JP2006298300A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵系フリクション特性や運転者が感じる操舵感を調整し得る電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】この電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフト2上に設けられ、そのステアリングシャフト2とともに回転するウォームホイール20と、そのウォームホイール20と噛合うウォームギヤ30と、そのウォームギヤ30を駆動する操舵補助モータ40と、を備えている。さらに、自車両の操舵状態に応じて、ウォームホイール20に対するウォームギヤ30の押付け力を調整する押付け力調整手段を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の、操舵に要する力を操舵補助モータの回転出力によりアシスト(操舵補助)する電動パワーステアリング装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置では、操舵補助モータに比較的高回転低トルクのものが使用されることから、その操舵補助モータと操舵軸との間に減速機構が組み込まれている。この減速機構としては、一組で大きな減速比が得られる等の理由から、操舵軸上に設けられ、その操舵軸とともに回転するウォームホイールと、そのウォームホイールと噛合うウォームギヤと、を備えたものが一般的に使用されている。
しかし、このような減速機構では、相互の歯の摩耗等による経時変化でバックラッシが大きくなると、ハンドル操作時に歯打ち音や振動音等の不快なラトルノイズが発生するという問題があった。
そこで、例えば特許文献1に記載の技術では、ウォームホイールとウォームギヤとを、ばね力で押し付ける構成とすることにより、相互の歯の摩耗等により経時変化するバックラッシの防止ないしはその抑制を可能としている。
特開2000−43739号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、バックラッシをばね力によって押し付けるだけなので、電動パワーステアリング装置の操舵系フリクション特性や運転者が感じる操舵感を調整することができない。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、操舵系フリクション特性や運転者が感じる操舵感を調整し得る電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の電動パワーステアリング装置は、自車両の操舵軸上に設けられ操舵軸とともに回転するウォームホイールと、そのウォームホイールに噛合うウォームギヤと、そのウォームギヤを駆動する操舵補助モータと、を備えている。そして、車両の状態に応じて、前記ウォームホイールと前記ウォームギヤとの間に作用する押付け力を調整する押付け力調整手段を備えたことを特徴としている。
ここで、「車両の状態」とは、運転者によるステアリングホイールの操舵状態、および走行時の車両各部の状態の少なくとも一方を含む意味である。なお、走行時の車両各部の状態としては、例えば、路面と操向輪との路面摩擦係数、車速、アクセル開度、自車両の制動力等の状態が例示できる。
本発明によれば、押付け力調整手段によって、車両の状態に応じて、ウォームホイールとウォームギヤとの間に作用する押付け力を調整することができる。したがって、操舵系フリクション特性や運転者が感じる操舵感を調整することができる。
以下、本発明の電動パワーステアリング装置の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
この例は、自車両の操舵に要する力を操舵補助モータの回転出力によりアシスト(操舵補助)する電動パワーステアリング装置であり、図1に示すように、ステアリングホイール1は、自車両の操舵軸であるステアリングシャフト2の上端部に連結されており、このステアリングシャフト2が下方に延びている。このステアリングシャフト2は、操舵トルクセンサ12を介して、その下端部がピニオン3に連結している。そして、このピニオン3が、車両幅方向に配設されたラック4に噛合し、そのラック4とピニオン3とによってステアリングギアを構成している。これにより、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2回りの回転運動が、ラック4の直進運動(並進運動)に変換されるようになっている。そして、水平に延在するラック4の両端部は、それぞれタイロッド5を介してナックル及び操向輪6に接続しており、ラック4が水平方向に移動(並進運動)することで左右の操向輪6が転舵可能になっている。
ここで、ピニオン3の上部には、同図に示すように、ステアリングシャフト2とともに回転するウォームホイール20が同軸に固定されている。そして、このウォームホイール20にウォームギヤ30が噛合しており、これらウォームホイール20とウォームギヤ30とによって減速機構が構成されている。そして、このウォームギヤ30が、操舵補助モータ40の出力軸に連結された駆動軸9に対し同軸に固定されている。なお、この駆動軸9は、操舵補助モータ40の出力軸との偏倚量を吸収可能なように、操舵補助モータ40の出力軸に対し、カップリングを介して相互に連結されている。
