JP4627377B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、特開平11-342856に記載の如く、電動モータをハウジングに固定し、該ハウジングに操舵装置のアシスト軸を支持し、電動モータの回転軸にアシスト軸を接続し、電動モータのトルクを操舵装置に伝えて操舵アシストする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電動パワーステアリング装置では、操舵中にタイヤが縁石に乗り上げる等により、アシスト軸に接続されているトルク伝達ギヤのストロークが急停止せしめられると、電動モータはたとえ給電を停止されても慣性により回転し続けようとして慣性トルクを生じ、この慣性トルクがトルク伝達ギヤの損傷を引き起こし、操舵フィーリングを悪化させる虞がある。
【0004】
本発明の課題は、電動パワーステアリング装置において、電動モータのトルク伝達経路における衝撃力を簡易な構成により安定的に緩和することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電動モータをハウジングに固定し、該ハウジングに操舵装置のアシスト軸を支持し、電動モータの回転軸にアシスト軸を接続してなる電動パワーステアリング装置において、電動モータの回転軸とアシスト軸を接続体の内部に挿入し、接続体の内部で回転軸の端部とアシスト軸の端部をインロー結合してそれらの回転中心を一致させ、接続体の内径部と回転軸の外周の間にリミットトルク以上のトルクでスリップするトルクリミッタを介装し、アシスト軸を接続体の内径部にスプライン結合したものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記アシスト軸をハウジングに支持するに際し、該アシスト軸を軸方向の双方向に弾性支持したものである。
【0008】
【作用】
請求項1の発明によれば下記(a)(d)の作用がある。
(a)タイヤの縁石乗り上げ時等に、トルク伝達ギヤのストロークが急停止せしめられたとき、電動モータへの給電が停止されても電動モータが回転し続けようとすることによる慣性トルクが生ずるが、この慣性トルクをトルクリミッタの滑りにより吸収できる。即ち、電動モータの回転軸からアシスト軸に伝えられるリミットトルク以上の慣性トルクを、回転軸とアシスト軸の間のトルクリミッタの存在により遮断し、結果としてトルク伝達ギヤの損傷を防止し、操舵フィーリングの悪化を回避できる。
【0009】
(b)回転軸とアシスト軸はインロー結合され、両者の回転中心を簡易に安定的に一致させることができるから、両者の回転中心のずれに起因する偏動荷重がトルクリミッタに作用しない。従って、トルクリミッタは、回転トルクのみ作用するものになり、部品の加工組付精度に影響されない簡易な構成により、リミットトルクの安定を維持し、安定した衝撃緩和特性を確保できる。また、トルクリミッタの耐久性を向上できる。
【0010】
(c)電動モータからトルク伝達ギヤに伝えられる衝撃力を低減できるから、トルク伝達ギヤを支持するハウジングの耐久性を向上でき、ハウジングの薄肉化による装置の軽量化を実現できる。
【0011】
(d)回転軸とアシスト軸を接続する接続体の内部にトルクリミッタを介装することにより、トルクリミッタの脱落を防止できる。
【0012】
請求項の発明によれば下記(e)の作用がある。
(e)アシスト軸をハウジングに対し、軸方向の双方向に弾性支持した。従って、電動パワーステアリング装置の反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等に、アシスト軸に過大推力が作用すると、アシスト軸が弾性支持状態下で軸方向に移動でき、結果として、アシスト軸に接続されているトルク伝達ギヤの歯面に生ずる衝撃力を緩和して歯面同士の叩き音を低減し、或いはアシスト軸の慣性推力によるトルク伝達経路の損傷を回避する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は電動パワーステアリング装置を一部破断して示す正面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5はマグネットホルダを示し、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)はC−C線に沿う断面図、図6は図3の回転軸とアシスト軸の接続部を取出して示す断面図、図7は弾性変形具を示す断面図、図8は図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【0014】
