JP2005332695A - 固体発光素子 - Google Patents

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信治 岡本
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Abstract

【課題】 薄膜EL素子からなる固体発光素子において、紫外発光を効率良く可視発光に変換することができ、信頼性の向上および作製工程の簡略化を図り得る、高精細なディスプレイの作製が可能な固体発光素子を提供する。
【解決手段】 ガラス基板1上に、下部電極層(透明電極)2、絶縁層3、下部蛍光薄層4、紫外発光層5、上部蛍光薄層6、上部電極層(アルミ電極)7を順次積層してなり、2つの電極2、7の間に、紫外発光層5と、この紫外発光層5の両側に当接するようにして設けられた、該紫外発光を可視発光に変換する蛍光薄層4、6とが挟持される。電源部8により両電極層2、7間に所定の交流電圧が印加されると、紫外発光層5において紫外発光が発生し、この紫外発光は蛍光薄層4、6において可視発光に変換され、生成された可視発光は直接および上部電極層7に反射されて、ガラス基板1を介し出力される。
【選択図】 図1

Description

本発明は固体発光素子に関し、詳しくは、薄型で平面性に優れ、長寿命、高精細かつ高コントラストという特長を有するエレクトロルミネッセントディスプレイに用いられる薄膜エレクトロルミネッセント素子(以下、EL素子と称する)に関するものである。
発光現象の一つであるエレクトロルミネッセンスを応用した無機EL素子を、平面型ディスプレイに用いることが広く知られている。
このような無機EL素子を発光させる方式として、従来より、発光層に可視域の発光を得るための発光中心を付活し、ホットキャリアを高電界加速して衝突せしめ、可視発光を励起・発光させるメカニズムが用いられてきたが、近年、ホットキャリアを用いてGdイオンを励起して紫外発光を発生させた後、該紫外発光を素子表面に塗布した粉末蛍光体に照射し、この粉末蛍光体を励起・発光させて色変換を行うことにより可視発光を得る方式が提案されている(非特許文献1参照)。
しかしながら、このように粉末蛍光体を素子表面に設けた場合、Gdイオンからの紫外発光を粉末蛍光体に照射するためには、この紫外発光が高電場EL素子の構成部品である透明電極や基板を透過する構成としなければならない。
また、Gdイオンによる紫外発光(ピーク波長311nm)はそのイオンの内殻遷移を利用しており紫外発光の波長が固定されているため、紫外発光を可視発光に変換する蛍光体はこの紫外発光の波長帯に応じた励起帯の幅を持つ材料に限られる。
一方、GaN系の半導体を用い、p―n接合による電流注入によって発光を得る発光ダイオード(LED)は周知であり、このLEDを多数個二次元に配列することで大型ディスプレイを作製する手法も知られているところである。
しかしながら、このようにLEDを多数個配列してディスプレイを作製した場合、LED間の距離を近接させるのに限界があり、画素ピッチの粗いディスプレイとなってしまう。
そのため、画素間のピッチが粗くても、その粗さが目立たないような大型のディスプレイ用途に限られ高精細ディスプレイに用いるのには適していない。
上述したような問題点をある程度解消した技術として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載された従来技術は、紫外―可視変換方式を採用したものであり、GdイオンをGaN系化合物半導体にドープした紫外発光層(第1のメカニズム)、あるいはp−n接合LEDタイプの紫外発光層(第2のメカニズム)を用いて発生させた紫外発光を、蛍光体により可視発光に変換する表示装置であって、紫外発光層を挟むようにして上下両電極が配され、それら電極の外側に蛍光体層が積層されている。
T.Senda at al.: Proceedings of the 10th International Workshop on Inorganic andOrganic EL (2000) pp.133-136 特開2000−195672号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、下記の如き種々の問題がある。
すなわち、上述した第1および第2のメカニズムのいずれによっても、蛍光体層は紫外発光素子の外面に設けられた構造とされており、紫外発光層と蛍光体層の間に電極が介された構成とされているため蛍光体への紫外照射にロスが発生する。
