JP2007099060A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 全車速域で良好な旋回応答性を確保し、さらに、運転者の知覚特性に合わせて車両を旋回できる車両の操舵装置を提供すること。
【解決手段】 電子制御ユニット35は、ステップS12にて、極めて旋回応答性のよい車両モデルの規範ヨーレートγmを決定する。次に、ステップS13にて、ヨーレートγmで実車両が旋回するためのヨーレート成分項としての転舵角δmを計算する。次に、ステップS14にて、操舵角θの操舵角速度dθ/dtと、操舵ゲインG(V)とを用いて、微分成分項としての転舵角δdを計算する。次に、ステップS15にて、車速Vの増大に伴って一様に増加係数aと車速Vの増大に伴って一様に減少する係数bとを用い、係数aと転舵角δmを乗算した値と係数bと転舵角δdを乗算した値とを加算して目標転舵角δfを計算する。そして、目標転舵角δfとなるように、左右前輪FW1,FW2を転舵する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置に関する。
近年、この種のステアリングバイワイヤ方式を採用した操舵装置の開発は、盛んに行われている。そして、例えば、下記特許文献1には、低速域から中、高速域にわたり車両挙動を不安定にすることなく、車両の舵角を操作部材の操作量に応じて変化させて車両挙動の最適化を図ることができる車両用操舵装置が示されている。この従来の車両用操舵装置においては、舵角変化による車両の挙動変化に対応する挙動指標値を求めるとともに、操作部材の操作量に応じた目標挙動指標値を演算するようになっている。そして、目標挙動指標値と挙動指標値との偏差に対応する舵角修正値と、目標挙動指標値に対応する舵角設定値との和を目標舵角とするようになっている。
ここで、上記従来の車両用操舵装置では、操作部材の操作量として運転者が操作部材に作用させる操作トルクが採用される。そして、ヨーレートや横加速度が大きく車両の挙動指標値が良好に発生する中、高速域では、操作トルクと、検出したヨーレートや横加速度とに基づいて目標舵角が決定される。これにより、中、高速域における車両挙動を安定化させることができる。また、ヨーレートや横加速度が小さく車両の挙動指標値がほとんど発生しない低速域では、目標舵角は操作トルクに応じて決定される。これにより、運転者による操作部材の操作に対する転舵応答性を良好に確保することができる。
特開2001−191937号公報
ところで、上記従来の車両用操舵装置においては、検出した実ヨーレートや実横加速度に基づいて目標舵角が決定されることから、特に、中、高速域にて、操作部材の操作に対する舵角変化の応答性が低下する場合がある。すなわち、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置においては、操作部材と転舵輪との機械的な連結が外されているため、操作部材の操作から転舵輪を転舵するアクチュエータが作動を開始するまでに時間差が生じる。このため、ヨーレートや横加速度が時々刻々と変化する状況において、検出した実ヨーレートや実横加速度に基づく目標舵角に転舵輪を転舵した場合には、運転者が舵角変化の応答遅れを知覚し、車両の旋回挙動に違和感を覚える場合がある。
また、上記従来の車両用操舵装置においては、低速域にて、運転者が入力した操作トルクに応じて決定される目標舵角で車両を旋回させる。このように、低速域にてヨーレートや横加速度を知覚することなく操作トルクによって車両を操舵することは、ステアリングバイワイヤ方式以外の操舵装置の操作経験が長い運転者にとって、車両の運転が難しくなる場合がある。
すなわち、ステアリングバイワイヤ方式以外の操舵装置、言い換えれば、操作部材と転舵輪とが機械的に連結された操舵装置においては、運転者は、低速域にて操作部材の操作量に応じて転舵角を決定して車両を旋回させる。したがって、このような運転者は、操作トルクによって車両を操舵することに不慣れであり、車両を旋回させるための操舵特性に違和感を覚える場合がある。そして、この場合において、特に、操舵ゲインを大きく設定したときには、操作部材を中立位置方向に戻す操作に対し、転舵輪に戻し遅れ現象が発生する可能性があり、その結果、車両の旋回挙動が安定しない場合もある。
これらの問題に対して、例えば、低速域では、操舵ハンドルの操作量(例えば、操舵角)に応じて転舵輪の転舵角を決定し、中、高速域では、ヨーレートなどに応じて転舵輪の転舵角を決定できるステアリングバイワイヤ方式の操舵装置が考えられる。しかし、このような操舵装置では、低速域における操舵特性と、中、高速域における操舵特性とが不連続に変化する場合がある。