JP2018047827A - 操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】4WSが可能な車両のドリフト走行時に、ドライバの意に即した車両挙動を実現すること。【解決手段】車両の操舵制御装置は、ハンドル角を含む入力パラメータの関数として表される目標リア舵角を算出する制御装置と、目標リア舵角に応じて車両の後輪を転舵する後輪転舵装置と、を備える。車両がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っているという補正条件が成立している場合、制御装置は、関数を補正する補正処理を行う。同じ入力パラメータに対し、補正処理が行われている場合に算出される目標リア舵角の絶対値は、補正処理が行なわれていない場合に算出される目標リア舵角の絶対値よりも小さくなる。【選択図】図2

Description

本発明は、4輪操舵(4WS:4 Wheel Steering)が可能な車両の操舵制御装置に関する。
特許文献1は、4WSが可能な車両の操舵装置を開示している。その操舵装置は、ハンドル角と車速に基づいて、目標ヨーレートと目標横加速度を車両の運動目標値として算出する。ここで、運動目標値を算出する際に用いられる制御ゲイン及び時定数は、自由に設計され、マップとして与えられている。続いて、操舵装置は、算出された運動目標値が得られるように、前輪及び後輪のそれぞれの目標舵角を算出する。そして、操舵装置は、算出された目標舵角が実現されるように、前輪転舵アクチュエータ及び後輪転舵アクチュエータを駆動する。
特開2008−006952号公報
上記特許文献1のように目標舵角を算出して4WSを行う車両のドリフト走行を考える。ドリフト状態では、後輪のスリップ角は、後輪が横滑りする程度に増大している。ドライバは、ドリフト状態を維持するためにカウンタステアを行う。ドライバがカウンタステアを行うと、それに応じて後輪の目標舵角が算出され、算出された目標舵角だけ後輪の舵角が変化する。このとき、後輪のスリップ角が小さくなると、車両のオーバーステア状態つまりドリフト状態が解消され易くなる。つまり、4WSの場合、後輪の舵角が変化しない2WSの場合よりも、ドリフト状態を維持しづらくなる可能性がある。これは、ドリフト状態を維持したいというドライバの意図と反する。ドライバの意図に反する車両挙動あるいはドライバの想定を超える車両挙動は、ドライバに違和感を生じさせる。
本発明の1つの目的は、4WSが可能な車両のドリフト走行時に、ドライバの意に即した車両挙動を実現することができる技術を提供することにある。
第1の発明は、車両の操舵制御装置を提供する。
操舵制御装置は、
ハンドル角を含む入力パラメータの関数として表される目標リア舵角を算出する制御装置と、
目標リア舵角に応じて車両の後輪を転舵する後輪転舵装置と
を備える。
車両がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っているという補正条件が成立している場合、制御装置は、関数を補正する補正処理を行う。
同じ入力パラメータに対し、補正処理が行われている場合に算出される目標リア舵角の絶対値は、補正処理が行なわれていない場合に算出される目標リア舵角の絶対値よりも小さくなる。
第2の発明は、第1の発明において、次の特徴を有する。
関数は、定常ゲインとハンドル角との積を含む。
補正処理において、制御装置は、補正条件が成立する場合の定常ゲインを、補正条件が成立しない場合の定常ゲインよりも小さくする。
第3の発明は、第1あるいは第2の発明において、次の特徴を有する。
関数は、微分ゲインとハンドル角の速度との積を含む。
補正処理において、制御装置は、補正条件が成立する場合の微分ゲインを、補正条件が成立しない場合の微分ゲインよりも小さくする。
第4の発明は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、次の特徴を有する。
補正処理の開始後、補正条件が成立しなくなり、且つ、ハンドルがニュートラル位置を通過した場合、制御装置は、補正処理を終了して関数を元に戻す。
第1の発明によれば、「車両がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っている」という補正条件が考慮される。この補正条件が成立する場合は、ドライバがドリフト状態を維持する意図を有している状態に相当する。そして、その補正条件が成立する場合、目標リア舵角を算出するための関数の補正が行われる。より詳細には、同じ入力パラメータに対して算出される目標リア舵角の絶対値がより小さくなるように、関数が補正される。このことは、操舵特性が4WS特性から2WS特性に近づくことを意味する。すなわち、ドライバがドリフト状態を維持する意図を有していると推定される場合に、操舵特性が4WS特性から2WS特性に近づく。従って、ドライバの意図に反する車両挙動あるいはドライバの想定を超えた車両挙動の発生が抑制される。その結果、ドリフト走行中のドライバの違和感が軽減される。ドリフト走行時に、ドライバの意に即した車両挙動とコントロール性が実現される。
