JP4892995B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータでポンプを駆動することで操舵アシストをするパワーステアリング装置に関するものである。
従来のパワーステアリング装置としては、歯車式ポンプを電動モータで正逆方向に駆動して、ポンプ吐出流量を直接パワーシリンダへ供給し、操舵アシスト力を付与するというものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−72568号公報
しかしながら、前記従来のパワーステアリング装置にあっては、歯車式ポンプを採用しているので、摩擦によるギアの劣化や精度ばらつきにより作動油のリークを伴う可能性があり、操舵性能が悪化するおそれがあるという未解決の課題がある。
つまり、初期はモータ指令トルクに対し、モータとポンプとは正常回転して規定の流量を吐出するが、経時劣化によりポンプ部のリーク流量が増加すると、ポンプから必要流量が吐出されないため、操舵トルクが増加し操舵感が悪化してしまう。
ところで、ポンプ部のリーク流量を推定し、そのリーク流量に基づいて電動モータの回転数を補正することでポンプ吐出流量を補正することも考えられるが、この場合、流量センサ等のリーク流量を推定するための専用の検出装置を設ける必要があり、コストが嵩むという問題がある。
そこで、本発明は、専用の検出装置を設けることなくポンプ内リークを判定し、適切な操舵アシストを行うことができるパワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るパワーステアリング装置は、操舵トルク検出手段で操舵トルクを検出し、所定条件として据え切り時の操舵トルクに基づいて、リーク判定手段で、液圧ポンプ内部で吐出液がリークした状態であるポンプ内リークの有無を判定し、前記リーク判定手段でポンプ内リークがあると判定したとき、吐出量補正手段でポンプ吐出量を増加補正する。
本発明によれば、ポンプ内リークが有ると判断した場合には、ポンプ吐出量を増加補正するので、ポンプ内リークに起因するパワーシリンダの必要流量不足を抑制することができ、その結果、操舵アシスト力低下を抑制して操舵性能の低下を抑制することができるという効果が得られる。また、一般的なパワーステアリングシステムに搭載されているトルクセンサで検出できる操舵トルクに基づいてリーク判定を行うため、新たに流量センサ等のリーク判定専用の検出装置を設ける必要がなく、コストを削減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のパワーステアリング装置のシステム図である。図中符号1は、ステアリングホイール、2はステアリングシャフト、3はラックアンドピニオン式ギア機構、5は運転者の操舵力をアシストするパワーステアリング機構、6は電動モータ6aにより駆動する外接ギア型の液圧ポンプとしてのオイルポンプ、7は操舵輪、10はコントロールユニット、11はバッテリである。
パワーステアリング機構5の油圧源であるオイルポンプ6は、パワーシリンダ5aの第1シリンダ室51及び第2シリンダ室52を連通する油圧管61に設けられている。運転者がステアリングホイール1を操作すると、その操作方向に応じて電動モータ6aの回転方向が切り換えられ、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52との間の油を給排することで運転者の操舵力をアシストする。
具体的には、ステアリングホイール1を右に操舵すると、第2シリンダ室52から第1シリンダ室51に油圧が供給される方向に電動モータ6aが駆動することでラック軸54と一体に移動するピストン53を第2シリンダ室側にアシストするようになっている。
油圧管61には、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52とを、オイルポンプ6を介すことなく連通するバイパス回路62が設けられている。このバイパス回路62上には、コントロールユニット10からの指令信号に基づいて作動する電子制御式のフェールセーフバルブ4が設けられている。