したがって、この操舵特性の不連続な変化を改善する必要がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、全車速域で良好な旋回応答性を確保するとともに、運転者の知覚特性に合わせて車両を旋回させることができる車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記転舵制御装置を、前記操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値を検出する操作入力値検出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段と、水平面内を旋回する車両の旋回状態をモデル化した車両モデルで発生する規範ヨーレートを、同車両モデルの旋回応答性を向上させるパラメータ値と、前記検出した操作入力値と、前記検出した車速とを用いて計算する規範ヨーレート計算手段と、実際の車両で前記規範ヨーレートを発生させるためのヨーレート成分項としての転舵角を、前記計算した規範ヨーレートを用いて計算するヨーレート成分項計算手段と、前記検出した操作入力値の時間微分値と予め定めた関係にある微分成分項としての転舵角を、前記検出した操作入力値の時間微分値を用いて計算する微分成分項計算手段と、前記検出した車速の増大に伴って一様に増大するとともに同車速の減少に伴って一様に減少する第1の係数と、前記検出した車速の増大に伴って一様に減少するとともに同車速の減少に伴って一様に増大する第2の係数とを用いて、前記ヨーレート成分項計算手段により計算した転舵角と前記第1の係数とを乗算した値と、前記微分成分項計算手段により計算した転舵角と前記第2の係数とを乗算した値と、を加算して目標転舵角を計算する目標転舵角計算手段と、前記計算した目標転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算した目標転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成したことにある。この場合、前記操作入力値検出手段を、例えば、前記操舵ハンドルの変位量を検出する変位量センサで構成するとよい。また、前記操舵ハンドルの操作に対して反力を付与する反力装置を設けるとよい。
そして、前記車両モデルの旋回応答性を向上させるパラメータ値は、例えば、前記車両モデルにおける前後輪のコーナリングパワーを表すパラメータ値と、前記車両モデルにおけるヨーイング慣性モーメントを表すパラメータ値であって、前記規範ヨーレート計算手段は、前記コーナリングパワーを表すパラメータ値を大きく設定するとともに、前記ヨーイング慣性モーメントを表すパラメータ値を小さく設定して、前記規範ヨーレートを計算するとよい。また、前記第1の係数と前記第2の係数との和が、例えば、「1」であるとよい。
これらによれば、規範ヨーレート計算手段は、理想的に旋回可能な車両モデルにおける規範ヨーレートを計算することができる。このとき、規範ヨーレート計算手段は、車両モデルの旋回応答性に関連するパラメータ、すなわち、コーナリングパワーとヨーイング慣性モーメントを、旋回応答性が向上するように変更して、規範ヨーレートを計算することができる。このため、極めて旋回応答性のよい車両モデルにおける規範ヨーレートを計算することができる。そして、ヨーレート成分項計算手段は、この規範ヨーレートで実際の車両が旋回するためのヨーレート成分項としての転舵角を計算することができる。これにより、特に、中、高速域での転舵輪の転舵応答性を大幅に改善することができる。したがって、運転者が知覚する中、高速域での車両の旋回挙動に対する違和感を抑制することができる。
また、微分成分項計算手段は、操作入力値の時間微分値に基づいて、微分成分項としての転舵角を計算することができる。これにより、特に、低速域での転舵輪の転舵応答性を良好に確保するとともに、運転者の知覚特性に合わせて車両を旋回させることができる。
また、車両の車速に応じて、第1の係数と第2の係数とをそれぞれ一様に変化させることによって、ヨーレート成分項としての転舵角と微分成分項としての転舵角の比率を連続的に変更することができる。これにより、車速が低速域から中、高速域へ変化する場合であっても、操舵特性を連続的に変更することができ、運転者は、極めて良好な操舵フィーリングを得ることができる。そして、第1の係数と第2の係数との和を「1」とすることにより、車両の操舵特性として、例えば、オーバーステア特性を抑制することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記転舵制御装置は、さらに、前記操作入力値検出手段により検出した操作入力値に基づいて操舵ハンドルの操作状態を判定する判定手段を備えており、前記目標転舵角計算手段は、前記判定手段が前記操舵ハンドルの操作状態を中立位置方向への操作であると判定すると、前記検出した操作入力値の時間微分値の増大に伴って一様に減少するとともに同時間微分値の減少に伴って一様に増大する第3の係数を前記微分成分項計算手段により計算した転舵角と前記第2の係数とを乗算した値に乗算し、前記ヨーレート成分項計算手段により計算した転舵角と前記第1の係数と前記第3の係数を乗算した値とを乗算した値とを加算して目標転舵角を計算することにもある。
この場合、前記第3の係数は、さらに、車速検出手段により検出した車速の増大に伴って一様に減少するとともに前記検出した車速の減少に伴って一様に増大するものであるとよい。
これらによれば、操舵ハンドルの操作状態が中立位置方向への操作(すなわち、切戻し操作)である場合には、第3の係数が計算され、この第3の係数を微分成分項としての転舵角と第2の係数とを乗算した値に乗算して、目標転舵角を計算することができる。これにより、例えば、中、低速域における操舵ハンドルの切戻し操作に対する転舵輪の転舵応答性を大幅に改善することができる。
