JP4254671B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵ハンドルの操舵に応じて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置に関する。
近年の車両操舵装置には、ステアリングホイールなどの操舵ハンドルの転舵角に対する転舵輪(通常は左右前輪)の転舵角を可変制御するものが実用化されている。このような操舵装置は、VGRS(Valiable Gear Ratio System)などと呼ばれることもある。VGRSの構造としては、操舵ハンドルと転舵輪との間に機械的結合が全くなく、操舵ハンドルの転舵角を電気的に検出して検出した転舵角に応じて転舵輪を転舵させるアクチュエータを駆動させる、いわゆるステア・バイ・ワイヤー式のものがある。あるいは、操舵ハンドルと転舵輪との間に機械的結合があり、この操舵ハンドルと転舵輪との間に伝達比を可変制御できる構造部分(波動歯車など)を配してVGRSを構築するものもある(下記[特許文献1]など)。
特開2000−62632号公報
このようなVGRSが故障した場合は伝達比が固定されることとなる。このため、上述した[特許文献1]に記載の装置などでは、故障によって伝達比が可変制御されなくなった場合は、パワーステアリング装置による操舵補助力を変更する。このようにすることで、伝達比が可変制御されなくなった操舵性をパワーステアリング装置による操舵補助力を用いて改善する。しかし、伝達比可変機構が正常な場合は操舵したときだけ伝達比が可変制御されるのであるが、上述したように故障時の制御を行うと、旋回途中の保舵時(操舵トルクが検出されている間)にも操舵補助力が変更された状態が継続するため、さらなる改善が要望されていた。従って、本発明の目的は、操舵装置の伝達比可変機構故障時により良い操作性を実現することのできる車両用操舵装置を提供することにある。
請求項1に記載の車両用操舵装置は、操舵ハンドルの操舵角に対する転舵輪の転舵角の伝達比を車速に応じて変化させる伝達比可変手段と、操舵ハンドルから転舵輪までの間に配設したアクチュエータを用いて操舵ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング手段と、伝達比可変手段の故障を検出する故障検出手段と、操舵ハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段とを備えており、パワーステアリング手段は、操舵角速度検出手段によって検出された操舵角速度が小さいときより大きいときにより大きく設定される操舵方向とは反対方向に作用するアシスト力成分を含むアシスト力によって操舵ハンドルの操舵をアシストし、故障検出手段が伝達比可変手段の故障を検出したときには、パワーステアリング手段は、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも大きくなったときには上述したアシスト力成分の大きさを増大させるように、アシスト力成分を車速に応じてさらに補正することを特徴としている。なお、アシスト力成分の大きさを増大させるとは、その正負は変えずに絶対値を大きくすることである。

なお、ここで、上述したアシスト力成分は、操舵方向と反対方向の力である。操舵方向を正、この方向へのアシスト力成分を正と規定すれば、アシスト力成分は負である。即ち、操舵角速度が正で大きくなればなるほど、アシスト力成分はより大きな操舵方向とは逆方向の力(絶対値のより大きな負の力)となる。
請求項2に記載の車両用操舵装置は、操舵ハンドルの操舵角に対する転舵輪の転舵角の伝達比を車速に応じて変化させる伝達比可変手段と、操舵ハンドルから転舵輪までの間に配設したアクチュエータを用いて操舵ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング手段と、伝達比可変手段の故障を検出する故障検出手段と、操舵ハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段とを備えており、パワーステアリング手段は、操舵角速度検出手段によって検出された操舵角速度が小さいときより大きいときにより大きく設定される操舵方向とは反対方向に作用するアシスト力成分を含むアシスト力によって操舵ハンドルの操舵をアシストし、故障検出手段が伝達比可変手段の故障を検出したときには、パワーステアリング手段は、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも小さくなったときには上述したアシスト力成分の大きさを減少させるように、アシスト力成分を車速に応じてさらに補正することを特徴としている。なお、アシスト力成分の大きさを減少させるとは、その正負は変えずに絶対値を小さくすることである。

