JP2004082896A - 電動式舵取装置 - Google Patents

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Shuzo Hiragushi
平櫛 周三
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Abstract

【課題】操舵に応じて駆動されるモータの回転を舵取機構に伝える伝動系に用いられたウォームギヤ減速機に発生する歯打ち音を簡素な構成により効果的に低減する。
【解決手段】ウォーム軸21とこれを支持する玉軸受24,25との嵌合部、及びコラムハウジングHの内部のウォーム室23と玉軸受24,25との嵌合部に、ゴム製の支持環4,4…を径方向に予圧を加えた状態で介装し、ウォームホイール22との噛合部に発生する歯の衝突を支持環4,4…の縦弾性及び横弾性により緩衝して、この衝突に伴って発生する歯打ち音を低減する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵に応じて駆動される電動モータの回転を、ウォームギヤ減速機を介して舵取機構に減速伝動して操舵を行わせる構成とした電動式舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵のために操舵手段(例えば、ステアリングホイール)に加えられる操舵トルクの検出結果に基づいて操舵補助用の電動モータ(以下単にモータという)を駆動し、該モータの回転力を舵取機構に伝えて舵取りを補助する電動パワーステアリング装置の一形式として、ステアリングホイールと舵取機構とを連絡するコラム軸の中途に前記モータの回転を伝達し、該コラム軸の回転を補助するようにしたコラムアシスト形の電動パワーステアリング装置がある。
【0003】
この電動パワーステアリング装置は、コラム軸を回転自在に支持するハウジングの外側に操舵補助用のモータを取り付け、該モータの回転を前記ハウジングの内部に配設された減速機を介してコラム軸に伝達する構成となっている。前記減速機は、小出力のモータにより十分な操舵補助力を得るために必要であり、省スペースにて高減速比が得られる減速機として、前記モータの出力端に連結されたウォーム軸を前記コラム軸の中途に嵌着されたウォームホイールに噛合させてなるウォームギヤ減速機が広く用いられている。
【0004】
前記ウォーム軸の中途部には、外周面に螺旋状をなして周設された一条又は複数条のねじ形の歯を備えるウォームが一体形成されている。このようなウォーム軸は、前記ウォームの両側を軸受により支持してウォームホイールの接線方向に架設されており、前記ウォームの外周の歯をウォームホイールの外周に形成された歯に噛合させてある。操舵補助用のモータは、ウォーム軸の一側においてハウジングの一部を同軸的に拡径してなるモータ座に取付けてあり、ハウジングの内部に突出する出力端をウォーム軸に連結させてある。
【0005】
以上の構成により操舵補助用のモータが駆動された場合、該モータの出力端に連結されたウォーム軸が軸回りに回転し、この回転がウォーム及びウォームホイールによる減速を経てコラム軸に伝達され、更に、舵取機構に伝達されて舵取りが補助される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如く構成されたコラムアシスト形式の電動パワーステアリング装置においては、コラム軸の中途に伝動構成されるモータが車室の内部に位置するため、該モータから前記コラム軸への伝動系の消音が重要な課題となっている。
【0007】
伝動系の消音のためには、前記ウォームギヤ減速機を構成するウォーム及びウォームホイールの噛合音の低減が有効であり、特に、正逆両方向に回転するウォームの回転方向の転換時、又は舵取機構からコラム軸を介して加わる逆入力によるウォームホイールの回転時に、前記ウォームの歯と前記ウォームホイールの歯とが相互に衝突することにより発生する歯打ち音の低減が有効である。このためには、ウォームとウォームホイールとの噛合部におけるバックラッシを適正化する必要がある。
【0008】
しかしながらウォーム及びウォームホイール間のバックラッシは、両者の芯間距離によって定まり、適正なバックラッシを実現するためには、前記ハウジングの異なる位置にて行われるウォーム及びウォームホイールの支持部の加工及び組立てに高い精度が要求されるという問題があり、また、組立て段階において適正なバックラッシの設定がなされている場合であっても、長期に亘る使用の間にウォーム及びウォームホイールの歯部の摩耗が経時的に進行し、バックラッシの増大により噛合音が増すという不具合が発生する。
