JP2010526420A - 電力の分配が改善されたエレクトロルミネッセンス・デバイス - Google Patents

電力の分配が改善されたエレクトロルミネッセンス・デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2010526420A
JP2010526420A JP2010507389A JP2010507389A JP2010526420A JP 2010526420 A JP2010526420 A JP 2010526420A JP 2010507389 A JP2010507389 A JP 2010507389A JP 2010507389 A JP2010507389 A JP 2010507389A JP 2010526420 A JP2010526420 A JP 2010526420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
light
transparent
electroluminescent device
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010507389A
Other languages
English (en)
Inventor
スティーブン コック,ロナルド
Original Assignee
イーストマン コダック カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イーストマン コダック カンパニー filed Critical イーストマン コダック カンパニー
Publication of JP2010526420A publication Critical patent/JP2010526420A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/22Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of auxiliary dielectric or reflective layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y20/00Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/85Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K50/856Arrangements for extracting light from the devices comprising reflective means
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/875Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K59/878Arrangements for extracting light from the devices comprising reflective means
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K2102/00Constructional details relating to the organic devices covered by this subclass
    • H10K2102/301Details of OLEDs
    • H10K2102/331Nanoparticles used in non-emissive layers, e.g. in packaging layer

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

エレクトロルミネッセンス・デバイスであって、第1の電極および第2の電極と、その両者の間に形成されていて量子ドットを含む発光層を備えるELユニットと;導電性であって第2の電極の一部として形成されるか、第2の電極と電気的に接続されていて、少なくとも一部が発光領域内に位置する1つ以上の反射要素とを備えており、第1の電極と第2の電極が1つ以上の発光領域を規定していて;第2の電極の少なくとも一部は透明であって、ELユニットから発生した光が、このエレクトロルミネッセンス・デバイスで第2の電極により近い第1の側から見られることになるエレクトロルミネッセンス・デバイス。
【選択図】図1

Description

本発明はエレクトロルミネッセンス・デバイスに関するものであり、より詳細には、光出力と、コントラストと、電力の分配を改善するためのエレクトロルミネッセンス・デバイス構造に関する。
主に無機の半導体発光ダイオード(LED)デバイスが1960年代初頭から製造されてきており、現在は消費者向けと商業向けの広い用途に製造されている。LEDを含む層は結晶性半導体材料をベースとしている。結晶をベースとしたこのような無機LEDは、明るく、寿命が長く、環境安定性が優れているという利点を有する。こうした利点を提供する結晶性半導体層は、多数の欠点も有する。そのうちの有力なものは、製造コストが大きいこと、同じチップから多くの色を発生させるのが難しいこと、高価で堅固な基板が要求されることである。
1980年代半ば、分子量の小さな分子を用いた有機発光ダイオード(OLED)が発明された(Tang他、Applied Physics Letter、第51巻、913ページ、1987年)。1990年代初頭、ポリマーLEDが発明された(Burroughs他、Nature、第347巻、539ページ、1990年)。それに続く15年の間に有機材料をベースとしたLEDディスプレイが市場に導入され、デバイスの寿命、効率、明るさに関して大きな改善が見られた。例えばリン光発光体を含むデバイスは外部量子効率が19%と高いのに、デバイスの寿命は何万時間にもなることが当然のように報告されている。OLEDは、結晶をベースとした無機LEDと比較し、明るさが劣り、寿命が短く、デバイスを動作させるのにコストのかかる封止が必要とされる。
OLEDの性能を向上させるため、1990年代の後半、有機材料と量子ドットからなる混合発光体を含むOLEDデバイスが導入された(Mattoussi他、Journal of Applied Physics、第83巻、7965ページ、1998年)。量子ドットは、発光するナノサイズの半導体結晶である。量子ドットを発光層に付加するとデバイスの色域を大きくできる可能性があり、量子ドットの粒子サイズを変えるだけで赤色、緑色、青色の発光が得られる可能性があり、製造コストを下げられる可能性がある。発光層内で量子ドットが凝集するなどの問題があるため、こうしたデバイスの効率は、典型的なOLEDデバイスと比べてどちらかと言えば低かった。効率は、量子ドットだけからなる膜を発光層として用いる場合に一層低かった(Hikmet他、Journal of Applied Physics、第93巻、3509ページ、2003年)。効率が低いのは、量子ドット層の絶縁性が原因であるとされた。その後、有機正孔輸送層と有機電子輸送層の間に量子ドットからなる単層膜を堆積させることによって効率が増大した(約1.5cd/Aまで)(Coe他、Nature、第420巻、800ページ、2002年)。量子ドットからのルミネッセンスは主に、有機分子上のエキシトンからのフェルスター・エネルギー移動の結果として起こると言われている(電子-正孔再結合は有機分子上で起こる)。効率がいかに向上しようとも、このようなハイブリッド・デバイスは、純粋なOLEDデバイスに付随するあらゆる欠点を相変わらず有する。
最近、真空蒸着した無機のn-GaN層とp-GaN層の間に単層の厚さのコア/シェルCdSe/ZnS量子ドット層を挟むことによってほぼ全体が無機のLEDが構成された。得られたデバイスは外部量子効率が0.001〜0.01%と小さかった。その問題の一部は、成長後に存在していたと報告されているトリオクチルホスフィン酸化物(TOPO)およびトリオクチルホスフィン(TOP)という有機リガンドに関係している可能性があろう。これら有機リガンドは絶縁体であるため、量子ドットへの電子と正孔の注入が少ないであろう。さらに、この構造の残部の製造にはコストがかかる。なぜなら高真空技術によって成長させる電子半導体層と正孔半導体層が使用されるだけでなく、サファイア基板も使用されるからである。
譲受人に譲渡されたKahenによる同時係属中のUSSN 11/226,622(その内容全体は参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)に記載されているように、1つの層の中で量子ドットに追加の半導体ナノ粒子を供給して発光層の導電率を大きくするとよい。
無機発光ダイオード(LED)とハイブリッド式無機-有機発光ダイオードの両方とも、基板の表面にコーティングされる薄膜材料層に依存するエレクトロルミネッセンス技術である。この技術では、一般に、LEDデバイスを物理的な損傷から保護するためデバイスの周囲にカバーを取り付け、そのカバーを基板に固定する。薄膜材料層には、LED技術で知られているように、例えば有機材料、量子ドット、溶融した無機ナノ粒子、電極、導電体、シリコン電子部品などを含めることができる。カバーは、カバーを基板に固定したときにカバーが薄膜材料層と接触するのを避けるため、キャビティを備えることができる。あるいは薄膜材料層とカバーの間にポリマー層を設けることも知られている。
量子ドット発光ダイオード構造を利用してフラット-パネル・ディスプレイとエリア照明ランプを形成することができる。同様に、着色光または白色光の照明の用途も興味深い。さまざまな材料を利用して異なる色を発生させることができ、その材料を表面上でパターニングしてフル-カラー画素を形成することができる。さまざまな実施態様では、量子ドットLEDは電子または光によって刺激することができ、発光性有機ホスト材料と混合してハイブリッド無機-有機LEDにすることができる。
量子ドット発光ダイオード(LED)構造を含むエレクトロルミネッセンス・デバイスは、フラット-パネル・ディスプレイ、エリア照明ランプ、バックライトにとって有望な技術である。エレクトロルミネッセンス・デバイスの用途として、アクティブ-マトリックス画像ディスプレイ、パッシブ-マトリックス画像ディスプレイ、エリア照明デバイス(例えば選択的なデスクトップ照明)などが挙げられる。こうした広い用途に合わせた個々のエレクトロルミネッセンス・デバイスの構成とは無関係に、どのエレクトロルミネッセンス・デバイスも同じ一般原理で機能する。エレクトロルミネッセンス(EL)ユニットが2つの電極の間に挟まれている。電極の少なくとも一方は少なくとも一部の光を透過させる。これらの電極は、従来のダイオードの端子にならって一般にアノードおよびカソードと呼ばれる。アノードが電圧源の正の端子に接続され、カソードが負の端子に接続されて電極間に電位が印加されるとき、LEDは順バイアスであると言われる。正電荷のキャリア(正孔)がアノードからELユニットに注入され、負電荷のキャリア(電子)がカソードから注入される。電荷キャリアのこのような注入によって電流が電極からELユニットを通って流れる。ELユニットの発光層に含まれる量子ドットのコアの中で正孔と電子が再結合して光が発生する。小分子層またはポリマー層を含むサブ層を積層させてハイブリッド無機-有機ELユニットを形成することができる。このような有機の層とサブ層はOLED技術の当業者には周知であり、よく理解されている。
ELデバイスから発生する光はガラス基板を通って出ていく。これは一般にボトム-エミッション型デバイスと呼ばれる。あるいは別のデバイスは、基板、反射性アノード、積層された一連の有機層、頂部の透明なカソード層を含むことができる。このデバイスから発生する光は、頂部の透明電極を通って出ていく。これは一般にトップ-エミッション型デバイスと呼ばれる。典型的なハイブリッドLEDデバイスでは、ITO層、有機半導体層、ガラスの屈折率は、それぞれ約2.0、約1.7、約1.5である。発生する光の60%近くが内部反射によってITO/有機EL素子内の中に捕捉され、20%がガラス基板の中に捕捉され、発生する光のほんの約20%が実際にデバイスから出ていって有効な機能を果たす。どの無機デバイスでも、ELユニットの屈折率はより大きくて一般に2.0以上となるため、状況はさらに悪い。
フル-カラー・エレクトロルミネッセンス・デバイスでは、異なる色の光を発生させるのにさまざまな材料を用いることができる。この構成では、特定の色の光を出すそれぞれ異なる材料セットごとにエレクトロルミネッセンス・デバイスがパターニングされる。アクティブ-マトリックス・フル-カラー・エレクトロルミネッセンス・デバイスの各画素で有機材料の各セットが用いられ、例えば赤色サブ画素、緑色サブ画素、青色サブ画素が形成される。別の構成では、広帯域光を出す単一の材料セットを堆積させて連続層にし、色の異なるカラー・フィルタ・アレイを用いてフル-カラー・エレクトロルミネッセンス・デバイスを作ることができる。それに加え、エレクトロルミネッセンス・デバイスの非発光領域においてカラー・フィルタの間にブラック-マトリックス材料を用い、周囲光を吸収することができる。するとエレクトロルミネッセンス・デバイスのコントラストが向上する。このようなカラー・フィルタ材料とブラック-マトリックス材料は従来技術で知られており、例えばLCD産業で用いられている。エレクトロルミネッセンス・デバイスの発光領域間にブラック-マトリックス材料を用いることによって可能なコントラストの向上は、発光領域の相対的なサイズと発光領域間の面積、すなわちエレクトロルミネッセンス・デバイスの充填因子によって制限される。
発生した光は、光透過性電極を通過して見る人に向かうか、照射する物体に向かう。光透過性電極がエレクトロルミネッセンス・デバイスの基板と発光素子の間にある場合には、このデバイスはボトム-エミッション型エレクトロルミネッセンス・デバイスと呼ばれる。逆に、光透過性電極が基板と発光素子の間にない場合には、このデバイスはトップ-エミッション型エレクトロルミネッセンス・デバイスと呼ばれる。
トップ-エミッション型エレクトロルミネッセンス・デバイスでは、光は上部電極または頂部電極(一般にカソードだが、必ずしもそうである必要はない)を通って出ていく。この電極は、十分に光を透過させる必要がある。それに対して下部電極または底部電極(一般にアノードだが、必ずしもそうである必要はない)は、比較的厚くて導電性の金属組成物で構成することができる。この電極は光学的に不透明なものにできる。光は頂部電極を通って出ていくため、光が通過する頂部電極は、発生する光が吸収されないよう十分に光透過性であることが重要である。このような頂部電極のために提案されている典型的な従来の材料として、インジウム-スズ-酸化物(ITO)や、非常に薄い金属層(例えば銀、アルミニウム)または合金層(例えば銀、アルミニウムの合金)の層が挙げられる。しかしこのような電極の電流運搬能力は限られているため、LED材料に供給できる電力の大きさには制限がある。したがってELユニットから発生させることのできる光の量は限られる。
