JP2007320383A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】舵角θと車速vに基づいてハンドル戻し補正電流値Isbを演算する演算手段Pと、操舵トルクTに基づいてハンドル戻し制御を実行するか否かを判定する判定手段Qと、同判定手段Qによりハンドル戻し制御を実行すると判定したときに、補正電流値演算手段Pが演算したハンドル戻し補正電流値Isbによりアシストベース電流値を補正してハンドル戻し制御を行う制御手段Rとを備え、前記判定手段Qは、操舵トルクTがハンドル手放し状態と判断できる小さいトルク閾値Tp以下である条件と、トルク変化率dTが所定のトルク変化率閾値dTp以下である条件との2条件を同時に満足したときに、ハンドル戻し制御を実行すると判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【選択図】図6
Description
すなわち、ハンドル戻し制御手段は、操舵トルクが閾値内にある略手放し状態では、ハンドル戻し電流をアシスト電流に加算して、モータの駆動により中立位置まで戻るようにハンドル戻し駆動を実行する。
このとき、セルフアライニングトルクに加えて、ハンドル自身の慣性(トーションバーの戻りも含む)も加わり、操舵トルクの閾値を超えて反対方向にオーバーシュートし、反対方向にトルクが発生する。
したがって、ハンドル戻し制御手段は、操舵トルクが最初に閾値を下回ったときに、ハンドル戻し制御が実行された後、閾値を超えた段階でハンドル戻し駆動が停止され、その後再び閾値を下回ってハンドル戻し制御が実行されるというように、ハンドル戻し制御が断続的に実行されることになるので、ハンドルの戻り速度が3度に亘って切り替わり制御され不自然に変化して運転者に違和感を与えることになる。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1の全体の概略後面図を図1に示す。
ステアリングギアボックス4には、ステアリングホイール(図示せず)が一体に取り付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結される入力軸5が軸受を介して回動自在に軸支されており、図2に示すように入力軸5はステアリングギアボックス4内でトーションバー6を介して相対的なねじり可能に操舵ピニオン軸7と連結されている。
したがってステアリングホイールの回動操作により入力軸5に伝達された操舵力は、トーションバー6を介して操舵ピニオン軸7を回動して操舵ピニオン軸7のはす歯7aとラック歯3aの噛合によりラック軸3を左右軸方向に摺動させる。
なお、アシストモータMには、その回転駆動軸の回転を直接検出するロータリエンコーダ、レゾルバなどの回転角センサ27が設けられている。
トーションバー6の捩れをコア21の軸方向の移動に変換し、コア21の移動をコイル22,23のインダクタンス変化に変えて操舵トルクTを検出している。
なお、トーションバー6の捩れを光学的に検出するトルクセンサでもよい。
操舵トルクセンサ20が検出した操舵トルクTと車速センサ25が検出した車速vに基づいて操舵アシスト制御手段31がアシストベース電流Ibを演算し出力する。
例えば、操舵トルクTに対するアシストベース電流Ibの最適な関係を所定の車速毎に予め決めておき、同関係をもとに操舵トルクTと車速vからアシストベース電流Ibを演算する。
さらに、ステアリング系の慣性トルクやモータの慣性トルクを補償する演算も加えてアシストベース電流Ibを求めるようにしてもよい。
この回転角センサ27が検出するモータ回転数nに基づいて舵角θを検出する舵角演算手段34を備えている。
なお、舵角θを直接検出する舵角センサを設けてもよい。
舵角θに対する目標舵角速度を予め求め、舵角θに対する目標舵角速度ωmbの関係をマップとして予め目標舵角速度記憶手段35aに記憶しておき、目標舵角速度演算手段35がこの関係マップに基づき前記舵角演算手段34が演算した舵角θから目標舵角速度ωmbを抽出演算する。
そして、縦軸が目標舵角速度ωmbを示し、同縦軸において原点が目標舵角速度0であり、原点より上方が右回転方向(ハンドルを右に切る方向)で、原点より下方が左回転方向(ハンドルを左に切る方向)である。
該関係曲線は、第2象限と第4象限に原点対称に滑らかな曲線で形成されている。
左舵角は右舵角と原点対称であり、左舵角θが大きくなる程右操舵方向に目標舵角速度ωmbが大きくなる。
この車速乗算係数kvを演算する車速乗算係数演算手段36は、車速vに対する車速乗算
係数kvの関係をマップとして記憶する車速乗算係数記憶手段36aを備え、前記車速センサ25の検出した車速vから同関係マップに基づき車速乗算係数kvを抽出演算する。
車速vに対して車速乗算係数kvは、原点から車速vが大きくなる程大きくなり、車速10km/hで車速乗算係数kvは1.0を示し、車速vが小さいうちは急激に大きくなり、その後大きくなる割合が徐々に小さくなっている。
車速乗算係数kvは、車速10km/h未満では1.0未満の値で目標舵角速度ωmbを抑制する方向に働き、車速10km/h以上では1.0以上の値で目標舵角速度ωmbを拡大する方向に働く。
この実舵角速度ωに対する前記最終目標舵角速度ωmの偏差Δω(=ωm−ω)を求め(図3の偏差演算手段41参照)、同偏差Δωを電流換算手段42が電流に換算してハンドル戻し補正電流値Isbが求められる。
この電流換算は、偏差Δωに所定の換算係数を乗算することで算出される。
算出されたハンドル戻し補正電流値Isbは、ハンドル戻し制御手段Rに出力される。
ハンドル戻し制御実行判定手段Qは、操舵トルクセンサ20が検出した操舵トルクTがハンドル手放し状態と判断できる小さいトルク閾値Tp以下であるトルク条件を判別するトルク条件判別手段61を備えるとともに、操舵トルクTを時間微分してトルク変化率dTを演算するトルク変化率演算手段62を有して、同トルク変化率演算手段62により演算されたトルク変化率dTが所定のトルク変化率閾値dTp以下であるトルク変化率条件を判別するトルク変化率条件判別手段63を備えている。
また、トルク変化率条件判別手段63は、トルク変化率条件(トルク変化率|dT|≦トルク変化率閾値dTp)が満足されるときは、トルク変化率条件判別値Cbとして“1”を出力し、トルク変化率条件が満足されないときは、“0”を出力する。
すなわち、トルク条件とトルク変化率条件の2条件が同時に満足されるときだけ、ハンドル戻し制御実行判定値Cは“1”となり、それ以外(少なくとも1つの条件が満足されないとき)は“0”となる。
