における領域A,B,Cの状態が実現され、歯打ち音の発生を有効に防止することができる。
前記所定の回転トルクは、逆入力によりステアリング軸3に加わることが想定される回転トルク(逆入力トルク)に基づいて定められている。例えば、逆入力トルクの大きさが高々5Nmであると想定される場合、無意識にステアリングホイール30を把持する運転者により1Nm程度の抵抗トルクが加えられることを考慮して、前記所定の回転トルクは、4(=5ー1)Nmをウォームギヤ減速機60の減速比で除した値に設定される。
減速比が20である場合、モータ6は、逆入力の判定に応じて 0.2(=4/20)Nmの回転トルクを発生するように駆動されることとなる。この回転トルクは、図4に示すように、歯打ち音の音圧レベルを低下させるためには十分なトルクであり、また正入力トルクの検出に応じたアシスト制御部7のアシスト制御動作を阻害するものでもない。
また、ステップS4において操舵角の検出結果を取り込み、ステップS5での操舵方向の判定に応じてステップS6、S7の振り分けを行い、夫々において操舵方向と逆向きにモータ6を駆動しているから、前述した歯同士の押し付けが強化されることとなり、歯打ち音の発生をより確実に防止することができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置においては、以上の制御動作により歯打ち音の発生を防止することができるから、コラムハウジング31の中途におけるウォームギヤ減速機60の組立てに際し、ウォームとウォームホイールとの間のバックラッシに高精度が要求されず、加工及び組立て工数の削減を図ることができる。
なお以上の実施の形態においては、操舵補助用のモータ6の回転をステアリング軸3に減速伝動する歯車減速機としてウォームギヤ減速機60を用いているが、平歯車、傘歯車、ハイポイドギヤ等の他の歯車を備える歯車減速機を用いることも可能であり。同様の効果が得られることは言うまでもない。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す模式図である。 アシスト制御部のブロック図である。 歯打ち音抑制動作の内容を示すフローチャートである。 歯打ち音の発生状態を調べるために行った実験の結果を示す図である。
符号の説明
1 舵取機構、3 ステアリング軸、4 トルクセンサ、5 操舵角センサ、6 モータ、7 アシスト制御部(制御手段)、8 周波数解析部(解析手段)、30 ステアリングホイール(操舵部材)、60 ウォームギヤ減速機(歯車減速機)

Claims (4)

  1. 操舵部材に加えられる操舵トルクを、該操舵部材と舵取機構とを連結するステアリング軸の中途に配したトルクセンサにより検出し、該トルクセンサの検出トルクに基づいて駆動される操舵補助用のモータの回転力を歯車減速機を介して前記舵取機構に伝えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、
    前記トルクセンサの検出トルクを周波数解析する解析手段と、
    前記検出トルクが前記操舵部材の側から加わる正入力トルクであるか、前記舵取機構の側から加わる逆入力トルクであるかを、前記解析手段による解析結果に基づいて判定する正逆判定手段と、
    前記ステアリング軸の回転角度を前記トルクセンサよりも前記舵取機構の側にて検出する操舵角センサと、
    前記正逆判定手段により逆入力トルクであると判定された場合に動作し、前記歯車減速機を構成する歯車の歯同士が押し付け状態を保つために必要な大きさの回転トルクを、前記操舵角センサによる検出結果から求まる操舵の方向に対して逆向き発生させるべく前記モータを駆動する制御手段と
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記正逆判定手段による判定は、前記解析手段の解析結果から抽出される周波数を、前記正入力トルクが加わっている際の周波数を基として予め定めた基準周波数と比較して行われる請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 操舵部材に加えられる操舵トルクを、該操舵部材と舵取機構とを連結するステアリング軸の中途に配したトルクセンサにより検出し、該トルクセンサの検出トルクに基づいて駆動される操舵補助用のモータの回転力を歯車減速機を介して前記舵取機構に伝えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、
    前記トルクセンサの検出トルクを周波数解析する解析手段と、
    前記操舵部材の側から加わる正入力トルクの周波数及び前記舵取機構の側から加わる逆入力トルクの周波数に基づいて予め定めた基準周波数以上のトルク成分が前記解析手段の解析結果に含まれるとき、前記歯車減速機を構成する歯車の歯同士が押し付け状態を保つために必要な大きさの回転トルクを、操舵の方向に対して逆向き発生させるべく前記モータを駆動する制御手段と
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 前記逆向きの回転トルクは、前記逆入力トルクの作用時に前記ステアリング軸に加わることが想定される回転トルクに基づいて定めてある請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
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