JP2007182186A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクセンサにより検出される操舵トルクを用いることなく操舵補助用のモータを駆動制御することにより、トーションバーの捩れに起因する応答遅れを排除し、良好な操舵フィーリングが得られるようにする。
【解決手段】ステアリングホイール30の操作により生じる操舵角を検出する操舵角センサ4と、操舵軸としてのラック軸1に加わる軸力を検出する軸力センサ5とを備え、操舵角センサ4及び軸力センサ5の検出結果が与えられるアシスト制御部7の制御動作により、操舵角及び軸力に基づいて算出される目標補助力を得るべく操舵補助用のモータ6を駆動するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステアリングホイール等の操舵部材の操作に応じて操舵補助用のモータを駆動し、該モータの発生力により操舵を補助する構成とした電動パワーステアリング装置に関する。
自動車用のパワーステアリング装置として、近年、電動モータを操舵補助用のアクチュエータとする電動パワーステアリング装置が普及している。この電動パワーステアリング装置は、一般的に、ステアリングホイール等の操舵部材の操作を操舵機構に伝えるステアリング軸の中途にトルクセンサを配し、このトルクセンサにより、操舵部材の操作に応じてステアリング軸に加わる操舵トルクを検出し、検出された操舵トルクの方向及び大きさに基づいて目標補助力を求め、この目標補助力を発生させるべく操舵補助用のモータを駆動制御する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
操舵トルクを検出するトルクセンサは、検出対象となるステアリング軸を操舵部材の側の第1軸と操舵機構の側の第2軸とに分割し、これらを細径のトーションバーにより連結して、操舵部材の操作によりステアリング軸に加わる操舵トルクを、トーションバーの捩れを伴って前記第1,第2軸間に生じる相対角変位を媒介として検出するように構成されている。
特開2004−338562号公報
ところが、以上の如く構成された従来の電動パワーステアリング装置においては、操舵部材の操作がなされてから操舵トルクが検出されるまでの間に、前記トーションバーの捩れに要する時間遅れが生じるという問題があり、例えば、操舵開始時、又は一方向から他方向への切り返し操舵時に操舵補助力の応答が遅れ、操舵フィーリングの低下を招来するという難点があった。
このような応答遅れを緩和するには、トーションバーの捩れ剛性を高めることが有効であるが、この場合、操舵トルクの検出のために利用される第1,第2軸の相対角変位量も小さくなり、操舵トルクの検出精度が悪化し、この検出結果を用いて実行される操舵補助の信頼性が低下する虞れがある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、トルクセンサにより検出される操舵トルクを用いることなく操舵補助用のモータを駆動制御することにより、トーションバーの捩れに起因する応答遅れを排除し、良好な操舵フィーリングが得られる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵部材の操作に応じて操舵補助用のモータを駆動し、該モータが発生する補助力を操舵軸に伝え、該操舵軸の軸長方向の移動に応じてなされる操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、前記操舵部材の操作により生じる操舵角を検出する操舵角センサと、前記操舵軸に加わる軸力を検出する軸力センサと、該軸力センサ及び前記操舵角センサの検出結果に基づいて目標補助力を求め、該目標補助力を発生させるべく前記モータを駆動するアシスト制御部とを備えることを特徴とする。
また本発明の第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、第1発明におけるアシスト制御部が、前記軸力センサにより検出される軸力に基づいて操舵の開始を判定する判定手段と、前記操舵角センサの検出結果から前記判定手段による判定の時点での初期舵角、及び該初期舵角に対する相対舵角を求め、この相対舵角に基づいて前記目標補助力を算出する手段とを備えることを特徴とする。
