JP2021054304A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Tadasuke Oshima
忠介 大島
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Abstract

【課題】電動パワーステアリング制御装置の起動時における初期診断の所要時間を短縮する。【解決手段】複数の多相巻線15a、15bを有する電動モータ15を駆動して運転者による車両等のハンドル操作をアシスト制御する電動パワーステアリング制御装置1は、インバータ回路14a、14b、制御部12a、12bを備え、制御部12は、電源投入時に、電動パワーステアリング制御装置1における故障の有無を診断するための初期診断を行い、初期診断が正常に完了した系統から順に、センサ群からの入力情報を基にして、制御指令値に応じた複数のインバータ回路14a、14bの駆動制御を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、電動パワーステアリング制御装置に関する。
近年、車両の自動運転技術の開発に伴い、安全性を担保する観点から、車両を制御する電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)の一部の部品が故障しても車両の制御を継続できる技術が要求されている。車両の制御を継続する方法として、各々の部品を複数用いて冗長構成とする方法が知られている。
冗長構成を有するECUを起動する際に、各系統が正常に動作するかを検証するために初期診断を行う。初期診断によって正常に動作することが確認されると、車両に電流が供給され、制御が開始される。冗長構成を有するECUの初期診断の一つとして、特許文献1は初期診断が終了した巻線組から順に、電流を供給して制御を開始する技術を開示している。
特許第6109332号公報
冗長構成を有するECUを起動する際に、初期診断の時間を短縮する技術が望まれている。
特許文献1の初期診断では、初期診断が完了すると、インバータ回路への電源供給タイミングを分散させている。したがって、両系統が同時に初期診断を終了しても、同時に電源供給を開始できないため、両系統が電流を供給して制御を開始する状態に移行するまでの時間が長くなるという問題があった。
また、初期診断の過程において、異常検出と判定されるまでの閾値時間と比較して、閾値時間よりもわずかに短い時間で正常が確定される場合がある。こうした事象が複数発生すると、秒単位で起動時間に影響が出ることが想定され、運転者が違和感を覚えるという問題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より短時間で両系統の初期診断を完了し、両系統が電流を供給して制御を開始する状態により早く移行することである。
本発明の例示的な第1の発明は、複数の多相巻線を有する電動モータを駆動して運転者による車両等のハンドル操作をアシスト制御する電動パワーステアリング制御装置であって、複数の多相巻線を個別に駆動制御する複数のインバータ回路と、複数のインバータ回路を制御する複数の制御部と、を備え、制御部は、電源投入時に、電動パワーステアリング制御装置における故障の有無を診断するための初期診断を行い、初期診断が正常に完了した系統から順に、センサ群からの入力情報を基にして、制御指令値に応じた複数のインバータ回路の駆動制御を実行することを特徴とする。
本発明の例示的な第2の発明は、電動パワーステアリングシステムであって、本発明の例示的な第1の発明に係る電動パワーステアリング制御装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、初期診断が正常に完了した系統から順に、インバータ回路の駆動制御を実行することができるため、より短時間で両系統の初期診断を完了することができ、両系統が電流を供給して制御を開始する状態により早く移行することができる。
