JP2011011426A - 樹脂モールド金型及び樹脂モールド装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被成形品10をクランプして樹脂モールドする第1の金型70と第2の金型80とを備え、前記第1の金型70に、被成形品10に搭載された搭載部品10bに端面を対向させ、型開閉方向に摺動する第1のインサート部材73と、第1のインサート部材73を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材75,77が装着され、前記第2の金型80に、前記被成形品10を支持し、型開閉方向に摺動する第2のインサート部材83と、該第2のインサート部材83を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材85、87が装着されている。
【選択図】図4
Description
すなわち、樹脂モールド金型は、被成形品をクランプして樹脂モールドする第1の金型と第2の金型とを備え、前記第1の金型に、前記被成形品に搭載された搭載部品に端面を対向させ、型開閉方向に摺動する第1のインサート部材と、該第1のインサート部材を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材が装着され、前記第2の金型に、前記被成形品を支持し、型開閉方向に摺動する第2のインサート部材と、該第2のインサート部材を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材が装着されている。
前記第1の金型に装着される第1のインサート部材は、単一の搭載部品に端面を対向させて配置する場合と、複数の搭載部品が搭載された樹脂モールド領域に端面を対向させて配置する場合を含む。また、前記第1のインサート部材は端面を搭載部品に当接させて樹脂モールドする場合と、端面を搭載部品から離間させて樹脂モールドする場合がある。
また、前記第2の金型に、前記第2のインサート部材を前記第1の金型に向けて付勢し、型開き時に、前記第2の金型のクランプ面よりも前記被成形品が突出する位置に前記第2のインサート部材を付勢して支持する付勢手段が装着された樹脂モールド金型によれば、第1の金型と第2の金型によって被成形品をクランプした後に、第1のインサート部材と、第2のインサート部材の型開閉方向の位置調節をして樹脂モールドすることによって、高精度の樹脂モールドが可能となる。
また、前記プレス装置に、前記第1の金型の金型面を被覆するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構が設けられていることにより、さらに確実に被成形品を樹脂モールドすることができる。
また、本発明に係る樹脂モールド装置によれば、被成形品の厚さ計測部における被成形品についての計測結果に基づいて第1のインサート部材と第2のインサート部材の型開閉方向の位置を調節して樹脂モールドすることにより、被成形品を損傷することなく、樹脂ばりを生じさせずに確実に樹脂モールドすることができる。
図1は、本発明に係る樹脂モールド装置の一実施形態の各部の平面配置を示す。本実施形態の樹脂モールド装置は、被成形品の供給部A、被成形品の厚さ計測部B、被成形品のプレス部C、樹脂モールド後の成形品の収納部D及び搬送機構Eを備える。プレス部Cは、被成形品をクランプして樹脂モールドする樹脂モールド金型が装着されたプレス装置を備える。搬送機構Eは被成形品と成形品を搬送する作用をなす。
被成形品の供給部Aは、短冊状に形成された被成形品10を収納したマガジン11のストッカ12と、マガジン11から被成形品10を突き出すプッシャ13と、プッシャ13によって突き出された被成形品10を向かい合わせに並べ替えるターンテーブル14とを備える。ターンテーブル14の奥側には、対向配置された一対の被成形品10を、相互の配置位置を保持した状態でセットするセット台15が配置される。
セット台15の側方には樹脂モールド金型のポットの平面配置に合わせて樹脂タブレット16を供給するための樹脂タブレットの供給部17が設けられている。
被成形品の厚さ計測部Bは、プレス部Cに供給する被成形品10を支持する計測台21a、21bと、被成形品10の厚さを計測する計測装置24a、24bと、被成形品10を計測装置24a、24bの計測位置に移動させる移動機構22a、22bとを備える。
移動機構22a、22bは、計測台21a、21bの移動方向を水平方向にガイドするガイド部と、計測台21a、21bを移動させる駆動モータ等の駆動部を備える。