電動パワーステアリング装置10は、図1、図2に示す如く、不図示のブラケットにより車体フレーム等に固定されるアルミ合金製のギヤハウジング11(第1〜第3のギヤハウジング11A〜11C)を有する。そして、ステアリングホイールが結合されるステアリング軸12にトーションバー13を介してピニオン軸14を連結し、このピニオン軸14にピニオン15を設け、このピニオン15に噛合うラック16Aを備えたラック軸16を第1ギヤハウジング11Aに左右動可能に支持している。ステアリング軸12とピニオン軸14の間には、操舵トルク検出装置17を設けてある。尚、ステアリング軸12とピニオン軸14は軸受12A、14A、14Bを介してギヤハウジング11に支持される。
【0015】
操舵トルク検出装置17は、図2に示す如く、ステアリング軸12、ピニオン軸14に係合している円筒状のコア17Cを囲む2個の検出コイル17A、17Bを第3ギヤハウジング11Cに設けている。コア17Cは、ピニオン軸14のガイドピン17Dに係合する縦溝17Eを備えて軸方向にのみ移動可能とされるとともに、ステアリング軸12のスライダピン17Fに係合するスパイラル溝17Gを備える。これにより、ステアリングホイールに加えた操舵トルクがステアリング軸12に付与され、トーションバー13の弾性ねじり変形により、ステアリング軸12とピニオン軸14の間に回転方向の相対変位を生ずると、ステアリング軸12とピニオン軸14の回転方向の変位がコア17Cを軸方向に変位させるものとなり、このコア17Cの変位による検出コイル17A、17Bの周辺の磁気的変化に起因する検出コイル17A、17Bのインダクタンスが変化する。即ち、コア17Cがステアリング軸12側へ移動すると、コア17Cが近づく方の検出コイル17Aのインダクタンスが増加し、コア17Cが遠ざかる方の検出コイル17Bのインダクタンスが減少し、このインダクタンスの変化により操舵トルクを検出できる。
【0016】
第1ギヤハウジング11A内でラック軸16の一端を挟んでピニオン15と相対する部分に設けられているシリンダ部18には、図2に示す如く、ラックガイド19が内蔵され、ラックガイド19(ブッシュ19A)はシリンダ部18に被着されるキャップ20により背面支持されるばね21によりラック軸16の側に弾発され、ラック軸16のラック16Aをピニオン15に押し付けるとともに、ラック軸16の一端を摺動自在に支持する。尚、ラック軸16の他端側は軸受22により支持される。また、ラック軸16の中間部には連結ボルト22A、22Bにより左右のタイロッド23A、23Bが連結される。
【0017】
第2ギヤハウジング11Bには、図3に示す如く、電動モータ30のモータケース31が固定され、電動モータ30の回転軸32には接続体80を介してアシスト軸33が結合され、アシスト軸33はボールベアリング等の軸受91、92により第2ギヤハウジング11Bに両端支持されている。そして、アシスト軸33の中間部にウォームギヤ37を一体に備え、このウォームギヤ37に噛合うウォームホイール38をピニオン軸14の中間部に固定してある。電動モータ30の発生トルクは、ウォームギヤ37とウォームホイール38の噛合い、ピニオン15とラック16Aの噛合いを介してラック軸16に操舵アシスト力となって付与され、運転者がステアリング軸12に付与する操舵力をアシストする。
【0018】
ここで、電動モータ30は以下の如くに構成される。
即ち、電動モータ30は、図3に示す如く、鉄等の磁性材料により形成される筒状のヨーク52と、ヨーク52の内周の周方向複数位置にマグネット収容区画53Bを形成する絶縁性樹脂材料により形成された筒状体53Aからなるマグネットホルダ53と、マグネットホルダ53のマグネット収容区画53Bに収容されて位置決め保持されるマグネット54と、マグネットホルダ53に位置決め保持されたマグネット54の内側に圧入される非磁性材料の極薄板により成形されたマグネットカバー55(不図示)とからなる固定子51を有する。
【0019】
また、電動モータ30は、固定子51の内側に挿入されて回転軸32に固定される回転子56を有する。回転子56は、回転軸32の外周に設けられるアマチュアコア57とコンミテータ58とからなる。
【0020】
また、電動モータ30は、図4に示す如く、回転子56のコンミテータ58に接触せしめられるブラシ61と、ブラシ61を位置決め保持するブラシ保持部62Bを形成する絶縁性樹脂材料により形成された短円筒体62Aからなるブラシホルダ62を有する。また、電動モータ30は、ブラシホルダ62に位置決め保持されたブラシ61にピグテールを介して接続端子63Aを接続し、この接続端子63Aを内蔵する絶縁性樹脂材料によりブラシホルダ62と一体形成された給電コネクタ63を有する。
【0021】