第2の発明によれば、関数は、定常ゲインとハンドル角との積を含む。補正条件が成立するとき、定常ゲインを小さくすることにより、算出される目標リア舵角の絶対値を小さくすることができる。
第3の発明によれば、関数は、微分ゲインとハンドル角の速度との積を含む。補正条件が成立するとき、微分ゲインを小さくすることにより、算出される目標リア舵角の絶対値を小さくすることができる。
第4の発明によれば、補正条件が成立しなくなり、且つ、ハンドルがニュートラル位置を通過したときに、補正処理が終了し、関数が元に戻される。関数が元に戻されるとき、算出される目標リア舵角が不連続的に変化し、ドライバが車両挙動に違和感を覚える可能性がある。しかし、ハンドルがニュートラル位置近傍のときに関数を元に戻せば、そのような不連続的な変化が抑制される。その結果、補正処理終了時にドライバが感じる違和感が軽減される。
車両のドリフト走行の一例を示す模式図である。 本発明の実施の形態における補正処理を説明するための概念図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両の構成例を示す概略図である。 第1の実施の形態におけるECUの機能構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態における、入力パラメータから目標舵角を算出するための関数の例を示す概念図である。 第1の実施の形態に係る操舵制御を要約的に示すフローチャートである。 第1の実施の形態における目標舵角の算出処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る車両の構成例を示す概略図である。 第2の実施の形態におけるECUの機能構成を示すブロック図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
1.概要
図1は、車両1のドリフト走行の一例を示す模式図である。車両1は、前輪10F及び後輪10Rを備えている。図1では、前輪10F及び後輪10Rの傾きに加えて、ドライバによるハンドルの操舵方向も模式的に示されている。
状態(a)は、車両1がドリフト状態に入る段階を示している。ドライバはハンドルを右に切っており、車両1は右方向に旋回する。このとき、後輪10Rは大きく横滑りしており、後輪10Rのスリップ角が増大しており、車両1はオーバーステア状態になっている。状態(b)においても、ドライバはハンドルを右に切ったままであり、後輪10Rのスリップ角は更に増大している。
状態(c)において、ドライバは、ドリフト状態を継続させるためにハンドルを左に切る、すなわち、「カウンタステア」を行う。このときも、車両1はオーバーステア状態である。車両1がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っていることは、ドライバがドリフト状態を維持する意図を有していることを意味する。
状態(d)は、車両1がドリフト状態から復帰する段階を示している。ドライバは、カウンタステアを終了し、ハンドルをニュートラルに戻す、あるいは、右に切る。前輪10F及び後輪10Rのグリップ力は回復し、ドリフト状態は終了する。
ここで、車両1が4WS可能、つまり、前輪10Fだけでなく後輪10Rの舵角も変化する場合を考える。この場合、少なくとも後輪10Rの目標舵角は、車両1によって自動的に算出される。より詳細には、後輪10Rの目標舵角(以下、「目標リア舵角δr」と呼ばれる)は、ハンドルの操舵角であるハンドル角MAを含む所定の入力パラメータの関数として表される。ドライバがハンドルを操作すると、車両1は、ハンドル角MAを含む入力パラメータと当該関数に基づいて、目標リア舵角δrをフィードフォワード的に算出する。そして、車両1は、後輪10Rの舵角が目標リア舵角δrとなるように、後輪10Rの転舵制御を行う。
次に、4WSが可能な車両1について、ドリフト走行中の上記状態(c)を考える。ドライバがカウンタステアを行うと、前輪10Fだけでなく後輪10Rの舵角も変化する。この時の目標リア舵角δrは、上述の通り、入力パラメータと関数に基づいて算出される。例えば前輪10Fと後輪10Rが同相で転舵制御される場合、図1に示されるように、後輪10Rは、前輪10Fと同じく左方向に傾く。その結果、後輪10Rの舵角が変わらない2WSの場合と比較して、後輪10Rのスリップ角は小さくなる。
状態(c)において後輪10Rのスリップ角が小さくなることは、車両1のオーバーステア状態がより解消され易くなることを意味する。つまり、図1で示される4WSの場合、後輪の舵角が変化しない2WSの場合よりも、ドリフト状態を維持しづらくなる。これは、ドリフト状態を維持したいという状態(c)におけるドライバの意図と反する。自身の意図に反する車両挙動に、ドライバは違和感を感じる。また、ドライバが2WSの場合と同様の感覚でカウンタステアを行う場合、ドライバの想定以上に車両挙動が変わるため、ドライバは違和感を覚えることになる。
