JP5235741B2 - パワーステアリング装置の異常診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーステアリング装置の異常診断装置の技術分野に関する。
従来、パワーステアリング装置の異常診断に係る技術として特許文献1が開示されている。この公報には、メインマイコンとサブマイコンとを備え、マイコン間通信により相互にデータを送受信し、データ受信側マイコンはデータの受信が定期的にあるかどうかを判定し、定期的にデータ受信していないときに、送信側のマイコンが異常であると判定する。更に、受信したデータ自身を判定してそのデータが異常であれば送信側のマイコンが異常であると判定する。相互のマイコンで、受信周期、受信データが異常と判定した場合にはフェイルセーフ処理を実施する(アシスト停止)。
特開2003−26024号公報
上述の特許文献1に記載の異常診断装置では、以下に示す課題があった。すなわち、通信は基本的に信頼性が低いため、外部ノイズの影響によりデータの異常誤診断を招きやすく、マイコンが正常で信号データが短時間だけ異常の場合でもアシストを停止ししてしまい、乗員の操舵に違和感を与えてしまう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、診断精度を向上させてアシストが不要に停止することを抑制可能なパワーステアリング装置の異常診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、データに基づき制御プログラムの異常を検出する第1異常検出部と、制御プログラムの実行開始の契機となる第1タイミング信号の状態変化を、制御プログラムが実行されているときは許可し、制御プログラムが実行されていないときは許可しないように構成された第1状態変化許可部と、第1タイミング信号に基づき制御プログラムの異常を検出する第2異常検出部とを設けると共に、第1異常検出部と第2異常検出部の両方が制御プログラムの異常を検出したときに制御プログラムの実行を停止し、第1異常検出部と第2異常検出部のいずれか一方のみが制御プログラムの異常を検出したときは制御プログラムを継続して実行させる異常判断部を設けた。
第1タイミング信号は制御プログラムが実行されたときのみ状態変化が許可されるため、制御プログラムが実行されていないときには第1タイミング信号に異常が生じる。よって、第2異常検出部が異常を検出しない場合には、制御プログラムが実行されたことを意味する。従って、第1異常検出部と第2異常検出部の両方が異常を検出したときのみ制御プログラムの実行を停止し、一方のみが異常を検出した場合には制御プログラムの実行を継続することで、パワーステアリング装置の制御範囲を拡大することができ、アシストが不要に停止されることを抑制することができる。
実施例1のパワーステアリング装置の異常診断装置が適用された車両システムを表す概略図である。 実施例1のコントロールユニット内の構成を表すブロック図である。 実施例1のメインマイコンのブロック図である。 実施例1のサブマイコンのブロック図である 実施例1の制御プログラム動作のタイミングとPRUN信号の動作のタイミングを表すタイムチャートである。 実施例1の異常判断部の制御内容を表すフローチャートである。 実施例1のメインマイコンの異常判断部において判断された際の結果をまとめた表である。 実施例1のサブマイコンの異常判断部において判断された際の結果をまとめた表である。 実施例1のメインマイコンのフェイルセーフ処理を表すフローチャートである。 実施例1のメインマイコンのトルクリミッタのセレクトロー処理を表すフローチャートである。 実施例2の異常判断部の制御内容を表すフローチャートである。 実施例3の異常判断部の制御内容を表すフローチャートである。 実施例3の漸減処理を表すタイムチャートである。
図1は実施例1のパワーステアリング装置の異常診断装置が適用された車両システムを表す概略図である。操舵系には、ステアリングホイール1と、コラムシャフト2と、ユニバーサルジョイント3と、中間シャフト4と、ユニバーサルジョイント5と、トルクセンサ6と、ピニオン7と、ラック8とを有する。ラック8には、一対のパワーシリンダ9が設けられ、このパワーシリンダ9にはパワーステアリング装置が取り付けられている。
乗員がステアリングホイール1を回転する操舵トルクは、コラムシャフト2,ユニバーサルジョイント3,中間シャフト4,ユニバーサルジョイント5を介してトルクセンサ6で検出されてトルクセンサハーネス34によりコントロールユニット33に入力される。操舵トルクはピニオン7に伝達されてラック8を左右に動かす推力の一部となる。モータ回転センサ32はブラシレスモータ31の電気角を検出してモータ回転センサハーネス35によりコントロールユニット33に電気角信号を入力する。コントロールユニット33はトルクセンサハーネス34により入力されたトルク信号と車速センサ38により検出された車速信号に基づいてモータ31に通電する電流と左右回転方向を算出し、モータ回転センサハーネス35により入力された電角信号に基づいてモータ制御に必要な演算を行ってモータ駆動に必要な電力をバッテリ40からモータ31に供給する。
モータ31はコントロールユニット33から供給された電力により双方向ポンプ20を回転駆動する。右操舵時にはパワーシリンダ9とラック8に嵌装固定されたピストン10及びガイドシール12で囲まれた左側圧力室14から左側配管19を通って流れて来るオイルを双方向ポンプ20が吸引,加圧して右側配管18,及びパワーシリンダ9とピストン10,ガイドシール11に囲まれた右側圧力室13内に供給する。双方向ポンプ20の吸引によって左側圧力室14内の圧力が低下し、略大気圧のリザーバタンク23との間に差圧が発生し、左側吸入チェックバルブ22が開いてリザーバタンク23から作動油が双方向ポンプ20により更に吸入加圧されて右側圧力室13に供給される。双方向ポンプ20によって加圧された作動油を供給された右側圧力室13の圧力は増加し、左側圧力室14との間で発生した圧力差によってピストン10を押圧し、油圧アシスト力を発生する。この油圧アシスト力と操舵トルクで発生した推力でポールジョイント15,タイロッド16を介してタイヤ17を右側に転向する。
