JP2019127233A - 操舵制御装置 - Google Patents

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Satoru Matsuda
哲 松田
祐輔 柿本
Yusuke KAKIMOTO
祐輔 柿本
勲 並河
Isao Namikawa
勲 並河
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Abstract

【課題】車両が旋回走行中である場合に、記憶されている転舵側中点と正転舵側中点との間のずれを判定できる操舵制御装置を提供する。【解決手段】操舵制御装置は、車速Vおよびピニオン角θpに対する横加速度Gの関係を示すマップと、車速Vおよびピニオン角θpに対するヨーレートγの関係を示すマップとを記憶している。操舵制御装置は、横加速度Gが数値範囲R1内にある旨判定できない場合(ステップS3のNO)、あるいはヨーレートγが数値範囲R2内にある旨判定できない場合(ステップS4のNO)、カウント値Cを更新する(ステップS5)。操舵制御装置は、カウント値Cがカウント閾値C0を超える場合(ステップS7のYES)、転舵側中点が正転舵側中点からずれているものとして、転舵側中点補正要求を生成する(ステップS8)。【選択図】図8

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、クラッチによって、運転者により操舵される操舵部と転舵輪を転舵させる転舵部との間の動力伝達を分離したステアバイワイヤ方式の操舵装置が知られている。この操舵装置は、ステアリングホイールの操舵反力の発生源である操舵側モータと、転舵輪を転舵させる転舵力の発生源である転舵側モータと、操舵側モータの回転角を検出する操舵側の回転角センサと、転舵側モータの回転角を検出する転舵側の回転角センサと、操舵側モータおよび転舵側モータを制御する操舵制御装置とを備えている。
操舵制御装置は、クラッチが切断状態にあるとき、ステアリングホイールに付与される操舵トルクに基づいて、操舵側モータを通じて操舵反力を発生させるとともに、転舵側モータを通じて転舵力を発生させている。操舵制御装置は、転舵輪の中立位置に対応することになる転舵側モータの回転角としてのモータ中点(以下、「転舵側中点」という。)を記憶するメモリを有している。操舵制御装置は、たとえば転舵側の回転角センサの検出値からメモリに記憶されている転舵側中点を減算することにより、転舵角を演算する。操舵制御装置は、この転舵角を用いて転舵側モータの駆動を制御する。
ところで、メモリに記憶されている転舵側中点に対応する転舵角を演算して転舵側モータを制御した場合、転舵輪は中立位置となるように配置されることが正しい。しかし、操舵装置の各構成部材の寸法公差や転舵側中点を記憶するメモリの不具合などに起因して、メモリに記憶されている転舵側中点と、上述の本来あるべき正しい転舵側中点(以下、「正転舵側中点」という。)との間にずれが生じることがある。記憶されている転舵側中点と正転舵側中点との間にずれが生じると、記憶されている転舵側中点に基づいて演算される転舵角についても本来あるべき正しい転舵角と異なることになる。この場合、たとえば運転者がステアリングホイールを中立位置に保持しても、転舵輪が中立位置からずれる。
このため、特許文献1の操舵装置では、転舵角センサの検出結果からみて車両が直進走行している場合に、操舵用アクチュエータの出力が零でないとき、転舵角センサの中点ずれを検出している。
特開2002−37108号公報
特許文献1の操舵装置では、記憶されている転舵側中点と正転舵側中点との間の中点ずれの検出は、転舵角センサの検出結果からみて車両が直進走行中であるというような特定のタイミングでなければできない。なお、ステアバイワイヤ式の操舵装置に限らず、電動パワーステアリング装置などの他の操舵装置においても、同様の課題が生じる。
本発明の課題は、操舵制御装置において、車両が旋回走行中である場合に、記憶されている転舵側中点のずれを判定することにある。
上記課題を解決する操舵制御装置は、運転者により操舵される操舵部と転舵輪を転舵させる転舵部とを有する操舵機構と、前記操舵機構に対して前記転舵輪を転舵させる転舵力を発生させるモータと、前記転舵部の中立位置に対応する転舵側中点を基準として、前記転舵輪の転舵角に換算可能な回転角を検出する回転角センサと、車両の旋回に関係する状態量である旋回状態量を検出する旋回状態量センサと、車両の走行速度である車速を検出する車速センサと、を備える操舵装置を制御対象とする操舵制御装置において、前記転舵側中点を示す転舵中点情報と前記車速および前記転舵角に対する前記旋回状態量の関係を示す関係情報とを記憶する記憶部と、車両の旋回走行中において前記車速センサにより検出される前記車速と前記回転角センサにより検出される前記回転角を用いて求められる前記転舵角とに基づいて、前記記憶部に記憶されている前記関係情報を用いて求められる旋回状態量に対応する旋回状態量規定値を演算する規定値演算部と、前記旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が前記旋回状態量規定値からずれている場合、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている旨判定する判定部と、を備える。
この構成では、記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点を基準として、転舵輪の転舵角を制御することになる。この場合、車両の旋回に関係する状態量である旋回状態量は、旋回状態量センサによって検出することができる。一方、車両が旋回走行中であるときの旋回状態量は、車速と転舵角によって求めることができる。そのため、記憶部は、車速および転舵角に対する旋回状態量の関係を示す関係情報を記憶しておき、規定値演算部は、車両の車速および転舵角が得られると、記憶部の関係情報から旋回状態量規定値を演算することができる。そして、旋回状態量センサによって検出された旋回状態量と、規定値演算部で演算された旋回状態量規定値との間でずれが生じていると、記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれていると判定することができる。これにより、旋回走行中において、記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれていると判定できる。
上記の操舵制御装置において、前記旋回状態量センサにより検出される旋回状態量は、車両の横加速度および車両のヨーレートの少なくとも一方であることが好ましい。
この構成によれば、車両が高速で走行しているほど、すなわち車速が大きいほど、車両の横加速度およびヨーレートは大きくなる。また、車両の旋回が急であるほど、すなわち転舵角が大きいほど、車両の横加速度およびヨーレートは大きくなる。このため、旋回状態量として、車両の横加速度およびヨーレートの少なくとも一方を用いることにより、車両の旋回の状態を好適に判別できる。
上記の操舵制御装置において、前記旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が前記旋回状態量規定値からずれている状況が継続する時間を計測する計時部を備え、前記判定部は、前記計時部により計測される計測時間が規定時間を超える場合、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている旨判定することが好ましい。