このフェールセーフバルブ4は、コントロールユニット10からの指令信号により電圧が供給されると閉じた状態となり、電圧の供給がない状態では開いた状態となるノーマルオープン弁である。これにより、ステアリング系に何らかの異常が発生し、電源の供給をシャットダウンした場合であっても、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52を連通状態とすることが可能となり、アシストトルク無しの通常の操舵を確保することができる。
また、ステアリングシャフト2には、運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ12、ステアリングの操舵状態量として操舵角及び操舵角速度を検出する操舵角センサ13が設けられており、これらの検出信号はコントロールユニット10に出力される。
また、この車両には、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ14、車速を検出する車速センサ15、電動モータ6aの回転数を検出するモータ回転数センサ16が設けられており、これらの検出信号もコントロールユニット10に出力される。
コントロールユニット10は、トルクセンサ12からの操舵トルクTn、操舵角センサ13からの操舵角θ及び操舵角速度θ′、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数ωg、車速センサ15からの車速V、モータ回転数センサ16からのモータ回転数ωnが入力され、これらの信号に基づいて、オイルポンプ6の電動モータ6a、フェールセーフバルブ4へ指令信号を出力する。
図2は、コントロールユニット10の構成を示す制御ブロックである。コントロールユニット10はマイクロコンピュータとその周辺機器を備え、この制御ブロックは、アシスト量算出部10Aと、モータ電流指令値算出部10Bと、モータ電流指令値補正部10Cと、モータ駆動部10Dと、初期設定部10Eとから構成されている。
アシスト量算出部10Aでは、車速V、エンジン回転数ωg及び操舵トルクTnが入力されて、予め格納されたアシスト制御マップを参照して必要アシスト量に相当するモータトルク指令値Tpを算出する。そして、このモータトルク指令値Tpをモータ電流指令値算出部10Bに受け渡す。
モータ電流指令値算出部10Bでは、アシスト量算出部10Aで算出されたモータトルク指令値Tpを実現するための電動モータ6aの駆動電流の指令値であるモータ電流指令値Ip0を算出する。
モータ電流指令値補正部10Cでは、後述する初期設定部10Eからの各初期値、操舵角θ及び操舵角速度θ′が入力されて、ポンプ内リークの有無を判定し、ポンプ流量を補正するためのモータ電流指令補正値Irを出力する。ここで、ポンプ内リークとは、摩擦によるギアの劣化や精度ばらつきにより発生する、オイルポンプ部の吐出液である油の漏れをいう。
そして、モータ電流指令値算出部10Bで算出されたモータ電流指令値Ip0を、モータ電流指令値補正部10Cで算出されたモータ電流指令補正値Irで補正した最終的なモータ電流指令値Ipが、モータ駆動部10Dに入力される。
モータ駆動部10Dでは、入力されたモータ電流指令値Ipに基づいて、電動モータ6aの駆動電流Iを制御する。
初期設定部10Eでは、図示しない初期設定スイッチがONとなって初期設定モードに設定されているときに、後述する初期設定処理を実行し、ポンプ内リークの有無判定に必要な各初期値を設定する。
図3は、ポンプP−Q特性を示す図であり、横軸はポンプ圧P[Mpa]、縦軸はポンプ流量Q[L/min]である。図中破線H0,L0は初期の特性線であり、実線Hn,Lnは経時劣化後の特性線である。このポンプ特性からも明らかなように、高圧且つ低回転時にオイルポンプ部のリーク流量が増加することがわかる。つまり、据え切り時にリーク流量が最も増加して、ポンプの吐出流量が減少し、操舵力の増加及び転舵追従性の悪化が発生する。
図4は、操舵角−操舵トルク特性を示す図であり、横軸は操舵角θ、縦軸は操舵トルクTnである。また、図中実線は高μ路面での操舵角−操舵トルク特性であり、破線は低μ路面での操舵角−操舵トルク特性である。
この操舵角−操舵トルク特性に示すように、操舵角θの大きいラックエンド付近(θ>θC)では、車両のサスペンションジオメトリー等の影響で、そもそも操舵トルクTnは大きくなる。また、同時に図3のポンプP−Q特性に示すとおり、圧力Pが大きいときにポンプ部のリーク流量が最も多くなる。