このように、4WS可能な車両のドリフト走行において、ドライバの意図に反する車両挙動あるいはドライバの想定を超えた車両挙動が発生する可能性がある。そのような車両挙動により、ドライバは違和感を覚える。また、そのような車両挙動は、ドリフト走行を思い通りにコントロールしたいドライバにとって好ましくない。
そこで、本実施の形態によれば、状態(c)における操舵特性を4WS特性から2WS特性に近づける処理が実施される。より詳細には、まず、状態(c)の検出が行われる。そのために、「車両1がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っている」という条件が成立するか否かが判定される。この条件が成立する場合が状態(c)に相当する。状態(c)は、ドライバがドリフト状態を維持する意図を有している状態である。よって、状態(c)が検出されると、ドリフト状態をより長く維持するために、操舵特性を4WS特性から2WS特性に近づける処理が実施される。具体的には、入力パラメータから目標リア舵角δrを算出するための上記関数の補正が行われる。このとき、同じ入力パラメータに対して算出される目標リア舵角δrの絶対値がより小さくなるように、上記関数が補正される。
図2は、本実施の形態における上記補正を説明するための概念図である。図2には、後輪10R及び目標リア舵角δrが示されている。関数の補正が行われていない場合に、ある入力パラメータに対して算出される目標リア舵角δrは“δr1”である。一方、関数の補正が行われている場合に、同じ入力パラメータに対して算出される目標リア舵角δrは“δr2”である。目標リア舵角δr2の絶対値は、目標リア舵角δr1の絶対値よりも小さい。目標リア舵角δr2の絶対値がより小さくなることは、車両1の操舵特性がより2WS特性に近づくことを意味する。特に、目標リア舵角δr2がゼロの場合、後輪10Rの舵角はゼロとなり、車両1は2WSのように振る舞うことになる。
このように、本実施の形態によれば、「車両1がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っている」という条件が成立する場合、操舵特性が2WS特性により近づくように関数が補正される。当該条件は、関数を補正するための「補正条件」と言うことができる。
補正条件が成立する場合は、ドライバがドリフト状態を維持する意図を有している状態(c)に相当する。本実施の形態によれば、そのような状態(c)における操舵特性が2WS特性に近づく。従って、ドライバの意図に反する車両挙動あるいはドライバの想定を超えた車両挙動の発生が抑制される。その結果、ドリフト走行中のドライバの違和感が軽減される。すなわち、本実施の形態によれば、ドリフト走行時に、ドライバの意に即した車両挙動とコントロール性が実現される。
2.第1の実施の形態
2−1.全体構成
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る車両1の構成例を示す概略図である。本実施の形態に係る車両1は、4WS可能に構成されている。より詳細には、車両1は、前輪10F、後輪10R、ハンドル(ステアリングホイール)20、前輪転舵装置30、後輪転舵装置50、センサ群70、及びECU(Electronic Control Unit)100を備えている。
<ハンドル20>
ハンドル20は、ドライバの操舵操作に用いられる。つまり、前輪10F及び後輪10Rを転舵させたいとき、ドライバはハンドル20を回転させる。
<前輪転舵装置30>
前輪転舵装置30は、前輪10Fを転舵するための装置である。前輪転舵装置30は、上部操舵軸31、下部操舵軸32、ピニオンギア33、ラックバー34、EPS(Electronic Power Steering)アクチュエータ35、VGRS(Variable Gear Ratio Steering)アクチュエータ40、及びVGRSドライバ45を有している。
上部操舵軸31は、ハンドル20に連結されている。下部操舵軸32の一端は、VGRSアクチュエータ40を介して上部操舵軸31に連結されており、その他端は、ピニオンギア33に連結されている。ピニオンギア33は、ラックバー34と噛み合っている。ラックバー34の両端は、左右の前輪10Fに連結されている。ハンドル20の回転は、上部操舵軸31、VGRSアクチュエータ40、及び下部操舵軸32を介して、ピニオンギア33に伝達される。ピニオンギア33の回転運動はラックバー34の直線運動に変換され、それにより、前輪10Fの舵角が変化する。
EPSアクチュエータ35は、操舵トルクを生成して前輪10Fの転舵をアシストするための装置である。このEPSアクチュエータ35は、電動モータを含んでおり、電動モータの回転により操舵トルクを生成する。EPSアクチュエータ35は、その操舵トルクを、例えばピニオンギア33に付加する。尚、EPSアクチュエータ35の電動モータの回転動作は、ECU100によって制御される。
VGRSアクチュエータ40は、上部操舵軸31と下部操舵軸32との間をつなぐように設けられている。このVGRSアクチュエータ40は、ハウジング41、電動モータ42、減速機構43、及び回転角センサ44を有している。電動モータ42、減速機構43、及び回転角センサ44は、ハウジング41内に収容されている。