双方向ポンプ20によって加圧された圧油はパイロット流路26を通って左側切替弁25を動作させ、左側配管19とドレイン流路28を連通する。次に操舵方向を右側から左側に反転操舵すると、右側圧力室13内の作動油はピストン10に押されて双方向ポンプ20を介して左側配管19を通って左側圧力室14内に流入する。この時、左側切替弁25は左側配管19とドレイン流路28を連通状態としているため、右側圧力室13を加圧するのに使った油量のうち、左側圧力室14内の設定背圧に必要な油量以外は背圧バルブ29が開弁してリザーバタンク23に排出される。そのまま左操舵を続けると、双方向ポンプ20が右側圧力室13内の圧油を左側圧力室14に供給し続けて右側圧力が低下し、パイロット流路26内の圧力も低下して左側切替弁25が左側配管19とドレイン流路28の連通を遮断する。
左側切替弁25が左側配管19とドレイン流路28の連通を遮断した後、左側圧力室14は加圧され、双方向ポンプ20によって作動油が吸引されて圧力の低下した右側圧力室13と略大気圧のリザーバタンク23の間で差圧が発生すると、右側吸入チェックバルブ21が開弁して更に作動油が吸引加圧されて右側圧力室14内に供給される。双方向ポンプ20によって加圧された作動油を供給された左側圧力室14の圧力は増加し、右側圧力室13との間で発生した圧力差によってピストン10を押圧する油圧アシスト力を発生する。この油圧アシスト力と操舵トルクで発生した推力でポールジョイント15,タイロッド16を介してタイヤ17を左側に転向する。
連通バルブ41はノーマルオープンの電磁弁であってアシスト制御中はコントロールユニット33からの駆動信号によって常時閉じている。コントロールユニット33がシステムの異常を検出した場合には、アシストを停止するとともに連通バルブ41の駆動信号を停止し、右側操舵時には左側圧力室14内の作動油がピストン10によって押し出され、左側配管19,左側チェックバルブ43,連通バルブ41を通りリザーバタンク23に排出される。左側操舵中であれば右側圧力室13内の作動油がピストン10によって押し出され、右側配管18,右側チェックバルブ42,連通バルブ41を通ってリザーバタンク23に排出される。
次にコントロールユニット33の構成を説明する。図2はコントロールユニット33内の構成を表すブロック図、図3はメインマイコン203のブロック図、図4はサブマイコン204のブロック図である。車両イグニッションスイッチ201がONされると、コントロールユニット電源回路202にイグニッション信号37から電源が供給される。コントロールユニット電源回路202はマイコン用の電源を含む回路内の定電圧、例えば5[V]の電源をメインマイコン203(第1チップ),サブマイコン204(第2チップ)にライン202aから供給する。続いてマイコンリセット信号を202bから出力する。メインマイコン203とサブマイコン204は、ライン202aから電源供給を受けると共に、マイコンリセット信号202bの入力により動作を開始する。メインマイコン203及びサブマイコン204はいずれもマイクロコントローラユニットと呼ばれるワンチップのIC(集積回路)であり、いわゆるCPU,ROM,RAMなどのマイコンの構成要素や、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータや、内部WDT回路等を含むものであり、外部もしくは内部のクロック信号に基づいて作動する。また、制御プログラム記憶部2031,2041が設けられ、制御プログラムが書き込まれたメモリ回路等を内蔵している。
メインマイコン203は、モータ電源リレー205を駆動してモータ31に電力を供給するリレー駆動回路の駆動信号211aを出力する。また、メインマイコン203は、連通バルブ41を駆動する連通バルブ駆動回路210に駆動信号210aを出力する。更に、ブラシレスDCモータ31を駆動する電力を供給するインバータを駆動するインバータ駆動回路、一般にはプリドライバと呼称される回路の動作を許可するイネーブル信号206aを出力する。
一方サブマイコン204もメインマイコン203と同様にモータ電源リレー205の駆動用信号211b,連通バルブ41の駆動信号210b,インバータ駆動回路の動作許可信号206bをそれぞれ出力する。
モータ電源リレー駆動回路211,インバータ駆動回路206,連通バルブ駆動回路210は、何れもメインマイコン203とサブマイコン204の2信号によるAND論理でモータ電源リレー205,インバータ207,連通バルブ41を駆動してパワーアシストが可能になる様に構成してある。
一方、メインマイコン203が図示しない各回路の故障検出手段によって、例えばモータ回転センサ32の故障を検出した場合や、サブマイコン204がメインマイコン203の故障を検出した場合にはNAND論理によりモータ電源リレー駆動回路211,インバータ駆動回路206,連通バルブ駆動回路210を停止してパワーアシストを停止し、いわゆるフェイルセーフ処理を実施する。このフェイルセーフ処理については後述する。
メインマイコン203は、制御プログラムの実行に基づいて第1タイミング信号の状態変化を許可もしくは禁止する第1状態変化許可部2034と、自身のプログラムが周期的に動作している事を表す定周期のパルス信号(以下PRUN信号 = Program RUN pulse信号 と呼称する)を作成する第1タイミング信号生成部2032と、この第1タイミング信号をサブマイコン204に出力する第1タイミング信号通信部2035を有する。更にメインマイコン203は第1データ通信部2036を有し、通信ライン203bによりサブマイコン204に周期的にデータ(以下、第1データ)を送信する。サブマイコン204は、メインマイコン203と同様に制御プログラムの実行に基づいて第2タイミング信号の状態変化を許可もしくは禁止する第2状態変化許可部2044と、自身のプログラムが周期的に動作している事を表すPRUN信号を作成する第2タイミング信号生成部2042と、この第2タイミング信号をメインマイコン203に出力する第2タイミング信号通信部2045を有する。尚、サブマイコン204側には第2状態変化許可部2044はあってもなくても構わない。
