JP2003063425A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2003063425A
JP2003063425A JP2001258592A JP2001258592A JP2003063425A JP 2003063425 A JP2003063425 A JP 2003063425A JP 2001258592 A JP2001258592 A JP 2001258592A JP 2001258592 A JP2001258592 A JP 2001258592A JP 2003063425 A JP2003063425 A JP 2003063425A
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JP
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worm
torque
electric power
output shaft
worm wheel
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JP2001258592A
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English (en)
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Toru Segawa
徹 瀬川
Kazuo Chikaraishi
一穂 力石
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電動パワーステアリング装置にお
いて、バックラッシュを予め小さくする、あるいは、無
くすような手段を採ることなく、ラトルノイズの発生を
防止あるいは抑制することを課題とする。 【解決手段】 相対角度検出装置61とトーションバー
4とからなるトルク検出装置60によってトーションバ
ー4の端部間に相対的角度の振動(トルク振動)が生じ
たことが検出されたとき、モータ駆動制御装置62は、
ドライバー63、アクチュエータ70を駆動し、ウォー
ム33をウォームホィール31に向けて偏倚させ、バッ
クラッシュを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車において使
用される電動パワーステアリング装置に関し、ラトルノ
イズを低減させた電動パワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】パワーステアリング装置は、車重の増加
に対応して増加してきた大きな操舵力をアシストし、軽
い力でも運転者が楽に運転することができるようにした
ものである。ウォームギヤ機構は小型で大きな負荷を伝
達できるため、パワーステアリング装置、特に電動パワ
ーステアリング装置における減速機構として非常に多く
採用されている。
【0003】ウォームギヤ機構は、ウォームホィールと
ウォームとからなり、電動パワーステアリング装置にお
けるアシスト用電動機の動力はウォームから与えられ
る。ウォームから入力されたアシスト用電動機の動力は
ウォームホィールに伝達され、運転者が与えた操舵力と
合わさって、車輪の向きを変える力となる。ところが、
通常時、特に直線走行時には、アシストする必要がない
ため、アシストモータは駆動されておらず、ウォームホ
ィールには駆動力がかからない状態にある。特にこのよ
うな状態にあるとき、路面状態によっては、車輪が路面
から受ける力、特に路面状況によって生じる振動的力、
が車輪側から逆のコースを辿ってウォームホィールに伝
達されると、バックラッシュがあることによってウォー
ムホィールとウォームとの前後の歯面が衝突を繰り返す
ような現象が生じる。これは音として認識され、いわゆ
るギヤ打音あるいはラトルノイズといわれる不快な音と
して聞こえる。
【0004】バックラッシュを予め小さくする、あるい
は、無くすことは、このようなラトルノイズをなくす上
では効果があるが、こうすると歯面には常に相応の力が
加わっていることになり、歯面の摩耗を生じさせる。こ
のため、寿命及び製作精度の上から電動パワーステアリ
ング装置ではこのような手段を採ることは難しい。ま
た、バックラッシュが小さすぎると、噛合する歯同士が
競り合いを起こし、作動トルクが重くなってハンドルの
戻りが悪くなってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑み、電動パワーステアリング装置において、バックラ
ッシュを予め小さくする、あるいは、無くすような手段
を採ることなく、ラトルノイズの発生を防止あるいは抑
制することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。すなわち、第1番目の発明の解決手
段は、ハウジングと、上記ハウジングに回転自在に支持
され、操舵軸の回転が伝達される入力軸と、上記ハウジ
ングに回転自在に支持された出力軸と、上記出力軸と一
体的に回転するウォームホィールと、上記ウォームホィ
ールと噛合し、上記ハウジングに回転可能に支持された
ウォームと、上記ウォームを駆動するためのアシストモ
ータと、上記入力軸と上記出力軸とにその両端が固定さ
れたトーションバーと、上記トーションバーの端部の相
対的な回転を検出するための相対角度検出装置と、上記
相対角度検出装置と上記トーションバーとを含み上記入
力軸と上記出力軸との間のトルクを検出するためのトル
ク検出装置と、上記トルク検出装置の検出結果に応じて
上記アシストモータを駆動するためのモータ駆動制御装
置と、を備えた電動パワーステアリング装置において、
この電動パワーステアリング装置は、上記ウォームを上
記ウォームホィールに向けて偏倚させることが可能なア
クチュエータを備えており、上記モータ駆動制御装置
は、上記トルク検出装置によって振動的トルクが検出さ
れたとき、上記ウォームを上記ウォームホィールに向け
て偏倚させるように上記アクチュエータを制御するもの
である。
【0007】第2番目の発明の解決手段は、ハウジング
と、上記ハウジングに回転自在に支持され、操舵軸の回
転が伝達される入力軸と、上記ハウジングに回転自在に
支持された出力軸と、上記出力軸と一体的に回転するウ
ォームホィールと、上記ウォームホィールと噛合し、上
記ハウジングに回転可能に支持されたウォームと、上記
ウォームを駆動するためのアシストモータと、上記入力
軸と上記出力軸とにその両端が固定されたトーションバ
ーと、上記トーションバーの端部の相対的な回転を検出
するための相対角度検出装置と、上記相対角度検出装置
と上記トーションバーとを含み上記入力軸と上記出力軸
との間のトルクを検出するためのトルク検出装置と、上
記トルク検出装置の検出結果に応じて上記アシストモー
タを駆動するためのモータ駆動制御装置と、を備えた電
動パワーステアリング装置において、この電動パワース
テアリング装置は、更に、上記ウォームを支持するため
のウォーム軸受を偏倚可能とするために、ウォーム軸受
の外輪あるいはウォーム軸受が嵌合するカラーとの間に
隙間を持つように、上記ハウジングに穿たれた軸受穴
と、上記ウォームを上記ウォームホィールから離れる方
向に付勢するための付勢手段と、上記ウォームを上記付
勢手段の付勢力に逆らって上記ウォームホィールに向け
て偏倚させることが可能なアクチュエータと、を有し、
上記モータ駆動制御装置は、上記トルク検出装置によっ
て振動的トルクが検出されたとき、上記ウォームを上記
ウォームホィールに向けて偏倚させるように上記アクチ
ュエータを制御するものである。
【0008】第3番目の発明の解決手段は、第1番目又
は第2番目の発明の電動パワーステアリング装置におい
て、上記アクチュエータを特に圧電素子アクチュエータ
としたものである。
【0009】第4番目の発明の解決手段は、第1番目又
は第2番目の発明の電動パワーステアリング装置におい
て、上記アクチュエータを特にソレノイドアクチュエー
タとしたものである。
【0010】第5番目の発明の解決手段は、入力軸と、
出力軸と、上記出力軸と一体的に回転するウォームホィ
ールと、上記ウォームホィールと噛合して回転可能なウ
ォームと、上記ウォームを駆動するためのアシストモー
タと、上記入力軸と上記出力軸との間のトルクを検出す
るためのトルク検出装置と、上記トルク検出装置によっ
て検出されたトルクに応じて上記アシストモータを駆動
制御するためのモータ駆動制御装置とを備えた電動パワ
ーステアリング装置のためのラトルノイズ防止方法であ
って、上記トルク検出装置によって振動的トルクが検出
されたとき、上記ウォームを上記ウォームホィールに向
けて偏倚させるラトルノイズ防止方法である。なお、こ
こで、ラトルノイズ防止の意味は、一旦生じたラトルノ
イズを抑制することも含む。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の電動パ
ワーステアリング装置にかかる実施態様を説明する。図
1は、本発明を説明するための実施形態の一例における
電動パワーステアリング装置1の部分断面図である。ま
た、図2は実施例の制御を説明するためのブロック図で
ある。図1及び図2は2つの実施形態に共通の図面であ
る。
【0012】この電動パワーステアリング装置1の概要
は、下部ハウジング11、上部ハウジング12、出力軸
3、操舵軸2、センサシャフト32、トーションバー
