JPH1143062A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
電動式パワーステアリング装置Info
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- JPH1143062A JPH1143062A JP21903697A JP21903697A JPH1143062A JP H1143062 A JPH1143062 A JP H1143062A JP 21903697 A JP21903697 A JP 21903697A JP 21903697 A JP21903697 A JP 21903697A JP H1143062 A JPH1143062 A JP H1143062A
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Abstract
させることのできる電動式パワーステアリング装置を提
供する。 【解決手段】ウォーム30aとウォームホイール13の
歯面同士が当接したときには、皿ばね10a、10b等
を変形させることによりハウジング1に対して回転軸3
0を軸線方向に移動させるようになっているので、歯面
同士の衝突を緩和し、それにより歯面の叩き音を減少さ
せることができる。
Description
リング装置に関し、特に歯車の騒音の低減を図ることの
できる電動式パワーステアリング装置に関する。
して、補助操舵トルクとなる電動モータの回転出力を歯
車装置により減速して操舵機構の出力軸に伝達し、ステ
アリングホイールに印加された操舵力を補助して、車輪
の操舵を行なうように構成したものが知られている。こ
のような電動式パワーステアリング装置においては、ハ
ウジング内に設けられた動力伝達機構を用いて、電動モ
ータの回転を減速しつつ出力軸に動力を伝達している。
伝達機構としてウォームギヤ機構を用いた電動式パワー
ステアリング装置においては、ウォームとウォームホイ
ールの歯面間に適度なバックラッシュを設定する必要が
ある。即ち、かかるバックラッシュが小さすぎれば、噛
合する歯同士が競り合いを起こし、作動トルクが重くな
ってハンドル戻りが悪くなる。
きくすると、歯同士の競り合い等は生じなくなる。ま
た、バックラッシュをある程度大きくしても、ウォーム
ギヤ機構において一方向に動力が伝達されている場合に
は、特に大きな問題を生じさせることはない。ところ
が、電動式パワーステアリング装置においては、ステア
リングホイールの操舵に応じて、あるいは車輪を介して
路面から入力される振動等に基づき、動力の伝達方向が
変わりうる。
今まで当接していた歯面の裏側の歯面が、バックラッシ
ュ分だけ急に移動して、相手の歯面に衝接し、比較的大
きな叩き音が生ずる。かかる叩き音は、噛み合うギヤの
材質、剛性によっても音質が変化し、またバックラッシ
ュが大きいほど大きくなる傾向にある。特に鉄系のギヤ
同士では、叩き音は耳障りな衝撃音となって、運転者に
不快感を与えるものである。
ムホイールの一方を樹脂製にすることにより、ある程度
低減させることができるが、完全に消し去ることはでき
ず、またその場合にも低周波のこもり音が生ずる恐れも
ある。
面間のバックラッシュを小さくすれば、かかる叩き音を
低減できるが、バックラッシュを小さくすると上述の問
題の他、ウォーム及びウォームホイールの加工精度を相
当向上させねばならずコストが増大する。
簡素な構成であるにも関わらず、叩き音を減少させるこ
とのできる電動式パワーステアリング装置を提供するこ
とを目的とする。
本願発明の電動式パワーステアリング装置は、ハウジン
グと、前記ハウジングに取り付けられ、補助操舵力を回
転軸に発生するモータと、車輪を操舵する為に操舵力を
伝達する出力軸と、前記出力軸を回転自在に支持する軸
受と、前記回転軸に連結されたウォームと、前記出力軸
に連結されたウォームホイールとを有し、前記モータの
補助操舵力を前記出力軸に伝達するウォームギヤ機構と
からなり、前記回転軸及び前記ハウジングの内の少なく
とも一方と、前記軸受との間に弾性体が設けられ、前記
ウォームと前記ウォームホイールの歯面同士が当接した
ときには、前記弾性体を変形させることにより前記ハウ
ジングに対して前記回転軸を軸線方向及び半径方向の少