トップ-エミッション型とボトム-エミッション型の両方のエレクトロルミネッセンス・デバイスにおいて、電力は、電気を伝えるバスを通じて、またはそのようなバスによって電力を供給される薄膜電子部品を通じて電極に供給される。LEDの駆動に必要な電流はバスを通じて供給されるため、バスの導電率、キャパシタンス、インダクタンスに何らかの制約があると、発光や画素のスイッチング速度が制限されることになる。
LED材料は、その中を通過する電流密度に比例して光を発生させる。電流密度を小さくするために従来技術で知られている1つの方法は、発光領域のサイズ(アパーチャ比または充填因子としても知られる)を大きくするというものである。しかし充填因子の最大値は、特にボトム-エミッション型デバイスでは導電性バスと薄膜電子部品が存在することによって制限される。
図3と図4を参照すると、透明な基板10を有する従来のボトム-エミッション型OLEDが示されている。基板10の上にはOLEDを駆動するための薄膜電子部品30が形成されている。部品30は、電流と信号を分配するバス19に接続されている。薄膜電子部品30とバス19の上に絶縁用と平坦化用の層間層32が形成された後、パターニングされてOLEDの発光領域51を規定している透明電極16が絶縁層32の上に形成されている。画素間絶縁膜34が、パターニングされた透明電極16の各部分を分離している。1つ以上の第1の有機材料層を含んでいて、そのうちの1つが光を発生させるELユニット14が、パターニングされた透明電極16の上に形成されている。反射性の第2の電極12が、ELユニット14の上に形成されている。ギャップが、反射性の第2の電極12を封止用カバー21から隔てている。封止用カバー21が反射性電極12を直接覆ってギャップが存在しないようにしてもよい。薄膜電子部品30は、発光領域51の間に設けられていて電流と信号を分配するバス19によって駆動され、外部のデバイス制御装置(図示せず)からの電力と信号を電極12と16に伝える。しかしバス19は発光領域51の間に位置しているため、バスのサイズと導電率は発光領域の望ましいアパーチャ比によって制限される。そのためOLEDデバイスの電流とスイッチング速度が制限される。
ここで図4を参照すると、基板10に関する簡単化した従来のレイアウトの上面図が示されている。この図には、発光領域51と、電極を駆動するための薄膜電子部品30と、電力と信号を薄膜電子部品30に供給するための信号用と電流用のバス19が含まれている。このデバイスのさまざまな要素の相対的なサイズと間隔は、一般に、製造法の条件によって規定される。この例は単なる例示であり、さまざまな部品の精度と間隔の条件が一定となるように仮定してある。製造法により、例えば発光領域51とバス19の精度と間隔、薄膜電子部品30のサイズが決まる可能性がある。バス19のサイズを大きくしてデバイス内の信号と電力の分配を改善すると、発光領域51のサイズが小さくなるため、(明るさ一定のときの)OLED内の駆動電流の電流密度が大きくなり、材料の寿命が短くなる。発光領域51のサイズを大きくして(明るさ一定のときの)OLED内の駆動電流の電流密度を小さくし、材料の寿命を長くすると、バス19のために残された領域が狭くなるため、デバイス内の信号と電力の分配の有効性が低下する。
図5を参照すると、(反射性の、または透明な、または不透明な)基板10を有する従来のトップ-エミッション型デバイスが示されている。基板10の上に半導体層が形成され、LEDを駆動するための薄膜電子部品30を提供している。絶縁用と平坦化用の層間層32が薄膜電子部品30の上に形成された後、OLEDの発光素子を規定するパターニングされた反射性電極12が絶縁層32の上に形成されている。画素間絶縁膜34が、パターニングされた反射性電極12の各部分を分離している。1つ以上の第1の材料層14(そのうちの1つが光を発生させる)が、パターニングされた反射性電極12の上に形成されている。透明な第2の電極16が、有機材料からなる1つ以上の第1の材料層14の上に形成されている。ギャップ38が透明な第2の電極16を封止用カバー21から隔てている。封止用カバー21は透明であるため、透明な電極16を直接覆ってギャップ38が存在しないようにしてもよい。従来技術のいくつかの実施態様では、第1の電極12の代わりに、少なくとも一部が透明な電極、および/または光吸収性電極にすることができる。適切な透明な導電体(例えばITO)の導電率は限られているため、有機層14を通過できる電流には制限があり、エレクトロルミネッセンス・デバイスの発光領域の一様性は、透明な電極16のさまざまな部分を通過する電流の違いによる好ましくない影響を受ける可能性がある。Cokに付与された「補助電極を有するOLEDディスプレイ」という名称のアメリカ合衆国特許第6,812,637号に記載されているように、OLEDの発光領域間に補助電極70を設けると、透明な電極の導電率を向上させ、OLED内の電流の分配を改善することができる。例えばアルミニウム、または銀、または他の金属、または合金からなるパターニングされた厚い層を使用できる。しかしパターニングされた厚い金属層は透明でないため、発光領域の間に位置する補助電極70が必要となる。そのため導電率が制限されるとともにOLEDの製造誤差の許容度が制限されることで製造コストが増大する。同様に、OLEDデバイスの上に設けられる典型的なブラック・マトリックスは発光領域間の位置に限定されるため、OLEDデバイスのコントラストが低下する。
市販のOLEDでは、基板とカバーは厚さ0.7mmのガラスを備えている。例えば対角線が5インチ未満と比較的小さなデバイスでは、封止用カバー21においてキャビティを用いることが、薄膜材料層12、14、16を比較的しっかりと保護する有効な手段である。しかし非常に大きなデバイスでは、たとえガラスなどの堅固な材料でできている場合や、ギャップ38内に材料を用いる場合でさえ、基板10またはカバー21はわずかに湾曲し、封止用カバー21の内側またはギャップ38内の材料が薄膜材料層12、14、16と接触したり、薄膜材料層12、14、16を押し付けたりして薄膜材料層12、14、16を損傷させ、OLEDデバイスの有用性を低下させる可能性がある。
薄いシート材料を分離するのにスペーサ要素を用いることが知られている。例えば「有機エレクトロルミネッセンス・デバイス」という名称のアメリカ合衆国特許第6,259,204号には、基板の上方にある密封用シートの高さを制御するためにスペーサを用いることが記載されている。しかしこのようにしても、OLEDデバイスの薄膜材料層は保護されない。2004年2月12日に公開された「電気光学式ディスプレイで使用する部品とその使用法」という名称のアメリカ合衆国特許出願公開2004/0027327には、ラミネートの背面と前面の間にスペーサ用ビーズを導入し、フレキシブル・ディスプレイの背面を前面に貼りつけるときに封止用材料が押し出されるのを阻止することが記載されている。しかしこの設計では、カバーに力を加えたときにどの薄膜材料層も保護されない。さらに、封止用材料のためにデバイスの透明度が低下するため、追加の製造ステップが必要となる。
2004年11月23日に付与された「半導体デバイスの製造方法」という名称のアメリカ合衆国特許第6,821,828号には、2つの基板が離れた状態を維持するために有機樹脂膜(例えばアクリル樹脂膜)をパターニングして望む位置に柱状のスペーサを形成することが記載されている。基板間のギャップには液晶材料を満たす。柱状のスペーサの代わりに基板の表面全体にスプレーした球形のスペーサにしてもよい。しかし柱状のスペーサはリソグラフィによって形成されるため、複雑な処理ステップと高価な材料が必要とされる。さらに、この設計は液晶デバイスに適用され、基板上に堆積される薄膜構造は保護されない。
2003年4月22日に付与された「カラー・エレクトロルミネッセンス・ディスプレイ装置の製造方法と、光透過性基板の接合方法」という名称のアメリカ合衆国特許第6,551,440号には、所定の粒径を持つスペーサを基板間で利用し、基板間を所定の距離に維持することが記載されている。基板の間に堆積させた封止用樹脂が広がると、表面張力によって基板が互いに引き付けられる。基板の間にスペーサが配置されていることで基板同士が絶対的に接触することが避けられる。そのため樹脂は基板の間を滑らかに広がる。この設計では、基板の上に堆積された薄膜構造は保護されない。
図4に示した従来のトップ-エミッション型OLEDでは、一般に、ガラス基板と、金属(例えばアルミニウムまたは銀)を含む反射性の第1の導電性電極12と、積層された一連の有機層と、例えばインジウム-スズ-酸化物(ITO)を用いた透明な第2の導電性電極16とが用いられる。デバイスから出た光は透明な電極16を通って出ていく。この従来のデバイスでは、ITO層、有機層、ガラスの屈折率は、それぞれ約2.0、約1.7、約1.5である。発生した光の50%近くが内部反射によってITO/有機EL素子の中に捕捉され、25%がガラス基板の中に捕捉され、発生する光のほんの約25%が実際にデバイスから出ていって有効な機能を果たす。
薄膜発光デバイスからの光の出力カップリングを向上させるため、さまざまな方法が提案されてきた。例えばChou(国際公開番号WO 02/37580 A1)とLiuら(アメリカ合衆国特許出願公開2001/0026124)は、光の取り出しを改善するため体積散乱層または表面散乱層を用いることを教示している。散乱層は、有機層の隣に、またはガラス基板の外面に取り付けられていて、これらの層に合致した屈折率を持つ。LEDデバイスから発生して捕捉されなかった光は散乱層の中に侵入し、散乱されてこのデバイスの外に出ていくことができる。LEDデバイスの効率は向上するが、捕捉された光は、カバー、基板、ELユニット内のさまざまな層の中を水平にかなりの距離にわたって伝播した後に散乱されてデバイスの外に出ていく可能性があるため、画素化された用途(例えばディスプレイ)ではデバイスのシャープさが低下する。
したがって、エレクトロルミネッセンス・デバイス全体にわたって電力の分配を改善するとともに、エレクトロルミネッセンス・デバイスの発光領域内でエレクトロルミネッセンス・デバイスのコントラスト、光出力、シャープさを向上させるエレクトロルミネッセンス・デバイス構造が必要とされている。
本発明の一実施態様は、エレクトロルミネッセンス・デバイスに関するものであり、このエレクトロルミネッセンス・デバイスは、1つ以上の発光領域を規定している第1の電極および第2の電極と、これら電極の間に形成されていて発光層を含むELユニットと、
第2の電極の一部として形成されているか、第2の電極と電気的に接続されていて、少なくとも一部が1つ以上の発光領域内に位置する導電性の1つ以上の反射要素とを備えており、
第2の電極の少なくとも一部は透明であって、このエレクトロルミネッセンス・デバイスからの光を、第2の電極でELユニットに隣接する第1の側とは反対側にある第2の電極の第2の側から透過させる。
本発明のさまざまな実施態様では、エレクトロルミネッセンス・デバイス全体での電力の分配が改善されるとともに、エレクトロルミネッセンス・デバイスの発光領域において、エレクトロルミネッセンス・デバイスのコントラスト、光出力、シャープさが向上する。
本発明の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの部分断面図である。 LEDデバイスの断面図である。 従来のボトム-エミッション型デバイスの部分断面図である。 従来のボトム-エミッション型デバイスの上面図である。 従来技術で説明した補助電極を有するトップ-エミッション型デバイスの断面図である。 本発明の一実施態様によるボトム-エミッション型デバイスの部分断面図である。 異なる2通りの二層電極を有する本発明の別の実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの部分断面図である。 異なる2通りの二層電極を有する本発明の別の実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの部分断面図である。 本発明の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの部分断面図における光線の経路を示している。 本発明の一実施態様による二層電極の上面図である。 散乱層を有する本発明の別の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの部分断面図である。 補助電極と散乱層を有する本発明の別の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの断面図である。 透明層の上方に補助電極と散乱層を有する本発明の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの断面図である。 補助電極とカラー・フィルタを有する本発明の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの断面図である。 本発明の一実施態様によるアクティブ-マトリックス式ボトム-エミッション型デバイスの部分断面図である。 本発明の一実施態様によるボトム-エミッション型デバイスのレイアウトの上面図である。 本発明の別の一実施態様によるボトム-エミッション型デバイスのレイアウトの上面図である。 本発明の別の一実施態様によるボトム-エミッション型デバイスのレイアウトの上面図である。 光線の経路を示した本発明の一実施態様によるボトム-エミッション型デバイスの部分断面図である。 光線の経路を示した本発明の別の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの部分断面図である。 散乱層が組み込まれた本発明の一実施態様によるボトム-エミッション型デバイスの部分断面図である。 散乱用の反射性導電性バスが組み込まれた本発明の別の一実施態様によるボトム-エミッション型デバイスの部分断面図である。 カバーを有する本発明の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの断面図である。 カバーを有する本発明の別の一実施態様によるトップ-エミッション型デバイスの断面図である。 発光コア/シェル量子ドットの概略図である。 本発明による多結晶無機発光層の概略断面図である。
個々の層は薄すぎるため、そしてさまざまな層の厚さの差は大きすぎて実寸通りに描けないため、図面は実際の縮尺通りではないことが理解されよう。