ハウジング41は、上部操舵軸31の一端に固定されており、上部操舵軸31と一体に回転する。電動モータ42のステータは、ハウジング41内で固定されている。一方、電動モータ42のロータは、ハウジング41内で回転可能に保持されている。電動モータ42の回転軸は、減速機構43を介して、下部操舵軸32に接続されている。回転角センサ44は、電動モータ42のロータの回転角θfを検出し、その回転角θfに関する検出情報をECU100に出力する。
このようなVGRSアクチュエータ40の電動モータ42の回転を制御することによって、ステアリングギア比を可変に制御することができる。ここで、ステアリングギア比とは、ハンドル20の操舵角(ハンドル角MA)と前輪10Fの舵角との比であり、上部操舵軸31の回転角と下部操舵軸32の回転角の比に比例する。
VGRSドライバ45は、電動モータ42を駆動するための装置であり、インバータ等を含んでいる。インバータは、図示しない直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を電動モータ42に供給し、電動モータ42を駆動する。
VGRSドライバ45の動作は、ECU100によって制御される。具体的には、ECU100は、入力パラメータに基づいて、前輪10Fの目標舵角(以下、「目標フロント舵角δf」と呼ばれる)を算出する。続いて、ECU100は、前輪10Fの舵角が目標フロント舵角δfとなるような電動モータ42の目標回転角を算出する。そして、ECU100は、電動モータ42の目標回転角に基づいて、VGRSドライバ45の動作を制御するための制御信号Cfを生成する。ECU100は、生成した制御信号CfをVGRSドライバ45に供給し、VGRSドライバ45は、その制御信号Cfに従って電動モータ42を駆動する。その一方で、ECU100は、回転角センサ44から電動モータ42の回転角θfに関する検出情報を受け取る。ECU100は、その回転角θfが目標回転角となるようにフィードバック制御を行う。これにより、前輪10Fの舵角が目標フロント舵角δfとなるように制御される。
このように、本実施の形態では、前輪10Fの舵角は、ECU100によって算出される目標フロント舵角δfに依存して変化する。前輪転舵装置30は、ECU100によって算出される目標フロント舵角δfに応じて前輪10Fを転舵すると言える。
<後輪転舵装置50>
後輪転舵装置50は、後輪10Rを転舵するための装置である。後輪転舵装置50は、DRS(Dynamic Rear Steering)アクチュエータ60及びDRSドライバ65を有している。
DRSアクチュエータ60は、転舵バー61、ボールねじ62、電動モータ63、及び回転角センサ64を有している。転舵バー61の両端は、左右の後輪10Rに連結されている。ボールねじ62は、転舵バー61と電動モータ63との間に介在している。電動モータ63のロータが回転すると、ボールねじ62は、その回転運動を転舵バー61の直線運動に変換する。これにより、後輪10Rの舵角が変化する。回転角センサ64は、電動モータ63のロータの回転角θrを検出し、その回転角θrに関する検出情報をECU100に出力する。
DRSドライバ65は、電動モータ63を駆動するための装置であり、インバータ等を含んでいる。インバータは、図示しない直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を電動モータ63に供給し、電動モータ63を駆動する。
DRSドライバ65の動作は、ECU100によって制御される。具体的には、ECU100は、入力パラメータに基づいて、上述の目標リア舵角δrを算出する。続いて、ECU100は、後輪10Rの舵角が目標リア舵角δrとなるような電動モータ63の目標回転角を算出する。そして、ECU100は、電動モータ63の目標回転角に基づいて、DRSドライバ65の動作を制御するための制御信号Crを生成する。ECU100は、生成した制御信号CrをDRSドライバ65に供給し、DRSドライバ65は、その制御信号Crに従って電動モータ63を駆動する。その一方で、ECU100は、回転角センサ64から電動モータ63の回転角θrに関する検出情報を受け取る。ECU100は、その回転角θrが目標回転角となるようにフィードバック制御を行う。これにより、後輪10Rの舵角が目標リア舵角δrとなるように制御される。
このように、本実施の形態では、後輪10Rの舵角は、ECU100によって算出される目標リア舵角δrに依存して変化する。後輪転舵装置50は、ECU100によって算出される目標リア舵角δrに応じて後輪10Rを転舵すると言える。
<センサ群70>
センサ群70は、車両1の様々な状態量を検出するために設けられている。例えば、センサ群70は、操舵角センサ71、車輪速センサ72、車速センサ73、ヨーレートセンサ74、及び横加速度センサ75を含んでいる。
操舵角センサ71は、ハンドル20の操舵角であるハンドル角MAを検出する。操舵角センサ71は、検出したハンドル角MAを示す検出情報をECU100に出力する。
