JP2008201212A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵操作に対する車両挙動の応答性を向上しつつ、運転者に対し違和感を与えない車両挙動を実現できる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】車両用操舵装置は、ステアリングの操舵角度θhを検出する操舵角度センサ24と、ステアリングの操舵角速度θ’hを算出する微分器55と、車速Vを検出する車速センサ61と、を備え、操舵角度、操舵角速度、及び車速に基づいて目標転舵角θptを決定し、決定された目標転舵角に応じて転舵アクチュエータを駆動し転舵輪を転舵する。制御装置50は、車速と操舵角度と操舵角速度とを含む複数の入力に応じて設定される過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)を操舵角度に比例した項に乗じた値に基づいて目標転舵角を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用の操舵装置に関する。より具体的には、運転者が操舵操作を行うステアリングと、転舵輪を転舵させる転舵機構とが機械的に連結されていない所謂ステア・バイ・ワイヤ方式の操舵装置や、運転者によるステアリングの操作量に対する転舵輪の舵角制御量を可変できるアクティブステアシステム等に関する。
従来より、ステアリングに結合した操舵軸と転舵輪を転舵させる転舵機構とが機械的に分離され、転舵機構に設けられた転舵アクチュエータを、ステアリングの操舵操作に基づき電気的に制御する所謂ステア・バイ・ワイヤ方式が提案されている。また、このようなステア・バイ・ワイヤ方式の他、運転者によるステアリングの操作量に対する転舵輪の舵角制御量を可変できるアクティブステアシステムも提案されている。
以上のような、転舵輪の舵角を電気的に制御する操舵装置では、ステアリングの操作量や、車両の状態等に応じて目標転舵角を決定し、該決定された目標転舵角に応じて転舵輪を転舵させている(例えば、特許文献1参照)。ここで、転舵輪の目標転舵角θptを決定する式としては、例えば次式のように、ステアリングの操舵角度θh及び車速Vに基づいて算出される定常レシオ項と、ステアリングの角速度θ’h(=dθh/dt)及び車速Vに基づいて算出される過渡レシオ項との和により決定される式が用いられる。
θpt=n(V)・θh+k(V)・θ’h
ここで、定常レシオ項とは操舵角度θhに比例した項であり、ゲインn(V)を調整することにより、例えば、車速が低速域ではクイックレシオとなり、高速域ではスローレシオとなるように設定できる。また、過渡レシオ項とは角速度θ’hに比例した項であり、ゲインk(V)を調整することにより、車体のヨーレートや横加速度の発生タイミングを、ステアリングの操舵速度に応じて早めたり遅らせたりできる。
特開2001−58577号公報
図9は、上述の従来の決定式に基づいて算出された目標転舵角θptの例を示す図である。図9中の実線は、ステアリングの操作例すなわち操舵角度θhの変化例を示し、破線は、このステアリングの操作に基づく目標転舵角θptの変化を示す。図9に示すように、このステアリングの操作は、中立位置(θh=0)からステアリングを正転させ、所定の角度で切り返し反転させ、次いで、中立位置で停止させる操作となっている。
ここで、図9に示すように、このステアリングの操舵操作に基づいて算出される目標転舵角θptは、操舵角度θhの変化に対して位相が進んだものとなる。この目標転舵角θptと操舵角度θhとの間の位相差は、上述の過渡レシオ項の寄与によるものであり、運転者による操舵操作に対して高レスポンス感を与えていると言える。つまり、このような過渡レシオ項を含めることにより、操舵操作に対する車両挙動の応答性を向上させていると言える。
しかしながら、図9中の領域A及び領域Bに示すように、ステアリングの切り返し時、及び停止時には、運転者によるハンドル操作に対して、目標転舵角が過剰に反応するオーバーシュートが発生する。すなわち、運転者による操舵操作に反して目標転舵角θptが速やかに収束しない現象が発生する。このようなオーバーシュートが発生すると、運転者が期待する車両挙動と実際の車両挙動とが一致せず、運転者に違和感を与えてしまう虞がある。