記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点のずれが発生していないのにもかかわらず、一時的に旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が旋回状態量規定値からずれていると判定されることがある。しかし、車両の旋回状態やノイズなどに起因して、旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が旋回状態量規定値から一時的にずれたとしても、旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が旋回状態量規定値から定常的にずれるような状況は継続しない。一方、記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている場合には、定常的に旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が旋回状態量規定値からずれる状況が発生する。そこで、上記構成によれば、記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれているか否かという判定を、旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が旋回状態量規定値からずれる状況が規定時間を超えるほど継続していることに基づいて実行しているため、その判定をより的確なものにすることができる。
上記の操舵制御装置において、前記規定値演算部は、数値範囲を有するように前記旋回状態量規定値を演算するものであり、前記車速が大きい場合、前記車速が小さい場合よりも前記数値範囲を大きく演算することが好ましい。
この構成によれば、車速が大きい場合には、車速が小さい場合よりも旋回状態量センサにより検出される旋回状態量がばらつきやすい。このため、旋回状態量規定値について数値範囲を有するように演算することによって、旋回状態量センサにより検出される旋回状態量がばらついた場合においても、記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれていることをより的確に判定できる。
上記の操舵制御装置において、前記操舵装置は、前記操舵部と前記転舵部との間の動力の伝達が断接可能あるいは切断されるものであって、前記記憶部は、前記操舵部の中立位置に対応する操舵側中点を示す操舵中点情報を記憶するものであり、前記判定部により前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている旨判定された場合、車両が停車中にあることが検出されることを条件として、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報を、前記記憶部に記憶されている操舵中点情報に、時間に応じて徐々に近付けることにより、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点を補正する補正部を備えることが好ましい。
この構成によれば、ステアバイワイヤ式の操舵装置である場合、操舵制御装置は転舵側中点を示す転舵中点情報に加えて操舵側中点を示す操舵中点情報を記憶している。操舵制御装置は、操舵中点情報を用いて、転舵中点情報を補正することができる。また、記憶部に記憶されている転舵中点情報を操舵中点情報に時間に応じて徐々に近付けることにより、転舵側中点の補正に際して生じるモータの駆動を緩やかにでき、転舵側中点の補正に際して運転者に違和感を与えることが抑制されている。
上記の操舵制御装置において、前記操舵装置は、前記操舵部と前記転舵部との間の動力の伝達が断接可能あるいは切断されるものであって、前記記憶部は、前記操舵部の中立位置に対応する操舵側中点を示す操舵中点情報を記憶するものであり、前記判定部により前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている旨判定された場合、車両が走行中にあることが検出されることを条件として、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報を、前記記憶部に記憶されている操舵中点情報に、前記操舵部に付与される操舵トルクに応じて徐々に近付けることにより、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点を補正する補正部を備えることが好ましい。
この構成によれば、ステアバイワイヤ式の操舵装置である場合、操舵制御装置は転舵側中点を示す転舵中点情報に加えて操舵側中点を示す操舵中点情報を記憶している。操舵制御装置は、操舵中点情報を用いて、転舵中点情報を補正することができる。また、記憶部に記憶されている転舵中点情報を操舵中点情報に操舵トルクに応じて徐々に近付けることにより、転舵側中点の補正に際して生じるモータの駆動を緩やかにでき、転舵側中点の補正に際して運転者に違和感を与えることが抑制されている。
本発明の操舵制御装置によれば、車両が旋回走行中である場合において、記憶されている転舵側中点のずれを判定できる。
ステアバイワイヤ方式の操舵装置の概略構成図。 操舵制御装置のブロック図。 車速およびピニオン角が転舵側中点のずれの判定を実施できる範囲内にあるか否かを判定するためのマップ。 車速およびピニオン角に対する横加速度の関係を示すマップ。 車速およびピニオン角に対するヨーレートの関係を示すマップ。 車速に対する横加速度マージンの関係を示すグラフ。 車速に対するヨーレートマージンの関係を示すグラフ。 転舵側中点のずれの判定手順を示すフローチャート。 転舵側中点のずれの補正手順を示すフローチャート。 転舵側中点のずれの補正手順を示すフローチャート。 他の実施形態のステアバイワイヤ方式の操舵装置の概略構成図。
以下、操舵制御装置をステアバイワイヤ方式の操舵装置に適用した一実施形態について説明する。
図1に示すように、車両の操舵装置1は、運転者により操舵される操舵部2、および運転者によるステアリングホイール11の操舵に応じて転舵輪17,17を転舵させる転舵部3を備えている。操舵部2と転舵部3との間は機械的に分離されている。なお、操舵部2および転舵部3から操舵機構が構成されている。
操舵部2は、ステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12を有している。
転舵部3は、第1ピニオンシャフト13、第1ラックアンドピニオン機構14、および転舵シャフト15を有している。第1ピニオンシャフト13は、ステアリングシャフト12におけるステアリングホイール11と反対側の部分に設けられている。第1ピニオンシャフト13は第1ラックアンドピニオン機構14を構成し、その下端部は第1ピニオンシャフト13に対して交わる方向へ延びる転舵シャフト15に連結されている。第1ラックアンドピニオン機構14は、第1ピニオンシャフト13の第1ピニオン歯13aが転舵シャフト15の第1ラック歯15aに噛み合うことにより構成されている。第1ラックアンドピニオン機構14により転舵シャフト15は、往復移動可能に支持されている。転舵シャフト15の両端は、それぞれタイロッド16,16を介して、左右の転舵輪17,17に連結されている。
操舵装置1は、操舵反力を生成するための構成として、反力ユニット30を備えている。操舵反力とは、運転者によるステアリングホイール11の操作方向と反対方向へ向けて作用する力のことである。この操舵反力をステアリングホイール11(ステアリングシャフト12)に付与することにより、運転者に適度な手応え感を与えることができる。
反力ユニット30は、操舵側モータ31、第1減速機構32、第1回転角センサ33、およびトルクセンサ34を有している。
操舵側モータ31は、操舵反力の発生源である。操舵側モータ31としては、たとえば3相のブラシレスモータが採用される。操舵側モータ31の第1回転軸31aは、第1減速機構32を介して、ステアリングシャフト12に連結されている。操舵側モータ31のトルクがステアリングシャフト12に付与されることにより、ステアリングホイール11に操舵反力が付与される。
第1回転角センサ33は、操舵側モータ31の第1回転軸31aの第1回転角θs0を検出する。操舵側モータ31の第1回転角θs0は、操舵角θsの演算に使用される。なお、操舵側モータ31とステアリングシャフト12とは、第1減速機構32を介して連動する。操舵側モータ31の第1回転角θs0と、ステアリングシャフト12の回転角との間には相関がある。また、ステアリングシャフト12の回転角とステアリングホイール11の操舵角θsとの間にも相関がある。このため、操舵角θsは、第1回転角センサ33により検出される第1回転角θs0に基づいて求めることができる。