車輪速センサ72は、各車輪に対して設けられており、各車輪の回転速度を検出する。車輪速センサ72は、検出した回転速度を示す検出情報をECU100に出力する。
車速センサ73は、車両1の速度である車速Vを検出する。車速センサ73は、検出した車速Vを示す検出情報をECU100に出力する。
ヨーレートセンサ74は、車両1に発生する実ヨーレートYrを検出する。ヨーレートセンサ74は、検出した実ヨーレートYrを示す検出情報をECU100に出力する。
横加速度センサ75は、車両1に作用する実横加速度Gyを検出する。横加速度センサ75は、検出した実横加速度Gyを示す検出情報をECU100に出力する。
<ECU100>
ECU100は、本実施の形態に係る操舵処理を制御する制御装置である。典型的には、ECU100は、プロセッサ、メモリ、及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。ECU100は、入出力インタフェースを通して、各種センサ(44、64、70)から検出情報を受け取り、また、各種ドライバ(45、65)に指示を送る。メモリには制御プログラムが格納され、プロセッサがその制御プログラムを実行することにより、ECU100の機能が実現される。制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。
尚、上述のハンドル20、前輪転舵装置30、後輪転舵装置50、センサ群70、及びECU100が、本実施の形態に係る「操舵制御装置」を構成している。
2−2.ECU100の機能ブロック
図4は、本実施の形態におけるECU100の機能構成を示すブロック図である。ECU100は、目標舵角算出部110、制御信号出力部120、補正判定部130、及びゲイン補正部140を備えている。これら機能ブロックは、ECU100のプロセッサがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより実現される。
<目標舵角算出部110>
目標舵角算出部110は、入力パラメータに基づいて、目標フロント舵角δf及び目標リア舵角δrを算出する。
本実施の形態において、入力パラメータは、ハンドル角MA、ハンドル角速度dMA/dt、及び車速Vである。ハンドル角MAは、操舵角センサ71によって検出される。ハンドル角速度dMA/dtは、時間的に連続するハンドル角MAの検出値から算出される。車速Vは、車速センサ73によって検出される。あるいは、車速Vは、車輪速センサ72によって検出された各車輪の回転速度から算出されてもよい。
目標フロント舵角δf及び目標リア舵角δrの各々は、入力パラメータの関数として表される。目標舵角算出部110は、そのような関数を保持しており、入力パラメータと当該関数を用いて目標フロント舵角δf及び目標リア舵角δrを算出する。図5は、当該関数の一例を概念的に示している。本実施の形態において、目標フロント舵角δf及び目標リア舵角δrは、それぞれ、次の式(1)、(2)のように表される。
Figure 2018047827
Figure 2018047827
目標フロント舵角δfを算出するための関数は、フロント定常ゲインKsfとハンドル角MAとの積と、フロント微分ゲインKdfとハンドル角速度dMA/dtとの積との和を含んでいる。フロント定常ゲインKsfとフロント微分ゲインKdfの各々は、図5に示されるように車速Vに依存して変化するように設計され、ゲインマップとして提供される。目標舵角算出部110は、そのようなゲインマップを保持しており、車速Vに応じたフロント定常ゲインKsf及びフロント微分ゲインKdfを取得する。更に、目標舵角算出部110は、それらゲインとハンドル角MA及びハンドル角速度dMA/dtから、目標フロント舵角δfをフィードフォワード的に算出する。
同様に、目標リア舵角δrを算出するための関数は、リア定常ゲインKsrとハンドル角MAとの積と、リア微分ゲインKdrとハンドル角速度dMA/dtとの積との和を含んでいる。リア定常ゲインKsrとリア微分ゲインKdrの各々は、図5に示されるように車速Vに依存して変化するように設計され、ゲインマップとして提供される。目標舵角算出部110は、そのようなゲインマップを保持しており、車速Vに応じたリア定常ゲインKsr及びリア微分ゲインKdrを取得する。更に、目標舵角算出部110は、それらゲインとハンドル角MA及びハンドル角速度dMA/dtから、目標リア舵角δrをフィードフォワード的に算出する。
尚、図5に示されるゲインマップは、所望の車両特性(目標車両特性)に基づいて決定される。目標車両特性は、例えば、ヨーレート及びスリップ角に関する定常特性、横加速度やヨーレートに関する過渡特性を含む。そのような目標車両特性が実現されるように、各ゲインが設計され、ゲインマップとして与えられる。
<制御信号出力部120>
制御信号出力部120は、目標舵角算出部110によって算出された目標フロント舵角δf及び目標リア舵角δrから、制御信号Cf、Crを生成する。
