JP2002145094A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置

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JP2002145094A
JP2002145094A JP2000340848A JP2000340848A JP2002145094A JP 2002145094 A JP2002145094 A JP 2002145094A JP 2000340848 A JP2000340848 A JP 2000340848A JP 2000340848 A JP2000340848 A JP 2000340848A JP 2002145094 A JP2002145094 A JP 2002145094A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】操舵角センサに異常が生じたりして、異常な操
舵角が検出されても、収斂制御の誤動作によるセルフス
テアを防ぐことができ、安全性を向上できる電動パワー
ステアリング装置の制御装置を提供する。 【解決手段】電動パワーステアリング装置の制御装置2
0のCPU(中央処理装置)21は、その収斂制御部8
1にて操舵角θ及び車速Vに基づいてステアリングホイ
ールを中立位置へ戻すための目標操舵角を設定し、目標
操舵角と操舵角θの偏差及び車速Vに応じて理想的な目
標操舵角速度を設定し、目標操舵角速度と操舵角速度の
偏差に基づいて目標収斂電流Ihd*を設定する。この
目標収斂電流Ihd*に基づいて、CPU21は、ハン
ドルを中立位置に戻すための収斂制御を行う。CPU2
1は、操舵角異常検出部71が操舵角θが異常であると
判定した際には、収斂制御を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や車両の操
舵系にモータによるアシスト力を付与する電動パワース
テアリング装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図16は、従来の自動車等に使用される
電動パワーステアリング装置及びその制御装置158の
概略を示す。
【0003】ステアリングホイール141に連結したス
テアリングシャフト142には、トーションバー143
が設けられている。このトーションバー143には、ト
ルクセンサ144が装着されている。そして、ステアリ
ングシャフト142が回転してトーションバー143に
力が加わると、加わった力に応じてトーションバー14
3が捩れ、その捩れをトルクセンサ144が検出してい
る。
【0004】なお、以下の説明では、ステアリングホイ
ールのことをハンドルと言うことがある(従来の技術及
び実施形態についても同様)。又、ステアリングシャフ
ト142には減速機145が固着されている。この減速
機145には、モータ146の回転軸に取着したギア1
47が噛合されている。更に、減速機145にはピニオ
ンシャフト148が固着されている。ピニオンシャフト
148の先端には、ピニオン149が固着されるととも
に、このピニオン149はラック151と噛合してい
る。前記ラック151とピニオン149とによりラック
&ピニオン機構150が構成されている。
【0005】ラック151の両先端には、タイロッド1
52が固設されている。このタイロッド152の両端に
は、ナックル153が回動可能に連結されている。この
ナックル153には、前輪154が固着されている。
又、ナックル153は、クロスメンバ155に回動可能
に連結されている。
【0006】従って、モータ146が回転すると、その
回転数は減速機145によって減少されてピニオンシャ
フト148に伝達され、ラック&ピニオン機構150に
伝達される。そして、タイロッド152に連結されたナ
ックル153は、モータ146の回転方向に応じて右方
向又は左方向に移動する。尚、前輪154には車速セン
サ156が設けられている。そして、モータ146の回
転数及び回転方向は、モータ駆動装置157から供給さ
れる正負のアシスト電流によって決定されている。この
モータ駆動装置157がモータ146に供給するアシス
ト電流は、モータ駆動装置157を制御する制御装置1
58によって演算されている。制御装置158は、CP
U159、ROM160、RAM161等から構成さ
れ、トルクセンサ144からの検出信号からその時々の
ステアリングホイール141の操舵トルクThを演算す
るとともに、車速センサ156からの検出信号からその
時々の車速Vを演算する。
【0007】そして、制御装置158は、この演算した
操舵トルクThと車速Vに基づいてアシスト電流(アシ
スト電流指令値)を算出する。この算出は、制御装置1
58内のROM160に予め記憶したアシストマップか
ら求められる。そして、制御装置158はアシストトル
クを発生させるモータ146の電流を前記アシスト電流
(アシスト電流指令値)となるように制御する。
【0008】ここで、CPU159の制御の概要を説明
する。図17は、従来の制御装置158のCPU159
の機能ブロック図であり、CPU159内部においてプ
ログラムで実行される機能を示し、実際のハード構成を
意味するものではない。
【0009】トルクセンサ144で検出した操舵トルク
は、系の安定性を高めるために、位相補償器170で位
相補償され、位相補償された操舵トルクThが電流指令
値演算部171に入力される。又、車速センサ156で
検出された車速Vも電流指令値演算部171に入力され
る。電流指令値演算部171は、予めROM160に記
憶されているアシストマップに基づいて、車速V、操舵
トルクThに対応したアシスト電流指令値Iを演算す
る。
【0010】アシスト電流指令値Iは加算器172に
て、後記するハンドル戻し電流Ih*、ダンパ電流Id
*を加算して、電流制御部173に供給する。電流制御
部173では、加算器172の出力と、モータ駆動電流
センサ176にて検出した実際のモータ電流(モータ駆
動電流)Imとの差に相当する信号に基づいて、PI制
御値やPID制御値を演算し、この制御値をPWM演算
部174に出力する。PWM演算部174では、この制
御値に応じたPWM演算を行い、その演算結果をモータ
駆動装置157に供給する。
【0011】この結果、モータ駆動装置157を介して
モータ146を駆動制御することにより、モータ14に
よる適正なアシスト力が得られる。一方、モータ角速度
推定器175はモータ駆動電流センサ176にて検出し
たモータ146のモータ電流Imと、モータ146の端
子間電圧検出回路177で検出したモータ端子間電圧V
mに基づいて下記のモータ電圧方程式にて推定モータ角
速度ωを推定する。
【0012】ω={Vm−(R+LS)Im}/Ke なお、Rはモータ抵抗、Lはモータインダクタンス、K
eはモータ逆起電力定数、Sは微分演算子である。
【0013】操舵角速度推定器178では、モータ角速
度推定器175で算出された推定モータ角速度ωに基づ
いて、減速機145の減速比Gで除算することにより推
定操舵角速度Qs(=ω/G)を推定する。操舵角速度
推定器178で算出された推定操舵角速度Qsはハンド
ル戻し制御器180、ダンパ制御器190に入力され
る。又、車速センサ156で検出された車速Vは、ハン
ドル戻し制御器180、ダンパ制御器190に入力され
る。
【0014】ここでハンドル戻し制御器180の概要を