また、上記特許文献1に記載された電流注入型である第2のメカニズムにおいては、いわゆる紫外LED素子を基板上に二次元配列するものであるが、一般的なLEDチップと異なり電極上に紫外発光層を直接形成するため、結晶欠陥の多い薄膜となり、直接電流注入を行うと破壊されやすく、信頼性に乏しい。さらに、電極が紫外発光層に直接接しているため紫外発光層内は低電界となり、注入されたキャリアは紫外発光層内部に広がってしまう。このため注入電流が近接する素子に流れ込まないようにパターニングによって紫外発光層を離散する必要があり、加工工程が複雑になる。
また、試作例としても記載されているように、このような電流注入型の紫外発光層の膜厚は数ミクロン程度になるため、凹凸の激しい表面となってその表面上の電極ラインは紫外発光層間で断線しやすくなる。断線を防止するためには紫外発光層間を埋める平坦化技術が必要となり、工程がさらに複雑になる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、薄膜EL素子からなる固体発光素子において、紫外発光を効率よく可視発光に変換することができ、信頼性の向上および作製工程の簡略化を図り得る、高精細なディスプレイの作製が可能な固体発光素子を提供することを目的とするものである。
また、上記特許文献1に記載された電圧励起型である第1のメカニズムにおいては、Gdイオン等の内殻遷移を用いるため、上述した非特許文献1に記載の技術と同様に、紫外発光の波長が固定され、紫外発光を可視発光に変換する蛍光体はこの紫外発光の波長帯に応じた励起帯を持つ材料に限られてしまう。
そこで、本発明はこのような事情にも鑑みなされたものであり、薄膜EL素子からなる固体発光素子において、上記目的を達成しつつ、絶縁破壊を防止し得る蛍光薄層材料の選択が可能な固体発光素子を提供することを目的とするものである。
本発明の固体発光素子は、2つの電極層の間に、紫外光を発光する紫外発光層と、この紫外発光層の両側または片側に当接するようにして設けられた該紫外発光を可視発光に変換する蛍光薄層を、設けてなることを特徴とするものである(請求項1)。
また、前記紫外発光層は、GaInAlN(ただし、x+y+z=1)からなることが好ましい(請求項2)。
また、前記紫外発光層は、電子を多数キャリアとする電子キャリア層と正孔を多数キャリアとする正孔キャリア層を接合してなり、該2つのキャリア層のうち少なくとも一方に不純物をドープしたものであることが好ましい(請求項3)。
また、前記紫外発光層が、電子−正孔再結合部を構成する第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域と、この第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域を挟むように上下に位置し、この第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域よりもバンドギャップが大となるような組成比とされた第2および第3のGaInAlN(x+y+z=1)領域とからなり、該第2および第3のGaInAlN(x+y+z=1)領域により前記第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域における電子−正孔の再結合確率が高められように構成されていることが好ましい(請求項4)。
また、前記蛍光薄層が前記紫外発光層の両側に位置する場合には、一方の蛍光薄層が正孔を多数キャリアとするとともに、他方の蛍光薄層が電子を多数キャリアとし、前記蛍光薄層が前記紫外発光層の片側に位置する場合には、該蛍光薄層が、正孔を多数キャリアとする蛍光薄層か電子を多数キャリアとする蛍光薄層のいずれかとすることが好ましい(請求項5)。
また、前記蛍光薄層が正孔を多数キャリアとする場合において、該蛍光薄層の母体材料は、MS(但し、MはMg,Ca,Ba,Srのうちから選択される元素、LはAl,Ga,Inのうちから選択される元素、x+y=1)により形成し、この母体材料に、希土類イオン、Mnイオンのうちから選択される材料を発光中心として付活したものであることが好ましい(請求項6)。
さらに、前記蛍光薄層が電子を多数キャリアとする場合において、該蛍光薄層の母体材料は、ZnS、ZnSe、ZnMg1−xS(0<x<1)、MgS、SrS、CaS、BaSのうちから選択される材料とし、この母体材料に、希土類イオン、Cuイオン、Mnイオンのうちから選択される材料を発光中心として付活したものであることが好ましい(請求項7)。
上記本発明の請求項1記載の固体発光素子は、紫外発光層と、紫外発光を可視発光に変換する蛍光薄層とが直接接しており、電極はこれら2つの層の外側に配されるため、紫外発光の損失なく可視発光を効率よく発生させることができる。
