JP4884844B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動ポンプ装置に関し、特に運転者の操舵をアシストするパワーステアリング装置に適用する電動ポンプ装置に関する。
従来、特許文献1に開示されるパワーステアリング装置にあっては、電動モータで駆動される可逆式ポンプからの液圧をパワーシリンダの左右のシリンダ室にそれぞれ選択的に供給することにより、操舵アシスト力を得ている。
この電動モータは操舵時のみ駆動し、直進走行時のような非操舵時では停止することにより、消費電力の低減を図っている。さらに、操舵速度や操舵トルクに応じて電動モータの駆動速度を可変制御することにより、操舵状況に応じた適切なポンプ吐出圧を得ている。そのため、電動モータ、すなわち可逆式ポンプの回転速度制御領域が大きい、という特質を有している。
特開2005−41301号公報
しかしながら上記従来技術にあっては、油圧ポンプを電動モータによって駆動する場合、油圧ポンプの負荷状態や電動モータのフリクション状態によってポンプ回転数に意図しない変動が生じる場合がある。この回転変動は液圧変化となり、結果として操舵アシスト力の変動につながるため、操舵フィーリングが悪化するという問題があった。
本発明は上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ポンプ回転数の変動が発生したとしても、操舵フィーリングの悪化を回避した電動ポンプ駆動装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、第1の発明では、操舵輪に接続された操舵機構と、前記操舵機構に操舵アシストトルクを付与する電動モータと、前記電動モータに駆動指令信号を出力する電動モータ制御手段と、前記電動モータの回転速度を検出または測定する回転速度測定手段と、前記回転速度測定手段によって測定された回転速度成分のうち、所定の高周波成分変動を打ち消すように前記駆動指令信号を補正する駆動信号補正手段と、を備え、前記駆動信号補正手段における前記駆動指令信号を補正する補正量は、前記電動モータの回転速度が所定値より大きいとき、前記所定値以下のときの前記補正量よりも小さくなるように、かつ前記電動モータの回転速度が高くなるほど前記補正量が小さくなるように設定されることとした。
また第2の発明では、操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、前記油圧パワーシリンダの圧力室に対し液圧を供給するポンプと、前記ポンプを駆動する電動モータと、前記電動モータに駆動指令信号を出力するモータ制御回路と、前記電動モータの回転速度を検出または測定する回転速度測定手段と、前記回転速度測定手段によって測定された回転速度成分のうち、所定の高周波成分変動を打ち消すように前記駆動指令信号を補正する駆動信号補正手段と、を備え、前記駆動信号補正手段における前記駆動指令信号を補正する補正量は、前記電動モータの回転速度が所定値より大きいとき、前記所定値以下のときの前記補正量よりも小さくなるように、かつ前記電動モータの回転速度が高くなるほど前記補正量が小さくなるように設定されることとした。
よって、ポンプ回転数の変動が発生したとしても、操舵フィーリングの悪化を回避した電動ポンプ駆動装置を提供できる。
以下、本発明の電動ポンプ装置を適用したポンプ装置およびパワーステアリング装置を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例1におけるパワーステアリング装置の全体構成を示すシステム図である。1はステアリングホイール、2はステアリングシャフト、3はラック&ピニオン機構(操舵機構)、5は運転者の操舵力をアシストするパワーステアリング機構、6はモータMにより駆動する外接ギア型の双方向ポンプ、7は操舵輪、8は運転者にステアリング系に故障が発生したことを報知するウォーニングランプ、10はコントロールユニット(モータ制御回路)である。
モータMはブラシレスモータであり、電動モータ回転角を検出する三つのホール素子からなるモータ回転数センサM/Sen(回転速度測定手段)が設けられている。