図2に、センサの配置例を示す。図2(a)では、被成形品10の基板10aの部分を上下に挟む配置にセンサ25a、25bを配置し、基板10aに搭載された搭載部品10bを上下に挟む配置にセンサ26a、26bを配置している。図2(b)は、被成形品10の平面内における計測ポイント(黒丸部分)を示す。斜線部分が被成形品10の被モールド領域(樹脂モールドされる領域)である。
センサ25a、25b、センサ26a、26bは、計測台21a、21b上における被成形品10の配置位置、及び計測ポイントに合わせて配置する。本実施形態においては、各々の被成形品10に対して4個のセンサを配置する。これにより、計測台21a、21bを一方向に移動させながら、所要の計測ポイントにおいて被成形品10の厚さを計測することができる。
図2(b)に示すように、被成形品10の計測ポイントは、被成形品10の基板10aの部分と、搭載部品10bが搭載されている部分とを計測するように設定し、被成形品10の基板10aの部分の厚さと、搭載部品10bそのものの厚さを計測する。
なお、被成形品10についての計測ポイント数や計測方法、樹脂モールドに要するサイクルタイムによっては、計測台や計測装置等を単体として構成することも可能であり、必ずしも、計測台等を一対、設ける構成としなくてもよい。
また、被成形品10の厚さ計測にレーザセンサを用いるかわりに、接触式などの計測方法を利用することもできる。また、計測台21a、21bを移動させる移動機構22a、22bを、X−Yテーブル等のX−Y方向(平面内)に移動可能な機構とし、被成形品10の任意位置において厚さ計測ができるように設定することも可能である。
プレス部は、被成形品10を樹脂モールドする前段階において、被成形品10を加熱するプリヒート部30と、樹脂モールド金型を駆動して被成形品10を樹脂モールドするプレス装置32とを備える。プリヒート部30は、被成形品10をのせて加熱する加熱台として形成されている。
プレス装置32は、樹脂モールド金型を型開閉方向に押動するプレス機構、樹脂モールド金型のポット内で溶融した樹脂をポットからキャビティに充填するトランスファ機構を備える。
成形品の収納部は、樹脂モールド後の成形品をセットするセット部40、成形品40からゲート等の不要部分を除去するゲートブレイク部42、ゲートが除去された成形品43を収納する収納部44を備える。成形品43は収納用のマガジンに収納され、成形品が収納されたマガジンはストッカ45に順次収容される。
以下においては、搬送機構Eの構成とともに、被成形品10を樹脂モールドする樹脂モールド装置の作用について説明する。
樹脂モールド装置の奥側には、被成形品10の搬送に用いられるインローダ50と、成形品43の搬送に用いられるアンローダ52が配置されている。被成形品の供給部A、被成形品の厚さ計測部B、プレス部C、成形品の収納部Dは、各々の奥側の側方部にガイド部54が設けられたユニットとして形成されている。これら各ユニットを連結することにより、ガイド部54が、供給部A、計測部B、プレス部C、収納部Dの各部を一体的に連通するガイド部54として構成される。
インローダ50とアンローダ52は、一体に連結されたガイド部54によりガイドされ、供給部A、計測部B、プレス部C、収納部Dの側方位置において、直線的に進退動可能となる。
計測台21aに移載された被成形品10は、移動機構22aにより奥側から手前側に移動しながら計測装置24aにより、基板と被モールド領域の搭載部品(半導体チップ等)の厚さが計測される。計測後、計測台21aは元の移載位置(奥側の位置)に移動する。計測台21bに移載された被成形品10も同様にして計測される。
計測後の被成形品10はインローダ50によって取り上げられ、プリヒート部30に横移動し、プレス部Cに供給される前段階において予備加熱される。
この樹脂モールド操作においては、先に計測した当該被成形品10の計測結果に基づいて、制御部60により上型のインサート部材の駆動部34と下型のインサート部材の駆動部36が駆動され、上型のインサート部材と下型のインサート部材が所定の型開閉方向位置に位置合わせされて樹脂モールドされる。
こうして、被成形品の供給部Aから順次、被成形品10を供給するとともに、厚さ計測部Bにおける計測結果に基づいて、被成形品10はプレス部Cにおいて樹脂モールドされ、収納部Dに成形品が収納される。
本実施形態の樹脂モールド装置においては、被成形品10の厚さを計測した結果に基づいて樹脂モールド金型を制御して樹脂モールドすることにより、樹脂ばりを生じさせることなく、高精度に樹脂モールドすることができ、歩留まりを向上させることができる。
