JP2008162566A - 車両操舵装置 - Google Patents

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Masaaki Chiga
雅明 千賀
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Abstract

【課題】ラックアシストタイプのパワーステアリングシステムを搭載した車両において正確に車両の減衰力を推定できる車両操舵装置を提供すること。
【解決手段】操舵力伝達系に設けられるラック52にアシスト力を与えて操舵アシストを行う車両操舵装置であって、ラック軸力とラック変位に基づいて車両の減衰力を推定する(S14)。これにより、ステアリングシャフト3の捩れによる位相を加味して減衰力を推定できるため、ラックアシストタイプのパワーステアリングを備えた車両において減衰力を精度よく推定することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のステアリング系に操舵アシスト力を付与する車両操舵装置に関するものである。
従来、車両のステアリング系に操舵アシスト力を付与する車両操舵装置として、特開2006−160005号公報に記載されるように、ステアリング系のラック軸力とハンドルの操舵角を検出し、そのラック軸力と操舵角に基づいて車両の減衰力が低下しているか否かを判定し、その減衰力が低下している場合にステアリング系に付加する減衰力を増加するものが知られている。
特開2006−160005号公報
このような装置においては、車両の減衰特性を正確に推定することができず、適切に減衰力の調整が行えない場合がある。例えば、ラックアシストタイプのパワーステアリングシステムを搭載した車両に対し車両の減衰力を推定しようとすると、操舵角の変位を正確に検出しても、メインシャフトの捩れにより操舵角の変位に対ラックの変位が追従せず、位相の遅れを生ずる。このため、正確に車両の減衰力を推定が困難であり、適切な減衰特性の調整が行えないこととなる。
そこで本発明は、ラックアシストタイプのパワーステアリングシステムを搭載した車両において正確に車両の減衰力を推定できる車両操舵装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る車両操舵装置は、操舵力伝達系に設けられるラックにアシスト力を与えて操舵アシストを行う車両操舵装置において、前記ラックの軸力を演算するラック軸力演算手段と、前記ラックの変位を演算するラック変位演算手段と、前記ラック軸力演算手段により演算されたラック軸力と前記ラック変位演算手段により演算されたラック変位に基づいて車両の減衰力を推定する減衰力推定手段とを備えて構成されている。
この発明によれば、操舵力伝達系のラック軸力とラック変位に基づいて車両の減衰力を推定することにより、ステアリングシャフトの捩れによる位相を加味して減衰力を推定できるため、ラックアシストタイプのパワーステアリングを備えた車両において減衰力を精度よく推定することができる。
また本発明に係る車両操舵装置において、前記ラック変位演算手段は、前記ラックにアシスト力を与えるアシストモータの回転角に基づいて前記ラックの変位を演算することが好ましい。
また本発明に係る車両操舵装置において、前記推定手段により推定された車両減衰力が設定範囲外である場合、その車両減衰力が設定範囲以内となるようにステアリング系の減衰特性を調整する車両減衰特性調整手段を備えることが好ましい。
この発明によれば、車両減衰力が設定範囲以内となるようにステアリング系の減衰特性を調整することにより、車両安定性の向上を図ることができる。
また本発明に係る車両操舵装置において、前記車両減衰特性調整手段は、前記推定手段により推定された車両減衰力が上限値を上回っている場合、車両の旋回中心を前方側へ移動させるように後輪操舵装置を作動させ、前記推定手段により推定された車両減衰力が下限値を下回っている場合、車両の旋回中心を後方側へ移動させるように後輪操舵装置を作動させることが好ましい。
この発明によれば、車両減衰力が上限値を上回っている場合又は下限値を下回っている場合、車両の旋回中心を移動させるように後輪操舵装置を作動させることにより、車両安定性の向上を図ることができる。
また本発明に係る車両操舵装置において、前記推定手段により推定された車両減衰力が設定範囲外である場合、その車両減衰特性が設定範囲以内となるようにショックアブソーバの減衰特性を調整する車両減衰特性調整手段を備えることが好ましい。
