JP4802017B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動ポンプ装置に関し、特に運転者の操舵をアシストするパワーステアリング装置に適用する電動ポンプ装置に関する。
従来、特許文献1に開示されるようなパワーステアリング装置においては、パワーシリンダと、このパワーシリンダに接続された双方向ポンプと、この双方向ポンプを正・逆回転駆動する電動機を備え、パワーシリンダの左右の圧力室に油圧を供給することにより、操舵アシスト力を得ている。この電動機は、操舵時のみ駆動し、直進走行時のような非操舵時では停止することにより、消費電力の削減を図っている。更に、操舵速度や操舵トルクに応じて電動モータの駆動速度を可変制御することにより、操舵状況に応じた適切なポンプ吐出圧を得ている。
特開2005−41301号公報
上述のパワーステアリング装置にあっては、直進走行時には0回転であり、低速大舵角操舵時にはポンプが高回転となるため、電動モータの回転速度制御領域(可逆式ポンプの回転速度制御領域)が大きい。このとき、可逆式ポンプの回転速度によって可逆式ポンプの駆動フリクションが変化する。すなわち、極低回転領域では、ポンプ駆動軸の軸受における潤滑油膜が十分に形成されないため、ポンプの駆動負荷が増大する。また、高回転領域では流速の上昇に伴うオイルと油路との間の接触抵抗が増大し、ポンプ駆動負荷が増大する。電動モータの駆動トルクはこのポンプの駆動負荷によって消費されるため、ポンプ負荷がポンプ回転数によって変化すると、ポンプの吐出圧力が変化してしまう。このポンプの吐出圧力の変化は装置内において脈動となり、安定した吐出圧を確保できないおそれがあった。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、ポンプ駆動負荷が駆動状態に応じて変化したとしても、安定した圧力を吐出可能な電動ポンプ駆動装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため本発明のパワーステアリング装置では、操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、前記油圧パワーシリンダの圧力室に対し油圧を供給するポンプと、前記ポンプを駆動する電動モータと、前記操舵輪を転舵制御するステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、前記操舵負荷に基づき、所望の油圧を発生させるために前記電動モータに対して駆動信号を出力する電動モータ制御手段と、前記ポンプまたは前記電動モータの回転数を測定する回転数測定手段と、前記回転数測定手段により測定された回転数に基づいて、前記回転数が所定回転数までは回転数が小さくなるに従って駆動信号に大きなオフセットトルクを付加し、所定回転数よりも大きいときは回転数が大きくなるに従って駆動信号に大きなオフセットトルクを付加する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
以下、本発明の電動ポンプ装置を適用したパワーステアリング装置を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例1におけるパワーステアリング装置の全体構成を表すシステム図である。まず、構成について説明すると、1はステアリングホイール、2はステアリングシャフト、3はラック&ピニオン機構、5は運転者の操舵力をアシストするパワーステアリング機構、6は電動モータ6aにより駆動する外接ギア型の双方向ポンプ、7は操舵輪、8は運転者にステアリング系に故障が発生したことを報知するウォーニングランプ、10はコントロールユニット(特許請求の範囲に記載の電動モータ制御手段に相当)である。電動モータ6aはブラシレスモータであり、電動モータ回転角を検出する三つのホール素子からなる電動モータ回転数センサ6bが設けられている(特許請求の範囲に記載の回転測定手段に相当)。
パワーステアリング機構5の油圧源である双方向ポンプ6は、パワーシリンダ5a(特許請求の範囲に記載の油圧パワーシリンダに相当)の第1シリンダ室51及び第2シリンダ室52を連通する油圧管61上に設けられている。運転者がステアリングホイール1を操作すると、操作方向に応じて電動モータ6aの回転方向が切り換えられ、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52との間の油を給排することで運転者の操舵力をアシストする。具体的には、図中ステアリングホイール1を右に操舵すると、第2シリンダ室52から第1シリンダ室51に油圧が供給される方向に電動モータ6aが駆動することでラック軸54と一体に移動するピストン53を第2シリンダ室52側にアシストする。