4、ウォームホィール31、ウォーム33、入力軸2
2、ボール23、検出用円筒体24、付勢部材25から
なる。
【0013】操舵軸2は、その一方(図2参照)がステ
アリングホィール(ハンドル)に接続されており、運転
者のハンドル操作によって回転される。操舵軸2の他方
(図1、左側)は自在継手21の一部となっている。自
在継手21の一方は、上部ハウジング12に回転自在に
支持された入力軸22に結合されている。自在継手21
は、操舵軸2の軸線方向が出力軸3の軸線に対して傾斜
可能であり、多少傾斜しても、軸線の傾きの影響があら
われないようにするためのものである。
【0014】出力軸3は、その一方(図1、右側)にお
いてこれに固定されたセンサシャフト32と一体になっ
て下部ハウジング11に回転自在に支持されている。出
力軸3の他方(図1、左側)は車輪の向きを変える機構
(不図示)に連結されている。センサシャフト32に
は、ウォームホィール31が同軸で固定されており、こ
のウォームホィール31はウォーム33と噛合してい
る。上記ウォーム33はアシストモータ331(図2、
他)の軸に結合され、上部ハウジング12に回転自在に
支持されている。
【0015】センサシャフト32の円筒外面には軸方向
を向いた螺旋状のボール溝が形成されており、この溝内
に、入力軸22端に設けられたスリット内に保持された
ボールが嵌合している。検出用円筒体24の内側円筒面
にはボール23が嵌合するためのリング状(螺旋状では
ない)の溝が形成されている。検出用円筒体24とウォ
ームホィール31との間には付勢部材25が圧縮して介
在させられているため、検出用円筒体24は、常に右方
向に付勢されている。入力軸22に保持されたボール2
3は、検出用円筒体24のリング溝とセンサシャフト3
2の螺旋溝の両方に嵌合している。この構造により、セ
ンサシャフト32に対して入力軸22が相対的に回転す
ると、ねじ送り作用を受けて検出用円筒体24が図1で
みて左又は右方向に移動することになる。
【0016】トーションバー4の両端は、それぞれセン
サシャフト32(あるいはこれと一体的な出力軸3)及
び入力軸22に固定されている。今、運転者がハンドル
操作をすると、回転力は操舵軸2から入力軸22、入力
軸22からトーションバー4に伝達され、トーションバ
ー4から出力軸3に伝達される。このときトーションバ
ーにかかるねじりトルクによってトーションバー4がね
じれる。トーションバー4のねじれによって、センサシ
ャフト32と入力軸22との間には相対的な回転が生じ
る。この相対的回転によって、検出用円筒体24が軸方
向に変位する。この変位は不図示の検出器によって検出
される。センサシャフト32、ボール23、検出用円筒
体24及び、上記不図示の検出器によって、入力軸22
と出力軸3の相対的角度を検出する相対角度検出装置6
1が形成される。検出された相対角度はトーションバー
4のねじれ量を検出しており、このねじれ量は入力軸2
2と出力軸3との間に生じているトルクを表している。
トーションバー4と上記相対角度検出装置61はトルク
を検出していることになるので、これによりトルク検出
装置60が構成される。
【0017】トルク検出装置60の検出結果に応じてモ
ータ駆動制御装置(ECU)62がウォーム33に結合
されたアシストモータ331を回転させる。アシストモ
ータ331の回転によって、ウォーム33が回転し、こ
れに噛合するウォームホィール31が回転し、更にこの
回転がセンサシャフト32を介して出力軸3へと伝達さ
れる。アシストモータ331の回転方向は、トーション
バー4のねじれをなくす方向、つまり、操舵軸2の回転
と同じ方向にウォームホィール31を回転させるような
方向である。
【0018】運転者がハンドル操作する力とアシストモ
ータ331からの力が加え合わせられて出力軸3にあら
われるため、運転者は、実際に出力軸3が出す力と比べ
てはるかに軽い力でハンドルを操作することができる。
この形式の電動パワーステアリング装置1は以下に説明
する本発明が適用される一つの例にしか過ぎず、他の形
式の電動パワーステアリング装置にも適用できることは
いうまでもない。なお、上部ハウジング12と下部ハウ
ジング11は電動パワーステアリング装置として組み立
てられたとき一つのハウジングを形成する。
【0019】さて、上記ウォームホィール31にはアシ
ストモータ331からだけ力が加わる訳ではない。車輪
は路面から絶えず力を受ける。すでに説明したように、
通常時、特に直線走行時には、アシストする必要がない
ため、アシストモータ331は駆動されておらず、ウォ
ームホィール31には駆動力がかからない状態にある。
特にこのような状態にあるとき、路面状態によっては、
車輪が路面から受ける力、特に路面状況によって生じる
