JP2549141Y2 - 電動式動力舵取装置 - Google Patents

電動式動力舵取装置

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JP2549141Y2
JP2549141Y2 JP1991037760U JP3776091U JP2549141Y2 JP 2549141 Y2 JP2549141 Y2 JP 2549141Y2 JP 1991037760 U JP1991037760 U JP 1991037760U JP 3776091 U JP3776091 U JP 3776091U JP 2549141 Y2 JP2549141 Y2 JP 2549141Y2
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博鐵 園田
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自動車機器株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は電動モータを操舵補助力
発生手段として用いてなる電動式動力舵取装置に関し、
特に電動モータの回転駆動力をステアリングシャフトに
伝達する回転動力伝達系を構成する歯車機構でのギヤ同
士の噛合い時においてバックラッシュ等によって生じる
歯打ち音等の発生や摺動音等のシャフト側への伝達を防
止するようにした電動式動力舵取装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電動モータを操舵補助力発生手段として
用いる電動式の動力舵取装置が、従来からたとえば特開
昭61ー226362号公報等を始めとして種々提案されてい
る。そして、この種の電動式の装置は、従来一般的な油
圧式のものに比べて構成が簡素化され、装置全体の小
型、軽量かつコンパクト化などが図れ、しかも運転者の
舵取り操作や車輛の各種走行条件等に応じて適切かつ確
実な操舵補助力を操舵輪側に伝達制御でき、また操舵必
要時においてのみ駆動するだけでよいため省エネルギ化
も図れる等の利点を奏するものであった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに電動モータを操舵補助力発生手段として採用するに
あたって、モータのステアリング系に対する連結構造や
モータの動作制御を始めとする応答性などの動作性能の
面で種々の問題があり、各部に対してまだまだ改良の余
地が残されている。たとえば上述した電動式動力舵取装
置を構成するうえで問題とされることの一つに、電動モ
ータのモータ軸上のピニオン(小ギヤ)と噛合するステ
アリングシャフト側の被駆動側の大ギヤとの間に生じる
バックラッシュがある。すなわち、このような回転動力
伝達用の歯車機構において、その回転伝達を適切かつ確
実に行うためには、ギヤ間にバックラッシュが当然必要
となるが、この場合においてバックラッシュが必要以上
に大きいと、これらギヤ間での噛合い部にがた付きが生
じ、これにより左、右回転方向に操舵したときに歯打ち
音、がた付き音が生じたり、噛合いによるトルク変動も
生じ易く、回転伝達時に応答不良を生じたりするといっ
た問題を招いてしまうものであった。これは、このよう
なモータ側のピニオンと被駆動側の大ギヤとの間のバッ
クラッシュは、歯車機構各部の寸法誤差やその動きを保
証するために必要となる間隙等によっても大きくなって
しまうことから容易に理解されよう。また、一方におい
て、ステアリングシャフトにおいて入力側の軸に対し舵
取ハンドル側のハンドル軸がユニバーサルジョイント等
で所定の傾きをもって連結されており、操舵時等におい
て生じる軸の曲がりや振れ等によって、上述した入力側
の軸、さらにはこれにトーションバーを介して連結され
ている出力側の軸が揺動動作し、上述したバックラッシ
