JP4506354B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵に要する力(トルク)を、パワーシリンダで発生される操舵補助力によりアシスト(操舵補助)するパワーステアリング装置に関するものである。
従来、油圧或いは電動機等の手段によって、ドライバの操舵に要する力を補助するようにしたパワーステアリング装置が提案されており、このパワーステアリング装置は、ドライバの操舵力をアシストすることで操舵性を高める機能を有している。
油圧式のパワーステアリング装置においては、油圧回路を閉回路で構成することにより、閉回路部がダンパの役目を果たすことになって、キックバックやシミー等が発生する振動入力に対しても有効である(例えば、特許文献1)。
特開平14−145087号公報
しかしながら、前述のような、閉回路を構成するようにした油圧式のパワーステアリング装置において、シミーやジャダーが発生する振動入力を抑制する要素は、閉回路が持つフリクションや慣性等のみになり、振動入力の抑制力が小さくなる。また、部品のバラツキなどによって抑制可能な振動周波数がシステム構造要素によって異なるという問題がある。
そこで、この発明は上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、振動入力を的確に低減することの可能なパワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るパワーステアリング装置は、パワーシリンダにより作動流体圧が操舵補助力として操舵系に供給されて、操舵補助が行われる。前記流体圧回路は、二つの圧力室にそれぞれ連通される連通路とパワーステアリング装置の異常が検出されたとき前記連通路間をバイパスするバイパス手段とを備えており、前記連通路の少なくとも何れか一方に流量調整弁が配設され、外乱検出手段での検出結果に応じて調整手段によって前記流量調整弁の開度が調整される。
ここで、路面等から転舵輪に作用する外乱は、パワーシリンダを介して操舵系に伝達されることがあるが、外乱検出手段で外乱が検出されたときには流量調整弁を絞ることにより、外乱による作動流体圧の変動が抑制されるから、操舵系に伝達される外乱が抑制されることになる。
本発明に係るパワーステアリング装置は、流体圧回路のパワーシリンダと連通する連通路に流量調整弁を介挿し、この流量調整弁を外乱検出手段での検出結果に応じて調整するようにしたから、路面等から転舵輪へ作用する外乱が、パワーシリンダを介して操舵系に伝達することを抑制することができ、操舵系に外乱が伝わることに起因してドライバに違和感を与えることを回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明におけるパワーステアリング装置の一例を示す概略構成図である。
図中、1は、ステアリングホイールであって、ステアリングホイール1はステアリングシャフト2の上端部に連結され、当該ステアリングシャフト2は下方に延びている。このステアリングシャフト2の下端部は、トルク検出機構を介してピニオンシャフト3に連結されている。ピニオンシャフト3の下端部、つまりピニオンは、車両幅方向に配設されたラック4に噛合し、該ラック4とピニオンシャフト3によってステアリングギアを構成している。従って、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2回りの回転運動は、ラック4の直進運動(並進運動)に変換される。
そして、水平に延在するラック4の両端部は、それぞれ図示しないタイロッドを介して転舵輪に接続し、当該ラック4が水平方向に移動(並進運動)することで左右の転舵輪が転舵するようになっている。
また、前記ラック4には、パワーシリンダ5が連係され、このパワーシリンダ5に形成された左右の圧力室5a、5bへの制動流体圧を油圧回路6により制御するようになっている。
前記油圧回路6は、アクチュエータユニットとして一つのユニットに組み込まれて形成され、図1に示すように、モータ51により駆動されるギヤポンプ52を備えており、このギヤポンプ52は、モータ51の正逆回転の切り替えにより正逆回転駆動され、正回転時及び逆回転時にそれぞれ一方が吐出側となり他方が吸入側となる一対の吐出口52a、52bを備えている。そして、この吐出口52a、52bがそれぞれ吐出側連通路53a、53bを介してパワーシリンダ5に形成された左右の圧力室5a、5bに接続されている。
また、各吐出側連通路53a、53bは、それぞれ油補給路54a、54bを介してそれぞれリザーバタンク55a、55bに接続され、これら油補給路54a、54bには、リザーバタンク55a、55bから吐出側連通路53a、53b方向への油の補給のみを可能とする状態で逆止弁56a、56bが介挿されている。