ここで、メインマイコン203及びサブマイコン204のそれぞれにおいて実行される第1及び第2タイミング信号生成部2032,2042及び第1及び第2状態変化許可部2034,2044について説明する。図5は制御プログラム動作のタイミングとPRUN信号の動作のタイミングを表すタイムチャートである。メインマイコン203又はサブマイコン204に内蔵しているタイマ2033,2043を所定のカウント値(図5では1[ms]相当)までカウントする。タイマ2033,2043は所定のカウント値(1[ms]相当)となったら、初期値を例えば"0"に再設定する。また、タイマ2033,2043のカウント開始と同時に所定の定周期JOB(図5では1[ms]毎に実施する定周期のJOB(プログラム))を実行する。このJOBが実行されると、実行されたことを表す信号等が出力され、タイマカウント値が所定値(1[ms]相当)となった時に、PRUN信号をHiであればLoに、LoであればHiに反転する。このPRUN信号の反転が、JOBの実行開始の契機となるプログラム実行信号を意味する。
更にサブマイコン204は通信ライン204bによりメインマイコン203に周期的にデータ(以下、第2データ)を送信する第2データ通信部2046を有する。
メインマイコン203及びサブマイコン204には、第1データ及び第2データに基づいて制御プログラムの異常を検出する第1異常検出部2037,2047と、第1タイミング信号及び第2タイミング信号に基づいて制御プログラムの異常を検出する第2異常検出部2038,2048と、第1異常検出部2037,2047及び第2異常検出部2038,2048の検出結果に応じて制御プログラムの実行の停止・継続を判断する異常判断部2039,2049を有する。尚、詳細については後述する。
メインマイコン203は、トルクセンサハーネス34から入力したトルク信号と車速信号38,エンジン回転信号39等を使ってモータのアシストトルクを算出し、更にトルク信号の微分値やモータ回転センサ32の信号により作成したモータ回転信号等により補正信号を重畳し、更に、後述するセレクトロー処理部2030により設定されたトルクリミッタ値等に基づいて、電流検出回路から出力されたモータ相電流Iu, Iv, Iw及びモータ回転センサ32により検出されたモータ回転位置情報を使って電流フィードバック制御量を算出し、インバータ駆動信号、いわゆるPWM信号212をインバータ駆動回路206に出力する。
インバータ駆動回路206は、メインマイコン203から出力されるPWM信号212に基づいてインバータ207を構成するスイッチング素子、いわゆるFET(電界効果トランジスタ)をON/OFFするゲート信号206aを出力する。インバータ207はインバータ駆動回路からのゲート信号206aに基づいてバッテリ40からの電力をDCブラシレスモータ31にU相, V相, W相の各相にモータハーネス36から通電する。
連通バルブ41の駆動電流は電流センサ41aによって検出された電流Icをメインマインコ203がPID制御によるフィードバック制御により一定電流となるようにPWM駆動する。メインマイコン203の連通バルブ駆動信号210aはPWM信号であって、サブマイコン204の210bはイネーブル信号となる。
(異常判断部における処理)
次に、メインマイコン203及びサブマイコン204で行われる異常判断部2039,2049の制御処理について説明する。図6は実施例1の異常判断部の制御内容を表すフローチャートである。尚、図7はメインマイコン203の異常判断部において判断された際の結果をまとめた表、図8はサブマイコン204の異常判断部において判断された際の結果をまとめた表である。サブマイコン204において設定されるアシストリミット値は通信によりメインマイコン203側に送信されるものとする。以下、図7,8の表を参酌して説明する。
ステップ401では、メインマイコン203側にあってはサブマイコン204のPRUN信号が正常かどうかを診断し、サブマイコン204側にあってはメインマイコン203のPRUN信号が正常かどうかを診断する(第2異常検出部2038,2048において行われる処理)。正常であればステップ402に進み、異常であればステップ407に進む。ここでPRUN信号の異常は、所定時間パルスのHi/Loレベルが変化しない、HiからLo, LoからHiにエッジが変化しない、又はエッジ間隔が所定周期から所定の値以上もしくは所定の値以下ずれている状態を検出して診断する。
ステップ402では、通信周期が正常かどうか診断する(第1異常検出部2037,2047において行われる処理)。正常で有ればステップ403に進み、異常であればステップ404に進む。
ステップ403では、アシストリミットを100%に設定し、処理を終了する。ここで、図7,8に示すように、PRUN信号が正常、且つ、通信周期が正常であればデータが正常/異常に係わらずアシストリミットは100%となる。アシストリミット100%とは、アシストトルクを制限しないという意味である。
ステップ404では、PRUN信号が正常、且つ、通信周期が異常の場合に受信データが正常かどうかを診断する(第1異常検出部2037,2047において行われる処理)。受信データが正常であればステップ405に進み、異常であれば406に進む。ここで通信データが正常かどうかは、予め設定してメインマイコン203(もしくはサブマイコン204)が保持している1つ以上のデータと、サブマイコン204から送信されてきたデータ(もしくはメインマイコン203から送信されてきたデータ)が一致しているかどうかを比較したり、送信データのサム値を計算して一致しているかどうかで異常を診断する。
ステップ405では、アシストリミットを70%に設定し、処理を終了する。尚、この処理がサブマイコン204の異常判断部でなされた場合には、メインマイコン203においてアシストリミットが70%に設定されると共に、図8に示すように通信によりメインマイコン203に異常を通知する。
ステップ406では、PRUN信号は正常であるがデータ通信の周期,データ共に異常であるため、アシストリミットを0%(アシスト停止を意味する)に設定して処理を終了する。この判断は、メインマイコン203の異常判断部で判断された場合、図7に示すようにメインマイコン203がアシストを停止する。一方、サブマイコン204の異常判断部で判断された場合、図8に示すようにサブマイコン204がアシストを停止する。
ステップ401では、PRUN信号の異常と診断され(第2異常検出部2038,2048において行われる処理)、ステップ407に進んで来た場合には、通信周期が正常かどうかを診断し(第1異常検出部2037,2047において行われる処理)、正常であればステップ408に進み、異常であればステップ410に進む。
ステップ408では、受信データが正常かどうか診断し(第1異常検出部2037,2047において行われる処理)、正常であればステップ409に進み、異常であればステップ410に進む。