トルクセンサ34は、ステアリングシャフト12における第1減速機構32よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。トルクセンサ34は、ステアリングシャフト12の途中に設けられるトーションバー34aを有している。トルクセンサ34は、ステアリングホイール11が回転操作されることによりステアリングシャフト12に加わる操舵トルクThを検出する。
操舵装置1は、転舵力を発生させるための構成として、転舵ユニット40を備えている。転舵力とは、転舵輪17,17を転舵させるための力のことである。
転舵ユニット40は、転舵側モータ41、第2減速機構42、回転角センサとしての第2回転角センサ43、第2ピニオンシャフト44、および第2ラックアンドピニオン機構45を有している。
転舵側モータ41は、転舵力の発生源である。転舵側モータ41としては、たとえば3相のブラシレスモータが採用される。転舵側モータ41の第2回転軸41aは、第2減速機構42を介して、第2ピニオンシャフト44に連結されている。第2ピニオンシャフト44は第2ラックアンドピニオン機構45を構成し、その下端部は第2ピニオンシャフト44に対して交わる方向へ延びる転舵シャフト15に連結されている。第2ラックアンドピニオン機構45は、第2ピニオンシャフト44の第2ピニオン歯44aが転舵シャフト15の第2ラック歯15bに噛み合うことにより構成されている。第1ラックアンドピニオン機構14および第2ラックアンドピニオン機構45は、第2ピニオンシャフト44および転舵シャフト15を図示しないハウジングに対して支持する。転舵側モータ41のトルクが第2ピニオンシャフト44に付与されることにより、第2ピニオンシャフト44が回転運動する。第2ピニオンシャフト44の回転運動は、第2ラックアンドピニオン機構45を介して転舵シャフト15の軸方向の往復直線運動に変換される。これにより、転舵側モータ41のトルクは、転舵力として、第2ピニオンシャフト44を介して転舵シャフト15に付与される。
第2回転角センサ43は、転舵側モータ41の第2回転軸41aの第2回転角θt0を検出する。転舵側モータ41の第2回転角θt0は、転舵角θtに換算可能な値である第2ピニオンシャフト44の回転角(ピニオン角θp)の演算に使用される。なお、転舵側モータ41と第2ピニオンシャフト44とは第2減速機構42を介して連動しているため、転舵側モータ41の第2回転角θt0と第2ピニオンシャフト44のピニオン角θpとの間には相関がある。また、第2ピニオンシャフト44のピニオン角θpと第1ピニオンシャフト13の回転角との間にも相関がある。また、第2ピニオンシャフト44のピニオン角θpと転舵輪17,17の転舵角θtとの間にも相関がある。このため、転舵角θtは、第2回転角センサ43により検出される第2回転角θt0に基づいて求めることができる。なお、操舵トルクTh、第1回転角θs0、第2回転角θt0、ピニオン角θp、および転舵角θtは、ステアリングホイール11が一方向(本実施形態では右方向)に操舵された場合に正の値、他方向(本実施形態では左方向)に操舵された場合に負の値で検出される。
操舵装置1は、操舵制御装置50を備えている。操舵制御装置50は、各種のセンサの検出結果に基づいて、操舵側モータ31および転舵側モータ41を制御する。各種のセンサとしては、第1回転角センサ33、トルクセンサ34、第2回転角センサ43、車速センサ46、横加速度センサ47、およびヨーレートセンサ48が用いられる。車速センサ46は、車両の走行速度である車速Vを検出する。横加速度センサ47は、横加速度センサ47は、車両の横加速度Gを検出する。ヨーレートセンサ48は、車両のヨーレートγを検出する。横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48は、車両の旋回に関係する状態量である旋回状態量を検出する旋回状態量センサとして機能する。なお、これら横加速度Gおよびヨーレートγは、車両が旋回する場合に変化する状態量であり、車両の旋回に関係する旋回状態量の一例である。
操舵制御装置50は、操舵側モータ31の制御を通じてステアリングホイール11に操舵反力を発生させる反力制御を実行するとともに、転舵側モータ41の制御を通じて転舵輪17,17を転舵させる転舵制御を実行することにより、操舵装置1をステアバイワイヤとして機能させる。これにより、ステアリングホイール11の回転操作に伴い転舵シャフト15が直線運動することで、転舵輪17,17の転舵角θtが変更される。
操舵制御装置50は、操舵トルクThおよび車速Vに基づいて、操舵反力を発生させるための目標操舵反力を演算する。そして、操舵制御装置50は、演算された目標操舵反力および操舵トルクThに基づいて目標操舵角を演算する。操舵制御装置50は、実際の操舵角を目標操舵角に追従させるべく、操舵角の角度フィードバック制御を実行することにより、操舵角補正量を演算し、当該操舵角補正量を目標操舵反力に加算することにより、操舵反力指令値を演算する。操舵制御装置50は、操舵反力指令値に応じた操舵反力を発生させるために必要とされる電流に基づいて、操舵側モータ31に対する給電を制御する。これにより、操舵制御装置50は、操舵側モータ31の制御を通じてステアリングホイール11に操舵反力を発生させる反力制御を実行する。
操舵制御装置50は、第2回転角センサ43により検出される第2回転角θt0に基づいて、第2ピニオンシャフト44の実際の回転角であるピニオン角θpを演算する。このピニオン角θpは、転舵輪17,17の転舵角θtを反映する値である。操舵制御装置50は、目標操舵角を用いて目標ピニオン角を演算する。なお、目標操舵角は、第2回転角θt0と同様に、一方向の回転角の指令値である場合に正の値、他方向の回転角の指令値である場合に負の値とする。そして、操舵制御装置50は、目標ピニオン角と実際のピニオン角θpとの偏差に基づいて、角度フィードバック制御を実行することにより、当該偏差を無くすように転舵側モータ41に対する給電を制御する。これにより、操舵制御装置50は、転舵側モータ41の制御を通じて転舵輪17,17を転舵させる転舵制御を実行する。
なお、本実施形態では、転舵シャフト15がラックエンドに接触するまで軸方向に移動したときに、ステアリングホイール11をさらにわずかに回転可能なように、図示しないスパイラルケーブルの長さにわずかにマージンを持たせてある。すなわち、ステアリングホイール11が回転することが許容される操舵限界は、転舵輪17,17の転舵限界よりも大きく設定されている。
また、操舵制御装置50は、ステアリングホイール11が操舵限界に近付く場合に、ステアリングホイール11が操舵限界を超えないように、ステアリング操作に抗する操舵反力を大きくする。すなわち、操舵制御装置50は、ステアリングホイール11の操舵角θsが操舵限界よりも中立よりの所定の角度に達したときに操舵反力を大きくすることにより、ステアリングホイール11が操舵限界を超えて操作されることを規制する。この場合の操舵反力は、ステアリングホイール11が操舵限界を超えない程度、すなわち人の力ではそれ以上ステアリングホイール11を操舵限界側に操作できないほど大きい値に設定される。
操舵制御装置50の構成について説明する。
図2に示すように、操舵制御装置50は、記憶部51、制御部52、判定部53、規定値演算部54、カウンタ55、および補正部56を備えている。