説明する。ハンドル戻し制御器180は、低速走行時の
ハンドル戻り特性を改善するために、ハンドル戻し状態
の時に、車速V及び推定操舵角速度Qsに応じたハンド
ル戻し電流Ih*を出力して、ハンドル(ステアリング
ホイール141)が戻る方向にアシストを行う。
【0015】図18はハンドル戻し制御器180におけ
るハンドル戻し演算を行う機能ブロック図を示してい
る。同図に示すように、ハンドル戻し制御器180はハ
ンドル戻し電流演算部181、ハンドル戻し補償車速ゲ
イン演算部182、ハンドル戻し判定部183及び乗算
器184を備えている。ハンドル戻し電流演算部181
は、ハンドル戻し補償マップを備え、推定操舵角速度Q
sが入力されると、ハンドル戻し補償マップを参照し
て、ハンドル戻し電流Ihを読み出し、乗算器184に
入力する。このハンドル戻し電流Ihは、ハンドルの回
転方向にアシストするように、設定されている。
【0016】ハンドル戻し補償車速ゲイン演算部182
は、車速Vが入力されると、ハンドル戻し補償ゲインマ
ップを参照して車速ゲインKhを読み出し、乗算器18
4に供給する。このゲインKhは、中高速走行ではハン
ドル戻し電流を0にし、低速走行のみ、ハンドル戻し制
御が効くように設定されている。
【0017】又、ハンドル戻し判定部183は、ハンド
ル戻し判定マップを備えており、操舵トルクThが入力
されると、マップに基づいて操舵トルクThが0近傍の
ときには、ゲインBとして「1」を出力し、操舵トルク
|Th|>X(X(>0)は閾値)のように、ある値X
以上になると、ゲインBとして「0」を乗算器184に
出力する。すなわち、操舵トルクThが閾値以内のとき
は、ハンドル戻し状態と判定し、閾値を超える場合に
は、切り込み・保舵状態と判定する。乗算器184は、
ハンドル戻し電流演算部181、ハンドル戻し補償車速
ゲイン演算部182、及びハンドル戻し判定部183か
ら入力されたIh、Kh、Bを乗算して、ハンドル戻し
電流Ih*を加算器172に出力する。
【0018】従って、車速が低速走行の際に、ハンドル
戻し判定部183により、ハンドル戻しがされていると
判定が行われた場合には、ハンドル戻し電流Ih*がア
シスト電流に加算されて、低速走行時のハンドル戻り特
性が改善する。
【0019】次に、ダンパ制御器190について説明す
る。ダンパ制御器190は、中高速走行時の車両のヨー
の収斂性を改善するために、車速V及び推定操舵角速度
Qsに応じたダンパ電流Id*を出力して、ハンドルが
回転する方向と逆方向にダンパ電流Id*を加えてブレ
ーキをかけるためのものである。
【0020】図19はダンパ制御器190におけるダン
パ電流演算を行う機能ブロック図を示している。同図に
示すように、ダンパ制御器190はダンパ電流演算部1
91、ダンパ補償車速ゲイン演算部192、及び乗算器
193を備えている。ダンパ電流演算部191は、ダン
パ電流マップを備え、推定操舵角速度Qsが入力される
と、ダンパ電流マップを参照して、ダンパ電流Idを読
み出し、乗算器193に入力する。なお、ダンパ電流I
dは、操舵角速度を減速する方向に設定されており、ハ
ンドル戻し制御とは極性が逆になっている。
【0021】ダンパ補償車速ゲイン演算部192は、車
速Vが入力されると、ダンパゲインマップを参照してダ
ンパゲインKdを読み出し、乗算器193に供給する。
ダンパゲインKdは、低速走行ではダンパ電流が0にな
るようにし、中高速ではダンパ制御が効くように設定さ
れている。
【0022】乗算器193は、ダンパ電流演算部19
1、ダンパ補償車速ゲイン演算部192から入力された
Id、Kdを乗算して、ダンパ電流Id*を加算器17
2に出力する。
【0023】従って、車速が中高速の際、ダンパ制御器
190により、アシスト電流指令値Iにダンパ電流Id
*が加算されて、中高速時のダンパ特性が改善する。と
ころで、上記のようにハンドル戻し制御器180、及び
ダンパ制御器190はの各マップは、予めROM160
に記憶されており、ある基準路面で適合された値となっ
ている。それは、通常乾燥アスファルト路面で最適にな
るように設定された値とされている。
【0024】しかしながら、例えば低μ路等の路面反力
が低い路面状態で走行すると、低速走行時のハンドル戻
し制御器180でのハンドル戻し電流Ih*の出力が低
く、ハンドルが途中で止まり、残留角(中立位置(車両
が直進する際のハンドルの位置)を基準として、その位
置から外れた角度)が大きくなる問題があった。又、中
高速走行時に、低μ路等の路面反力が低い路面状態で走
行すると、ダンパ制御器190でのダンパ電流Id*の
出力が過剰となり、ダンパが効きすぎてしまう問題があ
った。
【0025】そこで、これらのような不具合を解決する
ために、本出願人は、ハンドル141の操舵角を検出す
る操舵角センサを設け、以下のような制御をする装置を
提案している。
【0026】即ち、その制御装置158においては、操
舵角及び車速に基づいてハンドル141を中立位置へ戻
すための目標操舵角を設定し、同目標操舵角と操舵角の
偏差及び車速により、目標操舵角速度を設定し、目標操
舵角速度と操舵角速度の偏差及び車速により、目標収斂
電流を決定する。そして、この目標収斂電流を利用して
ハンドル141が中立位置へ戻る際の収斂性を向上させ
るようにモータを制御(以下、この制御を収斂制御とい
う。)する。
【0027】この結果、仮に、操舵角速度(実操舵角速
度)が目標操舵角速度よりも小さい場合には、目標収斂
電流が増加して操舵角速度が増速するようにアシストす
る。反対に、操舵角速度(実操舵角速度)が目標操舵角
速度よりも大きい場合には、目標収斂電流の極性が反転
して操舵角速度が減速する方向に働き、操舵角速度(実
操舵角速度)が目標操舵角速度に一致するように制御さ
れる。
【0028】すなわち、この収斂制御によれば、戻すべ
き操舵角の位置とその時の操舵角速度を同時に制御する
ことができ、路面反力等が変わっても収斂電流を調節す
る機能が働き、常に安定的に設定された操舵角速度で設
定された操舵角までステアリングホイール141を収斂
させることが可能となる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の収斂
制御を行う装置において、仮にステアリングホイール4
1をある操舵角θ0まで操舵した状態で、操舵角センサ
59が断線したりして故障したとする。この状態で、ス
テアリングホイール141に対して手放し等すると、ハ
ンドルを中立位置へ戻すために、制御装置158におい
ては、収斂制御が行われる。しかし、このとき操舵角
(実操舵角)が変わっても、制御装置158側では、操
舵角θ0のまま変わっていないと判断することになる。
【0030】この結果、たとえハンドルが中立位置に戻
ったとしても、制御装置158側では操舵角がθ0のま
ま変わっていないと判断し、中立位置に戻すための収斂
電流が誤ってモータに通電される。すると、この誤った
収斂電流が通電され続けることにより、ハンドルがその
回転方向に対して、中立位置を超えてそのままエンド位
置、即ち、操舵可能な範囲の最大の位置まで切れてしま
うおそれがあった。
【0031】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、操舵角センサに異常が生
じたりして、異常な操舵角が検出されても、収斂制御の
誤動作によるセルフステアを防ぐことができ、安全性を