また本発明の第3発明に係る電動パワーステアリング装置は、第1又は第2発明におけるアシスト制御部が、前記操舵角センサの検出結果として与えられる絶対舵角から補正補助力を算出して、算出された補正補助力により前記目標補助力を補正する補正手段を備えることを特徴とする。
更に本発明の第4発明に係る電動パワーステアリング装置は、第1〜第3発明におけるアシスト制御部が、前記操舵角センサの検出結果から操舵角速度を求め、この操舵角速度から補正補助力を算出して、算出された補正補助力により前記目標補助力を補正する補正手段を備えることを特徴とする。
第1発明に係る電動パワーステアリング装置においては、操舵部材の操作により生じる操舵角と操舵軸に加わる軸力とを検出し、これらの検出結果を用いて算出される目標補助力を得るべく操舵補助用のモータを駆動するから、トルクセンサによる3舵トルク検出用のトルクセンサを用いることなく操舵補助を行わせることができ、トルクセンサに設けられたトーションバーの捩れに起因する応答遅れが解消されて、操舵部材を操作する運転者に良好な操舵感を体感させることが可能となる。
また第2発明に係る電動パワーステアリング装置においては、軸力の検出結果を操舵の開始判定に用い、この後に生じる相対舵角の検出結果に基づいて目標補助力を算出する構成としたから、種々の操舵状態において夫々に適合した目標補助力が設定され、高精度の操舵補助により良好な操舵感を体感させることができる。
更に第3,第4発明に係る電動パワーステアリング装置においては、相対舵角に基づいて算出される目標補助力を、絶対舵角及び操舵角速度の一方又は両方に基づいて算出される補正補助力により補正するから、操舵の状態により適合した目標補助力が設定され、より高い精度での操舵補助を行わせることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す模式図である。なお本図には、ラックピニオン式の操舵機構を備える車両への適用例が示されているが、本発明は、ボールねじ式の操舵機構等、他の形式の操舵機構を備える車両への適用も可能であることは言うまでもない。
ラックピニオン式の操舵機構は、車体の左右方向に延設されたラックハウジング10の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸(操舵軸)1と、ラックハウジング10の中途に交叉するピニオンハウジング20の内部に回転自在に支持されたピニオン軸2とを備える公知の構成を有している。ピニオンハウジング20の内部に延びるピニオン軸2の下部には、図示しないピニオンが形成されており、該ピニオンは、ラックハウジング10との交叉部において、ラック軸1の外面に適長に亘って形成されたラック歯に噛合させてある。
ラックハウジング10の両側から外部に突出するラック軸1の両端は、操舵輪としての左右の前輪11,11のナックルアーム12,12に、各別のタイロッド13,13を介して連結されている。またピニオンハウジング20の上部に突出するピニオン軸2の上端は、上位置に対向するステアリング軸3の下端に連結されている。
ステアリング軸3は、筒形をなすコラムハウジング31の内部に回転自在に支持され、該コラムハウジング31を介して、図示しない車室の内部に前方を下とした傾斜姿勢を保って支持されている。ステアリング軸3の両端は、コラムハウジング31の上下両側から外部に突出させてあり、下方への突出端には、前述の如くピニオン軸2が連結されており、上方への突出端には、操舵部材としてのステアリングホイール30が固設されている。
以上の構成により、操舵のためにステアリングホイール30が回転操作された場合、この回転がステアリング軸3を介してピニオン軸2に伝達され、該ピニオン軸2の回転が、ピニオンとラック歯との噛合部においてラック軸1の軸長方向の移動に変換される。このように生じるラック軸1の移動は、両端のタイロッド13,13を介して左右の前輪11,11のナックルアーム12,12に伝えられ、これらのナックルアーム12,12が押し引きされて左右の前輪11,11が操舵される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、以上の如く操舵される前輪11,11の操舵角度を検出する操舵角センサ4と、操舵に伴ってラック軸1に加わる軸力を検出する軸力センサ5とを備え、更に、以上の如くなされる操舵を補助する操舵補助用のモータ6を備えている。