電動モータ30は、ブラシ61から回転子56のコンミテータ58を経てアマチュアコア57に給電されると、アマチュアコア57の磁力線が固定子51のマグネット54で発生している磁界を切ることにより、回転子56が回転する。
【0022】
しかるに、電動モータ30は以下の如くの特徴的構成を具備する。
(1)電動モータ30は、ヨーク52を一端開口他端閉塞の円筒体とし、このヨーク52をモータケース31としている。ヨーク52は、ハウジング11Bに固定される一端フランジ部52Aと他端閉塞部52Bを有する。
【0023】
(2)マグネットホルダ53は、図5に示す如く、マグネット収容区画53Bを有する筒状体53Aをなし、筒状体53Aの外周をヨーク52にインロー結合するとともに、ブラシホルダ62の係合部62Cに係合する係合部53Cを筒状体53Aの外周に連続させてその周方向特定位置に凸状形成し、この係合部53Cの外周をハウジング11Bにインロー結合可能としている。
【0024】
(3)ブラシホルダ62は、図4に示す如く、ブラシ保持部62Bを有する短円筒体62Aをなし、短円筒体62Aの内周の周方向複数位置にブラシ保持部62Bを形成し、このブラシ保持部62Bにばね64、ブラシ61を納め、ばね64のばね力によりブラシ61を回転子56のコンミテータ58に押接する。ブラシホルダ62は、短円筒体62Aの外周の一端側をモータケース31を構成するヨーク52にインロー結合するとともに、短円筒体62Aの外周の他端側をハウジング11Bにインロー結合可能としている。
【0025】
尚、ブラシホルダ62は、一端側の周方向特定位置に係合部62Cを凹状形成している。マグネットホルダ53の係合部53Cをブラシホルダ62の係合部62Cに係合させることにより、マグネットホルダ53が位置決めする固定子51のマグネット54に対する、ブラシホルダ62が保持するブラシ61の位相ずれをなくし、電動モータ30の回転性能が正転方向と逆転方向で異なるものになることを回避し、性能の低下を回避する。
【0026】
(4)ブラシホルダ62にはグロメット66が被着されて組付けられる。グロメット66は、ハウジング11Bとモータケース31(ヨーク52)の接続部で、ハウジング11Bのフランジ部67に切欠形成されるコネクタ挿着部68に装填されるコネクタシール部66Aと、ハウジング11Bのフランジ部67に形成されるリング溝部69に装填されるOリング66Bとを一体に備える。ブラシホルダ62は、給電コネクタ63にグロメット66のコネクタシール部66Aを、ブラシホルダ62の短円筒体62Aにグロメット66のOリング66Bを被着されて、ハウジング11Bとモータケース31(ヨーク52)の接続部に液密に組付けられる。
【0027】
(5)上述(2)〜(4)により、電動モータ30はハウジング11Bに以下の如くに固定される。
【0028】
▲1▼ブラシホルダ62にグロメット66を被着する。
▲2▼電動モータ30のモータケース31(ヨーク52)にマグネットホルダ53の筒状体53Aをインロー結合する。続いて、モータケース31(ヨーク52)にブラシホルダ62の短円筒体62Aの一端側をインロー結合する。このとき、ブラシホルダ62の係合部62Cはマグネットホルダ53の係合部53Cに係合せしめられる。
【0029】
▲3▼マグネットホルダ53の係合部53Cをハウジング11Bのインロー結合部65にインロー結合する。同時に、ブラシホルダ62の短円筒体62Aの他端側をハウジング11Bのインロー結合部65にインロー結合する。
【0030】
▲4▼上述▲3▼と同時に、グロメット66のコネクタシール部66Aはハウジング11Bのフランジ部67に切欠形成されているコネクタ挿着部68に封着され、グロメット66のOリング66Bはハウジング11Bのフランジ部67に設けたリング溝部69に装填されて該フランジ部67とヨーク52のフランジ部52Aとの間に封着される。
【0031】
▲5▼電動モータ30のモータケース31(ヨーク52)は、上述▲2▼、▲3▼のマグネットホルダ53を利用したモータケース31(ヨーク52)とハウジング11Bとのインロー結合、ブラシホルダ62を利用したモータケース31(ヨーク52)とハウジング11Bとのインロー結合により、ハウジング11Bに芯出しされた状態で、ボルト70によりヨーク52のフランジ部52Aをハウジング11Bのフランジ部67に締結されて固定される。
【0032】
次に、電動モータ30の回転軸32とアシスト軸33のモータケース31、ハウジング11Bへの支持構造について説明する。
【0033】
(A)アシスト軸33の支持構造(図6)