また、請求項3に記載の車両用操舵装置は、操舵ハンドルの操舵角に対する転舵輪の転舵角の伝達比を車速に応じて変化させる伝達比可変手段と、操舵ハンドルから転舵輪までの間に配設したアクチュエータを用いて操舵ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング手段と、伝達比可変手段の故障を検出する故障検出手段と、操舵ハンドルの操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルクの時間微分値を算出する時間微分値算出手段とを備えており、パワーステアリング手段は、時間微分値算出手段によって算出された操舵トルクの微分値の絶対値が大きいほど大きく設定されるアシスト力成分を含むアシスト力によって操舵ハンドルの操舵をアシストし、故障検出手段が伝達比可変手段の故障を検出したときには、パワーステアリング手段は、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも大きくなったときにはアシスト力成分を減少させるように、アシスト力成分を車速に応じてさらに補正することを特徴としている。なお、アシスト力成分は操舵方向に付加されるものである。

また、請求項4に記載の車両用操舵装置は、操舵ハンドルの操舵角に対する転舵輪の転舵角の伝達比を車速に応じて変化させる伝達比可変手段と、操舵ハンドルから転舵輪までの間に配設したアクチュエータを用いて操舵ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング手段と、伝達比可変手段の故障を検出する故障検出手段と、操舵ハンドルの操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルクの時間微分値を算出する時間微分値算出手段とを備えており、パワーステアリング手段は、時間微分値算出手段によって算出された操舵トルクの微分値の絶対値が大きいほど大きく設定されるアシスト力成分を含むアシスト力によって操舵ハンドルの操舵をアシストし、故障検出手段が伝達比可変手段の故障を検出したときには、パワーステアリング手段は、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも小さくなったときにはアシスト力成分を増大させるように、アシスト力成分を車速に応じてさらに補正することを特徴としている。


請求項1に記載の車両用操舵装置によれば、伝達比可変手段とパワーステアリング手段とを備えた車両において、操舵角速度が小さいときより大きいときにより大きく設定される操舵方向とは反対方向に作用するアシスト力成分を含むアシスト力によってパワーステアリングによるアシストを行うことで、より自然な操舵フィールを実現する。そして、伝達比可変手段の故障を検出したときには、上述したアシスト力成分を車速に応じてさらに補正することで、より自然な操舵フィールを実現しつつ、伝達比可変手段の故障による操作性悪化分をパワーステアリング手段で補うことができる。上述したアシスト力成分は、操舵角速度に応じて設定されるため(ここに言う故障時にはさらに車速によっても可変制御される)、伝達比可変手段故障時であっても保舵時(操舵角速度=0)などには作用せず、操作感を悪化させるようなことはない。なお、パワーステアリング手段による最終的なアシスト力は、上述したアシスト力成分以外の成分(例えば、車速などに応じて決定される基本アシスト力など)を含んでいてもよい。
上述したアシスト力成分を車速に応じてさらに補正する場合、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも大きくなるときには上述したアシスト力成分(操舵方向とは反対方向の力)の大きさを増大させるように補正を行う(アシスト力成分の大きさを増大させるとは、その正負は変えずに絶対値を大きくすることである)。故障することで伝達比が大きくなる場合は、操舵操作に対して転舵が行われやすくなる状況であるため、その分、上述したアシスト力成分の大きさを増大、即ち、操舵方向とは反対方向の力を増やして操舵しにくくすることで、伝達比可変制御の故障による操舵感の変化を相殺させて、良好な操作感を実現する。

請求項2に記載の車両用操舵装置によれば、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも小さくなるときには上述したアシスト力成分(操舵方向とは反対方向の力)の大きさを減少させるようにアシスト力成分の補正を行う(アシスト力成分の大きさを減少させるとは、その正負は変えずに絶対値を小さくすることである)。故障することで伝達比が小さくなる場合は、操舵操作に対して転舵が行いにくくなる状況であるため、その分、上述したアシスト力成分の大きさを減少、即ち、操舵方向とは反対方向の力を減らして操舵しやすくすることで、伝達比可変制御の故障による操舵感の変化を相殺させて、良好な操作感を実現する。

また、請求項3に記載の車両用操舵装置によれば、伝達比可変手段とパワーステアリング手段とを備えた車両において、操舵トルクの微分値の絶対値が大きいほど大きく設定されるアシスト力成分を含むアシスト力によってパワーステアリングによるアシストを行うことで、より自然な操舵フィールを実現する。そして、伝達比可変手段の故障を検出したときには、上述したアシスト力成分を車速に応じてさらに補正することで、より自然な操舵フィールを実現しつつ、伝達比可変手段の故障による操作性悪化分をパワーステアリング手段で補うことができる。上述したアシスト力成分は、操舵トルクの微分値の絶対値に応じて設定されるため(ここに言う故障時にはさらに車速によっても可変制御される)、伝達比可変手段故障時であっても保舵時(操舵トルクの時間微分値=0)などには作用せず、操作感を悪化させるようなことはない。なお、パワーステアリング手段による最終的なアシスト力は、上述したアシスト力成分以外の成分(例えば、車速などに応じて決定される基本アシスト力など)を含んでいてもよいことは言うまでもない。上述したアシスト力成分を車速に応じてさらに補正する場合、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも大きくなるときには上述したアシスト力成分を減少させるように補正を行う。故障することで伝達比が大きくなる場合は、操舵操作に対して転舵が行われやすくなる状況であるため、その分、上述したアシスト力成分を減少させて操舵しにくくすることで、伝達比可変制御の故障による操舵感の変化を相殺させて、良好な操作感を実現する。


