JP2012071820A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォームとウォームホイールの回転中心間距離が短くなるように付勢手段を用いてウォームを備えるウォームシャフトを押圧する構造において、ウォームとウォームホイールの耐久性を向上できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】電動パワーステアリング装置はウォーム減速機を備える。ウォーム3は反モータ側でウォームホイール4に向かって付勢される。ウォーム3はモータ1側で軸受6により支持される。ウォーム3と軸受6の間には弾性体11bを含む移動抑制体11が配置される。前記移動抑制体11は前記軸受6に対する前記ウォーム3の半径方向、軸方向の移動を許容し、かつ過大な移動量を制限している。
【選択図】図1
【解決手段】電動パワーステアリング装置はウォーム減速機を備える。ウォーム3は反モータ側でウォームホイール4に向かって付勢される。ウォーム3はモータ1側で軸受6により支持される。ウォーム3と軸受6の間には弾性体11bを含む移動抑制体11が配置される。前記移動抑制体11は前記軸受6に対する前記ウォーム3の半径方向、軸方向の移動を許容し、かつ過大な移動量を制限している。
【選択図】図1
Description
本発明は、操舵捕助力の発生源としてモータを用いてなる電動パワーステアリング装置に関する。
車両用の電動パワースステアリング装置は、操舵補助用のモータ及び該モータの回転力を舵取手段に伝える減速歯車機構を備えており、操舵手段の回転に応じた舵取手段の動作を前記モータの回転により、補助し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように構成されている。
減速歯車機構は前記モータの回転に連動するウォームと、該ウォームに噛合いするウォームホイールとを備えている。
このように減速歯車機構が用いられた電動パワーステアリング装置にあっては、ウォーム及びウォームホイールの噛合い部のバックラッシ量を少なくし、転舵時のバックラッシによる歯打ち音をなくするため、ウォーム、ウォームホイールの回転中心間距離が許容範囲となるようにウォーム、ウォームホイール、軸受、ハウジング等が選択され組み立てられているがこの組み立てに多くの時間を要することになる。そのため、ウォームとウォームホイールの各回転中心距離が許容範囲内(回転中心間距離が短くなるよう)になるように調整する調整機構を組み込んだ構造が使用されている。(特許文献1)
このように減速歯車機構が用いられた電動パワーステアリング装置にあっては、ウォーム及びウォームホイールの噛合い部のバックラッシ量を少なくし、転舵時のバックラッシによる歯打ち音をなくするため、ウォーム、ウォームホイールの回転中心間距離が許容範囲となるようにウォーム、ウォームホイール、軸受、ハウジング等が選択され組み立てられているがこの組み立てに多くの時間を要することになる。そのため、ウォームとウォームホイールの各回転中心距離が許容範囲内(回転中心間距離が短くなるよう)になるように調整する調整機構を組み込んだ構造が使用されている。(特許文献1)
調整機構としてはウォームのモータ側軸受にある程度の内部すきまを設けて可動中心として、反モータ側軸受をばねでウォームホイール側へ押さえつけている。ウォームを可動させるには、モータ側軸受にある程度の内部すきまを設ける必要があり、そのすきまが小さすぎると剛性が高くなって反モータ側軸受のばね荷重に打ち勝ってしまいウォームが稼動しなくなる。またすきまが大きすぎると軸受内部の音が発生してしまう。従って、モータ側軸受の内部すきまは、非常に厳しい寸法管理のもとで生産されている。
ところが、以上のように調整機構を用いてバックラッシ量を少なくするように構成された従来の電動パワーステアリング装置にあっては、軽量化や小型化による使用条件の過酷化や、大型車での実用では荷重が大きくなるために、操舵の都度、調整機構にラジアル方向へ大きな荷重及び回転トルクが加わることになるため、ウォームホイール歯面におけるへたりや摩耗等の劣化が生じ易くなる課題がある。