向上できる電動パワーステアリング装置の制御装置を提
供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、操舵角及び車速に基づ
いてハンドルを中立位置へ戻すための目標操舵角を設定
する目標操舵角設定手段と、前記目標操舵角と操舵角の
偏差及び車速に基づいて目標操舵角速度を設定する目標
操舵角速度設定手段と、前記目標操舵角速度と操舵角速
度の偏差に基づいて目標収斂電流を設定する目標収斂電
流設定手段と、前記目標収斂電流に基づいて、ハンドル
を中立位置に戻すための収斂制御を行う制御手段と、前
記操舵角が異常か否かを判定する操舵角異常判定手段と
を備え、前記操舵角異常判定手段が異常であると判定し
たときは、前記制御手段による収斂制御を停止する停止
手段を備えたことを要旨とする。
【0033】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、中高速の車速及び操舵角速度に応じたダンパ電流を
出力して、ハンドルが回転する方向と逆方向にダンパ電
流を加えるダンパ制御手段と、低速の車速及び操舵角速
度に応じたハンドル戻し電流を出力して、ハンドルが戻
る方向にアシストを行うハンドル戻し制御手段とを備
え、前記操舵角異常判定手段が異常と判定した際には、
前記ダンパ制御手段及びハンドル戻し制御手段にて、制
御を行うことを要旨とする。
【0034】(作用)請求項1の発明によれば、目標操
舵角設定手段は、操舵角及び車速に基づいてハンドルを
中立位置へ戻すための目標操舵角を設定する。目標操舵
角速度設定手段は、前記目標操舵角と操舵角の偏差及び
車速に基づいて目標操舵角速度を設定する。目標収斂電
流設定手段は、目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に基
づいて目標収斂電流を設定する。制御手段は、目標収斂
電流に基づいて収斂制御を行う。操舵角異常判定手段
は、前記操舵角が異常か否かを判定する。そして、操舵
角が異常であると操舵角異常判定手段が判定した際は、
停止手段は、収斂制御を停止させる。
【0035】請求項2の発明によれば、操舵角が異常で
あると前記操舵角異常判定手段が判定した際は、制御手
段による収斂制御の代替として、ダンパ制御手段及びハ
ンドル戻し制御手段による制御が行われる。即ち、ダン
パ制御手段は、中高速の車速及び操舵角速度に基づいて
ダンパ電流を出力するとともに、ハンドル戻り制御手段
は、低速の車速及び操舵角速度に基づいてハンドル戻し
電流を出力する。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明
を、自動車に搭載した電動パワーステアリング装置の制
御装置に具体化した実施形態を図1〜図13に従って説
明する。
【0037】図1は、電動パワーステアリング装置及び
その制御装置の概略を示す。ステアリングホイール1に
連結したステアリング軸としてのステアリングシャフト
2には、トーションバー3が設けられている。このトー
ションバー3には、トルクセンサ4が装着されている。
そして、ステアリングシャフト2が回転してトーション
バー3に力が加わると、加わった力に応じてトーション
バー3が捩れ、その捩れ、即ちステアリングホイール1
にかかる操舵トルクThをトルクセンサ4が検出してい
る。又、ステアリングシャフト2にはステアリングシャ
フト2の操舵角θを検出する操舵角センサ17が装着さ
れている。これらのセンサ出力は制御装置20へ供給さ
れる。
【0038】又、ステアリングシャフト2には減速機5
が固着されている。この減速機5には電動モータ(以
下、モータという)6の回転軸に取着したギア7が噛合
されている。更に、減速機5には、ピニオンシャフト8
が固着されている。ピニオンシャフト8の先端には、ピ
ニオン9が固着されるとともに、このピニオン9はラッ
ク10と噛合している。前記ラック10とピニオン9と
によりラック&ピニオン機構11が構成されている。前
記ラック10の両端には、タイロッド12が固設されて
おり、そのタイロッド12の先端部にはナックル13が
回動可能に連結されている。このナックル13には、タ
イヤとしての前輪14が固着されている。又、ナックル
13の一端は、クロスメンバ15に回動可能に連結され
ている。
【0039】従って、モータ6が回転すると、その回転
数は減速機5によって減少されてラック10に伝達され
る。そして、ラック10は、タイロッド12を介してナ
ックル13に設けられた前輪14の向きを変更して車両
の進行方向を変えることができる。また、前記モータ6
には、モータ回転角θmを検出するモータ回転角センサ
72が設けられている。
【0040】前輪14には、車速センサ16が設けられ
ている。次に、この電動パワーステアリング装置の制御
装置20の電気的構成を図1に示す。
【0041】トルクセンサ4は、ステアリングホイール
1の操舵トルクThを示す信号を出力している。操舵角
センサ17はステアリングシャフト2の操舵角θを示す
操舵角信号を出力している。車速センサ16は、その時
の車速Vを示す前輪14の回転数に相対する検出信号を
出力している。モータ回転角センサ72は、モータ6の
モータ回転角θmを示す信号を制御装置20へ出力す
る。又、制御装置20には、モータ6に流れる駆動電流
(モータ電流Im、モータ電流値に相当)を検出するモ
ータ駆動電流センサ18が電気的に接続されており、モ
ータ駆動電流センサ18からのモータ電流Imを示す信
号が供給されている。端子間電圧検出回路19はモータ
6の端子間電圧Vmを制御装置20に出力している。
【0042】制御装置20は、制御手段としての中央処
理装置(CPU)21、読み出し専用メモリ(ROM)
22及びデータを一時記憶する読み出し及び書き込み専
用メモリ(RAM)23を備えている。
【0043】このROM22には、CPU21により実
行される各種制御プログラムが格納されている。RAM
23は、CPU21が演算処理を行うときの演算処理結
果等を一時記憶する。
【0044】CPU21は、前記各種センサからの検出
信号を入力し、アシスト制御、収斂制御等の各種制御プ
ログラムの処理において、それらの検出信号に基づいた
モータ指令電流値を演算して、モータ駆動装置24に出
力し、同モータ駆動装置24を介してモータ6を駆動制
御する。
【0045】前記CPU21は、目標操舵角設定手段、
目標操舵角速度設定手段、目標収斂電流設定手段、操舵
角異常判定手段、及び停止手段に相当する。 (第1実施形態の作用)以下のCPU21内部の機能の
説明では、「車速V」、「操舵トルクTh」、「操舵角
θ」等の各種パラメータは、説明の便宜上、それらの対
応する信号の意味として使用するものとする。
【0046】図2は、CPU21の機能ブロック図であ
る。この実施形態ではCPU21内部は、プログラムで
実行される機能を示している。例えば、位相補償器30
は独立したハードウエアではなく、CPU21内部で実
行される位相補償機能を示している。同じく図3〜図6
及び図8〜図10は、CPU21がプログラムによって
実行する処理機能を機能ブロック図で示しており、実際
のハード構成を意味するものではない。
【0047】以下、図2〜図13を参照して、CPU2
1の機能と動作を説明する。まず、説明の便宜上、車速
感応アシスト制御について説明し、その後、収斂制御に
ついて説明する。そして、その後に操舵角の異常判定に