また、上述の従来の決定式によれば、θh=0となるステアリングの中立位置であっても、過渡レシオ項の存在のため、操舵操作の仕方によっては、前輪のセンター位置と、ステアリングの中立位置とが一致しない場合がある。具体的には、例えば、θhが正から負の方向へ向けて、中立位置を跨いで操作した場合が相当する。このような場合にも、実際の車両挙動は運転者が期待する挙動とは異なるものとなり、運転者に違和感を与えてしまう虞がある。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、操舵操作に対する車両挙動の応答性を向上しつつ、運転者に対し違和感を与えない車両挙動を実現できる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
(1) ステアリング(例えば、後述のステアリング21)と、該ステアリングの操舵角度(例えば、後述の操舵角度θh)を検出する操舵角度検出手段(例えば、後述の操舵角度センサ24)と、前記ステアリングの操舵角速度(例えば、後述の操舵角速度θ’h)を算出する操舵角速度算出手段(例えば、後述の微分器55)と、車速(例えば、後述の車速V)を検出する車速検出手段(例えば、後述の車速センサ61)と、を備え、前記操舵角度、前記操舵角速度、及び前記車速に基づいて目標転舵角(例えば、後述の目標転舵角θpt)を決定し、該決定された目標転舵角に応じて転舵アクチュエータ(例えば、後述の転舵アクチュエータ33)を駆動し転舵輪(例えば、後述の転舵輪31,31)を転舵する車両用操舵装置において、前記車速と前記操舵角度と前記操舵角速度とを含む複数の入力に応じて設定される調整ゲイン(例えば、後述の過渡レシオ調整ゲインk(V,θh, θ’h))を前記操舵角度に比例した項(例えば、後述の定常レシオ項n(V)・θh)に乗じた値に基づいて目標転舵角を決定する制御装置(例えば、後述の制御装置50)を備えることを特徴とする車両用操舵装置(例えば、後述の車両用操舵装置1)。
(1)の発明によれば、目標転舵角は、操舵角度に比例した項に基づいて決定される。これにより、例えば、運転者がステアリングを切り返したり停止させたりした場合であっても、この操舵操作に伴い、目標転舵角は過剰に反応すること無く速やかに収束することとなる。したがって、運転者に違和感を与えるような車両挙動の発生を防止できる。
また、(1)の発明によれば、目標転舵角は、操舵角度に比例した項に、車速、操舵角度、及び操舵角速度を含む複数の入力に応じて設定された調整ゲインを乗算したものに基づいて決定される。ここで特に、調整ゲインを操舵角速度に応じたものとすることにより、運転者によるステアリングの操舵操作に合わせて、車両挙動を過渡的に変化させることができる。したがって、操舵操作に対する車両挙動の応答性を向上させつつ、上述のように運転者に対し違和感を与えない車両挙動を実現できる。
(2) 前記制御装置は、前記車速が中速域(例えば、時速40km〜80km)であり、かつ、ステアリングの回転がその略中立の位置(例えば、後述の中立位置)から開始された場合には、前記操舵角速度が大きくなるに従い前記調整ゲインを大きな値に設定することを特徴とする(1)に記載の車両用操舵装置。
(2)の発明によれば、中速域においてステアリングを切り始めると、この切り始めにおけるステアリングの角速度に応じて調整ゲインがより大きく設定され、これに伴い、目標転舵角はより大きく決定されることとなる。つまり、中速域における車両の挙動を高応答にできる。したがって、例えば交差点での右折時等といった状況にて、中速域において特に望まれる車両挙動を実現できる。
(3) 前記制御装置は、前記ステアリングの中立の位置に対応する操舵角度を0として、前記操舵角度が0から所定の閾値(例えば、後述の閾値θhm)までの間において、前記操舵角度が大きくなるに従い前記調整ゲインを小さな値に設定することを特徴とする(2)に記載の車両用操舵装置。
(3)の発明によれば、上記所定の閾値を、例えば、ステアリングの常用操舵角とすることにより、この常用操舵角の範囲内で、上述のような望ましい車両挙動を実現できる。
(4) 前記制御装置は、前記車速が高速域(例えば、時速100km以上)であり、かつ、ステアリングの回転がその略中立の位置から開始された場合には、前記操舵角速度が大きくなるに従い前記調整ゲインを小さな値に設定することを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の車両用操舵装置。
(4)の発明によれば、高速域においてステアリングを切り始めると、この切始めにおけるステアリングの角速度に応じて調整ゲインがより小さな値に設定され、これに伴い、目標転舵角はより小さな値に決定されることとなる。つまり、高速域における車両挙動の応答性を低くできる。これにより、例えば、高速走行時に運転者がステアリングを急操舵した場合であっても、車両の挙動を安定に保つことができる。