そして、上記操舵補助モータ40は、コントロールユニット10のPWM(Pulse Width Modulation)駆動回路からのパルス信号によって、その発生トルク、つまりアシストトルクが制御される、いわゆるデューティ比制御により、何れかの方向に正逆転制御され、これにより、操舵補助モータ40にて目標アシストトルクを発生可能になっている。
ここで、この電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイール1による自車両の操舵状態に応じて、上記ウォームホイール20とウォームギヤ30とを備えてなる減速機構に対し、当該ウォームホイール20に対するウォームギヤ30の押付け力を調整する押付け力調整手段をさらに備えて構成されている。
以下、この押付け力調整手段およびそれに係る構成について詳しく説明する。
上記操舵補助モータ40は、図2(a)に示すように、不図示の車体に支持されたハウジング50に取り付けられている。そして、上記駆動軸9に対し同軸に固定されているウォームギヤ30は、その軸方向両側をウォームホイール20とウォームギヤ30との噛合い位置(同図での符号Xの位置)を挟んで軸方向で対向する一対の軸受32でそれぞれ支持されている。
そして、ハウジング50は、図2(b)に示すように、上記各軸受32が取り付けられる位置が、ウォームホイール側に向けて延びる長孔50aで形成されている。この長孔50aは、その短径方向の長さが軸受32の外輪の外径より僅かに広く加工されている。これにより、この長孔50aに嵌め込まれた一対の軸受32それぞれは、ウォームホイール側に向けて形成された長孔50aに沿って摺動可能であり、上記駆動軸9がウォームホイール20に近づく方向に向けて移動可能に構成されている。
さらに、この一対の軸受32は、それぞれ、図2(b)に示すように、その径方向でのウォームホイール側に、弾性体である合成ゴム38が、ハウジング50との間に介装されている。なお、この合成ゴム38は、同図での断面が略三日月状をなし、駆動軸9軸方向の高さは、当接する軸受32の高さと同じになっている。そして、一対の軸受32の径方向でのウォームホイールとは反対側は、上記長孔50aが外部に貫通しており、この貫通部分に、ソレノイド34の本体部分が固定されている。
このソレノイド34は、上記一対の軸受32のそれぞれをウォームホイール側に向けて押す押圧手段であり、図2に示すように、押付け力の方向に付勢力を付与する付勢手段である円筒コイルばね36を介して設けられている。なお、このソレノイド34は、いわゆる比例ソレノイドが使用されており、そのコイルの界磁電流をコントロールユニット10内の加減抵抗器(不図示)で調整することによって、そのプランジャ34pの軸方向での位置を比例的に制御可能になっている。
ここで、上述の図1に示す操舵トルクセンサ12は、ステアリングシャフト2の下端部とピニオンシャフト3の上端部を連結する不図示のトーションバーと、その外周に配置されてその回転方向の変化を検出可能なセンサとから構成されている。すなわち、この操舵トルクセンサ12は、上記トーションバーの捩じれ量から操舵トルクを検出し、この操舵トルクの大きさに応じた操舵トルク値Nを、コントロールユニット10に供給可能になっている。
また、車両には、図1に示すように、走行速度センサ13が車速検出手段として搭載されており、この走行速度センサ13によって自車両の走行速度が検出され、その走行速度の大きさに応じた走行速度検出値Vが、コントロールユニット10に供給可能になっている。
また、車両には、上記ステアリングホイール1に、その操舵角θを検出する操舵角検出手段である操舵角センサ14が設けられており、その検出値θもコントロールユニット10に供給可能になっている。
そして、このコントロールユニット10は、上記操舵トルクセンサ12で検出された操舵トルク値N、走行速度センサ13で検出された走行速度V、及び、操舵角センサ14で検出された操舵角θを入力するとともに、ソレノイド34による目標押付け力を算出するためのマイクロコンピュータ等の演算処理装置を備えて構成されており、この演算処理装置での、後述する押付け力調整処理で算出された目標押付け力に応じた押付け力指令値(界磁電流制御信号)が、コントロールユニット10内の加減抵抗器に出力され、これに応じた界磁電流が加減抵抗器からソレノイド34に出力可能に構成されている。なお、このコントロールユニット10では、所定サンプリング時間ΔT(例えば10msec.)毎に所定の押付け力調整処理を行い、押付け力指令値を算出出力する。また、この演算処理では、算出された情報は随時記憶装置に更新記憶されるとともに、記憶装置に記憶されている情報は随時演算処理装置に読込まれるようになっている。
次に、上記コントロールユニット10での押付け力調整処理について詳しく説明する。なお、図3は、この押付け力調整処理を示すフローチャートである。また、図4および図5は、第一実施形態での押付け力調整処理に用いられる制御マップである。
この押付け力調整処理は、ステアリングホイール1による自車両の操舵状態に応じて、電動パワーステアリング装置の減速機構に対し、上記ソレノイド34を用いてなされるフリクション制御であって、コントロールユニット10内の演算処理装置で、この押付け力調整処理が実行されると、図3に示すように、まずステップS1にて、入力データである、上記走行速度センサ13で検出された走行速度V、操舵角センサ14で検出された操舵角θ、操舵トルクセンサ12で検出された操舵トルクNをそれぞれ読込む。