請求項4に記載の車両用操舵装置によれば、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも小さくなるときには上述したアシスト力成分を増大させるようにアシスト力成分の補正を行う。故障することで伝達比が小さくなる場合は、操舵操作に対して転舵が行いにくくなる状況であるため、その分、上述したアシスト力成分を増大させて操舵しやすくすることで、伝達比可変制御の故障による操舵感の変化を相殺させて、良好な操作感を実現する。
本発明の車両用操舵装置の実施形態について以下に説明する。図1に、本実施形態の車両用操舵装置の構成を示す。図1に示されるように、操舵ハンドルとしてのステアリングホイール1には、ステアリングコラム2の一端が結合されており、ステアリングコラム2の他端はステアリングギア3と接続されている。ステアリングホイール1とステアリングコラム2の結合部には、ステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵角センサ4(コラムカバー内のコンビネーションスイッチと一体化されている)が組み込まれている。
操舵角センサ4は、操舵量(操舵角)と操舵方向を検出でき、その内部には検知ギヤに内蔵された磁石の回転を検知する磁気抵抗素子を二組備えており、検知ギヤが回転することで生じる磁気変化に基づいてステアリングホイール1の回転を検出する。操舵角センサ4は、操舵制御全般を司る電子制御コントロールユニット(ECU)5に接続されている。操舵角センサ4の検出結果はECU5に送出されており、ECU5では操舵角センサ4の検出結果から、操舵角の時間微分値より操舵角速度を演算する。即ち、操舵角センサ4やECU5が操舵角速度検出手段として機能している。なお、演算した操舵角速度をさらに時間微分することで、操舵角加速度を得ることもできる。
ステアリングコラム2は、そのほぼ中央部分のステアリングホイール1側にトルクセンサ6を備えていると共に、中央部分のステアリングギア3側にVGRS機構7を備えている。VGRS機構7は、ステアリングホイール1の操舵角に対する転舵輪(図示せず)の転舵角との比である伝達比を可変制御するものである。
トルクセンサ6の内部では、ステアリングホイール1側の入力軸とステアリングギア3側の出力軸がトーションバーで連結されており、この入力軸と出力軸にはそれぞれ回転角センサ(レゾルバセンサ)が取り付けられている。各回転角センサでは、それぞれ入力軸の回転角と出力軸の回転角とが検出される。ステアリングホイール1が操舵されるとトーションバーがねじれ、二つの回転角センサで検出される角度に相対的な差が生じ、その差から操舵トルクを算出することができる。トルクセンサ6もECU5に接続されており、ECU5は二つの回転角センサの検出結果を基にトルクの演算を行う。即ち、トルクセンサ6やECU5が操舵トルク検出手段として機能している。また、ECU5は、算出した操舵トルクを時間微分することでその時間微分値を算出することができ、時間微分値算出手段としても機能している。
VGRS機構7の一部断面斜視図を図2に示す。本実施形態のVGRSは、波動歯車を用いたものである。波動歯車としては、ハーモニック・ドライブ・システム社のものなどがよく知られている。図2に示されるように、VGRS機構7は、波動歯車を有する差動機構部7aと、VGRS機構7の駆動アクチュエータであるDCブラシレスモータ7bと、VGRS機構7の故障時に伝達比を固定するためのロック機構部7cと、ステアリングコラム2の軸が回転しても電力が供給できるように設けられたスパイラルケーブル7dと、ゴムカップリング7eとを備えている。なお、図2中右方がステアリングホイール1側であり、左方がステアリングギア3側である。
差動機構部7a、DCブラシレスモータ7b、及び、ロック機構部7cのケースはステアリングホイール1側の入力軸に固定されている。作動機構部7aの出力軸はステアリングギア3側の出力軸と固定されており、DCブラシレスモータ7bを駆動させることで差動機構部7aを作動させ、伝達比を可変制御する。ロック機構部7cは、VGRS機構7のシステムフェイル(故障)時や、イグニッションスイッチがOFFの時には、DCブラシレスモータ7bのモータシャフトが回転しないようにロックする。DCブラシレスモータ7bやロック機構部7cも上述したECU5に接続されており、ECU5によってVGRS機構7の動作が制御される。VGRS機構7やECU5が伝達比可変手段として機能している。