油圧管61には、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52とを、双方向ポンプ6を介すことなく連通するバイパス回路62が設けられている。このバイパス回路62上には、コントロールユニット10からの指令信号に基づいて作動する電子制御式のフェールセーフバルブ4が設けられている。
このフェールセーフバルブ4は、コントロールユニット10からの指令信号により電圧が供給されると閉じた状態となり、電圧の供給がない状態では開いた状態となるノーマルオープン弁を用いている。これにより、ステアリング系に何らかの異常が発生し、電源の供給をシャットダウンした場合であっても、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52を連通状態とすることが可能となり、アシストトルク無しの通常の操舵を確保することができる。
また、ステアリングシャフト2には、運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサ12が設けられている(特許請求の範囲に記載の操舵負荷検出手段に相当)。
コントロールユニット10には、トルクセンサ12からの操舵トルク信号、イグニッションスイッチ13からのIGN信号、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数信号、車速センサ15からの車速信号、電動モータ回転数センサ6bからの電動モータ回転信号が入力される。これら入力された信号に基づいて、双方向ポンプ6の電動モータ6a、フェールセーフバルブ4及びウォーニングランプ8へ指令信号を出力する。
図2はコントロールユニット10内の構成を表すブロック図である。電源回路ウォッチドッグタイマ101は、電源11からの電圧信号、及びイグニッションスイッチ13からのIGN信号が入力され、メインマイコン107と信号を送受信する。
エンジン回転数処理回路102は、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数信号をメインマイコン107へ出力する。トルクセンサ処理回路103は、トルクセンサ12(特許請求の範囲に記載の操舵負荷検出手段に相当)からのトルク信号をメインマイコン107に出力すると共に、サブマイコン108へ出力する。車速信号処理回路104は、車速センサ15からの車速信号をメインマイコン107へ出力する。診断回路105は、コネクタ16を介して入力される診断信号をメインマイコンに出力する。CAN通信回路106は、車両系CANによって送信される信号をメインマイコン107に出力する。
サブマイコン108は、メインマイコン107を監視する。メインマイコン107にフェールが発生したときは、フェールセーフリレー109,フェールセーフバルブ駆動回路116及びウォーニングランプ駆動回路117へ制御信号を出力可能に構成されている。
フェールセーフリレー109は、何らかのフェールが発生したときは、電動モータ駆動用の電源供給を遮断する。EEPROM110は、制御に必要な各種データを格納すると共に、データを更新可能な構成となっている。フェールセーフリレー診断入力回路111は、フェールセーフリレー109の作動診断信号をメインマイコン107へ出力する。電動モータ駆動回路112は、メインマイコン107からの指令信号に基づいて電動モータ6aへ電圧を供給する。電流モニタ回路113は、電動モータ6aの電流値を検出し、メインマイコン107へ出力する。電動モータ端子電圧回路114は、電動モータ6aの端子電圧をメインマイコン107へ出力する。
電動モータ回転信号処理回路115は、電動モータ6aに設けられた3つのホール素子から回転数を推定し、推定された電動モータ6aの回転数をメインマイコン107へ出力する。尚、レゾルバ等を備えた場合は、絶対回転角を直接検出してもよい。