ついて説明する。
【0048】(車速感応アシスト制御)CPU21は、
図2に示すように位相補償器30、電流指令値演算部3
1、加算器39、PI制御部40、PWM演算部38等
の機能を備えている。
【0049】電流指令値演算部31は、トルクセンサ4
から操舵トルクTh、車速センサ16から車速Vを入力
し、モータ6に供給する電流の制御目標値である車速感
応アシスト指令値(アシスト電流指令値に相当する)I
を設定を行う。前記トルクセンサ4から入力された操舵
トルクThは、位相補償器30で操舵系の安定を高める
ために位相補償され、電流指令値演算部31に入力され
る。
【0050】前記電流指令値演算部31について詳しく
説明すると、図3に示すように、操舵トルクThは高速
アシストマップ41に供給されて高速アシスト電流(高
速アシスト量)Id1が読み出され、又は低速アシスト
マップ42に供給されて低速アシスト電流(低速アシス
ト量)Id2が読み出される。読み出された高速アシス
ト電流Id1は乗算器44に供給され、低速アシスト電
流Id2は乗算器45に供給される。
【0051】一方、車速Vはアシスト車速ゲインマップ
43に供給されて、車速Vに基づいてアシスト車速ゲイ
ンマップ43からアシスト車速ゲインk1が読み出さ
れ、乗算器45、及び加算器47に供給される。加算器
47に供給されたアシスト車速ゲインk1はその符号が
反転された上で「1」が加算されて、(1−k1)とし
て乗算器44に供給される。
【0052】乗算器44は、供給された(1−k1)を
高速アシスト電流Id1に乗算した後、その出力値を加
算器46に供給する。又、乗算器45は供給されたアシ
スト車速ゲインk1を低速アシスト電流Id2に乗算し
た後、その出力値を加算器46に供給する。加算器46
は乗算器44,45で乗算して得た各値を加算して得た
アシスト電流指令値Iを図2に示す加算器39に出力す
る。
【0053】加算器39はこのアシスト電流指令値Iと
他の部(後記する)からの出力値を加算し、PI制御部
40に出力する。PI制御部40は実際のモータ電流I
mとの差に相当する信号(アシスト電流制御値に相当す
る)に基づいて公知のPI制御による電流値を算出し、
この値をPWM演算部38に出力する。PWM演算部3
8では、PI制御により得られた値に基づいてPWM演
算を行い、この演算結果をモータ駆動装置24に供給す
る。
【0054】この結果、モータ駆動装置24を介してモ
ータ6を駆動制御することにより、検出された操舵トル
クTh及び車速Vに応じてモータ6による適正なアシス
ト力が得られる。
【0055】(推定操舵角速度Qs)次に、CPU21
は推定操舵角速度Qsを設定するためのモータ角速度推
定器60、操舵角速度推定器66の機能を備えており、
これらについて説明する。
【0056】図4に示すように、モータ角速度推定器6
0には、端子間電圧検出回路19からのモータ端子間電
圧Vm及び、モータ駆動電流センサ18からのモータ電
流Imが入力される。そして、モータ角速度推定器60
は、前記モータ端子間電圧Vm及びモータ電流Imから
推定モータ角速度ωを求め、操舵角速度推定器66はこ
の推定モータ角速度ωから推定操舵角速度Qsを求め
る。
【0057】なお、推定操舵角速度Qsが「操舵角速
度」に相当する。詳述すると、モータ6の端子間に電圧
を印加すると、モータ6は回転するが、モータ6が回転
すると、その回転数に比例して逆起電力が発生し、モー
タ端子間電圧Vmに加算される。モータ端子間電圧Vm
とモータ6の逆起電力との関係は、以下の式で表すこと
ができる。
【0058】 Vm=(Ls+R)・Im+Ke・ω …(1) ここで、Vm:モータ端子間電圧、L:モータ6のイン
ダクタンス、s:ラプラス演算子、R:モータ6の端子
間抵抗、Im:モータ電流、Ke:モータ6の逆起電力
定数、ω:推定モータ角速度である。
【0059】従って、上記(1)式をω(推定モータ角
速度)で解くと、下記(2)式となる。 ω={Vm−(Ls+R)・Im}/Ke …(2) そこで、第1演算部63では、モータ電流Imに(Ls
+R)を乗算し、減算器64に出力する。減算器64
は、入力したモータ端子間電圧Vmに対して第1演算部
63で演算した値を減算し、第2演算部65に出力す
る。第2演算部65は、減算器64から入力した値を逆
起電力定数Keで除して推定モータ角速度ωを演算し、
操舵角速度推定器66に出力する。
【0060】次いで、操舵角速度推定器66は、推定モ
ータ角速度ωを減速機5の減速比Gで除して、推定操舵
角速度Qsを算出する。このようにして、算出(推定)
された推定操舵角速度Qsは収斂制御部81に供給され
る。
【0061】なお、本明細書では、以下、大文字Qは、
角速度の意味で使用する。また、第1演算部63、減算
器64、第2演算部65とによりモータ角速度推定器6
0が構成されている。
【0062】(収斂制御)次に、CPU21は、目標操
舵角設定手段、目標操舵角速度設定手段、及び目標収斂
電流設定手段としての収斂制御部81、手放し判定部8
2、及び乗算器83等の機能を備えており、それらにつ
いて説明する。
【0063】図5に示すように、収斂制御部81は、目
標操舵角設定手段としての目標操舵角設定部86、目標
操舵角速度設定手段としての目標操舵角速度設定部8
7、目標収斂電流設定手段としての目標収斂電流設定部
88、位相補償部89及び減算器90,91とを備えて
いる。収斂制御部81には、車速センサ16から検出さ
れた車速V、及び操舵角センサ17から検出された操舵
角θが入力される。そして、収斂制御部81は、入力さ
れた車速V、操舵角θ及び推定操舵角速度Qsに基づい
て、ステアリングホイール1を略中立位置まで収束させ
るための目標収斂電流Ihd*を決定する。
【0064】詳しく説明すると、図6に示すように、前
記目標操舵角設定部86は、符号判定部92、目標操舵
絶対角設定部93、乗算器94、及び目標操舵角演算部
95とを備えている。
【0065】目標操舵絶対角設定部93は、車速Vに基
づき、ROM22に予め格納された目標操舵絶対角設定
マップを使用して、車速Vに応じた目標操舵角θ*の絶
対値、即ち、目標操舵絶対角| θ*** |を求め、乗算
器94に出力する。なお、前記目標操舵角θ*は、ステ
アリングホイール1を中立位置へ戻すための値であり、
前記中立位置は、所定の残留角範囲を含んでいる。
【0066】具体的には、通常、中高速ではハンドル1
を中立位置、すなわち、0度までを戻すのが普通である
が、低速では0度まで戻すのは従来の油圧パワーステア
リング装置と比較して不自然であるため、完全に中立位
置までは戻さずある程度の残留角を持たせるように設定
する。
【0067】このため、前記目標操舵絶対角設定部93
は、目標操舵絶対角設定マップにて、車両の低速時に、
ステアリングホイール1を操舵する場合に、中立位置か
ら所定の残留角範囲内に戻るように目標操舵絶対角| θ
*** |を設定する。演算される目標操舵絶対角| θ*
** |は、車速Vが低速になるほど大きくなり、所定の
車速V以上においては、目標操舵絶対角| θ*** |は
0になる。
【0068】符号判定部92は、操舵角θに基づいた符
号を判定して、その符号信号を乗算器94に出力する。
即ち、操舵角θが右操舵を示している場合は+1を乗算
器94に出力する一方で、左操舵を示している場合は−
1を乗算器94に出力する。
【0069】乗算器94では、前記符号判定部92から