なくとも一方の方向に移動させるようになっている。
れば、前記ウォームと前記ウォームホイールの歯面同士
が当接したときには、前記弾性体を変形させることによ
り前記ハウジングに対して前記回転軸を軸線方向及び半
径方向の少なくとも一方の方向に移動させるようになっ
ているので、歯面同士の衝突を緩和し、それにより歯面
の叩き音を減少させることができる。
を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本願
発明の第1の実施の形態である電動式パワーステアリン
グ装置100の一部断面図である。
装置100は、水平に延在するチューブ101と、チュ
ーブ101の左端に配置されたハウジング1とを有して
いる。チューブ101は、ブラケット101aにより不
図示の車体に固定されている。
ホイールに連結された入力軸2が右方から延在し、チュ
ーブ101内で不図示のトーションバーを介して出力軸
3の右端(不図示)に連結されている。出力軸3の左端
は不図示の操舵機構に連結されている。出力軸3の中央
は、2つの軸受4a、4bにより回転自在に支持されて
いる。軸受4a、4bの外輪は、軸受ホルダ5により支
持されており、軸受ホルダ5は、ボルト7によりハウジ
ング1に対して固定されている。なお、軸受4aの内輪
を押さえるべく、ロックナット6が出力軸3に螺合取り
付けされている。
は、樹脂製のウォームホイール13が固着されている。
噛合しており、ウォーム30aは、ハウジング1に固定
された電動モータ21の回転子21a(図2)に連結さ
れた回転軸30上に形成されている。この電動モータ2
1は、不図示のCPUに連結されているが、このCPU
は、トルクセンサ(不図示)の出力や車速等の情報を入
力し、所定の電力を電動モータ21に供給して適切な補
助トルクを発生させるものである。
装置100を、II−II線に沿って切断して矢印方向
に見た図である。図2において、電力供給線21cによ
り駆動用電力を供給される電動モータ21の回転子21
aには、その中央にセレーション孔21bが形成されて
いる。一方、回転子21aと同軸に配置された回転軸3
0は、その左端にセレーション部30bを形成してお
り、セレーション孔21bにセレーション部30bを係
合させることにより、回転軸30は、回転子21aに対
して軸線方向に相対移動可能であるが、それと一体的に
回転するようになっている。
を形成している。更に、ウォーム30aの両側には、フ
ランジ部30cと30dとを形成している。更に、左方
のフランジ部30cの左方において、軸受8aが設けら
れ、ハウジング1に対して回転軸30を回転自在に支持
している。一方、右方のフランジ部30dの右方におい
て、軸受8bが設けられ、同様にハウジング1に対して
回転軸30の右端を回転自在に支持している。
1に取り付けられた止め環9に当接させている。一方、
軸受8aの内輪とフランジ部30cとの間には、弾性体
である一対の皿ばね10aが、互いに周縁をつきあわせ
るようにして配置されている。
11が配置され、押さえ板11は、ボルト部材12によ
り右方から押されて、その周縁を軸受8bの外輪に当接
させている。ボルト部材12の抜け防止のため、ロック
ナット14が設けられており、更にその外方にはカバー
部材15が設けられている。軸受8bの内輪とフランジ
部30dとの間には、弾性体である一対の皿ばね10b
が、互いに外周をつきあわせるようにして配置されてい
る。
撓んだ状態で軸受8a、8bとフランジ部30c、30
dとの間に配置されているので、軸受8a、8bには所
定の予圧が与えられ、それにより回転軸30は、軸線方
向にガタがないように支持されている。更に、ウォーム
30aからウォームホイール13に通常の操舵補助力が
伝達された場合に、一方の皿ばねが撓んで回転軸30が
一方向に最大限移動しても、他方の皿ばねの撓みが残存
するように、その撓み量が設定されている。
明する。車両が直進状態にあり、図示しないステアリン
グホイールを介して、入力軸2に操舵力が入力されてい
ないとすると、不図示のトルクセンサは出力信号を発生
せず、従って電動モータ21は補助操舵力を発生しな
い。
者が不図示のステアリングホイールを操舵すると、操舵
力に応じてトーションバー(不図示)がねじれ入力軸2
と出力軸3との間で相対回動が発生する。トルクセンサ
は、この相対回動の方向および量に応じて信号をCPU