振動的回転力、が車輪側から逆のコースを辿ってウォー
ムホィール31に伝達されると、バックラッシュがある
ことによってウォームホィール31とウォーム33との
前後の歯面が衝突を繰り返すような現象が生じる。これ
は音として認識され、いわゆるギヤ打音あるいはラトル
ノイズといわれる不快な音として聞こえる。
【0020】上述のように、ラトルノイズは、バックラ
ッシュを原因として生じるから、バックラッシュが生じ
ないようにウォームホィール31とウォーム33との軸
間距離を短くすればよい。しかしながら、この場合、動
力を伝達する歯面同志の接触だけでなく、その反対側の
歯面同志の接触が常に発生することになる。歯面同志の
滑りが特に大きいウォームホィールとウォームとからな
るような伝動装置では負荷のかからない反対側の歯面を
常時接触させるようなやり方は、摩耗量の増加、ひいて
は寿命の低下を招くため現実的には採用できない。ま
た、バックラッシュが小さすぎると、噛合する歯同士が
競り合いを起こし、作動トルクが重くなってハンドルの
戻りが悪くなってしまう。
【0021】本発明では、路面から来た振動的回転力
(振動的トルク)を検出してバックラッシュを無くすよ
うに制御が行われる。図3及び図4は実施例1を説明す
るための電動パワーステアリング装置1の別の断面図で
あり、図3は図1におけるA−A断面図、図4(a)
は、図3におけるB−B断面図であり、(b)は一部拡
大図である。
【0022】上部ハウジング12に取り付けられたアシ
ストモータ331はウォーム軸332に結合されてお
り、このウォーム軸332は2つのウォーム軸受333
によって上部ハウジング12に回転自在に支持されてい
る。ウォーム33を挟んでウォーム軸332に設けられ
た2つのフランジ部とウォーム軸受333内輪の間には
弾性体のスラスト支持部材335が設けられており、ウ
ォームホィール31からウォーム33にかかる衝撃を吸
収するようになっている。
【0023】アシストモータ331と反対側のウォーム
軸受333はカラー334を介して上部ハウジング12
の軸受穴336内に納められている。カラー334は、
上部ハウジング12の穴の内径よりもわずかな量Δだけ
小さい外径を有している。軸受穴336の内側面下方に
は有底のばね穴338が穿たれており、このばね穴33
8には圧縮された付勢部材339が納められている。こ
のため、カラー334は軸受穴336の上方に付勢さ
れ、下側にはΔだけの隙間が形成されている。なお、カ
ラー334を介することなく、ウォーム軸受333の外
輪を適宜の隙間を持って直接軸受穴336内に納めるよ
うにすることも可能である。また、ばね穴338は上部
ハウジング12の外側から軸受穴336に向かって貫通
したものとし、加工を容易にすることができる。この場
合付勢部材339を外側から挿入した後、これを圧縮状
体にして栓をする。
【0024】上部ハウジング12の軸受穴336のばね
穴338とは反対側の面から上方に向かってアクチュエ
ータ穴76が穿たれている。アクチュエータ穴76には
アクチュエータ70が納められる。この例ではアクチュ
エータ70を圧電素子アクチュエータ71としたものが
示されている。リード線73はアクチュエータ70に駆
動用電力を供給する供給線である。圧電素子アクチュエ
ータに圧電素子アクチュエータ71とカラー334の間
にはブッシュ72が介在しており、また、アクチュエー
タ穴76の上部には雌ねじが形成され、この雌ねじにボ
ルト74が調整可能に螺合している。ボルト74はナッ
ト75を締め付けることによってゆるみ止めがされる。
通常、付勢部材339によって、カラー334、ウォー
ム軸受333が上方に押し上げられている。
【0025】モータ駆動制御装置(ECU)62は、ト
ルク検出装置60によって検出されるトーションバー4
のねじれ、すなわちトルクを常時監視しており、ここで
振動的トルク、例えば、数ヘルツから30ヘルツ、と非
振動的トルクとが弁別される。非振動的トルクの検出結
果は、すでに述べたように操舵力をアシストするのに使
用される。
【0026】一方、振動的トルクを検出したときには、
モータ駆動制御装置(ECU)62は、アクチュエータ
70をドライブするドライバー63に駆動信号を送り、
ドライバー63はリード線73を通してアクチュエータ
70を駆動する。アクチュエータ70(圧電素子アクチ
ュエータ71)が駆動されると、圧電素子アクチュエー
タ71が伸張するので、付勢部材339の力に押し勝っ
てカラー334及びウォーム軸受333を下方へ移動、
つまり、偏倚させる。この偏倚に伴い、ウォーム軸33
2は図3で見て反時計回りにわずかに回転する。この回
転によって、ウォームホィール31とウォーム33の軸
間距離が縮まり、バックラッシュが除去され、ラトルノ