図1を参照すると、本発明のトップ-エミッション型の一実施態様では、エレクトロルミネッセンス・デバイスは、第1の電極12および第2の電極16と、これら電極の間に形成されたELユニット14(ELユニットの少なくとも1つの層は、量子ドットを含む発光層である)と、第1の電極12と第2の電極16で同じ位置を占めて1つ以上の発光領域を規定する導電性領域を備えている。図示した実施態様では、電極16は、発光領域内に反射要素20と透明な部分22を備えている。第2の電極16の透明な部分22は一般に導電性が相対的に小さい部分であり、発光有機層から発生する光50aは透明な部分22を通過する。反射要素20は一般に導電性が相対的に大きい部分であり、発生した光50bを反射する。第2の電極16は2つの面を持つと言うこともでき、それはELユニット14に隣接する第1の側6と、第2の側8である。図1からわかるように、エレクトロルミネッセンス・デバイスから出る光、すなわち光50aと50bは、透明な部分22を通って第2の電極16の第2の側8から出ていく。第1の電極12と第2の電極16のいずれかを基板10の上に形成することができる。反射性エッジ60を利用し、第1の電極12と第2の電極16によって規定される発光領域から光が逃げていくのを阻止できる。電極16は、発光領域に位置する相対的に反射が多い少なくとも1つの要素20を含んでいるため、発光領域内で少なくとも1つの反射部分20と発光領域のエッジの間に透明な部分22が形成される。そのため電流の分配を発光領域内で改善することができる。
ELユニット14は、図2を検討するとよりよく理解できる。第1の電極12と第2の電極16の間にエレクトロルミネッセンス(EL)ユニット14を有する典型的なLED構造11が示されている。図示したELユニット14は、第1の電極12と第2の電極16の間にすべての層を含んでいるが、電極そのものは含んでいない。発光層33は、正孔と電子の再結合によって光を出すあらゆる材料を含むことができる。好ましい一実施態様では、発光層33は、半導体マトリックス31の中に発光量子ドット39を含んでいる。この明細書で定義する量子ドット39は、発光ナノ粒子である。図2からわかるように量子ドット39は球形だが、この形状に限られるはずはない。実際、発光量子ドットは、量子閉じ込め効果を示す無機結晶性ナノ粒子であれば、任意の形状を持つことができる。形状として、例えば球、棒、ワイヤなどが挙げられる。半導体マトリックス31は、ハイブリッド・デバイスの場合には有機ホスト材料が可能であり、無機量子ドットLEDの場合には多結晶無機半導体マトリックスが可能である。ELユニット14は、電荷の注入を改善するため、場合によってはp型電荷輸送層またはn型電荷輸送層35、37を含むことができる。ELユニット14は、追加の電荷輸送層またはコンタクト層(図示せず)を備えることができる。1つの典型的なLEDデバイスは、ガラス基板と、透明な導電性アノード(例えばインジウム-スズ-酸化物(ITO))と、積層された層を含むELユニット14と、反射性カソード層を使用している。ELユニット14に含まれる層は、有機、または無機、またはこれらの組み合わせが可能である。
図1のトップ-エミッション型の実施態様では、電極12は基板10とELユニット14の間に位置しており、LEDから出た光は封止用カバー(図示せず)を通って出ていく。図6を参照すると、本発明のボトム-エミッション型の実施態様では電極16が基板10とELユニット14の間に位置していて、LEDから光が出て基板10を通過する。図1と図6では、電極16は明確に異なる透明な部分22と反射要素20を持つようにして単一の層の中にパターニングされて形成されており、例えばマスクを通じた蒸着やスパッタリングによって材料をパターニングされた状態で堆積させて形成することができる。あるいはパターニングされた部分は、材料をパターニングされた状態で除去すること(例えばフォトリソグラフィ)によって形成することもできる。反射要素20は、金属(例えば銀、アルミニウム、マグネシウム)または合金を含むことができるのに対し、透明な材料は、金属酸化物(例えばインジウム-スズ-酸化物)を含むことができる。これらの材料は、パターニングされた状態での堆積技術や除去技術と同様に周知である。
電極16の透明な部分22は任意の形状またはサイズにすることができ、複数の不連続な透明領域を含むことができる。形状は例えば長方形または円形の穴であり、ELユニット14から発生した光がその穴を通過する。透明とは、望む周波数の光が通過できることを意味する。本発明の透明な部分22は、本発明のフィルタ(例えばカラー・フィルタ、中性フィルタ)を含むことができ、その透明な部分22は、発生した光を電極16の反射要素20よりも多く通過させることが好ましい。同様に、反射要素20は、発生した光を電極16の透明な部分22よりも多く反射することが好ましい。透明な部分22は、波長が1マイクロメートル未満の光の振動数にとって透明な部分22を光が容易に通過するよう、少なくとも1つの方向のサイズが1マイクロメートル以上であることが好ましい。一般に、分離した複数の透明な部分22を設け、発生して透明な部分22を通過する光が、層内を繰り返して通過することによって著しく吸収された後にその透明な部分22に到達することがないようにすることが好ましい。
図7aを参照すると、本発明の別の一実施態様では、電極16は2つの層を備えている。第1の層は、ELユニット14に隣接して形成された透明な導電層26であり、第2の層は、透明な導電層26の上に形成されてパターニングされた反射性導電層24である。パターニングされた反射性導電層24と透明な導電層26で同じ位置を占める領域が、電極16の反射要素20を規定している。この構成は、電極16の透明な部分22をパターニングされた状態で堆積させる必要がないという利点を有する。透明な導電層26は、有機層14のすべての部分に電流を供給するために連続であることが好ましい。反射性導電層24は連続である必要はなく、製造プロセスにおけるパターニングをしやすくするために不連続であることが好ましい。図7bを参照すると、反射性導電層24を最初に堆積させてパターニングし、透明な導電層26を、反射性導電層24の背面を含めて表面全体に堆積させうることがわかる。
図8を参照すると、本発明のさまざまな実施態様では、電極16の反射性要素20を規定するパターニングされた導電層24は、2つの側を持つことができる。1つの側は反射性であり、発生した光を反射させるための反射面40を持つ。第2の側は光吸収性であり、周囲光を吸収するための光吸収面42を持つ。反射面40は発光するELユニット14の方を向いており、発生した光を反射する。光吸収面42はOLEDデバイスの見られる側を向いており、周囲光にさらされる。反射要素20の表面に光吸収面を形成すると周囲光は吸収されるため、OLEDデバイスのコントラストは増大する。コントラストは、電極16の面積のうちで透明な部分22に対する光吸収性部分の割合によって制限される。透明な部分22が少なくなるにつれ、コントラストは増大する。本発明では発光領域に補助電極を用いるため、光吸収材料で覆うことのできる面積の割合は増加し、OLEDデバイスのコントラストは向上する。光を吸収するためパターニングされた導電層24の表面を覆って光吸収面42を設けることのできる適切な材料として、例えば金属酸化物、金属硫化物、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、炭素、光吸収性ポリマー、吸収性染料をドープされたポリマー、またはこれらの組み合わせが挙げられる。光吸収材料は黒いことが好ましく(例えばカーボン・ブラック)、追加の反射防止コーティングを含むことができる。
再び図8のLED構造とその動作に戻ると、電流が電極12と16の間に供給される。電流はELユニット14の層を通って流れ、量子ドットが光を発生させる。電極12に向かって発生する光50aは反射される。透明な部分22に向かって発生する光50bは直接出ていく。反射要素20に向かって発生する光50cは電極12の方向に反射され、反射要素20と電極12に交互にぶつかって透明な部分22を通過し、LEDから出ていく。電極12はこの実施態様では反射性であるため、反射要素20の下で発生する光が失われることはなく、最終的にLEDから出ていく。したがって実際には発生する光の一部がELユニット14内の層、電極12、反射要素20によって吸収されるとはいえ、本発明では、従来の設計のLEDよりも発光領域が小さいのにほぼ同じ量の光が発生する。
図8からわかるように、図示した本発明の実施態様のOLEDデバイスに入射する周囲光52は、パターニングされた層24の光吸収面42で吸収することができる。あるいは周囲光は透明な部分22を通過し、最終的にLEDデバイスから望まない反射光として再び出ていくことができる。
本発明のさまざまな実施態様で可能なコントラストの改善の物理的限界は、LED内のELユニット14の実際の光吸収と、反射性電極12による不完全な反射または電極16の反射要素20による不完全な反射が原因の損失とによって制限されるであろう。こうした吸収と不完全な反射により、発生してLEDデバイスから出ていく光の量も減るであろう。本発明の一実施態様によれば、パターニングされた反射層24の光吸収面42は、電極16の光吸収領域の割合に比例してOLEDデバイスの周囲とのコントラストを改善するであろう。
有用なLEDデバイスを実現する場合にはいつでも、OLEDデバイスの各発光領域ごとに少なくとも1つの透明な部分22が存在せねばならない。したがって透明な部分22の開口部の最少数と最大間隔は、LEDデバイスの構成によって規定される。一般に、1つの発光領域または画素ごとにいくつかの透明な部分22があると有用である。透明な部分22のサイズと形状は重要ではなく、LEDデバイスの製造における実際上の制約によって決まる可能性がある。光はELユニット14によって吸収されるか、反射性電極12または反射要素20から不完全に反射されるかするため、各発光領域に多数の穴を設けることが好ましい。例えば50マイクロメートル×200マイクロメートルのパターニングされた電極によって規定される複数の発光領域を有するOLEDデバイスでは、約20%のブラック-マトリックス充填因子にするため20マイクロメートルのセンター上に直径5マイクロメートルの穴を設けることが好ましかろう。発光領域と透明な穴のサイズを相対的にこのような値にすると、発光領域に位置する反射要素20を電極16に含めることが可能になるため、少なくとも1つの反射要素20と発光領域のエッジの間にある発光領域に透明な部分22が形成される。そのため発光領域内の電流の分配を改善することができる。あるいはブラック-マトリックス充填因子を似た値にするため12マイクロメートルのセンター上に直径3マイクロメートルの穴を設けることも好ましかろう。点在する開口部をより多くするとLEDデバイスの光吸収を減らすことができる。
図9は、本発明のさまざまな実施態様のエレクトロルミネッセンス・デバイスのための電極16を上から見た図である。透明な部分22は、例えばLEDの発光領域の長さ方向に延びる列または行として、長方形(図示した状態)または円として形成することができ、規則的なアレイにすること、またはランダムに形成することができる。表面全体での透明な開口部22の分布は、サイズが異なると異なる可能性がある。重要なのは、任意の形状または任意の分布の透明な開口部22にできることである。図10からわかるように、透明な開口部22は不規則にすること、および/または発光領域と規則的に揃った状態にしないことができ、異なる発光領域の上のいろいろな位置に配置できる。あるいは図11からわかるように、反射要素20は規則的にパターニングし、例えば非発光領域と、パターニングされた第2の電極によって規定される発光領域のエッジの連続部分と、発光領域で発光領域のエッジ間に位置する部分を覆うことができる。導電性がより大きい反射要素20のパターニングは、電流の分配が最適化され、発光領域内でより一様になるように設計できる。
本発明によれば、反射性要素20または反射層24は透明な部分22よりも導電性であり、金属(例えば銀、アルミニウム、マグネシウム)または合金を含むことができる。より導電性のある材料は、導電性が(典型的にはITOなどの金属酸化物からなる)より小さな透明な部分22よりもはるかに効率的に電流を第2の電極16に分配することになろう。あるいは透明な部分と反射部分は同じ材料(例えばアルミニウム、銀、他の金属、合金)で製造できるが、透明な部分22は、反射部分20よりもはるかに薄くできる(例えば厚さが100nm未満であるため非常に透明である)。本発明ではより導電性のある材料(例えば厚さが100nmを超えていて、400nm超であることが好ましく、1マイクロメートルであることがより好ましい金属コーティング)で覆うことのできる領域の割合が大きくなるため、電力の分配が改善されたLEDデバイスが提供される。特に、電極16の反射要素20は透明な部分22よりも厚くすることができる。
図10と図11を再び参照すると、本発明のさらに別の実施態様では、散乱層18を電極12および16とELユニット14と光学的に一体化することができる。2005年2月24日に出願された同時係属中のUSSN 11/065,082(その内容全体は参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)に記載されているように、OLEDの有機層から出る光はOLEDデバイスの中に捕捉されるため、その捕捉された光を光散乱層を用いて散乱させてOLEDデバイスの外に出すことができる。この明細書では、散乱層18は、あらゆる方向からその層に入射する光の方向を変えてランダムな方向に向ける光学層である。光学的に一体化されたとは、本発明のELユニット14から発生する光が散乱層18にぶつかった後、ELユニットまたは電極よりも屈折率が小さい他の層の中を移動することを意味する。
散乱層18は、透明な部分22が位置する領域にだけ形成すること、または発光領域全体の上に位置させること、または反射要素20が位置する領域にだけ位置させることができる。散乱層18は、例えば図10と図11に示したように透明な導電層15と反射層13の間に形成することができる。透明な導電層15は、散乱層18とELユニット14の間に形成される。発生するか反射されて反射層13に向かう光は散乱される。このように通常は電極間をガイドされて透明な電極材料とELユニット14の中を通過する光は散乱され、そのガイドされた光が透明な部分22を通過してLEDデバイスから出ていくことのできる方向に向かうため、LEDデバイスの光出力が増大する。あるいは散乱層として、入射光をランダムな方向に向ける粗い表面を持つ反射性電極12、または光屈折粒子が組み込まれた反射性電極12を用いることができる。
図12を参照すると、本発明の別の一実施態様では、散乱層18を透明な部分22の中、または上方、または下方に形成することができる。この構成では、続く層を散乱層の不規則な表面上に形成する必要がないため、散乱粒子も反射要素20の上に形成することができる。これは製造を簡単にできるようにする上で必要である。