図1は、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を含む電動パワーステアリングシステムの概略構成を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置における電子制御ユニット(ECU)としてのモータ制御装置の構成を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置における初期診断の手順を示すフローチャートである。 図4は、第2の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置における初期診断の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照のもと詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を含む電動パワーステアリングシステムの概略構成である。図1の電動パワーステアリングシステム10は、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)としてのモータ制御装置1a、1b、操舵部材としてのステアリングホイール(ハンドルと称する場合もある)2、ステアリングホイールに接続された回転軸3、減速ギア4、ピニオンギア6、ラック軸7、および左右の操舵車輪5a、5b、等を備える。
回転軸3は、その先端に設けられたピニオンギア6にかみ合っている。ピニオンギア6は、回転軸3の回転運動をラック軸7の直線運動に変換する。ラック軸7の両端に設けられた操舵車輪5a、5bは、ラック軸7の変位量に応じた角度に操舵される。
回転軸3には、ステアリングホイール2が操舵された際の操舵トルクを検出するトルクセンサ9が設けられている。検出された操舵トルクは、モータ制御装置1へと送られる。モータ制御装置1は、トルクセンサ9から取得した操舵トルク、車速センサ(不図示)からの車速等の信号に基づくモータ駆動信号を生成する。生成されたモータ駆動信号は、電動モータ15に出力される。
電動モータ15は、モータ駆動信号が入力されると、ステアリングホイール2の操舵を補助するための補助トルクを出力する。出力された補助トルクは、減速ギア4を介して回転軸3に伝達される。すなわち、運転者のハンドル操作は、電動モータ15によって発生したトルクにより回転軸3の回転がアシストされることで補助される。
次に、本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置について説明する。図2は、電動パワーステアリング制御装置における電子制御ユニット(ECU)としてのモータ制御装置の構成である。
本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置は、図2に示すような同一の構成要素を備えた複数のモータ制御系統からなる冗長構成を有する。ここでは、図2に示す2系統の冗長構成を有するモータ制御装置を例として説明するが、さらに3系統、4系統といった多系統からなる冗長構成に展開することも可能である。
図2に示すモータ制御装置は、それぞれが制御部(CPU)12a、12bを有する、互いに独立した2つの系統からなるモータ制御装置1a、1bにより構成される。これらのモータ制御装置1a、1bは、3相巻線(Ua、Va、Wa)15aおよび3相巻線(Ub、Vb、Wb)15bからなる2組の3相巻線を備える電動モータ15と、これら2組の3相巻線の各々に駆動電流を供給する2組のインバータ回路14a、14bからなるダブルインバータ構成となっている。電動モータ15は、例えばブラシレスモータである。
以降の説明においては、モータ制御装置1aおよび3相巻線15aを含む構成部分については、第1の系統(系統Aともいう。)とし、モータ制御装置1bおよび3相巻線15bを含む構成部分については、第2の系統(系統Bともいう。)とする。
第1の系統(系統A)を構成するモータ制御装置1aは、例えばマイクロプロセッサからなり、装置全体の制御を司る制御部(CPU)12a、CPU12aからの制御信号によりモータ駆動信号を生成し、FET駆動回路として機能するインバータ制御部13a、電動モータ15の3相巻線(Ua、Va、Wa)15aに駆動電流を供給するモータ駆動部であるインバータ回路14a、を有する。
第2の系統(系統B)を構成するモータ制御装置1bは、例えばマイクロプロセッサからなり、装置全体の制御を司る制御部(CPU)12b、CPU12bからの制御信号によりモータ駆動信号を生成し、FET駆動回路として機能するインバータ制御部13b、電動モータ15の3相巻線(Ub、Vb、Wb)15bに駆動電流を供給するモータ駆動部であるインバータ回路14b、を有する。
外部バッテリBTは、フィルタ16a、16bおよび電源リレー17a、17bを介してインバータ回路14a、14bにモータ駆動用の電源を供給する。
フィルタ16a、16bは、不図示の電解コンデンサおよびコイルからなり、供給電源に含まれるノイズ等を吸収することで、電源電圧を平滑する。電源リレー17a、17bは、例えば機械式リレーあるいは半導体リレーで形成され、外部バッテリBTからの電力を遮断できるように構成されている。