また、この押し付けによる予圧荷重の増加設定が必要となるがこの自由度が比較的低かった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的はバックラッシ量を少なくするために、ウォームとウォームホイールの回転中心間距離が短くなるように付勢手段を用いてウォームを押圧する構造において、ウォームとウォームホイールの耐久性を向上できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的はバックラッシ量を少なくするために、ウォームとウォームホイールの回転中心間距離が短くなるように付勢手段を用いてウォームを押圧する構造において、ウォームとウォームホイールの耐久性を向上できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータの出力軸に連動連結されるウォームと、前記ウォームを回転自在に支持する転がり軸受と、前記ウォームに噛合し、舵取り装置に繋がるウォームホイールと、前記ウォームの反モータ側を前記ウォームホイールに向けて付勢する付勢部材と、前記転がり軸受の内周面と前記ウォームとの間に配置される移動抑制体とを備え、前記移動抑制体は弾性体を含み、前記転がり軸受に対する前記ウォームの半径方向と軸方向の移動を許容しかつ過大な移動量を制限していることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
即ち、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置によれば、前記ウォームと前記ウォームホイールの歯面同士が当接したときには、前記移動抑制体の前記弾性体を変形させることにより、前記ウォームを軸線方向及び半径方向の少なくとも一方の方向に移動させるようになっているので、大きなバックラッシにも対応が出来ると共に、弾性体が車輪から伝達される振動に対しても、また、モータから伝達される振動に対しても歯面同士の衝突を緩和できる。また、それにより歯面の叩き音を減少させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記移動抑制体は、金属製の内側円環と、金属製の外側円環とを備え、前記弾性体を前記内側円環の外周面と前記外側円環の内周面との間に一体的に設けたことを要旨としている。即ち、弾性体は内側円環と外側円環と間に一体的に設けられているため、転がり軸受にかかる荷重に対して強度を有しており、転がり軸受へ精度良く組み付けやすくまた、軸方向のずれやはみ出しをおこしにくく長期に性能を維持できる。
請求項3に記載の発明は、前記弾性体の外周面と、前記外側円環の前記弾性体と接する内周面との間に係合部を設けたことを要旨としている。即ち、転がり軸受へ過大な荷重がかかったときに、弾性体が極端な変形をおこさないため、弾性体や転がり軸受の破損を発生しにくい。
これらの発明により、ウォームとウォームホイールの回転中心間距離が短くなるように付勢手段を用いてウォームを押圧する構造において、ウォームとウォームホイールの耐久性を向上できる。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る電動パワーステアリング装置の減速歯車機構部分の構成を示す拡大断面図、図2は電動パワーステアリング装置の全体構成を示す断面図である。
図1は本発明に係る電動パワーステアリング装置の減速歯車機構部分の構成を示す拡大断面図、図2は電動パワーステアリング装置の全体構成を示す断面図である。
電動パワーステアリング装置は、操舵補助用のモータ1と、該モータ1の出力軸1aに軸継ぎ手2を介して結合されるウォーム3及び該ウォーム3に噛合するウォームホイール4を有する減速歯車機構Aと、該減速歯車機構Aに繋がる舵取手段5とを備えている。
この舵取装置5は、第1の操舵軸51とトーションバー52と第2の操舵軸53とを備える。第1の操舵軸51は、その一端部が舵取りのための操舵手段Bに繋がり、他端部が筒部51aに連結されている。トーションバー52は、筒部51a内に挿入され、その一端部が第1の操舵軸51に、他端部が第2の操舵軸53にそれぞれ連結されている。トーションバー52は操舵手段Bに加わる操舵トルクの作用によって捩れる。第2の操舵軸53がユニーバーサルジョイントを介して例えばラックアンドピニオン式の舵取り機構(不図示)に繋がる。
減速歯車機構Aのウォーム3は両端に軸部3a,3bを備える。軸部3aは転がり軸受6を介して例えばアルミニウム製のハウジングからなる支持部材7に、回転自在に支持された状態でモータ1の出力軸1aに結合されている。軸部3bは転がり軸受8を介して支持部材7に支持されている。軸部3aには転がり軸受6の内輪6aが移動抑制体11を介して設けられ、軸部3bには転がり軸受8の内輪、8aが設けられている。ウォームホイール4は合成樹脂製の環状歯体41と、該環状歯体41の内側に結合された金属製の芯部材42を備える。この芯部材42は第2の操舵軸53の途中に嵌合固定されている。
支持部材7は第1収容部7aと、第2収容部7bとを備える。第1収容部7aはウォーム3を収容し、該ウォーム3の軸部3a,3bを、転がり軸受6,8を介して回転自在に支持する。第2収容部7bはウォームホイール4を収容し、該ウォームホイール4を第2の操舵軸53及び該第2の操舵軸53に嵌合された2つの転がり軸受9,10を介して支持する。