上記樹脂モールド装置においては、被成形品の厚さ計測部Bの計測結果に基づいて、制御部60により、プレス部Cのプレス装置32に取り付けられた樹脂モールド金型の上型と下型のインサート部材の型開閉方向の位置を制御して樹脂モールドする。以下では、プレス装置32において使用する樹脂モールド金型の構成について説明する。
図3(b)は第2の金型としての下型80の構成と、下型80に設けた第2のインサート部材(下型インサートブロック83)と、図1に示す下型のインサート部材の駆動部36として下型インサートブロック83を個別に押動する1台ずつの押動部材の駆動部86を下型80の手前側に配置した構成を示す平面図である。図3(b)は、下型80に被成形品10をセットした状態を示す。
本実施形態の樹脂モールド金型においては、短冊状に形成された基板10a上に、搭載部品10bが3個搭載された製品を被成形品10としている。
上型キャビティインサート73の端面は、チェイスブロック72の基板10aをクランプする面よりも引き込み位置にあり、被成形品10をクランプした際にキャビティが形成される。カル71aとキャビティとはランナ71bを介して連通する。
図3(a)は、各々の上型キャビティインサート73に、押動部材である可動テーパプレート75(破線)が設けられ、可動テーパプレート75を進退動させる駆動部76が設けられていることを示す。駆動部76は、伝動軸76aと伝動軸76aに進退動を与える動力部76bとを主体に構成されている。伝動軸76aは、エンドブロック74を貫通し、先端が可動テーパプレート75の側面に係合して上型70に装着される。伝動軸76aの動力部76bは、図4(a)に示すように、サーボモータ760とサーボモータ760の回転を進退動に変換する直動機構761とを備えている。この直動機構761が伝動軸76aを介して可動テーパプレート75を進退駆動させる。また、動力部76bは、エンドブロック74に立設されたサポートロッド763の先端側に取り付けられ、エンドブロック74から所定の距離だけ離間した位置に保持される。
リリースフィルム37は、センターブロック71の長手方向を送り方向として、エンドブロック74を除く金型面の略全域を覆うように供給される。
下型インサートブロック83の背面側(下側)には、下型インサートブロック83を型開閉方向に押動する押動部材である可動テーパプレート85(破線)が配される。可動テーパプレート85は駆動部86により、被成形品10の長手方向と平行方向に進退動される。すなわち、上型の可動テーパプレート75を駆動する駆動部76と、下型の可動テーパプレート85を駆動する駆動部86とは、相互に直交する向きに可動テーパプレート75、85を押動する配置となっている。
動力部86bはサーボモータとサーボモータの回転を進退動に変換する直動機構を備える。伝導軸86aは直動機構に接続された駆動軸と、連結部を介して駆動軸に分離可能に連結された従動軸とを備える。これらの駆動部86を構成する伝導軸86aと動力部86bの構成は、図4に示した伝導軸76a、動力部76bの構成と同様である。
したがって、下型80についても、長時間にわたって金型を昇温状態としたまま待機しなければならないようなときには、駆動軸と従動軸との連結を解除することにより、モールド金型内で加熱されている下型キャビティインサート85から伝動軸86aを介して動力部86bに伝えられる熱を断熱することができ、これによって精密な機械要素を有する動力部86bの不要な加熱を防止することができる。
上型70では、センターブロック71を挟んでチェイスブロック72が配置され、チェイスブロック72に設けられた装着孔に型開閉方向に摺動するように上型キャビティインサート73が装着されている。
上型キャビティインサート73と可動テーパプレート75との間に、テーパ面を可動テーパプレート75に対向させて固定テーパプレート77が配置される。可動テーパプレート75と固定テーパプレート77とが、協働して上型キャビティインサート73を型開閉方向に押動する押動部材として作用する。
ベースブロック79の下面が上型キャビティインサート73の基準面に設定されているから、ベースブロック79と可動テーパプレート75との間に厚さ調整用のプレート78を共通に配置することによって、上型70における上型キャビティインサート73の位置を一括して正確に調整することができる。