ュが必要以上に大きくなるという問題もあり、上述した
がた付きは避けられないものであった。そして、このよ
うなバックラッシュが増大し、がた付きが大きくなる
と、その分だけモータが正転、逆転駆動されて回転伝達
を行う際にあたってモータに空転状態が生じ、車輛走行
時に悪路走行、縁石乗り上げ等を生じた場合に、操舵輪
が接地面側から作用力で転舵され、いわゆるキックバッ
クと言われる衝撃回転力が操舵輪側から逆入力として加
わり、ギヤ部同士が衝突することによって歯打ち音等が
生じる等の問題をも招いてしまうものであった。勿論、
上述したバックラッシュを零とすれば、がた付きをなく
し、歯打ち音等をなくすことは可能となるが、これには
厳密な加工精度が必要となるばかりでなく、これらギヤ
部同士の噛合いによる回転伝達を行うことはできなくな
るもので、現実的には不可能であった。このため、本出
願人は、実開平2ー100876号公報などにより、一側面側に
ギヤ部を有するハイポイドギヤ等による大ギヤを、ステ
アリングシャフト上で軸線方向に摺動可能な状態で軸支
し、かつこの大ギヤを、小ギヤとしてのピニオンとの噛
合い方向に付勢するコイルばね、板ばねあるいは波ワッ
シャ等の付勢手段を設け、上述したピニオンに対しての
大ギヤの噛合い部におけるバックラッシュを、非操舵時
においてほとんど零とするように調整し得るようにした
構成を、先に提案している。しかしながら、このような
従来構造では、大ギヤ全体をシャフト上でピニオン側に
付勢しているだけの構成であり、この大ギヤとその側面
のギヤ部の一部に噛合うようにピニオンを配置させてな
る軸違い歯車であるハイポイドギヤにあっては、大ギヤ
がシャフト回りでピニオンとの噛合い部分と非噛合い部
分での軸線方向への作用力の相違によって片寄りを生
じ、大ギヤのシャフトへの軸支部分に加工精度等によっ
て生じる隙間内でいわゆる倒れ現象を生じる虞れがあっ
た。そして、このような倒れ現象が生じると、大ギヤの
軸支部分とシャフトとの間でこじりや引っ掛かり現象を
生じることを避けられず、大ギヤのがた付き、これによ
る歯打ち音の発生、さらにトルク変動、あるいは大ギヤ
とピニオンとのギヤ部の噛み込み等といった問題を招い
てしまうもので、これらの問題点を解決し得る何らかの
対策を講じることが望まれている。また、上述したよう
なハイポイドギヤ等による大ギヤを、ステアリングシャ
フト上で摺動動作自在に設けるにあたっては、該大ギヤ
をスプライン結合またはキー結合等で直接シャフト側に
軸支する構造が従来から一般に採用されており、この場
合に上述した歯車機構での噛合い時やその回転動力伝達
時に、ギヤ噛合い部分で生じる摺動音、打音等が、シャ
フト側に伝達されてしまうのを避けられないもので、こ
のような問題点をも一掃し得るような何らかの配慮も必
要とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本考案に係る電動式動力舵取装置は、ギヤ部を一
側面側に有しステアリングシャフト上に軸支される被駆
動側の大ギヤと、この大ギヤのギヤ部の一部に側方から
噛合い電動モータからの回転駆動力を伝達する小ギヤか
らなる軸違い歯車による回転動力伝達用の歯車機構を備
えてなり、前記大ギヤにおける小ギヤのギヤ部への噛合
い部分に対応する他側面側に、この大ギヤの周方向にお
ける一部分を軸線方向に押圧して小ギヤに対して噛合わ
せる付勢手段を付設するとともに、ステアリングシャフ
ト上にフランジ部材を、回転方向において連結させた状
態で設け、このフランジ部材に対し前記大ギヤを弾性部
材を介して保持させた止めねじによって一体的に設けた
ものである。
【0005】
【作用】本考案によれば、ステアリングシャフト上にフ
ランジ部材を介して回転方向に連結した状態で軸支され
る大ギヤの一側面側のギヤ部において電動モータ側の小
ギヤに対しての噛合い部分のみを、付勢手段により常時
適切な噛合い状態が得られるように直接軸線方向に押圧