また、吐出側連通路53a、53bにはそれぞれ可変絞り弁57a、57bが介挿されている。そして、この可変絞り弁57a、57bの下流側、つまり、パワーシリンダ5側で、吐出側連通路53a、53bの相互間がバイパス路58により接続され、このバイパス路58の途中には、このバイパス路58を開閉するフェールセーフバルブ59が介挿されている。
さらに、前記吐出側連通路53a、53bの、前記可変絞り弁57a、57bの上流側はリリーフ弁60に接続され、リリーフ弁60及び吐出側連通路53a、53bの間にはリリーフ弁60方向への流入のみを可能とする状態で逆止弁61a、61bが介挿されている。
そして、モータ51を正回転又は逆回転させることによりギヤポンプ52の一対の吐出口52a、52bのうち、一方が吐出側、他方が吸入側となり、一方の吐出側連通路53a、53bの流体圧のみが加圧されて圧力室5a又は5bに作用する流体圧が増加し、これによって、ラック4を何れか一方向へ並進運動させることにより、操舵補助力を発生するようになっている。
また、操舵補助を行わないときには前記フェールセーフバルブ59を開状態にし、パワーシリンダ5の圧力室5a、5b間を連通させることにより、操舵補助力の発生を中止し、操舵補助力を発生させる必要のない程度のステアリングホイール1の操舵操作に対して操舵補助力が作用したり、或いは操舵に伴うステアリングホイール1の回転を妨げる方向にパワーシリンダ5の出力が作用したりすることを回避するようになっている。
また、前記トルク検出機構は、ステアリングシャフト2の下端部とピニオンシャフト3の上端部を連結する図示されないトーションバーと、その外周に配置された操舵反力トルクセンサ8とから構成されている。この操舵反力トルクセンサ8は、前記トーションバーの捩じれ量から操舵反力トルクを検出し、当該操舵反力トルクの大きさに応じたトルク検出信号Tを、コントロールユニット10に供給する。
また、車両には、図2に示すように、走行速度センサ11が搭載されていて、この走行速度センサ11によって自車両の走行速度が検出され、当該走行速度の大きさに応じた走行速度検出値が、コントロールユニット10に供給される。また、前記ステアリングホイール1には、その操舵角を検出する操舵角センサ12が設けられており、その検出値もコントロールユニット10に供給される。また、この車両には、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサ13、車両に発生する横加速度を検出する横加速度センサ14、車両に発生するヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ15が設けられており、それぞれの検出値もコントロールユニット10に供給される。そして、コントロールユニット10は、各種センサの検出信号に基づいて、前記モータ51及び前記フェールセーフバルブ59を制御して操舵補助力を発生させると共に、前記可変絞り弁57a、57bの絞り量を調整するようになっている。
図2は、コントロールユニット10の機能構成を示すブロック図である。
各種センサの検出信号は操舵補助制御部21に入力され、この操舵補助制御部21では、公知の手順で操舵補助力の発生の必要性の有無や、発生すべき操舵補助力量等の算出を行い、これらに応じてバルブ制御部22がフェールセーフバルブ59を開閉制御する。つまり、操舵補助力を発生させるときにはフェールセーフバルブ59を閉状態に制御し、操舵補助力を発生させないときにはフェールセーフバルブ59を開状態に制御する。また、操舵補助制御部21は、パワーステアリング装置の作動状態の監視を行う異常監視処理部25での監視結果が正常なときにのみ操舵補助力を発生させ、異常を検出したときには操舵補助力を発生させない。
また、モータ制御部23は、前記操舵補助制御部21で算出された操舵補助力を発生し得る流体圧を発生するようモータ51を駆動制御する。
また、操舵反力トルクセンサ8からのトルク検出信号Tは高周波成分を検知するためのバンドパスフィルタ26を介して振動入力検知部27に入力される。前記バンドパスフィルタ26はシミーやジャダーに相当する、10〜20〔Hz〕程度の高周波成分を通過可能なハイパスフィルタで構成される。そして、前記振動入力検知部27では、このフィルタ処理後のトルク検出信号T′に基づいてシミーやジャダーが発生する転舵輪からの振動入力の有無を検知する。つまり、トルク検出信号Tに、シミーやジャダーを発生させる高周波成分が含まれる場合には、振動入力があると判断する。
この振動入力検知部27での振動入力の検知結果は、バルブ制御部28に入力され、このバルブ制御部28では、振動入力が有る場合には、前記可変絞り弁57a、57bの開度を絞ることにより油圧回路6内の流体圧の脈圧変化を抑制する。逆に振動入力が無い場合には、可変絞り弁57a、57bを開状態に制御する。