散乱された光は、厚い層の中に向かうとき、画素化されたデバイスにおける内部全反射によって大きな距離を移動する可能性があるため、このようなデバイスのシャープさが低下する。本発明のさらに別の一実施態様では、電極16の反射要素20が透明な部分22よりも厚くなっていて、光が通過するスペースが透明な部分とカバーまたは基板の間に設けられるようにすることが好ましい。屈折率がELユニット14、あらゆるカバー21、基板10よりも小さい低屈折率要素48を、反射要素20と透明な部分22の間に高さの差があることによって形成されるスペースに設けると、ELユニット14と電極12および16から出てきて低屈折率要素48を通過した後に他の層に入るあらゆる光は、他の層の中で内部全反射されることが不可能であるため、LEDデバイスのシャープさが増大する。特に、(図10に示した)低屈折率要素48を、ELユニット14、電極12および16、光散乱層18と、基板またはカバーの間に設けると、光は基板10またはカバー21の中で内部全反射されることが不可能であるため、LEDデバイスのシャープさが増大する。図10と図11を参照すると、光が通過して出ていく反射層24の間のスペースは、低屈折率要素48(例えば空気、窒素、アルゴンなどの気体)で満たすことができる。反射要素20と透明な部分22の高さの差は少なくとも1マイクロメートルであることが好ましい。すると可視光が低屈折率要素の中を効果的に通過することができる。
図13を参照すると、本発明のさらに別の実施態様では、カラー・フィルタ46を透明な部分22と揃った状態でその中または上方に位置させ、LEDデバイスからの光出力をフィルタすることができる。ELユニット14は着色光または広帯域光(主に白色光)を発生させることができるため、カラー・フィルタを用いて適切な色の光を供給し、例えばフル-カラー・エレクトロルミネッセンス・ディスプレイにすることができる。さまざまな実施態様では、カラー・フィルタ46は、LED上で散乱層の上方または下方に位置させるか、トップ-エミッション型エレクトロルミネッセンス・デバイスのカバーの上またはボトム-エミッション型エレクトロルミネッセンス・デバイスの基板の上に形成することができる。カラー・フィルタは従来技術で知られており、例えばベース材料(例えばガラス、シリコン、シリコンをベースとした材料などのさまざまな保護層)の中または上に形成された顔料または染料を含むことができる。中性フィルタも使用できる。
あるいはカラー・フィルタは電極16全体の上に配置することができる。カラー・フィルタ46は、散乱層が存在する場合にはその上に形成すること、または透明な電極や、透明な電極の上に形成されたあらゆる保護層または封止層の上に形成すること、またはトップ-エミッション型OLEDデバイスのカバーの上、またはボトム-エミッション型OLEDデバイスの基板の上に形成された保護層または封止層の上に形成することができる。この場合には、発生した光とLEDデバイスの中で反射された周囲光の両方ともフィルタの中を多数回通過することになろう。
エレクトロルミネッセンス・デバイスの光出力を効果的に増大させるには、散乱層18は発光体と光学的に接触していなければならない。光学的接触とは、どの透明な有機電極層の屈折率よりも小さな屈折率を持つ介在層が存在しておらず、これらの層のどれかを通過する光が散乱層にぶつかることを意味する。
頂部にカソードがあり、基板に近い底部にアノードがあるLED構造について主に説明してきたが、ELユニットを反転させ、アノードとカソードの位置を交換できることがよく知られている。このような構造は両方とも本発明に含まれる。
本発明で役立つさまざまな導電性材料および散乱材料と、追加の光をデバイスから取り出すための光散乱層の使用については、2005年2月24日に出願された同時係属中のUSSN 11/065,082(その内容全体は参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)に記載されている。本発明では追加の層を用いると有用であろう。例えば散乱層で遭遇する1つの問題は、散乱層内の散乱要素に付随する鋭いエッジの位置で電極が動作しなくなる可能性があることである。散乱層は平坦にできるが、そのような平坦化操作によっては一般に完全に滑らかで欠陥のない表面は形成されない。透明な電極間が短絡する可能性を減らすには、短絡低減層を散乱層の上に設けるとよい。
たいていのハイブリッド無機-有機LEDデバイスは水分と酸素に敏感であるため、不活性雰囲気(例えば窒素またはアルゴン)の中で一般に乾燥剤(例えばアルミナ、ボーキサイト、硫酸カルシウム、粘土、シリカゲル、ゼオライト、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩)とともに封止される。封止と乾燥の方法として、2001年5月8日にBorosonらに付与されたアメリカ合衆国特許第6,226,890号に記載されている方法があるが、方法がこれだけに限定されることはない。それに加え、障壁層(例えばSiOx(x>1)、テフロン(登録商標)、交互に積層された無機層/ポリマー層)が封止法において知られている。例えば2005年4月5日に出願されて譲受人に譲渡された同時係属中のUSSN 11/122,295(その内容全体は参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)に記載されているように、原子層堆積を利用して封止することができる。封止層は、散乱層またはカラー・フィルタ層の下方または上方で透明な電極の上に形成することができる。例えば保護層、および/または原子層堆積によって形成される封止層、および/またはパリレン層を電極16の上に形成することができる。
本発明は、4つのサブ画素(例えば赤色発光体、緑色発光体、青色発光体、白色発光体)からなるディスプレイの設計でも利用することができる。中性フィルタを任意の発光体の上に配置できるが、特に白色発光体とともに用いるとデバイスのコントラストを改善できる。このようなカラー・フィルタまたは中性フィルタは、この明細書に示した透明な任意の開口部の中に配置できる。
本発明のエレクトロルミネッセンス・デバイスでは、望むのであればよく知られたさまざまな光学的効果を利用して特性を向上させることができる。その中には、層の厚さを最適化して光の透過を最大にすること、誘電性ミラー構造を設けること、反射性電極の代わりに吸収性電極にすること、グレア防止または反射防止のコーティングをディスプレイの表面に設けること、偏光媒体をディスプレイの表面に設けること、カラー・フィルタ、中性フィルタ、色変換フィルタをディスプレイの表面に設けることなどがある。フィルタ、偏光装置、グレア防止用または反射防止用コーティングは、特に、カバーの表面に、またはカバーの一部として設けることができる。
本発明は、アクティブ-マトリックス式エレクトロルミネッセンス・デバイスまたはパッシブ-マトリックス式エレクトロルミネッセンス・デバイスで実施することができる。本発明は、ディスプレイ装置またはエリア照明装置でも利用できる。Kahenによる同時係属中のUSSN 11/226,622(その内容全体は参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)に記載されているように、量子ドットを用いて無機ELユニット14を形成することができる。図14を参照すると、本発明の別のボトム-エミッション型の実施態様では、第1の電極12と第2の電極16が、1つ以上の発光領域51と、透明な部分を含む電極16を規定している。透明な絶縁層32が、ELユニット14とは反対側で電極16に隣接して形成され、反射要素20が、透明な電極16とは反対側で透明な絶縁層32に隣接した層の中に形成されている。ここに反射要素20は反射性の導電性バス28であり、発光層を向いた反射面を備えていて、発光領域51の一部だけを覆っている。透明な絶縁層32は平坦化層であってもよい。
エレクトロルミネッセンス・デバイスは基板10の上に形成される。半導体層が形成されて、LEDを駆動するための薄膜電子部品30となる。絶縁用かつ平坦化用の層間層32は薄膜電子部品30の上に形成され、発光領域51を規定するパターニングされた電極16は、透明な絶縁層32の上に形成される。画素間絶縁膜34がパターニングされた電極16の各部分を分離している。ギャップが第2の電極12を封止用カバー21から隔てている。あるいは封止用カバー21で電極12を直接覆ってギャップが存在しないようにすることもできる。
本発明の一実施態様を上から見た図15を参照すると、薄膜電子部品30は、電流と信号の分配用バス19と、発光領域51の一部だけを覆う反射性の導電性バス28とによって駆動される。本発明によれば、バス19と28の両方が発光領域51の間に形成されているならば、パターニングされた電極12によって規定されていて透明な部分22と反射要素30の両方を含む全発光領域51は、その両方が含まれていない場合よりも広い。そのためELユニットの駆動電流密度は発光領域51で低下する。図15からわかるように、反射性の導電性バス28は、発光領域51の一部だけを覆っているため、光は、発光領域で反射性の導電性バス28のいずれかの側に残された部分から出ることができる。
本発明のさまざまな実施態様によると、反射性の導電性バス28は、さまざまな位置に配置でき、反射要素の一般的な説明において上述したように、さまざまな反射性の導電性材料(例えば銀、アルミニウム、マグネシウム、他の金属、合金)のいずれかを含んでいる。特に図16を参照すると、1つ以上の反射性の導電性バス28を本発明のさまざまな実施態様で利用し、フラット-パネル・ディスプレイの技術で知られているようにさまざまな信号(例えば電力、データ)を伝えたり、信号を選択したりすることができる。図15と図16からわかるように、バス28は、発光領域51のうちで反射性の導電性バスによって覆われていない部分が反射性の導電性バスの両側に位置するように配置できる。図17を参照すると、別の方法として反射性の導電性バス28を発光領域51のエッジに配置し、発光領域51の一部だけを覆うようにできる。この構成では、バス19は反射性の導電性バス28とほぼ連続であり、そのバスに電気的に接続されている。別の実施態様(図示せず)では、バス19がその長さの一部で反射性の導電性バス28の一部と連続しているようにできる。本発明の他のさまざまな実施態様によれば、反射性の導電性バス28は共通する1つのステップで形成すること、および/またはOLEDデバイスで使用される他のバス19と共通の材料を含むことができるため、マスク使用ステップが減り、製造コストが低下する。
信号と電力がバス28と19の中を通過するとき、薄膜電子部品30は電圧差を電極12と16の間に印加し、電流をELユニット14の中に流すとともに、光を発光領域51から発生させる。図18aを参照すると、光はあらゆる方向に発生するため、光の一部は光線50aで示したようにLEDデバイスから直接外に出ていくが、光の一部は反射性バス28に向かう。バス28は本発明による反射要素であるため、光は反射されて反射性電極12に戻り、そこで光線50bで示したようにしてエレクトロルミネッセンス・デバイスから外に出ていくか、反射性バス28に再度ぶつかる。反射性電極12とバス28は互いに反対側に形成されているため、発生したすべての光がLEDデバイスから出ていくことができる。そのため(不完全な反射面による吸収を除いて)光が失われることはほとんどない。したがって本発明により、エレクトロルミネッセンス・デバイスのパターニングされた電極16に対応する発光領域の充填因子を大きくすることができる。というのも反射性バス28の背後にある発光領域から出る光はLEDデバイスからやはり出ていくことができるからである。図18bを参照すると、図18aをトップ-エミッション型にした本発明のこの実施態様は、基板10に隣接した位置にある反射性電極12と、反射性電極12および基板10とは反対側でELユニット14と接する電極16を含んでいる。透明な絶縁層33が反射性の導電性バス28を電極16から隔てている。層33は、対応するボトム-エミッション型絶縁層32とは異なる材料と方法を用いて形成することができる。なぜなら層33は一般に基板10の上ではなくLEDと電極12および16の上方に形成されるからである。図19に示した本発明の別の一実施態様では、散乱層18を電極12、16およびELユニット14と光学的に一体化することができる。2005年2月24日に出願された同時係属中のUSSN 11/065,082(その内容全体は参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)に記載されているように、OLEDの有機層から発生する光はOLEDデバイスの中に捕捉され、その捕捉された光を光散乱層を用いて散乱させてOLEDデバイスの外に出すことができる。この明細書では、散乱層18は、あらゆる方向からその層に入射する光の方向を変えてランダムな方向に向ける光学層である。“光学的に一体化された”とは、本発明のELユニット14から発生する光が散乱層18にぶつかった後、屈折率がELユニットまたは電極の材料よりも小さい他の層の中を移動することを意味する。散乱層18は、発光性有機材料層14に光学的にカップルするさまざまな位置に配置することができる。散乱層18は、例えば図19に示したように、透明な絶縁層と透明な電極16の間に位置させることができる。あるいは散乱層18は、反射性の導電性バス28と透明な絶縁層(図示せず)の間に位置させることができる。図20に示した別の一実施態様では、例えば粗い表面を用いることにより、反射性の導電性バス28の表面40それ自体を光散乱性にすることができる。さらに、反射性の導電性バスの反射性表面を1つ以上の電極と平行でなくすると、反射性の導電性バス28の背後から光が発生して本発明のLEDデバイスから出ていくのに必要な反射の数をより少なくすることができる。
LEDデバイス内のさまざまな部品からの周囲への反射を減らすことによってLEDデバイスのコントラストを改善することも有用である。図8に示したのと似た図20に示した本発明の別の一実施態様では、反射性の導電性バス28'は、電極12の方向を向いた反射面40に加え、電極16とは反対側に光吸収面42を備えることができる。
本発明の別のトップ-エミッション型の実施態様である図21を参照すると、エレクトロルミネッセンス・デバイスは、LED11の上方に透明なカバー21を持ち、そのカバーを通ってLED11からの光が出ていくことがわかる。光散乱要素17が基板10とカバー21の間に位置していて、ELユニット14から出る光を散乱させる。反射性要素20が透明な第2の電極16の上に位置して第2の電極16とカバー21の間にスペースを提供し、設けられた開口部内で第2の電極16とカバー21の間に透明なギャップ38を形成している。この透明なギャップ38は、第1の屈折率の範囲と第2の屈折率のどちらよりも小さい第3の屈折率を有する。この実施態様の1つの利点は、エレクトロルミネッセンス・デバイスの製造時に追加のスペーサ要素が必要ないことである。一実施態様では、図8に示したように反射性要素は反射面40と光吸収面42を有する。
本発明によれば、透明な第2の電極16の上に位置する反射性要素20によって透明な第2の電極16とカバー21の間にスペースが提供され、透明な第2の電極16とカバー21の間に透明なギャップ38が形成される。透明なギャップ38は電極16の透明な部分22と揃っており、第1の屈折率の範囲と第2の屈折率のどちらよりも小さい第3の屈折率を有する。