下型80に装着する厚さ調整用のプレート88も、異種製品を樹脂モールドするような場合で、基板10aの厚さが異なる場合に、厚さ調整用として使用される。厚さ調整用のプレート88は可動テーパプレート85と接触しないから、可動テーパプレート85の動作によって擦れたりしないという利点がある。
上型70には、被成形品10に搭載されている搭載部品10bの配置位置に合わせて上型キャビティインサート73が個別に配置されている。各々の上型キャビティインサート73には、可動テーパプレート75と固定テーパプレート77が設けられ、各々の可動テーパプレート75ごとに駆動部76が設けられている。
下型80においては、被成形品10を支持する下型インサートブロック83は、厚さ調整用のプレート88を介して、単一の可動テーパプレート85と固定テーパプレート87によって支持されている。可動テーパプレート85の進退動方向は、被成形品10の長手方向と平行方向である。可動テーパプレート85と固定テーパプレート87とが、協働して下型インサートブロック83を型開閉方向に押動する押動部材として作用する。
以下では、図3〜6に示した樹脂モールド金型を用いて被成形品10を樹脂モールドする際における樹脂モールド金型の作用について説明する。
図5、6は、下型80に被成形品10をセットした状態で、上型と下型の駆動部76、86が駆動制御される前の状態である。各々の上型キャビティインサート73の端面位置(被成形品10に対向する面)は、共通の高さ位置にある。
計測部Bにおいては、個々の搭載部品10bについて複数ポイントを計測し、上型キャビティインサート73のクランプ位置は、これらの計測値の平均値を基準として設定する。なお、上型キャビティインサート73のクランプ位置を設定する際には、被成形品10をクランプした際に、上型キャビティインサート73の押圧面の位置が搭載部品10bの上面に接する位置から若干、下型80に向けて押し込んだ位置となるように設定する。
図7は、基板10aの上面が下型80のクランプ面に一致するように、駆動部86を制御して下型インサートブロック83を調節した状態を示す。基板10aの厚さがばらついても、基板10aの厚さの計測結果に基づいて可動テーパプレート85を移動させ、下型インサートブロック83の型開閉方向位置を制御することにより、基板10aを的確にクランプして樹脂モールドすることができる。
被成形品10の基板10aについても、複数ポイントについて厚さを計測し、計測値の平均値に基づいて駆動部86を駆動制御する。
なお、場合によっては、手動によって駆動部76、86を操作するように設定することもできる。
上型キャビティインサート73は、押圧面が搭載部品10bの上面に接する位置よりも搭載部品10bを若干、下型80に向けて73を押し込む(押し潰す)位置に設定されていることにより、上型キャビティインサート73によって搭載部品10bが確実にクランプされ、樹脂モールド時に搭載部品10bの外面に樹脂ばりが生じることを防止する。
製品によっては、搭載部品10bの外面に接続用のパッドが形成されているような場合があり、このような製品においては搭載部品10bの外面に樹脂ばりが生じることは不良に直結する。本実施形態の樹脂モールド方法は、このような製品の製造に有効に適用できる。
本実施形態においては、上型70の金型面をリリースフィルム37によって被覆して樹脂モールドしている。リリースフィルム37を介して被成形品10をクランプすることにより、基板10a上と搭載部品10bの外面に樹脂ばりが生じることをより効果的に抑えることができる。リリースフィルム37は上型キャビティインサート73と装着孔との摺接部分に樹脂90aが侵入することを防止し、上型キャビティインサート73の摺動性を確保する作用も有する。
また、通常は、上型キャビティインサート73と下型インサートブロック83を所定位置に位置合わせした後に被成形品10をクランプするが、上型70と下型80とを型合わせした後に、駆動部76、86を駆動して上型キャビティインサート73と下型インサートブロック83を所定の型開閉方向の位置に移動させて樹脂モールドすることも可能である。
図9は、上型70の上型キャビティインサート73に、個々の搭載部品10bを弾性的に付勢して押さえる押さえ駒731を装着した樹脂モールド金型の例を示す。図は中心線の片側の樹脂モールド金型の構成を示す。
上型キャビティインサート73には押さえ駒731を装着する装着凹部732が設けられ、装着凹部732と押さえ駒731との間に、押さえ駒731を被成形品10に向けて付勢する付勢部材としてスプリング733が装着されている。
上型キャビティインサート73、下型インサートブロック83等の上型70と下型80を構成する各部材の構成は前述した実施形態と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