次に、上記第1の実施の形態の動作を、図3に示す、振動入力に応じて前記可変絞り弁57a、57bを制御する振動入力抑制処理の処理手順を示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この振動入力抑制処理は、予め設定された所定周期の割込処理で実行される。
今、自車両が直進走行しており操舵が行われていないものとすると、この状態では操舵反力トルクセンサ8で検出されるトルク検出信号Tは略零であって、操舵補助力を発生させる必要はないから、モータ51は駆動されない。したがって、パワーシリンダ5による操舵補助力も発生されない。
この状態から、ドライバが操舵操作を行うと、トーションバーの捩れ量に応じたトルク検出信号Tが検出され、このトルク検出信号Tに応じてモータ51が回転駆動されると共に、フェールセーフバルブ59が閉状態に制御され、これによって、パワーシリンダ5の何れか一方の圧力室5a、又は5bに作用する作動流体圧が増圧され、トルク検出信号Tに応じた操舵補助力が発生される。
このとき、振動入力抑制処理では、図3に示すように、操舵反力トルクセンサ8のトルク検出信号Tを読み込むと、ステップS1からステップS2に移行し、このトルク検出信号Tに対してハイパスフィルタ処理を行う。
ここで、シミーやジャダー等が発生するような場合には、高周波成分が操舵反力トルクセンサ8で検出されるトルク検出信号Tに含まれることになるため、ハイパスフィルタ処理後のトルク検出信号T′に高周波成分が現れることになり、シミーやジャダー等を発生させる振動入力があるとみなすことができる(ステップS3)。
したがって、振動入力があり、可変絞り弁57a、57bを閉方向に制御する必要があることからステップS4からステップS5に移行し、可変絞り弁57a、57bの絞り量を決定する。この絞り量は、例えば、フィルタ処理後のトルク検出信号T′の変動の大きさに基づいて決定し、例えば、変動が大きいときほど振動入力が大きいと判断して絞り量を大きくする。
そして、このようにして決定した絞り量を達成するよう可変絞り弁57a、57bの開度を閉方向に制御する(ステップS6)。そして振動入力抑制処理を終了する。
これによって、図1において、可変絞り弁57a、57bの開度が閉方向に絞られることになるため、転舵輪から振動入力があったとしても、可変絞り弁57a、57bを絞ることによって油圧回路6内の脈圧変化が抑制されることになる。
したがって、転舵輪からの振動入力がステアリングシャフト2を介してステアリングホイール1に伝達されることを回避することができ、シミーやジャダーが発生する振動入力があった場合、これがステアリングホイール1に伝達されることを回避することができる。よって、結果的にシミーやジャダー等が生じることを回避し、シミーやジャダー等が発生することによってドライバに違和感を与えることを回避することができる。
そして、このように、シミーやジャダー等の振動入力を検知している状態から、シミーやジャダーが検知されない状態となったときには、フィルタ処理後のトルク検出信号T′に高周波成分が含まれないから、振動入力はないと判定される。
振動入力がない場合には、可変絞り弁57a、57bの開度を絞る必要はないからステップS4からステップS7に移行し、可変絞り弁57a、57bの開度を開状態に制御する。したがって、不必要に可変絞り弁57a、57bの開度が絞られることはなく、この可変絞り弁57a、57bの開度が閉方向に制御されることに起因して、操舵補助力発生時にパワーシリンダ5に作用する作動流体圧の応答性が低下し、これによって、操舵補助力の発生時にその応答性が低下することを回避することができる。
また、このとき、シミーやジャダー等を発生させる振動入力を、操舵反力トルクセンサ8によって検出するようにしており、既にパワーステアリング装置に搭載された既存のセンサを用いている。したがって、振動入力の検知のためのセンサを新たに設ける必要はなく、可変絞り弁57a、57bを設けるだけで実現することができるから、パワーステアリング装置の大幅な変更を伴うことなく、容易に実現することができる。
また、このとき、可変絞り弁57a、57bを、パワーシリンダ5の左右の圧力室5a、5bとギヤポンプ52の吐出口52a、52bとを連通する吐出側連通路53a及び53bのそれぞれに設けているから、右操舵或いは左操舵の何れかが行われた場合であっても、路面からの振動入力による脈圧変動の影響が最も大きい、圧力室5a、5bに連通する吐出側連通路53a、53bでの脈圧変動を抑制することができ、振動入力がステアリングホイール1に伝達されることを効果的且つ確実に抑制することができる。