この発明によれば、車両減衰力が設定範囲以内となるようにショックアブソーバの減衰特性を調整することにより、車両安定性の向上を図ることができる。
また本発明に係る車両操舵装置において、前記車両減衰特性調整手段は、前記推定手段により推定された車両減衰力が上限値を超えている場合、車両の前輪側のショックアブソーバの減衰力の増加、後輪側のショックアブソーバの減衰力の低減の一方又は双方を実行して、減衰特性を調整することが好ましい。
この発明によれば、車両減衰力が設定値を超えて増加している場合、車両の前輪側の減衰力の増加、後輪側の減衰力の低減の一方又は双方を実行して減衰特性を調整することにより、車両安定性を向上させることができる。
本発明によれば、ラックアシストタイプのパワーステアリングシステムを搭載した車両において正確に車両の減衰力を推定することができ、車両の減衰特性の調整が適切に行える。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は本発明の第一実施形態に係る車両操舵装置の構成概要図である。
図1に示すように、本実施形態に係る車両操舵装置1は、操舵力伝達系のラック52にアシスト力を与えて操舵アシストを行うラックアシストタイプの操舵装置である。車両操舵装置1は、車両に搭載され、その車両の操舵力伝達機構にアシスト力を与えることにより操舵アシストを行う。車両の操舵力伝達機構は、ハンドル2に与えられる操舵力、回転変位を転舵輪7に伝達する機構であって、例えばステアリングシャフト3、ギヤ部5、タイロッド6を主要部品として構成されている。ステアリングシャフト3は、ハンドル2に接続され、ハンドル2の操舵力及び回転変位をギヤ部5側へ伝達する。
ギヤ部5は、ステアリングシャフト3から伝達される操舵トルクを水平方向の力に変換するものである。ギヤ部5のギヤ機構としては、ラックアンドピニオン式のものが用いられる。このギヤ部5は、ステアリングシャフト3を通じて伝達される操舵トルクによりピニオン51が回転し、そのピニオン51と噛合するラック52が移動し、そのラック52の移動によりタイロッド6に操舵力を伝達する。そして、タイロッド6の移動によって、転舵輪7が転舵する。
ギヤ部5には、モータ10が設けられている。モータ10は、操舵力伝達機構にアシスト力を付加するためのアクチュエータであり、ラック52にアシスト力を付加する。また、ギヤ部5には、トルクセンサ11が設けられている。トルクセンサ11は、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段として機能するものであり、例えばステアリングシャフト3とピニオン51の間に設置される。
このトルクセンサ11としては、ピニオン51の回転角度を検出できるものを用いることが好ましい。例えば、ステアリングシャフト3とピニオン51との間に配置されるトーションバーを備え、ステアリングシャフト3側の回転角度を検出する第一回転センサとピニオン51側の回転角度を検出する第二回転センサを備えて構成され、第一回転センサと第二回転センサの回転角度の差に基づいて操舵トルクを検出するものが用いられる。
車両操舵装置1には、操舵角センサ12が設けられている。操舵角センサ12は、ハンドル2の操舵角を検出する操舵角検出手段として機能するものである。この操舵角センサ12は、例えば、ステアリングシャフト3に設けられている。
また、車両操舵装置1には、ECU(Electronic Control Unit)20が設けられている。ECU20は、装置全体の制御処理を行うものであり、例えばCPU、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成される。このECU20は、操舵アシスト量を設定し、その操舵アシスト量に応じてモータ10を駆動するアシスト制御手段として機能する。
ECU20は、モータ10と接続され、モータ10に駆動信号を出力し、モータ10から出力されるモータ回転角度信号を入力する。また、ECU20は、トルクセンサ11と接続され、トルクセンサ11から出力されるトルク信号を入力する。また、ECU20は、操舵角センサ12と接続され、操舵角センサ12から出力される検出信号を入力する。
このECU20は、モータ10の回転角に基づいてラック変位を演算する。ラック変位は、ラック52の長手方向へ変位する位置、若しくはラック52の長手方向への変位量である。また、ECU20は、モータ10の駆動電流及びトルクセンサ11の検出したトルク値に基づいてラック軸力を演算する。ラック軸力は、ラックの長手方向へ作用する軸力である。そして、ECU20は、ラック変位とラック軸力に基づいて車両の減衰力を推定する推定手段として機能する。