次に、ステップS2に移行して、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記ステップS1で読込んだ操舵角θの時間微分値、即ち操舵角速度θ'を算出する。
次に、ステップS3に移行して、ステアリングホイール1が一定の角度で保舵されている保舵状態か否かを判定する。すなわち、ステップS2で算出された操舵角速度θ'と所定の閾値aとを比較して、操舵角速度θ'が所定の閾値a以下である場合(Yes)には、運転者がステアリングホイール1を保舵しているとの判定をしてステップS4に移行し、そうでない場合(No)には、運転者が転舵操作を行なっているとの判定をして、上記目標押付け力に応じた押付け力指令値(界磁電流制御信号)を出力することなく処理を戻す。なお、この例では、保舵状態か否かの判定を、操舵角速度θ'に基づいて行なっているが、操舵トルクNの変化から判定してもよい。
次に、ステップS4では、ステアリングホイール1が中立状態か否かを判定する。すなわち、前記ステップS1で読込んだ操舵角θが所定の閾値b(例えば±10°)以下である場合(Yes)には、中立状態であるとの判定をしてステップS6に移行し、そうでない場合(No)には、中立状態ではないとの判定をして、ステップS5に移行する。
そして、ステップS5では、所定の保舵制御に基づいて押付け力指令値を算出しその出力が加減抵抗器に行なわれて処理を戻すようになっている。
ここで、この保舵制御は、速度ゲインGVによって決定され、この速度ゲインGVは、図4にその制御マップを示すように、走行速度Vに比例してその設定値を上げるようになっている。この上げ幅(同図での符号RVで示す幅)は、セルフアライニングトルクの変動幅に対応して設定する。これは、ステアリングホイール1が、高速走行時ほどセルフアライニングトルク等によって戻ろうとする力が大きくなるからである。すなわち、この保舵制御による目標押付け力Fhの指令値は、同ステップでの、下記式1で行われる演算処理に従って算出される。
Fh=Fmax×GV (式1)
この際の速度ゲインGVは、読み込まれた走行速度Vに対応する値が、上記図4にて設定されている制御マップ検索から設定される。但し、同式でのFmaxは、ソレノイド34での最大押付け力である(以下他の例にて同じ)。
このように、この保舵制御は、セルフアライニングトルクが大きいときには、ソレノイド34による押付け力を大きくするようになっている。これにより、操舵系のフリクションが大きくなるので、ステアリングホイール1に伝わるセルフアライニングトルクが抑制される。したがって、運転者は、小さな保舵力でステアリングホイール1を支えることができるようになっている。
そして、ステップS6では、所定の片流れ抑制制御に基づいて押付け力指令値を算出しその出力が加減抵抗器に行なわれて処理を戻すようになっている。
この片流れ抑制制御は、図5にその制御マップを示すように、操舵トルクNによって決まるゲインGN(同図(a))と走行速度Vによって決まる速度ゲインGV(同図(b))との積によって決定する。すなわち、この片流れ抑制制御による目標押付け力Fnの指令値は、同ステップでの、下記式2で行われる演算処理に従って算出される。
Fn=Fmax×GN×GV (式2)
ここで、片流れ時は、運転者が微舵を入れてこれを防ごうとする動作が発生する。このとき、操舵トルクN自体は小さいため、この際のゲインGNは、同図(a)に示すように、操舵トルクNが小さいときに働くように、そのゲインを高く設定している。また、同図に示すように、このゲインGNは、中立付近(同図での符号RW)までその設定値を高く設定してあり、その後は、転舵に比例して設定値を下げることにより、操舵を容易にしている。なお、この下げた際のゲインGN(同図での符号RL1)および速度ゲインGV(同図での符号RL2)は、上記式2での目標押付け力Fnの指令値によって上記減速機構でバックラッシによる歯音等が発生しない程度の押付け力となるようにそれぞれ設定する。また、この片流れ現象は、高速走行時に顕著に問題になるため、同図(b)に示すように、速度ゲインGVは、低速では、一定にし、その後は走行速度Vに比例して上げている。
なお、上記保舵状態判定手段には、演算処理装置での押付け力調整処理におけるステップS3が対応する。また、上記中立状態判定手段には、同じくステップS4が対応する。
次に、この電動パワーステアリング装置の作用・効果について説明する。
上述のような構成によって、この電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール1の操舵状態に応じて、ウォームホイール20とウォームギヤ30との間に作用する押付け力を調整する押付け力調整手段を構成している。
すなわち、上記一対の軸受32それぞれは、ソレノイド34(のプランジャ34p)で円筒コイルばね36を介して押圧されると、反対側の合成ゴム38が圧縮されつつ、その支持されている駆動軸9とともに、ハウジング50に対して、ウォームホイール側に向けて上記長孔50aに沿って移動する。このとき、このソレノイド34は、そのプランジャの位置を比例的に制御可能な比例ソレノイドが使用されているから、コントロールユニット10よって算出された押付け力指令値に応じた押付け力(目標押付け力)を出力できる。