操舵角センサ4は、ステアリングホイール30の操作に応じて回転するステアリング軸3の回転角度を検出すべく、コラムハウジング31の中途部に配された回転角センサとして構成されている。操舵のためのステアリングホイール30の回転操作は、直進中立位置を中心として左右両側に夫々複数回転の角度範囲にて行われるため、図示の如く設けられる操舵角センサ4は、ステアリングホイール30の回転角度範囲の全域に亘る絶対角度を検出可能に構成された回転角センサであるのが望ましい。
なお操舵角センサ4は、図示の構成に限らず、ラック軸1の移動量を検出するストロークセンサ、左右の前輪11,11のナックルアーム12,12の回転角度を検出する回転角センサ等、前輪11,11の操舵角度に対応する適宜の物理量を検出するセンサとして構成することができることは言うまでもない。
軸力センサ5は、ラック軸1の一側端部に連結されたタイロッド13の中途に介装され、これに加わる軸力を検出するロードセル、歪ゲージ等の力センサとして構成されている。この軸力センサ5についても同様に、ラック軸1に加わる軸力を直接的に検出すべくラックハウジング10の内側に配された力センサとして構成する等、他の適宜の構成により実現することができる。
操舵補助用のモータ6は、コラムハウジング31の外側に軸心を略直交させて取り付けてあり、例えば、コラムハウジング31の内部に延びる出力端に固着されたウォームをステアリング軸3に外嵌固定されたウォームホイールに噛合させ、自身の回転を、ウォーム及びウォームホイールにより減速してステアリング軸3に伝え、該ステアリング軸3に回転力を付与するように伝動構成されている。この構成によれば、操舵補助用のモータ6の回転は、ステアリング軸3に減速伝動され、該ステアリング軸3の下端に連設されたピニオン軸2に回転力が付与されることとなり、この回転に応じたラック軸1の移動により前述の如くなされる操舵が補助される。
なお操舵補助用のモータ6は、ラックハウジング10又はピニオンハウジング20の外側に取付け、ラック軸1又はピニオン軸2に伝動構成することもできる。ラック軸1に伝動構成する場合、モータ6の回転をボールねじ機構等の運動変換機構を介してラック軸1に伝え、該ラック軸1に軸長方向の移動力が加えられるようにすればよい。
このように取付けられた操舵補助用のモータ6は、アシスト制御部7から図示しない駆動回路を介して与えられる制御指令に従って駆動される。アシスト制御部7には、操舵角センサ4による操舵角の検出値と、軸力センサ5による軸力の検出値とが与えられ、また操舵補助用のモータ6に付設されたモータ電流センサ60から、該モータ6の駆動電流の検出値が与えられている。
アシスト制御部7は、CPU、ROM及びRAMを備え、ROMに記憶された制御プログラムに従うCPUの動作により以下のアシスト制御動作を実行するECUとして構成されている。
アシスト制御部7のアシスト制御動作は、操舵角センサ4による操舵角の検出値と軸力センサ5による軸力の検出値とを用いて目標補助力を求め、この目標補助力を発生すべく操舵補助用のモータ6の駆動電流を増減制御する動作である。図2は、アシスト制御部7によるアシスト制御動作の内容を示すフローチャートである。
図2に示すアシスト制御動作は、例えば、キースイッチのオン操作に応じた電源供給に応じて開始され、アシスト制御部7は、まず操舵角センサ4により検出される操舵角θと軸力センサ5により検出される軸力Fとを所定のサンプリング周期にて取り込み(ステップ1)、取り込まれた軸力Fを予め設定された下限値Fmin と比較し(ステップ2)、この比較の結果、現時点の軸力Fが下限値Fmin 以下である場合(ステップ2:NO)には、操舵が開始されていないと判定し、何らの制御動作も行わずにステップ1に戻り、新たな操舵角θ及び軸力Fの取り込みを繰り返す。一方、現時点の軸力Fが下限値Fmin を超えている場合(ステップ2:YES)、操舵が開始されていると判定し、その時点での操舵角θを初期舵角θ0 として記憶して(ステップ3)、ステップ4に進む。
なお、軸力Fを検出する軸力センサ5には、操舵の方向に応じて引張力又は圧縮力が加わり、軸力センサ5の出力は、正又は負の値として与えられるから、ステップ2での比較は、軸力センサ5の出力の絶対値を用いて行われる。