第1収容部7aはウォーム3の軸長方向に長くなっており、その長手方向一端部には転がり軸受6を遊嵌合により支持する支持孔71と該支持孔71に連なる環状溝72とモータ取付部73とが設けられている。環状溝72に転がり軸受6の外輪6bに接触して転がり軸受6の軸長方向への移動を制限するための止め輪14が嵌合されている。
軸部3aを支持する転がり軸受6は内輪6a、外輪6bと、該内輪6a及び外輪6b間に介在された複数の転動体6cとを備える。
図3は図1のI―I線の拡大断面図、図4は湾曲板ばねの構成を示す斜視図である。第1収容部7aの他端部には、第2の転がり軸受8及び該転がり軸受8に外嵌される湾曲板ばね12を支持する支持孔74が設けられている。この支持孔74は中心に対してウォーム3及びウォームホイール4の回転中心間距離H(図1参照)が長くなる第1内周面74aの半径寸法を回転中心間距離Hが短くなる第2内周面74bの半径寸法よりも大きい長円形の孔としている。さらに、第1内周面74a周面の周方向中央部には湾曲板ばね12の端部12a,12bを収容する凹所74cが設けられている。
これにより、第1内周面74aと転がり軸受8との間に湾曲板ばね12は撓ませられることができる。これにより、転がり軸受8を回転中心間距離Hが短くなる方向へ移動させることが可能となる。
これにより、第1内周面74aと転がり軸受8との間に湾曲板ばね12は撓ませられることができる。これにより、転がり軸受8を回転中心間距離Hが短くなる方向へ移動させることが可能となる。
湾曲板ばね12はその長手方向の途中が転がり軸受8の外周面に沿ってほぼ円形に湾曲し、転がり軸受8の周長よりも長い帯形のばね鋼からなる。端部12aは幅方向中央部に切欠凹部12cを備える。他方の端部12bは幅方向両側に切欠凹部12d,12dを備える。各切欠凹部12c,12dに相手側の端部12a又は12bを挿入することにより幅広にすることなく端部12a,12bは交差可能となる。さらに、端部12a,12bは転がり軸受8の外周面に対して隔離するように設けてある。湾曲板ばね12の端部12a,12bは凹所74cに挿入され、該凹所74c内で撓ませることにより、転がり軸受8を介してウォーム3を回転中心間距離Hが短くなる方向へ付勢している。
湾曲板ばね12の湾曲部12eの幅方向一側で長手方向に隔離した位置には、支持孔74の側面74dに当接して転がり軸受8をモータ1側へ押圧する複数のばね片12fが湾曲板ばね12と一体に成形されている。このばね片12fは湾曲部12eの周面に対して内側へ傾斜するように突設されている。ばね片12fは支持孔74の側面74dに当接することにより撓み、その弾性復元力の反力が転がり軸受8の外輪8bに加わり、該外輪8bから転動体及び内輪8aを介してウォーム3をモータ1側へ押圧するようにしてある。
支持部材7内には、トーションバー52の捩れに応じた第1の操舵軸51、第2の操舵軸53の相対回転変位量によって操舵手段Bに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ13が内装されている。該トルクセンサ13が検出したトルク等に基づいてモータ1が駆動制御される。
上記のように構成された電動パワーステアリング装置は、ウォーム3を組込む場合、支持部材7の支持孔74に湾曲板ばね12を挿入し、該湾曲板ばね12の端部12a,12bを凹所74cに挿入して湾曲板ばね12の位置を設定する。これにより、端部12a,12bによる転がり軸受8の付勢方向が設定できる。軸部3aに転がり軸受6の内輪6aが移動抑制体11を介して、軸部3bに転がり軸受8の内輪8aがそれぞれ嵌合されたウォーム3は第1収容部7aに挿入されている。転がり軸受8は湾曲板ばね12の内側に挿入され、転がり軸受6は支持孔71に遊嵌合され、環状溝72には止め輪14が嵌合されている。
この組み込まれたウォーム3を付勢する湾曲板ばね12は、端部12a,12bが支持部材7の凹所74cに挿入され、端部12a,12bの撓みにより転がり軸受8及び該転がり軸受8に支持されたウォーム3を回転中心間距離Hが短くなる方向(ウォームホイールの方向)へ付勢している。これにより、ウォーム3又はウォームホイール4の噛合部のバックラッシ量を少なくすることができ、また、ウォーム3及びウォームホイール4の歯の摩耗量が増大した場合においても噛合部のバックラッシ量を少なくすることができるようになっている。