【0009】
そこで従来においては、例えば、特開平11−43062号公報等に開示されているように、ウォームの両側の軸受によるウォーム軸の支持を弾性的に行わせ、該ウォーム軸を、ウォーム及びウォームホイールの歯の衝突時の作用力により軸方向及び径方向の少なくとも一方に微小変位させて歯打ち音の発生を防止する構成が採用されている。
【0010】
特開平11−43062号公報に開示されたウォーム軸の弾性支持は、前記軸受とウォーム軸及びハウジングとの間に、板ばね、ゴム環等の弾性体を介装することにより実現されている。この構成によれば、高精度でのバックラッシの初期設定を必要とせず、また経時的なバックラッシの変化の影響も軽微に抑えて歯打ち音の発生を効果的に抑制することができる。特に、ゴム環を介装して弾性支持する構成によれば、該ゴム環が発生音の伝播を抑える作用もなし、伝動系の消音を効果的に実現することが可能となる。
【0011】
しかしながら、特開平11−43062号公報に開示された構成においては、ウォーム軸の軸方向及び径方向の変位を抑制し、良好な消音効果を得るためには、軸受の周面及び側面に多くの弾性体を使用する必要があり、部品点数の増加、加工及び組立工数の増加を招来するという問題があった。
【0012】
これらの問題は、コラムアシスト形式以外の電動パワーステアリング装置においても発生し、更に、ステアリングホイール等の操舵手段から機械的に分離された舵取機構を備え、該舵取機構に付設された操舵モータを前記操舵手段の操作に応じて駆動して、該操舵モータの発生力のみにより舵取りを行わせる構成とした電動式舵取装置、所謂、ステアバイワイヤ形式の電動式舵取装置においても発生する。
【0013】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、操舵に応じて駆動されるモータの回転を舵取機構に伝える伝動系に用いられたウォームギヤ減速機に発生する歯打ち音を簡素な構成により効果的に低減することができ、静粛な動作が可能な電動式舵取装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る電動式舵取装置は、操舵に応じて駆動されるモータの回転を、ハウジングの内部に転がり軸受を介して支持されたウォーム軸と該ウォーム軸に噛合するウォームホイールとを備えるウォームギヤ減速機により減速して舵取機構に伝える構成としてある電動式舵取装置において、前記転がり軸受と前記ウォーム軸及びハウジングとの嵌合部の一方又は両方に径方向に予圧を加えて介装されたゴム製の支持環を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、ウォームギヤ減速機を構成するウォーム軸と転がり軸受との嵌合部、及び前記転がり軸受とハウジングとの嵌合部に、径方向に予圧を加えて介装されたゴム製の支持環が、ウォーム軸の径方向及び軸方向の緩衝作用をなし、ウォームホイールとの噛合部に発生する歯打ち音を低減する。
【0016】
また本発明の第2発明に係る電動式舵取装置は、第1発明における支持環が、弾性係数の異なる複数のゴム環を径方向に積層して構成してあることを特徴とする。
【0017】
この発明においては、弾性係数の異なる複数のゴム環を径方向に積層してなる支持環を用い、各ゴム環の弾性係数の組み合わせにより最適な緩衝効果を得て、歯打ち音を一層効果的に低減する。
【0018】
また本発明の第3発明に係る電動式舵取装置は、第1又は第2発明における支持環が、前記転がり軸受と前記ウォーム軸及びハウジングとの嵌合周面の一方又は両方に加硫接着させてあることを特徴とする。
【0019】
この発明においては、転がり軸受との嵌合周面、ウォーム軸及びハウジングとの嵌合周面に支持環を加硫接着して一体化させ、ウォーム軸の軸長方向変位に対する支持環の追従変形を安定して生ぜしめ、軸長方向の緩衝効果を高めて、歯打ち音を一層効果的に低減する。
【0020】
更に本発明の第4発明に係る電動式舵取装置は、第1又は第2発明における支持環の外周面及び内周面に固着され、前記転がり軸受と前記ウォーム軸及びハウジングとの嵌合周面に当接する剛性材料製の当接環を備えることを特徴とする。
【0021】