本発明によれば、操舵操作に対する応答性を向上させつつ、運転者に対し違和感を与えない車両挙動を実現できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置1の構成を示す模式図である。
車両用操舵装置1は、運転者による操舵操作が入力される操舵機構20と、この操舵機構20の操舵操作に基づいて一対の転舵輪31,31を転舵させる転舵機構30と、これら操舵機構20及び転舵機構30を制御する制御装置50と、を含んで構成される。本発明の車両用操舵装置1は、これら操舵機構20と転舵機構30とを機械的に分離した、所謂ステア・バイ・ワイヤ(SBW)方式の車両用操舵装置である。
操舵機構20は、運転者が操舵可能なステアリング21と、このステアリング21を回転可能に支持する略棒状のステアリングシャフト22と、このステアリングシャフト22にトルクを付与する反力モータ23と、を含んで構成される。
反力モータ23は、その出力軸がステアリングシャフト22と連結されており、これにより、ステアリング21を中立位置に復帰させる方向に作用する反力と、この中立位置に復帰させる方向とは反対の方向に作用させる復帰抵抗力と、を発生させることが可能となっている。ここで、反力モータ23とステアリングシャフト22とは、図示しないウォームギヤ機構により連結されている。
ステアリングシャフト22には、このステアリングシャフト22に連結されたステアリング21の中立位置からの操舵角度θh(回転角度)を検出する操舵角度検出手段としての操舵角度センサ24が設けられている。ここで、ステアリング21の中立位置とは、転舵輪31,31が直進状態になるように制御装置50によって制御されるステアリング21の位置に対応する。
転舵機構30は、略棒状のラック軸32と、このラック軸32に転舵動力を付与する転舵アクチュエータ33と、ラック軸32の両端側に連結された転舵輪31,31と、を含んで構成される。転舵アクチュエータ33は、ステアリング21の回転に応じて駆動される。また、この転舵アクチュエータ33の出力軸は、ラック軸32とラックアンドピニオン機構、あるいはボールアンドスクリュー機構等で連結されており、これにより、ラック軸32を軸方向に駆動することが可能となっている。
ラック軸32の両端部には、それぞれ、ステアリングロッド35,35、タイロッド36,36、及びナックルアーム37を介して、転舵輪31,31が連結されている。これにより、転舵アクチュエータ33により付与された転舵動力は、ラック軸32及びステアリングロッド35,35の直線運動に変換され、タイロッド36,36及びナックルアーム37,37を介して、転舵輪31,31に伝達し、これら転舵輪31,31の舵角を変化させる。また、ラック軸32には、転舵輪31の舵角を検出する舵角センサ38が設けられている。具体的には、この舵角センサ38は、ステアリングロッド35の作動量を検出するポテンショメータから構成されている。
制御装置50は、上述の操舵角度センサ24及び舵角センサ38の他、車両の車速Vを検出する車速検出手段としての車速センサ61、及び、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ62等からの入力信号に基づいて、操舵機構20及び転舵機構30を制御する。ここで、操舵機構20及び転舵機構30は、それぞれ、反力モータ駆動回路51及び転舵アクチュエータ33を介して、制御装置50に接続されている。
反力モータ駆動回路51は、制御装置50からの出力に基づいて反力モータ23を駆動し、車両の走行状態及び運転者による操作状態に応じて、ステアリング21に対して反力、又は、復帰抵抗力を付与する。
転舵アクチュエータ駆動回路52は、制御装置50からの出力に基づいて転舵アクチュエータ33を駆動し、転舵輪31,31を転舵させる。ここで、転舵アクチュエータ駆動回路52には、制御装置50において車両の走行状態及びステアリング21の操作状態に応じて決定された目標転舵角θptが入力される。転舵アクチュエータ駆動回路52は、転舵輪31,31の舵角が目標転舵角θptと一致するように、転舵アクチュエータ33を駆動する。
図2は、制御装置50の構成の一部を示すブロック図であり、制御装置50のうち、転舵機構30の制御に関する制御ブロックのみを示している。より具体的には、図2は、制御装置50のうち、転舵アクチュエータ駆動回路52に出力する目標転舵角θptの決定に関わるブロックのみを示している。