(不図示)に出力する。この信号に基づきCPUに制御
され、電動モータ21は回転して補助操舵力を発生す
る。かかる電動モータ21の回転は、ウォームギヤ機構
により減速されて出力軸3に伝達される。
アリングホイールを一方向に切った後、直ちに逆方向に
切るような場合があるが、かかる場合、動力伝達の方向
が急激に逆転し、バックラッシュ分だけ離隔しているウ
ォーム30aとウォームホイール13の歯面同士が衝接
する。また、走行時に車輪から伝わる振動により歯面同
士が衝接する場合もある。しかるに、本実施の形態によ
れば、その歯面間に生ずる衝撃力を、皿ばね10a又は
10bを更に撓ませて、回転軸30を軸線方向に移動さ
せることにより緩和させ、それにより叩き音を低減させ
ることができる。なお、電動モータ21の回転子21a
と出力軸30との間はセレーション結合となっているの
で、出力軸30は回転子21aに対して軸線方向に相対
移動可能となっている。
図面を参照して説明する。図3は、本願発明の第2の実
施の形態である電動式パワーステアリング装置200
の、図2と同様な断面図である。なお、かかる第2の実
施の形態については、図2に示す第1の実施の形態と異
なる点を中心に説明し、共通する部分については説明を
省略する。
施の形態と異なるのは、皿ばね110a、110bの取
り付けられている位置である。即ち、図3においては、
皿ばね110aは、止め環9と軸受8aの外輪との間に
配置されている。一方、皿ばね110bは、押さえ板1
1と軸受8bの外輪との間に配置されている。その他の
構成及び動作については、第1の実施の形態と同様であ
るので、その説明を省略する。
図面を参照して説明する。図4は、本願発明の第3の実
施の形態である電動式パワーステアリング装置300
の、図2と同様な断面図である。なお、かかる第3の実
施の形態については、図2に示す第1の実施の形態と異
なる点を中心に説明し、共通する部分については説明を
省略する。
施の形態と異なるのは、回転軸130の支持態様であ
る。即ち、図4においては、回転軸130の左方端近傍
が、直列する2つの軸受8a、8bによって支持されて
いる。軸受8a、8bは、止め環9によりハウジング1
に対して軸線方向移動不能に取り付けられている。軸受
8a、8bの右方側には、フランジ部130cが形成さ
れ、一方その左方側には、外周溝130eが形成されて
いる。
形成するC字状クリップ130fが嵌着されている。一
方、回転軸130の右方端130gの周囲には、滑り軸
受1aが形成され、ハウジング1に対して出力軸130
を軸線方向に相対移動可能かつ回転自在に支持してい
る。
が、クリップ130fと軸受8aの内輪との間に配置さ
れている。一方、1枚の皿ばね210bは、フランジ部
130cと軸受8bの内輪との間に配置されている。そ
の他の構成及び動作については、第1の実施の形態と同
様であるので、その説明を省略する。本実施の形態によ
れば、上述した実施の形態に比較し、滑り軸受1aの周
囲の構成をコンパクトにすることができ、それにより電
動式パワーステアリング装置300の周囲における設計
の自由度が高まる。
図面を参照して説明する。図5は、本願発明の第4の実
施の形態である電動式パワーステアリング装置400を
示す図であり、図5(a)は、図2と同様なその断面図
であり、図5(b)は、図5(a)のVB部分の拡大図
であり、図5(c)は、図5(a)のVC部分の拡大図
である。なお、かかる第4の実施の形態については、図
2に示す第1の実施の形態と異なる点を中心に説明し、
共通する部分については説明を省略する。
施の形態と異なるのは、弾性体の構成である。より具体
的には、軸受8a及び軸受8bの内周と回転軸30の外
周との間に、それぞれ弾性体であるブッシュ310、3
20が配置されている。
シュ310、320は、円筒部の一端に鍔状部を形成し
た平板からなる芯金311、321の内周側から鍔状部
にわたって、ゴム312、322を溶着してなる。ブッ
シュ310、320は、その鍔状部側を回転軸30のフ
ランジ部30c、30dに当接させるようにして取り付
けられている。
ムホイール30の歯面同士が衝接するような場合でも、
本実施の形態によれば、その歯面間に生ずる衝撃力を、
ブッシュ310、320のゴム312、322を変形さ