上型キャビティインサート73は搭載部品10bの厚さ(高さ)よりも若干、押し込むように設定するから、キャビティ内の搭載部品10bに高さ方向のばらつきがあっても、ある程度、ばらつきを吸収することができる。本実施形態の樹脂モールド金型は、キャビティ内における搭載部品10bの高さのばらつきが比較的大きい場合に有効に使用できる。上型キャビティインサート73によってクランプする複数の搭載部品10bの中に、特に厚い(高い)搭載部品10bがあった場合であっても、押さえ駒731のスプリング733により押圧力を逃がし、搭載部品10bを損傷させずに樹脂モールドすることができる。
図10は、被成形品10を樹脂モールドする際に、搭載部品10bを樹脂中に埋没させて樹脂モールドする樹脂モールド金型の例である。樹脂モールド金型の上型70と下型80の構成については、前述した図5、6に示す樹脂モールド金型と同様である。
図10(a)は、半導体チップを2段に重ねた搭載部品10bを備える被成形品10を樹脂モールドする例、図10(b)は、1段の半導体チップを搭載部品10bとする被成形品10を樹脂モールドする例である。
下型インサートブロック83は被成形品10の基板10aの厚さの計測結果に基づいて駆動部86が制御され、下型インサートブロック83の型開閉方向の位置が制御される。
このような樹脂モールド方法は、キャビティに樹脂を充填しやすくし、パッケージ内にボイドが発生することを抑えて樹脂モールドできるという利点がある。
本実施形態の樹脂モールド金型は、下型インサートブロック83を型開閉方向に可動となるようにフローティング支持したものである。図11(a)に本実施形態の樹脂モールド金型の断面図を示す。下型インサートブロック83をフローティング支持するため、厚さ調整用のプレート88と下型80のベースブロック89との間に、弾発用の付勢手段としてスプリング82を装着している。上型70と下型80の付勢手段を除く他の構成は図5、6に示した樹脂モールド金型と同様である。
上型70と下型80の一方を型締め方向に移動させることにより、上型70のクランプ面が被成形品10の基板10aの上面に当接し、スプリング82の付勢力に抗して被成形品10が下型80に向けて押し下げられ、上型70と下型80とが閉止される。この工程においてはスプリング82の弾性力によって基板10aが上型70に押圧され、被成形品10に大きなクランプ力(押圧力)が作用することを防止しながら被成形品10をクランプすることができる。被成形品10は上型70と下型80とによってクランプされて予熱れる。
被成形品10はプリヒート部30において予熱されるが、樹脂モールド金型の熱を利用することにより、樹脂モールド操作の直前に効率的に予熱することが可能であり、被成形品10の熱変形をできるだけ抑えた状態で樹脂モールドすることによって、さらに高精度の樹脂モールドが可能となる。
本実施形態の樹脂モールド金型及び樹脂モールド装置は、基板10a上に半導体チップ101と、放熱板102を重ね合わせて搭載した被成形品10の樹脂モールドに使用される。
図13(a)は、型開きした状態で下型80に被成形品10をセットした状態を示す。本実施形態の樹脂モールド金型の構成は、第1実施形態において説明した樹脂モールド金型(図6)の構成と基本的に変わらない。本実施形態の樹脂モールド金型において相違する点は、基板10aに搭載される搭載部品10bが、半導体チップ101上に放熱板102を重ねたものであることから、半導体チップ101と放熱板102の厚さを個別に測定して得られる半導体チップ101と放熱板102の合計の厚さに基づいて上型キャビティインサート73の型開閉方向の位置を調節して樹脂モールドするように構成されている点にある。
本実施形態の樹脂モールド装置において図1に示す樹脂モールド装置と異なる点は、被成形品の供給部として、基板10aに半導体チップ101を搭載した第1の被成形品110の供給部(A−1)と、放熱板102の供給部(A−2)を備えること、被成形品の厚さ計測部Bとして、第1の被成形品110の厚さ計測部と放熱板102の厚さ計測部を備えること、搬送機構Eのインローダ50が被成形品110と放熱板102を保持する保持部を備えることである。以下では、本実施形態の樹脂モールド装置において特徴的な構成及び作用について説明する。