湾曲板ばね12は転がり軸受8の外周面に沿って湾曲しているので、この湾曲板ばね12と転がり軸受8及び支持孔74の第2円周部74bとの間の隙間をなくすることができる。これにより、回転中心間距離Hが短くなる方向と交差する方向へウォーム3が移動するのを制限することができる。つまり、ウォーム3及びウォームホイール4は回転中心線に対しそれらの歯すじが回転方向へ捩じれている。その結果、ウォーム3からウォームホイール4へ回転トルクが加わるとき、換言すればモータ1の回転によって操舵補助する場合、ウォーム3がウォームホイール4の歯すじに沿ってウォームホイール4の径方向へ移動するように分力(以下噛合い反力という)が発生する。この噛合い反力により、ウォーム3がウォームホイール4の径方向へ押圧され、この押圧力により、転がり軸受8は回転中心間距離が短くなる方向と交差する方向へ押圧されることになる。この押圧による転がり軸受8の移動、ひいてはウォーム3の移動は制限できる。
上記のように湾曲板ばね12により付勢されたウォーム3は、転がり軸受6への支持部を中心として回転中心間距離Hが短くなる方向へ揺動することになる。
このとき、転がり軸受6は、移動抑制体14を介してウォーム3の軸部3aに支持されているので、ウォーム3と転がり軸受6との間に隙間がない。さらに、ウォーム3は、第1及び第2の継体21,22と弾性歯体23からなる軸継手2を介してモータ1の出力軸1aに結合されているため、ウォーム3の揺動許容量を増やすことができる。従って、合成樹脂製の環状歯体41を有するウォームホイール4の温度上昇、吸湿による膨張量が多くなる場合においても、噛合部の噛合抵抗の増加を抑制でき、ウォーム3及びウォームホイール4をスムーズに回転させ得る。
このとき、転がり軸受6は、移動抑制体14を介してウォーム3の軸部3aに支持されているので、ウォーム3と転がり軸受6との間に隙間がない。さらに、ウォーム3は、第1及び第2の継体21,22と弾性歯体23からなる軸継手2を介してモータ1の出力軸1aに結合されているため、ウォーム3の揺動許容量を増やすことができる。従って、合成樹脂製の環状歯体41を有するウォームホイール4の温度上昇、吸湿による膨張量が多くなる場合においても、噛合部の噛合抵抗の増加を抑制でき、ウォーム3及びウォームホイール4をスムーズに回転させ得る。
また、ウォーム3は第1及び第2の継体21,22と、該継体21,22の間に介された弾性歯体23とを有する軸継手2により反モータ側へ押圧されており、さらに、湾曲板ばね12のばね片12fによりモータ1側へ押圧されているため、ウォーム3に加わる軸長方向の力をバランスさせることができ、ウォーム3の回転性を高めることができる。
また、ウォーム3は弾性歯体23を有する軸継手2により出力軸1aに結合されているため、モータ1側で発生した音のウォーム3への伝播を弾性歯体23により遮断することができるとともに、軸継ぎ手部分での音鳴りをなくすることができる。
図1及び5を参照して転がり軸受6により回転自在に支持されたウォーム3の軸部3aに、前記ウォーム3の軸長方向への移動を抑制する本実施形態の移動抑制体11が嵌合保持されている。前記移動抑制体11は、金属製の内側円環11aと、金属製の外側円環11cと、弾性体11bとを備える。前記金属製の内側円環11aはウォーム3の軸部3aの外周面に嵌合されている。前記金属製の外側円環11cの内周面は金属製の内側円環11aの外周面よりも大径寸法であり、前記転がり軸受6の内輪6aに嵌合されている。 前記弾性体11bは内側円環11aの外周面と外側円環11cの内周面との間に加硫接着等で結合されている。
図5に示すように、ウォーム3の軸方向において、内側円環11aはウォーム3の端面3cとカップリング端面22aとにより位置決めされる。外側円環11cはウォーム3の軸方向において、内輪6aと同寸法である。弾性体11bは両円環11a,11cの端部をつなぐように断面で見て略台形とされている。内側円環11aは軸部3aに圧入嵌合される。カップリング22は軸部3aに嵌合され、前記カップリング22と第1の継体21と、前記カップリング22と前記第1の継体21の間に介された弾性歯体23を有する軸継手2により出力軸1aに連結している(図1参照)。外側円環11cは転がり軸受内輪6aの端面とともに、端面3cおよび、カップリング端面22aとの間に軸方向に隙間を有するので、ウォーム軸3の軸方向の移動を許容し、かつ過大な移動量を制限している。
外側円環11cはその内径部の中央に弾性体11dに向かって突出する半径方向の凸部11dを備える。前記凸部11dは外側円環11cでなく内側円環11aにあってもよい。弾性体11bには凸部11dと係合する凹部が形成されている。これにより、軸部3aの径方向の移動を許容し、かつ、過大な移動が制限されている。