ステアリングギア3の断面図を図3に示す。上述したように、本実施形態のステアリングギア3は、ラック式の電子制御式パワーステアリング(EPS)機構を内蔵したものであり、EPSの駆動源となるDCブラシレスモータ3aが内蔵されている。図3には、このDCブラシレスモータ3a周辺のみを拡大して示してある。ステアリングギア3は、一対の操舵輪(図示せず)の中間部に取り付けられ、その内部の操舵軸3bの両端がタイロッド3cを介して操舵輪(図示せず)のハブキャリアなどに接続されている。操舵軸3bの一端側には、ラックギア3dが形成されており、入力軸3eの先端に形成されているピニオンギア(図示せず)と噛み合っている。入力軸3eは、ステアリングコラム2の出力側と連結されている。運転者によってステアリングホイール1が回転されると、ピニオンギアとラックギア3dとによって回転運動が直線運動に変換され、操舵軸3dが軸方向(図3中左右方向)に移動されて操舵輪が操舵される。
上述したDCブラシレスモータ3aは、ステアリングギア3のケースに固定されたステータとその内部で回転するロータとからなり、ロータは円筒状部材と一体となっており、操舵軸3bは、この円筒状部材の内部を貫通している。なお、円筒状部材はその両端がベアリングによって回転可能に指示されている。操舵軸3bの外周面上の一部にはボールスクリュー溝3fが形成されており、上述した円筒部材の内周上の一部にボールナット3gが固定されている。一対のボールスクリュー溝3fとボールナット3gの間には複数のベアリングボールが収納され、DCブラシレスモータ3aが駆動されてロータが回転されることによって、操舵軸3bの軸方向の移動がアシストされる。
なお、ステアリングギア3には、DCブラシレスモータ3aの回転位置を検出する回転位置センサ3hも内蔵されている。DCブラシレスモータ3aや回転位置センサ3hも上述したECU5に接続されており、ECU5によってEPSの動作が制御される。ステアリングギア3内部のDCブラシレスモータ3aやボールスクリュー機構及びECU5がパワーステアリング手段として機能している。
次に、上述した構成の操舵装置による、VGRSフェイル(故障)時のEPS制御の第一実施形態について説明する。図4に、本実施形態のEPS制御の概要を表す説明図を示す。図4に示されるEPSコントローラは上述したECU5である。EPS制御量(パワーステアリングアシスト量)は、図4に示されるように、通常は、基本アシスト制御によって決定される制御量(図4中400参照)とダンピング制御によって決定される制御量(図4中410参照)の和として決定される。そして、VGRSフェイル時には、VGRSが作動しない場合の操舵操作性の悪化を抑制するために、ダンピング制御によって決定される制御量に補正が施される。
まず、基本アシスト制御(図4中400参照)について説明する。ここでは、上述したトルクセンサ6の出力として操舵トルクを取得すると共に、車輪速センサ(図示しなかったが、通常の車輪速センサと同様)の出力から車速を取得し、これらから予め作成されたマップに従ってアシスト制御量が決定される。なお、ここでは、アシスト制御量は、DCブラシレスモータ3aの駆動によってアシストされるトルク[単位:Nm]として決定される。同一車速であれば、操舵トルクが大きいほどより多くのアシストが必要であると判断してより多くのアシスト制御量が設定される。また、同一制御トルクであれば、低車速であるほどより大きなアシスト制御量が設定される。言い換えれば、高車速時にはアシスト制御量を減らして高速安定性を向上させている。なお、図4中に示されるマップ(400,410)では、右方向の操舵トルクを正、右方向のアシスト制御量を正として示してある。また、マップ400とマップ410との縦軸のスケールは同一ではない。
そして、この基本アシスト制御分に加えて、操作フィーリングを向上させるためにダンピング制御によるアシスト制御量が算出されて利用される。ダンピング制御では、操舵角速度に応じてアシスト制御量が決定される。なお、二つのアシスト制御量については、傾向としては基本アシスト制御による制御量の方が支配的である。言い換えれば、基本アシスト制御によるアシスト制御量の大きさ(絶対値)の方が、ダンピング制御によるアシスト制御量の大きさ(絶対値)より大きい傾向がある。上述した操舵角センサ4の出力から操舵角速度[deg/s]を取得し、これらから予め作成されたマップに従ってアシスト制御量が決定される。操舵角速度の大きさ(絶対値)が大きいほど、即ち、より素早く操舵操作が行われた場合ほど、より確かな操舵感(手応え)が必要であると判断して、操舵方向とは逆方向により大きなアシスト制御量が設定される。
そして、通常時であれば、この二つのアシスト制御量が加算され、最終的に必要なアシスト制御量(トルク)がECU5内で算出され、このアシスト制御量(トルク)を得るために必要なDCブラシレスモータ3aへの電力量(指令電流値)が算出される。そして、この指令電流値に基づいてDCブラシレスモータ3aに通電が行われ、EPSによるアシストが行われる。本実施形態では、VGRSの故障を検出しており、故障していると判断される場合は、ダンピング制御のアシスト制御量を補正する(図4中420参照)。VGRSが故障しているか否かは、以下のように判定される。