すなわち、微分成分項としての転舵角は、操作入力値の時間微分値に応じて、言い換えれば、運転者による操舵ハンドルの操作入力値に基づいて決定される転舵角である。このため、切戻し操作において、微分成分項としての転舵角の比率を大きくして目標転舵角を計算することによって、操舵ハンドルの操作に対して応答性よく(素早く)転舵輪を転舵させることができる。したがって、切戻し操作がなされた場合において、転舵輪に発生する戻し遅れ現象に伴う転舵応答性の低下を大幅に改善することができ、車両の挙動安定性を良好に確保することができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2(以下の説明においては、単に前輪ともいう)を転舵するために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、操舵入力軸12の上端に固定されており、操舵入力軸12の下端は電動モータおよび減速機構からなる反力アクチュエータ13に接続されている。反力アクチュエータ13は、運転者の操舵ハンドル11の回動操作に対して反力を付与する。
また、この操舵装置は、電動モータおよび減速機構からなる転舵アクチュエータ21を備えている。この転舵アクチュエータ21による転舵力は、転舵出力軸22、ピニオンギア23およびラックバー24を介して左右前輪FW1,FW2に伝達される。この構成により、転舵アクチュエータ21からの回転力は転舵出力軸22を介してピニオンギア23に伝達され、ピニオンギア23の回転によりラックバー24が軸線方向に変位して、このラックバー24の軸線方向の変位により、左右前輪FW1,FW2は左右に転舵される。
次に、これらの反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御する電気制御装置について説明する。電気制御装置は、操舵角センサ31、転舵角センサ32、車速センサ33および横加速度センサ34を備えている。
操舵角センサ31は、操舵入力軸12に組み付けられて、操舵入力軸12すなわち操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出して操舵角θとして出力する。転舵角センサ32は、転舵出力軸22に組み付けられて、転舵出力軸22の中立位置からの回転角を検出して実転舵角δ(左右前輪FW1,FW2の転舵角に対応)として出力する。なお、操舵角θおよび実転舵角δは、中立位置を「0」とし、左方向の回転角を正の値で表すとともに、右方向の回転角を負の値でそれぞれ表す。車速センサ33は、車速Vを検出して出力する。横加速度センサ34は、車両の実横加速度Gを検出して出力する。なお、実横加速度Gも、左方向の加速度を正の値で表し、右方向の加速度を負の値で表す。
これらのセンサ31〜34は、電子制御ユニット35に接続されている。電子制御ユニット35は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、後述する目標転舵角計算プログラムを含む各種プログラムの実行により反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動をそれぞれ制御する。電子制御ユニット35の出力側には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21を駆動制御するための駆動回路36,37がそれぞれ接続されている。駆動回路36,37内には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21内の電動モータに流れる駆動電流を検出するための電流検出器36a,37aが設けられている。電流検出器36a,37aによって検出された駆動電流は、両電動モータの駆動を制御するために、電子制御ユニット35にフィードバックされている。
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について詳細に説明する。運転者によって図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、電子制御ユニット35(より詳しくは、CPU)は、図2に示す目標転舵角計算プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。
すなわち、電子制御ユニット35は、目標転舵角計算プログラムの実行をステップS10にて開始し、ステップS11にて、操舵角センサ31、車速センサ33および横加速度センサ34によって検出された各検出値、すなわち、操舵角θ、車速Vおよび横加速度Gを入力する。そして、電子制御ユニット35は、各検出値を入力すると、ステップS12に進む。
ここで、電子制御ユニット35は、操舵角センサ31から操舵角θを入力すると、この操舵角θに応じた反力トルクを操舵ハンドル11に入力する。具体的に説明すると、電子制御ユニット35は、検出操舵角θと予め定めた所定の関係(例えば、比例関係など)にある反力トルクを発生されるべく、駆動回路36を制御する。すなわち、電子制御ユニット35は、駆動回路36の電流検出器36aから反力アクチュエータ13内の電動モータに流れる駆動電流を入力する。そして、電子制御ユニット35は、操舵ハンドル11(より詳しくは、操舵入力軸12)に付与する反力トルクに対応した駆動電流が適切に流れるように駆動回路36をフィードバック制御する。これにより、操舵ハンドル11に対して反力トルクが付与されて、運転者は、適切な反力を知覚しながら操舵ハンドル11を回動操作する。