せて、回転軸30を軸線方向にわずかに移動させること
により緩和させ、それにより叩き音を低減させることが
できる。
図面を参照して説明する。図6は、本願発明の第5の実
施の形態である電動式パワーステアリング装置500を
示す図であり、図6(a)は、図2と同様なその断面図
であり、図6(b)は、図6(a)のVIB部分の拡大
図であり、図6(c)は、図6(a)のVIC部分の拡
大図である。一方、図7は、図6のブッシュの斜視図で
あり、外側のゴムの一部を切り欠いて示している。な
お、かかる第5の実施の形態についても、図5に示す第
4の実施の形態と異なる点を中心に説明し、共通する部
分については説明を省略する。
施の形態と異なるのは、ブッシュの構成である。より具
体的には、図7に示すように、ブッシュ410は、一端
に鍔状部を形成した円筒金属製の網状芯金411の内外
周側から鍔状部にわたって、即ち全面にゴム412を溶
着してなる。ゴム412は、網状芯金411の空隙に入
り込んで網状芯金411と一体化し、それによりブッシ
ュ410の剛性はより向上する。
軸線方向に切れ目410aが形成されている。かかる切
れ目410aを設けることにより、ブッシュ410は拡
径容易となり、それにより回転軸30への取付けがより
容易となっている。ブッシュ420の構成も同様である
のでその説明を省略する。ブッシュ410、420も、
その鍔状部側を回転軸30のフランジ部30c、30d
に当接させるようにして取り付けられている。その他の
構成及び動作については、上述した実施の形態と同様で
あるので、その説明を省略する。
図面を参照して説明する。図8は、本願発明の第6の実
施の形態である電動式パワーステアリング装置600を
示す図であり、図8(a)は、図2と同様なその断面図
であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIB部分の
拡大図であり、図8(c)は、図8(a)のVIIIC
部分の拡大図である。なお、かかる第6の実施の形態に
ついても、上述した実施の形態と異なる点を中心に説明
し、共通する部分については説明を省略する。
実施の形態と異なるのは、ブッシュが配置される位置で
ある。より具体的には、図8(b)、8(c)に示すよ
うに、ブッシュ510、520は、軸受8a、8bの外
周とハウジング1との間に配置されている。なお、ブッ
シュ510、520も、網状芯金511、521の全面
にゴム512、522を溶着してなる。その他の構成及
び動作については、上述した実施の形態と同様であるの
で、その説明を省略する。
細に説明してきたが、本願発明は上記実施の形態に限定
して解釈されるべきでなく、その趣旨を損ねない範囲で
適宜変更、改良可能であることはもちろんである。例え
ば、弾性体として皿ばねやブッシュを例として示した
が、これにこだわらず例えばO−リングを直接装着させ
たもの、あるいは端面部やウォーム軸外径部もしくはハ
ウジング内径部にO−リング装着用溝などを設けて、か
つO−リングを該溝に装着したもの等も用いることがで
きる。
明する。図9は、本願発明の第7の実施の形態である電
動式パワーステアリング装置700を示す図であり、図
9(a)は、図2と同様なその断面図であり、図9
(b)は、図9(a)のIXB部分の拡大図であり、図
9(c)は、図9(a)のIXC部分の拡大図である。
なお、かかる第7の実施の形態についても、上述した実
施の形態と異なる点を中心に説明し、共通する部分につ
いては説明を省略する。
実施の形態と異なる点は、ブッシュと回転軸との間に、
弾性体としてのO−リングを配置した点である。より具
体的に、その構成を説明する。回転軸730は、右方の
フランジ730cの根本と左方のフランジ730dの根
本に、図9(b)、9(c)に示すように、周溝730
e、730fをそれぞれ形成している。
配置され、周溝730fには、O−リング702が配置
されている。軸受8a、8bの内輪と回転軸730との
間には、摩擦抵抗の低い金属材料からなるブッシュ71
0、720がそれぞれ配置されている。
e、730fに対向するフランジ部710a、720a
を有し、かかるフランジ710a、720aは、軸受8
a、8bの内輪とO−リング701、702との間に挟
持されている。
との間のギャップΔ1と、ブッシュ720とフランジ7
30dとの間のギャップΔ2とは、ボルト部材12によ