インバータ回路14aは、電動モータ15の3相巻線(Ua、Va、Wa)15aの各々に対応した半導体スイッチング素子(FET)からなるFETブリッジ回路である。同様に、インバータ回路14bは、電動モータ15の3相巻線(Ub、Vb、Wb)15bの各々に対応した半導体スイッチング素子(FET)からなるFETブリッジ回路である。
なお、これらの半導体スイッチング素子(FET)はパワー素子とも呼ばれる。用いられる半導体スイッチング素子の例として、MOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等がある。
イグニッションスイッチ(IG−SW)22は、その一端がバッテリBTに接続されている。また、他端は、第1の系統(系統A)を構成するモータ制御装置1aの電源制御部21aおよび第2の系統(系統B)を構成するモータ制御装置1bの電源制御部21bに接続されている。
電源制御部21a、21bは、イグニッションスイッチ(IG−SW)22からのIG信号を起動信号とすることにより電源部20a、20bを起動する。電源部20a、20bは、バッテリBTから供給された電圧+Bを、所定の電圧(例えば、ロジックレベルの電圧)に変換する。変換された電圧は、制御部(CPU)12a、12b、インバータ制御部13a、13b、インバータ回路14a、14b等の動作電源として供給される。
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置において、モータ制御装置1a、1bにおける制御部(CPU)12a、12bはリアルタイムで相互通信が可能に構成されている。また、モータ制御装置1a、1bは、車両の各種情報を授受する車載ネットワーク(CAN)に搭載されたCAN信号線(CAN通信バス)23H、23Lを介して他の制御ユニット(ECU)との間でCANプロトコルを用いたデータ通信を行う。CAN信号線23H、23Lは、第1の系統(系統A)を構成するCAN−Hライン23Ha、CAN−Lライン23Laおよび第2の系統(系統B)を構成するCAN−Hライン23Hb、CAN−Lライン23Lbからなる各々2線式の通信線である。
電動モータ15には、3相巻線15a、15bの各々に対応させて、モータの回転子(ロータ)の回転位置を検出する角度センサ11a、11bが搭載されている。角度センサ11aからの出力信号は、回転情報として、入力I/F18aを介してCPU12aに送信される。同様に、角度センサ11bからの出力信号は、回転情報として、入力I/F18bを介してCPU12bに送信される。角度センサ11は、例えばレゾルバやホールICである。
次に、上記の構成を有する本実施形態に係る電動パワーステアリング装置のモータ制御装置の動作について説明する。図3は、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置における初期診断の手順を示すフローチャートである。
イグニッションスイッチ(IG−SW)22が入力(ON状態となる)されると、イグニッションスイッチはIG信号を出力する。出力されたIG信号は電源制御部21a、21bに入力される。
電源制御部21a、21bにIG電圧が入力されると、電源制御部21a、21bは、イグニッションスイッチ(IG−SW)22からのIG信号を起動信号として、電源部20a、20bを起動する。電源部20a、20bは、バッテリBTから供給された電圧+Bを、所定の電圧に変換し、変換された電圧を制御部(CPU)12a、12bに供給する。制御部(CPU)12a、12bに変換された電圧が供給されると、供給された電圧をもとに制御部(CPU)12a、12bが起動する。
制御部(CPU)12a、12bが起動すると、ステップS11にて、制御部(CPU)12a、12bは相互に通信を開始する。制御部(CPU)12a、12bは、相手の制御部(自身と異なる制御部)が正常に起動しているかどうかの監視を行う。
ステップS13にて、制御部(CPU)12a、12bは、制御部(CPU)12a、12b間での通信による監視として、相手の制御部が既にフェールオペレーションに移行しているか否かを確認する。フェールオペレーションに移行していないことが確認された場合、制御部(CPU)12a、12b間での通信は正常に行われていると判断する。
制御部(CPU)12a、12b間での通信による監視は、例えば、非同期のシリアル通信であるUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信と、定期的に信号を送り、正常に動作しているかを監視する外部ウォッチドッグ(WD;Watch Dog)通信等により、通信を冗長化して行う。すべての通信が途絶している場合、制御部(CPU)12a、12bは通信の途絶を検出し、相手の制御部が故障により動作を停止したと判断する。