そして、このコントロールユニット10は、上記所定の保舵制御(ステップS5)、または、所定の片流れ抑制制御(ステップS6)に基づいて押付け力指令値を算出し、その出力が加減抵抗器になされ、これにより、ソレノイド34のプランジャの位置を比例的に制御して、所望の目標押付け力を得ることができる。そのため、ステアリングホイール1の操舵状態に応じて、ウォームホイール20に対するウォームギヤ30の押付け力を調整することができる。したがって、操舵系フリクション特性や運転者が感じる操舵感を調整することができる。
特に、この電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール1が一定の角度で保舵されている保舵状態か否かを判定する保舵状態判定手段(ステップS3)を備えており、上述の押付け力調整手段は、この保舵状態判定手段が保舵状態との判定をしたときに、上記所定の保舵制御または所定の片流れ抑制制御で、前記押付け力を大きくするようになっている。これにより、ステアリングホイール1の中立位置の近傍で、操舵系のフリクションを大きくすることができる。したがって、運転者がステアリングホイールを中立に保持するときに、より良好な操舵感が得られる。
また、この電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール1が中立状態か否かを判定する中立状態判定手段(ステップS4)を備えており、上述の押付け力調整手段は、この中立状態判定手段が中立状態との判定をしたときに、上記所定の片流れ抑制制御で、前記押付け力を大きくするようになっている。これにより、片流れ時に、運転者が微舵を入れてこれを防ごうとする動作が発生する際にも、中立付近までの操舵系のフリクションを大きくするとともに、転舵に比例してフリクションを抑えてその操舵をより容易にすることができる。
また、この電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール1の操舵状態のみならず、さらに、走行時の車両各部の状態に応じて、ウォームホイール20とウォームギヤ30との間に作用する押付け力を調整する押付け力調整手段を構成している。
すなわち、上記の例では、車両には車速センサ13が搭載されており、この電動パワーステアリング装置は、この車速センサ13で検出された車速に応じて、その車速が大きいときには小さいときに比べて前記押付け力を大きくするようになっている。これにより、片流れ現象が、高速走行時に顕著に問題になる場合でも、低速では操舵系のフリクションを一定にし、その後は走行速度に比例して操舵系のフリクションを大きくしているので、さらに良好な操舵感を得ることができる。
次に、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第二実施形態について説明する。なお、この第二実施形態は、上述した第一実施形態に対し、下記説明する構成が異なる点を除き、他の構成は同様であるため、異なる点について説明し、同様の構成についてはその説明を適宜省略する。
この第二実施形態では、コントロールユニット10内の演算処理装置での、押付け力調整処理が、図6に示すように、ステップS7およびステップS8をさらに備えて構成されている点が、上記第一実施形態に対し異なっている。
すなわち、ステップS3にて、ステアリングホイール1が一定の角度で保舵されている保舵状態か否かの判定がなされるが、ステップS2で算出された操舵角速度θ'と所定の閾値aとを比較して、操舵角速度θ'が所定の閾値aを越えている場合(No)には、この例では、運転者が転舵操作を行なっているとの判断をして、ステップS7に移行する。
そして、ステップS7では、操舵角速度θ'と操舵トルクNとの積が、正(>0)か否かを判断する。すなわち、操舵角速度θ'と操舵トルクNとの積が正(>0)の場合(Yes)には、運転者の転舵方向と操舵補助モータによるアシスト方向とが等しいとの判断をしてステップS8に移行し、そうでない場合(No)には、上記目標押付け力に応じた押付け力指令値(界磁電流制御信号)を出力することなく処理を戻す。ここで、上記切り増し状態判定手段には、この例でのステップS7が対応する。
そして、ステップS8では、所定の切り増し制御に基づいて押付け力指令値を算出しその出力が加減抵抗器に行なわれて処理を戻す。
この切り増し制御は、図7にその制御マップを示すように、操舵角θによって決まるゲインGθ(同図(a))と走行速度Vによって決まる速度ゲインGV(同図(b))との積によって決定する。すなわち、この切り増し制御による目標押付け力Fθ+の指令値は、同ステップでの、下記式3で行われる演算処理に従って算出される。
Fθ+=Fmax×Gθ×GV (式3)
ここで、この際のゲインGθは、同図(a)に示すように、中立付近の安定感を持たせるために、中立付近までのゲインを高く設定してあり、その後は、転舵に比例してゲインを下げることにより、操舵を容易にしている。また、ゲインGVは、同図(b)に示すように、低速では、一定にし、その後は走行速度Vに比例して上げている。これは、高速走行時にしっかりとした操舵感を持たせ、安定した走行を得られるようにするためである。なお、同図に符号pで示す領域でのゲインGθ、および、ゲインGVは、上記式3での目標押付け力Fθ+の指令値によって上記減速機構でバックラッシによる歯音等が発生しない程度の押付け力となるように設定する。