図2に示すように、制御装置50は、定常レシオ項n(V)・θhを設定する定常レシオ項設定部53と、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh, θ’h)を設定する過渡レシオ調整ゲイン設定部54と、を備える。また、制御装置50には、これらの他、ステアリング21の操舵角速度θ’hを算出する操舵角速度算出手段としての微分器55と、乗算器56とを備える。
定常レシオ項設定部53は、車速Vに応じた定常レシオ項用のゲインn(V)を規定する制御マップを備えており、これにより、車速センサ61から入力された車速Vに対応するゲインn(V)を設定する。さらにこの定常レシオ項設定部53は、設定されたゲインn(V)を操舵角度センサ24から入力された操舵角度θhに乗算し、定常レシオ項n(V)・θhを設定する。微分器55は、操舵角度センサ24から入力される操舵角度θhの時間微分を演算することにより、操舵角速度θ’hを算出する。
過渡レシオ調整ゲイン設定部54は、車速V、操舵角度θh、及び、操舵角速度θ’hを含む複数の入力に応じて異なる過渡レシオ調整ゲインk(V,θh, θ’h)を規定する制御マップを備えており、この制御マップに基づいて、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh, θ’h)を設定する。なお、この過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)を設定するための制御マップの具体的な例は、後に第1、第2実施例において説明する。
また、ここで、過渡レシオ調整ゲイン設定部54は、操舵角度θh及び操舵角速度θ’hの入力に基づき、ステアリング21の操舵操作が中立位置からの切り込み操作であるか否かを判別し、切り込み操作である場合にのみ、上述のような過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)の設定を行うものとする。また、ステアリング21の操舵操作が切り込み操作ではない場合には、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)の値として1を設定するものとする。
乗算器56は、過渡レシオ調整ゲイン設定部54により設定された過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)を、定常レシオ項設定部53により設定された定常レシオ項n(V)・θhに乗算することにより目標転舵角θptを算出し、これを転舵アクチュエータ駆動回路52に出力する。以上のようにして、目標転舵角θptは、操舵角度θh、操舵角速度θ’h、及び、車速Vに基づいて、制御装置50により決定される。
次に、図3のフローチャートを参照して、制御装置50の過渡レシオ調整ゲイン設定部54において、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)を設定する手順について説明する。
先ず、ステップS1において、過渡レシオ調整ゲイン設定部54は、ステアリング21の操作状態を判定するために、車速V、操舵角度θh、及び操舵角速度θ’hの入力値を取得し、ステップS2に移る。ステップS2では、取得した車速V、操舵角度θh、及び操舵角速度θ’hの値に基づき、ステアリング21が直進状態からの切り込み操舵であるか否かを判別する。この判別がYESのときはステップS3に移り、NOのときはステップS5に移る。
ステップS3では、車速V、操舵角度θh、及び操舵角速度θ’hの入力値を取得し、ステップS4に移る。ステップS4では、制御マップ(例えば、後述の図4,6,7参照)に基づいて、取得した車速V、操舵角度θh、及び操舵角速度θ’hの入力値に対応する過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)を設定する。ステップS5では、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)の値を1に設定する。
<第1実施例>
次に、上記実施形態の車両用操舵装置1に係る第1実施例について図4及び図5を参照して説明する。
図4は、操舵角度θhと過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)との関係を規定する制御マップの例を示す図であり、特に車速Vが中速域における制御マップの例を示す図である。ここで、中速域とは、一例として、車速Vが時速40kmから80kmの範囲内であるものとする。