まず、VGRS機構7のアクチュエータとなるDCブラシレスモータ7bに流れている電流をコントロールユニット5内部に設けられた電流検出手段により検出した際に、その検出値がある閾値以上となった場合、電流を流すためのワイヤーハーネスが地絡していると判断し、システムとして故障していると判断する。あるいは、VGRSシステムは、車両の各種情報(例えば操舵角情報)をCAN(Controller Area Network)通信によってコントロールユニット5に取り込んで制御に使用しているが、その通信に異常が発生した場合に、システム故障と判断し、ギア比を固定する。また、過熱防止のための処置として、VGRS機構7のDCブラシレスモータ7bの温度がある閾値以上になった場合には発熱によるDCブラシレスモータ7bの故障を防ぐために、ギア比を固定する(VGRSシステムの故障と判断して中止する)。即ち、各種検出センサやコントロールユニット5などが故障検出手段として機能している。VGRSが故障していると判断されたときはVGRSのギア比が固定され、車速に応じてダンピング制御のアシスト制御量のゲインを変更することでEPS制御で補正を行う。これについては追って詳述する。
上述したVGRSの故障時を含むEPS制御のフローチャートを図5に示す。以下、図5のフローチャートに従ってEPS制御について説明する。まず、トルクセンサ6によって操舵トルクを検出すると共に、車輪速センサの検出結果から車速を取得する(ステップ500)。次に、基本アシスト制御量(KaC)を演算する(図4中400のマップより取得する:ステップ505)。さらに、操舵角センサ4によって操舵角を取得し、これから操舵角速度を演算すると共に、車輪速センサの検出結果から車速を取得する(ステップ510)。なお、車速はステップ500で取得したものを利用してもよい。次に、ダンピングアシスト制御量(DC)を演算する(図4中410のマップより取得する:ステップ515)。
ステップ515の後、VGRS(ギア比可変システム)に異常が発生しているか否か、即ち、故障しているか否かを判定する(ステップ520)。ステップ520が否定され、VGRSが正常であると判断された場合は、上述したゲイン(VHG)を1に設定する(ステップ525)。即ち、ダンピングアシスト制御量(DC)は、ステップ515において算出されたものがそのまま用いられる。一方、ステップ520が肯定され、VGRSが故障していると判定された場合は、まず車速を読み込み(ステップ530)、車速に従って上述したゲイン(VHG)を設定する(図6のマップより取得する:ステップ535)。
VGRSが正常な場合、伝達比(ギア比)は図7に示されるような傾向で決定される。図7に示されるように、低車速時にはギア比を高くして車両取り回し(回頭)性を向上させ、高車速時にはギア比を低くして直進安定性を向上させている。VGRSの故障時には、上述したロック機構部7cによってギア比が予め決められた固定されてしまうため、この図7に示されるVGRSの効果を得られない。そこで、これと同等の効果をEPSによって実現するために、ダンピングアシスト制御量(DC)を補正する。
具体的には、図6に示されるように、ダンピングアシスト制御量(DC)のゲイン(VHG)を低車速時には小さく(1以下に)して、ダンピング制御によるアシスト効果を減らす。上述したように、ダンピングアシスト制御量(DC)は、操舵方向とは逆方向の成分として設定されるため、ゲイン(VHG)を1以下にすることは、最終的なアシスト量は増加することになり、操舵感を軽くすることになる。言い換えれば、低車速時にVGRSの故障によって操舵角に対する転舵角が減る分を、操舵アシスト量を増やすことで操舵しやすくして補償する。
また、図6に示されるように、ダンピングアシスト制御量(DC)のゲイン(VHG)を高車速時には大きく(1以上に)して、ダンピング制御によるアシスト効果を増やす。ダンピングアシスト制御量(DC)は操舵方向とは逆方向の成分として設定されるため、ここでは、ゲイン(VHG)を1以上にすることで、最終的なアシスト量をより減少させることになり、操舵感を重くすることになる。言い換えれば、高車速時にVGRSの故障によって操舵角に対する転舵角が増える分を、操舵アシスト量を減らすことで操舵しにくくして補償する。
なお、上述したように、VGRS故障時にはロック機構部7cによってVGRS機構7は所定のギア比に固定される。VGRS機構7が正常であるときにこのギア比に設定される車速をV0とすると、図6のマップにおいて車速V0の時のゲイン(VHG)が1とされている。このため、ここでは、VGRS故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも大きくなるとき(ここでは、高車速時)には、操舵角速度アシスト力(操舵方向とは逆方向に作用するアシスト力成分)の「大きさを増大」させる(正負を変えずに絶対値を大きくする)ように補正を行う。また、VGRS故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも小さくなるとき(ここでは、低車速時)には、操舵角速度アシスト力(操舵方向とは逆方向に作用するアシスト力成分)の「大きさを減少」させる(正負を変えずに絶対値を小さくする)ように補正を行う。
ステップ525又はステップ535の後、設定されたゲイン(VHG)を用いて、補正後のダンピング制御量(操舵角速度アシスト力)DVC=DC×VHGを求める(ステップ540)。そして、基本アシスト制御量(KaC)と補正後のダンピング制御量(DVC)との和から、モータ電流指令値MA=KaC+DVCを求める(ステップ545)。ステップ545の後、イグニッションスイッチがオフかどうかを判定し(ステップ550)、オフであればEPS制御を終え、オフでなければステップ500に戻ってEPS制御が続行される。