制御部(CPU)12a、12bは、ステップS13にて、制御部(CPU)12a、12b間での通信が正常に行われていると判断されると、速やかに起動シーケンスに移行する。速やかに起動シーケンスに移行することで、初期診断の時間を短縮することができる。
制御部(CPU)12a、12bは、ステップS13にて、制御部(CPU)12a、12b間での通信が正常に行われていないと判断されると、初期診断は異常と判定され、通信の途絶を検出した制御部を用いて、フェールオペレーションに移行する。
ステップS15にて、制御部(CPU)12a、12bは、モータ制御装置1a、1bの機能に故障しているものが含まれているかどうかの監視を行う。なお、故障の監視対象となる機能としては、CPU、故障時の停止機能(5V過電圧検出、外部ウォッチドッグ(WD)、リセット回路、電源リレー、モータリレー、ゲート駆動、エラーアウトによる停止、トルクセンサ電源停止)、PWM出力機能、インバータ駆動回路の故障検出機能、インバータ駆動回路、モータ電源電圧、電流検出機能、角度検出機能、モータ、などが挙げられる。
ステップS17にて、制御部(CPU)12a、12bは、相手の系統が正常に起動できており、初期診断が正常に進行しているかを確認するため、制御部(CPU)12a、12bでの通信が正常に行われているかどうか監視を行う。なお、制御部(CPU)12a、12b間での通信については、ステップS17以降、常時行っている。
ステップS17にて、制御部(CPU)12a、12bは、制御部(CPU)12a、12b間での通信が正常に行われていると判断されると、各々の系統に流れる電流値を検出する。電流値の検出には、例えばシャント抵抗が用いられる。
ステップS17にて、制御部(CPU)12a、12bは、制御部(CPU)12a、12b間での通信が正常に行われていないと判断されると、初期診断は異常と判定され、フェールオペレーションに移行する。
ステップS19にて、電流が流れない状態で、電流を検出し、全ての相において、検出された電流値が中間電位(0A)になっていることを確認する。検出された電流値が閾値範囲内であれば、該当する系統は待機状態へと移行する。
初期診断時では、電流が出力されると、モータの巻き線に磁界が発生し、1系統の巻線に電流を出力すると他系統の巻線が誘起され、他系統の電流検出値に影響を及ぼすため、制御部(CPU)12a、12bは、他系統の診断を誤検出する可能性がある。誤検出を防止する方法として、例えば電流を互いに逆方向に流すことにより、誘起される影響を打ち消しあう方法がある。
第1の規定時間は、異常確定に至らない範囲での最長の経過時間、または、相手の初期診断シーケンス番号によって特定される初期診断の異常確定時間以上の時間のことをいう。ここで、最長の経過時間と定義したのは、初期診断において、初期診断に含まれるすべてのステップが、軽微な異常等も発生することなく正常確定していくとは限らないためである。
第1の規定時間については、自系統のモータの回転数が閾値以上である時間を加算しないようにしてもよい。この理由は、初期診断において、モータ端子電圧を診断の対象として行うものを含むためである。モータ端子電圧はモータの回転数が高いと誘起電圧によって値が変動してしまうため、誤検出を防止するために、低回転で誘起電圧の影響が少ないときに診断するようにしている。
ステップS19にて、制御部(CPU)12a、12bは、両系統の電流値が第1の規定時間内に閾値範囲内とならない場合は、初期診断は異常と判定され、フェールオペレーションに移行する。
ステップS21にて、制御部(CPU)12a、12bは、強制駆動電流を流して、電流が流れている時に、電流が流れていることを検出できているか、また、電流の3相和が意図した値であるかを確認する。
ステップS21にて、制御部(CPU)12a、12bは、電流が流れていることを検出できなかった場合、もしくは電流の3相和が意図した値とならなかった場合には、初期診断は異常と判定され、フェールオペレーションに移行する。
ステップS23にて、制御部(CPU)12a、12bは、自身の系統の初期診断が正常に完了したと判定されると、電流の供給が可能な状態へと移行する。
下記においては、制御部(CPU)12aが含まれる第1の系統(系統A)が最も早く初期診断の完了した系統、制御部(CPU)12bが含まれる第2の系統(系統B)が初期診断の未完了の系統として説明をする。下記説明は、第2の系統(系統B)が最も早く初期診断シーケンスが完了した系統の場合においても同様である。