して付勢することにより、両ギヤのギヤ部間でのバック
ラッシュを、非操舵時には実質的に零となるようにし、
左、右方向への操舵時においてがた付きによる歯打ち音
等を防止することが可能となる。しかも、これら左、右
いずれの方向への操舵時にあっては、大ギヤが、付勢手
段の弾性支持力にて小ギヤから若干逃げてこれら両ギヤ
の噛合い部において、上述した歯打ち音等が問題となら
ず、所要の噛合い動作が可能となる程度のバックラッシ
ュを確保することも可能で、所要の回転伝達を適切に
える。また、この大ギヤへの小ギヤの噛合いによって生
じる摺動音等のステアリングシャフト側への伝達を、前
記フランジ部材に大ギヤを組付けるための止めねじを保
持する弾性部材の存在によって吸収し得るものである。
【0006】
【実施例】図1および図2は本考案に係る電動式動力舵
取装置の一実施例を示し、これらの図において、まず、
全体を符号1で示す電動式動力舵取装置の概略構成を図
1および図2を用いて簡単に説明すると、2は図示せぬ
舵取ハンドル側に連結される入力軸、3は図示せぬ操舵
輪側に連結されるピニオン3aを有する出力軸としての
ピニオン軸で、これら両軸2,3は圧入等で一体に連設
された状態で同一軸線上に配置され、これらによってス
テアリングシャフトが構成されている。このステアリン
グシャフトを構成する軸2,3は、ピニオン3aと噛合
するラック歯4aを有するラック4と共に、ステアリン
グギヤボディ5,6内に貫通して配設され、舵取操作に
伴なって回転駆動される。なお、7a,7b,7cはこ
れら両軸2,3をボディ6,5内で回転自在に支持する
ボールベアリング等の軸受で、またラック4は、図示せ
ぬタイロッド等と共に操舵輪間を連結する舵取リンク機
構を構成するようになっている。ここで、図中8はステ
アリングボディ6内で入力軸2の回転トルクを検出する
ことで、舵取ハンドル側から伝達される操舵要求を検知
するためのトルクセンサで、本実施例ではたとえば特開
平2-281115号公報などに示されるような磁歪式トルク検
出器を用いた場合を例示している。すなわち、入力軸2
上に高透磁率軟磁性材からなる歪検出層が設けられると
ともに、その周囲を取り囲むようにしてボディ6側に歪
検出層の歪による透磁率変化を検出する検出コイルを設
けてなる構成となっている。そして、この検出コイルで
得られた出力が、操舵補助力発生源である電動モータ1
0の電気制御系に送られるようになっている。しかし、
このようなトルクセンサとしては、たとえばトーション
バーにより二軸を所定角度宛回動可能に連結するととも
に、その相対的な角度変位を非接触型センサ等により検
出するような構造を有するものを用いてもよいことは言
うまでもない。また、図中9はピニオン軸3の軸端側に
臨んで設けられ舵取り操作に応じて操舵輪側に操舵補助
力を与える操舵系での出力側部材であるピニオン軸3先
端側での回転変位にて操舵角度、その角速度を検出する
操舵角速度センサである。
【0007】また、ステアリングシャフト機構部におい
て、本実施例では、舵取ハンドル側の入力軸2に一体に
連結されている操舵輪側のピニオン軸3上に、該ピニオ
ン軸3側の側面が歯面(ギヤ部)11aとされた被伝達
用ギヤとなる大ギヤ11を軸支するとともに、この大ギ
ヤ11を介してピニオン軸3側に操舵補助力を与える電
動モータ10およびそのモータ軸10aから回転伝達を
受けるギヤ軸12を、前記ピニオン軸3に略直交して同
軸上に配置させ、そのギヤ軸12先端に、大ギヤ11と
共に操舵補助力伝達用の歯車機構13となる減速歯車機
構を構成する伝達用ギヤである小ギヤ(ピニオン)12
aを、前記大ギヤ11の歯面11aの一部に側方から噛
み合わせて設け、モータ10からの操舵補助力をピニオ
ン軸3側に伝達可能に構成している。このような構成に
よれば、ステアリングシャフト(2,3)を有するギヤ
ボディ6,7、ピニオン軸3にハイポイドギヤ、傘歯車