ステップ4においてアシスト制御部7は、新たに操舵角θを取り込み、取り込まれた操舵角θと初期舵角θ0 との差としての相対舵角Δθ(=θ−θ0 )を算出し、また操舵角θの前回値と今回値との差分演算により操舵角速度dθを算出する(ステップ5)。次いでアシスト制御部7は、相対舵角ΔθをROMに記憶させてある基準マップに適用して、操舵補助用のモータ6に発生させるべき基準補助力を求め、また操舵角θと操舵角速度dθとを各別の補正マップに適用して補正補助力を求め(ステップ6)、このように求められた基準補助力と補正補助力との加算値として目標補助力を算出し(ステップ7)、算出された目標補助力を発生すべく制御指令を発して操舵補助用のモータ6を駆動する(ステップ8)。
なお、ステップ8でのモータ6の駆動は、ステップ7にて算出された目標補助力に対応する駆動電流をモータ6に供給すべく、前記電流センサ60から与えられる駆動電流の検出値を用いたフィードバック制御により行われる。
図3は、ステップ6での基準補助力及び補正補助力の算出に用いられる基準マップ及び補正マップを示す図である。図3(a)は、相対舵角Δθに基づいて基準補助力を求めるための基準マップであり、この基準マップは、横軸に示す相対舵角Δθが零を中心とする正負両側の所定の領域内(−θ1 〜+θ1 )にある間は、この相対舵角Δθの増減に比例して増減し、前記領域の外にある相対舵角Δθに対しては略一定に保たれる基準補助力が得られるように設定されている。
図4は、種々の初期状態からマニュアル操舵を行った場合に必要な操舵トルクを実測した結果を示す図である。図中のA線は、初期舵角(ステアリングホイール30の操作角度)が0°である直進状態から操舵を開始した場合の結果を、またB線は、初期舵角が90°又は−90°である状態から操舵を開始した場合の結果、更にC線は、初期舵角が 180°又は− 180°である状態から操舵を開始した場合の結果を夫々示している。
A〜C線の比較により明らかな如く操舵に要する操舵トルクは、初期舵角の如何に拘らず操舵角の増減に対して略等しい変化率を有して比例的に増減し、夫々の初期舵角からの相対舵角が所定値に達した後に略一定値に平衡する特性を示す。操舵トルクが比例的な増減を示す領域は、図示の如く、初期舵角が異なるA〜C線の夫々において略同一(具体的には、90°〜 100°) である。図3(a)に示す基準マップは、以上の実測結果に基づいて決定されたものであり、この基準マップに従って決定された基準補助力を操舵補助用のモータ6に発生させることにより、図4に示す如く生じる操舵トルクの変化分が相殺されて、全操舵角範囲において略均等な操舵感を達成することができる。
図3(b)は、操舵角(絶対舵角)θに基づいて補正補助力を求めるための補正マップであり、また図3(c)は、操舵角速度dθに基づいて補正補助力を求めるための補正マップである。
図3(b)に示す補正マップは、横軸に示す操舵角θが正負両側の所定値にある間(+θ2 〜−θ2 )は零であり、+θ2 又は−θ2 を超える領域において比例的に増減する補正補助力が得られるように設定されている。このような補正マップに従って補正補助力を決定し、ステップ7にて基準補助力に加算することにより、図4に示すように、正負両側のストローク端近傍に現出する操舵トルクの急増域(急減域)を相殺することができ、全操舵角範囲においてより均等な操舵感を達成することができる。
図3(c)に示す補正マップは、横軸に示す操舵角速度dθの増減に応じて比例的に増減する補正補助力が得られるように設定されている。このような補正マップに従って補正補助力を決定し、基準補助力に加算することにより、ステアリングホイール30の操作が急峻になされる場合の操舵力が軽減され、良好な操舵感を得ることができる。
次いでアシスト制御部7は、軸力センサ5により検出される軸力Fを取り込み(ステップ9)、取り込まれた軸力Fを前記下限値Fmin と比較し(ステップ10)、下限値Fmin 以下である場合(ステップ10:NO)には、操舵が停止されたと判定し、ステップ1に戻り、再度下限値Fmin を超える軸力Fが検出されるまで待機する。ここで操舵が停止されたとの判定は、直進状態への移行、走行の停止等によってなされる。