フェールセーフバルブ駆動回路116は、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、フェールセーフバルブ4に対し駆動信号を出力する。ウォーニングランプ駆動回路117は、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、ウォーニングランプ8に対し指令信号を出力する。
図3は実施例1におけるポンプユニットの構成を表す概略図である。まず構成について説明すると、油圧管61a,61b,61c,61dは、各シリンダ室51と双方向ポンプ6を接続する。バイパス油路62a,62a',62b,62b'は、油圧管61b,61cを連通する。リザーバタンク202a,202b,205は双方向ポンプ6へ油を供給すると共に、ドレンされた油を貯留する。尚、説明の都合上、複数のリザーバタンクがあるように示したが、リザーバタンクは1つ設ければよい。チェック弁201a,201bは、双方向ポンプ6により油圧が発生したときは閉じ、負圧が生じたときは開放する。
リターンチェック弁203の詳細については後述する。チェック弁204は、ドレンされた油をリザーバタンク205に供給する、ドレン油路63は、リターンチェック弁203とリザーバタンク205とチェック弁204を介して接続する。
ここで、リターンチェック弁203について説明する。リターンチェック弁203は、第1リターンチェック弁203aと、第2リターンチェック弁204aと、スプールバルブ210と、スプールバルブ210を中央に付勢するリターンスプリング206a,206bから構成されている。

第1リターンチェック弁203aには、油圧管61a,61bとの接続ポートを有する第1油圧室207aと、ドレン油路63とバイパス油路62a'との接続ポートを有する第1ピストン室208aが設けられている。同様に、第2リターンチェック弁203bには、油圧管61c,61dとの接続ポートを有する第2油圧室207b、ドレン油路63とバイパス油路62b'との接続ポートを有する第2ピストン室208bが設けられている。
スプールバルブ210には、リターンスプリング206aによる付勢力と、第1油圧室207aの油圧と、第1ピストン室208aの油圧により図中右側の付勢力が作用する。一方、反対側(図中左側)の付勢力として、リターンスプリング207aによる付勢力と、第2油圧室207bの油圧と、第2ピストン室208bの油圧が作用する。これによりスプールバルブ210の位置が決定される。
スプールバルブ210には、リターンスプリング206aによる付勢力と、第1油圧室207aの油圧と、第1ピストン室208aの油圧により図中右側の付勢力が作用する。一方、反対側(図中左側)の付勢力として、リターンスプリング207aによる付勢力と、第2油圧室207bの油圧と、第2ピストン室208bの油圧が作用する。これによりスプールバルブ210の位置が決定される。
図4は通常のトルクアシスト制御時における油の流れを表す図、図5はリターンチェック弁の動きを表す動作説明図である。尚、図4中、太実線は高油圧を示し、太点線は低油圧を示す。
(中立位置からの操舵時)
第1シリンダ室51の油圧と第2シリンダ室52の油圧が共に釣り合った位置からの操舵時について説明する。操舵開始時において、第1シリンダ室51の油圧と第2シリンダ室52の油圧は釣り合った状態である。運転者の操舵により、ラック軸54を図中右側にアシストするときは、双方向ポンプ6を駆動し、第2シリンダ室52へ油圧を供給する。すると、油圧管61c及び油圧管61dが高油圧となる。
この高油圧は、バイパス油路62b及び62d'にも供給され、第2ピストン室208bが高油圧となる。このとき、フェールセーフバルブ4は閉じられているため、図5(b)に示すように、第1ピストン室208aと第2ピストン室208b、及び第1油圧室207aと第2油圧室207bに差圧が生じ、スプールバルブ210を図5中左側に移動する。これにより、バイパス油路62a'とドレン油路63が連通され、第1シリンダ室51は大気解放された低油圧となる。この差圧を用いてトルクアシスト操舵を実行する。
[コントロールユニットの制御構成]
メインマイコン107には、トルクセンサ処理回路103からのトルク信号、電源回路ウォッチドックタイマ101(イグニッションスイッチ13及び電源11の信号に相当)からのイグニッション信号、車速信号処理回路104からの車速信号、電動モータ回転信号処理回路115からの電動モータ回転信号等が入力される。メインマイコン107内には、各信号に基づいて電動モータ6aの目標電動モータトルクT* を演算する目標電動モータトルク演算部70が設けられている。この目標電動モータトルクT* に対応した電流指令値が電動モータ駆動回路112に対して出力される。