の符号信号、及び目標操舵絶対角設定部93からの目標
操舵絶対角| θ*** |を乗算する。そして、目標操舵
絶対角| θ*** |に符号を持たせ、暫定目標操舵角θ
**として目標操舵角演算部95に出力する。
【0070】目標操舵角演算部95は、前記暫定目標操
舵角θ**、及び操舵角θに基づいて目標操舵角θ*を
図5に示す減算器90に出力する。ここで、具体的に、
目標操舵角演算部95における目標操舵角θ*の設定の
仕方を、CPU21が実行する目標操舵角演算ルーチン
のフローチャート(図7参照)に従って説明する。
【0071】まず、S21において、暫定目標操舵角θ
**を読込む。次にS22において、実際の操舵絶対角
(即ち、操舵角θの絶対値をとった値)| θ |が、暫定
目標操舵絶対角(即ち、暫定目標操舵角θ**の絶対値
をとった値)| θ** |より小さいか否かを判定する。
即ち、暫定目標操舵角θ**と現在の操舵角θとの大小
関係の比較をする。
【0072】現在の操舵角θが暫定目標操舵角θ**よ
りも中立位置側にある場合、換言すれば、操舵絶対角|
θ |が暫定目標操舵絶対角| θ** |より小さい場合は
(|θ |<| θ** |、即ち、S22の判定がYE
S)、S23に進む。そして、S23において、実際の
操舵角θを目標操舵角θ*として設定し(θ*=θ)、
出力する。
【0073】一方、暫定目標操舵角θ**の方が現在の
操舵角θよりも中立位置に近い場合、即ち、操舵絶対角
| θ |が、暫定目標操舵絶対角| θ** |以上の場合は
(|θ |≧| θ** |、即ち、S22の判定がNO)
は、S24に進む。そして、S24において、暫定目標
操舵角θ**を目標操舵角θ*として設定し(θ*=θ
**)、出力する。
【0074】図5に示すように、減算器90には、前記
目標操舵角θ*と、位相補償部89にて位相を進ませる
位相補償をされた後の操舵角θiが入力される。前記位
相補償部89について詳しく説明すると、位相補償部8
9は、図8に示すように、微分器56とゲイン乗算部5
7と、加算器58とから構成されている。微分器56で
は、操舵角センサ17からの操舵角θを微分して操舵角
速度Qを求め、ゲイン乗算部57では、その操舵角速度
Qに予め設定したゲインTを乗算した値QTを加算器5
8に出力する。前記ゲインTは、予め試験によって得ら
れた値に基づいて定められている。加算器58は、操舵
角θに対してQTを加算して位相を進ませた値(本実施
形態では、これを操舵角θiという。)とし、減算器9
0に出力するようになっている。
【0075】そして、減算器90では、図5に示すよう
に、目標操舵角θ*と操舵角θiから、その偏差(以
下、「操舵角偏差」という。)Δθを算出し、目標操舵
角速度設定部87に出力する。目標操舵角速度設定部8
7は、前記操舵角偏差Δθと、車速Vを入力し、ROM
22に予め格納された目標操舵角速度設定マップに基づ
いて、目標操舵角速度Q*を求め、減算器91に出力す
る。前記、目標操舵角速度設定マップは、操舵角偏差Δ
θと、車速Vと、目標操舵角速度Q*からなる三次元マ
ップであり、操舵角偏差Δθと、車速Vに応じて目標操
舵角速度Q*が決定される。
【0076】そして、減算器91には、前記目標操舵角
速度Q*と、操舵角速度推定器66から入力された推定
操舵角速度Qsとが入力される。そして、減算器91は
その偏差(以下、「操舵角速度偏差」という。)ΔQを
算出し、目標収斂電流設定部88に出力する。
【0077】目標収斂電流設定部88は、第1〜第3収
斂電流設定部96〜98、積分器99、微分器100、
及び加算器101とを備えている。第1収斂電流設定部
96には、車速Vと、前記操舵角速度偏差ΔQが入力さ
れる。第1収斂電流設定部96は、ROM22に予め格
納された第1収斂電流設定マップを使用して、第1収斂
電流Ihd1*を算出し、加算器101に出力する。第
1収斂電流設定マップは、操舵角速度偏差ΔQと、車速
Vと、第1収斂電流Ihd1*からなる三次元マップで
ある。そして、同マップにより、車速Vと操舵角速度偏
差ΔQに応じて、同操舵角速度偏差ΔQに比例した第1
収斂電流Ihd1*が設定される。即ち、第1収斂電流
Ihd1*は、第1収斂電流設定部96により所謂比例
制御(以下、「P制御」という)にて加算器101に出
力される。
【0078】第2収斂電流設定部97には、車速Vと、
積分器99で操舵角速度偏差ΔQを積分して得た操舵角
速度偏差積分値sum_ΔQとが入力される。第2収斂電流
設定部97は、ROM22に予め格納された第2収斂電
流設定マップを使用して、第2収斂電流Ihd2*を算
出し、加算器101に出力する。第2収斂電流設定マッ
プは、操舵角速度偏差積分値sum_ΔQと、車速Vと、第
2収斂電流Ihd2*とからなる三次元マップである。
そして、同マップにより、車速Vと操舵角速度偏差積分
値sum_ΔQに応じて、同操舵角速度偏差積分値sum_ΔQ
に比例した第2収斂電流Ihd2*が設定される。即
ち、第2収斂電流Ihd2*は、積分器99及び第2収
斂電流設定部97とにより、所謂積分制御(以下、「I
制御」という)にて加算器101に出力される。
【0079】第3収斂電流設定部98には、車速Vと、
微分器100で操舵角速度偏差ΔQを微分して得た操舵
角速度偏差微分値d_ΔQとが入力される。第3収斂電流
設定部98は、ROM22に予め格納された第3収斂電
流設定マップを使用して、第3収斂電流Ihd3*を算
出し、加算器101に出力する。第3収斂電流設定マッ
プは、操舵角速度偏差微分値d_ΔQと、車速Vと、第3
収斂電流Ihd3*とからなる三次元マップである。そ
して、同マップにより、車速Vと操舵角速度偏差微分値
d_ΔQに応じて、同操舵角速度偏差微分値d_ΔQに比例
した第3収斂電流Ihd3*が設定される。即ち、第3
収斂電流Ihd3*は、微分器100及び第3収斂電流
設定部98とにより、所謂微分制御(以下、「D制御」
という)にて加算器101に出力される。
【0080】そして、加算器101は、前記第1〜第3
収斂電流Ihd1*〜Ihd3*を加算して算出される
目標収斂電流Ihd*を、図2に示すように、乗算器8
3に出力する。
【0081】従って、本実施形態においては、操舵角θ
及び車速Vに応じて目標操舵角θ*を設定し、目標操舵
角θ*と操舵角θの偏差(操舵角偏差Δθ)及び車速V
により、目標操舵角速度Q*を設定し、目標操舵角速度
Q*と操舵角速度Qの偏差(操舵角速度偏差ΔQ)及び
車速Vにより、目標収斂電流Ihd*を制御(以下、こ
の制御を収斂制御という。)する。
【0082】次に、手放し判定部82について説明す
る。手放し判定部82にはトルクセンサ4から検出され
た操舵トルクThが入力される。また、図9に示すよう
に、手放し判定部82は、手放し判定マップを備えてい
る。そして、このマップを使用して、操舵トルクThが
0近傍のとき、即ち、ステアリングホイール1に手を軽
く触れている程度、又は手放ししている状態のときに
は、「1」を乗算器83に出力する。一方、操舵トルク
|Th|>X(Xは定数)のように、ある値X以上にな
ると、「0」を乗算器83に出力するとともに、前述し
たI制御で使用する積分項を0にクリアするためのリセ
ット信号を積分器99に出力する。
【0083】図2に示すように、乗算器83は、収斂制
御部81からの目標収斂電流Ihd*と手放し判定部8
2から出力される「1」又は「0」の出力信号を入力