記憶部51は、反力制御および転舵制御などの各種の制御で用いる各種の情報を記憶している。記憶部51としては不揮発性のメモリなどが採用される。具体的には、記憶部51は、転舵側中点θtmの転舵中点情報および操舵側中点θsmの操舵中点情報を絶対角で示される形式で記憶している。以下では説明の便宜上、記憶部51に記憶されている情報を転舵側中点θtmおよび操舵側中点θsmとして記載する。転舵側中点θtmとは、車両が直進走行している状態での転舵輪17,17の中立位置に対応することになる転舵側モータ41の回転角を示す転舵中点情報として、記憶部51に記憶された値である。操舵側中点θsmとは、ステアリングホイール11の中立位置に対応することになる操舵側モータ31の回転角を示す転舵中点情報として、記憶部51に記憶された値である。本来であれば、転舵側中点θtmに対応する転舵角θtを演算して転舵側モータ41を制御した場合、転舵輪17,17は中立位置となるように配置されるのであり、こうした転舵輪17,17の中立位置に対応する本来あるべき正しい転舵側中点(以下、「正転舵側中点θtm0」とする。)と記憶部51に記憶されている転舵側中点θtmとは一致するはずである。その場合、転舵側中点θtm(正転舵側中点θtm0)は、操舵側中点θsmを転舵側モータ41の回転角での表示に換算した値と一致するはずである。しかし、操舵装置1の各部材の寸法公差や記憶部51の不具合などに起因して、転舵側中点θtmと正転舵側中点θtm0との間にずれが生じることがある。たとえば、記憶部51で記憶していた転舵側中点θtmの転舵中点情報が外乱によって異なる情報に変化した場合、転舵側中点θtmと正転舵側中点θtm0との間にずれが生じる。なお、操舵側中点θsmおよび転舵側中点θtmは工場出荷時に記憶部51に記憶され、転舵側中点θtmは中点のずれの判定によって補正されて変化するものの、操舵側中点θsmは基本的に工場出荷時の値のままである。
記憶部51は、転舵側中点θtmのずれの判定に用いられる図3〜5に示す各種のマップM1〜M3の情報を記憶している。具体的には、記憶部51は、車速Vおよびピニオン角θpが転舵側中点θtmのずれの判定を実施できる範囲内にあるか否かを判定するためのマップM1(図3参照)を記憶している。また、記憶部51は、車速Vおよびピニオン角θpに対する横加速度Gの関係を示すマップM2(図4参照)を記憶している。また、記憶部51は、車速Vおよびピニオン角θpに対するヨーレートγの関係を示すマップM3(図5参照)を記憶している。なお、ピニオン角θpは転舵角θtに対応する角度であるため、マップM1〜M3におけるピニオン角θpの部分は転舵角θtとして表すことができる。
図3に示されるマップM1は、車速Vと転舵角θtに対応する角度であるピニオン角θpとの関係において、転舵側中点θtmのずれの判定を実施できる範囲Rが示されるとともに、転舵側中点θtmのずれの判定を実施できない範囲(図3中の範囲R内にない部分)が示されている。なお、ピニオン角θpの最大値θpmax,θpmaxは、転舵角θtの転舵の最大値に対応している。マップM1では、車速Vが車速閾値Vmin未満の領域は、ピニオン角θpによらずに転舵側中点θtmのずれの判定を実施できない領域に設定されている。車速閾値Vminは、車両が走行状態にあると判定できる程度の車速に設定される。車速Vが車速閾値Vmin未満である場合、車両がそもそも走行していないか、あるいは車両が走行していたとしても低速で走行している分、横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48の検出値にノイズの影響が加わりやすい状況である。また、マップM1では、ピニオン角θpの絶対値がピニオン角閾値θpmin未満である領域(−θpmin<θp<θpmin)は、車速Vによらずに転舵側中点θtmのずれの判定を実施できない領域に設定されている。ピニオン角閾値θpminは、転舵輪17,17が転舵されている、すなわち車両が旋回状態にあると判定できる程度の転舵角θtに対応して設定されている。ピニオン角θpの絶対値がピニオン角閾値θpmin未満である場合、車両は直進走行しているか、あるいはわずかに旋回走行していたとしても旋回がわずかである分、横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48の検出値にノイズの影響が加わりやすい状況である。また、マップM1では、車速Vが車速閾値Vmin以上、かつピニオン角θpがピニオン角閾値θpmin以上の領域であっても、転舵側中点θtmのずれの判定を実施できる領域と実施できない領域とに分かれている。具体的には、車速Vが車速閾値Vmin以上、かつピニオン角θpがピニオン角閾値θpmin以上であっても、車速Vおよびピニオン角θpがともに大きすぎる場合、判定を実施できないものとされる。すなわち、マップM1では、車速Vが車速閾値Vmin以上、かつピニオン角θpがピニオン角閾値θpmin以上の領域において、車両がグリップ走行している領域(図3の範囲R)では転舵側中点θtmのずれの判定を実施可能とし、車両がグリップ走行していない領域では実施不可能としている。車速Vが大きい場合には転舵側中点θtmのずれの判定を実施可能とされるピニオン角θpは小さくなり、ピニオン角θpが大きい場合には転舵側中点θtmのずれの判定を実施可能とされる車速Vが小さくなる。なお、グリップ走行とは、車両が横滑りしないような転舵輪17,17の限界域内での旋回走行のことである。非グリップ走行の場合、車両の横滑りが発生しやすい分、横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48の検出値がばらつきやすい。
図4に示されるマップM2は、車速Vおよびピニオン角θpに対する横加速度Gの関係を実験により求め、記憶部51に記憶したものである。以下、車速Vおよびピニオン角θpに基づいて、マップM2を用いて求められる横加速度を横加速度規定値Gsとする。マップM2では、図3のマップM1の範囲Rと同様の領域において、車速Vおよびピニオン角θpに対する横加速度規定値Gsが定められている。横加速度規定値Gsは、車速Vが大きいほど大きい値に設定される(すなわち、図4中の「c1」よりも「c7」の方が大きい)。また、横加速度規定値Gsは、ピニオン角θpの絶対値が大きいほど大きい値に設定される(すなわち、図4中の「c1」よりも「a1」の方が大きい)。
図5に示されるマップM3は、車速Vおよびピニオン角θpに対するヨーレートγの関係を実験により求め、記憶部51に記憶したものである。以下、車速Vおよびピニオン角θpに基づいて、マップM3を用いて求められるヨーレートをヨーレート規定値γsとする。マップM3では、図3のマップM1の範囲Rと同様の領域において、車速Vおよびピニオン角θpに対するヨーレート規定値γsが定められている。ヨーレート規定値γsは、車速Vが大きいほど大きい値に設定される(すなわち、図5中の「C1」よりも「C7」の方が大きい)。また、ヨーレート規定値γsは、ピニオン角θpの絶対値が大きいほど大きい値に設定される(すなわち、図5中の「C1」よりも「A1」の方が大きい)。
図2に示すように、操舵制御装置50は制御部52を備えている。制御部52は、各種のセンサの検出結果に基づいて、操舵側モータ31および転舵側モータ41を制御することにより、反力制御および転舵制御などの各種の制御を実行する。また、制御部52は、各種のセンサの検出結果に基づいて、各種の制御で用いられる操舵角θsおよび転舵角θtに対応する角度であるピニオン角θpなどの値を演算する。そのため、記憶部51に記憶されている操舵側中点θsmおよび転舵側中点θtmを取得するとともに、第1回転角センサ33により検出される第1回転角θs0および第2回転角センサ43により検出される第2回転角θt0を取得する。制御部52は、第1回転角センサ33により検出される第1回転角θs0から操舵側中点θsmを減算した値を、ステアリングホイール11周りの角度に換算することにより、操舵角θsを演算する。また、制御部52は、第2回転角センサ43により検出される第2回転角θt0から転舵側中点θtmを減算した値を、第2ピニオンシャフト44周りの角度に換算することにより、ピニオン角θpを演算する。なお、転舵角θtは、ピニオン角θpに基づいて求めることができる。操舵制御装置50は、イグニッションスイッチがオフされている期間においても、操舵側モータ31の第1回転軸31aおよび転舵側モータ41の第2回転軸41aの回転状態を確認している。制御部52は、これらの操舵角θsおよびピニオン角θpに基づいて、反力制御および転舵制御などの各種の制御を実行する。