パワーステアリング機構5の油圧源である双方向ポンプPは、パワーシリンダ5a(油圧パワーシリンダ)の第1シリンダ室51及び第2シリンダ室52を連通する油圧管61上に設けられている。運転者がステアリングホイール1を操作すると、操作方向に応じてモータMの回転方向が切り換えられ、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52との間の油を給排することで運転者の操舵力をアシストする。
具体的には、図中ステアリングホイール1を右に操舵すると、第2シリンダ室52から第1シリンダ室51に油圧が供給される方向にモータMが駆動することでラック軸54と一体に移動するピストン53を第2シリンダ室52側にアシストする。
油圧管61には、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52とを、双方向ポンプPを介すことなく連通するバイパス回路62が設けられている。このバイパス回路62上には、コントロールユニット10からの指令信号に基づいて作動する電子制御式のフェールセーフバルブ4が設けられている。
このフェールセーフバルブ4は、コントロールユニット10からの指令信号により電圧が供給されると閉じた状態となり、電圧の供給がない状態では開いた状態となるノーマルオープン弁を用いている。
これにより、ステアリング系に何らかの異常が発生し、電源の供給をシャットダウンした場合であっても、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52を連通状態とすることが可能となり、アシストトルク無しの通常の操舵を確保する。
また、ステアリングシャフト2には、運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサ12が設けられている。
コントロールユニット10には、トルクセンサ12からの操舵トルク信号、イグニッションスイッチ13からのIGN信号、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数信号、車速センサ15からの車速信号、モータ回転数センサM/Senからのモータ回転信号が入力される。これら入力された信号に基づいて、双方向ポンプPのモータM、フェールセーフバルブ4及びウォーニングランプ8へ指令信号を出力する。
図2はコントロールユニット10内の構成を示すブロック図である。電源回路ウォッチドッグタイマ101は、電源11からの電圧信号、及びイグニッションスイッチ13からのIGN信号が入力され、メインマイコン107と信号を送受信する。
エンジン回転数処理回路102は、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数信号をメインマイコン107へ出力する。トルクセンサ処理回路103は、トルクセンサ12からのトルク信号をメインマイコン107に出力するとともに、サブマイコン108へ出力する。
車速信号処理回路104は、車速センサ15からの車速信号をメインマイコン107へ出力する。診断回路105は、コネクタ16を介して入力される診断信号をメインマイコンに出力する。CAN通信回路106は、車両系CANによって送信される信号をメインマイコン107に出力する。
サブマイコン108は、メインマイコン107を監視する。メインマイコン107にフェールが発生したときは、フェールセーフリレー109,フェールセーフバルブ駆動回路116及びウォーニングランプ駆動回路117へ制御信号を出力可能に構成されている。
フェールセーフリレー109は、何らかのフェールが発生したときは、電動モータ駆動用の電源供給を遮断する。EEPROM110は、制御に必要な各種データを格納するとともに、データを更新可能な構成となっている。
フェールセーフリレー診断入力回路111は、フェールセーフリレー109の作動診断信号をメインマイコン107へ出力する。
電動モータ駆動回路112は、メインマイコン107からの指令信号に基づいてモータMへ電圧を供給する。電流モニタ回路113は、モータMの電流値を検出し、メインマイコン107へ出力する。モータ端子電圧回路114は、モータMの端子電圧をメインマイコン107へ出力する。
モータ回転信号処理回路115は、モータMに設けられた3つのホール素子から回転数ωを演算し、回転数ωをメインマイコン107へ出力する。