ステップS12においては、電子制御ユニット35は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両を応答よく旋回させるための目標ヨーレート(以下、このヨーレートを規範ヨーレートγmという)を計算する。以下、この規範ヨーレートγmの計算について詳細に説明する。
今、水平面内を旋回している車両をモデル化して考える。旋回状態にある車両は、車両の重心点を通る鉛直軸線回りにヨーイング運動している。このヨーイング運動は、前後各輪のコーナリングフォースをYf1,Yf2,Yr1,Yr2とし、重心点におけるヨーレートをγとすると、例えば、下記式1で示すことができる。
I・(dγ/dt)=Lf・(Yf1+Yf2)−Lr・(Yr1+Yr2) …式1
ただし、前記式1中のIは、車両のヨーイング慣性モーメントを表す。また、前記式1中のLf,Lrは、車両の重心点と前後車軸間の距離を表す定数であり、車両のホイールベースをLとすると、L=Lf+Lrの関係を満たす。さらに、前記式1中のdγ/dtはヨー角加速度を表す。
ここで、以下の説明を簡単にするために、前後輪の左右のタイヤ自体の特性に差のない車両モデル(以下、この車両モデルを2輪モデルという)を考える。この2輪モデルにおいては、左右のタイヤに作用するコーナリングフォースに差がないため、前後輪のコーナリングフォースをYf,Yrとすれば、下記式2,3が成立する。
2・Yf=Yf1+Yf2 …式2
2・Yr=Yr1+Yr2 …式3
したがって、前記式2,3を用いることにより、前記式1は下記式4のように変形することができる。
I・(dγ/dt)=2・Lf・Yf−2・Lr・Yr …式4
ところで、2輪モデルにおいては、前後輪とも左右の車両の旋回時に必然的に発生するタイヤの横滑り角が前後輪とも左右のタイヤで等しいと考えることができる。これにより、前後輪の横滑り角をそれぞれβf,βrとすると、横滑り角βf,βrは、幾何学的に求めることができて、車体の横滑り角βを用いた下記式5,6で示すことができる。
βf=β+Lf・γ/V−δ …式5
βr=β−Lr・γ/V …式6
ただし、前記式5中のδは、旋回状態時における転舵輪の転舵角である。また、前記式5,6中のVは、旋回状態時における車速である。
なお、前記式5,6中における車体の横滑り角βは、転舵輪の転舵角δが正すなわち車両が左方向に旋回するときに車両の前後方向に対して右方向に生じ、転舵角δが負すなわち車両が右方向に旋回するときに車両の前後方向に対して左方向に生じる。このため、前記式5,6中においては、車体の横滑り角βを、右方向に生じる場合を正の値で表し、左方向に生じる場合を負の値で表す。
そして、前記式2,3で示されるコーナリングフォースYf,Yrは、車体の単位横滑り角βあたりのコーナリングフォースで表されるコーナリングパワーKf,Krと、前記式5,6により表される前後輪のタイヤの横滑り角βf,βrとを用いて、下記式7,8に従って計算することができる。
Yf=−Kf・βf=−Kf・(β+Lf・γ/V−δ) …式7
Yr=−Kr・βr=−Kr・(β−Lr・γ/V) …式8
これにより、前記式7,8を用いて、前記式4を変形すれば、ヨーレートγのヨー角加速度dγ/dtは下記式9に従って計算することができる。
dγ/dt=(−2・(Kf・Lf−Kr・Lr)・β−2/V・(Kf・Lf2+Kr・Lr2)・γ+2・Kf・Lf・δ)/I …式9
したがって、前記式9を積分することによって、2輪モデルにおけるヨーレートγを計算することができる。
このように、水平面内を理想的に旋回可能な車両モデル、より詳しくは、2輪モデルにおけるヨーレートγの計算に基づいて、電子制御ユニット35は、規範ヨーレートγmを計算する。具体的に説明すると、まず、前記式9中における転舵輪の転舵角δは、車速Vの関数として表すことができる操舵ゲインG(V)と操舵ハンドルの操舵角θとを用いて、下記式10のように表すことができる。なお、車速Vは車速センサ33により検出された車速に対応し、操舵角θは操舵角センサ31により検出された操舵角に対応する。
δ=G(V)・θ …式10
これにより、前記式9は、前記式10を用いて、下記式11に示すように変形できる。
dγ/dt=(−2・(Kf・Lf−Kr・Lr)・β−2/V・(Kf・Lf2+Kr・Lr2)・γ+2・Kf・Lf・G(V)・θ)/I …式11
次に、電子制御ユニット35は、前記式11中の各パラメータのうちで車両モデルの旋回応答性に関連するパラメータ、具体的には、前後輪のコーナリングパワーKf,Krとヨーイング慣性モーメントIを旋回応答性が極めて良好となるように変更する。そして、電子制御ユニット35は、変更したパラメータKfm,KrmおよびImを用いた下記式12に従って、規範ヨーレートγmの規範ヨー角加速度dγm/dtを計算し、この規範ヨー角加速度dγm/dtを積分して規範ヨーレートγmを計算する。
dγm/dt=(−2・(Kfm・Lf−Krm・Lr)・β−2/V・(Kfm・Lf2+Krm・Lr2)・γm(n-1)+2・Kfm・Lf・G(V)・θ)/Im …式12
ここで、前記式12中のKfm,Krmは、極めて旋回応答性のよい車両モデル(2輪モデル)における前後輪のコーナリングパワーを表すものであり、実際の車両(以下、単に実車両という)において実験的に決定される前後輪のコーナリングパワーKfj,Krjに対して、例えば、略2倍程度の値に設定される。また、前記式12中のImは、極めて旋回応答性のよい車両モデル(2輪モデル)におけるヨーイング慣性モーメントを表すものであり、実車両において実験的に決定されるヨーイング慣性モーメントIjに対して、例えば、半分程度の値に設定される。さらに、前記式12の右辺におけるヨーレートγm(n-1)は、前回の目標転舵角計算プログラムの実行時に計算された規範ヨーレートγmを表す。