したがって、高μ路面での据え切り時ラックエンド付近の操舵角のときにリーク流量が多く、検出しやすいことが言える。逆に、低μ路面では、そもそも必要アシスト力が小さく、図4の破線に示すように、ポンプ発生油圧も小さくポンプ内リークを検出しにくい。
そこで、本実施形態では、据え切り時のラックエンド付近でポンプ内リークの有無を判定し、ポンプ内リークが発生している場合にはリーク分の流量補正を行うように電動モータの駆動電流を制御する。なお、本実施形態における据え切り時とは、停車中のステアリング操作時に限らず、極低速走行中のステアリング操作時も含むものとする。
次に、コントロールユニット10の初期設定部10Eで実行される初期設定処理について、図5に示すフローチャートをもとに説明する。
この初期設定処理は、図示しない初期設定スイッチがONとなって初期設定モードに設定されているときに実行され、各初期値(車速V0、操舵トルクT0、操舵角θ0、操舵角速度θ′0、モータ回転数ωn0、モータトルク指令値Tp0)を設定する。
先ず、図5のステップS1で、コントロールユニット10は、車速センサ15で検出される車速Vが所定の車速閾値VC(例えば、5km/h)より小さい極低速走行中又は停車中か否かを判定する。そして、V<VCであるときにはステップS2に移行し、V≧VCであるときには当該ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS2では、コントロールユニット10は、操舵角センサ13で検出される操舵角θが、ラックエンド付近であるか否かを判定するための所定の操舵角閾値θC(例えば、500deg)より大きいか否かを判定する。そして、θ>θCであるときにはステップS3に移行し、θ≦θCであるときには前記ステップS1に移行する。
一般的に中立からハンドルロックまでの回転数は、1.4〜1.6回転である。運転者が最も顕著にアシスト不足を感じるのは、ロック手前の数十degの操舵角のポイントである。したがって、本実施形態では、中立〜ロックまで約1.5回転仕様で、ロック手前45degのポイントとして、操舵角閾値θCを500degとする。
ステップS3では、コントロールユニット10は、操舵角速度θ′が第1の操舵角速度閾値θ′C1(例えば、300deg/s)から第2の操舵角速度閾値θ′C2(例えば、600deg/s)までの範囲内にあるか否かを判定し、θ′C1<θ′<θ′C2であるときにはステップS4に移行し、θ′C1≧θ′又はθ′≧θ′C2であるときには前記ステップS1に移行する。
ステップS4では、コントロールユニット10は、据え切り時ラックエンド付近での初期値として車速V0、操舵トルクT0、操舵角θ0、操舵角速度θ′0、モータ回転数ωn0、モータトルク指令値Tp0を記憶し、初期設定処理を終了する。
なお、本実施形態では、初期設定スイッチON時に図5の初期設定処理を実行し各初期値を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車両オフライン工場内の車検等で自動的に各初期値を設定するようにしてもよい。
次に、コントロールユニット10のモータ電流指令値補正部10Cで実行されるモータ電流指令値補正処理について、図6に示すフローチャートをもとに説明する。このモータ電流指令値補正処理は、所定時間毎のタイマ割込み処理として実行され、先ずステップS11で、コントロールユニット10は、初期設定部10Eで設定された各初期値を読み込む。
次にステップS12で、コントロールユニット10は、車速Vが車速閾値VCより小さいか否かを判定し、V<VCであるときにはステップS13に移行し、V≧VCであるときにはそのままモータ電流指令値補正処理を終了する。
ステップS13では、コントロールユニット10は、操舵角θが操舵角閾値θCより大きいか否かを判定し、θ>θCであるときにはステップS14に移行し、θ≦θCであるときにはそのままモータ電流指令値補正処理を終了する。
ステップS14では、コントロールユニット10は、操舵角速度θ′が操舵角速度閾値θ′C1からθ′C2までの範囲内にあるか否かを判定し、θ′C1<θ′<θ′C2であるときにはステップS15に移行し、θ′C1≧θ′又はθ′≧θ′C2であるときにはそのままモータ電流指令値補正処理を終了する。
ステップS15では、コントロールユニット10は、トルクセンサ12で検出される操舵トルクTnから操舵トルク初期値T0を減算した値が、所定の操舵トルク閾値TCより大きいか否かを判定する。ここで、操舵トルク閾値TCは、0以上の正値(数Nm、例えば5Nm)とする。