イズが防止あるいは抑制される。
【0027】振動的トルクが発生するとき、すなわちラ
トルノイズが発生しようとするときだけ、あるいは発生
しても直ちにバックラッシュの量がゼロにされる。つま
り、ラトルノイズの発生は未然に防止されるか、一旦は
発生したとしても短時間でおさまる。このため、ウォー
ムホィール31とウォーム33の歯面の摩耗を最小限に
押さえることができ、電動パワーステアリング装置1の
寿命、動力性能に実質的影響を与えないようにしてラト
ルノイズを押さえることができる。
【0028】図5及び図6は別の実施例2を説明するた
めの電動パワーステアリング装置1の別の断面図であ
り、図5は図1におけるA−A断面図、図6(a)は、
図5におけるC−C断面図であり、(b)は一部拡大図
である。
【0029】本実施例では、アクチュエータ70として
ソレノイドアクチュエータ81が使用されている。プラ
ンジャーの磁性体部82と非磁性体部83は接合されて
おり、ソレノイドアクチュエータ81のコイル84にリ
ード線73を通じて駆動電力を供給するとプランジャー
の磁性体部82、非磁性体部83が一体となって下方に
押し出され、カラー334を押し下げる。押し下げによ
って生じる電動パワーステアリング装置1の動作、及び
他の構造は実施例1と同様であり実施例1の説明を読み
替えることによって明らかになる。
【0030】この実施例2においても、振動的トルクが
発生するとき、すなわちラトルノイズが発生しようとす
るときだけ、あるいは発生しても直ちにバックラッシュ
の量がゼロにされる。つまり、ラトルノイズの発生は未
然に防止されるか、発生したとしても短時間でおさま
る。このため、ウォームホィール31とウォーム33の
歯面の摩耗を最小限に押さえることができ、電動パワー
ステアリング装置1の寿命、動力性能に実質的影響を与
えないようにしてラトルノイズを押さえることができ
る。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上、実施例を用いて説明し
たように、電動パワーステアリング装置において、バッ
クラッシュを予め小さくする、あるいは、無くすような
手段を採ることなく、ラトルノイズの発生を防止あるい
は抑制することができるという効果を奏する。また、振
動的トルクが発生するとき、すなわちラトルノイズが発
生しようとするときだけ、あるいは発生しても直ちにバ
ックラッシュの量がゼロにされ、これにより、ラトルノ
イズの発生は未然に防止されるか、発生したとしても短
時間でおさまるという効果を奏する。更に、このため、
ウォームホィールとウォームの歯面の摩耗を最小限に押
さえることができ、電動パワーステアリング装置の寿
命、動力性能に実質的影響を与えないようにしてラトル
ノイズを押さえることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための実施形態の一例におけ
る電動パワーステアリング装置1の部分断面図であっ
て、2つの実施形態に共通の図面である。
【図2】実施例の制御を説明するためのブロック図であ
って、2つの実施形態に共通の図面である。
【図3】実施例1を説明するための電動パワーステアリ
ング装置1の別の断面図であり、図1におけるA−A断
面図である。
【図4】実施例1を説明するための電動パワーステアリ
ング装置1の別の断面図であり、(a)は図3における
B−B断面図であり、(b)は一部拡大図である。
【図5】別の実施例2を説明するための電動パワーステ
アリング装置1の別の断面図であって、図1におけるA
−A断面図である。
【図6】別の実施例2を説明するための電動パワーステ
アリング装置1の別の断面図であり、(a)は、図5に
おけるC−C断面図であり、(b)は一部拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 電動パワーステアリング装置 2 操舵軸 3 出力軸 4 トーションバー 11 下部ハウジング 12 上部ハウジング 21 自在継手 22 入力軸 23 ボール 24 検出用円筒体 25、339 付勢部材 31 ウォームホィール 32 センサシャフト 33 ウォーム 60 トルク検出装置 61 相対角度検出装置 62 モータ駆動制御装置(ECU) 63 ドライバー 70 アクチュエータ 71 圧電素子アクチュエータ 72 ブッシュ 73 リード線 74 ボルト 75 ナット 76 アクチュエータ穴 81 ソレノイドアクチュエータ 82 プランジャーの磁性体部 83 プランジャーの非磁性体部 84 コイル 331 アシストモータ 332 ウォーム軸 333 ウォーム軸受 334 カラー 335 スラスト支持部材 336 軸受穴 338 穴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、 上記ハウジングに回転自在に支持され、操舵軸の回転が