電動モータ30のアシスト軸33は、図6に示す如く、ハウジング11Bに対し、軸方向の双方向に弾性支持され、電動パワーステアリング装置10の反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等に、アシスト軸33に作用する過大推力を吸収可能とする。
【0034】
具体的には、アシスト軸33は、図6に示す如く、ウォームギヤ37の両側に装填した軸受91と軸受92によりハウジング11Bに両端支持される。軸受91は内輪91Aと外輪91Bと転走体91Cからなるアンギュラ玉軸受等にて構成され、内輪91Aをアシスト軸33に軸方向に相対移動可能となるように隙間嵌めし、外輪91Bをハウジング11Bの段差部93と、ハウジング11Bに係着されるストッパリング94の間に挟持してハウジング11Bに固定される。軸受92は内輪92Aと外輪92Bと転走体92Cからなるアンギュラ玉軸受等にて構成され、内輪92Aをアシスト軸33に軸方向に相対移動可能となるように隙間嵌めし、外輪92Bをハウジング11Bの段差部95に圧入等して固定される。
【0035】
アシスト軸33は、軸受91に対するウォームギヤ37の側に設けたつば状内輪係止部96と該軸受91の内輪91Aの間に弾性変形具97を介装し、かつ軸受92に対するウォームギヤ37の側に設けたつば状内輪係止部98と該軸受92の内輪92Aの間に弾性変形具99を介装してある。弾性変形具97と弾性変形具99は、図7に示す如く、四角断面円環状のゴムからなる弾性体97A、99Aと、弾性体97A、99Aの両側面に焼付きにて結合した平板円板状座金97B、97C、99B、99Cとからなり、アシスト軸33への上述の装填状態下で、弾性体97A、99Aに一定の予圧縮量(一定の衝撃緩和性能)を付与されて組込まれ、結果として、アシスト軸33を軸方向の双方向に弾性支持する。
【0036】
(B)回転軸32の支持構造(図3、図6〜図8)
電動モータ30の回転軸32は、図3、図6に示す如く、一端部をモータケース31(ヨーク52)の他端閉塞部52Bの中心部に設けた軸受71に支持し、他端部を不支持構造とした。
【0037】
具体的には、回転軸32の一端部は、内輪71Aと外輪71Bと転走体71Cからなるアンギュラ玉軸受等にて構成される軸受71によりモータケース31に支持される。そして、回転軸32の他端部とアシスト軸33の一端部を同軸状態として接続体80の内部で接続し、回転軸32の他端部に設けた嵌合軸部(又は嵌合孔部)32Aを、アシスト軸33の一端部に設けた嵌合孔部(又は嵌合軸部)33Aにインロー結合する。
【0038】
更に、回転軸32の嵌合軸部32Aの側傍の嵌合軸部32Bを接続体80の内部に挿入し、接続体80の大内径部80Aと嵌合軸部32Bの外周の間に所定のトルクでスリップするトルクリミッタ81を介装し、アシスト軸33の嵌合孔部33Aの側傍の嵌合軸部33Bを接続体80の小内径部80Bにスプライン(又はセレーション)結合した。トルクリミッタ81は、図8に示す如く、接続体80の大内径部80Aと嵌合軸部32Bの外周の間に圧入等されて径方向に弾発支持されるばね樹脂等の弾性リングからなり、電動パワーステアリング装置10の通常使用されるトルク(リミットトルクより小なるトルク)では、弾性リングの弾発力により接続体80と嵌合軸部32Bを滑りなく結合し続け、他方、タイヤが操舵中に縁石に乗り上げる等により、ラック軸16のストロークが急停止せしめられたときの電動モータ30の慣性トルクがその弾性リングの弾発力を越える衝撃トルク(リミットトルク以上のトルク)に対しては、回転軸32を接続体80に対してスリップさせ、電動モータ30のトルクを接続体80の側に伝達させないように機能する。
【0039】
従って、電動モータ30の回転軸32とアシスト軸33は互いにインロー結合されることにて同軸結合され、結果として回転軸32のアシスト軸33に接続される側の端部はモータケース31に対し軸受を介さない不支持構造とし、アシスト軸33の両端部を前述の軸受91、92を介してハウジング11Bに2点支持し、回転軸32の一端部だけを上述の軸受71によりモータケース31に1点支持するものとした。
【0040】
電動モータ30は、接続体80の大内径部80Aと小内径部80Bの境界の段差部80Cを回転軸32の嵌合軸部32Aと嵌合軸部32Bの境界の段差部32Cに軸方向で衝合させる状態で、接続体80の端面と軸受91の内輪91A(又はアシスト軸33のつば状段差部)の端面との間にOリング状(又は皿ばね状)の弾性体85を介装してある。弾性体85は、回転軸32を軸方向で反アシスト軸33の側に向けて弾発支持し、回転軸32の軸方向のガタをなくし、打音の発生を防止できる。
【0041】
従って、本実施形態によれば以下の作用がある。