図21には、光散乱要素17が第2の電極16とカバー21の間に位置することが示されている。別の一実施態様では、第1の電極12が複数の層(例えば反射層13の上方に形成された透明な導電層15)を持つことも可能である。図22に示してあるように、散乱層18は反射層13と透明な導電層15の間に位置させることができる。反射層13は、散乱層18と同様に導電性にすることもできる。この場合、透明な導電層15は、第1の屈折率の範囲の屈折率を持つことが好ましい。本発明の別の一実施態様では、散乱要素17も反射性にすることができる(図示せず)。別の一実施態様では、図20からわかるように散乱層18そのものを電極にすることができる。
好ましい実施態様では、封止用カバー21と基板10は、屈折率の典型値が1.4〜1.6のガラスまたはプラスチックを備えることができる。透明なギャップ38は、光学的に透明な材料からなる固体層、または空隙(すなわちギャップ)を有することができる。空隙すなわちギャップは、真空でもよいし、光学的に透明な気体材料または液体材料で満たしてもよい。例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴンはすべて屈折率が1.0〜1.1であり、どれも本発明で使用可能である。屈折率がより小さな使用可能な固体として、フルオロカーボンまたはMgFがある。これらはどれも屈折率が1.4未満である。使用する気体はどれも不活性であることが好ましい。反射性の第1の電極12は、金属(例えばアルミニウム、銀、マグネシウム)または合金でできていることが好ましい。透明な第2の電極16は、透明な導電性材料(例えばインジウム-スズ-酸化物(ITO)または他の金属酸化物)でできていることが好ましい。ELユニット14は、従来技術で知られている有機または無機の材料(例えば正孔注入層、および/または正孔輸送層、および/または発光層、および/または電子注入層、および/または電子輸送層)を含むことができる。このような材料層は、OLEDと量子ドットの技術でよく知られている。材料層は一般に屈折率が1.6〜1.9であるのに対し、インジウム-スズ-酸化物の屈折率は約1.8〜2.1である。したがってこれらのさまざまな層は1.6〜2.1の範囲の屈折率を持つ。もちろん、さまざまな材料の屈折率は、その中を通過する光の波長に依存する可能性があるため、これらの材料に関してここに示す屈折率の値は大まかな値にすぎない。いずれにせよ、透明で屈折率が小さなギャップは、発光体のための望ましい波長において第1の屈折率の範囲と第2の屈折率よりも少なくとも0.1だけ小さいことが好ましい。
散乱層18は、体積散乱層または表面散乱層を備えることができる。いくつかの実施態様では、散乱層18は、異なる少なくとも2つの屈折率を持つ材料を含むことができる。散乱層18は、例えば屈折率がより小さなマトリックスと、屈折率がより大きな散乱要素とを含むことができる。あるいはマトリックスがより大きな屈折率を持ち、散乱要素がより小さな屈折率を持っていてもよい。例えばマトリックスは、屈折率が約1.5の二酸化ケイ素または架橋した樹脂を含むこと、または屈折率がはるかに大きい窒化ケイ素を含むことができる。散乱層18の厚さが発生する光の波長の1/10よりも大きい場合には、散乱層18に含まれる少なくとも1つの材料の屈折率は、第1の屈折率の範囲とほぼ等しいかそれよりも大きいことが望ましい。これは、ELユニット14と、電極16の透明な部分22とに捕捉されるすべての光が、散乱層18の方向変更効果を確実に受けられるようにするためである。散乱層18の厚さが発生する光の波長の1/10よりも小さい場合には、散乱層に含まれる材料の屈折率がそのような好ましい値である必要はない。
LED11をカバー21から効果的に離して上述の有用な光学的構造を得るには、反射性要素20は1マイクロメートル以上の厚さであることが好ましいが、1mm未満であることが好ましい。散乱要素17の材料が第2の電極層の上部を覆っている場合には、散乱要素17と封止用カバー21の間にギャップを設けるため、反射性要素20の全厚さは散乱要素17よりも厚いことが好ましい。散乱要素17は500nmを超える厚さであることが好ましく、1〜2マイクロメートルになる可能性があるため、反射性要素20の全厚さは1マイクロメートル以上であることが好ましい。反射性要素20の厚さは50マイクロメートル以上にできるが、デバイスのシャープさを最大にするため10マイクロメートル未満の厚さを維持することが好ましい。従来のリソグラフィ手段(例えば従来技術で知られているフォト-レジスト、マスク露出、エッチング)を利用して反射性要素20を作り出すことができる。反射性要素20は厚膜技術またはインクジェット技術を利用して堆積させることができる。例えばレーザーを用いた熱転写法を利用できる。反射性要素20では、グリッド構造を形成するのにマスクを用いても用いなくてもよい。
スペーサ要素として反射性要素20を用いる本発明の別の一実施態様では、反射性要素20は、LED11の表面の上方でパターニングするか封止用カバー21にすることができる。図5を参照するとわかるように、エレクトロルミネッセンス・デバイスのシャープさと周囲とのコントラストを大きくするため、反射性要素20は光吸収面42を備えることができる。反射性要素20は、発光領域内に複数の部分を有することに加え、すべての発光領域51のまわりに、またはいくつかの発光領域51の間の領域に複数の部分を有することもできる。本発明の一実施態様に関する図23と図24を参照すると、発光粒子39は量子ドットである。発光ダイオードにおいて量子ドットを発光体として用いることには、量子ドット粒子のサイズを変えることによって発光波長を簡単にチューニングできるという利点がある。そのためスペクトルが狭い(その結果として色域がより広くなる)マルチ-カラーの光を発生させることができる。量子ドットをコロイド法によって調製する(高真空技術によって成長させる(S. Nakamura他、Electronics Letter、第34巻、2435ページ、1998年)のではない)場合には、基板はもはや高価である必要も、格子がLED半導体系と一致している必要もない。基板は、例えばガラス、プラスチック、金属ホイル、シリコンのいずれかにすることができる。このような方法で量子ドットLEDを形成することが非常に望ましい。それは特に、低コストの堆積法を利用してLED層を堆積させる場合である。
コア/シェル量子ドット220発光体の概略を図23に示してある。この粒子は、発光コア200と、半導体シェル210と、有機リガンド215を備えている。典型的な量子ドットのサイズは数nmのオーダーであってその固有エキシトンのサイズと同程度であるため、粒子の吸収ピークと発光ピークの両方とも、バルクでの値と比べて青色側にシフトする(R. Rossetti他、Journal of Chemical Physics、第79巻、1086ページ、1983年)。量子ドットのサイズが小さい結果として、ドットの表面の電子状態が、ドットの蛍光量子収率に大きな影響を与える。発光コア200の表面の電子状態は、適切な有機リガンド215(例えば第一級アミン)をその表面に結合させることによって、または別の半導体(半導体シェル210)を発光コア200の周囲にエピタキシャル成長させることによって保護できる。半導体シェル210を成長させることの(有機物で保護したコアと比較した)利点は、正孔コア粒子と電子コア粒子両方の表面の状態を同時に保護でき、得られる量子収率が一般により大きくなり、量子ドットが光に対してより安定で化学的に強くなることである。半導体シェル210の厚さは限られている(一般に単層が1〜2)ため、その表面の電子状態も保護する必要がある。ここでも、有機リガンド215は共通に選択される。CdSe/ZnSコア/シェル量子ドット220を例に取ると、コア/シェルの界面における価電子帯と伝導帯のずれは、その結果として生じるポテンシャルが正孔と電子の両方をコア領域に閉じ込めるような値である。電子は一般に重い正孔よりも軽いため、正孔は大半がコアに閉じ込められるのに対し、電子はシェルの中に侵入し、金属原子に付随するそのシェルの表面の電子状態を表わす(R. Xie他、Journal of the American Chemical Sociery、第127巻、7480ページ、2005年)。したがってCdSe/ZnSコア/シェル量子ドット220の場合には、シェルの表面の電子状態だけを保護する必要がある。適切な有機リガンド215の一例は、表面のZn原子に対してドナー/アクセプタ結合を形成する第一級アミンの1つになろう(X. Peng他、Journal of the American Chemical Sociery、第119巻、7019ページ、1997年)。典型的な高輝度量子ドットは、コア/シェル構造(より大きなバンドギャップがより小さいバンドギャップを取り囲む)を持ち、非導電性有機リガンド215がシェルの表面に結合している。
高輝度コア/シェル量子ドットのコロイド分散液は、過去10年の間に多くの研究者が製造してきた(O. MasalaとR. Seshadri、Annual Review of Materiaks Research、第34巻、41ページ、2004年)。発光コア200は、IV型の半導体材料(Si)、またはIII-V型の半導体材料(InAs)、またはII-VI型の半導体材料(CdTe)からなる。スペクトルの可視部分で発光させるには、CdSeがコア材料として好ましい。なぜならCdSeコアの直径を変えること(1.9〜6.7nm)によって発光の波長を465nmから640nmまで変えられるからである。従来技術でよく知られているように、可視光を発生させる量子ドットは、他の材料系(例えばドープされたZnS)から製造することができる(A.A. Bol他、Phys. Stat. Sol.、第B224巻、291ページ、2001年)。発光コア200は、従来技術でよく知られている化学的方法で作ることができる。典型的な合成経路は、配位溶媒中での分子前駆体の高温分解、溶媒加熱法(O. MasalaとR. Seshadri、Annual Review of Materiaks Research、第34巻、41ページ、2004年)、捕獲沈澱(R. Rossetti他、Journal of Chemical Physics、第80巻、4464ページ、1984年)である。半導体シェル210は一般にII-VI型の半導体材料(例えばCdS、ZnSe)からなる。シェルの半導体は、一般に、コア材料の格子とほぼ適合するように選択され、コアの正孔と電子の大半が量子ドットのコア領域に閉じ込められるようなレベルの価電子帯と伝導帯を持つ。コアがCdSeである場合にシェルとして好ましい材料は、ZnSexS1-x(xは0.0〜約0.5)である。発光コア200を取り囲む半導体シェル210の形成は、一般に、配位溶媒中での分子前駆体の高温分解(M.A. Hines他、Journal of Physical Chemistry、第100巻、468ページ、1996年)によって、または逆ミセル法(A.R. Kortan他、Journal of the American Chemical Sociery、第112巻、1327ページ、1990年)によって実現される。
従来技術でよく知られているように、量子ドット膜を形成する低コストの2つの手段では、コア/シェル量子ドット220のコロイド分散液をドロップ・キャスティングとスピン・キャスティングによって堆積させる。あるいはスプレーまたはインクジェット堆積を利用することもできる。量子ドットをドロップ・キャスティングによって形成するための一般的な溶媒は、ヘキサン:オクタンの9:1混合物である(C.B. Murray他、Annual Review of Materials Science、第30巻、545ページ、2000年)。有機リガンド215は、量子ドット粒子がヘキサンに溶けるようなものを選択する必要がある。そのため炭化水素をベースとした尾部を有する有機リガンド(例えばアルキルアミン)が優れた選択肢となる。従来技術でよく知られた方法を利用し、成長手続きで得られるリガンド(例えばTOPO)を、選択した有機リガンド215と交換することができる(C.B. Murray他、Annual Review of Materials Science、第30巻、545ページ、2000年)。量子ドットのコロイド分散液を堆積させるとき、溶媒の条件は、堆積表面に容易に広がることと、堆積プロセスの間に溶媒が適度な速さで蒸発することである。アルコールをベースとした溶媒が優れた選択肢であることがわかった。例えば低沸点のアルコール(例えばエタノール)を沸点がより高いアルコール(例えばブタノール-ヘキサノール混合物)と組み合わせると、優れた膜が形成される。それに対応し、リガンドを交換して尾部が極性溶媒に溶ける有機リガンドを(量子ドットに)結合させる。適切なリガンドの一例はピリジンである。これら2通りの堆積法で得られる量子ドット膜は発光性だが非導電性である。非導電性有機リガンドがコア/シェル量子ドット220粒子を互いに分離しているために膜は抵抗性になる。膜が抵抗性になることには別の理由もある。それは、移動できる電荷が量子ドットに沿って伝播するとき、半導体シェル210の閉じ込めポテンシャル障壁のためにその移動できる電荷がコア領域に捕獲されるからである。
無機LEDが適切に動作するには、一般に、抵抗率が小さなn型輸送層とp型輸送層が(わずかにドープされていて)導電性かつ発光性の発光層を取り囲んでいる必要がある。上述のように、典型的な量子ドット膜は発光性だが絶縁性である。図24に、発光性かつ導電性である無機発光層33を提供する1つの方法の概略を示してある。考え方は、コア/シェル量子ドット220に沿って小さな(2nm未満)導電性無機ナノ粒子240を同時に堆積させて無機発光層33を形成するというものである。次に、不活性ガス(ArまたはN2)を用いたアニール・ステップでより小さな無機ナノ粒子240を相互に焼結させるとともに、より大きなコア/シェル量子ドット220の表面に焼結させる。無機ナノ粒子240を焼結させると半導体ナノ粒子が溶融し、層33において半導体マトリックス33として有用な多結晶マトリックス31になる。この焼結プロセスにより、この多結晶マトリックス31はコア/シェル量子ドット220にも接続される。そのため無機発光層33の縁部から半導体マトリックス31を通ってコア/シェル量子ドット220に至る導電路が形成され、発光コア200において電子と正孔が再結合する。多結晶半導体マトリックス31の中にコア/シェル量子ドット220を閉じ込めることには、量子ドットが環境的に酸素と水分の両方の影響から保護されるという別の利点もあることにも注意されたい。