ステップ409では、アシストリミットを70%に設定し、処理を終了する。尚、この処理がサブマイコン204の異常判断部でなされた場合には、メインマイコン203においてアシストリミットが70%に設定されると共に、図8に示すように通信によりメインマイコン203に異常を通知する。
ステップ410では、アシストリミットを0%に設定し、処理を終了する。すなわち、メインマイコン203もしくはサブマイコン204がアシストを停止する。
(フェイルセーフ処理)
次にフェイルセーフ処理の方法を説明する。図9はメインマイコンのフェイルセーフ処理を表すフローチャートである。
ステップ501では、フェイルセーフ処理中フラグFSFLAGが0かどうか調べる。0であればフェイルセーフ中ではないためステップ502に進み、1であれば既にフェイルセーフ中であるため、処理を終了する。
ステップ502では、アシストリミットが0%であるかどうかを調べ、0%であればステップ503へ進み、そうでなければステップ509に進む。
ステップ503では、異常カウンタを1インクリメントし、ステップ504に進む。
ステップ504では、異常カウンタと所定値を比較し、異常カウンタ≧所定値であればステップ505に進み、異常カウンタ<所定値であれれば処理を終了する。
ステップ505では、インバータ駆動信号をOFFにしてステップ506に進み、ステップ506ではモータ電源リレー駆動信号をOFFにしてステップ507に進み、ステップ507では連通バルブ駆動信号をOFFにしてフェイルセーフ処理を実施する。
ステップ508では、フェイルセーフ処理中フラグFSFLAG = 1に設定して処理を終了する。
ステップ502においてアシストリミットが0%以上であった場合にはステップ509に進み、ステップ509で異常カウンタを0に設定して処理を終了する。
(トルクリミッタのセレクトロー処理)
次に、メインマイコン203に設けられたセレクトロー処理部2030におけるトルクリミッタのセレクトロー処理について説明する。図10はメインマイコンのトルクリミッタのセレクトロー処理を表すフローチャートである。
ステップ601では、電圧依存リミッタ値を算出し、ステップ602に進む。電圧依存リミッタ値とは、低電圧時に大電流を通電してシステムが遮断するのを防止するためのリミッタである。
ステップ602では、温度依存リミッタ値を算出し、ステップ603に進む。温度依存リミッタ値とは、大電流の連続通電によりコントロールユニットが熱破壊するのを防止するためのリミッタである。
ステップ603では、車速依存リミッタ値を算出し、ステップ604に進む。車速依存リミッタ値とは、高速走行時に大きなアシストトルクを発生してオーバーアシストとなるのを防止するためのリミッタ値である。
ステップ604では、通信で受信したサブマイコン204で設定されたサブマイコントルクリミッタ値を読み込み、ステップ605に進む。
ステップ605では、セレクトローの仮の値(初期値)としてminに電圧依存リミッタ値を設定する。
ステップ606では、min値(この時点では電圧依存リミッタ値が代入されている)と温度依存リミッタ値を比較し、温度依存リミッタ値<min値であればステップ607に進み、温度依存リミッタ値≧minであればステップ608に進む。
ステップ607では、minに温度依存リミッタ値を代入し、ステップ608に進む。
ステップ608では、車速依存リミッタ値と、この時点での電圧依存リミッタ値と温度依存リミッタ値のセレクトローであるminを比較する。車速依存リミッタ値<minであればステップ609に進み、車速依存リミッタ値≧minであればステップ610に進む。
ステップ609では、minに車速依存リミッタ値を代入し、ステップ610に進む。
ステップ610では、サブマイコントルクリミッタ値とminを比較し、サブマイコントルクリミッタ値<minであればステップ611に進んで最終段のトルクリミッタとしてサブマイコントルクリミッタ値を採用する。サブマイコントルクリミッタ値≧minであればステップ612に進み、最終段のトルクリミッタとしてminを採用する。
尚、異常判断部2039,2049において何らかの異常が検出された場合、直前のイグニッションスイッチを入れる操作から直後のイグニッションスイッチを切る操作の間において、パワーステアリング装置の出力を継続して制限し、この後、更にイグニッションスイッチを入れる操作がなされたとき、パワーステアリング装置の出力の制限をリセットする。これにより、イグニッションスイッチが切られて、再度イグニッションスイッチが入れられた場合には、制御プログラムの異常状態が解消している可能性があるため、この場合には、一旦出力制限を解除することにより、運転者の操舵負荷の低減を図る。
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得られる。
(1)パワーステアリング装置用の診断装置であって、集積回路であるメインマイコン203(第1チップ)と、メインマイコン203とは別に設けられた集積回路であるサブマイコン204(第2チップ)と、メインマイコン203に設けられ車両搭載機器を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶部2031と、メインマイコン203に設けられ、制御プログラムの異常を検出するための第1データをサブマイコン204に出力する第1データ通信部2036と、サブマイコン204に設けられ、制御プログラムの異常を検出するための第2データをメインマイコン203に出力する第2データ通信部2046と、メインマイコン203及びサブマイコン204に設けられ、第1データ及び第2データに基づき制御プログラムの異常を検出する第1異常検出部2037,2047と、メインマイコン203に設けられ、所定の周期で状態が変化しこの状態の変化が制御プログラムの実行開始の契機となるプログラム実行信号を生成する第1タイミング信号生成部2032と、メインマイコン203に設けられ、第1タイミング信号をサブマイコン204に出力する第1タイミング信号通信部2035と、サブマイコン204に設けられ、所定の周期で状態が変化する信号を生成する第2タイミング信号生成部2042と、サブマイコン204に設けられ、第2タイミング信号をメインマイコン203に出力する第2タイミング信号通信部2045と、メインマイコン203に設けられ、制御プログラムの実行に基づき第1タイミング信号の状態変化を許可する第1状態変化許可部2034と、メインマイコン203及びサブマイコン204に設けられ、第1タイミング信号及び第2タイミング信号に基づき制御プログラムの異常を検出する第2異常検出部2038,2048と、メインマイコン203及びサブマイコン204に設けられ、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048の両方が制御プログラムの異常を検出したときは制御プログラムの実行を停止し、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048のいずれか一方のみが制御プログラムの異常を検出したときは制御プログラムを継続して実行させる異常判断部2039,2049とを有する。