ステップS23における電流の供給が可能な状態とは、電源リレー17aのON、モータリレー(不図示)のON、ゲート駆動(不図示)のON、かつ、PWM デューティの出力によりモータ15が駆動できる状態のことをいう。
ステップS25にて、制御部(CPU)12aは、第1の系統(系統A)における初期診断が正常に完了したと判定された場合、第2の系統(系統B)の初期診断の完了を待たずに、センサ群からの入力情報を基に算出した制御指令値を演算し、演算した値に応じて、インバータ回路14aに速やかに電流供給を開始することで、第1の系統(系統A)によるアシスト制御を開始する。センサ群の入力信号は、入力I/F18aを介して受信した、操舵トルクを検出するトルクセンサ9a等のセンサ類で検出された信号、CAN信号としてCANI/F19aを介して入力した車両の走行速度等、を指す。
初期診断が正常に完了した系統が、速やかに電流供給を開始することで、より早くアシスト制御を開始することが可能となる。また、運転者にとってハンドル操作が急に変化することを防ぐことが可能である。
なお、初期診断が正常に完了した系統である第1の系統(系統A)は、待機状態に移行してもよい。待機状態の継続時間は、初期診断が完了していない少なくとも1つの系統(ここでは、第2の系統(系統B)に相当)が初期診断を完了するまでの時間であってもよい。
この場合では、初期診断が正常に完了した系統である第1の系統(系統A)が待機状態に移行し、続いて別の系統である第2の系統(系統B)が初期診断を終了する。このとき、制御部(CPU)12a、12bは、センサ群からの入力情報を基に算出した制御指令値を演算し、演算した値に応じて、インバータ回路14bに速やかに電流供給を開始することで、第1の系統(系統A)、第2の系統(系統B)によるアシスト制御を開始する。センサ群の入力信号は、入力I/F18bを介して受信した、操舵トルクを検出するトルクセンサ9b等のセンサ類で検出された信号、CAN信号としてCANI/F19bを介して入力した車両の走行速度等、を指す。
初期診断が正常に完了した系統が、少なくとも他の1つの系統の初期診断を完了するまでの間、フェールオペレーションへの待機状態に移行することで、安定した初期診断を行うことができる。
上述した規定条件とは、モータ電源電圧が閾値以上、かつ、モータ回転数が閾値以下となる条件のことを指す。規定条件を設定することで、初期診断が正常に完了した系統における、待機状態の継続時間が過剰に長くなることを防止できるため、初期診断の所要時間を短縮することができる。
また、初期診断が正常に完了した系統における、待機状態の継続時間が閾値以上となった場合(第2の規定時間以上となった場合)、すなわち、第2の規定時間経過後においても、新たに初期診断が完了し規定条件が成立する系統がない場合には、初期診断を異常と判定し、通信の途絶を検出した制御部は待機状態からフェールオペレーションに移行する。
第2の規定時間を設定することで、初期診断が正常に完了した系統での待機状態の継続時間が過剰に長くなることを防止できる。したがって、初期診断の所要時間を短縮することができる。なお、第2の規定時間には、起動時のクランキングにおける立ち上がり時間が含まれる。
ステップS27にて、第1の系統(系統A)における初期診断の完了後、第2の規定時間内に第2の系統(系統B)の初期診断が完了したとする。この場合、ステップS29にて、制御部(CPU)12bは、第2の系統(系統B)における初期診断が正常に完了したと判定されると、第2の系統(系統B)はセンサ群からの入力情報を基にして、制御指令値に応じたインバータ回路に電流供給を開始することで第2の系統(系統B)によるアシスト制御を開始する。これにより、系統A、系統Bを用いたモータ制御が開始される。
上記初期診断の過程において、制御部(CPU)12aもしく12bが初期診断を異常と判定すると、ステップS31に示されるフェールオペレーションに移行する。フェールオペレーションの一例として、正常と診断された系統で目標トルクを算出してモータを制御する方法がある。
[第2の実施形態]
上記に示すように、初期診断は複数のステップからなるが、少なくとも1つの系統において、初期診断内のあるステップが完了したとき、初期診断のあるステップを完了した系統は、ステップS16において、他の系統における初期診断の同一のステップが完了するまでの間、規定条件に基づきフェールオペレーションへの待機状態に移行してもよい。