より詳細には、制御信号出力部120は、ハンドル角MAと目標フロント舵角δfに基づいて、前輪10Fの舵角が目標フロント舵角δfとなるような電動モータ42の目標回転角を算出する。そして、制御信号出力部120は、電動モータ42の目標回転角に基づいて、VGRSドライバ45の動作を制御するための制御信号Cfを生成し、その制御信号CfをVGRSドライバ45に出力する。その一方で、制御信号出力部120は、回転角センサ44から電動モータ42の回転角θfに関する検出情報を受け取る。制御信号出力部120は、その回転角θfが目標回転角となるようにフィードバック制御を行う。
また、制御信号出力部120は、目標リア舵角δrに基づいて、後輪10Rの舵角が目標リア舵角δrとなるような電動モータ63の目標回転角を算出する。そして、制御信号出力部120は、電動モータ63の目標回転角に基づいて、DRSドライバ65の動作を制御するための制御信号Crを生成し、その制御信号CrをDRSドライバ65に出力する。その一方で、制御信号出力部120は、回転角センサ64から電動モータ63の回転角θrに関する検出情報を受け取る。制御信号出力部120は、その回転角θrが目標回転角となるようにフィードバック制御を行う。
<補正判定部130>
補正判定部130は、「車両1がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っている」という補正条件が成立しているか否かを判定する。
第1の条件「車両1がオーバーステア状態である」に関し、補正判定部130は、実ヨーレートYrと目標ヨーレートYr0との対比を行う。実ヨーレートYrは、ヨーレートセンサ74によって検出される。目標ヨーレートYr0は、公知の手法によって、ハンドル角MAと車速Vから算出される。ハンドル角MAは、操舵角センサ71によって検出される。車速Vは、車速センサ73によって検出される。あるいは、車速Vは、車輪速センサ72によって検出された各車輪の回転速度から算出されてもよい。
オーバーステア状態は、実ヨーレートYrが目標ヨーレートYr0よりも大きい状態(Yr>Yr0)と定義することができる。例えば、補正判定部130は、差分Yrd=Yr0−Yrを算出し、その差分Yrdを閾値と対比する。閾値は、例えば0に設定される。差分Yrdが閾値未満である場合、補正判定部130は、車両1がオーバーステア状態である、すなわち、第1の条件が成立すると判断する。
第2の条件「ドライバがカウンタステアを行っている」に関し、補正判定部130は、実横加速度Gyと目標横加速度Gy0との対比を行う。実横加速度Gyは、横加速度センサ75によって検出される。目標横加速度Gy0は、公知の手法によって、目標ヨーレートYr0から換算される。
カウンタステアは、実横加速度Gyが目標横加速度Gy0よりも大きい状態(Gy>Gy0)と定義することができる。例えば、補正判定部130は、比Gyr=Gy0/Gyを算出し、その比Gyrを閾値と対比する。閾値は、1以下の値に設定される。比Gyrが閾値未満である場合、補正判定部130は、ドライバがカウンタステアを行っている、すなわち、第2の条件が成立すると判断する。判断の信頼性を高めるため、閾値は−0.5程度に設定されてもよい。
第1の条件と第2の条件の両方が成立している場合、補正判定部130は、補正条件が成立していると判断する。この場合、補正判定部130は、補正指示をゲイン補正部140に出力する。
<ゲイン補正部140>
ゲイン補正部140は、補正判定部130から補正指示を受け取ると、目標舵角算出部110の関数を補正する補正処理を実行する。
補正処理において、ゲイン補正部140は、同じ入力パラメータに対して算出される目標リア舵角δrの絶対値がより小さくなるように、上記式(2)で表される関数を補正する。そのために、ゲイン補正部140は、リア定常ゲインKsrとリア微分ゲインKdrの少なくとも一方を、より小さくなるように補正する。例えば、ゲイン補正部140は、リア定常ゲインKsrとリア微分ゲインKdrの両方を補正する。
リア定常ゲインKsrを補正する場合、ゲイン補正部140は、リア定常ゲインKsrに補正係数αを掛ける。補正係数αは、0以上1未満である。この補正処理の結果、補正条件が成立する場合のリア定常ゲインKsr(絶対値)は、補正条件が成立しない場合よりも小さくなる。
リア微分ゲインKdrを補正する場合、ゲイン補正部140は、リア微分ゲインKdrに補正係数βを掛ける。補正係数βは、0以上1未満である。この補正処理の結果、補正条件が成立する場合のリア微分ゲインKdr(絶対値)は、補正条件が成立しない場合よりも小さくなる。
このような補正処理により、同じ入力パラメータに対して算出される目標リア舵角δrの絶対値をより小さくすることが可能となる(図2参照)。目標リア舵角δrを小さくするという観点から言えば、リア定常ゲインKsr及びリア微分ゲインKdrをゼロに補正することも考えられる。特に、ドリフト状態は一種の極限状態であるため、過渡特性に関連するリア微分ゲインKdrを積極的にゼロにしてもよい。リア定常ゲインKsr及びリア微分ゲインKdrの両方がゼロに補正される場合、算出される目標リア舵角δrはゼロとなる。この場合、後輪10Rの舵角はゼロとなり、車両1は2WSのように振る舞うことになる。