このように、この第二実施形態では、上記第一実施形態の構成に加えて、前記ステップS7で、切り増し状態との判定をしたときに、操舵角センサ14で検出された操舵角θに応じて、その操舵角θの変化速度が大きいときには小さいときに比べて押付け力を大きくするようになっている。
これにより、切り増し状態でのステアリングホイール1の操舵角θに応じて、操舵系のフリクションを大きくすることができる。したがって、運転者がステアリングホイールを操舵するときに、より良好な操舵感が得られる。
次に、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第三実施形態について説明する。なお、この第三実施形態は、上述した第二実施形態に対し、下記説明する構成が異なる点を除き、他の構成は同様であるため、異なる点について説明し、同様の構成についてはその説明を適宜省略する。
この第三実施形態では、コントロールユニット10内の演算処理装置での、押付け力調整処理が、図8に示すように、ステップS9をさらに備えて構成されている点が、上記第二実施形態に対し異なっている。
すなわち、ステップS7にて、操舵角速度θ'と操舵トルクNとの積が、正(>0)か否かの判断がなされるが、操舵角速度θ'と操舵トルクNとの積が正でない場合(No)には、運転者の転舵方向と操舵補助モータによるアシスト方向とが逆向きとの判断をして、この例では、ステップS9に移行する。ここで、上記切り戻し状態判定手段には、この例でのステップS7が対応する。
そして、ステップS9では、所定の復元性制御に基づいて押付け力指令値を算出しその出力が加減抵抗器に行なわれて処理を戻す。
この復元性制御は、図9にその制御マップを示すように、操舵角θの変化速度(操舵角速度θ')によって決まるゲインGθ'(同図(a))と走行速度Vによって決まる速度ゲインGV(同図(b))との積によって決定する。すなわち、この復元性制御による目標押付け力Fθ-の指令値は、同ステップでの、下記式4で行われる演算処理に従って算出される。
Fθ-=Fmax×Gθ'×GV (式4)
ここで、上述の復元性制御がなされる状態というのは、ステアリングホイール1がセルフアライニングトルク等により戻ろうとしているのを、運転者が、戻りすぎないようにステアリングホイール1を押さえつけている状態である。そのため、この際のゲインGθ'は、同図(a)に示すように、操舵角θの変化速度(操舵角速度θ')に比例して高めている。また、ゲインGVは、同図(b)に示すように、低速では、一定にし、その後は走行速度Vに比例して上げている。これは、高速走行時のふらつきを抑えるためである。なお、同図に符号qで示す領域でのゲインGθ'、および、ゲインGVは、上記式4での目標押付け力Fθ-の指令値によって上記減速機構でバックラッシによる歯音等が発生しない程度の押付け力となるように設定する。
このように、この第三実施形態では、上記第二実施形態の構成に加えて、前記ステップS7で、切り戻し状態との判定をしたときに、操舵角センサ14で検出された操舵角θの変化速度(操舵角速度θ')に応じて、その操舵角θの変化速度が大きいときには小さいときに比べて押付け力を大きくするようになっている。
これにより、切り戻し状態でのステアリングホイール1の操舵角θの変化速度に応じて、操舵系フリクションを大きくすることができる。したがって、運転者がステアリングホイールを操舵するときに、より良好な操舵感が得られる。
次に、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第四実施形態について説明する。なお、この第四実施形態は、上述した各実施形態に対し、下記説明する構成が異なる点を除き、他の構成は同様であるため、異なる点について説明し、同様の構成についてはその説明を適宜省略する。
この第四実施形態では、上記各実施形態での押付け力調整処理に対し、その算出する押付け力指令値を、アクセル開度に応じて補正する構成を備えている点が異なっている。
すなわち、この第四実施形態では、車両には、アクセル開度を検出するセンサ(不図示)がアクセル開度検出手段として搭載されており、このアクセル開度を検出するセンサによってアクセル開度が検出され、そのアクセル開度の大きさに応じたアクセル開度検出値Aが、コントロールユニット10に供給可能になっている。
そして、この第四実施形態による目標押付け力Faの指令値は、上記各押付け力指令値を算出しているステップに対し、下記式5で行われる演算処理に従って算出される。但し、同式でのFは、上記Fh、Fn、Fθ+、Fθ-のいずれかである。
Fa=F×Ga (式5)
ここで、アクセル開度が大きい場合には、駆動力が操向輪6に加わるため、駆動力の変動が操舵系に伝達され、操舵感が悪くなる。そこで、目標押付け力Faの指令値は、その際の補正ゲインGaを、図10にその制御マップを示すように、アクセル開度検出値Aが所定値より大きいときに、その開度が大きいときには小さいときに比べて補正ゲインGaを大きくするように設定している。
このように、この第四実施形態では、上記各実施形態に対し、車両に、さらにアクセル開度を検出するセンサを搭載しており、そのセンサによって検出されたアクセル開度に応じて、当該アクセル開度が大きいときには小さいときに比べて前記押付け力を大きくするようになっている。
これにより、アクセル開度が大きい場合に、操舵系フリクションを大きくすることによって、操舵系に伝達されるトルク変動を低減することができる。したがって、運転者がステアリングホイールを操舵するときに、より良好な操舵感が得られる。