このように、基本アシスト制御量に加えて、上述した操舵角速度アシスト量(操舵方向とは逆方向の力となる)を用い、この操舵角速度アシスト量の大きさ(絶対値)を、操舵角速度が小さいときより大きいときにより大きく設定することで、より自然な操舵フィールを実現する。そして、VGRSの故障を検出したときには、上述した操舵角速度アシスト力を車速に応じてさらに補正することで、より自然な操舵フィールを実現しつつ、VGRSの故障による操作性悪化分をパワーステアリング制御で補うことができる。ここで、操舵角速度アシスト力は、操舵角速度に応じて設定されるため(故障時にはさらに車速もパラメータとなる)、VGRS故障時であっても保舵時(操舵角速度=0)などには作用せず、操作感を悪化させるようなことはない。
次に、VGRSフェイル(故障)時のEPS制御の第二実施形態について説明する。操舵装置の構成は上述したものと変わらない。図8に、本実施形態のEPS制御の概要を表す説明図を示す。図8に示されるEPSコントローラは上述したECU5である。本実施形態のEPS制御量(パワーステアリングアシスト量)は、図8に示されるように、通常は、基本アシスト制御によって決定される制御量(図8中800参照)とトルク微分制御によって決定される制御量(図8中810参照)の和として決定される。そして、VGRSフェイル時には、VGRSが作動しない場合の操舵操作性の悪化を抑制するために、トルク微分制御によって決定される制御量に補正が施される。
第二実施形態では、アシスト力成分として第一実施形態における操舵角速度アシスト力に代えて、トルク微分制御による時間微分値アシスト力を用いる。操舵角速度アシスト力が操舵方向とは逆方向の力として設定されるのに対して、時間微分値アシスト力は操舵方向と同方向に作用するアシスト力成分として設定される。基本アシスト制御(図8中800参照)については、上述した第一実施形態のものと同様であるため、詳しい説明を省略する。なお、図8中に示されるマップ(800,810)でも、上述した第一実施形態の場合と同様に、右方向の操舵トルクを正、右方向のアシスト制御量を正として示してある。また、マップ800とマップ810との縦軸のスケールは同一ではない。
基本アシスト制御分に加えて、操作フィーリングを向上させるためにトルク微分制御によるアシスト制御量が算出されて利用される。トルク微分制御では、操舵トルクの時間微分値に応じてアシスト制御量が決定される。なお、二つのアシスト制御量については、傾向としては基本アシスト制御による制御量の方が支配的である。言い換えれば、基本アシスト制御によるアシスト制御量の大きさ(絶対値)の方が、トルク微分制御によるアシスト制御量の大きさ(絶対値)より大きい傾向がある。上述したトルクセンサ6の出力から取得した操舵トルクをECU5内で時間微分し、この操舵トルクの時間微分値(以下単にトルク微分値と言う)[Nm/s]から予め作成されたマップに従ってアシスト制御量が決定される。トルク微分値が大きいほど、即ち、操舵トルクの変化がより急峻である場合ほど、より素早い操舵が必要とされていると判断して、操舵方向により大きなアシスト制御量が設定される。
そして、通常時であれば、この二つのアシスト制御量が加算され、最終的に必要なアシスト制御量(トルク)がECU5内で算出され、このアシスト制御量(トルク)を得るために必要なDCブラシレスモータ3aへの電力量(指令電流値)が算出される。そして、この指令電流値に基づいてDCブラシレスモータ3aに通電が行われ、EPSによるアシストが行われる。本実施形態でも、VGRSの故障を検出しており、故障していると判断される場合は、ダンピング制御のアシスト制御量を補正する(図8中820参照)。VGRSが故障しているか否かの検出については上述した第一実施形態と同様である。VGRSが故障していると判断されたときは、車速に応じてトルク微分制御のアシスト制御量のゲインを変更することで補正を行う。これについては追って詳述する。
上述したVGRSの故障時を含むEPS制御のフローチャートを図9に示す。以下、図9のフローチャートに従ってEPS制御について説明する。図9のステップ900及び905は、図5のステップ500及び505と同一であるため説明を省略する。ステップ910では、トルクセンサ6から操舵トルクを検出し、これから操舵トルクの微分値を演算すると共に、車輪速センサの検出結果から車速を取得する(ステップ910)。なお、車速はステップ900で取得したものを利用してもよい。次に、トルク微分アシスト制御量(時間微分値アシスト力:DTC)を演算する(図8中810のマップより取得する:ステップ915)。
ステップ915の後、VGRS(ギア比可変システム)に異常が発生しているか否か、即ち、故障しているか否かを判定し(ステップ920)、VGRSが正常であると判断された場合はゲイン(VHG)を1に設定し(ステップ925)、VGRSが故障していると判定された場合は、まず車速を読み込み(ステップ930)、車速に従って上述したゲイン(VHG)を設定する(図10のマップより取得する:ステップ935)。
VGRSの故障時には、上述したロック機構部7cによってギア比が予め決められた固定されてしまうためVGRSの効果を得られない。そこで、これと同等の効果をEPSによって実現するために、トルク微分アシスト制御量(DTC)を補正する。具体的には、図10に示されるように、トルク微分アシスト制御量(DTC)のゲイン(VHG)を低車速時には大きく(1以上に)して、トルク微分制御によるアシスト効果を増やす。上述したように、トルク微分アシスト制御量(DTC)は、操舵方向と同方向の成分として設定されるため、ゲイン(VHG)を1以上にすることは、最終的なアシスト量は増加することになり、操舵感を軽くすることになる。言い換えれば、低車速時にVGRSの故障によって操舵角に対する転舵角が減る分を、操舵アシスト量を増やすことで操舵しやすくして補償する。