図4において実線で示す2つの線は、それぞれ、一定の車速Vの下で、異なる操舵角速度θ’hに対応する制御マップを示す。過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)は、操舵角度θhが0から閾値θhmの間において、操舵角度θhが大きくなるに従い小さくなり、次第に1に近づくように設定される。また、閾値θhmより大きな操舵角度θhにおいては、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)の値は1に設定される。
また、矢印71に示すように、操舵角速度θ’hが大きくなるに従い、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)は、操舵角度θhが0からθhmの範囲内において、より大きな値に設定される。
本実施例では、図4に示すような制御マップは異なる車速毎に規定されている。具体的には、矢印72に示すように、車速Vが大きくなるに従い、閾値θhmが0に近づくように規定されている。これは、車速Vが大きくなるに従い、ステアリング21の常用操舵角度範囲が小さくなることに合わせたものである。
図5は、本実施例の車両用操舵装置における操舵角度θhと目標転舵角θptとの関係を示す図である。具体的には、実線81は、ステアリング21の操作例、すなわち、操舵角度θhの変化例を示し、破線82は、この操舵操作例に応じて決定された目標転舵角θptを示す図である。
図5に示すように、ステアリング21の中立位置から切り込み操舵の開始初期において、目標転舵角θptは、操舵角度θhに対して矢印73が示す方向へ位相が進む。また、ステアリング21の切り返し時及び停止時には、目標転舵角θptに、図9の従来例に示すようなオーバーシュートは発生せずに、ステアリング21の操作に応じて速やかに収束する。したがって、運転者に違和感を与えるような車両挙動の発生を防止しつつ、操舵操作に対する応答性を向上できる。
<第2実施例>
次に、上記実施形態の車両用操舵装置1に係る第2実施例について図6から図8を参照して説明する。
図6は、操舵角度θhと過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)との関係を規定する制御マップの例を示す図であり、特に車速Vが中速域における制御マップの例を示す図である。
図6において実線で示す2つの線は、それぞれ、一定の車速Vの下で、異なる操舵角速度θ’hに対応する制御マップを示す。図6に示すように、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)は、操舵角度θhの値によらず略一定である。また、矢印74に示すように、操舵角速度θ’hが大きくなるに従い、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)は、より大きな値に設定される。
また、本実施例では、図6に示すような制御マップは異なる車速毎に規定されている。具体的には、車速Vが大きくなるに従い、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)の操舵角速度θ’hに対する変化率が小さくなるように規定されている。
図7は、操舵角度θhと過渡レシオ調整ゲインk(V,θh, θ’h)との関係を規定する制御マップの例を示す図であり、特に車速Vが高速域における制御マップの例を示す図である。ここで、高速域とは、一例として、車速Vが時速100km以上であるものとする。
図7において実線で示す2つの線は、それぞれ、一定の車速Vの下で、異なる操舵角速度θ’hに対応する制御マップを示す。図7に示すように、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)は、操舵角度θhの値によらず略一定である。また、矢印75に示すように、操舵角速度θ’hが大きくなるに従い、過渡レシオ調整ゲインk(V,θh,θ’h)は、より小さな値に設定される。
図8は、本実施例の車両用操舵装置における操舵角度θhと目標転舵角θptとの関係を示す図である。具体的には、実線83は、ステアリング21の操舵操作例、すなわち、操舵角度θhの変化例を示し、破線84及び一点破線85は、それぞれ、中速域及び高速域において操舵操作例に応じて決定された目標転舵角θptを示す図である。