    伝達される入力軸と、 上記ハウジングに回転自在に支持された出力軸と、 上記出力軸と一体的に回転するウォームホィールと、 上記ウォームホィールと噛合し、上記ハウジングに回転
    可能に支持されたウォームと、 上記ウォームを駆動するためのアシストモータと、 上記入力軸と上記出力軸とにその両端が固定されたトー
    ションバーと、 上記トーションバーの端部の相対的な回転を検出するた
    めの相対角度検出装置と、 上記相対角度検出装置と上記トーションバーとを含み上
    記入力軸と上記出力軸との間のトルクを検出するための
    トルク検出装置と、 上記トルク検出装置の検出結果に応じて上記アシストモ
    ータを駆動するためのモータ駆動制御装置と、を備えた
    電動パワーステアリング装置において、この電動パワー
    ステアリング装置は、更に、 上記ウォームを上記ウォームホィールに向けて偏倚させ
    ることが可能なアクチュエータを備えており、 上記モータ駆動制御装置は、上記トルク検出装置によっ
    て振動的トルクが検出されたとき、上記ウォームを上記
    ウォームホィールに向けて偏倚させるように上記アクチ
    ュエータを制御することを特徴とする電動パワーステア
    リング装置。
  2. 【請求項2】 ハウジングと、 上記ハウジングに回転自在に支持され、操舵軸の回転が
    伝達される入力軸と、 上記ハウジングに回転自在に支持された出力軸と、 上記出力軸と一体的に回転するウォームホィールと、 上記ウォームホィールと噛合し、上記ハウジングに回転
    可能に支持されたウォームと、 上記ウォームを駆動するためのアシストモータと、 上記入力軸と上記出力軸とにその両端が固定されたトー
    ションバーと、 上記トーションバーの端部の相対的な回転を検出するた
    めの相対角度検出装置と、 上記相対角度検出装置と上記トーションバーとを含み上
    記入力軸と上記出力軸との間のトルクを検出するための
    トルク検出装置と、 上記トルク検出装置の検出結果に応じて上記アシストモ
    ータを駆動するためのモータ駆動制御装置と、を備えた
    電動パワーステアリング装置において、この電動パワー
    ステアリング装置は、更に、 上記ウォームを支持するためのウォーム軸受を偏倚可能
    とするために、ウォーム軸受の外輪あるいはウォーム軸
    受が嵌合するカラーとの間に隙間を持つように、上記ハ
    ウジングに穿たれた軸受穴と、 上記ウォームを上記ウォームホィールから離れる方向に
    付勢するための付勢手段と、 上記ウォームを上記付勢手段の付勢力に逆らって上記ウ
    ォームホィールに向けて偏倚させることが可能なアクチ
    ュエータと、を有し、 上記モータ駆動制御装置は、上記トルク検出装置によっ
    て振動的トルクが検出されたとき、上記ウォームを上記
    ウォームホィールに向けて偏倚させるように上記アクチ
    ュエータを制御することを特徴とする電動パワーステア
    リング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された電動
    パワーステアリング装置において、 上記アクチュエータは圧電素子アクチュエータであるこ
    とを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載された電動
    パワーステアリング装置において、 上記アクチュエータはソレノイドアクチュエータである
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 入力軸と、出力軸と、上記出力軸と一体
    的に回転するウォームホィールと、上記ウォームホィー
    ルと噛合して回転可能なウォームと、上記ウォームを駆
    動するためのアシストモータと、上記入力軸と上記出力
    軸との間のトルクを検出するためのトルク検出装置と、
    上記トルク検出装置によって検出されたトルクに応じて
    上記アシストモータを駆動制御するためのモータ駆動制
    御装置とを備えた電動パワーステアリング装置のための
    ラトルノイズ防止方法であって、 上記トルク検出装置によって振動的トルクが検出された
    とき、上記ウォームを上記ウォームホィールに向けて偏
    倚させることを特徴とする電動パワーステアリング装置
    のためのラトルノイズ防止方法。
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