等による減速歯車機構を介して直接的に連結される電動
モータ10などを効率よく連結でき、装置全体の小型、
軽量かつコンパクト化が可能となる。特に、本実施例の
ようなハイポイドギヤによれば、軸の食違い分だけ軸線
方向での小型化が可能となる。ここで、本実施例では、
操舵輪側のステアリングシャフトであるピニオン軸3
(出力軸系)に操舵補助力を伝達する電動モータ10か
らの小ギヤ12aおよび大ギヤ11による歯車機構13
の途中に介在されモータ軸10a側とピニオン軸3側へ
の伝達用の小ギヤ12aを有するギヤ軸12側との間で
の回転伝達を選択的に連結、遮断する電磁クラッチ20
を備えている。この電磁クラッチ20は、周知の通りの
構造を有するものであって、そのクラッチロータ21が
モータ軸10a上に設けられるとともに、フィールドコ
ア22により該ロータ21に磁気吸着されるアーマチュ
ア23を前記ギヤ軸12側に設けてなる構造をもち、選
択的にモータ10側の回転をギヤ軸12に伝達するよう
に構成されている。なお、図中24a,24b,24c
はモータ軸10aとこれとインロー結合されているギヤ
軸12を回転自在に軸支する軸受である。また、これら
の電磁クラッチ20やモータ10はそれぞれ周知の構造
を有し、さらに周知の動作を行なうものであり、その詳
細な説明は省略する。
【0008】さて、本考案に係る電動式動力舵取装置1
によれば、ギヤ部11aを一側面側に有しステアリング
シャフト(ピニオン軸3)上に回転方向において連結し
て軸支される被駆動側の大ギヤ11と、この大ギヤ11
のギヤ部11aの一部に側方から噛合い電動モータ10
からの回転駆動力を伝達する小ギヤ12aからなるハイ
ポイドギヤ等の軸違い歯車による回転動力伝達用の歯車
機構13において、前記大ギヤ11における小ギヤ12
aのギヤ部への噛合い部分に対応する他側面側に、この
大ギヤ11の周方向における一部分を小ギヤ12aに対
して常時噛み合わせるように局部的に軸線方向に押圧す
る弾性支持用の付勢手段30を付設するとともに、前記
大ギヤ11を、ピニオン軸3上に回転方向において連結
した状態で軸支させるフランジ部材40に対し弾性筒体
41,41を介して弾性的に保持させた複数本(たとえ
ば3本)の止めねじ42によって連結して一体的に設け
るようにしたところに特徴を有している。
【0009】ここで、本実施例では、上述した大ギヤ1
1とギヤ軸12側の小ギヤ12aとの噛合い部分に、直
接押圧付勢力を与える付勢手段30として、ボディ6の
一部に穿設したねじ孔31に螺合して設けられるプラグ
ホルダ32内に、ボール33を受け部材34にて保持し
た状態で軸線方向に移動可能に支持させ、これをばね3
5にて常時大ギヤ11の小ギヤ12aへの噛合い部分を
背面側から押圧して小ギヤ12aとの噛合い部分にバッ
クラッシュがほとんど零となるように付勢し得る構成を
採用している。なお、図中36はばね35を保持しボデ
ィ6に螺合して設けられることで付勢力を調整可能なホ
ルダ32の外方端側に螺合されたロックナットである。
そして、このような構成によれば、大ギヤ11の一側面
側にギヤ部11aにおいて、電動モータ10側のギヤ軸
12先端側の小ギヤ12aに対しての噛合い部分のみ
を、付勢手段30により常時適切な噛合い状態が得られ
るように直接押圧して付勢し、これによりこれら大ギヤ
11のギヤ部11aと小ギヤ12のギヤ部間でのバック
ラッシュを、非操舵時には実質的に零となるようにし、
左、右方向への操舵時においてがた付きによる歯打ち音
等を防止することが可能で、しかもこれら左、右いずれ
の方向への操舵時にあっては、大ギヤ11が、付勢手段
30の弾性支持力にて小ギヤ12aから若干逃げてこれ
ら両ギヤ11,12aの噛合い部において、上述した歯
打ち音等が問題とならず、所要の噛合い動作が可能とな
る程度のバックラッシュを確保することも可能で、従来
のような倒れ現象等を招くことなく、所要の回転伝達を