図6は目標電動モータトルク演算部70の構成を表す制御ブロック図である。目標電動モータトルク演算部70は、操舵トルク,車速及び電動モータ回転数に基づいて第1目標電動モータトルクT1* を算出する第1目標電動モータトルク算出部71と、操舵トルクと電動モータ回転数に基づいて、電動モータ6aが0回転時からどちらに回転するか、すなわち、駆動方向を判断する駆動方向判断部72と、電動モータ回転数に基づいてオフセットトルクTofsを算出するオフセットトルク算出部73と、第1目標電動モータトルクT1*とオフセットトルクTofsとを加算する加算部75から構成されている。
第1目標電動モータトルク算出部71では、操舵トルクが大きいほどアシスト力を大きくし、また、車速が低いほどアシスト力が大きくなるように演算される。更に、操舵トルクの変化率が大きいときは、電動モータ自身の回転数増大に伴うイナーシャトルクを考慮して、例えば、電動モータ回転数を小さくするときは、電動モータ回転数が小さくなる方向のトルクを大きくし、また、電動モータ回転数を大きくするときは、電動モータ回転数が大きくなる方向のトルクを大きくする。
駆動方向判断部72では、先ず、モータ回転数が0かどうかを判断する。これは、モータ回転数が0のときは、オフセットトルクの値が正負において大きく異なるからである(図7参照)。尚、0に限定するものではなく、例えば、0を中心として正負両側に所定回転数の不感帯を設け、その範囲内にあるときは、オフセットトルクを算出しないようにしてもよく、特に限定しない。
そして、駆動方向を操舵トルクの方向から判断し、電動モータ6aの回転方向が右回転となると判断したときは、オフセットトルクTofsの初期値としてTrをセットする。一方、電動モータ6aの回転方向が左回転となると判断したときは、オフセットトルクTofsの初期値としてTlをセットする。
補正トルク算出部73では、電動モータ回転数センサ6bにより検出された電動モータ回転数から、図7に示すオフセットトルクマップに基づいて、オフセットトルクTofsを算出する。このオフセットトルクTofsは、低回転領域では徐々に小さくなるように設定され、中回転領域から高回転領域にかけては徐々に大きくなるように設定されている。
加算部75では、第1目標電動モータトルクT1* とオフセットトルクTofsを加算し、最終的な目標電動モータトルクT* として電流指令値を算出するブロックに出力する。
図8は目標電動モータトルク演算部70の制御内容を表すフローチャートである。
ステップ201では、第1目標電動モータトルクT1* を演算する。
ステップ202では、電動モータ6aの回転数が0か否かを判断し、0のときはステップ203へ進み、それ以外のときはステップ206へ進む。
ステップ203では、電動モータ回転方向が右回転かどうかを判断し、右回転と判断したときはステップ204へ進み、右回転用のオフセットトルク初期値としてTlをセットする。一方、それ以外、すなわち左回転と判断したときはステップ205へ進み、左回転用のオフセットトルク初期値としてTrをセットする。
ステップ206では、オフセットトルクTofsを図7に示すオフセットトルクマップより算出する。
ステップ207では、第1目標電動モータトルクT1* とオフセットトルクTofsを加算し、最終的な目標電動モータトルクT* を演算する。
上記制御処理による作用効果について、そもそも何故オフセットトルクを付与しなければならないかの観点から説明する。
図9は、ある回転数で定常駆動した場合の、モータ駆動トルクに対するポンプ吐出圧力の関係を表す特性図である。図9中、太い実線で示すのが理想特性、細実線が定常回転数500rpmにおける特性、一点鎖線が定常回転数200rpmにおける特性、点線が定常回転数4000rpmにおける特性を示す。尚、理想特性とは、モータ駆動トルクが発生した状態ですぐにポンプ吐出圧力が線形な関係を維持して発生する関係である。
図9に示すように、定常回転数を変化させた場合、それぞれモータ駆動トルクに対するポンプ吐出圧力のゲイン特性(傾き)は一致しており、それぞれの特性がオフセット値を持っていることが理解できる。更に、定常回転数を低回転から高回転に変化させた場合、ある回転数までは理想特性に対するオフセット量が減少するものの、更に定常回転数を高回転に変化させるとオフセット量が増大することが理解できる。