また、ECU20は、ラック変位とラック軸力に基づいて推定した車両減衰力に応じて車両の減衰特性を調整する減衰特性調整手段として機能する。例えば、推定された車両減衰力が設定範囲外である場合、その車両減衰力が設定範囲以内となるようにモータ10の駆動状態を調整し、ステアリング系の減衰特性を調整する。
ECU20は、車速センサ21と接続され、車速センサ21から出力される検出信号を入力する。車速センサ21は、車両の走行速度を検出するセンサである。
次に本実施形態に係る車両操舵装置1の動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る車両操舵装置1の動作についてのフローチャートである。図2のフローチャートにおける制御処理は、例えば車両のイグニッションオンによって開始され、ECU20によって所定時間毎に繰り返し実行される。
まず、図2のS10に示すように、ラック変位演算処理が行われる。ラック変位演算処理は、ラック52の変位を演算する処理である。例えば、モータ10の回転角に基づいてラック52の変位が演算される。
そして、S12に移行し、ラック軸力演算処理が行われる。ラック軸力演算処理は、ラック52に作用する軸力を演算する処理である。例えば、ラック軸力の演算は、モータ10の駆動電流と操舵トルクに基づいて行われる。操舵トルクは、トルクセンサ11の出力信号を読み込んだものが用いられる。
そして、S14に移行し、車両減衰力推定処理が行われる。車両減衰力推定処理は、ラック変位とラック軸力に基づいて車両減衰力を推定する処理である。ラック変位は、S10にて演算されたものが用いられる。ラック軸力は、S12にて演算されたものが用いられる。
この車両減衰力推定は、例えば、図3に示すように、ラック変位が増加した後に減少した場合又はラック変位が減少した後に増加した場合のラック軸力のヒステリシス幅に基づいて行われる。横軸をラック変位、縦軸をラック軸力とされ、ラック変位とラック軸力の変化がリサージュとして計測される。そして、所定のラック変位におけるラック軸力のヒステリシス幅Hに基づいて車両減衰力Dが演算される。このとき、ラック軸力のヒステリシス幅Hが大きいほど車両減衰力Dが大きいと演算され、ラック軸力のヒステリシス幅Hが小さいほど車両減衰力Dが小さいと演算される。
そして、S16に移行し、車両減衰力Dが下限値D1より小さいか否かが判断される。車両減衰力Dは、S14にて推定されたものが用いられる。下限値D1は、予めECU20に設定される設定値である。S16にて車両減衰力Dが下限値D1より小さいと判断された場合には、減衰力増加処理が行われる(S18)。
減衰力増加処理は、ステアリング系統の減衰力を増加する処理であり、電動パワーステアリングの操舵アシスト量を調整することにより行われる。例えば、操舵アシストする際に車両減衰力が増加するようにモータ10が駆動制御される。その際、車両減衰力の増加量は、車両減衰力Dの低下の程度に応じて決定することが好ましい。これにより、ステアリング系統の減衰係数を大きくすることができ、車両減衰力が増加される。
ところで、S16にて車両減衰力Dが下限値D1より小さくないと判断された場合には、車両減衰力Dが上限値D2より大きいか否かが判断される(S20)。車両減衰力Dは、S14にて推定されたものが用いられる。上限値D2は、予めECU20に設定される設定値であり、例えばD1より大きい値に設定される。また、D1と同じ値に設定する場合もある。
S20にて車両減衰力Dが上限値D2より大きくないと判断された場合には、一連の制御処理を終了する。一方、S20にて車両減衰力Dが上限値D2より大きいと判断された場合には、減衰力低減処理が行われる(S22)。
減衰力低減処理は、ステアリング系統の減衰力を低減する処理であり、電動パワーステアリングの操舵アシスト量を調整することにより行われる。例えば、操舵アシストする際に車両減衰力が減少するようにモータ10が駆動制御される。その際、車両減衰力の低減量は、車両減衰力Dの増加の程度に応じて決定することが好ましい。これにより、ステアリング系統の減衰係数を小さくすることができ、車両減衰力が低減される。そして、S22の減衰力低減処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る車両操舵装置1によれば、操舵力伝達系のラック軸力とラック変位に基づいて車両の減衰力を推定することにより、ステアリングシャフトの捩れによる位相を加味して減衰力を推定できるため、ラックアシストタイプのパワーステアリングを備えた車両において減衰力を精度よく推定することができる。