り押さえ板11を介して軸受8bを押圧することにより
調整される。
の歯面間に生ずる衝撃力を、O−リング701、702
を撓ませて、回転軸730を軸線方向に移動させること
により緩和させ、それにより叩き音を低減させることが
できる。なお、回転軸730はブッシュ710、720
により、軸受8a、8bに対して軸線方向に移動しやす
く保持されている。
図面を参照して説明する。図10は、本願発明の第8の
実施の形態である電動式パワーステアリング装置800
を示す図であり、図10(a)は、図2と同様なその断
面図であり、図10(b)は、図10(a)のXB部分
の拡大図である。なお、かかる第8の実施の形態につい
ても、上述した実施の形態と異なる点を中心に説明し、
共通する部分については説明を省略する。
た実施の形態と異なるのは、弾性体としてのO−リング
が配置される位置である。より具体的には、図10
(a)に示すように、回転軸730における、軸受8
a、8bの内輪対向面に周溝830a、830bを形成
しており、一方、ハウジング1における、軸受8a、8
bの外輪対向面に周溝830c、830dを形成してい
る。更に、周溝830a内には、O−リング801が配
置され、周溝830bには、O−リング802が配置さ
れ、周溝830c内には、O−リング803が配置さ
れ、周溝830dには、O−リング804が配置されて
いる。
の歯面間に生ずる衝撃力を、O−リング801、80
2、803、804を撓ませて、回転軸830を軸線に
直交する方向(ウォームホイール13から離隔する方
向)に移動させることにより緩和させ、それにより叩き
音を低減させることができる。また、かかる実施の形態
によれば、回転軸830は軸線方向に剛性が高く保持さ
れるため、ウォーム30aとウォームホイール13との
かみ合い位置が変化しないという効果も得られる。な
お、回転軸830のO−リング801、802又はハウ
ジング1のO−リング803、804の内、何れか一方
を設ければ、かかる効果は十分奏される。
り発生するウォームギヤの歯打音は、ウォーム軸への入
力荷重が小さいため、弾性体の剛性は小さい方が歯打音
低減の効果が大きい。また、ウォームの軸線方向変位も
小さくてすむ。
は比較的大きいため、弾性体の剛性が小さいとウォーム
の軸線方向変位量が大きくなる。かかる変位量が大きく
なると、ウォーム軸と軸受間の摩擦量が増大し、モータ
の結合スプライン部の摩耗が増大する。さらにモータが
回転しても、ウォームが軸線方向に逃げることにより、
必要な回転がウォームホイールに伝達されず、制御応答
性の遅れを招く恐れもある。以下に述べる実施の形態
は、かかる問題点を解消するものである。
ある電動式パワーステアリング装置900を示す図であ
り、図11(a)は、図2と同様なその断面図であり、
図11(b)は、図11(a)のXIB部分の拡大図で
ある。なお、かかる第9の実施の形態についても、上述
した実施の形態と異なる点を中心に説明し、共通する部
分については説明を省略する。
(例えば図9の実施の形態)と異なる点は、弾性体の構
成にある。より具体的には、図11に示す実施の形態に
おいては、軸受8aと回転軸930のフランジ930c
との間、及び軸受8bとフランジ930dとの間に、弾
性体として弾性部材901、902を介装させている。
なお、弾性部材901、902は同一物であって、その
配置方向を逆にしているにすぎないので、弾性部材90
1のみを詳細に説明し、弾性部材902については詳細
な説明を省略する。
1は、回転軸930の外周に嵌合する円筒部材901a
と、円筒部材901とは別部材である円板部材901c
とを有する。更に、円筒部材901aは、ブッシュ91
0に当接するフランジ901bを有しており、フランジ
901bと円板部材901cとの間を、弾性部901d
により連結してなる。弾性部901dの一部は、円筒部
材901aの内面に沿って薄く軸線方向に延在し、円筒
部材901aの端部において、軸線方向に厚さの薄い薄
厚部901eを形成している。
01は、回転軸930のフランジ930cに円板部90
1cを当接させ、軸受8aにブッシュ910を介して円
筒部材901aのフランジ901bを当接させており、
軸受8aとフランジ930cとを近接する方向に押圧す
ることにより、弾性部901dに一定の予圧を与えてい