図8に示すように、中速域では、ステアリング21の操作に対して、目標転舵角θptは、操舵角速度θ’hに応じて大きな値に設定されることとなる。また、ステアリング21の中立位置から切り込み操舵の開始の初期において、目標転舵角θptは、第1実施例と同様に、操舵角度θhに対して位相が進む。また、ステアリング21の切り返し時及び停止時においても、第1実施例と同様に目標転舵角θptにオーバーシュートが発生せず、ステアリング21の操作に応じて速やかに収束する。これにより、第1実施例と同様に、運転者に違和感を与えるような車両挙動の発生を防止しつつ、操舵操作に対する応答性を向上できる。
一方、高速域では、目標転舵角θptは、ステアリング21の操作に対して操舵角速度θ’hに応じて小さな値に設定されることとなる。これにより、例えば、運転者が高速走行時にステアリング21を急操舵した場合であっても、車両挙動の過剰な応答を抑制し、車両挙動を安定に保つことができる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではない。本発明は、例えばアクティブステアシステム等にも適用可能であり、また本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の構成を示す構模式図である。 前記実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 前記実施形態に係る制御装置のフローチャートである。 本発明の第1実施例に係る車両用操舵装置の制御マップの例を示す図である。 前記実施例に係る車両用操舵装置における、操舵角度及び目標転舵角と時間との関係を示す図である。 本発明の第2実施例に係る車両用操舵装置の制御マップの例を示す図である。 前記実施例に係る車両用操舵装置の制御マップの例を示す図である。 前記実施例に係る車両用操舵装置における、操舵角度及び目標転舵角と時間との関係を示す図である。 従来の決定式に基づいて算出された目標転舵角θptの例を示す図である。
符号の説明
1…車両用操舵装置(車両用操舵装置)、20…操舵機構、…21ステアリング(ステアリング)、24…操舵角度センサ(操舵角度検出手段)、30…転舵機構、31,31…転舵輪(転舵輪)、61…車速センサ(車速検出手段)、50…制御装置(制御装置)、53…定常レシオ項設定部、54…過渡レシオ調整ゲイン設定部、55…微分器(操舵角速度算出手段)、56…乗算器、V…車速、θh…操舵角度、θ’h…操舵角速度、θpt…目標転舵角、n(V)・θh…定常レシオ項、k(V,θh,θ’h)…過渡レシオ調整ゲイン、θhm…閾値

Claims (4)

  1. ステアリングと、該ステアリングの操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、前記ステアリングの操舵角速度を算出する操舵角速度算出手段と、車速を検出する車速検出手段と、を備え、
    前記操舵角度、前記操舵角速度、及び前記車速に基づいて目標転舵角を決定し、該決定された目標転舵角に応じて転舵アクチュエータを駆動し転舵輪を転舵する車両用操舵装置において、
    前記車速と前記操舵角度と前記操舵角速度とを含む複数の入力に応じて設定される調整ゲインを前記操舵角度に比例した項に乗じた値に基づいて目標転舵角を決定する制御装置を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記制御装置は、前記車速が中速域であり、かつ、ステアリングの回転がその略中立の位置から開始された場合には、前記操舵角速度が大きくなるに従い前記調整ゲインを大きな値に設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記制御装置は、前記ステアリングの中立の位置に対応する操舵角度を0として、前記操舵角度が0から所定の閾値までの間において、前記操舵角度が大きくなるに従い前記調整ゲインを小さな値に設定することを特徴とする請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記制御装置は、前記車速が高速域であり、かつ、ステアリングの回転がその略中立の位置から開始された場合には、前記操舵角速度が大きくなるに従い前記調整ゲインを小さな値に設定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の車両用操舵装置。
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