ブラシレスモータに設けられるモータ回転数センサM/Senの出力を用いてモータ回転数ωを算出することにより、別途センサを設ける必要がない。また、モータ回転数センサM/Senはブラシレスモータの回転軸の回転位置を検出するため、精度の高いモータの回転速度信号を得るものである。
フェールセーフバルブ駆動回路116は、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、フェールセーフバルブ4に対し駆動信号を出力する。ウォーニングランプ駆動回路117は、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、ウォーニングランプ8に対し指令信号を出力する。
図3は実施例1におけるポンプユニットの構成を示す概略図である。まず構成について説明すると、油圧管61a,61b,61c,61dは、各シリンダ室51と双方向ポンプPを接続する。バイパス油路62a,62a',62b,62b'は、油圧管61b,61cを連通する。
リザーバタンク202a,202b,205は双方向ポンプPへ油を供給するとともに、ドレンされた油を貯留する。なお、説明の都合上、複数のリザーバタンクがあるように示したが、リザーバタンクは1つ設ければよい。チェック弁201a,201bは、双方向ポンプPにより油圧が発生したときは閉じ、負圧が生じたときは開放する。
リターンチェック弁203の詳細については後述する。チェック弁204(特許請求の範囲に記載のチェック弁に相当)は、ドレンされた油をリザーバタンク205に供給する。ドレン油路63は、リターンチェック弁203とリザーバタンク205とチェック弁204を介して接続する。
ここで、リターンチェック弁203について説明する。リターンチェック弁203は、第1リターンチェック弁203aと、第2リターンチェック弁203bと、スプールバルブ210と、スプールバルブ210を中央に付勢するリターンスプリング206a,206bから構成されている。
第1リターンチェック弁203aには、油圧管61a,61bとの接続ポートを有する第1油圧室207aと、ドレン油路63とバイパス油路62a'との接続ポートを有する第1ピストン室208aが設けられている。同様に、第2リターンチェック弁203bには、油圧管61c,61dとの接続ポートを有する第2油圧室207b、ドレン油路63とバイパス油路62b'との接続ポートを有する第2ピストン室208bが設けられている。
スプールバルブ210には、リターンスプリング206aによる付勢力と、第1油圧室207aの油圧と、第1ピストン室208aの油圧により図中右側の付勢力が作用する。一方、反対側(図中左側)の付勢力として、リターンスプリング206bによる付勢力と、第2油圧室207bの油圧と、第2ピストン室208bの油圧が作用する。これによりスプールバルブ210の位置が決定される。
図4は通常のトルクアシスト制御時における油の流れを示す図、図5はリターンチェック弁の動きを示す動作説明図である。なお、図4中、太実線は高油圧を示し、太点線は低油圧である。
(中立位置からの操舵時)
第1シリンダ室51の油圧と第2シリンダ室52の油圧がともに釣り合った位置からの操舵時について説明する。操舵開始時において、第1シリンダ室51の油圧と第2シリンダ室52の油圧は釣り合った状態である。運転者の操舵により、ラック軸54を図中右側にアシストするときは、双方向ポンプPを駆動し、第2シリンダ室52へ油圧を供給する。すると、油圧管61c及び油圧管61dが高油圧となる。
この高油圧は、バイパス油路62b及び62d'にも供給され、第2ピストン室208bが高油圧となる。このとき、フェールセーフバルブ4は閉じられているため、図5(b)に示すように、第1ピストン室208aと第2ピストン室208b、及び第1油圧室207aと第2油圧室207bに差圧が生じ、スプールバルブ210を図5中左側に移動する。
これにより、バイパス油路62a'とドレン油路63が連通され、第1シリンダ室51は大気解放された低油圧となる。この差圧を用いてトルクアシスト操舵を実行する。
[モータ駆動の制御構成]