そして、前記式12に従って計算された規範ヨー角加速度dγm/dtを積分して規範ヨーレートγmを計算することによって、極めて旋回応答性のよい車両モデルが旋回するときのヨーレートを計算することができる。そして、電子制御ユニット35は、規範ヨーレートγmを計算すると、ステップS13に進む。
ステップS13においては、電子制御ユニット35は、前記ステップS12にて計算した規範ヨーレートγmで実車両が旋回するためのヨーレート成分項としての転舵角δmを計算する。以下、この転舵角δmの計算について説明する。
今、上述した規範ヨーレートγmの計算と同様に、水平面内を旋回している車両をモデル化して考える。この車両モデルにおいて、転舵輪の転舵角をδ、車体の横滑り角をβおよび旋回により発生したヨーレートをγとし、旋回中心方向に発生する横加速度すなわち求心加速度をαとすれば、この車両モデルの旋回時における運動方程式は、例えば、下記式13で表すことができる。
M・α=2・Kf・δ+2・(Kf+Kr)・β+(2・(−Kf・lf+Kr・lr)/V)・γ …式13
ただし、前記式13中のMは、車両の質量を表す。また、前記式13中のLf,Lrは、前記式1と同様に、車両の重心点と前後車軸間の距離を表す定数であり、Kf,Krは、前記式7,8と同様に、車両モデルにおける前後輪のコーナリングパワーを表す。また、車速Vは、車速センサ33により検出された車速に対応するものである。
そして、規範ヨーレートγmで旋回する実車両における左右前輪FW1,FW2の転舵角δmは、車両モデルにおける運動方程式としての前記式13を変形した(すなわち、車両モデルを逆モデル化した)下記式14に従って計算することができる。
δm=(M/2・Kfj)・G−(1+Krj/Kfj)・β+((lf−(Krj/Kfj)・lr)/V)・γm …式14
ただし、前記式14中のGは、横加速度センサ34によって検出された実横加速度Gである。また、Kfj,Krjは、上述したように、実車両における前後輪のコーナリングパワーを表す。さらに、前記式14中のβは、車両に生じた実横滑り角βである。ここで、車体の横滑り角βの検出に関しては、種々の方法が考えられるが、例えば、以下に示すように検出するとよい。すなわち、今、車両の前後方向の車速を車速Vxとし、車両の左右方向の車速を車速Vyとすれば、車体の横滑り角βは、下記式15に従って計算して検出することができる。
β=tan−1(Vy/Vx) …式15
なお、車速Vxおよび車速Vyは、例えば、光または音響を利用した検出器を用いて検出するとよい。
このように計算される転舵角δmは、非常に旋回応答性のよい車両モデルを用いて計算した規範ヨーレートγmで旋回するための転舵角である。言い換えれば、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して、実車両における左右前輪FW1,FW2の転舵応答性を改善する、より具体的には、左右前輪FW1,FW2の転舵動作に関する位相を進めることができる転舵角である。したがって、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して、左右前輪FW1,FW2を転舵角δmに転舵することによって、応答性よく車両を旋回させることができる。
前記ステップS13の計算処理後、ステップS14にて、電子制御ユニット35は、検出操舵角θを時間微分した操舵角速度dθ/dtを計算するとともに、下記式16に従って微分成分項としての転舵角δdを計算する。
δd=G(V)・(dθ/dt) …式16
このように、前記式16に従って計算される転舵角δdは、運転者による操舵ハンドル11の回動操作状態すなわち操舵角速度dθ/dtに応じて計算される転舵角である。言い換えれば、転舵角δdは、運転者が操舵ハンドル11の回動操作量(操舵角θ)に基づいて決定できるため、左右前輪FW1,FW2を転舵角δdに転舵することにより、操舵特性を運転者の知覚特性に合わせることができる。
前記ステップS14の計算処理後、ステップS15において、電子制御ユニット35は、目標転舵角δfを計算する。すなわち、電子制御ユニット35は、前記ステップS13にて計算したヨーレート成分項としての転舵角δmと前記ステップS14にて計算した微分成分項としての転舵角δdとを用いた下記式17に従って、目標転舵角δfを計算する。
δf=a・δm+b・δd …式17
ただし、前記式17中の係数a,bは、図3に示すように、検出車速Vに応じて変化するものである。すなわち、係数aは、低速域にて「0」に設定され、検出車速Vの増大に伴って一様に増加し、高速域にて「1」に設定される係数である。また、係数bは、低速域にて「1」に設定され、検出車速Vの増大に伴って一様に減少し、高速域にて「0」に設定される係数である。ここで、係数a,bに関しては、a+b=1の関係を満たすように変化することが好ましい。これにより、車両の操舵特性として、例えば、オーバーステア特性を抑制することができる。