第1タイミング信号が状態変化したときに制御プログラムが実行されるため、第1タイミング信号の状態変化がないときは、制御プログラムは実行されない(次の周期のプログラム動作が始まらない)。よって、第2異常検出部2038,2048が異常を検出しない場合には、制御プログラムが実行されたことを意味する。従って、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048の両方が異常を検出したときのみ制御プログラムの実行を停止し、一方のみが異常を検出した場合には制御プログラムの実行を継続することにより、パワーステアリング装置の制御範囲を拡大することができる。
(2)異常判断部2039,2049は、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048のいずれか一方のみが制御プログラムの異常を検出したとき、パワーステアリング装置の出力を制限し制御プログラムを継続して実行させる。すなわち、継続制御する場合であっても、出力を制限することにより、より装置使用における安全性を高めることができる。
(3)異常判断部2039,2049は、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048のいずれか一方のみが制御プログラムの異常を検出したとき、直前のイグニッションスイッチを入れる操作から直後のイグニッションスイッチを切る操作の間において、パワーステアリング装置の出力を継続して制限し、この後、更にイグニッションスイッチを入れる操作がなされたとき、パワーステアリング装置の出力の制限をリセットする。これにより、イグニッションスイッチが切られて、再度イグニッションスイッチが入れられた場合には、制御プログラムの異常状態が解消している可能性があるため、この場合には、一旦出力制限を解除することにより、運転者の操舵負荷の低減を図ることができる。


(4)(7)異常判断部2039,2049は、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048のいずれか一方のみが制御プログラムの異常を検出したときであって、かつ異常判断部2039,2049以外によってパワーステアリング装置の出力制限が行われる場合は、出力制限量の大きい側の出力制限量によってパワーステアリング装置の出力を制限し制御プログラムを継続して実行させることとした(セレクトロー処理部2030)。同時に異なる2以上の異常診断によって出力制限がかかる場合、一方のみの出力制限量に基づき出力制限を行うことにより、過剰に出力制限されることが無い。また、出力制限量の大きい側の出力制限量に基づき出力制限を行うため、より安全性を高めることができる。
(5)(8)第1異常検出部2037,2047は、第1データまたは第2データの信号の有無によって第1データまたは第2データの異常を検出することで、簡便に異常を検出することができる。
(6)(9)第1異常検出部2037,2047は、第1データの値と第2データの値の一致、不一致によって第1データまたは第2データの異常を検出することで、より精度の高い異常検出を行うことができる。
(7)(10)第1タイミング信号生成部2032によって生成されるプログラム実行信号は、制御プログラムの演算に用いられるため、精度の高い周期信号を制御プログラムの演算に用いることにより、制御プログラムの演算精度を高めることができる。
(8)(11)制御プログラムの実行期間は、第1タイミング信号生成部2032によって生成されたプログラム実行信号の状態変化周期より短いため、次の制御プログラムの実行の前に前の制御プログラムが完了しているため、演算装置の負荷を軽減することができる。
次に実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図11は実施例2の異常判断部の制御内容を表すフローチャートである。実施例1では走行状態に係らずアシストリミットを設定していた。これに対し、実施例2では、車両が停止もしくは極低速を表す領域では、アシストを継続し、走行中を表す領域では、アシストを停止するものである。
ステップ701では、受信データが正常か否かを判断し、正常なときはステップ403に進み、異常のときはステップ702に進んでアシストリミットを100%に設定する。ステップ702,ステップ405,ステップ409でアシストリミットとして0%以外が設定されている場合には、ステップ703に進み、車速が例えば10km/hより大きいか否かを判断する。車速が大きいときは走行中であると判断してステップ704に進み、アシストリミットを0%に設定し、車速が小さく停止もしくは極低速のときはそのまま制御を継続する。
(9)(6)異常判断部2039,2049は、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048のいずれか一方のみが制御プログラムの異常を検出したとき、車両走行中はパワーステアリング装置の制御を停止し、所定車速以下の極低速もしくは車両停車中はパワーステアリング装置の出力を制限して制御プログラムを継続して実行する。走行中はアシストが無くても負荷が小さいため操舵に支障は無く、また、安全性の面からセルフステアを回避するためにもアシストを停止する。一方、停車中や極低速のときは負荷が大きいためアシストを継続する。万が一セルフステアが発生したとしても、車速が出ていないため、車両が意図しない方向に旋回することはなく、安全性は保たれる。
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため異なる点についてのみ説明する。図12は実施例3の異常判断部の制御内容を表すフローチャートである。実施例1ではアシストリミットとして70%を設定すると、即座に70%を出力することで制限を行っていた。これに対し、実施例3ではトルクリミッタを漸減させるものである。尚、図12ではステップ404以降に漸減処理を適用した例のみ示すが、ステップ409以降に同様の漸減処理を適用できることは言うまでもない。