出願人は、上記研究結果に基づいて、図7に示すように、モータ回転数に応じて生じる駆動負荷を補正するために、オフセットトルクTrを回転数に応じて設定し、第1目標電動モータトルクT1*を補正することとした。図7に示すように、0から所定回転数NOまでは、回転数が小さくなるに従ってオフセットトルクを大きくし、所定回転数NOよりも大きな回転数の領域では、回転数が大きくなるに従ってオフセットトルクを大きくする。
図10はオフセットトルクによる補正なしのタイムチャート、図11は実施例1のオフセットトルクによる補正をした場合のタイムチャートである。尚、図10中、太い実線が補正処理無しの油圧が供給されたシリンダ室を表し、細い実線が補正処理無しの電動モータ回転数を表し、一点鎖線が目標トルク(目標のアシスト力)を表し、太い点線が外乱トルクを表す。
〔補正処理無しの場合〕
まず、補正処理を備えていない従来技術の場合の作用について説明する。
時刻t1において、運転者がステアリングホイール1を左側に操舵すると、操舵トルクが左側に上昇する。これに伴い、操舵トルクに応じた目標電動モータトルクが演算され、電動モータ6aに対し目標電動モータトルクT* に応じた電流指令値が出力され、電動モータ回転数及び第1シリンダ室51の圧力が上昇する。
一般に、操舵系は、運転者がステアリングホイール1に入力する操舵トルクと、各種フリクションと、パワーステアリング機構5によるアシスト力と、操舵輪7と路面との間に発生する路面反力による運動方程式が成り立っており、この運動方程式にのっとって操舵が実行される。
時刻t2において、例えば操舵輪7が転舵している路面に段差等が存在し、この段差を乗り越えるために、一瞬、操舵輪側からの外乱トルクが入力されると、時刻t1から時刻t2の間でステアリングホイール1と操舵輪7との力学的な関係の釣り合いが崩れる。これにより、双方向ポンプ6の吐出側において大きな負荷が発生し、電動モータ6aの回転を抑制する。回転数が低下すると、図9等で説明したようにポンプ吐出圧力が大きく低下してしまう。時刻t3において、段差等の乗り越えが終了し、外乱トルクが解消されると、再度電動モータ6aの回転数が上昇し、これに伴ってポンプ吐出圧力も増大する。
このように、ポンプ吐出圧力は、回転数の変化によって大きく影響を受けるため、運転者に違和感を与える虞がある。
〔補正処理有りの場合〕
次に、本実施例1の補正処理を備えた場合の作用について説明する。時刻t1において、運転者がステアリングホイール1を左側に操舵すると、操舵トルクが左側に上昇する。これに伴い、操舵トルクに応じた目標電動モータトルクが演算され、電動モータ6aに対し目標電動モータトルクに応じた電流指令値が出力され、第1シリンダ室51の圧力が上昇する。
時刻t2において、例えば操舵輪7が転舵している路面に段差等が存在し、この段差を乗り越えるために、一瞬、操舵輪側からの外乱トルクが入力されると、時刻t1から時刻t2の間でステアリングホイール1と操舵輪7との力学的な関係の釣り合いが崩れる。これにより、双方向ポンプ6の吐出側において大きな負荷が発生し、電動モータ6aの回転を抑制する。しかしながら、図7に示すように、回転数が低下すると、大きなオフセットトルクが付与され、ポンプのフリクション等に起因するポンプ吐出圧力の低下を抑制する。これにより、ポンプ吐出圧力が大きく低下することがなく、安定した操舵アシストを継続することができる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる構成についてのみ説明する。図12は目標電動モータトルク演算部70の構成を表す制御ブロック図である。実施例2では、油の温度を検出する温度センサ16を備え、この検出された油温をオフセットトルク算出部73に入力する。そして、この油温が油の粘性に与える影響を加味して、油温に基づいてオフセットトルクを設定するものである。
図13は、オフセットトルクマップを表す図である。図13に示すように、油温が高いときは、オフセットトルクが小さくなるように設定し、油温が低いときは、オフセットトルクが大きくなるように設定する。尚、油温が所定温度以上高くなると、粘性低下が大きくなりリークが増大することから、更に油温が高くなったときは、オフセットトルクを大きくする。
これにより、精度の高い電動モータ駆動制御を達成することが可能となり、安定したポンプ吐出圧を供給することができる。
上記実施例に基づく請求項以外の技術思想について下記に列挙する。