図6は、コントロールユニット10においてモータ駆動に用いられる部分の制御ブロック図である。メインマイコン107は、目標トルク演算部70、トルク−電流変換部71、PI制御部72、2相−3相変換部73、3相−2相変換部74、および補正部75を有する。
目標トルク演算部70は、操舵トルク信号に基づきモータMの目標トルクT*を演算し、トルク−電流変換部71に対して出力する。
トルク−電流変換部71は、モータMの回転速度ωに基づき、目標トルクT*をモータMのd、q軸電流目標値di*,qi*に変換し、d軸電流目標値di*をPI制御部72へ出力し、q軸電流目標値qi*を補正部75へ出力する。
補正部75は、モータ回転数ωに基づきq軸電流目標値qi*を補正し、外乱によるモータMの回転変動を低減してPI制御部72へ出力する。
PI制御部72は、入力されたd、q軸電流目標値di*,qi*にPI制御を施してd,q軸指令電流dis、qisを演算し、2相−3相変換部73へ出力する。
2相−3相変換部73はd,q軸指令電流dis、qisをU,V,Wの3相指令電圧に変換してモータ駆動回路112へ出力する。
3相−2相変換部74は電流モニタ回路113により検出されたU,V,W3相の電流検出値をd,q軸に対応した2相に変換して出力する。
モータ駆動回路112はPWM出力制御部112aにおいてU,V,W相指令電圧をPWM変換し、インバータ回路112bを介してモータMへ出力する。
[補正部の制御構成]
図7は、補正部75の制御ブロック図、図8は補正部75内に設けられたハイパスフィルタHPFにおける入力周波数fと出力ゲインKHPFの関係を示す図である。
補正部75はモータ回転数ωをハイパスフィルタHPFにより処理し、処理後のω・KHPFに電流変換係数Kを乗じてq軸電流目標値qi*から減じ、補正後q軸電流目標値qi*として出力する。
出力の際は、モータMのトルクが急激に変化することを防止するため、補正後のq軸電流目標値qi*を漸減または漸増させる。また、補正量を所定範囲内に抑制することで、補正前と補正後でq軸電流目標値qi*が必要以上に変動することを回避する。
また、ハイパスフィルタHPFはモータ回転数センサM/Senからの出力信号の高周波成分を取り出すフィルタ回路である。高周波成分のみ取り出すことにより、所望の高周波成分のみ補正する。
すなわち、ハイパスフィルタHPFは、モータ回転数の周波数f=1/ωから出力ゲインKHPFを読み込み、所定値fa以下の周波数fをカットオフする。ハイパスフィルタHPFを通過した所定値fa以上の周波数に電流変換係数Kを乗じ、補正前のq軸目標電流qi*から減じる。
したがって、補正前のq軸目標電流qi*においてfa以上の周波数を有する振動成分は打ち消されることとなる。所定値faを操舵系の自励振動領域内に設定することにより、操舵系の自励振動の影響がq軸目標電流値qi*に及ぶことを回避する。
[実施例1の効果]
(1)実施例1にあっては、液圧を供給するポンプPと、ポンプPを駆動するモータMと、モータMに駆動指令信号を出力するコントロールユニット10と、ポンプPまたはモータMの回転速度を検出または測定するモータ回転数センサM/Senと、モータ回転数センサM/Senにより測定されたモータMの回転速度成分のうち、所定の高周波成分変動(操舵系の自励振動領域)を打ち消すように駆動指令信号を補正する補正部75とを有することとした。
これにより、モータMのやポンプP等のフリクション変化やポンプ内圧変化等によるモータ回転数の高周波領域の変動(振動)を打ち消すようにモータ駆動信号を補正し、モータMのトルクTがフリクションに打ち勝ち、高周波領域の振動を抑制することができる。また、補正は、高周波領域でのみ行うことにより、所望の回転数変化を妨げることなく振動を打ち消すことができる。
(2)(3)ラック&ピニオンを用いるパワーステアリング装置、および油圧パワーシリンダを用いた油圧パワーステアリング装置においても、(1)と同様の制御を実行することで、同様の作用効果が得られる。
実施例2につき図9および図10に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例1では電流変換係数Kは一定値を用いたが、実施例2ではモータ回転数ωに応じてKを変更する点で異なる。
図9は実施例2における補正部75の制御ブロック図、図10は電流変換係数Kのマップである。