一方、現時点の軸力Fが下限値Fmin を超えている場合(ステップ10:YES)には、操舵が継続されていると判定し、次に現状の相対舵角Δθを前記θ1 と比較し(ステップ11)、Δθがθ1 以下である場合(ステップ11:NO)には、ステップ4に戻って一連の動作を繰り返し、Δθがθ1 を超えている場合(ステップ11:YES)には、切り返し制御動作に移行する(ステップ12)。なお相対舵角Δθは正負の符号を有しており、ステップ11での比較は、軸力Fの場合と同様に相対舵角Δθの絶対値を用いて行われる。
図5は、切り返し制御動作の内容を示すフローチャートである。前述の如くΔθがθ1 を超えていること、即ち、図3(a)の基準マップにより設定される基準補助力が一定域に達していることを条件として切り返し制御に移行した場合、アシスト制御部7は、まず操舵角θ及び軸力Fを取り込み(ステップ21)、取り込まれた軸力Fを予め設定された上限値Fmax と比較する(ステップ22)。
この上限値Fmax は、前記一定域の補助力に対応させて定められており、ステップ22での比較は、切り返し操舵が行われているか否かの判定のためになされる。ステップ22での比較の結果、現時点の軸力Fが十分に大きく上限値Fmax を超えている場合には、保舵状態又は切り増し状態にあると判定し、その時点での操舵角θを初期舵角θ0 として記憶して(ステップ23)、ステップ21に戻り新たな操舵角θ及び軸力Fの取り込みを行う。なおこの間の目標補助力は、ステップ7での算出値に維持され、操舵補助用のモータ6は、保舵状態又は切り増し状態を維持するための補助力を発生すべく駆動される。
一方ステップ22での比較の結果、現時点の軸力Fが上限値Fmax 以下である場合、切り返し操舵が開始されたと判定し、次いで、軸力Fと前記下限値Fmin とを比較する(ステップ24)。この比較の結果、軸力Fが下限値Fmin 以下である場合(ステップ24:NO)には、直進状態への復帰又は操舵の中止がなされたと判定してリターンする。
一方、現時点の軸力Fが下限値Fmin を超えている場合(ステップ24:YES)には、切り返し操舵が開始されていると判定し、操舵角θの取り込み(ステップ25)、相対舵角Δθの算出(ステップ26)、基準補助力の算出(ステップ27)、操舵補助用のモータ6の駆動(ステップ28)を順次実施する。
ここでステップ27における基準補助力の算出においては、図6に示す基準マップを用いる。この基準マップは、図3(a)に示す基準マップと同様、相対舵角Δθが零を中心とする所定の領域内にある間には、相対舵角Δθの増減に比例して増減する基準補助力が得られ、前記領域外の相対舵角Δθに対しては略一定の基準補助力が得られるように設定してあるが、前記領域の幅は、図3(a)に示す基準マップの2倍(−2θ1 〜+2θ1 )となっている。
図7は、切り返し操舵を含むマニュアル操舵時における操舵トルクを実測した結果を示す図である。図の右半部に示す如く、初期舵角が零の状態から一方向に操舵を開始した場合、操舵トルクは、操舵角の増加に略比例して増加して一定域に移行する。この後、適宜の操舵角(図においては略 170°)に達した段階で切り返し操舵が行われた場合、操舵トルクは、図示の如く操舵角の減少に略比例して減少して一定域に移行する変化態様を示すが、このような切り返し時における比例的な減少は、増加時、即ち、切り増し時と略等しい変化率にて、増加時の略2倍の比例域内にて生じる。このような変化態様は、図の左半部に示す逆方向の操舵時においても全く同様に発生する。
図6に示す基準マップは、以上の実測結果に基づいて決定されたものであり、図5に示すフローチャートに従う切り返し制御においては、図6の基準マップを用いて算出された基準補助力を発生させるべく操舵補助用のモータ6が駆動制御されるから、切り返し操舵時に図7に示す如く生じる操舵トルクの変化分が相殺されて、全操舵角範囲において略均等な操舵感を達成することができる。
なお図5中には示されていないが、切り返し制御においても、図3(b),(c)に示す補正マップを用いた補正補助力の算出を併せて実施し、基準補助力に加算して目標補助力を求めるようにしてある。このような切り返し制御は、ステップ24において直進状態への復帰又は操舵の中止がなされたと判定されるまで繰り返し実行される。