▲1▼タイヤの縁石乗り上げ時等に、ラック軸16のストロークが急停止せしめられたとき、電動モータ30への給電が停止されても電動モータ30が回転し続けようとすることによる慣性トルクが生ずるが、この慣性トルクをトルクリミッタ81の滑りにより吸収できる。即ち、電動モータ30の回転軸32からアシスト軸33に伝えられるリミットトルク以上の慣性トルクを、回転軸32とアシスト軸33の間のトルクリミッタ81の存在により遮断し、結果としてウォームギヤ37、ウォームホイール38等の損傷を防止し、操舵フィーリングの悪化を回避できる。
【0042】
▲2▼回転軸32とアシスト軸33はインロー結合され、両者の回転中心を簡易に安定的に一致させることができるから、両者の回転中心のずれに起因する偏動荷重がトルクリミッタ81に作用しない。従って、トルクリミッタ81は、回転トルクのみ作用するものになり、部品の加工組付精度に影響されない簡易な構成により、リミットトルクの安定を維持し、安定した衝撃緩和特性を確保できる。また、トルクリミッタ81の耐久性を向上できる。
【0043】
▲3▼電動モータ30からウォームギヤ37、ウォームホイール38等に伝えられる衝撃力を低減できるから、ウォームギヤ37やウォームホイール38を支持するハウジング11Bの耐久性を向上でき、ハウジング11Bの薄肉化による装置の軽量化を実現できる。
【0044】
▲4▼回転軸32とアシスト軸33を接続する接続体80の内部にトルクリミッタ81を介装することにより、トルクリミッタ81の脱落を防止できる。
【0045】
▲5▼アシスト軸33をハウジングに対し、軸方向の双方向に弾性支持した。従って、電動パワーステアリング装置の反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等に、アシスト軸33に過大推力が作用すると、アシスト軸33が弾性支持状態下で軸方向に移動でき、結果として、アシスト軸33に接続されているトルク伝達ギヤの歯面に生ずる衝撃力を緩和して歯面同士の叩き音を低減し、或いはアシスト軸33の慣性推力によるトルク伝達経路の損傷を回避する。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を図面により記述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電動パワーステアリング装置において、電動モータのトルク伝達経路における衝撃力を簡易な構成により安定的に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は電動パワーステアリング装置を一部破断して示す正面図である。
【図2】 図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】 図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】 図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】 図5はマグネットホルダを示し、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)はC−C線に沿う断面図である。
【図6】 図6は図3の回転軸とアシスト軸の接続部を取出して示す断面図である。
【図7】 図7は弾性変形具を示す断面図である。
【図8】 図8は図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11B ハウジング
30 電動モータ
32 回転軸
32A 嵌合軸部
32B 嵌合軸部
33 アシスト軸
33A 嵌合孔部
33B 嵌合軸部
80 接続体
80A 大内径部
80B 小内径部
81 トルクリミッタ

Claims (2)

  1. 電動モータをハウジングに固定し、該ハウジングに操舵装置のアシスト軸を支持し、電動モータの回転軸にアシスト軸を接続してなる電動パワーステアリング装置において、
    電動モータの回転軸とアシスト軸を接続体の内部に挿入し、接続体の内部で回転軸の端部とアシスト軸の端部をインロー結合してそれらの回転中心を一致させ、
    接続体の内径部と回転軸の外周の間にリミットトルク以上のトルクでスリップするトルクリミッタを介装し、アシスト軸を接続体の内径部にスプライン結合したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記アシスト軸をハウジングに支持するに際し、該アシスト軸を軸方向の双方向に弾性支持した請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
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