適切に行えるものである。ここで、上述した大ギヤ11
の小ギヤ12aへの噛合いは、上述した付勢手段30で
一旦バックラッシュを零とした後、若干緩めてボール3
3の調整逃げ分だけのバックラッシュを確保すること
で、所要の回転伝達を行える状態とし得るものである。
そして、本実施例によれば、上述したような僅かなバッ
クラッシュによる両ギヤ11,12aによる噛合い時の
摺動音や打音によって生じる騒音問題を解決するため
に、大ギヤ11を、ピニオン軸3上に設けたフランジ部
材40を、ピニオン軸3上にキー43にて軸線方向には
摺動可能な状態で設けるとともに、このフランジ部材4
0の周方向において等配した位置に孔部44を形成し、
この孔部44に両側から一対をなす鍔付きの弾性筒体4
1,41を嵌め込んで全体が略つつみ形状を呈するよう
にし、この部分に止めねじ42を差し込んでその先端側
を前記大ギヤ11に連結し、ナット45で固定すること
により、該大ギヤ11を、ピニオン軸3に対して弾性的
に支持するようにしている。なお、このような鍔付き弾
性筒体41,41としては、二つ割り形状に限らず、一
体構造のものを用いてもよいことは言うまでもない。ま
た、大ギヤ11は、通常ピニオン軸3やこの軸上に設け
られるキー43とは径方向において隙間を有し、非常に
大きなトルクが作用したときにのみ、弾性筒体41,4
1を保護するために接触するように構成されている。さ
らに、この実施例では、大ギヤ11が取付け保持される
フランジ部材40を、ピニオン軸3上で軸線方向に摺動
可能に軸支させた場合を示したが、これに限定されず、
軸線方向で固定した状態で設けてもよいものである。す
なわち、弾性筒体41,41の存在によって大ギヤ11
は軸線方向において僅かではあるが、可動可能であり、
これにより所要の機能を得られることは容易に理解され
よう。そして、このような構成によれば、これら両ギヤ
11,12aの噛合い部において、所要の噛合い動作が
可能となる程度のバックラッシュを確保して所要の回転
伝達を行なえるようにした場合に、この大ギヤ11と小
ギヤ12aとの噛合いによって生じる摺動音、打音等の
ステアリングシャフト側(ピニオン軸3)への伝達を、
前記フランジ部材40に大ギヤ11を組付ける止めねじ
42を保持する弾性筒体41,41の存在によって、適
切かつ確実に吸収して遮断し得るもので、従来に比べて
騒音問題を解消し得るという利点がある。ここで、この
ような弾性筒体41,41の弾性支持状態は、止めねじ
42とナット45との間でプリロードをかけることによ
って得られるものである。また、上述した付勢手段30
による付勢力としては、大ギヤ11の噛合い部分のみを
小ギヤ12aに対し直接軸線方向に押圧して付勢するこ
とで、両ギヤ部11a,12a間でのバックラッシュを
実質的に零とするか、あるいは歯打ち音が微少で外部に
聞こえない範囲で接している程度の大きさであって、操
舵時等では大ギヤ11を逃がして所要の噛合い状態を得
られるような弾性支持力を有するように設定するとよ
い。また、大ギヤ11を保持するフランジ部材40のピ
ニオン軸3への軸支部は、回転方向にのみ連結されてお
ればよく、大ギヤ11の揺動変位と径方向への多少の動
きとを許容し得る程度のものでよい。
【0010】なお、本考案は、上述した実施例構造に限
定されず、各部の形状、構造等を必要に応じて適宜変
形、変更することは自由で、種々の変形例が考えられよ
う。たとえば、上述した実施例では、モータ10からの
操舵補助力伝達用の歯車機構13として、ハイポイドギ
ヤを用いた場合を例示したが、本考案はこれに限定され
ず、平歯車を始め、はすば歯車、遊星歯車、傘歯車等に
よる軸違い歯車からなる歯車機構13であってもよいも
ので、種々の変形例が考えられる。また、上述した実施
例では、大ギヤ11を保持するフランジ部材40のステ
アリングシャフトとしてのピニオン軸3上に、キー結合
によって軸線方向に摺動可能に軸支するようにした場合