この発明においては、支持環の内外周に剛性材料製の当接環を固着し、これらの当接環を転がり軸受とウォーム軸及びハウジングとの嵌合周面に当接させ、予圧を加えた状態での支持環の装着を容易化する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る電動式舵取装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【0023】
図示の電動式舵取装置は、コラム軸1を回転自在に支持するコラムハウジングHの外側に操舵補助用のモータMを取り付け、該モータMの回転を前記コラムハウジングHの内部に構成されたウォームギヤ減速機2を介して前記コラム軸1に伝達し、該コラム軸1の下端部(図における左端部)にユニバーサルジョイントUを介して連結された図示しない舵取機構に伝えて、該舵取機構の動作によってなされる操舵を補助するコラムアシスト形の電動パワーステアリング装置として構成されている。
【0024】
コラム軸1の上端部(図における右端部)は、コラムハウジングHの上部に連設された筒形ハウジングH1 の内部に延長され、操舵手段としてのステアリングホイール(図示せず)に連結されており、コラム軸1は、前記ステアリングホイールの回転操作に応じて回転するようになしてある。
【0025】
コラムハウジングH内部のコラム軸1は、トーションバー10を介して同軸上に連結された上部軸11と下部軸12とに分割されており、これらの連結部には、前記ステアリングホイールの操作に応じて両軸11,12に加わる操舵トルクを検出する公知のトルクセンサ3が構成されている。またコラムハウジングHの内部には、下部軸12の囲繞部分を大径に拡径して、前記ウォームギヤ減速機2を収容するギヤ室20が設けてあり、操舵補助用の前記モータMは、後述の如く、ギヤ室20の外周部に接線方向に連設されたウォーム室23の端部に取り付けられている。
【0026】
図2は、図1におけるII−II線によるギヤ室20の横断面図であり、該ギヤ室20の内部において噛合するウォーム軸21及びウォームホイール22が示されている。
【0027】
コラムハウジングHは、ギヤ室20の外周の一か所に連設され、接線方向に延びる円筒形のウォーム室23を備えている。ウォーム軸21は、中途部を拡径して一体形成され、前記ウォームホイール22の外周の環状歯部 22aに噛合せしめられた円筒形のウォーム 21aを備えており、該ウォーム 21aの両側を玉軸受24,25により支え、ウォーム室23の内部に同軸的に支持されている。
【0028】
操舵補助用のモータMは、前記ウォーム室23の一側端部を同軸的に拡径して設けられたモータ座26にフランジ固定されている。このように固定されたモータMの出力軸27は、ウォーム室23の内部に同軸的に突設され、前記ウォーム軸21の同側への延長端に連結されており、前記モータMの正逆両方向の回転がウォーム軸21に伝えられるようになしてある。
【0029】
ウォームギヤ減速機2は、前記モータMからの伝動により回転するウォーム軸21と、下部軸12の中途に嵌着されたウォームホイール22とを備えている。ウォームホイール22は、下部軸12に嵌着された金属製のボス部 22bと、該ボス部 22bの外側にモールド成形された樹脂製の環状歯部 22aとを備えており、このような環状歯部 22aに前記ウォーム軸21の中途に一体形成されたウォーム 21aが噛合させてある。
【0030】
以上の如く構成された電動パワーステアリング装置において、操舵補助用のモータMは、前記トルクセンサ3による操舵トルクの検出結果に基づいて、図示しない制御部から与えられる動作指令に応じて駆動制御される。このモータMの回転は、前記ウォーム軸21及びウォームホイール22の噛合部において所定の減速比にて減速され、該ウォームホイール22が嵌着された下部軸12に伝わり、更に、ユニバーサルジョイントUを介して舵取機構に伝えられて、該舵取機構の動作が補助される。
【0031】
前記トルクセンサ3による検出トルクは、操舵のためのステアリングホイールの回転操作に応じて上部軸11及び下部軸12に伝達されるトルクであり、この検出トルクに基づいて操舵補助用のモータMを駆動制御することにより適正な操舵補助がなされる。なお、操舵トルクの検出結果に基づく前記モータMの制御において、車速、操舵角度、ヨーレート等の走行状態の検出結果に基づく補正を実施することにより、走行状態に適合する補助力特性を実現することが可能である。このような補正の手順については、従来から多くの発明がなされており、これらのうちから適宜の手順を選定すればよい。