また、前記可変絞り弁57a、57bを、前記フェールセーフバルブ59の上流側、ギヤポンプ52側に設けているから、前記可変絞り弁57a、57bを、前記油圧回路6からなるアクチュエータユニットに組み込むことができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、前記可変絞り弁57a、57bを、吐出側連通路53a、53bのフェールセーフバルブ59の上流側に設けた場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、前記吐出側連通路53a、53bの何れかの位置に介挿するようにしてもよい。例えば、図4に示すように、フェールセーフバルブ59の下流側の、吐出側連通路53a、53bに設けてもよく、この場合、油圧回路として一体に形成されたアクチュエータユニットの外に設けるようにしてもよい。このように、可変絞り弁57aや57bを、前記アクチュエータユニットとして一体に形成したり或いはこれとは別に形成したりすることによって、車両に搭載する際に、その周辺部品の配置等に応じて臨機応変に対応することができる。
また、上記実施の形態においては、可変絞り弁57a、57bを、吐出側連通路53a、53bのそれぞれに設けた場合について説明したが、必ずしも吐出側連通路53a、53bのそれぞれに設ける必要はない。前記吐出側連通路53a又は53bの何れかに、1つ設けるようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、コントロールユニット10の機能構成が異なること以外は同様であるので同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図5は、第2の実施の形態における、コントロールユニット10の機能構成を示すブロック図である。この第2の実施の形態では、さらに、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ16と、エンジン駆動力を検出する駆動力検出手段17とを備えている。
そして、この第2の実施の形態におけるコントロールユニット10は、図5に示すように、上記第1の実施の形態と同様に、各種センサの検出信号に基づいて操舵補助力を発生させる操舵補助制御部21、バルブ制御部22及びモータ制御部23、また、異常監視処理部25を備えている。また、走行速度センサ11、アクセル開度センサ17及び駆動力検出手段17の検出信号に基づいてトルクステアが生じるかどうかを推測するトルクステア検知部31と、このトルクステア検知部30でトルクステアが生じると推測されるとき、可変絞り弁57a、57bの開度を絞り方向に制御するバルブ制御部32とを備えている。
次に、上記第2の実施の形態の動作を、図6に示す、トルクステアに応じて前記可変絞り弁57a、57bを制御するトルクステア抑制処理の処理手順を示すフローチャートに基づいて説明する。なお、このトルクステア抑制処理は、予め設定された所定周期の割込処理で実行される。
今、自車両が停車しており、操舵が行われていないものとすると、この状態では操舵反力トルクセンサ8で検出されるトルク検出信号Tは略零であって、操舵補助力を発生させる必要はないから、モータ51は駆動されず、パワーシリンダ5による操舵補助力も発生されない。そして、自車両が発進し、ドライバが操舵を行い、これに伴いトルク検出信号Tが増加すると、このトルク検出信号Tに応じた操舵補助力を発生するようモータ51が作動され、パワーシリンダ5によりトルク検出信号Tに応じた操舵補助力が発生されることになる。
このとき、図6のトルクステア抑制処理では、ステップS11からステップS12に移行し、走行速度センサ11、アクセル開度センサ16及び駆動力検出手段17からの検出信号に基づいて、トルクステアの発生の有無またその大きさを推定する。
ここで、トルクステアは、アクセル開度センサ16で検出されるアクセル開度がしきい値(例えば60%程度)よりも小さいとき、或いは走行速度センサ11で検出される走行速度がしきい値(例えば、10km/h程度)よりも小さいときには、トルクステアが生じる可能性はほとんど少ないとみなすことができる。また、駆動力が大きいときほど大きなトルクステアが生じると予測することができる。したがって、トルクステアが発生するときの、アクセル開度や走行速度条件、また、駆動力とトルクステアの大きさとの関係を、予め実験等によって求めておき、各種センサで検出した現時点におけるアクセル開度及び走行速度に基づいてトルクステアの発生の有無を判定し、さらに、現時点における駆動力に対応するトルクステアを特定するようにすればよい。
このとき、例えば、ドライバが大きくアクセルペダルを踏込み発進した場合であって、推定したトルクステアが、例えば予め設定したしきい値よりも大きくトルクステアの抑制を図る必要があると判断されるときには、ステップS13からステップS14に移行し、推定したトルクステアの大きさに応じて可変絞り弁57a、57bの絞り量を決定する。例えば、トルクステアが大きいときほど絞り量を大きくし、トルクステアによる脈圧をより抑制するようにする。
そして、ステップS14で設定した絞り量相当だけ、可変絞り弁57a、57bの開度を絞り方向に制御する(ステップS15)。そしてトルクステア抑制処理を終了する。