無機ナノ粒子240は、導電性半導体材料(例えばIV型の半導体(Si)、またはIII-V型の半導体(GaP)、またはII-VI型の半導体(ZnSまたはZnSe))で構成することができる。電荷をコア/シェル量子ドット220に容易に注入できるようにするには、無機ナノ粒子240を、バンドギャップが半導体シェル210材料のバンドギャップと同程度の半導体材料、さらに特定するならば、バンドギャップがシェル材料のバンドギャップから0.2eV以内である半導体材料で構成することが好ましい。ZnSがコア/シェル量子ドット220の外側シェルである場合には、無機ナノ粒子240は、ZnSで構成するか、Seの含有量が少ないZnSSeで構成する。無機ナノ粒子240は、従来技術でよく知られている化学的な方法で製造する。従来技術でよく知られているように、ナノメートル・サイズのナノ粒子は、その材料がバルクのときよりもはるかに低温で溶融する(A.N. Goldstein他、Science、第256巻、1425ページ、1992年)。それに対応し、無機ナノ粒子240は、焼結プロセスを促進するには直径が2nm未満であることが望ましい。より好ましいサイズは1〜1.5nmである。シェルがZnSであるより大きなコア/シェル量子ドット220に関しては、2.8nmのZnS粒子が350℃までのアニール温度で比較的安定であることが報告されている(S.B. Qadri他、Physical Review、第B60巻、9191ページ、1999年)。これら2つの結果を合わせると、アニール・プロセスの好ましい温度は250〜300℃であり、継続時間は60分間までになる。すると、より小さな無機ナノ粒子240が相互に焼結するとともに、より大きなコア/シェル量子ドット220の表面に焼結する。その一方で、より大きなコア/シェル量子ドット220は、形状とサイズが比較的安定なままに留まる。
無機多結晶発光層33を形成するには、無機ナノ粒子240とコア/シェル量子ドット220の共分散液を形成するとよい。コア/シェル量子ドット220は無機多結晶発光層33の中では無機ナノ粒子240によって取り囲まれていることが望ましいため、無機ナノ粒子240とコア/シェル量子ドット220の比が1:1よりも大きくなるように選択する。好ましい比は2:1または3:1である。堆積法(例えばスピン・キャスティングまたはドロップ・キャスティング)に合わせて有機リガンド215を適切に選択する。一般に、両方のタイプの粒子で同じ有機リガンド215を用いる。無機発光層33の導電率を大きく(したがって電子-正孔を注入しやすく)するには、不活性雰囲気中で無機発光層33をアニーリングする結果としてコア/シェル量子ドット220と無機ナノ粒子240の両方に結合した有機リガンド215が蒸発することが好ましい。沸点が低い有機リガンド215を選択することにより、アニーリング・プロセスの間に膜から有機リガンドを蒸発させることができる(C.B. Murray他、Annual Review of Materials Science、第30巻、545ページ、2000年)。したがって、ドロップ・キャスティングによって形成する膜では、鎖がより短い第一級アミン(例えばヘキシルアミン)が好ましく、スピン・キャスティングによって形成する膜では、ピリジンが好ましいリガンドである。薄膜を高温でアニーリングすると、熱膨張によって膜と基板の間にミスマッチが起こって膜が割れる可能性がある。この問題を避けるには、アニール温度を25℃からアニール温度まで徐々に上昇させ、アニール温度から室温まで徐々に戻すことが好ましい。温度変化にかける好ましい時間は約30分間である。得られる無機多結晶発光層33の厚さは10〜100nmでなければならない。
アニーリング・ステップの後、コア/シェル量子ドット220には有機リガンド215がなくなっているであろう。CdSe/ZnS量子ドットの場合には、外側リガンド・シェルがないと、シェルの表面状態が保護されていないことによる捕獲のために自由電子が失われる可能性がある(R. Xie他、Journal of the American Chemical Sociery、第127巻、7480ページ、2005年)。その結果、アニールされたコア/シェル量子ドット220は、アニールされていないドットと比べて量子収率が低下するであろう。この状況を避けるには、ZnSシェルの厚さを、コア/シェル量子ドットの電子の波動関数がもはやシェルの表面状態を表わさなくなる程度まで厚くする必要がある。従来技術でよく知られている計算法(S.A. Ivanov他、Journal of Physical Chemistry、第108巻、10625ページ、2004年)を利用すると、表面の電子状態の影響を無視できるためにはZnSシェルの厚さが少なくとも単層(ML)5つ分でなければならないことがわかる。しかし2MLまでの厚さのZnSシェルは、2つの半導体格子間の格子のミスマッチに起因する欠陥を発生させることなくCdSeの表面に直接成長させることができる(D.V. Talapin他、Journal of Physical Chemistry、第B108巻、18826ページ、2004年)。格子欠陥を回避するには、ZnSeからなる中間シェルをCdSeコアとZnS外側シェルの間に成長させるとよい。この方法はTalapinら(D.V. Talapin他、Journal of Physical Chemistry、第B108巻、18826ページ、2004年)によるものであり、彼らは、8MLまでの厚さのZnSをCdSeコアの表面に成長させることができた。最適なZnSeシェルの厚さは1.5MLである。格子のミスマッチを最小にするにはより洗練された方法も利用できる。それは例えば、CdSeからZnSまで、多数の単層の距離にわたって中間シェルの半導体含有量を滑らかに変化させるというものである(R. Xie他、Journal of the American Chemical Sociery、第127巻、7480ページ、2005年)。要するに、外側シェルの厚さを十分に厚くし、どの自由キャリアも表面の電子状態を表わしていることがないようにする。さらに、必要な場合には、適切な半導体含有量の中間シェルを量子ドットに付加することで、厚い半導体シェル210に付随する欠陥の発生を回避する。
金属層が発光層に隣接していると、表面プラズモン効果(K.B. Kahen、Applied Physics Letter、第78巻、1649ページ、2001年)の結果として発光効率が低下する。したがって十分に厚い(少なくとも150nm)電荷輸送層(例えば35、37)または導電層によって発光層をあらゆる金属接点から離すことが有利である。最後に、輸送層は電子と正孔を発光層に注入するだけでなく、材料を適切に選択することによってキャリアが漏れて発光層に戻ることを阻止できる。例えば無機ナノ粒子240がZnS0.5Se0.5からなり、輸送層がZnSからなる場合には、電子と正孔はZnSポテンシャル障壁によって発光層に閉じ込められるであろう。p型輸送層に適した材料として、II-VI型とIII-V型の半導体が挙げられる。典型的なII-VI型半導体は、ZnSe、ZnS、ZnTeである。ZnTeだけが天然のp型であるのに対し、ZnSeとZnSはn型である。十分に大きなp型導電率を得るには、追加のp型ドーパントを3つの材料すべてに添加する必要がある。II-VI型のp型輸送層の場合には、ドーパントとして可能な候補はリチウムと窒素である。例えばLi3Nを約350℃でZnSeの中に拡散させて抵抗率が0.4Ωcmと低いp型ZnSeを作り出せることが文献に示されている(S.W. Lim、Applied Physics Letters、第65巻、2437ページ、1994年)。
n型輸送層に適した材料として、II-VI型とIII-V型の半導体が挙げられる。典型的なII-VI型半導体はZnSeまたはZnSである。p型輸送層に関して十分に大きなn型導電率を得るには、追加のn型ドーパントを半導体に添加する必要がある。II-VI型のn型輸送層の場合には、ドーパントとして可能な候補はIII型ドーパントであるAl、In、Gaのいずれかである。従来技術でよく知られているように、これらドーパントはイオン注入(その後にアニールする)または拡散法(P.J. George他、Applied Physics Letters、第66巻、3624ページ、1995年)によって層に添加することができる。より好ましい1つの方法は、ナノ粒子を化学合成している間にドーパントをその場で添加する方法である。ヘキサデシルアミン(HDA)/TOPO配位溶媒の中に形成されるZnSe粒子を例に取ると(M.A. Hines他、Journal of Physical Chemistry、第B102巻、3655ページ、1998年)、Zn供給源はヘキサン中のジエチル亜鉛であり、Se供給源は、TOPに溶かしたSe粉末である(TOPSeを形成する)。ZnSeにAlをドープするのであれば、ヘキサン中に対応する割合(ジエチル亜鉛の濃度に対して数%)のトリメチルアルミニウムが含まれたものを、TOP、TOPSe、ジエチル亜鉛を含有する注射器に添加することになろう。このようなその場でのドーピング法は、化学浴堆積法によって薄膜を成長させるときにうまくいくことがわかっている(J. Lee他、Thin Solid Films、431〜432ページ、第344巻、2003年)。
本発明をいくつかの好ましい実施態様を特に参照して詳細に説明してきたが、本発明の精神と範囲でさまざまな変形や変更が可能であることが理解されよう。
6 第1の側
8 第2の側
10 基板
11 LED構造
12 電極
13 反射層
14 ELユニット
15 透明な電極
16 電極
17 散乱要素
18 散乱層
19 バス
20 反射要素
21 カバー
22 透明な部分
24 パターニングされた反射性導電層
26 透明な導電層
28 反射性バス
30 薄膜回路
31 半導体マトリックス
32 絶縁体
33 発光層
34 絶縁体
35、37 電荷輸送層
38 ギャップ
39 量子ドット
40 反射面
42 光吸収面
46 カラー・フィルタ
48 低屈折率要素
50a、50b、50c 発生した光線
51 発光領域
52 周囲光線
60 反射性エッジ
70 補助電極
200 発光コア
210 シェル
215 有機リガンド
220 コア/シェル量子ドット
240 無機導電性ナノ粒子

Claims (24)

  1. エレクトロルミネッセンス(EL)デバイスであって、
    第1の電極;
    第1の側と第2の側を持ち、少なくとも一部が透明である第2の電極;
    上記第1の電極と第2の電極によって規定される1つ以上の発光領域;
    上記第1の電極と第2の電極の間に形成された発光層を含んでいて、その第2の電極の第1の側に隣接し、上記ELデバイスから発生する光が上記透明な部分を通ってその第2の電極の第2の側から出ていくELユニット;および
    導電性であり、上記第2の電極の一部として形成されるか、その第2の電極と電気的に接続されていて、少なくとも一部が上記1つ以上の発光領域の中に位置する1つ以上の反射要素、
    を備えるエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  2. 上記発光層が、無機半導体マトリックス内にコア/シェル量子ドットを含む多結晶無機発光層である、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  3. 上記発光層が、有機半導体マトリックス内にコア/シェル量子ドットを含むハイブリッド発光層である、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  4. 上記ELユニットが有機材料からなる、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  5. 上記第2の電極が多数の不連続な透明な部分を含む、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  6. 上記反射要素が上記第2の電極の透明な部分よりも厚い、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  7. 上記第2の電極が透明な導電層を含んでいて、その第2の電極の透明な部分が上記反射要素によって規定されている、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  8. 基板と;上記第2の電極の第2の側の隣に設けられた透明なカバーとをさらに含む、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  9. 上記ELユニットと、上記第2の電極の透明な部分とが、第1の屈折率の範囲であり;
    上記発光層から発生する光を散乱させるための、上記基板と第2の屈折率を持つ上記カバーとの間に位置する光散乱層と;
    上記第2の電極と上記カバーの間にある透明なギャップをさらに備えていて、
    上記反射要素がそのカバーをその第2の電極から物理的に離すことによってその透明なギャップを作り出し、その透明なギャップは、第1の屈折率の範囲と第2の屈折率のいずれよりも小さい第3の屈折率を持つ、請求項8に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  10. 基板をさらに備えていて、その基板が透明であり且つ上記第2の電極の第2の側に隣接している、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  11. 上記第2の電極と上記反射要素の間で、上記ELユニットとは反対側でその第2の電極に隣接するように形成された透明な絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  12. 上記第2の電極の第2の側に隣接した透明な基板をさらに備えていて、上記第1の電極が反射性である、請求項11に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  13. 上記ELユニットとは反対側で上記第1の電極の一つの側に隣接した基板をさらに含む、請求項11に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  14. 上記反射要素が、上記透明な絶縁層内のビアを通じて上記第2の電極に電気的に接続されている、請求項11に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  15. 上記透明な導電層が連続であり、上記発光層と同じ位置を占める、請求項7に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  16. 上記第1の電極と、上記第2の電極と、上記ELユニットとに光学的に一体化された散乱層をさらに含む、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  17. 上記散乱層が、上記第2の電極の透明な部分に対応する領域にだけ形成されている、請求項16に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  18. 上記第1の電極と上記第2の電極のうちの少なくとも一方が散乱電極である、請求項16に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  19. 上記第2の電極の透明な部分の少なくとも1つの方向のサイズが1マイクロメートル以上である、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  20. 上記第2の電極の透明な部分に対応する位置にカラー・フィルタをさらに備える、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  21. 多数の発光領域を備えていて、上記第2の電極の透明な部分がその発光領域と揃っていない、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  22. 基板の上に形成されたトランジスタをさらに備えていて、上記反射要素が、そのトランジスタの1つの端子に接続された信号バスまたは電力バスとしての導電性バスである、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  23. 上記反射要素が上記発光領域を超えて延びている、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