このように、係数a,bが検出車速Vに応じて変化して目標転舵角δfが計算されることによって、運転者は、全車速域において、操舵特性の変化に対して違和感なく操舵ハンドル11を回動操作することができる。すなわち、低速域においては、係数aが「0」に設定されるとともに係数bが「1」に設定されることにより、目標転舵角δfは転舵角δdとして計算される。これにより、運転者は、従来のステアリングバイワイヤ方式以外の操舵装置と同様に、操舵ハンドル11の回動操作によって入力した操舵角θに応じて決定される転舵角δdで車両を旋回させることができる。したがって、運転者は、操舵ハンドル11の回動操作に対する車両の旋回挙動に違和感を覚えることがない。
一方、高速域においては、係数aが「1」に設定されるとともに係数bが「0」に設定されることにより、目標転舵角δfは転舵角δmとして計算される。これにより、運転者は、操舵ハンドル11の回動操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵応答遅れを知覚しにくくなり、車両の旋回挙動に違和感を覚えることがない。
さらに、中速域においては、係数aが「0」から一様に「1」へ変化するとともに、係数bが「1」から一様に「0」へ変化する。これにより、転舵角δmと転舵角δdの比率を一様に(連続的に)増減させることができるため、検出車速Vに応じて操舵特性を連続的に変更することができる。これにより、運転者は、車速域の変化に起因して生じる操舵特性の変化に対する違和感を覚えにくくなり、良好な操舵特性を知覚しながら車両を旋回させることができる。
前記ステップS15の計算処理後、電子制御ユニット35は、ステップS16およびステップS17を繰り返し実行して、転舵出力軸22(すなわち左右前輪FW1,FW2)が目標転舵角δfとなるまで、オーバーシュートさせることなく転舵アクチュエータ21内の電動モータを駆動制御する。具体的に説明すると、電子制御ユニット35は、ステップS16にて、駆動回路37の電流検出器37aから電動モータに流れる駆動電流を入力し、駆動電流が適切に電動モータに流れるようにフィードバック制御する。これにより、転舵アクチュエータ21は、転舵出力軸22を回転させる。そして、電子制御ユニット35は、ステップS17にて、転舵角センサ32から入力した転舵出力軸22の転舵角δが目標転舵角δfと一致するまで「No」と判定し続け、転舵角δが目標転舵角δfと一致すると、「Yes」と判定してステップS18に進む。
ステップS18においては、電子制御ユニット35は、転舵アクチュエータ21内の電動モータの駆動を停止させ、ステップS19にて、目標転舵角計算プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間が経過すると、ふたたび、目標転舵角計算プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、上述した第1実施形態によれば、理想的に旋回可能な車両モデル(2輪モデル)における規範ヨーレートγmを計算するとともに、実車両がこの規範ヨーレートγmで旋回するための転舵角δmを計算することができる。これにより、特に、中、高速域での左右前輪FW1,FW2の転舵応答性を大幅に改善することができる。したがって、運転者が知覚する中、高速域での車両の旋回挙動に対する違和感を抑制することができる。また、操舵角速度dθ/dtに基づく転舵角δdを計算することができる。これにより、特に、低速域での左右前輪FW1,FW2の転舵応答性を良好に確保するとともに、運転者の知覚特性に合わせて車両を旋回させることができる。
また、検出車速Vに応じて、ヨーレート成分項としての転舵角δmと微分成分項としての転舵角δdの比率を連続的に変更して、目標転舵角δfを計算することができる。これにより、車速Vが低速域から中、高速域へ変化する場合や中、高速域から低速域へ変化する場合であっても、操舵特性を連続的に変更することができ、運転者は、極めて良好な操舵フィーリングを得ることができる。
b.第2実施形態
次に、操舵ハンドル11が運転者によって中立位置方向に回動操作された場合(以下、この回動操作を切戻し操作という)における転舵応答性を改善するための目標転舵角δfを計算する第2実施形態について説明する。この第2実施形態における目標転舵角計算プログラムは、上述した第1実施形態の目標転舵角計算プログラムに対して、操舵ハンドル11の切戻し操作時の制御ステップを追加して実行される。したがって、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、この第2実施形態における目標転舵角計算プログラムは、図4に示すように、ステップS50〜ステップS53が追加されるとともに、上記第1実施形態におけるプログラムのステップS15がステップS54に変更されている。以下、具体的に各ステップを説明する。
ステップS50においては、電子制御ユニット35は、運転者によって操舵ハンドル11が切戻し操作されているか否かを判定する。具体的には、電子制御ユニット35は、前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した操舵角θの絶対値が減少していれば、運転者によって操舵ハンドル11が切戻し操作されていると判定する。したがって、電子制御ユニット35は、操舵角θの絶対値が減少していれば切戻し操作されているため「Yes」と判定して、ステップS51に進む。一方、操舵角θの絶対値が増加していれば、運転者によって操舵ハンドル11が中立位置から離れる方向に回動操作されている、言い換えれば、切込み操作されているため、電子制御ユニット35は「No」と判定する。そして、上記第1実施形態と同様に、ステップS12以降の各処理を実行する。