【0032】
図1に示す電動パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータMの回転を舵取機構に連なるコラム軸1に伝動するウォームギヤ減速機2において、ウォームホイール22の環状歯部 22aとウォーム 21aとの噛合部に発生する歯打ち音の発生を抑えるべく、以下に示す特徴的な構成を備えている。
【0033】
この歯打ち音は、前述の如く、操舵補助用のモータMからの伝動により正逆両方向に回転するウォーム軸21の回転方向の転換時に、ウォーム 21aの歯がウォームホイール22の環状歯部 22aに衝突することによって発生し、また、舵取機構からコラム軸1を介して加わる逆入力によりウォームホイール22が回転し、該ウォームホイール22の環状歯部 22aがウォーム 21aの歯に衝突することによっても発生する。
【0034】
前述の如くウォームホイール22の環状歯部 22aを樹脂製としてあるのは、以上の如く発生する歯打ち音を低減するためであるが、本発明においては、前記歯打ち音の一層の低減を図り、また発生した歯打ち音の伝播を抑制すべく、以下の如きウォーム軸21の支持構造を採用している。
【0035】
図3は、ウォーム軸21の一側(先端側)の支持部近傍の拡大断面図である。図示の如くウォーム軸21の先端側の支持は、同側の玉軸受24の外輪とウォーム室23の内周面との間にゴム製の支持環4を介装し、また前記玉軸受24の内輪とウォーム軸21の先端部の外周面との間にも同様の支持環4を介装して、転がり軸受としての前記玉軸受24を内外の支持環4,4により弾性支持してなされている。なお同様の支持環4,4は、図2に示す如く、ウォーム軸21の他側を支持する軸受25の内外輪と、ウォーム室23の内周面及びウォーム軸21の外周面との間にも介装されている。
【0036】
図4は、支持環4,4の介装手順の説明図である。図示の如く玉軸受24は、ウォーム室23の対応部位の内径よりも小さい外径と、ウォーム軸21の先端部の外径よりも大きい内径とを有しており、図示の如く、ウォーム室23と該ウォーム室23の軸心部に支持されるウォーム軸21との間に、両者間に略等しい幅の環状の隙間を有して位置決めされており、これらの隙間に支持環4,4が介装される。
【0037】
図4には、介装前の支持環4,4が示されており、これらの支持環4,4は、夫々が介装される隙間よりも十分に大きい厚さを有する円環である。このような支持環4,4は、図中に矢符により示す如く、内外面に径方向の圧力を加えて厚さを減じ、この厚さを保って夫々の隙間に挿入され、前記圧力を解放して図3に示す如く介装される。なおこの介装は、例えば、支持環4を減厚下にて保持する治具を用い、該治具を対応する隙間に挿入した後、支持環4を押し出しつつ前記隙間から前記治具を引き出す手順により行わせ得る。
【0038】
このように介装された支持環4,4は、玉軸受24(又は玉軸受25)の内外面とウォーム室23の内周面及びウォーム軸21の外周面とに夫々の弾性復元力により弾接し、径方向に予圧を加えられた状態にある。このように支持されたウォーム軸21は、前記支持環4,4の弾性変形を伴って微小変位することができ、この変位によりウォームホイール22との噛合部において発生する歯の衝突が緩衝され、この衝突に伴って発生する歯打ち音を低減することができる。
【0039】
このとき前述した予圧下にある支持環4,4は、夫々が弾接する玉軸受24(又は玉軸受25)の内外面とウォーム室23の内周面及びウォーム軸21の外周面と一体化された状態にあることから、ウォーム軸21の径方向に種々の向きに発生する変位に対して厚さ方向の縦弾性により抵抗し、有効な緩衝作用をなすことができる上、ウォーム軸21の軸長方向変位に対しても幅方向の横弾性により抵抗し、所定の緩衝作用をなすことができ、前記噛合部において発生する歯打ち音を大幅に低減することが可能となる。
【0040】
また、ゴム製の支持環4,4は、発生した歯打ち音の伝播を抑制する作用をなすから、わずかに発生する歯打ち音が運転者に聴取されることもなく、静粛な動作が可能となる。
【0041】
このような効果は、前記噛合部における高精度でのバックラッシの初期設定を厳密に必要とせずに得られる上、経時的なバックラッシの変化の如何に拘らず維持されるから、ウォーム軸21及びウォームホイール22の支持部の加工及び組立てに多くの工数を要することもない。