  24. 上記反射要素が2つの側を持ち、上記ELユニットに最も近い第1の側は反射性であって発生した光を反射し、第1の側とは反対側の第2の側は光吸収性であって入射する周囲光を吸収する、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス・デバイス。
JP2010507389A 2007-05-07 2008-04-22 電力の分配が改善されたエレクトロルミネッセンス・デバイス Withdrawn JP2010526420A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/744,950 US20080278063A1 (en) 2007-05-07 2007-05-07 Electroluminescent device having improved power distribution
PCT/US2008/005142 WO2008136915A1 (en) 2007-05-07 2008-04-22 Electroluminescent device having improved power distribution

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010526420A true JP2010526420A (ja) 2010-07-29

Family

ID=39708482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010507389A Withdrawn JP2010526420A (ja) 2007-05-07 2008-04-22 電力の分配が改善されたエレクトロルミネッセンス・デバイス

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20080278063A1 (ja)
EP (1) EP2143155A1 (ja)
JP (1) JP2010526420A (ja)
CN (1) CN101681999A (ja)
TW (1) TW200908411A (ja)
WO (1) WO2008136915A1 (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012216522A (ja) * 2011-03-30 2012-11-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置、及び発光装置の作製方法
JP2015125862A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 株式会社ジャパンディスプレイ 光源およびその光源を用いた表示装置
JP5830194B2 (ja) * 2013-03-13 2015-12-09 パナソニック株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた照明装置
JP2016122661A (ja) * 2016-02-24 2016-07-07 ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド 有機電界発光装置
JP2016173888A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 日本放送協会 発光素子及びその製造方法、並びに表示装置
WO2020170370A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2020170373A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2020170367A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイス、発光デバイスの製造方法
WO2020170371A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2020170368A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2021117103A1 (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 シャープ株式会社 発光デバイス
WO2021157019A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 シャープ株式会社 発光デバイス、発光デバイスの製造方法
WO2021157020A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2021157021A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法、及び発光デバイス
WO2021157018A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 シャープ株式会社 量子ドット層の製造方法、および、発光デバイスの製造方法
WO2024084619A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、量子ドットの製造方法、および量子ドット
WO2024084618A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、および発光素子の製造方法
WO2024084570A1 (ja) * 2022-10-18 2024-04-25 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子および表示装置
WO2024084616A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、および発光素子の製造方法

Families Citing this family (58)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9470826B2 (en) * 2003-02-12 2016-10-18 Hon Hai Precision Industry Co., Ltd. Color filter and display panel using same
US8835941B2 (en) 2006-02-09 2014-09-16 Qd Vision, Inc. Displays including semiconductor nanocrystals and methods of making same
US9951438B2 (en) 2006-03-07 2018-04-24 Samsung Electronics Co., Ltd. Compositions, optical component, system including an optical component, devices, and other products
WO2007143197A2 (en) 2006-06-02 2007-12-13 Qd Vision, Inc. Light-emitting devices and displays with improved performance
JP2010508620A (ja) 2006-09-12 2010-03-18 キユーデイー・ビジヨン・インコーポレーテツド 所定のパターンを表示するために有用なエレクトロルミネセントディスプレイ
JP5773646B2 (ja) 2007-06-25 2015-09-02 キユーデイー・ビジヨン・インコーポレーテツド ナノ材料を被着させることを含む組成物および方法
WO2009014707A2 (en) * 2007-07-23 2009-01-29 Qd Vision, Inc. Quantum dot light enhancement substrate and lighting device including same
WO2009123763A2 (en) 2008-04-03 2009-10-08 Qd Vision, Inc. Light-emitting device including quantum dots
US9525148B2 (en) 2008-04-03 2016-12-20 Qd Vision, Inc. Device including quantum dots
US9207385B2 (en) 2008-05-06 2015-12-08 Qd Vision, Inc. Lighting systems and devices including same
WO2009137053A1 (en) 2008-05-06 2009-11-12 Qd Vision, Inc. Optical components, systems including an optical component, and devices
WO2009151515A1 (en) 2008-05-06 2009-12-17 Qd Vision, Inc. Solid state lighting devices including quantum confined semiconductor nanoparticles
US20100237364A1 (en) * 2009-03-19 2010-09-23 Christy Alexander C Thermal Energy Dissipating and Light Emitting Diode Mounting Arrangement
JP2010287680A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Mitsubishi Chemicals Corp 発光装置
JP5629989B2 (ja) * 2009-07-16 2014-11-26 大日本印刷株式会社 カラーフィルタ、当該カラーフィルタを備えた有機el表示装置およびカラーフィルタの形成方法
WO2011020098A1 (en) 2009-08-14 2011-02-17 Qd Vision, Inc. Lighting devices, an optical component for a lighting device, and methods
KR20110101980A (ko) 2010-03-10 2011-09-16 삼성모바일디스플레이주식회사 유기 발광 표시 장치 및 그 제조방법
EP2577734B1 (en) 2010-05-27 2019-11-13 Merck Patent GmbH Down conversion
KR20120004862A (ko) * 2010-07-07 2012-01-13 삼성모바일디스플레이주식회사 유기 발광 표시 장치
JP6125758B2 (ja) 2011-03-31 2017-05-10 住友化学株式会社 光学素子
JP6085095B2 (ja) 2011-03-31 2017-02-22 住友化学株式会社 光学素子
JP6018774B2 (ja) 2011-03-31 2016-11-02 住友化学株式会社 金属系粒子集合体
JP5979932B2 (ja) * 2011-03-31 2016-08-31 住友化学株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR101353434B1 (ko) * 2011-10-17 2014-01-21 주식회사 엘지화학 유기전자소자용 기판
KR101829890B1 (ko) 2011-12-23 2018-02-20 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 유기 발광 표시 장치 제조 방법
TWI497709B (zh) * 2012-03-22 2015-08-21 Innocom Tech Shenzhen Co Ltd 有機發光顯示裝置
KR20130108027A (ko) * 2012-03-23 2013-10-02 주식회사 엘지화학 유기전자소자용 기판의 제조방법
US9929325B2 (en) 2012-06-05 2018-03-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Lighting device including quantum dots
KR101904467B1 (ko) * 2012-07-25 2018-10-05 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 그 제조방법
KR102013316B1 (ko) * 2012-11-20 2019-08-23 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 이의 제조 방법
WO2014164726A1 (en) * 2013-03-11 2014-10-09 University Of Florida Research Foundation, Inc. Quantum-dot based hybrid led lighting devices
KR102146070B1 (ko) * 2013-07-01 2020-08-21 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치
TWI574055B (zh) * 2013-08-14 2017-03-11 鴻海精密工業股份有限公司 顯示面板
CN103427049B (zh) * 2013-08-21 2014-12-03 京东方科技集团股份有限公司 量子点发光元件的制造方法及量子点显示设备
JP6233417B2 (ja) * 2013-10-17 2017-11-22 株式会社村田製作所 発光デバイス
CN103525406B (zh) 2013-10-21 2015-08-26 京东方科技集团股份有限公司 一种复合薄膜及其制作方法、光电元件和光电设备
CN103500803B (zh) * 2013-10-21 2016-06-08 京东方科技集团股份有限公司 一种复合发光层及其制作方法、白光有机电致发光器件