次に、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第五実施形態について説明する。なお、この第五実施形態は、上述した各実施形態に対し、下記説明する構成が異なる点を除き、他の構成は同様であるため、異なる点について説明し、同様の構成についてはその説明を適宜省略する。
この第五実施形態では、上記各実施形態での押付け力調整処理に対し、その算出する押付け力指令値を、車両の制動力の推定値に応じて補正する構成を備えている点が異なっている。
すなわち、この第五実施形態では、車両には、ブレーキの液圧を検出する液圧センサ(不図示)が搭載されており、この液圧センサからの液圧の情報がコントロールユニット10に供給される。そして、コントロールユニット10内の演算処理装置による第一の所定ステップで行われる個別の演算処理に従って、読み込まれた液圧の変化から車両の制動力を推定可能になっている。そして、この第一の所定ステップで算出された制動力推定値Dに対応する補正ゲインGdが、所定の制御マップ(図11参照)を参照して設定されるようになっている。ここで、上記制動力推定手段には、当該第一の所定ステップが対応する。
そして、この第五実施形態による目標押付け力Fdの指令値は、上記各押付け力指令値を算出しているステップに対し、下記式6で行われる演算処理に従って算出される。但し、同式でのFは、上記Fh、Fn、Fθ+、Fθ-、Faのいずれかである。
Fd=F×Gd (式6)
ここで、制動力が大きい場合には、その制動力が操向輪6に加わるため、制動力の変動が操舵系に伝達され、操舵感が悪くなる。そこで、上記目標押付け力Fdの指令値は、その際の補正ゲインGdを、図11にその制御マップを示すように、制動力推定値Dが所定値より大きいときに、その値が大きいときには小さいときに比べて補正ゲインGdを大きくするように設定している。
このように、この第五実施形態では、上記各実施形態に対し、さらに制動力推定手段を備えており、この制動力推定手段で推定された制動力の推定値Dに応じて、当該制動力の推定値が大きいときには小さいときに比べて前記押付け力を大きくするようになっている。
これにより、制動力が大きい場合に、操舵系フリクションを大きくすることによって、操舵系に伝達されるトルク変動を低減することができる。したがって、運転者がステアリングホイールを操舵するときに、より良好な操舵感が得られる。
次に、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第六実施形態について説明する。なお、この第六実施形態は、上述した各実施形態に対し、下記説明する構成が異なる点を除き、他の構成は同様であるため、異なる点について説明し、同様の構成についてはその説明を適宜省略する。
この第六実施形態では、上記各実施形態での押付け力調整処理に対し、その算出する押付け力指令値を、路面と操向輪との路面摩擦係数の推定値に応じて補正する構成を備えている点が異なっている。
すなわち、この第六実施形態では、車両には、各車輪のスリップ率を検出可能なセンサ(不図示)が搭載されており、このセンサからのスリップ率の情報がコントロールユニット10に供給されるようになっている。
そして、コントロールユニット10内の演算処理装置による所定ステップで行われる個別の演算処理に従って、読み込まれたスリップ率の変化から路面と操向輪との路面摩擦係数を推定可能になっている。そして、この第二の所定ステップで算出された路面摩擦係数推定値μに対応する補正ゲインGμが、所定の制御マップ(図12参照)を参照して設定されるようになっている。ここで、上記路面摩擦係数推定手段には、当該第二の所定ステップが対応する。
そして、この第六実施形態による目標押付け力Fμの指令値は、上記各押付け力指令値を算出しているステップに対し、下記式7で行われる演算処理に従って算出される。但し、同式でのFは、上記Fh、Fn、Fθ+、Fθ-、Fa、Fdのいずれかである。
Fμ=F×Gμ (式7)
ここで、路面摩擦係数が小さい場合には、セルフアライニングトルクが減少するため、車速に応じた押付け力の調整量のままでは操舵系フリクションが大きすぎてしまうことになる。そこで、上記目標押付け力Fμの指令値は、その際の補正ゲインGμを、図12にその制御マップを示すように、路面摩擦係数推定値μが所定値より小さいときに、その推定値が低いときには高いときに比べて補正ゲインGμを小さくするように設定している。
このように、この第六実施形態では、上記各実施形態に対し、さらに路面摩擦係数推定手段を備えており、この路面摩擦係数推定手段で推定された路面摩擦係数の推定値μに応じて、当該路面摩擦係数の推定値μが低いときには高いときに比べて前記押付け力を小さくするようになっている。
これにより、路面摩擦係数が小さい場合に、操舵系フリクションを小さくすることによって、押付け力を小さくして、操舵系フリクションを小さくすることによって、セルフアライニングトルクを回復させることができる。
以上説明したように、本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、自車両の操舵状態および走行時の車両各部の状態に応じて、操舵系フリクション特性や運転者が感じる操舵感を調整して、所望の操舵系フリクションが得られ、運転者が操舵し易いステアリング特性が得られる。