尚、上述の通り、図5に示されるゲインマップは、目標車両特性に基づいてあらかじめ決定されている。補正処理によってゲインを補正している間、その目標車両特性からのずれが生ずる。しかし、ドリフト状態は通常の運動状態から逸脱した極限状態であるため、そのドリフト状態の間は目標車両特性からのずれは許容できる。
2−3.操舵制御フロー
図6は、本実施の形態に係る操舵制御を要約的に示すフローチャートである。図6に示される操舵制御のフローは繰り返し実行される。
ステップS10:
ドライバは、ハンドル20を操作する。
ステップS20:
ECU100は、ハンドル角MAを含む入力パラメータに基づいて、目標フロント舵角δf及び目標リア舵角δrを算出する。
ステップS30:
ECU100は、目標フロント舵角δfに応じた制御信号Cfを前輪転舵装置30に出力する。前輪転舵装置30は、制御信号Cfに従って前輪10Fを転舵する。また、ECU100は、目標リア舵角δrに応じた制御信号Crを後輪転舵装置50に出力する。後輪転舵装置50は、制御信号Crに従って後輪10Rを転舵する。
図7は、ステップS20の詳細を示すフローチャートである。図7において、パラメータiは、便宜的なものであり、上記の補正処理が実行中か否か、つまり、補正後のゲインが用いられているか否かを示す。パラメータiは、“0”か“1”かのいずれかの値をとる。i=0は、補正処理が実行中ではない、つまり、補正前のゲインが用いられている状態を意味する。一方、i=1は、補正処理が実行中である、つまり、補正後のゲインが用いられている状態を意味する。パラメータiの初期値は“0”である。
ステップS21:
ECU100は、パラメータiが“0”か否かをチェックする。パラメータiが“0”の場合(ステップS21;Yes)、処理はステップS22に進む。一方、パラメータiが“1”の場合(ステップS21;No)、処理はステップS25に進む。
ステップS22:
ECU100(補正判定部130)は、「車両1がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っている」という補正条件が成立しているか否かを判定する。補正条件が成立している場合(ステップS22;Yes)、処理はステップS23に進む。一方、補正条件が成立していない場合(ステップS22;No)、処理はステップS24に進む。
ステップS23:
ECU100(ゲイン補正部140)は、上記の補正処理を行い、目標リア舵角δrを算出するための関数(ゲイン)を補正する。また、ECU100は、パラメータiを“1”に設定する。その後、処理はステップS24に進む。
ステップS24:
ECU100(目標舵角算出部110)は、入力パラメータと関数を用いて、目標フロント舵角δf及び目標リア舵角δrを算出する。
ステップS25:
上記の補正処理(ステップS23)が実行されると、パラメータiは“1”となるため、次のサイクル以降、ステップS22ではなくステップS25が実行される。ステップS25では、補正処理を終了するか否かの判断が行われる。例えば、既出の図1の状態(d)で示されたように車両1がドリフト状態から復帰すると、補正処理はもはや不要である。よって、状態(d)が検出された場合は、補正処理を終了してもよい。
より詳細には、ECU100(補正判定部130)は、「補正終了条件」が成立するか否かを判定する。補正終了条件の1つの例は、「補正条件が成立しなくなること」である。つまり、第1の条件「車両1がオーバーステア状態である」と第2の条件「ドライバがカウンタステアを行っている」のうちいずれか一方が成立しなくなった場合、補正終了条件が成立したと判断される。
補正終了条件の他の例は、「補正条件が成立しなくなり、且つ、ハンドル20がニュートラル位置を通過したこと」である。補正処理の終了時、リア定常ゲインKsr及びリア微分ゲインKdrが元に戻るため、算出される目標リア舵角δrが不連続的に変化する可能性がある。目標リア舵角δrが不連続的に変化すると、ドライバは、車両挙動に違和感を覚える可能性がある。そのような違和感を軽減するためには、目標リア舵角δr(後輪10Rの舵角)がなるべくゼロに近いときにゲインを元に戻すことが好ましい。このような観点から、「ハンドル20がニュートラル位置を通過したこと」を補正終了条件に追加することが好適である。ECU100(補正判定部130)は、ハンドル角MAをモニタすることによって、ハンドル20がニュートラル位置を通過したことを検知することができる。「ハンドル20がニュートラル位置を通過したこと」は、「ハンドル角MAがゼロ点を通過したこと」と言うこともできる。
補正終了条件が成立した場合(ステップS25;Yes)、処理はステップS26に進む。一方、補正終了条件が成立していない場合(ステップS25;No)、補正処理が継続したまま、処理はステップS24に進む。
ステップS26:
ECU100(ゲイン補正部140)は、上記の補正処理を終了し、目標リア舵角δrを算出するための関数(ゲイン)を元に戻す。また、ECU100は、パラメータiを“0”に設定する。その後、処理はステップS24に進む。
2−4.効果