(1)補正手段であるオフセットトルク算出部73は、モータ回転数に応じて変化する負荷トルクを打ち消すオフセットトルク値を備えていることとした。これにより、外乱トルク等に起因して回転数が変動し、負荷トルクが変化したとしても、安定したポンプ吐出圧力を出力することができる。尚、このオフセットトルク特性は、図7に示すように、0から所定回転数NOまでは、回転数が小さくなるに従ってオフセットトルクを大きくし、所定回転数NOよりも大きな回転数の領域では、回転数が大きくなるに従ってオフセットトルクを大きくするものである。
(2)装置内の油の温度を検出する油温検出手段として油温センサ16を備え、測定された油温に応じてオフセットトルクを補正することとした。双方向ポンプ6の駆動フリクションに影響する油の特性は、温度依存性があるため、油温に応じてオフセットトルクを補正することで、より適切な電動モータ6aを制御することができる。尚、油温検出手段として油温センサ16を設けた例を示したが、例えば駆動時の電動モータ電流値等を測定し、この電流値から油温の推定してもよい。
(3)電動モータ6aは駆動軸の回転位置を検出する位置センサを有するブラシレスモータであり、この位置センサの出力信号に基づいて電動モータ6aの回転速度を推定することとした。よって、電動モータ6aや双方向ポンプ6の回転速度を直接検出するセンサ等を別途設ける必要がない。
以上、各実施例について説明したが、例えば、可逆式ポンプによって油圧パワーシリンダに液圧を供給するパワーステアリング装置に限らず、一方向ポンプによって油圧パワーシリンダに液圧を供給するものに搭載される電動モータに適用しても良い。
また、オフセットトルク算出部73はオフセットトルクマップからオフセットトルクを算出するようにしたが、負荷特性関数等を設定し、演算によりオフセットトルクを算出するようにしてもよい。
実施例1におけるパワーステアリング装置のシステム構成図である。 実施例1におけるコントロールユニット内の構成を表すブロック図である。 実施例1におけるポンプユニットの構成を表す概略図である。 実施例1における通常のトルクアシスト制御時における油の流れを表す図である。 実施例1におけるリターンチェック弁の動きを表す動作説明図である。 実施例1における目標電動モータトルク演算部の構成を表す制御ブロック図である。 実施例1におけるオフセットトルクマップを表す図である。 実施例1における電動モータ駆動制御内容を表すフローチャートである。 実施例1における双方向ポンプの回転数別に測定されたモータ駆動トルクとポンプ吐出圧との関係を表す特性図である。 従来技術における補正処理無しの場合を表すタイムチャートである。 実施例1における補正処理を行った場合を表すタイムチャートである。 実施例2における目標電動モータトルク演算部の構成を表す制御ブロック図である。 実施例2におけるオフセットトルクマップを表す図である。
符号の説明
1 ステアリングホイール
5 パワーステアリング機構
5a パワーシリンダ(油圧パワーシリンダ)
6 双方向ポンプ
6a 電動モータ
6b 電動モータ回転数センサ
7 操舵輪
10 コントロールユニット
73 オフセットトルク算出部
115 電動モータ回転信号処理回路

Claims (1)

  1. 操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    前記油圧パワーシリンダの圧力室に対し油圧を供給するポンプと、
    前記ポンプを駆動する電動モータと、
    前記操舵輪を転舵制御するステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、
    前記操舵負荷に基づき、所望の油圧を発生させるために前記電動モータに対して駆動信号を出力する電動モータ制御手段と、
    前記ポンプまたは前記電動モータの回転数を測定する回転数測定手段と、
    前記回転数測定手段により測定された回転数に基づいて、前記回転数が所定回転数までは回転数が小さくなるに従って駆動信号に大きなオフセットトルクを付加し、所定回転数よりも大きいときは回転数が大きくなるに従って駆動信号に大きなオフセットトルクを付加する補正手段と、
    を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
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