駐車時など、モータMの低回転・高負荷時には歯車の歪みや油膜切れ等によりステアリングホイールの引っかかりが生じる場合がある。そのため低回転・高負荷時においては、引っかかりに抗して操舵トルクを付与するため、モータトルクをより増大させることが望ましい。
一方、高速転舵時などの高回転・低負荷時には、回転部材の慣性モーメントが大きくなるため、モータMの回転変動が生じたとしても慣性力により変動が打ち消される。そのため回転変動の補正量は低回転時ほど大きくなくてよい。
したがって、モータMの低回転・高負荷時と高回転・低負荷時で電流変換係数Kの値を変更し、モータ回転数ωに応じて最適な補正を行う。
実施例2の補正部75はハイパスフィルタHPFに加えローパスフィルタLPFを備え、一定の回転数ωa(>0)以下はカットオフしてωaを出力する。出力時には出力ゲインKLPFを乗じ、電流変換係数K−回転数ωマップから回転数ωに対応する変換係数Kを読み込む。
[実施例2の効果]
実施例2においては、補正部75はモータMの回転数ωが所定値ωa以下のとき、駆動指令信号を補正することとした。これにより、回転数変動の大きい低回転領域において駆動信号補正を行うことにより、補正制御を必要最小限に抑えることができる。また、補正制御による高回転領域での影響を防止することができる。
実施例3につき図11に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例3では、転舵応答を高めるために微分項を追加してq軸目標電流値qi*を演算する点で異なる。
図11は実施例3における補正部75の制御ブロック図である。実施例1と同様、ハイパスフィルタHPFの出力X=ω・KHPFに電流変換係数Kを乗じてK・Xを演算する。
また、実施例3では出力Xとその逆数1/Xとの差分を演算し、この差分X−1/Xにあらかじめ設定された微分値変換係数Kdを乗じて微分項Kd(X−1/X)を演算し、K・Xと微分項Kd(X−1/X)の和を補正前q軸目標電流値qi*から減じ、補正後q軸目標電流値qi*を演算する。
このように、微分項を用いて位相を早めることにより、位相遅れが発生しやすい不安定領域においても、高周波領域の振動抑制を的確に行うことができる。とりわけ、油圧パワーステアリングにあっては転舵速度が速くシリンダの容積変化が大きい場合には伝達応答が遅れ気味となるが、このような急転舵状態にあっても振動抑制を効果的に実行できる。
実施例4につき図12に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例4の補正部75はモータMの周期的な回転速度の低下を学習するサンプリング部75a(学習手段)をさらに備え、このサンプリング部75aによって学習された周期的な回転速度ωの低下の発生タイミングに合わせてモータMの目標電流を増大補正する。
図12は実施例4における補正部75の制御ブロック図である。サンプリング部75aには、モータMの位相角θ、およびハイパスフィルタHPF通過後のモータ回転数ωが入力される。
ポンプPの歯車に歪みが発生しているような場合には、その歪み箇所においてポンプフリクションが変化し、このフリクション変化はポンプの回転に伴い周期的に発生する。このようにメカ的な回転特性変動は周期的に発生するため、この周期的なフリクション変化を学習し、モータMの目標電流を補正することにより、より滑らかなモータ制御を行う。
これにより、全周波数領域における振動抑制を図ることができる。高周波領域の振動抑制を行う場合はの高回転領域におけるωの突出・落ち込みを重点的に記憶すればよい。低回転領域においても同様である。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を各実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
実施例1〜4ではq軸電流目標値qi*を補正しているが、モータMの出力を補正できるものであれば他のパラメータを補正してもよい。
さらに、上記実施の形態及び実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1に記載の電動ポンプ装置において、
前記駆動信号補正手段は、前記回転速度測定手段からの出力信号の高周波成分を取り出すフィルタ回路をさらに備えること