し、乗算する。そして、前記手放し判定部82からの出
力信号が「1」であった場合は、前記目標収斂電流Ih
d*を乗算器84に出力する。一方、手放し判定部82
からの出力信号が「0」であった場合は、「0」という
信号を乗算器84に出力する。
【0084】(収斂制御のフローチャート)次に、CP
U21が前記収斂制御において実行する一連の処理のフ
ローチャートについて図11及び図12に従って簡潔に
説明する。なお、このフローチャートは、収斂制御部8
1及び手放し判定部82にて設定された目標収斂電流I
hd*が、乗算器84に出力されるまでの処理である。
【0085】S101において、車速センサから検出し
た車速Vを演算し、S102において、操舵角センサ1
7の検出信号に基づいて操舵角θ、θiを演算する(位
相補償部89の処理を含む)。
【0086】次のS103では車速V、操舵角θに基づ
き目標操舵角θ*を求める(目標操舵角設定部86の処
理)。次に、S104において、S103で求めた目標
操舵角θ*とS102で求めた操舵角θiとの操舵角偏
差Δθ(=θ*−θi)を演算する(減算器90の処
理)。そして、S105で車速V、操舵角偏差Δθに基
づいて目標操舵角速度Q*を演算する(目標操舵角速度
設定部87の処理)。
【0087】S106では、目標操舵角速度Q*と推定
操舵角速度Qsとの操舵角速度偏差ΔQ(=Q*−Q
s)を求める(減算器91の処理)。そして、S107
〜S112にて目標収斂電流Ihd*を設定する。な
お、このS107〜S112は目標収斂電流設定部88
の処理に相当する。
【0088】S107では、操舵角速度偏差ΔQと車速
Vに基づいて、P制御を行い、P制御による第1収斂電
流Ihd1*を演算する(第1収斂電流設定部96の処
理)。
【0089】S108では、前回制御サイクル時におけ
る操舵角速度偏差ΔQの積分値(即ち操舵角速度偏差積
分値)sum_ΔQに対してΔQ×tを加算して、今回制御
サイクル時の操舵角速度偏差積分値sum_ΔQとして更新
する。すなわち、積分処理を行う(積分器99の処
理)。なお、tは演算周期(すなわち、この制御フロー
の制御周期)である。
【0090】S109では前記S108で得た今回制御
サイクル時における操舵角速度偏差積分値sum_ΔQと車
速Vに基づいて、I制御を行い、I制御による第2収斂
電流Ihd2*を演算する(第2収斂電流設定部97の
処理)。
【0091】S110では、操舵角速度偏差ΔQの微分
値(即ち、操舵角速度偏差微分値)d_ΔQ=(ΔQ−pr
e_ΔQ)/tを演算する。なお、ΔQは、今回制御サイ
クル時の値、pre_ΔQは前回制御サイクル時の値であ
る。
【0092】そして、今回制御サイクル時のΔQを、前
回制御サイクル時のpre_ΔQとして更新する(微分器1
00の処理)。そして、S111で、操舵角速度偏差微
分値d_ΔQと車速Vに基づいてD制御を行い、D制御に
よる第3収斂電流Ihd3*を演算する(第3収斂電流
設定部98の処理)。
【0093】S112でPID制御を合成した目標収斂
電流Ihd*(=Ihd1* +Ihd2* +Ihd
3*)を求める(加算器101の処理)。S113では
操舵トルクThにより、手放し判定を行い、ゲイン(即
ち、「0」或いは「1」の値)ηを演算する(手放し判
定部82の処理)。このとき、手放ししていると判定し
た場合には、ゲインηは「1」、そうでない場合(すな
わち、保舵又は操舵している場合)は、ゲインηは
「0」とする。
【0094】S114では、操舵・保舵中と判定、すな
わち、収斂制御の動作を禁止する場合(ゲインη=0、
乗算器83の処理)、S115でI制御で使用する積分
項(すなわち、S108で更新した今回制御サイクル時
の操舵角速度偏差積分値sum_ΔQ)を0にクリアする。
換言すれば、手放し判定部82から積分器99にリセッ
ト信号を送信して、再度収斂制御が有効になった時の積
分項による誤動作を防止する(手放し判定部82及び積
分器99の処理)。
【0095】S116では、手放し判定で得られたゲイ
ンη(=「1」)で、S112で求めた目標収斂電流I
hd*を補正して最終的な目標収斂電流Ihd*を求め
る。すなわち、操舵・保舵中は目標収斂電流Ihd*が
0に補正されて収斂制御が禁止される。ハンドルに軽く
触れている程度、又は手放しの場合には、収斂制御がな
される。
【0096】(異常判定)CPU21は、操舵角異常判
定手段としての操舵角異常検出部71、及び停止手段と
しての乗算器84の機能を備えておりそれらについて説
明する。
【0097】操舵角異常検出部71には、操舵角センサ
17から検出された操舵角θ、モータ回転角センサ72
で検出されたモータ回転角θmが入力される。操舵角異
常検出部71は、入力された操舵角θ及びモータ回転角
θmに基づいて、入力された前記操舵角θが異常か否か
を判定する。そして、「1」又は「0」の信号を乗算器
84に出力する。
【0098】操舵角異常検出部71は、図10に示すよ
うに、操舵角推定部73及び比較部74とを備えてい
る。操舵角推定部73は、モータ回転角θmを減速機5
の減速比Gにて除して、ステアリングホイール1の操舵
角(以下、「推定操舵角」という)θsを算出(推定)
して、同推定操舵角θsを比較部74に出力する。
【0099】比較部74は、前記操舵角θと推定操舵角
θsとを比較して、操舵角センサ17からの操舵角θが
異常か否かを判定する。即ち、比較部74は、操舵角θ
と推定操舵角θsとが下記の式(α)を満たしているか
否かを判定する。
【0100】Δθh−θo≧θ1…(α) なお、Δθhは操舵角信号θ*と推定操舵角θsとの偏
差であり次式(β)にて算出される。
【0101】Δθh=| θs−θ*| …(β) また、θoはオフセット値である。すなわち、モータ回
転角センサ72から推定した推定操舵角θsは常にステ
アリングホイール1が中立位置にあるとは限らず、絶対
角は不明である。そのため、最初に制御装置20に電源
が入った時、推定操舵角θsは0として、その時に操舵
角センサ17で検出した操舵角θoをオフセット値とし
てRAM23に記憶している。また、θ1は異常判定閾
値であり、予めROM22に記憶している。
【0102】そして、上記の式(α)を満たしている場
合(操舵角θが異常な場合)は、「0」を乗算器84に
出力する。一方、一方、上記の式(α)を満たしていな
い(操舵角θが正常な場合)場合は、「1」を乗算器8
4に出力する。
【0103】図2に示すように、乗算器84は、乗算器
83からの目標収斂電流Ihd*又は「0」の出力信号
と、操舵角異常検出部71から出力される「1」又は
「0」の出力信号を入力し、乗算する。そして、前記操
舵角異常検出部71からの出力信号が「1」(即ち、操
舵角θに異常無し)であった場合は、前記目標収斂電流
Ihd*を加算器39に出力する。一方、操舵角異常検
出部71からの出力信号が「0」(即ち、操舵角θに異
常有り)であった場合は、「0」という信号を加算器3
9に出力する。
【0104】なお、この乗算器84から目標収斂電流I
hd*を加算器39に出力する場合は、勿論、ハンドル
が手放し若しくは、軽く触れられている程度のときであ
る。また、操舵角異常検出部71からの信号に基づい
て、乗算器84から「0」の信号が加算器39出力され
ることが収斂制御の停止動作に相当する。
【0105】この結果、加算器39は、乗算器84から
の乗算の結果(即ち、目標収斂電流Ihd*又は「0」