放熱板102は、インローダ50により放熱板の供給部100から計測部Bの計測台104に移載され、計測装置24cによって放熱板の厚さが計測される。図1に示す樹脂モールド装置においては、一対の計測台21a、21bと、計測装置24a、24bが設けられている。本実施形態においては、一方の計測台21bを放熱板102を支持する計測台104とし、計測装置24bを放熱板102の厚さを測定する計測装置24cとしている。また、移動機構22bを、計測台104を計測位置に移動させる移動機構22cとしている。
プレス部Cにおいて被成形品110を樹脂モールドする操作は、インローダ50を横移動させて樹脂タブレット16、第1の被成形品110、放熱板102を取り上げ、プレス部Cの側方からインローダ50を樹脂モールド金型内に進入させ、樹脂モールド金型に樹脂タブレット16と被成形品10を供給し、上型70と下型80とによって被成形品10をクランプすることによってなされる。
本実施形態における被成形品10の基板10a上における搭載部品10bは、半導体チップ101の上に放熱板102を重ねたものである。このように複数個の部品を重ねて搭載部品10bとする場合であっても個々の部品の厚さを計測した結果に基づいて上型キャビティインサート73の型開閉方向の位置を位置合わせすることにより、搭載部品10bの外面に樹脂ばりを生じさせずに、確実に樹脂モールドすることができる。
本実施形態において使用した被成形品10は半導体チップ101を単独で搭載した製品とくらべて放熱板102の厚さ分だけ搭載部品10bの厚さが厚くなる。このような厚さが異なる製品を樹脂モールドする場合であっても、厚さ調整用のプレート78aを使用することによって厚さの相違を吸収することができる。厚さ調整用のプレート78aには可動プレート75が摺動(接触)しないから、平面度や加工精度が相対的に低くてよく、比較的安価に前述した厚さ調整用のプレート78と同様の効果を奏することができる。
また、被成形品10の搭載部品10bの搭載形態も限定されない。たとえば、搭載部品10bとして半導体チップを基板10aに搭載する場合、フリップチップ接続、ワイヤボンディング接続等の適宜方法によって半導体チップを搭載した被成形品10を対象とすることができる。半導体チップをフリップチップ接続した被成形品10を樹脂モールドする際に、アンダーフィルするように設定することもできる。
被成形品の搭載部品の厚さを計測した結果に基づいてインサート部材によって搭載部品を加圧する操作を制御するから、搭載部品を損傷させることなく、搭載部品を基板に確実に接合することができる。搭載部品を基板に実装した後、被成形品を樹脂モールドすることもできるし、搭載部品を基板に実装した状態で工程を止めることもできる。
10a 基板
21a、21b、104 計測台
24a、24b、24c 計測装置
25a、25b センサ
30,30a プリヒート部
32 プレス装置
37 リリースフィルム
43 成形品
44 収納部
50 インローダ
52 アンローダ
60 制御部
70 上型
71 センターブロック
72 チェイスブロック
73 上型キャビティインサート
74 エンドブロック
75 可動テーパプレート
76 駆動部
76a 伝動軸
76b 動力部
77 固定テーパプレート
78、78a 厚さ調整用のプレート
80 下型
81 センターブロック
81a ポット
83 下型インサートブロック
85 可動テーパプレート
86 駆動部
86a ボールねじ
86b 回動機構
87 固定テーパプレート
88 厚さ調整用のプレート
90 樹脂タブレット
90a 樹脂
92 プランジャ
100 放熱板の供給部
101 半導体チップ
102 放熱板
731 押さえ駒
764 駆動軸
765 従動軸
766 連結部
A 供給部
B 計測部
C プレス部
D 収納部
E 搬送機構
Claims (11)
- 被成形品をクランプして樹脂モールドする第1の金型と第2の金型とを備え、
前記第1の金型に、前記被成形品に搭載された搭載部品に端面を対向させ、型開閉方向に摺動する第1のインサート部材と、該第1のインサート部材を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材が装着され、
前記第2の金型に、前記被成形品を支持し、型開閉方向に摺動する第2のインサート部材と、該第2のインサート部材を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材が装着されていることを特徴とする樹脂モールド金型。 - 前記第1のインサート部材に、前記搭載部品に端面を対向させ、型開閉方向に可動にかつ前記第2の金型に向けて付勢された押さえ駒が装着されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド金型。