また、図10に示されるように、トルク微分アシスト制御量(DTC)のゲイン(VHG)を高車速時には小さく(1以下に)して、トルク微分制御によるアシスト効果を減らす。トルク微分アシスト制御量(DTC)は操舵方向と同方向の成分として設定されるため、ここでは、ゲイン(VHG)を1以下にすることで、最終的なアシスト量をより減少させることになり、操舵感を重くすることになる。言い換えれば、高車速時にVGRSの故障によって操舵角に対する転舵角が増える分を、操舵アシスト量を減らすことで操舵しにくくして補償する。
なお、上述したように、VGRS故障時にはロック機構部7cによってVGRS機構7は所定のギア比に固定される。VGRS機構7が正常であるときにこのギア比に設定される車速をV0とすると、図10のマップにおいて車速V0の時のゲイン(VHG)が1とされている。このため、ここでは、VGRS故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも大きくなるとき(ここでは、高車速時)には、時間微分値アシスト力(操舵方向と同方向の力)を減少させるように補正を行う。また、VGRS故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも小さくなるとき(ここでは、低車速時)には、時間微分値アシスト力(操舵方向と同方向の力)を増大させるように補正を行う。
ステップ925又はステップ935の後、設定されたゲイン(VHG)を用いて、補正後のトルク微分制御量(時間微分値アシスト力)DTVC=DTC×VHGを求める(ステップ940)。そして、基本アシスト制御量(KaC)と補正後のトルク微分制御量(DTVC)との和から、モータ電流指令値MA=KaC+DTVCを求める(ステップ945)。ステップ945の後、イグニッションスイッチがオフかどうかを判定し(ステップ950)、オフであればEPS制御を終え、オフでなければステップ900に戻ってEPS制御が続行される。
このように、基本アシスト制御量に加えて、上述したトルク微分アシスト量を用い、このトルク微分アシスト量を、トルク微分値が小さいときより大きいときにより大きく設定することで、より自然な操舵フィールを実現する。そして、VGRSの故障を検出したときには、上述した時間微分値アシスト力を車速に応じてさらに補正することで、より自然な操舵フィールを実現しつつ、VGRSの故障による操作性悪化分をパワーステアリング制御で補うことができる。ここで、時間微分値アシスト力は、トルク微分値に応じて設定されるため(故障時にはさらに車速もパラメータとなる)、VGRS故障時であっても保舵時(操舵トルクに変化がないのでトルク微分値=0)などには作用せず、操作感を悪化させるようなことはない。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、電動式パワーステアリング(EPS)がラック式のものであったが、その他の形式のEPS(例えば、コラム式EPSやピニオン式EPSなど)であってもよい。また、上述した実施形態における基本アシスト制御量は操舵トルクと車速とから決定されたが、何れか一方のみに基づいて決定されてもよい。
本発明の車両用操舵装置の一実施形態の構成を示す斜視図である。 VGRS(伝達比可変機構)の一部断面斜視図である。 EPS(電動式パワーステアリング機構)の断面図である。 第一実施形態のEPS制御を説明する説明図である。 第一実施形態のEPS制御のフローチャートである。 第一実施形態のEPS制御で用いるダンピングアシスト制御量補正用ゲインのマップである。 VGRSのギア比(伝達比)のマップである。 第二実施形態のEPS制御を説明する説明図である。 第二実施形態のEPS制御のフローチャートである。 第二実施形態のEPS制御で用いるトルク微分アシスト制御量補正用ゲインのマップである。
符号の説明
1…ステアリングホイール(操舵ハンドル)、2…ステアリングコラム、3…ステアリングギア、3a…ブラシレスモータ(パワーステアリング手段)、4…操舵角センサ(操舵角速度検出手段)、5…ECU(パワーステアリング手段,伝達比可変手段)、6…トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、7…VGRS機構(伝達比可変手段)。

Claims (4)

  1. 操舵ハンドルの操舵に応じて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置において、
    前記操舵ハンドルの操舵角に対する前記転舵輪の転舵角の伝達比を車速に応じて変化させる伝達比可変手段と、
    前記操舵ハンドルから前記転舵輪までの間に配設したアクチュエータを用いて前記操舵ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング手段と、
    前記伝達比可変手段の故障を検出する故障検出手段と、
    前記操舵ハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段とを備えており、