図4においては、一例として、制御装置故障診断(ステップS15)を完了した後について示したが、制御装置故障診断後(ステップS15)から系統Aアシスト開始後(ステップS25)であれば、どのステップで待機状態に移行してもよい。なお、系統Aアシスト開始後(ステップS25)における待機状態は、前述したステップS27に相当する。
また、初期診断のあるステップが正常に完了した系統は、待機状態の継続時間が閾値以上となった場合(第2の規定時間以上となった場合)、すなわち、第2の規定時間経過後においても、新たに初期診断のあるステップが完了し規定条件が成立する系統がない場合には、初期診断を異常と判定し、通信の途絶を検出した制御部は待機状態からフェールオペレーションに移行する。
本開示の実施形態は、車両に搭載される電動パワーステアリング装置を制御するための制御装置に利用され得る。
1a,1b モータ制御装置
2 ステアリングホイール
3 回転軸
4 減速ギア
5a、5b 操舵車輪
6 ピニオンギア
7 ラック軸
9a,9b トルクセンサ
10 電動パワーステアリングシステム
11a,11b 角度センサ
12a,12b 制御部(CPU)
13a,13b インバータ制御部
14a,14b インバータ回路
15 電動モータ
15a,15b 3相巻線
16a,16b フィルタ
17a,17b 電源リレー
18a,18b 入力I/F
19a,19b CANI/F
20a,20b 電源部
21a,21b 電源制御部
22 イグニッションスイッチ(IG−SW)
23H,23L CAN信号線
23Ha、23Hb CAN−Hライン
23La、23Lb CAN−Lライン

Claims (7)

  1. 複数の多相巻線を有する電動モータを駆動して運転者による車両等のハンドル操作をアシスト制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記複数の多相巻線を個別に駆動制御する複数のインバータ回路と、
    前記複数のインバータ回路を制御する複数の制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    電源投入時に、電動パワーステアリング制御装置における故障の有無を診断するための初期診断を行い、
    前記初期診断が正常に完了した系統から順に、センサ群からの入力信号を基に算出した制御指令値に応じて前記複数のインバータ回路の駆動制御を実行することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 電源制御部は前記制御部を起動する電圧を生成し、前記電圧が前記制御部に入力されると、起動シーケンスに移行することにより前記初期診断が行われることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 前記複数の制御部は互いに通信を行い、前記通信の途絶を検出することで相手系統の故障を検出し、前記通信が異常と判定された場合、前記初期診断を異常と判定し、前記故障を検出した正常な系統を用いたフェールオペレーションに移行することを特徴とする、請求項1または2に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 前記初期診断は、複数の故障診断からなり、前記複数の故障診断は順番に実行され、一方の系統の初期診断を完了した場合、他の系統における前記初期診断の前記ステップが完了するまでの間、規定条件に基づきフェールオペレーションへの待機状態に移行することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 前記制御部は、前記一方の系統が電流供給を開始後、前記規定条件が第2の規定時間内に成立しない場合は、前記初期診断を異常と判定し、フェールオペレーションに移行することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. 前記規定条件は、モータ電源電圧が閾値以上、かつモータ回転数が閾値以下の時に成立することを特徴とする、請求項5または6に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. 請求項1〜6にいずれかに記載の電動パワーステアリング制御装置を備えた電動パワーステアリングシステム。

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Citations (4)

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