- 前記第2の金型に、前記第2のインサート部材を前記第1の金型に向けて付勢し、型開き時に、前記第2の金型のクランプ面よりも前記被成形品が突出する位置に前記第2のインサート部材を付勢して支持する付勢手段が装着されていることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂モールド金型。
- 前記第1の金型に装着される押動部材は、
前記被成形品の長手方向に直交方向に進退駆動される可動テーパプレートと、該可動テーパプレートとテーパ面を対向させて配置される固定テーパプレートとを備え、
前記第2の金型に装着される押動部材は、
前記被成形品の長手方向に平行方向に進退駆動される可動テーパプレートと、該可動テーパプレートとテーパ面を対向させて配置される固定テーパプレートとを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の樹脂モールド金型。 - 前記可動テーパプレートに係合された伝動軸と、該伝動軸を介して前記可動テーパプレートを進退駆動させる動力部とを有し、
前記伝動軸は、前記動力部に接続された駆動軸と、前記可動テーパプレートに連結された従動軸と、前記駆動軸に前記従動軸を連結する連結部とを備えていることを特徴とする請求項4記載の樹脂モールド金型。 - 前記第1の金型に装着される押動部材と前記第1の金型のベースブロックとの間に厚さ調整用のプレートが装着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の樹脂モールド金型。
- 前記第1の金型のベースブロックと、前記第1のインサート部材が装着されるチェイスブロックとの間に厚さ調整用のプレートが装着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の樹脂モールド金型。
- 前記第2の金型に装着される押動部材と前記第2のインサート部材との間に、厚さ調整用のプレートが装着されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の樹脂モールド金型。
- 被成形品の供給部と、被成形品の厚さ計測部と、プレス部と、成形品の収納部と、制御部とを備え、
前記計測部に、前記被成形品の基板の厚さと、前記被成形品の搭載部品の厚さとを計測する計測装置が配置され、
前記プレス部に、被成形品をクランプして樹脂モールドする第1の金型と第2の金型とを備える樹脂モールド金型が装着されたプレス装置が設けられ、
前記第1の金型に、前記被成形品に搭載された搭載部品に端面を対向させ、型開閉方向に摺動する第1のインサート部材と、該第1のインサート部材を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材が装着され、
前記第2の金型に、前記被成形品を支持し、型開閉方向に摺動する第2のインサート部材と、該第2のインサート部材を型開閉方向に押動して型開閉方向の位置を調節する押動部材が装着され、
前記制御部は、前記計測装置による前記搭載部品の厚さの計測結果に基づき、前記第1の金型に装着された押動部材を制御して前記第1のインサート部材の型開閉方向の位置を設定し、前記計測装置による前記基板の厚さの計測結果に基づき、前記第2の金型に装着された押動部材を制御して前記第2のインサート部材の型開閉方向の位置を設定して樹脂モールドすることを特徴とする樹脂モールド装置。 - 前記被成形品は、基板に複数個の部品を積み重ねて搭載した搭載部品を備え、
前記計測部は、前記基板の厚さと、前記複数個の部品の厚さを個別に測定する計測装置を備え、
前記制御部は、前記計測装置による前記複数個の部品の厚さを合計した計測結果に基づき、前記第1の金型に装着された押動部材を制御して前記第1のインサート部材の型開閉方向の位置を設定し、前記計測装置による前記基板の厚さの計測結果に基づき、前記第2の金型に装着された押動部材を制御して前記第2のインサート部材の型開閉方向の位置を設定して樹脂モールドすることを特徴とする請求項9記載の樹脂モールド装置。 - 前記プレス装置に、前記第1の金型の金型面を被覆するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構が設けられていることを特徴とする請求項9または10記載の樹脂モールド装置。
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