判定部53は、車速センサ46により検出される車速Vと、第2回転角センサ43により検出される第2回転角θt0に基づいて演算されるピニオン角θpと、横加速度センサ47により検出される横加速度Gと、ヨーレートセンサ48により検出されるヨーレートγと、記憶部51に記憶されている転舵側中点θtmおよびマップM1とを取得する。判定部53は、マップM1に基づいて、検出される車速Vおよびピニオン角θpが範囲Rに入るか否かを判定する。これにより、判定部53は、転舵側中点θtmのずれの判定が実施可能か否かを判定する。判定部53は、横加速度センサ47により検出される横加速度Gが、規定値演算部54により演算された横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にあるか否かを判定する。また、判定部53は、ヨーレートセンサ48により検出されるヨーレートγが、規定値演算部54により演算されたヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にあるか否かを判定する。判定部53は、横加速度センサ47により検出される横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートセンサ48により検出されるヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない状況が継続する場合、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている旨判定する。判定部53は、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている旨判定した場合、転舵側中点補正要求を生成する。
規定値演算部54は、車速V、ピニオン角θp、およびマップM2,M3を取得する。規定値演算部54は、車速Vおよびピニオン角θpに基づいて、マップM2を用いて横加速度規定値Gsを演算する。また、規定値演算部54は、車速Vおよびピニオン角θpに基づいて、マップM3を用いてヨーレート規定値γsを演算する。規定値演算部54は、車速センサ46により検出される車速Vに基づいて、横加速度マージンGmおよびヨーレートマージンγmを設定する。規定値演算部54は、横加速度マージンGmを用いて、横加速度規定値Gsが数値範囲を有するように、横加速度規定値Gsの数値範囲R1を演算する。規定値演算部54は、ヨーレートマージンγmを用いて、ヨーレート規定値γsが数値範囲を有するように、ヨーレート規定値γsの数値範囲R2を演算する。
図6に示すように、規定値演算部54は、車速Vが大きいほど、大きい値の横加速度マージンGmを設定する。すなわち、規定値演算部54は、車速Vが大きい場合、車速Vが小さい場合よりも大きい値の横加速度マージンGmを設定する。
また、図7に示すように、規定値演算部54は、車速Vが大きいほど、大きい値のヨーレートマージンγmを設定する。すなわち、規定値演算部54は、車速Vが大きい場合、車速Vが小さい場合よりも大きい値のヨーレートマージンγmを設定する。
図2に示すように、規定値演算部54は、横加速度規定値Gsから横加速度マージンGmを減算した値と横加速度規定値Gsに横加速度マージンGmを加算した値との間を数値範囲R1として設定する。この数値範囲R1を有する横加速度マージンGmを求めることによって、これを横加速度規定値Gsとして設定する。また、規定値演算部54は、ヨーレート規定値γsからヨーレートマージンγmを減算した値とヨーレート規定値γsにヨーレートマージンγmを加算した値との間を数値範囲R2として設定する。この数値範囲R2を有するヨーレートマージンγmを求めることによって、これをヨーレート規定値γsとして設定する。
カウンタ55は、横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない旨判定される場合、カウント値Cをインクリメント(+1)する。一方、横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にあり、かつヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にある場合、カウント値Cをリセットする。判定部53は、カウント値Cがカウント閾値C0を超える場合、横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない状況が継続されたものとして、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている旨判定する。言い換えると、判定部53は、横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない状況が継続する時間がカウント閾値C0に対応する規定時間を超える場合、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている旨判定する。なお、カウント閾値C0は、横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない状況が一時的なものではないと判断される程度の回数(あるいは時間)に基づいて設定される。カウンタ55は、横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない状況が継続する時間を計測する計時部として機能する。
補正部56は、判定部53により転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている旨判定される場合、すなわち判定部53により転舵側中点補正要求が生成された場合において、車両が停車中にあることが検出されるとき、転舵側中点θtmの補正を実行する。補正部56は、車速センサ46により検出される車速Vが停車判定閾値V0未満である場合、車両が停車中にあることを検出する。停車判定閾値V0は、車両が停車状態にあるか否かを切り分ける閾値である。補正部56は、転舵側中点θtmの補正に際して、操舵側モータ31の回転角を転舵側モータ41の回転角に換算することに対応して、操舵側中点θsmを操舵側モータ31の回転角での表示から転舵側モータ41の回転角での表示に換算する。転舵側中点θtmは転舵輪17,17の中立位置に対応することになる転舵側モータ41の回転角であり、操舵側中点θsmはステアリングホイール11の中立位置に対応することになる操舵側モータ31の回転角であるため、基準が異なるからである。補正部56は、転舵側中点θtmを換算された操舵側中点θsmに時間に応じて徐々に近付けることにより、転舵側中点θtmを補正する。一例としては、転舵側中点θtmと換算された操舵側中点θsmとのずれ量を所定回数の制御周期をもって補正する場合、転舵側中点θtmと換算された操舵側中点θsmとのずれ量を所定回数で均等に割った値ずつ、転舵側中点θtmに反映させる。
図8を用いて、判定部53で行われる転舵側中点θtmのずれの判定手順を説明する。
図8のフローチャートに示すように、判定部53は、車速センサ46により検出される車速Vが車速閾値Vmin以上であり、かつ第2回転角センサ43を通じて得られるピニオン角θpの絶対値がピニオン角閾値θpmin以上であるか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、判定部53は、ステップS1において、車両が旋回走行中にあるか否かを判定している。
判定部53は、車速Vが車速閾値Vmin以上であり、かつピニオン角θpの絶対値がピニオン角閾値θpmin以上である場合(ステップS1のYES)、転舵側中点θtmのずれの判定が実施可能か否かを判定する(ステップS2)。具体的には、判定部53は、検出される車速Vおよびピニオン角θpが図3の範囲Rに入るか否かを判定する。これにより、判定部53は、転舵側中点θtmのずれの判定が実施可能(車両がグリップ走行中)か否かを判定する。
判定部53は、転舵側中点θtmのずれの判定が実施可能である旨判定する場合(ステップS2のYES)、横加速度センサ47により検出される横加速度Gが規定値演算部54により演算される数値範囲R1内にあるか否かを判定する(ステップS3)。