これによって、図1において、可変絞り弁57a、57bの開度が閉方向に絞られることになるため、発進時にトルクステアが発生しこれが転舵輪から入力される状況となったとしても、可変絞り弁57a、57bを絞ることによって油圧回路6内の流体圧変動が抑制されることになるから、転舵輪からのトルクステア入力がステアリングシャフト2を介してステアリングホイール1に伝達されることを回避することができる。したがって、トルクステアが入力される状況において、これがステアリングホイール1に伝達されることを回避することができ、トルクステアが作用することによってドライバに違和感を与えることを回避することができる。
一方、前述のように、トルクステアが発生していると予測されている状態からアクセルペダルの踏込み量が解除されたり、或いは、トルクステアが生じないと予測される状態となると、可変絞り弁57a、57bを絞る必要はないからステップS13からステップS16に移行し、可変絞り弁57a、57bの開度を開状態に制御する。したがって、不必要に可変絞り弁57a、57bの開度が絞り方向に制御されることを回避することができる。
したがって、この第2の実施の形態においてはトルクステアに対し、上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、上述のように、トルクステアに対する抑制処理を行う第2の実施の形態と、シミーやジャダー等を発生させる振動入力に対する抑制処理を行う上記第1の実施の形態とを組み合わせ、トルクステアだけでなく、振動入力も抑制するようにすることも可能である。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、上記第2の実施の形態において、コントロールユニット10でのトルクステア抑制処理の処理手順が異なること以外は、上記第2の実施の形態と同様であるので、同一部分の詳細な説明は省略する。
図7は、第3の実施の形態におけるトルクステア抑制処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS21で、前記異常監視処理部25での監視処理において異常が検出されたかどうかを判断する。そして、異常が検出されていない場合には、ステップS22に移行し、前記図6に示す第2の実施の形態におけるトルクステア抑制処理のフローチャートにしたがって、トルクステアの抑制制御を行い、必要に応じて可変絞り弁57a、57bを絞り方向に制御してトルクステアの抑制を図る。一方、異常監視処理部25での監視処理において異常が検出されたときには、ステップS21からステップS23に移行し、可変絞り弁57a、57bを開状態に制御する。
ここで、異常が検出されたときには、操舵補助制御処理では、前述のように操舵補助力の発生を中止するようフェールセーフバルブ59を開状態に制御し、また、モータ51の作動を停止してパワーシリンダ5に作用する作動流体圧が低下するように制御する。
このとき、トルクステア抑制処理では、可変絞り弁57a、57bを開状態に制御するようにしているから、これら可変絞り弁57a、57bが、作動流体圧のリザーバ側への戻りを妨げる方向に作用することを回避することができ、操舵補助力の発生を速やかに終了させることができる。また、異常検出時には、可変絞り弁57a、57bは、開状態に制御され、可変絞り弁57a、57bが設けられていない場合と同等の回路構成となるから、異常検出時における処理手順を何ら変更する必要はなく、これまでと同等の処理手順で異常検出時の処理を行うことができる。
なお、上記第3の実施の形態においては、第2の実施の形態に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、上記第1の実施の形態に適用することも可能である。つまり、振動入力抑制処理を実行している場合に異常が検出されたときには、可変絞り弁57a、57bを開状態に制御することによって、この場合もパワーシリンダ5により発生される操舵補助力を速やかに低減させることができる。
なお、上記各実施の形態においては、シミーやジャダー、或いは、トルクステアがステアリングホイール1を介してドライバに伝達されることを回避するようにした場合について説明したがこれに限るものではなく、任意の外乱に対して対応するよう構成することが可能であって、例えば、キックバックに相当する振動の周波数成分を抽出するようにしこれに基づいてキックバックがドライバに与える違和感を回避するようにすることも可能である。
また、上記各実施の形態においては、操舵補助力を発生させているときにも、シミーやジャダーを発生させるような振動入力やトルクステア入力を検出したときには可変絞り弁57a、57bの開度を絞るようにした場合について説明したが、操舵補助力を発生させているとき、つまり、ステアリングホイール1を操舵しているときには、操舵補助力の発生を優先して可変絞り弁57a、57bを開状態に制御し、操舵補助力の速やかな応答性を確保するようにしてもよい。