    前記パワーステアリング手段は、前記操舵角速度検出手段によって検出された操舵角速度が小さいときより大きいときにより大きく設定される操舵方向とは反対方向に作用するアシスト力成分を含むアシスト力によって前記操舵ハンドルの操舵をアシストし、
    前記故障検出手段が前記伝達比可変手段の故障を検出したときには、前記パワーステアリング手段は、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも大きくなったときには前記アシスト力成分の大きさを増大させるように、前記アシスト力成分を車速に応じてさらに補正することを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 操舵ハンドルの操舵に応じて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置において、
    前記操舵ハンドルの操舵角に対する前記転舵輪の転舵角の伝達比を車速に応じて変化させる伝達比可変手段と、
    前記操舵ハンドルから前記転舵輪までの間に配設したアクチュエータを用いて前記操舵ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング手段と、
    前記伝達比可変手段の故障を検出する故障検出手段と、
    前記操舵ハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段とを備えており、
    前記パワーステアリング手段は、前記操舵角速度検出手段によって検出された操舵角速度が小さいときより大きいときにより大きく設定される操舵方向とは反対方向に作用するアシスト力成分を含むアシスト力によって前記操舵ハンドルの操舵をアシストし、
    前記故障検出手段が前記伝達比可変手段の故障を検出したときには、前記パワーステアリング手段は、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも小さくなったときには前記アシスト力成分の大きさを減少させるように、前記アシスト力成分を車速に応じてさらに補正することを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 操舵ハンドルの操舵に応じて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置において、
    前記操舵ハンドルの操舵角に対する前記転舵輪の転舵角の伝達比を車速に応じて変化させる伝達比可変手段と、
    前記操舵ハンドルから前記転舵輪までの間に配設したアクチュエータを用いて前記操舵ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング手段と、
    前記伝達比可変手段の故障を検出する故障検出手段と、
    前記操舵ハンドルの操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルクの時間微分値を算出する時間微分値算出手段とを備えており、
    前記パワーステアリング手段は、前記時間微分値算出手段によって算出された操舵トルクの微分値が大きいほど大きく設定されるアシスト力成分を含むアシスト力によって前記操舵ハンドルの操舵をアシストし、
    前記故障検出手段が前記伝達比可変手段の故障を検出したときには、前記パワーステアリング手段は、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも大きくなったときには前記アシスト力成分を減少させるように、前記アシスト力成分を車速に応じてさらに補正することを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 操舵ハンドルの操舵に応じて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置において、
    前記操舵ハンドルの操舵角に対する前記転舵輪の転舵角の伝達比を車速に応じて変化させる伝達比可変手段と、
    前記操舵ハンドルから前記転舵輪までの間に配設したアクチュエータを用いて前記操舵ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング手段と、
    前記伝達比可変手段の故障を検出する故障検出手段と、
    前記操舵ハンドルの操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルクの時間微分値を算出する時間微分値算出手段とを備えており、
    前記パワーステアリング手段は、前記時間微分値算出手段によって算出された操舵トルクの微分値が大きいほど大きく設定されるアシスト力成分を含むアシスト力によって前記操舵ハンドルの操舵をアシストし、
    前記故障検出手段が前記伝達比可変手段の故障を検出したときには、前記パワーステアリング手段は、故障時の伝達比が非故障時の場合の伝達比よりも小さくなったときには前記アシスト力成分を増大させるように、前記アシスト力成分を車速に応じてさらに補正することを特徴とする車両用操舵装置。

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