例えば、ラックアシストタイプのパワーステアリングを備えた車両において、ラック軸力とハンドル操舵量に基づいて減衰力を推定しようとすると、ステアリングシャフトの捩れによる位相を加味して減衰力を推定することができないため、減衰力を正確に推定することができない。これに対し、ラック軸力とラック変位に基づいて車両の減衰力を推定することにより、ステアリングシャフトの捩れによる位相を考慮して減衰力を推定することができ、正確な減衰力の推定が可能となる。従って、適切な操舵アシストが行える。
(第二実施形態)
次に本発明の第二実施形態に係る車両操舵装置について説明する。
図4に本実施形態に係る車両操舵装置の構成概要図である。
図4に示すように、本実施形態に係る車両操舵装置1aは、図1の第一実施形態に係る車両操舵装置1とほぼ同様に構成されるものであるが、サスペンションに減衰力可変タイプのショックアブソーバ22を備え、ECU20の作動制御によりショックアブソーバ22の減衰特性を変更できる点で異なっている。ショックアブソーバ22としては、減衰特性が変更可能なものであればよく、減衰特性の可変機構はいずれのものであってもよい。ショックアブソーバ22の減衰特性を変更することにより、車両の減衰力を調整することができる。
図5は、本実施形態に係る車両操舵装置1aの動作についてのフローチャートである。図5のフローチャートにおける制御処理は、例えば車両のイグニッションオンによって開始され、ECU20によって所定時間毎に繰り返し実行される。
まず、図5のS30に示すように、ラック変位演算処理が行われる。ラック変位演算処理は、ラック52の変位を演算する処理である。例えば、モータ10の回転角に基づいてラック52の変位が演算される。
そして、S32に移行し、ラック軸力演算処理が行われる。ラック軸力演算処理は、ラック52に作用する軸力を演算する処理である。例えば、ラック軸力の演算は、モータ10の駆動電流と操舵トルクに基づいて行われる。操舵トルクは、トルクセンサ11の出力信号を読み込んだものが用いられる。
そして、S34に移行し、車両減衰力推定処理が行われる。車両減衰力推定処理は、ラック変位とラック軸力に基づいて車両減衰力を推定する処理である。ラック変位は、S30にて演算されたものが用いられる。ラック軸力は、S32にて演算されたものが用いられる。この車両減衰力推定は、図2のS14と同様に行われる。
そして、S36に移行し、車両減衰力Dが下限値D1より小さいか否かが判断される。車両減衰力Dは、S34にて推定されたものが用いられる。下限値D1は、予めECU20に設定される設定値である。S36にて車両減衰力Dが下限値D1より小さいと判断された場合には、減衰力増加処理が行われる(S38)。
減衰力増加処理は、サスペンション系統の減衰力を増加する処理であり、ショックアブソーバ22の減衰特性を変更することにより行われる。例えば、ECU20の作動制御によりショックアブソーバ22の減衰力が増加するように減衰特性が変更される。その際、ショックアブソーバ22の減衰力の増加量は、車両減衰力Dの低下の程度に応じて決定することが好ましい。これにより、サスペンション系統の減衰係数を大きくすることができ、車両減衰力が増加される。
ところで、S36にて車両減衰力Dが下限値D1より小さくないと判断された場合には、車両減衰力Dが上限値D2より大きいか否かが判断される(S40)。車両減衰力Dは、S34にて推定されたものが用いられる。上限値D2は、予めECU20に設定される設定値であり、例えばD1より大きい値に設定される。また、D1と同じ値に設定する場合もある。
S40にて車両減衰力Dが上限値D2より大きくないと判断された場合には、一連の制御処理を終了する。一方、S40にて車両減衰力Dが上限値D2より大きいと判断された場合には、減衰力低減処理が行われる(S42)。
減衰力低減処理は、サスペンション系統の減衰力を低減する処理であり、ショックアブソーバ22の減衰特性を変更することにより行われる。例えば、ECU20の作動制御によりショックアブソーバ22の減衰力が減少するように減衰特性が変更される。その際、ショックアブソーバ22の減衰力の減少量は、車両減衰力Dの増加の程度に応じて決定することが好ましい。これにより、サスペンション系統の減衰係数を小さくすることができ、車両減衰力が低減される。