ここで、上記各実施の形態において、油圧回路6が流体圧回路に対応し、可変絞り弁57a、57bが流量調整弁に対応し、フェールセーフバルブ59がバイパス手段に対応している。また、図2又は図5の異常監視処理部25が監視手段に対応している。
また、第1の実施の形態において、図3のステップS1からステップS3の処理が外乱検出手段に対応し、ステップS2の処理がフィルタ処理手段に対応し、ステップS4からステップS7の処理が調整手段に対応し、操舵反力トルクセンサ8がトルク検出手段に対応している。
また、第2の実施の形態において、図6のステップS11及びステップS12の処理が外乱検出手段に対応し、ステップS13からステップS16の処理が調整手段に対応している。
本発明を適用したパワーステアリング装置の一例を示す概略構成図である。 図1のコントロールユニットの機能構成を示すブロック図である。 振動入力抑制処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 パワーステアリング装置のその他の例を示す概略構成図である。 第2の実施の形態におけるコントロールユニットの機能構成を示すブロック図である。 トルクステア抑制処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第3の実施の形態におけるコントロールユニットの処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
3 ピニオンシャフト
4 ラック
5 パワーシリンダ
5a、5b 圧力室
6 油圧回路
8 操舵反力トルクセンサ
10 コントロールユニット
11 走行速度センサ
12 操舵角センサ
13 エンジン回転速度センサ
14 横加速度センサ
15 ヨーレイトセンサ
16 アクセル開度センサ
17 駆動力検出手段
51 モータ
52 ギヤポンプ
53a、53b 吐出側連通路
57a 57b 可変絞り弁
59 フェールセーフバルブ

Claims (8)

  1. 二つの圧力室を有し当該圧力室の何れか一方に作動流体圧を作用させることにより操舵方向への操舵補助力を操舵系に供給するパワーシリンダと、
    当該パワーシリンダに前記作動流体圧を供給する流体圧回路と、を有し、
    前記流体圧回路は、
    前記二つの圧力室にそれぞれ連通される連通路と、
    パワーステアリング装置の動作状態を監視する監視手段で異常を検出したとき前記連通路間をバイパスするバイパス手段と、を備えたパワーステアリング装置において、
    前記流体圧回路の前記連通路の少なくとも何れか一方に介挿される流量調整弁と、
    転舵輪に作用する外乱を検出する外乱検出手段と、
    当該外乱検出手段での検出結果に応じて前記流量調整弁の開度を調整する調整手段と、を備えることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記調整手段は、前記外乱検出手段で前記外乱を検出したときには、前記流量調整弁の開度を絞るようになっていることを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
  3. 記調整手段は、前記監視手段で異常を検出したときには、前記流量調整弁を開状態に制御するようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパワーステアリング装置。
  4. 操舵系に入力されるトルクを検出し当該トルクの大きさに応じた検出信号を出力するトルク検出手段を備え、
    前記外乱検出手段は、前記トルク検出手段で検出されるトルク検出信号に基づき、予め設定した周波数域の振動入力を検出するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  5. 前記外乱検出手段は、トルクステアを検出するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  6. 記流量調整弁は、前記流体圧回路の前記連通路のそれぞれに介挿されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  7. 記流量調整弁は、前記バイパス手段の上流側に設けられ、前記流体圧回路と共に一つのユニットに組み込まれていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  8. 前記流体圧回路はユニットに組み込まれて形成され、
    前記流量調整弁は、前記ユニットと前記パワーシリンダとを連通する配管に介挿されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
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