ステップ801では、カウンタのカウント値countが所定値以上か否かを判断し、所定値以上のときはステップ802に進み、それ以外のときはステップ805に進んでカウンタのカウントアップを行う。
ステップ802では、カウント値countが所定値に達していることから、アシストリミットが70%よりも大きいか否かを判断し、大きいときはステップ803に進んで所定%Δxだけ漸減する。この処理をアシストリミットが70%を下回るまで継続し、ステップ804においてアシストリミットが70%を下回ったと判断したときは、ステップ405に進んでアシストリミットを70%に設定して本制御フローを終了する(アシストリミットを70%とするロワーリミッタ処理)。
図13は実施例3の漸減処理を表すタイムチャートである。時刻t1において異常判断がなされるとカウントアップを開始する。時刻t2において、カウント値countが所定時間に到達すると、トルクリミッタの漸減が行われ、時刻t3において、トルクリミッタが70%未満になると、トルクリミッタが70%に設定される。
(10)(5)異常判断部2039,2049は、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048のいずれか一方のみが制御プログラムの異常を検出したとき、この異常の検出から所定時間経過後、パワーステアリング装置の出力を漸減することで、運転者は装置の異常を感知することができ、かつ、出力の急激な変化による操舵違和感を抑制することができる。
以上、実施例1〜3に基づいて説明してきたが、実施例に限らず他の構成も本発明に含まれる。以下、その例を列挙する。
(11)(4)パワーステアリング装置は、転舵輪に操舵力を付与し、一対の油圧室13,14を有するパワーシリンダ9と、一対の油圧室13,14に選択的に作動液を供給する双方向ポンプ20(可逆式ポンプ)と、双方向ポンプ20と一対の油圧室13,14の夫々とを接続する右側配管18(第1油路)及び左側配管19(第2油路)と、双方向ポンプ20を回転駆動するブラシレスモータ31(電動モータ)と、運転者の操舵状態に応じてブラシレスモータ31を駆動制御するインバータ駆動回路206(モータ制御回路)と、右側配管18と左側配管19との連通、遮断を切り替える連通バルブ41(連通弁)と、を備え、異常判断部2039,2049は、第1異常検出部2037,2047と第2異常検出部2038,2048のいずれか一方のみが制御プログラムの異常を検出したとき、連通バルブ41の通電電流Icを制御し、連通バルブ開弁量を制御して、右側配管18と左側配管19とを連通させることにより、パワーステアリング装置の出力を制限することとしてもよい。すなわち、少なくとも第1または第2異常検出部の一方が異常と判断している状態においては、ブラシレスモータ31の制御によって出力を制限することより、連通バルブ41の開閉によって出力制限をするほうが、出力制限をより確実に行うことができる。
また、パワーステアリング装置以外の車両搭載機器に適用した場合には下記のように表される。
(12)車両搭載機器の異常診断装置であって、
集積回路である第1チップと、
前記第1チップとは別に設けられた集積回路である第2チップと、
前記第1チップに設けられ、車両搭載機器を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶部と、
前記第1チップに設けられ、前記制御プログラムの異常を検出するための第1データを前記第2チップに出力する第1データ通信部と、
前記第2チップに設けられ、前記制御プログラムの異常を検出するための第2データを前記第1チップに出力する第2データ通信部と、
前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1データ及び第2データに基づき前記制御プログラムの異常を検出する第1異常検出部と、
前記第1チップに設けられ、所定の周期で状態が変化しこの状態の変化が前記制御プログラムの実行開始の契機となるプログラム実行信号を生成する第1タイミング信号生成部と、
前記第1チップに設けられ、前記第1タイミング信号を前記第2チップに出力する第1タイミング信号通信部と、
前記第2チップに設けられ、前記所定の周期で状態が変化する信号を生成する第2タイミング信号生成部と、
前記第2チップに設けられ、前記第2タイミング信号を前記第1チップに出力する第2タイミング信号通信部と、
前記第1チップに設けられ、前記制御プログラムの実行に基づき前記第1タイミング信号の状態変化を許可する第1状態変化許可部と、
前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1タイミング信号及び前記第2タイミング信号に基づき前記制御プログラムの異常を検出する第2異常検出部と、
前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部の両方が前記制御プログラムの異常を検出したとき、前記制御プログラムの実行を停止し、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、制御プログラムを継続して実行させる異常判断部と、
を有することを特徴とする車両搭載機器の異常診断装置としてもよい。
すなわち、パワーステアリング装置に限らず、他の車両搭載機器にあっても上記構成を取ることにより、車両搭載機器の制御範囲を拡大することができる。
(13)上記(12)に記載の車両搭載機器の異常診断装置において、前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、車両搭載機器の出力を制限し前記制御プログラムを継続して実行させることを特徴とする車両搭載機器の異常診断装置。
継続制御する場合であっても、出力を制限することにより、より装置使用における安全性を高めることができる。
(14)上記(13)に記載の車両搭載機器の異常診断装置において、前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、直前のイグニッションスイッチを入れる操作から直後のイグニッションスイッチを切る操作の間において、車両搭載機器の出力を継続して制限し、この後、更にイグニッションスイッチを入れる操作がなされたとき、パワーステアリング装置の出力の制限をリセットすることを特徴とする車両搭載機器の異常診断装置。