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、「車両1がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っている」という補正条件が考慮される。この補正条件が成立する場合は、ドライバがドリフト状態を維持する意図を有している状態に相当する。そして、その補正条件が成立する場合、目標リア舵角δrを算出するための関数の補正が行われる。より詳細には、同じ入力パラメータに対して算出される目標リア舵角δrの絶対値がより小さくなるように、関数が補正される。このことは、車両1の操舵特性が4WS特性から2WS特性に近づくことを意味する。
すなわち、本実施の形態によれば、ドライバがドリフト状態を維持する意図を有していると推定される場合に、操舵特性が4WS特性から2WS特性に近づく。従って、ドライバの意図に反する車両挙動あるいはドライバの想定を超えた車両挙動の発生が抑制される。その結果、ドリフト走行中のドライバの違和感が軽減される。すなわち、本実施の形態によれば、ドリフト走行時に、ドライバの意に即した車両挙動とコントロール性が実現される。
3.第2の実施の形態
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る車両1の構成例を示す概略図である。図3で示された第1の実施の形態の構成と比較して、前輪転舵装置30のVGRSアクチュエータ40及びVGRSドライバ45が省略されている。つまり、第2の実施の形態では、前輪10Fの舵角は、ハンドル20の操舵だけに依存して決まる。後輪転舵装置50は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図9は、第2の実施の形態におけるECU100の機能構成を示すブロック図である。目標舵角算出部110は、入力パラメータに基づいて、目標リア舵角δrだけを算出する。制御信号出力部120は、目標リア舵角δrと回転角θrに基づいて、制御信号Crを生成し、出力する。補正判定部130とゲイン補正部140は、第1の実施の形態の場合と同じである。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同じ作用及び効果が得られる。
1 車両
10F 前輪
10R 後輪
20 ハンドル(ステアリングホイール)
30 前輪転舵装置
31 上部操舵軸
32 下部操舵軸
33 ピニオンギア
34 ラックバー
35 EPSアクチュエータ
40 VGRSアクチュエータ
41 ハウジング
42 電動モータ
43 減速機構
44 回転角センサ
45 VGRSドライバ
50 後輪転舵装置
60 DRSアクチュエータ
61 転舵バー
62 ボールねじ
63 電動モータ
64 回転角センサ
65 DRSドライバ
70 センサ群
71 操舵角センサ
72 車輪速センサ
73 車速センサ
74 ヨーレートセンサ
75 横加速度センサ
100 ECU(制御装置)
110 目標舵角算出部
120 制御信号出力部
130 補正判定部
140 ゲイン補正部

Claims (4)

  1. 車両の操舵制御装置であって、
    ハンドル角を含む入力パラメータの関数として表される目標リア舵角を算出する制御装置と、
    前記目標リア舵角に応じて前記車両の後輪を転舵する後輪転舵装置と
    を備え、
    前記車両がオーバーステア状態であり、且つ、ドライバがカウンタステアを行っているという補正条件が成立している場合、前記制御装置は、前記関数を補正する補正処理を行い、
    同じ入力パラメータに対し、前記補正処理が行われている場合に算出される前記目標リア舵角の絶対値は、前記補正処理が行なわれていない場合に算出される前記目標リア舵角の絶対値よりも小さくなる
    操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置であって、
    前記関数は、定常ゲインと前記ハンドル角との積を含み、
    前記補正処理において、前記制御装置は、前記補正条件が成立する場合の前記定常ゲインを、前記補正条件が成立しない場合の前記定常ゲインよりも小さくする
    操舵制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の操舵制御装置であって、
    前記関数は、微分ゲインと前記ハンドル角の速度との積を含み、
    前記補正処理において、前記制御装置は、前記補正条件が成立する場合の前記微分ゲインを、前記補正条件が成立しない場合の前記微分ゲインよりも小さくする
    操舵制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の操舵制御装置であって、
    前記補正処理の開始後、前記補正条件が成立しなくなり、且つ、ハンドルがニュートラル位置を通過した場合、前記制御装置は、前記補正処理を終了して前記関数を元に戻す
    操舵制御装置。
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