を示しているが、大ギヤ11を回転方向において連結し
た状態で支持し得る支持構造であればよいもので、従来
から周知の支持構造を採用し得るものである。
【0011】
【考案の効果】以上説明したように本考案に係る電動式
動力舵取装置によれば、ギヤ部を一側面側に有しステア
リングシャフト上に軸支される被駆動側の大ギヤと、そ
のギヤ部の一部に側方から噛合い電動モータからの回転
駆動力を伝達する小ギヤからなる軸違い歯車による回転
動力伝達用歯車機構を備え、大ギヤにおける小ギヤのギ
ヤ部への噛合い部分に対応する他側面側に、この大ギヤ
の周方向における一部分を軸線方向に押圧して小ギヤに
対して噛合わせる付勢手段を付設するとともに、ステア
リングシャフト上に回転方向において連結して設けたフ
ランジ部材に対して大ギヤを、弾性部材を介して保持さ
せる止めねじによって一体的に設けるようにしたので、
簡単かつ安価な構成にもかかわらず、以下に述べる優れ
た効果を奏する。 すなわち、大ギヤの一側面側にギヤ部
を、付勢手段により電動モータ側の小ギヤに対し常時適
切な噛合い状態が得られるように直接押圧して付勢し、
これにより両ギヤのギヤ部間でのバックラッシュを、非
操舵時には実質的に零となるようにし、左、右方向への
操舵時の噛合いやキックバック時において従来生じてい
たがた付きによる歯打ち音等の発生を防止することが可
となる。しかも、これら左、右いずれの方向への操舵
時にあっては、大ギヤが、付勢手段の弾性支持力にて小
ギヤから若干逃げてこれら両ギヤの噛合い部において、
上述した歯打ち音等が問題とならず、所要の噛合い動作
が可能となる程度のバックラッシュを確保することも可
能で、従来のような倒れ現象を招く虞れもなく、所要の
回転伝達を、応答不良等を招くことなく、適切かつ確実
行える。さらに、この大ギヤへの小ギヤの噛合いによ
って生じる摺動音等のステアリングシャフト側への伝達
を、フランジ部材に大ギヤを組付ける止めねじを保持す
る弾性部材の存在によって、適切かつ確実に吸収するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る電動式動力舵取装置の一実施例を
示す要部を拡大した概略側断面図である。
【図2】装置全体の概略構成を説明するための概略断面
図である。
【符号の説明】
1 電動式動力舵取装置 2 スタブ軸(入力軸) 3 ピニオン軸(出力軸) 4 ラック 5 ステアリングギヤボディ 6 ステアリングギヤボディ 10 電動モータ 10a モータ軸 11 大ギヤ(被伝達側歯車) 11a ギヤ部 12 ギヤ軸 12a 小ギヤ(伝達歯車としてのギヤ部を有するピニ
オン) 13 操舵補助力伝達用の歯車機構 30 弾性支持用の付勢手段 33 ボール 34 受け部材 35 ばね 36 調整用部材 40 フランジ部材 41 弾性筒体(弾性部材) 42 止めねじ 43 キー

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギヤ部を一側面に有しステアリングシャ
    フト上に軸支される被駆動側の大ギヤと、この大ギヤの
    ギヤ部の一部に側方から噛合い電動モータからの回転駆
    動力を伝達する小ギヤからなる軸違い歯車による回転動
    力伝達用の歯車機構を備えてなり、 前記大ギヤにおける小ギヤのギヤ部への噛合い部分に対
    応する他側面側に、この大ギヤの周方向における一部分
    軸線方向に押圧して小ギヤに対して噛合わせる付勢手
    段を付設するとともに、 前記ステアリングシャフト上にフランジ部材を、回転方
    向に連結した状態で設け、このフランジ部材に対し前記
    大ギヤを弾性部材を介して保持させた止めねじによって
    一体的に設けたことを特徴とする電動式動力舵取装置。
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