を特徴とする電動ポンプ装置。
フィルタ回路により高周波成分のみ取り出すことにより、所望の高周波成分のみ補正することができる。
(ロ)請求項1に記載の電動ポンプ装置において、
前記電動モータはブラシレスモータであって、
前記回転速度測定手段は、前記ブラシレスモータに設けられ、このブラシレスモータの回転軸の回転位置を検出する回転位置センサからの検出出力に基づき回転速度を推定すること
を特徴とする電動ポンプ装置。
ブラシレスモータに設けられる回転位置センサ出力を用いることにより、別途センサを設ける必要がない。また、回転位置センサはブラシレスモータの回転軸の回転位置を検出するため、精度の高いモータの回転速度信号を得ることができる。
(ハ)請求項1に記載の電動ポンプ装置は、
前記電動モータの周期的な回転速度の低下を学習する学習手段をさらに備え、
前記モータ制御回路は、前記学習手段によって学習された周期的な回転速度の低下の発生タイミングに合わせて前記駆動指令信号を増大補正すること
を特徴とする電動ポンプ装置。
ポンプ歯車に歪みが発生している場合には、その歪み箇所においてポンプフリクションが変化し、このフリクション変化はポンプの回転に伴い周期的に発生する。この周期的なフリクション変化を学習し、駆動指令信号を補正することにより、より滑らかなモータ制御を行うことができる。
(ニ)請求項1に記載の電動ポンプ装置において、
前記駆動信号補正手段は、前記所定の高周波成分を打ち消すように前記駆動指令信号を漸減または漸増させること
を特徴とする電動ポンプ装置。
駆動信号を補正する際、その駆動信号を漸減または漸増させることにより、急激な駆動信号変化を抑え、不要なモータのトルク変動を抑制する。
(ホ)請求項1に記載の電動ポンプ装置において、
前記駆動信号補正手段の駆動信号補正量は所定値以下に抑えられること
を特徴とする電動ポンプ装置。
駆動信号補正量を所定値以上与えないことにより、基本制御量に必要以上の補正を与えることがない。
(ヘ)請求項1に記載の電動ポンプ装置において、
前記駆動信号補正手段は、前記電動モータの回転数が所定値以下のとき、前記駆動指令信号を補正すること
を特徴とする電動ポンプ装置。
回転数変動の大きい低回転領域において駆動信号補正を行うことにより、補正制御を必要最小限に抑えることができる。また、補正制御による高回転領域での影響を防止することができる。
(ト)請求項2に記載のパワーステアリング装置において、
前記電動モータはブラシレスモータであって、
前記回転速度測定手段は、前記ブラシレスモータに設けられ、このブラシレスモータの回転軸の回転位置を検出する回転位置センサからの検出出力に基づき、回転速度を推定すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
ブラシレスモータに設けられる回転位置センサ出力を用いることにより、別途センサを設ける必要がない。また、回転位置センサはブラシレスモータの回転軸の回転位置を検出するため、精度の高いモータの回転速度信号を得ることができる。
(チ)請求項2に記載のパワーステアリング装置は、
前記電動モータの周期的な回転速度の低下を学習する学習手段をさらに備え、
前記モータ制御回路は、前記学習手段によって学習された周期的な回転速度の発生タイミングに合わせて前記駆動指令信号を増大補正すること
を特徴とするパワーステアリング装置。
操舵機構の歯車に歪みが発生しているような場合には、その歪み箇所においてフリクションが変化し、このフリクション変化は歯車の回転に伴い周期的に発生する。この周期的なフリクション変化を学習し、駆動指令信号を補正することにより、より滑らかなモータ制御を行うことができる。
(リ)請求項3に記載のパワーステアリング装置において、
前記電動モータは、少なくとも車両が直進状態のとき、回転を停止させること
を特徴とするパワーステアリング装置。
電動モータが回転と停止を切り替えるようなパワーステアリング装置では、電動モータの回転開始時や停止直前など、モータ回転数が低い状態が多く発生し、このような状態においてポンプの一時停止が発生しやすい。このモータ低速回転状態で遅延補正を行うことにより、意図しないモータの回転数変動を防止することができる。