また、電極上に紫外発光層を直接形成するものではないため、前述した従来技術のような結晶欠陥の多い薄膜となるのを防止することができ、直接電流注入を行った場合にも破壊されにくく、信頼性の向上を図ることができる。
また、紫外発光層内部は電界が高められ、キャリアの層厚方向への拡散が支配的となるため、対向する電極に挟まれた部分のみが紫外発生領域となる。これによって、紫外発光層を離散的に配列する必要がなくなり、作製工程が簡略化される。
また、電極のピッチを細かく配列することができるので高精細なディスプレイの作製が可能となる。
また、上記請求項2および3の構成を有する固体発光素子によれば、紫外発光の波長を蛍光薄層の励起帯の幅に調整することができる。すなわち、可視発光が透過できる程度のエネルギーギャップをもつ蛍光薄層とすることが可能であるから、高輝度・高効率化を達成することができる。また、蛍光薄層を半絶縁性のものとすることができ、高電界ELの場合の誘電体層としての機能とキャリアの注入機能とを併せ持たすことができ、絶縁破壊の防止効果および信頼性の向上を図ることができる。
また、上記請求項4の構成を有する固体発光素子によれば、紫外発光層における電子と正孔の再結合確率を増加でき、紫外発光を効率よく発生し可視発光の強度を増加できる。
また、上記請求項5の構成を有する固体発光素子によれば、蛍光薄層にキャリアの輸送機能をもたせることによって紫外発光層に電子と正孔を供給できる。
また、上記請求項6の構成を有する固体発光素子によれば、正孔を輸送する機能をもつ蛍光薄層を備えており、発光中心として付活するイオンの種類により種々の発光色を得ることができる。すなわち、Ceイオンで青色発光、Euイオンで青色や緑色発光、Prイオンで赤色か青緑色発光、Tbイオンで青色か緑色発光、Dyイオンで黄色発光、Smイオンで橙色発光、Tmイオンで青色発光、Erイオンで緑色発光、Mnイオンで緑色や橙色発光を得ることができる。
また、上記請求項7の構成を有する固体発光素子によれば、電子を輸送する機能をもつ蛍光薄層を備えており、発光中心として付活するイオンの種類により種々の発光色を得ることができる。すなわち、Ceイオンで青色発光、Euイオンで青色や緑色発光、Prイオンで赤色か青緑色発光、Tbイオンで青色か緑色発光、Dyイオンで黄色発光、Smイオンで橙色発光、Tmイオンで青色発光、Erイオンで緑色発光、Mnイオンで緑色や橙色発光、Cuイオンで青色や緑色発光を得ることができる。
以下、本発明の実施形態に係る固体発光素子である薄膜EL素子について図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る薄膜EL素子100は、ガラス基板1上に、下部電極層(透明電極)2、絶縁層3、下部蛍光薄層4、紫外発光層5、上部蛍光薄層6、および上部電極層(アルミ電極)7を順次積層することにより形成されており、電源部8により両電極層2、7間に所定の交流電圧が印加されると、紫外発光層5において紫外発光9が生じ、この紫外発光9は蛍光薄層4、6において可視発光10に変換され、生成された可視発光10は直接および上部電極層7に反射されて、ガラス基板1を介し出力される。
このように、本実施形態に係る薄膜EL素子100においては、2つの電極2、7の間に、紫外発光層5と、この紫外発光層5の両側に当接するようにして設けられた、該紫外発光9を可視発光10に変換する蛍光薄層4、6と、が挟持されるようにして配される。
また、上記ガラス基板1に替えて、例えば石英板等を用いることが可能である。
また、上記下部電極層2は、例えば、ITO(錫添加酸化インジウム)やZnO等からなる透明電極であり、一方上記上部(背面)電極層7は、Al等からなる可視発光を反射し得る不透明な電極層である。下部電極層2の層厚は例えば約200nmであり、上部電極層7の層厚は例えば200nm以上である。なお、この上部電極層7を透明電極としたり、この上部電極層7を透明電極とした上で、その背面側に可視光反射層を設けることも可能である。
また、上記絶縁層3は、例えばSiOやTaにより形成されており、前者の場合の層厚は例えば約100nmとされ、後者の場合の層厚は例えば約500nmとされる。
この絶縁層3は、下部電極層2と下部蛍光薄層4との間に配されることで薄膜EL素子100を安定に動作させる機能を有し、下部蛍光薄層5よりも絶縁性が高くなるように、かつ下部電極層2からの電子の注入が容易となるように半絶縁性とされる。
また、上記下部蛍光薄層4は、電子を多数キャリアとする、CeイオンをドープしたSrS蛍光薄層からなり、1μm以下の膜厚とされている。