ステップS51においては、電子制御ユニット35は、切戻し操作されている操舵ハンドル11の操舵角速度dθ/dtを計算し、この計算した値を変数Aに設定する。そして、電子制御ユニット35は、続くステップS52にて、変数Aに対して所定の係数εを乗算した値(以下、この値を戻しゲインという)を「−1」〜「0」でリミッタ処理する。ここで、所定の係数εは、操舵角速度dθ/dtが「0」すなわち運転者によって操舵ハンドル11が保持された状態から切戻し操作への切り替わりを緩やかに移行させるための係数である。このため、係数εの値としては、例えば、0.1程度の値を設定するとよい。このように、戻しゲインをリミッタ処理すると、電子制御ユニット35は、ステップS53に進む。
ステップS53においては、電子制御ユニット35は、前記ステップS52にてリミッタ処理した戻しゲインを用いて、戻し操作時における目標転舵角δfを計算するための係数cを計算する。以下、この係数cの計算を詳細に説明する。
電子制御ユニット35は、係数cを計算するにあたり、図5に示すように、戻しゲインと係数cとの関係を検出車速Vに応じて予め定めた戻しゲインマップを用いる。この戻しゲインマップは、操舵ハンドル11が保持された状態すなわち戻しゲインが「0」においては係数cが「1」に設定されており、操舵ハンドル11の切戻し操作すなわち戻しゲインが「−1」に向けて減少するに伴って係数cが増大するように設定されている。また、戻しゲインマップは、車両の車速域に応じてその変化態様が変更されており、低速域では戻しゲインの変化に対して係数cが大きく変化し、車速域が高速になるに伴って戻しゲインの変化に対して係数cが小さく変化するようになっている。
このため、電子制御ユニット35は、まず、前記ステップS11にて車速センサ33から入力した車速Vに基づいて、戻しゲインマップの変化態様を決定する。そして、電子制御ユニット35は、前記ステップS52にて計算した戻しゲインを用いて、係数cをマップ演算する。このように、係数cをマップ演算すると、電子制御ユニット35は、ステップS54に進む。
ステップS54においては、電子制御ユニット35は、上記第1実施形態のステップS15と同様に目標転舵角δfを演算する。ただし、このステップS54においては、下記式18に従って目標転舵角δfを演算する点で、前記ステップS15と異なる。
δf=a・δm+c・b・δd …式18
すなわち、前記式18においては、目標転舵角δfの微分成分項に係数cが乗算されている。このように、微分成分項に係数cを乗算することにより、中、低速域における操舵ハンドル11の切戻し操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵応答性を大幅に改善することができる。
具体的に説明すると、微分成分項としての転舵角δdは、上述したように、前記式16に従って計算される転舵角であり、操舵角速度dθ/dtに応じて、言い換えれば、運転者による操舵ハンドル11の操舵角θに基づいて決定される転舵角である。このため、切戻し操作において、転舵角δdの比率を大きくして目標転舵角δfを計算することによって、操舵ハンドル11の回動操作に対して応答性よく(素早く)左右前輪FW1,FW2を転舵させることができる。
このように、左右前輪FW1,FW2を応答性よく中立位置方向に転舵させることによって、例えば、操舵ゲインG(V)が大きく設定される低速域において、運転者により操舵ハンドル11が切込み操作から切戻し操作に移行された場合であっても、左右前輪FW1,FW2に発生する戻し遅れ現象に伴う転舵応答性の低下を大幅に改善することができる。したがって、特に、切込み操作から切戻し操作への移行時における車両の挙動安定性を良好に確保することができる。
なお、前記ステップS50の「No」判定に基づいて、電子制御ユニット35が前記ステップS54にて目標転舵角δfを計算する場合には、係数cは「1」として計算される。したがって、この場合には、上述した第1実施形態と全く同様に、目標転舵角δfが計算される。
本発明の実施にあたっては、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
例えば、上記各実施形態においては、車両を操舵するために回動操作される操舵ハンドル11を用いるようにした。しかし、これに代えて、例えば、直線的に変位するジョイスティックタイプの操舵ハンドルを用いてもよいし、その他、運転者によって操作されるとともに車両に対する操舵を指示できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
また、上記各実施形態においては、転舵アクチュエータ21を用いて転舵出力軸22を回転させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにした。しかし、これに代えて、転舵アクチュエータ21を用いてラックバー24をリニアに変位させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにしてもよい。