また、この減衰力低減処理において、車両の前輪側のショックアブソーバ22の減衰力の増加、後輪側のショックアブソーバ22の減衰力の低減の一方又は双方を実行して、減衰特性を調整してもよい。そして、S42の減衰力低減処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る車両操舵装置1aによれば、第一実施形態に係る車両操舵装置1と同様に、操舵力伝達系のラック軸力とラック変位に基づいて車両の減衰力を推定することにより、ステアリングシャフトの捩れによる位相を加味して減衰力を推定できるため、ラックアシストタイプのパワーステアリングを備えた車両において減衰力を精度よく推定することができる。
例えば、ラックアシストタイプのパワーステアリングを備えた車両において、ラック軸力とハンドル操舵量に基づいて減衰力を推定しようとすると、ステアリングシャフトの捩れによる位相を加味して減衰力を推定することができないため、減衰力を正確に推定することができない。これに対し、ラック軸力とラック変位に基づいて車両の減衰力を推定することにより、ステアリングシャフトの捩れによる位相を考慮して減衰力を推定することができ、正確な減衰力の推定が可能となる。従って、適切な操舵アシストが行える。
(第三実施形態)
次に本発明の第三実施形態に係る車両操舵装置について説明する。
図6に本実施形態に係る車両操舵装置の構成概要図である。
図6に示すように、本実施形態に係る車両操舵装置1bは、図1の第一実施形態に係る車両操舵装置1とほぼ同様に構成されるものであるが、後輪操舵装置30を備え、ECU20の作動制御により車両の後輪を操舵制御できる点で異なっている。後輪操舵装置30としては、後輪を操舵可能な機構及びアクチュエータを備えるものであれば、いずれのタイプのものを用いてもよい。後輪操舵装置30により後輪操舵を行うことにより、車両の旋回中心を前方又は後方へ移動させることができ、これによって車両の減衰力を調整することができる。
図7は、本実施形態に係る車両操舵装置1bの動作についてのフローチャートである。図7のフローチャートにおける制御処理は、例えば車両のイグニッションオンによって開始され、ECU20によって所定時間毎に繰り返し実行される。
まず、図7のS50に示すように、ラック変位演算処理が行われる。ラック変位演算処理は、ラック52の変位を演算する処理である。例えば、モータ10の回転角に基づいてラック52の変位が演算される。
そして、S52に移行し、ラック軸力演算処理が行われる。ラック軸力演算処理は、ラック52に作用する軸力を演算する処理である。例えば、ラック軸力の演算は、モータ10の駆動電流と操舵トルクに基づいて行われる。操舵トルクは、トルクセンサ11の出力信号を読み込んだものが用いられる。
そして、S54に移行し、車両減衰力推定処理が行われる。車両減衰力推定処理は、ラック変位とラック軸力に基づいて車両減衰力を推定する処理である。ラック変位は、S50にて演算されたものが用いられる。ラック軸力は、S52にて演算されたものが用いられる。この車両減衰力推定は、図2のS14と同様に行われる。
そして、S56に移行し、車両減衰力Dが下限値D1より小さいか否かが判断される。車両減衰力Dは、S54にて推定されたものが用いられる。下限値D1は、予めECU20に設定される設定値である。S56にて車両減衰力Dが下限値D1より小さいと判断された場合には、減衰力増加処理が行われる(S58)。
減衰力増加処理は、後輪操舵により車両減衰力を増加する処理である。例えば、車両旋回中心が後方側へ移動するように後方操舵装置30に後輪を操舵させ、これにより車両減衰力を増加させる。
ところで、S56にて車両減衰力Dが下限値D1より小さくないと判断された場合には、車両減衰力Dが上限値D2より大きいか否かが判断される(S60)。車両減衰力Dは、S54にて推定されたものが用いられる。上限値D2は、予めECU20に設定される設定値であり、例えばD1より大きい値に設定される。また、D1と同じ値に設定する場合もある。
S60にて車両減衰力Dが上限値D2より大きくないと判断された場合には、一連の制御処理を終了する。一方、S60にて車両減衰力Dが上限値D2より大きいと判断された場合には、減衰力低減処理が行われる(S62)。