の出力信号)と電流指令値演算部31からのアシスト電
流指令値Iを入力し、加算してPI制御部40に出力す
る。
【0106】その後、PI制御部40及びPWM演算部
38を介して、車速感応アシスト制御及び収斂制御とか
ら算出された値に基づいてCPU21は、モータ6を駆
動制御する。
【0107】(異常判定のフローチャート)次に、本実
施形態における操舵角異常判定処理を図13に示すフロ
ーチャートに従って説明する。尚、以下の説明において
は、ステアリングホイール1は手放し、若しくは軽く触
れられている程度であるとし、手放し判定部82からは
「1」の信号が乗算器83に出力されているものとす
る。
【0108】CPU21はこの異常判定処理を所定時間
毎の割り込みにより実行する。まず、S51において、
CPU21は、操舵角センサ17から入力した操舵角θ
に対して、操舵角異常検出部71にて、異常か否か判定
する。即ち、前述したように、操舵角θと推定操舵角θ
sとが式(α)(Δθ−θo≧θ1)を満たしているか
否かを判定する。そして、前記式(α)を満たさず、入
力された操舵角θは正常であると操舵角異常検出部71
が判断した場合は、S52に進む。即ち、操舵角異常検
出部71から乗算器84に対して、「1」の信号が出力
され、CPU21は、車速感応アシスト制御と収斂制御
を行う。そして、加算器39にて、各制御にて演算され
たアシスト電流指令値Iと目標収斂電流Ihd*を加算
して、その値に基づいてCPU21は、電動モータ6を
駆動制御する。
【0109】一方、S51において、前記式(α)を満
たし、入力された操舵角θが異常であると操舵角異常検
出部71が判断した場合は、S53に進む。即ち、操舵
角異常検出部71から乗算器84に対して、「0」の信
号が出力される。そして、乗算器84にて、収斂制御部
81から出力された目標収斂電流Ihd*が0に補正さ
れて収斂制御が停止される。この結果、加算器39に
は、アシスト電流指令値Iのみが入力され、CPU21
はこのアシスト電流指令値Iに基づいて電動モータ6を
駆動制御する。
【0110】従って、上記実施形態によれば、以下のよ
うな効果を得ることができる。 (1)上記実施形態では、操舵角異常検出部71を設
け、同操舵角異常検出部71において、同操舵角異常検
出部71に入力された操舵角θが異常であると判断され
ると、操舵角異常検出部71から乗算器84に「0」の
出力信号を出力し、収斂制御を停止するようにした。こ
のため、仮にステアリングホイール1をある操舵角θだ
け操舵した状態で、操舵角センサ17の断線や故障等に
より、異常な操舵角θが入力されても、従来と異なり、
収斂制御の誤動作によるセルフステアを防ぐことがで
き、安全性を向上できる。
【0111】(第2実施形態)次に第2実施形態を図1
4、図15、図18及び図19を参照して説明する。本
実施形態のハード構成は第1実施形態の図1と同様に構
成されており、ソフトウエアの構成が一部異なってい
る。従って、前記第1実施形態の構成中、同一構成、又
は相当する構成については、同一符号を付してその詳細
な説明を省略し、異なるところを中心に説明する。
【0112】図14は、前記第1実施形態の図2の相当
図である。本実施形態は、第1実施形態の構成に対し
て、乗算器84の代わりに、ハンドル戻し制御手段とし
てのハンドル戻し制御器180、ダンパ制御手段として
のダンパ制御器190、加算器76及び制御切換部77
等が設けられているところが異なっている。
【0113】本実施形態のCPU21は、さらにハンド
ル戻し制御手段及びダンパ制御手段に相当する。また、
本実施形態においては、前記制御切換部77が停止手段
に相当する。
【0114】前記ハンドル戻し制御器180及びダンパ
制御器190の構成については、図18及び図19に示
すように、従来の構成と同一であるためその説明を省略
する。尚、ハンドル戻し制御器180における推定操舵
角速度Qs、車速V及び操舵トルクThによりハンドル
戻し電流Ihを算出する制御を、以下「ハンドル戻し制
御」という。一方、ダンパ制御器190における推定操
舵角速度Qsと車速Vによりダンパ電流Idを算出する
制御を、以下「ダンパ制御」という。
【0115】さて、ハンドル戻し制御器180及びダン
パ制御器190より出力されたハンドル戻し電流Ih*
及びダンパ電流Id*は加算器76に入力される。そし
て、加算器76は、前記ハンドル戻し電流Ihとダンパ
電流Idとを加算し、制御切換部77に出力する。
【0116】制御切換部77には、前記加算器76から
のハンドル戻し電流Ihとダンパ電流Idとが加算され
た値(以下、「加算電流Ik」という)と共に、収斂制
御部81から乗算器83を介して入力される目標収斂電
流Ihd*と、操舵角異常検出部71からの制御信号が
入力される。
【0117】そして、操舵角異常検出部71からの制御
信号に基づいて、制御切換部77は、前記加算電流Ik
又は目標収斂電流Ihd*の何れかを切換選択し、加算
器39に出力するようになっている。
【0118】なお、前記操舵角異常検出部71は、前述
した式(α)(即ち、Δθ−θo≧θ1)を満たした場
合(操舵角θが異常な場合)は、制御切換部77が加算
電流Ikを選択するように制御信号を出力する。一方、
上記の式(α)を満たしていない場合(操舵角θが正常
な場合)は、制御切換部77が目標収斂電流Ihd*を
選択するように制御信号を出力する。
【0119】そして、加算器39においては、前記制御
切換部77にて切換選択された加算電流Ik若しくは目
標収斂電流Ihd*とアシスト電流指令値Iとを加算
し、モータを駆動制御する。
【0120】尚、本実施形態においては、操舵角異常検
出部71からの信号に基づく制御切換部77による加算
電流Ikの切換選択が収斂制御の停止動作に相当する。 (異常判定のフローチャート)次に、本実施形態におけ
る操舵角異常判定処理を図15に示すフローチャートに
従って説明する。尚、以下の説明においては、ステアリ
ングホイール1は手放し、若しくは軽く触れられている
程度であるとし、手放し判定部82からは「1」の信号
が乗算器83に出力されているものとする。
【0121】まず、S51において、CPU21は、操
舵角センサ17から入力した操舵角θに対して、操舵角
異常検出部71にて、異常か否か判定する。前述した式
(α)(Δθ−θo≧θ1)を満たさず、入力された操
舵角θは正常であると操舵角異常検出部71が判断した
場合は、S52に進む。このとき、操舵角異常検出部7
1から制御切換部77に対して、同制御切換部77が目
標収斂電流Ihd*を選択するように、制御信号が出力
される。そして、CPU21は、車速感応アシスト制御
と収斂制御を行う。即ち、各制御にて演算されたアシス
ト電流指令値Iと目標収斂電流Ihd*を加算して、こ
の値に基づいて電動モータ6を駆動制御する。
【0122】一方、S51において、前記式(α)を満
たし、入力された操舵角θが異常であると操舵角異常検
出部71が判断した場合は、S54に進む。このとき、
操舵角異常検出部71から制御切換部77に対して、同
制御切換部77がハンドル戻し電流Ihとダンパ電流I
dとを加算した加算電流Ikを選択するように制御信号
が出力される。そして、CPU21は、車速感応アシス
ト制御、ハンドル戻し制御、及びダンパ制御を行う。即
ち、各制御にて演算されたアシスト電流指令値Iと加算
電流Ik(ハンドル戻し電流Ihとダンパ電流Id)を