以上のように構成された電動パワーステアリング装置では、湾曲板ばね12がウォーム3はウォームホイール4に向けて押圧する。このとき、ウォーム3は転がり軸受6に支持された軸部3aを中心に揺動する。軸部3aは移動抑制体11により弾性的に転がり軸受6に支持される構造になっているので、従来のようにモータ側ウォームの軸部の外周面と転がり軸受内周面との間の高精度の隙間寸法管理を必要としない。
また、ウォーム3は移動抑制体11により軸方向に移動可能に支持されている。従って、モータ1が駆動しないような微小操舵時、ウォームホイール4の回転によってウォーム軸3は軸方向に移動されるので、運転者に与える抵抗感を抑制することができる。
また、縁石乗り上げ等の過大な逆入力の場合、移動抑制体11は転がり軸受6に対する軸部3aの軸方向及び半径方向の移動量を制限するので、弾性体11bにかかる荷重が抑制され弾性体11bの耐久性が向上する。このような構成により、移動抑制体11は、外側円環11cの軸方向及び半径方向の移動を制限するので荷重を制限し、弾性体11bに耐久性を持たせている。
以上のように構成された電動パワーステアリング装置では、湾曲板ばね12がウォーム3はウォームホイール4に向けて押圧する。このとき、ウォーム3は転がり軸受6に支持された軸部3aを中心に揺動する。軸部3aは移動抑制体11により弾性的に転がり軸受6に支持される構造になっているので、従来のようにモータ側ウォームの軸部の外周面と転がり軸受内周面との間の高精度の隙間寸法管理を必要としない。
また、ウォーム3は移動抑制体11により軸方向に移動可能に支持されている。従って、モータ1が駆動しないような微小操舵時、ウォームホイール4の回転によってウォーム軸3は軸方向に移動されるので、運転者に与える抵抗感を抑制することができる。
また、縁石乗り上げ等の過大な逆入力の場合、移動抑制体11は転がり軸受6に対する軸部3aの軸方向及び半径方向の移動量を制限するので、弾性体11bにかかる荷重が抑制され弾性体11bの耐久性が向上する。このような構成により、移動抑制体11は、外側円環11cの軸方向及び半径方向の移動を制限するので荷重を制限し、弾性体11bに耐久性を持たせている。
本実施形態の電動パワーステアリング装置によれば、前記ウォーム3と前記ウォームホイール4の歯面同士が当接したときには、前記弾性体11bを変形させることにより、前記支持手段7に対して前記ウォーム3を軸線方向及び半径方向の少なくとも一方の方向に移動させるようになっている。本実施形態では大きなバックラッシにも対応が出来ると共に、車輪から伝達される振動に対しても、また、モータから伝達される振動に対しても弾性体が歯面同士の衝突を緩和できる。また、それにより歯面の叩き音を減少できる。
さらに、前記弾性体11bと外側円環11c、内側円環11aとは一体的に設けられているので、転がり軸受にかかる荷重に対して強度を有しており、軸受およびウォームへ精度良く組み付けやすく、また、弾性体11bが軸方向のずれやはみ出しをおこしにくく長期に性能を維持できる。
さらに、前記弾性体11bと外側円環11c、内側円環11aとは一体的に設けられているので、転がり軸受にかかる荷重に対して強度を有しており、軸受およびウォームへ精度良く組み付けやすく、また、弾性体11bが軸方向のずれやはみ出しをおこしにくく長期に性能を維持できる。
1 モータ、1a 出力軸、2 軸継手、3 ウォーム、4 ウォームホイール、5 舵取手段、7 支持部材、6,8 転がり軸受、12 湾曲板ばね、12f ばね片、12g 当接部、12h 屈曲部、11 移動抑制体、11a 内側円環、11b 弾性体、11c 外側円環、H 回転中心間距離
Claims (3)
- モータの出力軸に連動連結されるウォームと、前記ウォームを回転自在に支持する転がり軸受と、前記ウォームに噛合し、舵取り装置に繋がるウォームホイールと、前記ウォームの反モータ側を前記ウォームホイールに向けて付勢する付勢部材と、前記軸受の内周面と前記ウォームとの間に配置される移動抑制体とを備え、前記移動抑制体は弾性体を含み、前記軸受に対する前記ウォームの半径方向、軸方向の移動を許容し、かつ過大な移動量を制限していることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
- 前記移動抑制体は、金属製の内側円環と、金属製の外側円環とを備え、前記弾性体を前記内側円環の外周面と前記外側円環の内周面との間に一体的に設けたことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記弾性体の外周面と、前記外側円環の前記弾性体と接する内周面との間に係合部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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