実施例1におけるパワーステアリング装置のシステム構成図である。 実施例1におけるコントロールユニット内の構成を示すブロック図である。 実施例1におけるポンプユニットの構成を示す概略図である。 実施例1における通常のトルクアシスト制御時における油の流れを示す図である。 実施例1におけるリターンチェック弁の動きを示す動作説明図である。 コントロールユニットにおいてモータ駆動に用いられる部分の制御ブロック図である。 補正部の制御ブロック図である。 は補正部内に設けられたハイパスフィルタにおける入力周波数と出力ゲインの関係を示す図である。 実施例2における補正部の制御ブロック図である。 実施例2における電流変換係数のマップである。 実施例3における補正部の制御ブロック図である。 実施例4における補正部の制御ブロック図である。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
4 フェールセーフバルブ
5 パワーステアリング機構
5a パワーシリンダ
8 ウォーニングランプ
10 コントロールユニット
11 電源
12 トルクセンサ
13 イグニッションスイッチ
14 エンジン回転数センサ
15 車速センサ
16 コネクタ
51,52 シリンダ室
53 ピストン
54 ラック軸
61 油圧管
62 バイパス回路
63 ドレン油路
70 目標トルク演算部
71 電流変換部
72 制御部
73 2相−3相相変換部
74 3相−2相相変換部
75 補正部
75a サンプリング部
101 電源回路ウォッチドッグタイマ
102 エンジン回転数処理回路
103 トルクセンサ処理回路
104 車速信号処理回路
105 診断回路
106 通信回路
107 メインマイコン
108 サブマイコン
109 フェールセーフリレー
111 フェールセーフリレー診断入力回路
112 モータ駆動回路
112a 出力制御部
112b インバータ回路
113 電流モニタ回路
114 モータ端子電圧回路
115 モータ回転信号処理回路
116 フェールセーフバルブ駆動回路
117 ウォーニングランプ駆動回路
201a,201b チェック弁
202a,202b,205 リザーバタンク
203 リターンチェック弁
204 チェック弁
205 リザーバタンク
206a,206b リターンスプリング
207a,207b 油圧室
208a,208b ピストン室
210 スプールバルブ
M モータ
M/Sen モータ回転数センサ
P ポンプ

Claims (2)

  1. 操舵輪に接続された操舵機構と
    前記操舵機構に操舵アシストトルクを付与する電動モータと、
    前記電動モータに駆動指令信号を出力する電動モータ制御手段と、
    前記電動モータの回転速度を検出または測定する回転速度測定手段と、
    前記回転速度測定手段によって測定された回転速度成分のうち、所定の高周波成分変動を打ち消すように前記駆動指令信号を補正する駆動信号補正手段と、を備え、
    前記駆動信号補正手段における前記駆動指令信号を補正する補正量は、前記電動モータの回転速度が所定値より大きいとき、前記所定値以下のときの前記補正量よりも小さくなるように、かつ前記電動モータの回転速度が高くなるほど前記補正量が小さくなるように設定されることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    前記油圧パワーシリンダの圧力室に対し液圧を供給するポンプと、
    前記ポンプを駆動する電動モータと、
    前記電動モータに駆動指令信号を出力するモータ制御回路と、
    前記電動モータの回転速度を検出または測定する回転速度測定手段と、
    前記回転速度測定手段によって測定された回転速度成分のうち、所定の高周波成分変動を打ち消すように前記駆動指令信号を補正する駆動信号補正手段と、を備え、
    前記駆動信号補正手段における前記駆動指令信号を補正する補正量は、前記電動モータの回転速度が所定値より大きいとき、前記所定値以下のときの前記補正量よりも小さくなるように、かつ前記電動モータの回転速度が高くなるほど前記補正量が小さくなるように設定されることを特徴とするパワーステアリング装置。
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