そして、Tn−T0>TCであるときには、ポンプ内リークが発生していると判断してステップS16に移行し、Tn−T0≦TCであるときには、ポンプ内リークは発生していないと判断してそのままモータ電流指令値補正処理を終了する。
ステップS16では、コントロールユニット10は、モータ電流指令値の補正を開始し、モータ電流指令値算出部10Bで算出されるモータ電流指令値Ip0を、モータ電流指令補正値Irで補正する。具体的には、モータ電流指令補正値Irを1[A/sec]とし、モータ電流指令値Ip0にモータ電流指令補正値Irを加算する。
次に、ステップS17では、コントロールユニット10は、操舵トルクTnが操舵トルク初期値T0と等しいか否かを判定し、Tn≠T0であるときには前記ステップS16に移行して、モータ電流指令値Ip0をさらにモータ電流指令補正値Ir分増加する。
一方、ステップS17で、コントロールユニット10がTn=T0であると判断したときには、ステップS18に移行して、これまでにモータ電流指令補正値Irによって補正されたモータ電流指令値Ip0をモータ電流指令値Ip1として決定する。
次に、ステップS19で、コントロールユニット10は、前記ステップS18で決定されたモータ電流指令値Ip1が電動モータ6aの駆動電流の上限値である最大作動電流Imaxを超えているか否かを判定する。
そして、Ip1>Imaxであると判断されたときには、ステップS20に移行して、最大作動電流Imaxを最終的なモータ電流指令値Ipとして設定し、モータ電流指令値補正処理を終了する。
一方、前記ステップS19で、Ip1≦Imaxであると判断されたときには、ステップS21に移行して、モータ電流指令値Ip1を最終的なモータ電流指令値Ipとして設定し、モータ電流指令値補正処理を終了する。
図6において、ステップS12〜S15の処理がリーク判定手段に対応し、ステップS16〜S20の処理が吐出量補正手段に対応している。
次に、本発明の実施形態における動作について説明する。
今、初期設定スイッチがONとなって初期設定モードに設定されているとき、停車中(V=0)にステアリングホイールをラックエンド付近まで回転させたものとする。この場合には、図5の初期設定処理において、コントロールユニット10は、ステップS1及びステップS2でYesと判定し、操舵角速度θ′がθ′C1<θ′<θ′C2であるものとすると、ステップS4で、各初期値として車速V0、操舵トルクT0、操舵角θ0、操舵角速度θ′0、モータ回転数ωn0、モータトルク指令値Tp0を夫々記憶する。
このように各初期値を設定した後で、同一の据え切り条件を検出したものとする。この場合には、図6のモータ電流指令値補正処理において、コントロールユニット10は、ステップS12〜S14で夫々Yesと判定してステップS15に移行し、操舵トルクTnから操舵トルク初期値T0を減算した値が、操舵トルク閾値TCより大きいか否かを判定する。このとき、同一の据え切り条件において現在の操舵トルクTnが初期の操舵トルクT0と等しい(Tn=T0)ものとすると、Tn−T0≦TCとなるため、ポンプ内リークは発生していないと判断される。したがって、モータ電流指令値算出部10Bで算出されるモータ電流指令値Ip0が補正されることなく、当該モータ電流指令値Ip0に基づいて電動モータ6aの駆動電流が制御される。
その後、オイルポンプ6のギアの経時劣化によりポンプ内リークが発生したものとする。この場合、各初期値の設定時と同一の据え切り条件を検出すると、図6のステップS15で、コントロールユニット10は、操舵トルクTnから操舵トルク初期値T0を減算した値が、操舵トルク閾値TCより大きいか否かを判定する。ポンプ内リークが発生していることから、操舵トルクTnは操舵トルク初期値T0より大きくなっており、Tn−T0>TCであるものとすると、ステップS16でモータ電流指令値Ip0をモータ電流指令補正値Ir分増加する。そして、モータ電流指令値補正後の操舵トルクTnが操舵トルク初期値T0を超えている場合には、ステップS16に戻って再びモータ電流指令値Ip0をモータ電流指令補正値Ir分増加する。このモータ電流指令値Ip0の増加補正を、モータ電流指令値補正後の操舵トルクTnが操舵トルク初期値T0と等しくなるまで繰り返し実行する。