る。組み付けた状態において、フランジ930cと薄厚
部901eとの間は、距離L2だけ離隔している。かか
る組み付け状態は、弾性部材902において同じであ
る。
軸930に組み込んで、軸線方向に荷重を与えた場合の
変位量を示す特性図である。図において、変位量及び荷
重が負の場合は、回転軸930が左方に向かう力を受
け、左方に変位したことを示し、変位量及び荷重が正の
場合は、回転軸930が右方に向かう力を受け、右方に
変位したことを示す。説明の都合上、回転軸930は左
方に変位するものとする。
を超えると荷重が極端に上昇する。この理由は、変位量
がL2までは、弾性部材901の弾性部901dのみが
弾性変形するようになっているが、変位量L2を超える
と、薄厚部901eがフランジ930cに当接し、それ
により単位変位量に対する荷重が急激に増加するためで
ある。即ち、弾性部材901、902は2段階の弾性係
数を有する。
入力される振動等に基づき、回転軸930へ入力された
荷重は比較的小さいため、図12に示す領域Sの範囲で
回転軸930へ軸線方向に変位するに過ぎない。従っ
て、かかる状態では、弾性部材901(902)の薄厚
部901eは、フランジ930cに当接しないため、弾
性部材901の剛性は小さく、歯打音低減の効果が大き
い。
が大きくて、回転軸930の変位量がL2を超えると、
薄厚部901eがフランジ930cに当接し、それ以上
の回転軸930の変位を抑えようとする。従って、回転
軸930の変位を抑えることにより、ウォーム軸と軸受
間の摩擦量や、モータの結合スプライン部の摩耗を抑え
ることができる。また、ウォームが軸線方向に逃げるこ
とを防止して、制御応答性を向上させることもできる。
である電動式パワーステアリング装置1000を示す図
であり、図13(a)は、図2と同様なその断面図であ
り、図13(b)は、図13(a)のXIIIB部分の
拡大図である。なお、かかる第10の実施の形態につい
ても、上述した実施の形態と異なる点を中心に説明し、
共通する部分については説明を省略する。
と異なる点は、弾性体の構成にある。図13に示すよう
に、第10の実施の形態においては、第9の実施の形態
と同様に、軸受8aと回転軸1030のフランジ103
0cとの間、及び軸受8bとフランジ1030dとの間
に、弾性体として弾性部材1001、1002を介装さ
せている。しかしながら、その構成は以下に述べるよう
に第9の実施の形態と異なっている。なお、弾性部材1
001、1002は同一物であって、その配置方向を逆
にしているにすぎないので、弾性部材1001のみを詳
細に説明し、弾性部材1002については詳細な説明を
省略する。
0は、フランジ部1030cに隣接して大径部1030
eを形成し、フランジ部1030dに隣接して大径部1
030fを形成している。
は、回転軸1030の外周に配置された小径孔円板部1
001aと、大径部1030eの外周に配置された大径
孔円板部1001bとを有する。両円板部1001a、
1001bの間を、弾性部1001cにより連結してな
る。弾性部1001cの一部は、小径孔円板部1001
aの側面に沿って薄く半径方向に延在し、小径孔円板部
1001aと、大径部1030eとの間に厚さの薄い薄
厚部1001dを形成している。
001は、回転軸1030のフランジ1030cに大径
孔円板部1001bを当接させ、軸受8aにブッシュ1
010を介して小径孔円板部1001aを当接させてお
り、軸受8aとフランジ1030cとを近接する方向に
押圧することにより、弾性部1001cに一定の予圧を
与えている。組み付けた状態において、フランジ103
0cと薄厚部1001dとの間は、距離L3だけ離隔し
ている。かかる組み付け状態は、弾性部材1002にお
いて同じである。
0の変位量がL3までは、弾性部材1001の弾性部1
001cのみが弾性変形するようになっているが、変位
量L3を超えると、薄厚部1001dが大径部1030
eに当接し、それにより単位変位量に対する荷重が急激
に増加する。即ち、弾性部材1001、1002も2段
階の弾性係数を有する。
入力される振動等に基づき、回転軸1030へ入力され
た荷重は比較的小さいため、かかる状態では、弾性部材
1001(1002)の薄厚部1001dは、大径部1
030eに当接しないため、弾性部材1001の剛性は
小さく、歯打音低減の効果が大きい。