KR102295610B1 (ko) * 2013-12-27 2021-08-30 엘지디스플레이 주식회사 유기 발광 다이오드 표시 장치
CN103779509A (zh) * 2014-01-27 2014-05-07 京东方科技集团股份有限公司 发光器件及其制作方法和显示面板
US10663142B2 (en) * 2014-03-31 2020-05-26 Bridgelux Inc. Light-emitting device with reflective ceramic substrate
US10488017B2 (en) * 2014-05-22 2019-11-26 Bitro Group, Inc. LED lighting device for colored lighting
CN104037358B (zh) * 2014-06-16 2017-05-03 上海和辉光电有限公司 有机发光二极管显示面板
WO2016010534A1 (en) * 2014-07-16 2016-01-21 Hewlett-Packard Development Company, L.P. A diffusive emissive display
US10739882B2 (en) * 2014-08-06 2020-08-11 Apple Inc. Electronic device display with array of discrete light-emitting diodes
DE102014111424A1 (de) 2014-08-11 2016-02-11 Osram Oled Gmbh Organisches Licht emittierendes Bauelement und Verfahren zur Herstellung eines organischen Licht emittierenden Bauelements
WO2016142579A1 (en) * 2015-03-09 2016-09-15 Beneq Oy A display device and a method for manufacturing such device
DE102015118717A1 (de) * 2015-11-02 2017-05-04 Osram Oled Gmbh Optoelektronisches Bauelement und Verfahren zum Herstellen eines optoelektronischen Bauelements
FR3061358B1 (fr) * 2016-12-27 2021-06-11 Aledia Procede de fabrication d’un dispositif optoelectronique comportant des plots photoluminescents de photoresine
CN107479243B (zh) * 2017-08-16 2020-12-22 京东方科技集团股份有限公司 显示面板、其驱动方法和显示装置
US10698265B1 (en) * 2017-10-06 2020-06-30 E Ink California, Llc Quantum dot film
CN110021647A (zh) * 2019-03-27 2019-07-16 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 一种oled显示面板及其制备方法
CN110350101A (zh) * 2019-06-20 2019-10-18 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 镜面oled显示装置和镜面oled显示装置的制作方法
CN110196516A (zh) * 2019-06-25 2019-09-03 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 一种显示面板及其显示装置
WO2021176519A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10 シャープ株式会社 表示装置およびその製造方法
CN112038883B (zh) * 2020-10-29 2021-05-28 锐驰智光(北京)科技有限公司 激光发射模块及具有此的激光雷达
CN112652649B (zh) * 2020-12-21 2023-06-16 深圳扑浪量子半导体有限公司 一种量子点显示装置及其制备方法与应用
TWI815330B (zh) * 2021-03-18 2023-09-11 汯益光學股份有限公司 堆疊式發光元件及其製造方法
CN112711008B (zh) * 2021-03-26 2021-06-25 锐驰智光(北京)科技有限公司 激光发射模块及具有此的激光雷达

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11121167A (ja) * 1997-10-16 1999-04-30 Tdk Corp 有機el素子
US6280559B1 (en) * 1998-06-24 2001-08-28 Sharp Kabushiki Kaisha Method of manufacturing color electroluminescent display apparatus and method of bonding light-transmitting substrates
JP4434411B2 (ja) * 2000-02-16 2010-03-17 出光興産株式会社 アクティブ駆動型有機el発光装置およびその製造方法
TW527848B (en) * 2000-10-25 2003-04-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd Light-emitting element and display device and lighting device utilizing thereof
EP1430549A2 (en) * 2001-09-04 2004-06-23 Koninklijke Philips Electronics N.V. Electroluminescent device comprising quantum dots
JP5072157B2 (ja) * 2001-09-27 2012-11-14 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
US6911772B2 (en) * 2002-06-12 2005-06-28 Eastman Kodak Company Oled display having color filters for improving contrast
US6812637B2 (en) * 2003-03-13 2004-11-02 Eastman Kodak Company OLED display with auxiliary electrode
US6933532B2 (en) * 2003-03-28 2005-08-23 Eastman Kodak Company OLED display with photosensor
US7157156B2 (en) * 2004-03-19 2007-01-02 Eastman Kodak Company Organic light emitting device having improved stability
US7719182B2 (en) * 2005-09-22 2010-05-18 Global Oled Technology Llc OLED device having improved light output
US7498735B2 (en) * 2005-10-18 2009-03-03 Eastman Kodak Company OLED device having improved power distribution

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012216522A (ja) * 2011-03-30 2012-11-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置、及び発光装置の作製方法
JP5830194B2 (ja) * 2013-03-13 2015-12-09 パナソニック株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた照明装置
US9577206B2 (en) 2013-03-13 2017-02-21 Panasonic Corporation Organic electroluminescence element and lighting device using same
JP2015125862A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 株式会社ジャパンディスプレイ 光源およびその光源を用いた表示装置
JP2016173888A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 日本放送協会 発光素子及びその製造方法、並びに表示装置
JP2016122661A (ja) * 2016-02-24 2016-07-07 ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド 有機電界発光装置
WO2020170368A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2020170373A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2020170367A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイス、発光デバイスの製造方法
WO2020170371A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2020170370A1 (ja) * 2019-02-20 2020-08-27 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2021117103A1 (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 シャープ株式会社 発光デバイス
WO2021157020A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法
WO2021157019A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 シャープ株式会社 発光デバイス、発光デバイスの製造方法
WO2021157021A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 シャープ株式会社 発光デバイスの製造方法、及び発光デバイス
WO2021157018A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 シャープ株式会社 量子ドット層の製造方法、および、発光デバイスの製造方法
WO2024084570A1 (ja) * 2022-10-18 2024-04-25 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子および表示装置
WO2024084619A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、量子ドットの製造方法、および量子ドット
WO2024084618A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、および発光素子の製造方法
WO2024084616A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、および発光素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW200908411A (en) 2009-02-16
CN101681999A (zh) 2010-03-24
EP2143155A1 (en) 2010-01-13
US20080278063A1 (en) 2008-11-13
WO2008136915A1 (en) 2008-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010526420A (ja) 電力の分配が改善されたエレクトロルミネッセンス・デバイス
US7919342B2 (en) Patterned inorganic LED device
US20080237611A1 (en) Electroluminescent device having improved contrast
US7952105B2 (en) Light-emitting display device having improved efficiency
US7564067B2 (en) Device having spacers
JP5243534B2 (ja) 光出力が改善されたエレクトロルミネッセンス・デバイス
TWI436496B (zh) 量子點發光裝置
JP5043848B2 (ja) 量子ドット発光層
US20060170331A1 (en) Electroluminescent device with quantum dots
WO2009014707A2 (en) Quantum dot light enhancement substrate and lighting device including same
KR102607857B1 (ko) 코어쉘 구조의 나노 입자를 포함하는 발광 소자
US20100314639A1 (en) Light emitting device and display device using the same
KR102256333B1 (ko) 퀀텀 로드 및 퀀텀 로드 표시장치
JP5118504B2 (ja) 発光素子
EP4294153A1 (en) Organic electroluminescent devices
JP5118503B2 (ja) 発光素子
CN117529129A (zh) 有机电致发光装置
CN118057949A (zh) 有机电致发光装置
JP2009200251A (ja) 発光素子およびそれを用いた表示装置
JP2005332695A (ja) 固体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110705