また、上記紫外発光層5は、GaNにより形成されており、例えば1μmの膜厚とされている。
また、上記上部蛍光薄層6は、正孔を多数キャリアとする、EuイオンをドープしたSrGa蛍光薄層からなり、約500μmの膜厚とされている。
以下、本実施形態に係る薄膜EL素子100の成膜方法について説明する。
まず、ガラス基板1上に、ITO透明電極からなる下部電極層2を電子線蒸着法により約200nm程度の厚さになるように形成する。その上に、高周波マグネトロンスパッタ法により約100nmのSiO層あるいは約500nmのTa層からなる絶縁層3を形成する。このとき、スパッタガス中の酸素分圧を制御して絶縁層3を半絶縁性とする。
次に、絶縁層3上に、共蒸着法を用いて下部蛍光薄層4を形成する。このとき、基板温度は約450℃に保ち、Sr金属とHSガスをそれぞれ適当な蒸発量に調整して供給し、供給時間を調整することにより1μm以下の層厚に形成する。共蒸着法に替えて、電子線蒸着法やスパッタ法、あるいはCVD法等を用いることが可能である。
また、このときCeClを同時に蒸発させてドープすると青緑色発光を得ることができる。なお、電子の供給のみを行う場合にはこのドープは行われない。
次に基板温度を400℃以上に保ち、下部蛍光薄層4上に、GaN化合物からなる蒸発原料を蒸発させてGaNからなる紫外発光層5を形成する。このとき、まず多数キャリアが電子となるように、紫外発光層5が約0.5μmの厚みに形成されるまでSiを適当量ドープする。この後、多数キャリアが正孔となるように、紫外発光層5が約1μmの厚みに形成されるまでZnを適量ドープする。これにより紫外発光層5の下部の約0.5μmの厚み部分は多数キャリアが電子とされ、上部の約0.5μmの厚み部分は多数キャリアが正孔とされる。
次に、紫外発光層5の上に、共蒸着法を用いてSrGaからなる上部蛍光薄層6を形成する。すなわち、基板温度を570℃に保ち、Sr金属とGa化合物からなる蒸発原料を蒸発させて形成する。このとき、多数キャリアが正孔となるように、Euイオンを含む蒸発原料を蒸発させて該Euイオンをドープすることにより緑色発光が得られる。
最後に、この上部蛍光薄層6の上に、アルミ金属からなる上部電極層7を200nm以上の厚みに形成する。
次に図2に示すエネルギーバンド図を用いて本実施形態に係る薄膜EL素子100の動作を説明する。
上述したように、紫外発光層5はGaNからなる半導体により構成されているため、強いピエゾ電界を有し、外部からの電界印加がない場合にはそのエネルギーバンドは、図2(A)に示すように傾斜しており、接合している各蛍光薄層4、6との界面にはキャリアを蓄積することができる。一方、エネルギーバンドの傾斜がなくなるように外部から電界を印加すると、上記界面に蓄積されていたキャリアである、電子および正孔は、図2(B)に示すように、各々伝導帯および価電子帯を通じて移動し、再結合して紫外発光9を発生させる。この場合、GaN中にAlまたはIn、あるいはそれら両方をドープするとエネルギーギャップの大きさを制御でき、紫外発光の波長を蛍光薄層の励起帯の幅に調整することができる。このエネルギーギャップの大きさは約3〜6eV程度とする。
さらに、AlまたはInのドープ量、あるいはそれら両方の混合比を変えることによって図3に示すようなバンドオフセットを設けるようにすれば、伝導帯を通じて移動する電子11と価電子帯15を通じて移動する正孔12の、禁制帯14を介してなされる再結合の確率を増加させることができるので、より効率良く紫外発光を得ることができる。
なお、上記紫外発光層5は、GaInAlN(x+y+z=1)で表される任意の組成のものとすることができる。この紫外発光層5に用いるGaInAlN(x+y+z=1)はLEDなどに用いる単結晶薄膜ではなく非晶質または多結晶の薄膜であり、絶縁性が高く高電界の印加が可能であるため、薄膜の面内方向への電流の拡散は少なく電極をマトリックス形状とすれば高精細なディスプレイを作製できる。さらに、電子および正孔の数および輸送を増強するために、キャリアを形成する不純物、例えば前述したように、ドナーではSi、アクセプタではZn等の不純物をドープすることが好ましい。
そして、一般的に、紫外発光層5を、電子−正孔再結合部を構成する第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域と、この第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域を挟むように上下に位置し、この第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域よりもバンドギャップが大となるような組成比とされた第2および第3のGaInAlN(x+y+z=1)領域とから構成し、これら第2および第3のGaInAlN(x+y+z=1)領域により第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域における電子−正孔の再結合確率が高められように構成すれば、紫外発光層5における電子と正孔の再結合確率を増加でき、紫外発光を効率よく発生し可視発光の強度を増加できるので好ましい。