このように、据え切り時ラックエンド付近での操舵トルクTnが所定値(T0+TC)より大きい場合には、操舵トルクTnが同一の据え切り条件での操舵トルクT0まで減少するように、モータ電流指令値Ip0を増加補正する。
図7は、モータT−N−I特性を示す図である。定格負荷時のモータ駆動電流Iとモータ回転数ωとには、図7の直線Aに示すような比例関係が成り立つ。また、定格電流時のモータ出力トルクTとモータとモータ回転数ωとには、図7の折れ線Bに示すような関係が成り立つ。
したがって、モータ電流指令値Ip0を増加補正することは、モータ回転数ωを増加補正することと等価である。また、ポンプ吐出流量Qは、モータ回転数ωに固有吐出量A(ポンプの特性で決められる定数)を乗じたものであり(Q=ω×A)、モータ回転数ωを増加補正することは、ポンプ吐出流量Qを増加補正することと等価となる。
本実施形態では、モータ電流指令値補正後の操舵トルクTnが操舵トルク初期値T0と等しくなるようにモータ電流指令値Ip0を増加補正しているため、モータ電流指令値補正後のポンプ吐出流量Qは、ポンプ吐出流量初期値Q0と等しくなる。つまり、図8に示すように、初期のポンプP−Q特性線PQ0と補正後のポンプP−Q特性線PQpとは等しくなり、破線で示す経時劣化後の特性線PQnと比較してポンプ部のリーク流量は大幅に減少する。
ところで、ポンプ内リークによるポンプ吐出量不足を補正する方法として、ポンプ部リーク流量を求め、そのリーク流量に応じてポンプ吐出量の補正量を決定することが考えられる。
ポンプ内リークが発生していない正常時でのポンプ吐出流量(初期のポンプ吐出流量)Q0は、モータ回転数ω0と固有吐出量Aとに基づいて次式をもとに算出することができる。
0=ω0×A ………(1)
また、ギアの経時劣化によりポンプ内リークが発生したときのポンプ吐出流量Qnは、次式で表される。
Qn=ω0×A−QL ………(2)
ここで、QLはポンプ部のリーク流量である。このポンプ吐出流量Qnは、流量センサ等の検出装置を用いて測定する必要がある。
ポンプ内リークが発生しているときには、正常時と比較してリーク流量QLだけポンプ吐出流量が減少するため、経時劣化後のポンプ吐出流量が正常時のポンプ吐出流量と一致するように、モータ回転数ωを増加補正する。つまり、補正後のポンプ吐出流量Qp(=Q0)は次式で表される。
Qp=ωp×A−QL ………(3)
ここで、ωpは補正後のモータ回転数である。
このように、経時劣化後のポンプ吐出流量が正常時のポンプ吐出流量と一致するようにモータ回転数ωを増加補正する場合には、ポンプ吐出流量を正確に測定する必要がある。つまり、正確なリーク流量を得るための流量センサ等の専用の検出装置が必要となり、その分コストが嵩むという問題がある。
これに対して、本実施形態では、所定条件下での操舵トルクの大きさに基づいてポンプ内リークの有無を判定する。操舵トルクを検出するためのトルクセンサは、パワーステアリングシステムに一般的に搭載されているものであり、新たにリーク判定用の検出装置を設ける必要がないためコストを削減することができる。
このように、上記第1の実施形態では、所定条件下での操舵トルクに基づいてポンプ内リークの有無を判定するので、新たに専用の検出装置を設けることなくポンプ内リークを判定することができ、コスト削減を実現することができる。また、路面等の影響(例えば、低μ路)で操舵状態量とアシスト油圧とが一致しない場合があるが、操舵トルクを用いることでアシスト油圧が大きいときにリーク判定することができるため、判定誤差を小さくすることができる。
さらに、ポンプ内リークがあると判定したときには、ポンプ吐出量を増加補正するので、ポンプ吐出流量不足に起因する操舵アシスト力の低下を抑制することができると共に、操舵性能の悪化を抑制することができる。
また、据え切り時にポンプ内リークの有無を判定するので、最もアシスト油圧が大きく且つポンプ部のリーク流量が多い状態で上記判定をすることができ、より判定誤差を小さくすることができる。
さらに、操舵角がラックエンド付近であるときにポンプ内リークの有無を判定するので、最もアシスト油圧が大きく且つポンプ部リーク流量が多い状態(運転者がアシスト不足を最も顕著に感じる状態)で上記判定をすることができ、より判定誤差を小さくすることができる。
また、操舵角速度が所定範囲内であるときにポンプ内リークの有無を判定するので、例えば操舵角速度が大きい状態(シリンダ必要流量が多く且つアシスト油圧が大きい状態)で上記判定をすることができ、より判定誤差を小さくすることができる。