判定部53は、横加速度Gが数値範囲R1内にある旨判定する場合(ステップS3のYES)、ヨーレートセンサ48により検出されるヨーレートγが規定値演算部54により演算される数値範囲R2内にあるか否かを判定する(ステップS4)。
判定部53は、横加速度Gが数値範囲R1内にない旨判定する場合(ステップS3のNO)、あるいはヨーレートγが数値範囲R2内にない旨判定する場合(ステップS4のNO)、カウント値Cを更新する(ステップS5)。具体的には、判定部53は、カウンタ55に記憶されているカウント値Cを「+1」する。
一方、判定部53は、ヨーレートγが数値範囲R2内にある旨判定する場合(ステップS4のYES)、カウント値Cをリセットする(ステップS6)。
判定部53は、ステップS5およびステップS6の後、カウント値Cがカウント閾値C0を超えるか否かを判定する(ステップS7)。
判定部53は、カウント値Cがカウント閾値C0を超える場合(ステップS7のYES)、転舵側中点補正要求を生成し(ステップS8)、処理を終了する。判定部53は、カウント値Cがカウント閾値C0を超える場合、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている旨判定する。そして、判定部53は、転舵側中点補正要求を生成した場合、車両が停車中にあることが検出されるとき、転舵側中点θtmの補正を実行する。
判定部53は、カウント値Cがカウント閾値C0以下である場合(ステップS7のNO)、処理を終了する。
判定部53は、車速Vが車速閾値Vmin未満、あるいはピニオン角θpの絶対値がピニオン角閾値θpmin未満である場合(ステップS1のNO)、処理を終了する。
判定部53は、転舵側中点θtmのずれの判定が実施可能である旨判定できない場合(ステップS2のNO)、処理を終了する。
図9を用いて、補正部56で行われる転舵側中点θtmの補正手順を説明する。補正部56は、判定部53により転舵側中点補正要求が生成された場合、図9のフローチャートに示される補正手順で転舵側中点θtmを補正する。
図9のフローチャートに示すように、補正部56は、転舵側中点補正要求が生成されている場合、車速Vが停車判定閾値V0未満であるか否かを判定する(ステップS11)。
補正部56は、車速Vが停車判定閾値V0未満である場合(ステップS11のYES)、転舵側中点θtmを時間に応じて徐々に操舵側中点θsmに近付け(ステップS12)、処理を終了する。これにより、転舵側中点θtmの補正が実行される。
補正部56は、車速Vが停車判定閾値V0以上である場合(ステップS11のNO)、処理を終了する。
なお、補正部56で行われる転舵側中点θtmの補正手順は、図9のフローチャートに示すものに限らない。補正部56は、判定部53により転舵側中点補正要求が生成された場合、図10のフローチャートに示される補正手順で転舵側中点θtmを補正するようにしてもよい。
図10のフローチャートに示すように、補正部56は、車速Vが停車判定閾値V0以上であるか否かを判定する(ステップS21)。
補正部56は、車速Vが停車判定閾値V0以上である場合(ステップS21のYES)、転舵側中点θtmをトルクセンサ34により検出される操舵トルクThに応じて徐々に操舵側中点θsmに近付け(ステップS22)、処理を終了する。一例としては、補正部56は、転舵側中点θtmと換算された操舵側中点θsmとのずれ量を、操舵トルクThの絶対値が大きいほど大きく転舵側中点θtmに反映させる。すなわち、補正部56は、転舵側中点θtmと換算された操舵側中点θsmとのずれ量を転舵側中点θtmに反映させる量を、操舵トルクThの絶対値が大きい場合には大きく、操舵トルクThの絶対値が小さい場合には小さくする。これにより、転舵側中点θtmの補正が実行される。
本実施形態の作用および効果を説明する。
(1)記憶部51が記憶している転舵中点情報に基づく転舵側中点θtmを基準として、ピニオン角θpが演算され、当該ピニオン角θpの制御を通じて転舵輪17,17の転舵角θtが制御される。この場合、車両の旋回に関係する状態量である横加速度Gおよびヨーレートγは、横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48によって検出することができる。一方、車両がグリップ走行中であるときの横加速度Gおよびヨーレートγは、車速Vおよびピニオン角θpによって求めることができる。規定値演算部54は、車両のグリップ走行中に検出される車速Vおよびピニオン角θpを取得すると、記憶部51に記憶されているマップM2,M3の関係情報から横加速度規定値Gsおよびヨーレート規定値γsを演算する。また、規定値演算部54は、車速Vに応じて演算される横加速度マージンGmおよびヨーレートマージンγmを用いて数値範囲R1,R2を演算する。そして、判定部53は、横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48によって検出された横加速度Gおよびヨーレートγが、規定値演算部54によって演算された数値範囲R1,R2内にあるか否かを判定することにより、記憶部51に記憶されている転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれているか否かを判定する。
たとえば転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0よりも正にずれた場合には、演算されるピニオン角θpは本来のピニオン角よりも正の方向に小さい値となる。これにより、操舵制御装置50により演算されるピニオン角θpは、本来認識するべき正しいピニオン角からずれてしまい、転舵輪17,17の転舵角θtも本来あるべき転舵角よりも正の方向に大きくなるように制御される。転舵角θtのずれに対応して、検出される横加速度Gおよびヨーレートγは、マップM2,M3に基づいて求められる横加速度規定値Gsおよびヨーレート規定値γsよりも大きい値になる。一方、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0よりも負の方向にずれた場合には、検出される横加速度Gおよびヨーレートγは、マップM2,M3に基づいて求められる横加速度規定値Gsおよびヨーレート規定値γsよりも正の方向に小さい値になる。これらの結果、横加速度Gは横加速度規定値Gsの数値範囲R1から外れるか、ヨーレートγはヨーレート規定値γsの数値範囲R2から外れることとなる。このため、操舵制御装置50は、横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない場合、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている旨判定できる。
このように、車両の直進走行中に限らず、車両の旋回走行中において、旋回走行中に検出される車速V、ピニオン角θp、横加速度G、およびヨーレートγに基づいて、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれているか否かを判定できる。
(2)横加速度Gおよびヨーレートγは、車両の旋回に影響を受ける状態量である。すなわち、車両が高速で走行しているときほど、すなわち車速Vが大きいほど、車両の横加速度Gおよびヨーレートγは大きくなる。また、車両の旋回が急であるほど、すなわち転舵角θtが大きいほど、車両の横加速度Gおよびヨーレートγは大きくなる。このため、車両の旋回に関係する状態量として、車両の横加速度Gおよびヨーレートγの少なくとも一方を用いることにより、車両の旋回の状態を好適に判別できる。