本発明の各実施形態に係る操舵制御装置を適用した車両の操舵装置の概略図である。 本発明の第1実施形態に係り、図1の電子制御ユニットによって実行される目標転舵角計算プログラムを示すフローチャートである。 係数a,bと車速との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係り、図1の電子制御ユニットによって実行される目標転舵角計算プログラムを示すフローチャートである。 戻しゲインと係数cとの関係を示すグラフである。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…反力アクチュエータ、21…転舵アクチュエータ、22…転舵出力軸、31…操舵角センサ、32…転舵角センサ、33…車速センサ、34…横加速度センサ、35…電子制御ユニット

Claims (7)

  1. 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する転舵制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記転舵制御装置を、
    前記操舵ハンドルに対する運転者の操作入力値を検出する操作入力値検出手段と、
    車両の車速を検出する車速検出手段と、
    水平面内を旋回する車両の旋回状態をモデル化した車両モデルで発生する規範ヨーレートを、同車両モデルの旋回応答性を向上させるパラメータ値と、前記検出した操作入力値と、前記検出した車速とを用いて計算する規範ヨーレート計算手段と、
    実際の車両で前記規範ヨーレートを発生させるためのヨーレート成分項としての転舵角を、前記計算した規範ヨーレートを用いて計算するヨーレート成分項計算手段と、
    前記検出した操作入力値の時間微分値と予め定めた関係にある微分成分項としての転舵角を、前記検出した操作入力値の時間微分値を用いて計算する微分成分項計算手段と、
    前記検出した車速の増大に伴って一様に増大するとともに同車速の減少に伴って一様に減少する第1の係数と、前記検出した車速の増大に伴って一様に減少するとともに同車速の減少に伴って一様に増大する第2の係数とを用いて、前記ヨーレート成分項計算手段により計算した転舵角と前記第1の係数とを乗算した値と、前記微分成分項計算手段により計算した転舵角と前記第2の係数とを乗算した値と、を加算して目標転舵角を計算する目標転舵角計算手段と、
    前記計算した目標転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算した目標転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  2. 請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記車両モデルの旋回応答性を向上させるパラメータ値は、
    前記車両モデルにおける前後輪のコーナリングパワーを表すパラメータ値と、前記車両モデルにおけるヨーイング慣性モーメントを表すパラメータ値であって、
    前記規範ヨーレート計算手段は、前記コーナリングパワーを表すパラメータ値を大きく設定するとともに、前記ヨーイング慣性モーメントを表すパラメータ値を小さく設定して、前記規範ヨーレートを計算することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  3. 前記第1の係数と前記第2の係数との和が「1」である請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  4. 請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記転舵制御装置は、さらに、
    前記操作入力値検出手段により検出した操作入力値に基づいて操舵ハンドルの操作状態を判定する判定手段を備えており、
    前記目標転舵角計算手段は、
    前記判定手段が前記操舵ハンドルの操作状態を中立位置方向への操作であると判定すると、前記検出した操作入力値の時間微分値の増大に伴って一様に減少するとともに同時間微分値の減少に伴って一様に増大する第3の係数を前記微分成分項計算手段により計算した転舵角と前記第2の係数とを乗算した値に乗算し、前記ヨーレート成分項計算手段により計算した転舵角と前記第1の係数と前記第3の係数を乗算した値とを乗算した値とを加算して目標転舵角を計算することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  5. 前記第3の係数は、さらに、車速検出手段により検出した車速の増大に伴って一様に減少するとともに前記検出した車速の減少に伴って一様に増大するものである請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  6. 前記操作入力値検出手段を、前記操舵ハンドルの変位量を検出する変位量センサで構成した請求項1または請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか一つに記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、さらに、
    前記操舵ハンドルの操作に対して反力を付与する反力装置を設けたことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
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