また、走行時の車両各部の状態(車両状態)に応じた操舵系フリクション特性が得られるため、車両の安定性が向上する。
さらに、適切なフリクションが適宜得られるため、電動パワーステアリングの効率的なアシストが可能となる。
さらにまた、組付け時の一意的に決まる操舵系フリクションに左右されることなく、所望する操舵系フリクションを得ることができる。
なお、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記各実施形態では、押付け力調整手段は、ステアリングホイールの操舵状態および走行時の車両各部の状態に応じて、ウォームホイールに対するウォームギヤの押付け力を調整する例で説明したが、これに限定されず、ウォームホイールとウォームギヤとの間に作用する押付け力を調整する構成であれば、同様の作用・効果が得られる。例えば、ウォームギヤに対するウォームホイールの押付け力を調整するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、車両の状態として、ステアリングホイールの操舵状態および走行時の車両各部の状態を、ともに含む構成例で説明したが、これに限定されず、車両の状態として、ステアリングホイールの操舵状態および走行時の車両各部の状態のいずれか一方に応じて、ウォームホイールに対するウォームギヤの押付け力を調整するように構成することもできる。しかし、所望の操舵系フリクションが得られ、運転者が操舵し易いステアリング特性をより好適に得る構成とする上では、上記例示したように、ステアリングホイールの操舵状態および走行時の車両各部の状態とも、それぞれに応じて、上記押付け力を調整するように構成することが好ましい。
また、上記各実施形態では、押付け力調整手段は、アクチュエータとしてソレノイド34を使用した例で説明したが、これに限定されず、押付け力を調整し得るアクチュエータであれば、例えば油圧シリンダ等を用いてもよい。
また、上記各実施形態では、「押付け力」という表現で説明しているが、上述の例では、ソレノイド34のプランジャの位置を比例的に制御しているから、換言すれば、「押付け変位量」で制御しているとも言える。すなわち、本願での、ウォームホイールとウォームギヤとの間に作用する押付け力の調整とは、その押付け力自体および押付け変位量による制御のいずれをも含む意味である。また、いずれかによって制御する構成とすることができる。
また、上記各実施形態では、押付け力調整手段は、ウォームホイールとウォームギヤとの噛合い位置を挟んで対向する一対の軸受それぞれをウォームホイール側に向けて押す構成例で説明したが、これに限定されず、これら軸受のうちいずれか一方を、ウォームホイール側に向けて押すように構成してもよい。しかし、ウォームホイールとウォームギヤとの間に作用する押付け力を好適に調整する構成とする上では、上記各実施形態のように、一対の軸受の両方をウォームホイール側に向けて押すように構成することが好ましい。なお、いずれか一方の軸受のみを押すように構成する場合には、操舵補助モータが連結された側とは反対側の軸受を、ウォームホイール側に向けて押すように構成することが好ましい。
また、上記各実施形態では、種々のゲインが、所定の制御マップ検索からそれぞれ設定される例を説明し、その設定値は、比例して設定値を下げるないしは上げる例で説明したが、線形的な比例関係に限定されず、例えば段階的に設定可能であり、またこれらの組合わせとしてもよい。
また、上記各実施形態では、押付け力調整手段は、ソレノイド34(のプランジャ)が、一対の軸受を円筒コイルばねを介してウォームホイール側に向けて押す構成例で説明したが、これに限定されず、この円筒コイルばねのような付勢手段を介さずに、ソレノイド34で軸受を直接押す構成としてもよい。しかし、バックラッシ等によるラトルノイズの発生をより好適に抑制する上では、上記各実施形態のように、このような付勢手段を介して押す構成とすることが望ましい。また、このような付勢手段も、円筒コイルばねに限定されず、例えば、合成ゴム、合成樹脂あるいは重ね板ばね等、種々の弾性体を適用することができる。
なおまた、上記各実施形態は、上記説明した個別の例に限定されず、本願の効果を奏する構成であれば、相互の構成要素の変更や組合わせを適宜実施可能であることは勿論である。
本発明の電動パワーステアリング装置の第一実施形態を示す全体概略構成図である。 同図(a)は、図1の電動パワーステアリング装置の要部を示す概略構成図であり、そのハウジングを駆動軸の軸線を含む断面で示している。また、同図(b)は同図(a)でのZ−Z断面図である。 図1の電動パワーステアリング装置で行われる押付け力調整処理を示すフローチャートである。 第一実施形態での押付け力調整処理に用いられる制御マップである。 第一実施形態での押付け力調整処理に用いられる制御マップである。 第二実施形態での押付け力調整処理を示すフローチャートである。 第二実施形態での押付け力調整処理に用いられる制御マップである。 第三実施形態での押付け力調整処理を示すフローチャートである。 第三実施形態での押付け力調整処理に用いられる制御マップである。 第四実施形態での押付け力調整処理に用いられる制御マップである。 第五実施形態での押付け力調整処理に用いられる制御マップである。 第六実施形態での押付け力調整処理に用いられる制御マップである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト(操舵軸)