以上の如く本発明に係る電動パワーステアリング装置においては、操舵補助用のモータ6の駆動制御が、操舵角センサ4による操舵角の検出値と軸力センサ5による軸力の検出値とを用いて実行される。従って、ステアリング軸3に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサが不要となり、該トルクセンサに備えられるトーションバーによるステアリング軸3の剛性不足が解消され、操舵開始時、切り返し操舵時等の過渡状態での操舵の応答性が高められる。
また、操舵角センサ4による相対舵角の検出値に基づいて算出される操舵補助用のモータ6の目標補助力を絶対舵角に基づいて算出された補正補助力により補正するから、ストローク端近傍に現出する操舵トルクの急変域が相殺され、更に、操舵角速度に基づいて算出された補正補助力によっても前記目標補助力を補正するから、例えば、危険回避等の目的でなされるステアリングホイール30の急峻な操作を軽快に行わせることができ、良好な操舵感を得ることができる。
なお、電動パワーステアリング装置において広く実施されているように、以上の如く算出される目標補助力を、車速、ヨーレート等、操舵に影響を与える走行状態の検出結果に基づいて更に補正することも可能であり、このような補正により一層良好な操舵感を実現し得ることは言うまでもない。
また以上の実施の形態において.図3及び図6に示した基準マップ及び補正マップは、基準補助力及び補正補助力を求めるための一手段を例示するものであり、基準補助力及び補正補助力の算出は、他のマップ又は演算式に基づいてなし得ることは言うまでもない。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す模式図である。 アシスト制御部によるアシスト制御動作の内容を示すフローチャートである。 基準補助力及び補正補助力の算出に用いられる基準マップ及び補正マップを示す図である。 種々の初期状態からマニュアル操舵を行った場合に必要な操舵トルクを実測した結果を示す図である。 切り返し制御動作の内容を示すフローチャートである。 切り返し制御において基準補助力の算出に用いられる基準マップを示す図である。 切り返し操舵を含むマニュアル操舵時における操舵トルクを実測した結果を示す図である。
符号の説明
1 ラック軸(操舵軸)
4 操舵角センサ
5 軸力センサ
6 モータ
7 アシスト制御部
30 ステアリングホイール(操舵部材)
θ 操舵角(絶対舵角)
θ0 初期舵角
Δθ 相対舵角
dθ 操舵角速度

Claims (4)

  1. 操舵部材の操作に応じて操舵補助用のモータを駆動し、該モータが発生する補助力を操舵軸に伝え、該操舵軸の軸長方向の移動に応じてなされる操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵部材の操作により生じる操舵角を検出する操舵角センサと、
    前記操舵軸に加わる軸力を検出する軸力センサと、
    該軸力センサ及び前記操舵角センサの検出結果に基づいて目標補助力を求め、該目標補助力を発生させるべく前記モータを駆動するアシスト制御部と
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記アシスト制御部は、前記軸力センサにより検出される軸力に基づいて操舵の開始を判定する判定手段と、前記操舵角センサの検出結果から前記判定手段による判定の時点での初期舵角、及び該初期舵角に対する相対舵角を求め、この相対舵角に基づいて前記目標補助力を算出する手段とを備える請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記アシスト制御部は、前記操舵角センサの検出結果として与えられる絶対舵角から補正補助力を算出して、算出された補正補助力により前記目標補助力を補正する補正手段を備える請求項1又は請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記アシスト制御部は、前記操舵角センサの検出結果から操舵角速度を求め、この操舵角速度から補正補助力を算出して、算出された補正補助力により前記目標補助力を補正する補正手段を備える請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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