(3)転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれていないにもかかわらず、一時的に横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1から外れている、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2から外れていると判定されることがある。しかし、車両の旋回状態やノイズなどに起因して、定常的に横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48によって検出される横加速度Gおよびヨーレートγが数値範囲R1,R2内にないと判定される状況は継続しない。一方、記憶部51に記憶されている転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている場合には、定常的に横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48によって検出される横加速度Gおよびヨーレートγが数値範囲R1,R2内にないと判定される状況が継続する。そこで、本実施形態では、転舵側中点θtmのずれの判定を、横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない旨示すカウント値Cがカウント閾値C0を超えることに基づいて実行しているため、その判定をより的確なものにすることができる。
(4)車速Vが大きい場合には、車速が小さい場合よりも、横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48により検出される横加速度Gおよびヨーレートγがばらつきやすい。このため、車速が大きい場合には、小さい場合よりも横加速度マージンGmおよびヨーレートマージンγmを大きく設定することにより、横加速度規定値Gsの数値範囲R1およびヨーレート規定値γsの数値範囲R2を大きくする。これにより、横加速度Gおよびヨーレートγがばらついた場合においても、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれていることをより的確に判定できる。
(5)操舵装置1はステアバイワイヤ式の操舵装置であるため、操舵制御装置50は転舵側中点θtmとは別に操舵側中点θsmを記憶している。操舵制御装置50は、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれている旨判定された場合には、車両の停車中に、転舵側中点θtmを操舵側中点θsmに時間に応じて徐々に近付けることにより、補正に際して生じる転舵側モータ41の駆動を緩やかにできる。これにより、転舵側中点θtmの補正に際して、運転者に違和感を与えることが抑制される。また、転舵側中点θtmが補正されることにより、ステアリングホイール11を中立位置に保持しているにもかかわらず、転舵輪17,17が中立位置からずれてしまうことなどが解消される。
(6)車両の走行中において転舵側中点θtmを補正する場合、転舵側中点θtmを操舵側中点θsmに操舵トルクThに応じて徐々に近付けることにより、補正に際して生じる転舵側モータ41の駆動を緩やかにできる。このため、運転者がステアリング操作している場合であっても、転舵側中点θtmの補正に際して、運転者に違和感を与えることが抑制される。
(7)操舵制御装置50では、ステアリングホイール11の操舵角θsが操舵限界よりも中立よりの所定の角度に達したときに操舵反力を大きくすることにより、ステアリングホイール11が操舵限界を超えて操作されることを規制する。この制御は、本来であれば、転舵輪17,17の転舵角θtが転舵限界に達するよりも前に行われる。しかし、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれることに起因して、ステアリングホイール11が所定の角度に達して転舵輪17,17の転舵が規制されるよりも前に、転舵輪17,17の転舵角θtが転舵限界に達してしまうおそれがある。たとえば転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0から正の方向にずれた場合、転舵輪17,17の転舵角θtも本来あるべき転舵角よりも正の方向に大きくなるように制御される分、転舵角θtの左方向へ転舵できる範囲は小さくなる。転舵輪17,17を本来転舵できるはずの転舵よりも小さくしか転舵できないことになるため、車両の最小回転半径が大きくなるなど、車両の操作性が低下する。この点、本実施形態では、転舵側中点θtmが正転舵側中点θtm0からずれていることを検出して、転舵側中点θtmを補正することができるため、車両の操作性の低下も抑制できる。
なお、本実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・本実施形態では、転舵側中点θtmの補正に際して、転舵側中点θtmを操舵側中点θsmに時間に応じて徐々に近付けることにより、あるいは転舵側中点θtmを操舵側中点θsmに操舵トルクThに応じて徐々に近付けることにより補正を行ったが、これに限らない。たとえば、ピニオン角θpに応じて徐々に近付けることにより補正を行ってもよいし、操舵角θsに応じて徐々に近付けることにより補正を行ってもよい。
・転舵側中点θtmと換算された操舵側中点θsmとのずれ量を所定回数の制御周期をもって転舵側中点θtmを補正する場合、転舵側中点θtmに対して制御周期ごとにずれ量の反映量を異なるものとしてもよい。また、転舵側中点θtmと換算された操舵側中点θsmとのずれ量を、操舵トルクThに応じて均等に割った値ずつ、転舵側中点θtmに反映させてもよい。
・本実施形態では、規定値演算部54は、車速Vが大きいほど、大きい値の横加速度マージンGmおよびヨーレートマージンγmを設定したが、これに限らない。たとえば、規定値演算部54は車速Vによらずに一定の横加速度マージンGmおよびヨーレートマージンγmを設定してもよい。
・本実施形態では、規定値演算部54が設けられたが、設けなくてもよい。この場合、判定部53は、横加速度Gが横加速度規定値Gsからずれているか、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsからずれているか否かを判定する。
・本実施形態では、カウンタ55が設けられたが、設けなくてもよい。横加速度Gが横加速度規定値Gsの数値範囲R1内にない、あるいはヨーレートγがヨーレート規定値γsの数値範囲R2内にない状況が継続していることを計測する計時部であれば、どのようなものであってもよい。
・本実施形態では、車両の旋回の状態に関係する旋回状態量を検出するセンサとして、横加速度センサ47およびヨーレートセンサ48が用いられたが、これに限らない。たとえば、横加速度センサ47のみ、あるいはヨーレートセンサ48のみが用いられてもよい。すなわち、車両の旋回の状態に関係する旋回状態量を検出できるセンサであれば、どのようなものが設けられてもよい。
・本実施形態では、マップM1〜M3において、ピニオン角θpが用いられたが、ピニオン角θpの代わりに転舵角θtが用いられてもよい。この場合、操舵制御装置50は、ピニオン角θpに加えて、転舵角θtを演算する。そして、マップM1は車速Vおよび転舵角θtに対するヨーレートγの関係を示すマップとなり、マップM2は車速Vおよび転舵角θtに対する横加速度Gの関係を示すマップとなり、マップM3は車速Vおよび転舵角θtに対するヨーレートγの関係を示すマップとなる。また、マップM1〜M3において、転舵角θtの代わりに、転舵角θtに換算可能な角度が用いられてもよい。
・操舵角θsをたとえばステアリングシャフト12に設けられる舵角センサにより直接検出してもよく、ピニオン角θpをたとえば第2ピニオンシャフト44に設けられる舵角センサにより直接検出してもよい。
・本実施形態では、第2回転角センサ43は、転舵側モータ41の第2回転角θt0を検出したが、これに限らない。たとえば、第2回転角センサ43は、第2ピニオンシャフト44の回転角を検出するものであってもよいし、第1ピニオンシャフト13の回転角を検出するものであってもよい。すなわち、第1ピニオンシャフト13の回転角に換算可能な値、言い換えると転舵側モータ41の第2回転角θt0に換算可能な値を検出するものであれば、どのようなものであってもよい。
・転舵側中点θtmのずれの判定は、グリップ走行中に限らず、旋回走行中であればどのようなタイミングで行ってもよい。