【0042】
また前記支持環4,4は、玉軸受24(又は玉軸受25)の内外面とウォーム室23の内周面及びウォーム軸21の外周面との間に介装せしめた後、夫々の介装面に対して加硫接着を実施し、強固に一体化させることが可能である。このようにした場合、特に、前記横弾性による抵抗が強化され、ウォーム軸21の軸長方向変位に対する緩衝効果を高めることができ、歯打ち音の一層の低減を図ることが可能となる。
【0043】
図5は、本発明に係る電動式舵取装置の第2の実施の形態を示すウォーム軸21の一側(先端側)の支持部近傍の拡大断面図である。本図においても、図3におけると同様、ウォーム軸21の先端部を支持する玉軸受24と、ウォーム室23の内周面及びウォーム軸21の外周面との間の隙間に、予圧を加えて支持環5,5を介装し、転がり軸受としての玉軸受24を内外の支持環5,5により弾性的に支持する構成としてある。
【0044】
この実施の形態において前記支持環5は、内環5aと外環5bとを径方向に積層して構成されている。内環5aと外環5bとは、弾性係数の異なるゴム材料からなり、これらは、境界面での接着、同時押し出し等の手段により一体化されている。このような支持環5は、前記支持環4と同様に、径方向に圧力を加え、厚さを減じた状態で夫々の隙間に挿入され、前記圧力の解放により対応面に弾接させる手順により介装されている。
【0045】
このように介装された支持環5,5は、夫々の縦弾性及び横弾性による緩衝下にてウォーム軸21の径方向変位及び軸長方向変位を許容し、ウォームホイール22との噛合部に発生する歯打ち音を低減せしめる作用をなす。ここで、支持環5,5は、弾性係数の異なる内環5a及び外環5bの積層構造を有しており、これら内環5a及び外環5bの組み合わせにより良好な緩衝効果を得ることができ、前記噛合部に発生する歯打ち音を一層低減することが可能となる。
【0046】
また前記支持環5,5の内外周面は、前記支持環4,4におけると同様に、夫々の介装面に対して加硫接着することができ、これにより横弾性を強化し、ウォーム軸21の軸長方向変位に対する緩衝効果を高めて、歯打ち音の一層の低減を図ることが可能となる。なお支持環5,5は、前述した内環5a及び外環5bの2層構造に限らず、弾性係数の異なるゴム環を3層以上に積層した構成としてもよい。
【0047】
図6は、本発明に係る電動式舵取装置の第3の実施の形態を示すウォーム軸21の一側(先端側)の支持部近傍の拡大断面図である。本図においても、図3及び図5におけると同様、ウォーム軸21の先端部を支持する玉軸受24と、ウォーム室23の内周面及びウォーム軸21の外周面との間の隙間に、予圧を加えて支持環6,6を介装し、転がり軸受としての玉軸受24を内外の支持環6,6により弾性的に支持する構成としてある。
【0048】
この実施の形態において前記支持環6は、その内外周面に一体化された当接環6a,6bを備えている。これらの当接環6a,6bは、金属等の剛性材料からなる薄肉の環体であり、前記支持環6の内外周面への加硫接着により一体化されている。このような支持環6は、前記支持環4又は支持環5と同様に、径方向に圧力を加え、厚さを減じた状態で夫々の隙間に挿入し、前記圧力の解放により対応面に内外の当接環6a,6bを介して弾接させる手順により、支持環6に所定の予圧を加えた状態で介装されている。
【0049】
このように介装された支持環6,6は、予圧下での夫々の縦弾性及び横弾性によりウォーム軸21の径方向変位及び軸長方向変位を許容し、ウォームホイール22との噛合部に発生する歯打ち音を低減せしめることができる。支持環6の内外の当接環6a,6bは、前述した介装手順中、前記圧力の付加時に支持環6の形状を保つ保形作用、及び前記隙間への挿入をガイドする作用をなし、組み付けを容易化することができる。
【0050】
このような当接環6a,6bを備える支持環6においても、前記支持環5と同様、弾性係数の異なる複数のゴム環を径方向に積層した構成とし、歯打ち音の低減効果を高めることが可能である。また、支持環6を玉軸受24(又は玉軸受25)の内外面とウォーム室23の内周面及びウォーム軸21の外周面との間に介装せしめた後、当接環6a,6bと夫々の当接面とを、接着、溶接等の接合手段により接合し、強固に一体化させることが可能である。このようにした場合、特に、前記横弾性による抵抗が強化され、ウォーム軸21の軸長方向変位に対する緩衝効果が高められ、歯打ち音の一層の低減を図ることができる。