3 ピニオン
4 ラック
6 操向輪
9 駆動軸
10 コントロールユニット
12 操舵トルクセンサ(トルク検出機構)
13 車速センサ(車速検出手段)
14 操舵角センサ(操舵角検出手段)
20 ウォームホイール
30 ウォームギヤ
32 軸受
34 ソレノイド(押圧手段)
36 円筒コイルばね(付勢手段)
38 合成ゴム(弾性体)
40 操舵補助モータ
50 ハウジング

Claims (12)

  1. 自車両の操舵軸上に設けられ、その操舵軸とともに回転するウォームホイールと、該ウォームホイールに噛合うウォームギヤと、該ウォームギヤを駆動する操舵補助モータと、を備えた電動パワーステアリング装置において、
    車両の状態に応じて、前記ウォームホイールと前記ウォームギヤとの間に作用する押付け力を調整する押付け力調整手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記操舵補助モータは、車体に支持されるハウジングに取り付けられ、前記ウォームギヤは、当該操舵補助モータに連結された駆動軸に固定されるとともに、その軸方向両側を前記ウォームホイールと前記ウォームギヤとの噛合い位置を挟んで対向する一対の軸受でそれぞれ支持されてなり、
    前記一対の軸受は、前記ハウジングに対して、前記駆動軸を前記ウォームホイールに近づける方向に移動可能に取り付けられており、
    前記押付け力調整手段は、前記軸受のうち少なくとも一方を、前記駆動軸が前記ウォームホイールに近づく方向に向けて押すようになっていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記押付け力調整手段は、前記少なくとも一方の軸受を、前記押付け力の方向に付勢力を付与する付勢手段を介して押すようになっていることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記押付け力調整手段は、前記軸受のうち前記操舵補助モータが連結された側とは反対側の軸受を、押すようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 自車両のステアリングホイールが中立状態か否かを判定する中立状態判定手段を備え、
    前記押付け力調整手段は、前記中立状態判定手段が中立状態との判定をしたときに、前記押付け力を大きくするようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 自車両のステアリングホイールが一定の角度で保舵されている保舵状態か否かを判定する保舵状態判定手段を備え、
    前記押付け力調整手段は、前記保舵状態判定手段が保舵状態との判定をしたときに、前記押付け力を大きくするようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 自車両のステアリングホイールが切り増し状態か否かを判定する切り増し状態判定手段を備え、
    前記押付け力調整手段は、前記切り増し状態判定手段が切り増し状態との判定をしたときに、前記ステアリングホイールの操舵角に応じて、当該操舵角が大きいときには小さいときに比べて前記押付け力を大きくするようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 自車両のステアリングホイールが切り戻し状態か否かを判定する切り戻し状態判定手段を備え、
    前記押付け力調整手段は、前記切り戻し状態判定手段が切り戻し状態との判定をしたときに、前記ステアリングホイールの操舵角の変化速度に応じて、当該操舵角の変化速度が大きいときには小さいときに比べて前記押付け力を大きくするようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記押付け力調整手段は、車速に応じて、当該車速が大きいときには小さいときに比べて前記押付け力を大きくするようになっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記押付け力調整手段は、アクセル開度に応じて、当該アクセル開度が大きいときには小さいときに比べて前記押付け力を大きくするようになっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  11. 自車両の制動力を推定する制動力推定手段を備え、
    前記押付け力調整手段は、前記制動力推定手段で推定された制動力の推定値に応じて、当該制動力の推定値が大きいときには小さいときに比べて前記押付け力を大きくするようになっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  12. 路面と操向輪との路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段を備え、
    前記押付け力調整手段は、前記路面摩擦係数推定手段で推定された路面摩擦係数の推定値に応じて、当該路面摩擦係数の推定値が低いときには高いときに比べて前記押付け力を小さくするようになっていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
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