イグニッションスイッチが切られて、再度イグニッションスイッチが入れられた場合には、制御プログラムの異常状態が解消している可能性があるため、この場合には、一旦、出力制限を解除することにより、運転者の操舵負荷の低減を図ることができる。
(15)上記(13)に記載の車両搭載機器の異常診断装置において、前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、この異常の検出から所定時間経過後、車両搭載機器の出力を漸減することを特徴とする車両搭載機器の異常診断装置。
車両搭載機器の出力を漸減することにより、運転者は装置の異常を感知することができ、かつ出力の急激な変化による違和感を抑制することができる。
また、実施例1の構成は下記のようにも表現できる。
(16)パワーステアリング装置の異常診断装置であって、
集積回路である第1チップと、
前記第1チップとは別に設けられた集積回路である第2チップと、
前記第1チップに設けられ、車両搭載機器を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶部と、
前記第1チップに設けられ、前記制御プログラムの異常を検出するための第1データを前記第2チップに出力する第1データ通信部と、
前記第2チップに設けられ、前記制御プログラムの異常を検出するための第2データを前記第1チップに出力する第2データ通信部と、
前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1データ及び第2データに基づき前記制御プログラムの異常を検出する第1異常検出部と、
前記第1チップに設けられ、所定の周期で状態が変化しこの状態の変化が前記制御プログラムの実行開始の契機となるプログラム実行信号を生成する第1タイミング信号生成部と、
前記第1チップに設けられ、前記第1タイミング信号を前記第2チップに出力する第1タイミング信号通信部と、
前記第2チップに設けられ、前記所定の周期で状態が変化しこの状態の変化が前記制御プログラムの実行開始の契機となるプログラム実効信号を生成する第2タイミング信号生成部と、
前記第2チップに設けられ、前記第2タイミング信号を前記第1チップに出力する第2タイミング信号通信部と、
前記第2チップに設けられ、前記制御プログラムの実行に基づき前記第2タイミング信号の状態変化を許可する第2状態変化許可部と、
前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1タイミング信号及び前記第2タイミング信号に基づき前記制御プログラムの異常を検出する第2異常検出部と、
前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部の両方が前記制御プログラムの異常を検出したとき、前記制御プログラムの実行を停止し、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、制御プログラムを継続して実行させる異常判断部と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
これにより、実施例1の(1)の記載と同様の作用効果が得られる。
(17)上記(16)に記載のパワーステアリング装置の異常診断装置において、前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、パワーステアリング装置の出力を制限し前記制御プログラムを継続して実行させることを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
継続制御する場合であっても、出力を制限することにより、より装置使用における安全性を高めることができる。
(18)上記(17)に記載のパワーステアリング装置の異常診断装置において、前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、直前のイグニッションスイッチを入れる操作から直後のイグニッションスイッチを切る操作の間において、パワーステアリング装置の出力を継続して制限し、この後、更にイグニッションスイッチを入れる操作がなされたとき、パワーステアリング装置の出力の制限をリセットすることを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
イグニッションスイッチが切られて、再度イグニッションスイッチが入れられた場合には、制御プログラムの異常状態が解消している可能性があるため、この場合には、一旦、出力制限を解除することにより、運転者の操舵負荷の低減を図ることができる。
(19)上記(16)に記載のパワーステアリング装置の異常診断装置において、前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、車両走行中はパワーステアリング装置の制御を停止し、車両停車中はパワーステアリング装置の出力を制限し前記制御プログラムを継続して実行することを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
走行中はアシストが無くても負荷が小さいため操舵に支障は無く、また、安全性の面からセルフステアを回避するためにもアシストを停止する。一方、停車中や極低速のときは負荷が大きいためアシストを継続する。万が一セルフステアが発生したとしても、車速が出ていないため、車両が意図しない方向に旋回することはなく、安全性は保たれる。
(20)上記(16)に記載のパワーステアリング装置の異常診断装置において、前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したときであって、かつ前記異常判断部以外によってパワーステアリング装置の出力制限が行われている場合は、出力制限量の大きい側の出力制限量によってパワーステアリング装置の出力を制限し前記制御プログラムを継続して実行させることを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
同時に異なる2以上の異常診断によって出力制限がかかる場合、一方のみの出力制限量に基づき出力制限を行うことにより、過剰に出力制限されることがない。また、出力制限量の大きい側の出力制限量に基づき出力制限を行うため、より安全性を高めることができる。