【0051】
なお以上の実施の形態においては、ウォーム軸21を支持する玉軸受24,25の内外両方に支持環4、5又は6を介装する構成としてあるが、玉軸受24,25の内側又は外側にのみ支持環4、5又は6を介装するようにしてもよい。また以上の実施の形態においては、ウォーム軸21を支持する軸受として玉軸受24,25を用いているが、本発明は、円筒コロ軸受、円錐コロ軸受等の他の転がり軸受を用いた場合にも有用であることは言うまでもない。
【0052】
また、以上の実施の形態において、支持環4、5又は6の変形に伴うウォーム軸21の変位量を制限する構造を付加することが可能であり、これにより前記支持環4、5又は6の耐久性を高め、信頼性の向上を図ることができる。前記変位量を制限する構造は、例えば、玉軸受24,25の支持部の近傍のハウジングHの一部に、ウォーム軸21の外周面に所定の隙間を介して対向するストッパ環を設け、該ストッパ環との当接によりウォーム軸21の変位量を制限する構成により実現することができる。
【0053】
更に以上の実施の形態においては、コラムアシスト形の電動パワーステアリング装置への適用例について述べたが、本発明は、他の形式の電動パワーステアリング装置においても、操舵補助用のモータから舵取機構への伝動系の中途にウォームギヤ減速機を備える場合に適用可能である。また、ステアリングホイールから機械的に分離された舵取機構を備え、該舵取機構に付設された操舵モータを前記操舵手段の操作に応じて駆動して、該操舵モータの発生力のみにより舵取りを行わせる構成とした電動式舵取装置、所謂、ステアバイワイヤ形式の電動式舵取装置においても、前記操舵モータから舵取機構への伝動系の中途にウォームギヤ減速機を備える場合に適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る電動式舵取装置においては、モータの回転を舵取装置に伝達するウォームギヤ減速機のウォーム軸をハウジング内に支持する転がり軸受の内外に予圧を加えてゴム製の支持環を介装した簡素な構成により、この支持環による緩衝下にてウォーム軸が径方向及び軸長方向に変位し、ウォームホイールとの噛合部における歯打ち音の発生を効果的に抑制され、静粛な動作が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動式舵取装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II線によるギヤ室の横断面図である。
【図3】ウォーム軸の一側の支持部近傍の拡大断面図である。
【図4】支持環の介装手順の説明図である。
【図5】本発明に係る電動式舵取装置の第2の実施の形態を示すウォーム軸の一側の支持部近傍の拡大断面図である。
【図6】本発明に係る電動式舵取装置の第2の実施の形態を示すウォーム軸の一側の支持部近傍の拡大断面図である。
【符号の説明】
1  コラム軸
2  ウォームギヤ減速機
3  トルクセンサ
4  支持環
5  支持環
5a  内環(ゴム環)
5b  外環(ゴム環)
6  支持環
6a  当接環
6b  当接環
20  ギヤ室
21  ウォーム軸
22  ウォームホイール
23  ウォーム室
24  玉軸受(転がり軸受)
25  玉軸受(転がり軸受)
H  コラムハウジング
M  モータ

Claims (4)

  1. 操舵に応じて駆動されるモータの回転を、ハウジングの内部に転がり軸受を介して支持されたウォーム軸と該ウォーム軸に噛合するウォームホイールとを備えるウォームギヤ減速機により減速して舵取機構に伝える構成としてある電動式舵取装置において、
    前記転がり軸受と前記ウォーム軸及びハウジングとの嵌合部の一方又は両方に径方向に予圧を加えて介装されたゴム製の支持環を備えることを特徴とする電動式舵取装置。
  2. 前記支持環は、弾性係数の異なる複数のゴム環を径方向に積層して構成してある請求項1記載の電動式舵取装置。
  3. 前記支持環は、前記転がり軸受と前記ウォーム軸及びハウジングとの嵌合周面の一方又は両方に加硫接着させてある請求項1又は請求項2記載の電動式舵取装置。
  4. 前記支持環の外周面及び内周面に固着され、前記転がり軸受と前記ウォーム軸及びハウジングとの嵌合周面に当接する剛性材料製の当接環を備える請求項1又は請求項2記載の電動式舵取装置。
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