・第2回転角センサ43により検出される第2回転角θt0に基づいて、第1ピニオンシャフト13の実際の回転角であるピニオン角を演算してもよい。この場合、目標操舵角は、第1ピニオンシャフト13のピニオン角の目標値となる。
・転舵側モータ41の回転力を、第2ラックアンドピニオン機構45を介して転舵シャフト15に伝達したが、これに限らない。すなわち、転舵側モータ41の回転力を転舵シャフト15に伝達できるのであれば、どのようなものであってもよい。たとえば、転舵シャフト15と同軸上に転舵側モータ41を配置してもよいし、転舵シャフト15に対して平行に転舵側モータ41を配置するものであってもよい。
・第1ピニオンシャフト13を設けるかわりに、転舵シャフト15を支持するブッシュなどを設けてもよい。この場合、転舵シャフト15に第1ラック歯15aを設ける必要はない。
・本実施形態では、操舵制御装置50を操舵部2と転舵部3との間が機械的に分離される操舵装置1に適用したが、これに限らない。すなわち、操舵制御装置50を、操舵部2と転舵部3との間が機械的に分離可能な操舵装置1に適用してもよい。
具体的には、図11に示すように、操舵装置1にはクラッチ20が設けられる。クラッチ20としては、たとえば励磁コイルに対する通電によって、断接を行う(接続状態と切断状態とを切り替える)電磁クラッチが採用される。励磁コイルに対して通電されるときクラッチ20は切断状態となり、励磁コイルに対して通電されないときクラッチ20は接続状態となる。操舵制御装置50はクラッチ20を制御する。クラッチ20が切断されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪17,17とが機械的に分離され、これらの間の動力伝達が切断される。これに対して、クラッチ20が接続されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪17,17とが機械的に接続され、これらの間の動力伝達が接続される。操舵制御装置50は、クラッチ20が接続状態にある場合、操舵側モータ31および転舵側モータ41の少なくとも一方の制御を通じて操舵トルクThに基づいたアシスト力をステアリングホイール11に付与することにより、操舵装置1を電動パワーステアリング装置として機能させるようにしてもよい。
・本実施形態では、操舵制御装置50をステアバイワイヤ式の操舵装置1に適用したが、運転者のステアリングホイールを補助する電動パワーステアリング装置に適用してもよい。電動パワーステアリング装置であっても、その操舵制御装置に記憶されている中点が本来の中点からずれたときに、当該中点のずれを検出できるのは直進走行中のみに限られるという同様の課題が生じる。
1…操舵装置、2…操舵部、3…転舵部、11…ステアリングホイール、12…ステアリングシャフト、13…第1ピニオンシャフト、15…転舵シャフト、17…転舵輪、30…反力ユニット、31…操舵側モータ、33…第1回転角センサ、34…トルクセンサ、40…転舵ユニット、41…転舵側モータ、43…第2回転角センサ、44…第2ピニオンシャフト、46…車速センサ、50…操舵制御装置、51…記憶部、52…制御部、53…判定部、54…規定値演算部、55…カウンタ、56…補正部、C…カウント値、C0…カウント閾値、G…横加速度、Gm…横加速度マージン、Gs…横加速度規定値、γ…ヨーレート、γs…ヨーレート規定値、γm…ヨーレートマージン、M1〜M3…マップ、R…範囲、R1,R2…数値範囲、Th…操舵トルク、θs0…第1回転角、θt0…第2回転角、θsm…操舵側中点、θtm…転舵側中点、θtm0…正転舵側中点、V…車速、Vmin…車速閾値、V0…停車判定閾値。

Claims (6)

  1. 運転者により操舵される操舵部と転舵輪を転舵させる転舵部とを有する操舵機構と、
    前記操舵機構に対して前記転舵輪を転舵させる転舵力を発生させるモータと、
    前記転舵部の中立位置に対応する転舵側中点を基準として、前記転舵輪の転舵角に換算可能な回転角を検出する回転角センサと、
    車両の旋回に関係する状態量である旋回状態量を検出する旋回状態量センサと、
    車両の走行速度である車速を検出する車速センサと、を備える操舵装置を制御対象とする操舵制御装置において、
    前記転舵側中点を示す転舵中点情報と前記車速および前記転舵角に対する前記旋回状態量の関係を示す関係情報とを記憶する記憶部と、
    車両の旋回走行中において前記車速センサにより検出される前記車速と前記回転角センサにより検出される前記回転角を用いて求められる前記転舵角とに基づいて、前記記憶部に記憶されている前記関係情報を用いて求められる旋回状態量に対応する旋回状態量規定値を演算する規定値演算部と、
    前記旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が前記旋回状態量規定値からずれている場合、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている旨判定する判定部と、を備える操舵制御装置。
  2. 前記旋回状態量センサにより検出される旋回状態量は、車両の横加速度および車両のヨーレートの少なくとも一方である請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 前記旋回状態量センサにより検出される旋回状態量が前記旋回状態量規定値からずれている状況が継続する時間を計測する計時部を備え、
    前記判定部は、前記計時部により計測される計測時間が規定時間を超える場合、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている旨判定する請求項1または2に記載の操舵制御装置。
  4. 前記規定値演算部は、数値範囲を有するように前記旋回状態量規定値を演算するものであり、前記車速が大きい場合、前記車速が小さい場合よりも前記数値範囲を大きく演算する請求項1〜3のいずれか一項に記載の操舵制御装置。
  5. 前記操舵装置は、前記操舵部と前記転舵部との間の動力の伝達が断接可能あるいは切断されるものであって、
    前記記憶部は、前記操舵部の中立位置に対応する操舵側中点を示す操舵中点情報を記憶するものであり、
    前記判定部により前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている旨判定された場合、車両が停車中にあることが検出されることを条件として、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報を、前記記憶部に記憶されている操舵中点情報に、時間に応じて徐々に近付けることにより、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点を補正する補正部を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の操舵制御装置。
  6. 前記操舵装置は、前記操舵部と前記転舵部との間の動力の伝達が断接可能あるいは切断されるものであって、
    前記記憶部は、前記操舵部の中立位置に対応する操舵側中点を示す操舵中点情報を記憶するものであり、
    前記判定部により前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点がずれている旨判定された場合、車両が走行中にあることが検出されることを条件として、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報を、前記記憶部に記憶されている操舵中点情報に、前記操舵部に付与される操舵トルクに応じて徐々に近付けることにより、前記記憶部に記憶されている転舵中点情報に基づく転舵側中点を補正する補正部を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の操舵制御装置。
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