さらにまた、所定条件下での操舵トルクが同一条件下での操舵トルク初期値より大きい場合にポンプ内リークがあると判定するので、経時劣化によるポンプ内リークを確実に検出することができ、適切にポンプ吐出流量を増加補正することができる。
また、所定条件下での操舵トルクが同一条件下での操舵トルク初期値に一致するようにポンプ吐出量を増加補正するので、ポンプ内リークが発生している場合であっても、ポンプ内リークが発生していない正常時と同様の操舵感を得ることができる。
さらに、電動モータの駆動電流を増加補正することで、ポンプ吐出量を増加補正するので、適切にポンプ吐出量不足を解消することができる。
なお、上記本実施形態においては、操舵トルク初期値T0を設計中央値に置き、且つモータ電流指令値UPの定数(モータ電流指令補正値Ir)を細分化して設定するようにしてもよい。これにより、初期作動時にオイルポンプ6、電動モータ6aのばらつきを補正することができる。
本発明の実施形態を示す概略構成図である。 コントロールユニットの構成を示す制御ブロック図である。 ポンプP−Q特性を示す図である。 操舵角−操舵トルク特性を示す図である。 コントロールユニットの初期設定部で実行される初期設定処理を示すフローチャートである。 コントロールユニットのモータ電流指令値補正部で実行されるモータ電流指令値補正処理を示すフローチャートである。 モータT−N−I特性を示す図である。 本実施形態の効果を説明する図である。
符号の説明
1 ステアリングホイール
5 パワーステアリング機構
5a パワーシリンダ
6 オイルポンプ
6a 電動モータ
7 操舵輪
10 コントロールユニット
12 トルクセンサ
13 操舵角センサ
14 エンジン回転数センサ
15 車速センサ
16 モータ回転数センサ

Claims (6)

  1. ピストンにより2室に区切られ、ステアリングホイールに連結したパワーシリンダと、電動モータにより駆動され、前記パワーシリンダの2室間に液圧差を発生させる液圧ポンプとを備え、運転者による操舵操作に応じた操舵アシスト力を付与するように、前記液圧ポンプの吐出量を制御するパワーステアリング装置において、
    操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、所定条件として据え切り時の操舵トルクに基づいて、前記液圧ポンプ内部で吐出液がリークした状態であるポンプ内リークの有無を判定するリーク判定手段と、該リーク判定手段でポンプ内リークがあると判定したとき、前記ポンプ吐出量を増加補正する吐出量補正手段とを備えることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記リーク判定手段は、前記所定条件として、さらにラックエンド付近での操舵角での操舵トルクに基づいて、前記ポンプ内リークの有無を判定することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 前記リーク判定手段は、前記所定条件として、さらに操舵角速度が300deg/sよりも速く600deg/sよりも遅い範囲内にあるときの操舵トルクに基づいて、前記ポンプ内リークの有無を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリング装置。
  4. 前記リーク判定手段は、前記所定条件下での操舵トルクが、同条件下での操舵トルク初期値より大きいと判断したとき、前記ポンプ内リークがあると判断することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  5. 前記吐出量補正手段は、前記所定条件下での操舵トルクが、同条件下での操舵トルク初期値と一致するようにポンプ吐出量を増加補正することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  6. 前記吐出量補正手段は、前記電動モータの駆動電流を増加補正することで、ポンプ吐出量を増加補正することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
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