減衰力低減処理は、後輪操舵により車両減衰力を低減する処理である。例えば、車両旋回中心が前方側へ移動するように後方操舵装置30に後輪を操舵させ、これにより車両減衰力を減少させる。そして、S62の減衰力低減処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る車両操舵装置1bによれば、第一実施形態に係る車両操舵装置1と同様に、操舵力伝達系のラック軸力とラック変位に基づいて車両の減衰力を推定することにより、ステアリングシャフトの捩れによる位相を加味して減衰力を推定できるため、ラックアシストタイプのパワーステアリングを備えた車両において減衰力を精度よく推定することができる。
例えば、ラックアシストタイプのパワーステアリングを備えた車両において、ラック軸力とハンドル操舵量に基づいて減衰力を推定しようとすると、ステアリングシャフトの捩れによる位相を加味して減衰力を推定することができないため、減衰力を正確に推定することができない。これに対し、ラック軸力とラック変位に基づいて車両の減衰力を推定することにより、ステアリングシャフトの捩れによる位相を考慮して減衰力を推定することができ、正確な減衰力の推定が可能となる。従って、適切な操舵アシストが行える。
なお、上述した各実施形態は本発明に係る車両操舵装置の一例を示すものである。本発明に係る車両操舵装置は、このようなものに限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係る車両操舵装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
本発明の第一実施形態に係る車両操舵装置の構成概要図である。 図1の車両操舵装置の動作を示すフローチャートである。 図2の車両操舵装置の動作における減衰力推定処理の説明図である。 本発明の第二実施形態に係る車両操舵装置の構成概要図である。 図4の車両操舵装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態に係る車両操舵装置の構成概要図である。 図6の車両操舵装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1…車両操舵装置、2…ハンドル、3…ステアリングシャフト、5…ギヤ部、6…タイロッド、7…転舵輪、10…モータ、11…トルクセンサ、12…操舵角センサ、20…ECU、21…車速センサ、51…ピニオン、52…ラック。

Claims (6)

  1. 操舵力伝達系に設けられるラックにアシスト力を与えて操舵アシストを行う車両操舵装置において、
    前記ラックの軸力を演算するラック軸力演算手段と、
    前記ラックの変位を演算するラック変位演算手段と、
    前記ラック軸力演算手段により演算されたラック軸力と前記ラック変位演算手段により演算されたラック変位に基づいて車両の減衰力を推定する減衰力推定手段と、
    を備えた車両操舵装置。
  2. 前記ラック変位演算手段は、前記ラックにアシスト力を与えるアシストモータの回転角に基づいて前記ラックの変位を演算すること、
    を特徴とする請求項1に記載の車両操舵装置。
  3. 前記推定手段により推定された車両減衰力が設定範囲外である場合、その車両減衰力が設定範囲以内となるようにステアリング系の減衰特性を調整する車両減衰特性調整手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の車両操舵装置。
  4. 前記車両減衰特性調整手段は、前記推定手段により推定された車両減衰力が上限値を上回っている場合、車両の旋回中心を前方側へ移動させるように後輪操舵装置を作動させ、前記推定手段により推定された車両減衰力が下限値を下回っている場合、車両の旋回中心を後方側へ移動させるように後輪操舵装置を作動させること、
    を特徴とする請求項3に記載の車両操舵装置。
  5. 前記推定手段により推定された車両減衰力が設定範囲外である場合、その車両減衰特性が設定範囲以内となるようにショックアブソーバの減衰特性を調整する車両減衰特性調整手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の車両操舵装置。
  6. 前記車両減衰特性調整手段は、前記推定手段により推定された車両減衰力が上限値を超えている場合、車両の前輪側のショックアブソーバの減衰力の増加、後輪側のショックアブソーバの減衰力の低減の一方又は双方を実行して、減衰特性を調整すること、
    を特徴とする請求項5に記載の車両操舵装置。
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