加算して、この値に基づいて電動モータ6を駆動制御す
る。
【0123】従って、本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。 (2)上記実施形態では、操舵角異常検出部71を設
け、同操舵角異常検出部71に入力された操舵角θが異
常であると判断すると、制御切換部77にて加算器39
に出力する電流値を切換え、収斂制御を停止して車速V
及びモータ電圧Vmから算出される推定操舵角速度Qs
に応じたハンドル戻し制御及びダンパ制御を行うように
した。従って、第1実施形態における(1)の効果と同
様の効果を奏す。
【0124】(3)上記実施形態では、低速時におい
て、操舵角異常検出部71に異常な操舵角θが検出され
て、収斂制御が停止されても、モータ電流Imと、モー
タ端子間電圧Vmとから算出された推定操舵角速度Qs
と車速Vに基づいて演算されるハンドル戻し制御が働く
ため、電動パワーステアリング装置の内部摩擦によりス
テアリングホイール1が中立位置の方向に戻らないとい
うおそれはない。
【0125】(4)また、高速時においては、操舵角異
常検出部71に異常な操舵角θが検出されて、収斂制御
が停止されても、前記推定操舵角速度Qsと車速Vに基
づいて演算されるダンパ制御が働くため、モータ6の慣
性によりステアリングホイール1がふらつき、操舵性に
欠けることはない。
【0126】(5)また、本第2実施形態は、異常な操
舵角θが検出時に収斂制御を停止させるだけの第1実施
形態と比較して、ハンドル戻し制御及びダンパ制御を代
替として行うことで、ステアリングホイール1の収斂性
が極力損なわれないようにすることができる。
【0127】なお、本実施形態は以下のように変更して
もよい。 ・上記第1及び第2実施形態では、操舵角異常検出部7
1による操舵角θの異常判定は、操舵角θとモータ回転
角θmに基づいた推定操舵角θsとの比較により行われ
たが、複数の操舵角センサ17を設け、それぞれから検
出される操舵角の偏差を算出し、その偏差が所定値を超
えると異常を判定する方法をとってもよい。
【0128】・上記第1及び第2実施形態では、収斂制
御部81の目標収斂電流設定部88において、PID制
御を行い、目標収斂電流Ihd*を求めたが、各制御の
うち、P制御、PI制御、又はPD制御にて目標収斂電
流Ihd*を求めてもよい。
【0129】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、異常な操舵角が検出されても、収斂制御の誤動
作によるセルフステアを防ぐことができ、安全性を向上
できる。
【0130】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、収斂制御が停止されてもハンドル戻し
制御手段、及びダンパ制御手段による制御が代替制御と
して働き、ハンドルの収斂性が極力損なわれないように
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電動パワーステ
アリング装置及びその制御装置の概略図。
【図2】同じく制御装置のCPUの機能ブロック図。
【図3】同じく電流指令値演算部のブロック図。
【図4】同じくモータ角速度推定器及び操舵角速度推定
器のブロック図。
【図5】同じく収斂制御部のブロック図。
【図6】同じく目標操舵角設定部のブロック図。
【図7】同じく目標操舵角演算ルーチンのフローチャー
ト。
【図8】同じく位相補償部のブロック図。
【図9】同じく手放し判定部のブロック図。
【図10】同じく操舵角異常検出部のブロック図。
【図11】同じく収斂制御において実行する処理のフロ
ーチャート。
【図12】同じく収斂制御において実行する処理のフロ
ーチャート。
【図13】同じく操舵角異常判定処理を示すフローチャ
ート。
【図14】第2実施形態における電動パワーステアリン
グ装置の制御装置のブロック図。
【図15】同じく操舵角異常判定処理を示すフローチャ
ート。
【図16】従来の電動パワーステアリング装置及びその
制御装置の概略図。
【図17】従来の制御装置のCPUの機能ブロック図。
【図18】ハンドル戻し制御器におけるハンドル戻し演
算を行う機能ブロック図。
【図19】ダンパ制御器におけるダンパ電流演算を行う
機能ブロック図。
【符号の説明】
1…ステアリングホイール(ハンドル)、 21…CPU(制御手段、目標操舵角設定手段、目標操
舵角速度設定手段、目標収斂電流設定手段、操舵角異常
判定手段、停止手段、ダンパ制御手段、ハンドル戻し制
御手段)、 81…収斂制御部(目標操舵角設定手段、目標操舵角速
度設定手段、目標収斂電流設定手段)、 86…目標操舵角設定部(目標操舵角設定手段)、 87…目標操舵角速度設定部(目標操舵角速度設定手
段)、 88…目標収斂電流設定部(目標収斂電流設定手段)、 71…操舵角異常検出部(操舵角異常判定手段)、 84…乗算器(停止手段)、 180…ハンドル戻し制御器(ハンドル戻し制御手
段)、 190…ダンパ制御器(ダンパ制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 119:00 B62D 119:00 Fターム(参考) 3D032 CC40 DA03 DA15 DA23 DA63 DA64 DA65 DC01 DC02 DC03 DC17 DD10 DE09 EA01 EC20 EC23 GG01 3D033 CA03 CA13 CA16 CA17 CA20 CA24 CA31 5H571 AA03 BB07 CC04 GG04 HD02 HD03 JJ03 JJ04 JJ16 JJ17 JJ24 LL13 LL22 LL23 LL32 PP01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵角及び車速に基づいてハンドルを中
    立位置へ戻すための目標操舵角を設定する目標操舵角設
    定手段と、 前記目標操舵角と操舵角の偏差及び車速に基づいて目標
    操舵角速度を設定する目標操舵角速度設定手段と、 前記目標操舵角速度と操舵角速度の偏差に基づいて目標
    収斂電流を設定する目標収斂電流設定手段と、 前記目標収斂電流に基づいて、ハンドルを中立位置に戻
    すための収斂制御を行う制御手段と、 前記操舵角が異常か否かを判定する操舵角異常判定手段
    とを備え、 前記操舵角異常判定手段が異常であると判定したとき
    は、前記制御手段による収斂制御を停止する停止手段を
    備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の
    制御装置。
  2. 【請求項2】 中高速の車速及び操舵角速度に応じたダ
    ンパ電流を出力して、ハンドルが回転する方向と逆方向
    にダンパ電流を加えるダンパ制御手段と、 低速の車速及び操舵角速度に応じたハンドル戻し電流を
    出力して、ハンドルが戻る方向にアシストを行うハンド
    ル戻し制御手段とを備え、 前記操舵角異常判定手段が異常と判定した際には、前記
    ダンパ制御手段及びハンドル戻し制御手段にて、制御を
    行うことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステ
    アリング装置の制御装置。
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