9 パワーシリンダ
20 双方向ポンプ
31 ブラシレスモータ
33 コントロールユニット
41 連通バルブ
41 ブラシレスモータ
41 連通バルブ
201 車両イグニッションスイッチ
202 コントロールユニット電源回路
202b マイコンリセット信号
203 メインマイコン
204 サブマイコン
206 インバータ駆動回路
2030 セレクトロー処理部
2031,2041 制御プログラム記憶部
2032 第1タイミング信号生成部
2033,2043 タイマ
2034 第1状態変化許可部
2035 第1タイミング信号通信部
2036 第1データ通信部
2037 第1異常検出部
2038 第2異常検出部
2039,2049 異常判断部
2042 第2タイミング信号生成部
2043 第2状態変化許可部
2045 第2タイミング信号通信部
2046 第2データ通信部

Claims (5)

  1. パワーステアリング装置用の診断装置であって、
    集積回路である第1チップと、
    前記第1チップとは別に設けられた集積回路である第2チップと、
    前記第1チップに設けられ、パワーステアリング装置を制御する制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶部と、
    前記第1チップに設けられ、前記制御プログラムの異常を検出するための第1データを前記第2チップに出力する第1データ通信部と、
    前記第2チップに設けられ、前記制御プログラムの異常を検出するための第2データを前記第1チップに出力する第2データ通信部と、
    前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1データ及び前記第2データに基づき前記制御プログラムの異常を検出する第1異常検出部と、
    前記第1チップに設けられ、所定の周期でハイレベルからローレベルへまたはローレベルからハイレベルへ状態が変化しこの状態変化が前記制御プログラムの実行開始の契機となるプログラム実行信号である第1タイミング信号を生成する第1タイミング信号生成部と、
    前記第1チップに設けられ、前記第1タイミング信号を前記第2チップに出力する第1タイミング信号通信部と、
    前記第2チップに設けられ、前記所定の周期でハイレベルからローレベルへまたはローレベルからハイレベルへ状態が変化する第2タイミング信号を生成する第2タイミング信号生成部と、
    前記第2チップに設けられ、前記第2タイミング信号を前記第1チップに出力する第2タイミング信号通信部と、
    前記第1チップに設けられ、前記第1タイミング信号の前記所定の周期での前記状態変化のタイミングで、前記制御プログラム実行されているとき前記第1タイミング信号の前記状態変化を許可し、前記制御プログラムが実行されていないとき前記第1タイミング信号の前記状態変化を許可しないように構成された第1状態変化許可部と、
    前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1タイミング信号及び前記第2タイミング信号に基づき前記制御プログラムの異常を検出する第2異常検出部と、
    前記第1チップ及び前記第2チップに設けられ、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部の両方が前記制御プログラムの異常を検出したとき、前記制御プログラムの実行を停止し、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、前記制御プログラムを継続して実行させる異常判断部と、
    を有することを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリング装置の異常診断装置において、
    前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、パワーステアリング装置の出力を制限し前記制御プログラムを継続して実行させることを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
  3. 請求項2に記載のパワーステアリング装置の異常診断装置において、
    前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、直前のイグニッションスイッチを入れる操作から直後のイグニッションスイッチを切る操作の間において、パワーステアリング装置の出力を継続して制限し、この後、更にイグニッションスイッチを入れる操作がなされたとき、パワーステアリング装置の出力の制限をリセットすることを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
  4. 請求項2に記載のパワーステアリング装置の異常診断装置において、
    パワーステアリング装置は、
    転舵輪に操舵力を付与し、一対の油圧室を有するパワーシリンダと、
    前記一対の油圧室に選択的に作動液を供給する可逆式ポンプと、
    前記可逆式ポンプと前記一対の油圧室の夫々とを接続する第1油路及び第2油路と、
    前記可逆式ポンプを回転駆動する電動モータと、
    運転者の操舵状態に応じて前記電動モータを駆動制御するモータ制御回路と、
    前記第1油路と前記第2油路との連通、遮断を切り替える連通弁と、
    を備え、
    前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、前記連通弁を開弁し、前記第1油路と前記第2油路とを連通させることにより、パワーステアリング装置の出力を制限することを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
  5. 請求項2に記載のパワーステアリング装置の異常診断装置において、
    前記異常判断部は、前記第1異常検出部と前記第2異常検出部のいずれか一方のみが前記制御プログラムの異常を検出したとき、この異常の検出から所定時間経過後、パワーステアリング装置の出力を漸減することを特徴とするパワーステアリング装置の異常診断装置。
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