しかし、ハンドル戻し制御を実行すると、実線で示す曲線のように舵角θは中立位置まで戻ることができる。
したがって、トルク条件判別手段61のトルク条件である操舵トルク|T|≦トルク閾値Tpを満足する範囲は、操舵トルクTがトルク閾値Tpに達したa1時点から反対方向の操舵トルクTがトルク閾値−Tpを超えたa2時点までと、再び減衰してトルク閾値−Tpに達したa3時点以降であり、このa1〜a2、a3〜の時間範囲でトルク条件判別値Caは“1”となり、それ以外(〜a1、a2〜a3)は“0”となる。
このトルク変化率dTは、図6(3)に示すように、操舵トルクTが減少し始めた時点から負の値となり、負の値で急下降していき、操舵トルクTの変曲点で最小となり、その後急上昇していき、反対方向の操舵トルクTが最大になった時点でトルク変化率0となり、以後トルク変化率0近辺を小さく上下してトルク変化率0に落ち着く。
すなわち、時系列にすると、b1,a1,a2,b2,a3の順である。
C=Ca×Cbを実行した結果を、図6(4)に示す。
ハンドル戻し制御手段Rには、このハンドル戻し制御実行判定値Cとともに、前記補正電流値演算手段Pからハンドル戻し補正電流値Isbが入力される。
したがって、最終ハンドル戻し補正電流値Isは、トルク条件判別値Caとトルク変化率条件判別値Cbとの2条件が同時に満足されたときだけ、ハンドル戻し補正電流値Isbとなり、それ以外では0となる。
この補正されたアシスト目標電流IoによってアシストモータMが駆動制御される。
20…トルクセンサ、21…コア、22,23…コイル、25…車速センサ、26…モータ電流検出装置、27…回転角センサ、
30…操舵トルク制御装置、31…操舵アシスト制御手段、32…電流フィードバック制御手段、33…モータ駆動回路、34…舵角演算手段、
P…補正電流値演算手段、35…目標舵角速度演算手段、35a…目標舵角速度記憶手段、36…車速乗算係数演算手段、36a…車速乗算係数記憶手段、37…乗算補正手段、40…舵角速度演算手段、41…偏差演算手段、42…電流換算手段、
Q…ハンドル戻し制御実行判定手段、61…トルク条件判別手段、62…トルク変化率演算手段、63…トルク変化率条件判別手段、64…乗算手段、
R…ハンドル戻し制御手段、70…乗算手段、71…加算手段。
Claims (1)
- 操舵トルクおよび車速に基づきアシストベース電流値を算出する操舵アシスト制御手段を備え、前記アシストベース電流値に基づくアシスト目標電流に従ってアシストモータが駆動制御されて人力をアシストする電動パワーステアリング装置において、
舵角を検出する舵角検出手段と、
前記舵角と前記車速に基づいてハンドル戻し補正電流値を演算する補正電流値演算手段と、
前記操舵トルクに基づいてハンドル戻し制御を実行するか否かを判定するハンドル戻し制御実行判定手段と、
前記ハンドル戻し制御実行判定手段によりハンドル戻し制御を実行すると判定したときに、前記補正電流値演算手段が演算したハンドル戻し補正電流値により前記アシストベース電流値を補正してハンドル戻し制御を行うハンドル戻し制御手段とを備え、
前記ハンドル戻し制御実行判定手段は、
前記操舵トルクを時間微分してトルク変化率を演算するトルク変化率演算手段を有し、 前記操舵トルクがハンドル手放し状態と判断できる小さいトルク閾値以下である条件と、前記トルク変化率演算手段が演算したトルク変化率が所定のトルク変化率閾値以下である条件との2条件を同時に満足したときに、ハンドル戻し制御を実行すると判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006151068A JP2007320383A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006151068A JP2007320383A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
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JP2007320383A true JP2007320383A (ja) | 2007-12-13 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006151068A Pending JP2007320383A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014199882A1 (ja) | 2013-06-10 | 2014-12-18 | カヤバ工業株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
US10029726B2 (en) | 2014-02-04 | 2018-07-24 | Kyb Corporation | Electric power steering device |
US10106191B2 (en) | 2014-02-04 | 2018-10-23 | Kyb Corporation | Electric power steering device |
CN113635962A (zh) * | 2020-04-27 | 2021-11-12 | 蜂巢智能转向系统(江苏)有限公司保定分公司 | 车辆的回正方法、装置、系统及车辆 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002145094A (ja) * | 2000-11-08 | 2002-05-22 | Toyoda Mach Works Ltd | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
JP2005088860A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-07 | Hitachi Unisia Automotive Ltd | 操舵制御装置 |
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2006
- 2006-05-31 JP JP2006151068A patent/JP2007320383A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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