が大きくて、回転軸1030の変位量がL3を超える
と、薄厚部1001dが大径部1030eに当接し、そ
れ以上の回転軸1030の変位を抑えようとする。従っ
て、回転軸1030の変位を抑えることにより、ウォー
ム軸と軸受間の摩擦量や、モータの結合スプライン部の
摩耗を抑えることができる。また、ウォームが軸線方向
に逃げることを防止して、制御応答性を向上させること
もできる。
(b)に示すように、弾性部材1001(1002)の
小径孔円板部1001aの有する孔は、大径部1030
eの外径より小径であるので、これを回転軸1030の
大径部1030eの外周に組み込むことは不可能となっ
ている。従って、かかる構成により、弾性部材100
1,1002の組込方向を誤って回転軸1030の外周
に配置する、いわゆる誤組を防止することができ、それ
により組み立て性の向上を図ることができる。
ワーステアリング装置によれば、ウォームとウォームホ
イールの歯面同士が当接したときには、弾性体を変形さ
せることによりハウジングに対して回転軸を軸線方向及
び半径方向の少なくとも一方の方向に移動させるように
なっているので、歯面同士の衝突を緩和し、それにより
歯面の叩き音を減少させることができる。また、かかる
構成により、バックラッシュの許容されるバラツキの程
度が緩和され、加工精度や組み合わせるべきギヤの選定
等における製造上の管理が容易となって、コスト低減を
図ることができる。
ーステアリング装置100の軸線方向一部断面図であ
る。
−II線に沿って切断して示す断面図である。
ーステアリング装置200の、図2と同様な断面図であ
る。
ーステアリング装置300の、図2と同様な断面図であ
る。
ーステアリング装置400を示す図であり、図5(a)
は、図2と同様なその断面図であり、図5(b)は、図
5(a)のVB部分の拡大図であり、図5(c)は、図
5(a)のVC部分の拡大図である。
ーステアリング装置500を示す図であり、図6(a)
は、図2と同様なその断面図であり、図6(b)は、図
6(a)のVIB部分の拡大図であり、図6(c)は、
図6(a)のVIC部分の拡大図である。
ーステアリング装置600を示す図であり、図8(a)
は、図2と同様なその断面図であり、図8(b)は、図
8(a)のVIIIB部分の拡大図であり、図8(c)
は、図8(a)のVIIIC部分の拡大図である。
ーステアリング装置700を示す図であり、図9(a)
は、図2と同様なその断面図であり、図9(b)は、図
9(a)のIXB部分の拡大図であり、図9(c)は、
図9(a)のIXC部分の拡大図である。
ワーステアリング装置800を示す図であり、図10
(a)は、図2と同様なその断面図であり、図10
(b)は、図10(a)のXB部分の拡大図である。
ワーステアリング装置900を示す図であり、図11
(a)は、図2と同様なその断面図であり、図11
(b)は、図11(a)のXIB部分の拡大図である。
み込んで、軸線方向に荷重を与えた場合の変位量を示す
特性図である。
パワーステアリング装置1000を示す図であり、図1
3(a)は、図2と同様なその断面図であり、図13
(b)は、図13(a)のXIIIB部分の拡大図であ
る。
ランジ部 310、321、410、420、510、520、710、720、910………ブッシュ 701、702、801、802、803、804………O−リング 901………弾性部材
Claims (1)
- 【請求項1】 ハウジングと、 前記ハウジングに取り付けられ、補助操舵力を回転軸に
発生するモータと、 車輪を操舵する為に操舵力を伝達する出力軸と、 前記出力軸を回転自在に支持する軸受と、 前記回転軸に連結されたウォームと、前記出力軸に連結
されたウォームホイールとを有し、前記モータの補助操
舵力を前記出力軸に伝達するウォームギヤ機構とからな
り、 前記回転軸及び前記ハウジングの内の少なくとも一方
と、前記軸受との間に弾性体が設けられ、前記ウォーム
と前記ウォームホイールの歯面同士が当接したときに
は、前記弾性体を変形させることにより前記ハウジング
に対して前記回転軸を軸線方向及び半径方向の少なくと
も一方の方向に移動させるようになっている電動式パワ
ーステアリング装置。
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