なお、本発明の固体発光素子としては、上述したものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記実施形態のものでは、蛍光薄層4、6が紫外発光層5の両側(上下)に位置するように構成されているが、蛍光薄層4と蛍光薄層6とを入れ替えるように構成してもよい。また、一方の蛍光薄層4(6)のみを有する構成としてもよく、この場合には、蛍光薄層4(6)は、正孔を多数キャリアとする蛍光薄層か電子を多数キャリアとする蛍光薄層のいずれかとする。
また、正孔を多数キャリアとする蛍光薄層6(4)としては、上述した組成のものに限られず、この蛍光薄層6(4)の母体材料を、MS(但し、MはMg,Ca,Ba,Srのうちから選択される元素、LはAl,Ga,Inのうちから選択される元素、x+y=1)により形成し、この母体材料に、希土類イオンおよびMnイオンのうちから選択される材料を発光中心として付活することで構成することが可能である。なお、このような蛍光薄層については、本発明者等により開示された文献(K. Tanaka and S. Okamoto、 Proceedings of the 10th International Display Workshops (2003) pp.1101-1104)に詳述されている。
さらに、電子を多数キャリアとする蛍光薄層4(6)としては、上述した組成のものに限られず、蛍光薄層4(6)の母体材料を、ZnS、ZnSe、ZnMg1−xS(0<x<1)、MgS、SrS、CaS、BaSのうちから選択される材料とし、この母体材料に、希土類イオン、CuイオンおよびMnイオンのうちから選択される材料を発光中心として付活することで構成することが可能である。
なお、図4は、下部電極層2と上部電極層7の間に交流電圧を印加した場合に、EuイオンをドープしたSrGa蛍光薄層(6)から得られる緑色発光の発光スペクトルを示すものである。また、図5は、下部電極層2と上部電極層7の間に交流電圧を印加した場合に、CeイオンをドープしたSrS蛍光薄層(4)から得られる青緑色発光の発光スペクトルを示すものである。
本発明の実施形態に係る固体発光素子の構成を表す断面図 本発明の実施形態に係る固体発光素子の動作を説明するエネルギーバンド図((A)電圧を印加していない場合、(B)電圧を印加した場合) 図1に示す固体発光素子において、GaInAlN(x+y+z=1)の組成比を変えてバンドオフセットを設けた紫外発光のエネルギーバンド図 蛍光薄層にSrGa:Euを用いた場合の固体発光素子の発光スペクトルを示す図 蛍光薄層にSrS:Ceを用いた場合の固体発光素子の発光スペクトルを示す図
符号の説明
1 ガラス基板
2 下部電極層
3 絶縁層
4 下部蛍光薄層
5 紫外発光層
6 上部蛍光薄層
7 上部電極層
8 電源部
9 紫外発光
10 可視発光
11 電子
12 正孔
13 伝導帯
14 禁制帯
15 価電子帯
100 薄膜EL素子

Claims (7)

  1. 2つの電極層の間に、
    紫外光を発光する紫外発光層と、この紫外発光層の両側または片側に当接するようにして設けられた該紫外発光を可視発光に変換する蛍光薄層を、設けてなることを特徴とする固体発光素子。
  2. 前記紫外発光層が、GaInAlN(ただし、x+y+z=1)からなることを特徴とする請求項1記載の固体発光素子。
  3. 前記紫外発光層は、電子を多数キャリアとする電子キャリア層と正孔を多数キャリアとする正孔キャリア層を接合してなり、該2つのキャリア層のうち少なくとも一方に不純物をドープしたことを特徴とする請求項1または2記載の固体発光素子。
  4. 前記紫外発光層が、電子−正孔再結合部を構成する第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域と、この第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域を挟むように上下に位置し、この第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域よりもバンドギャップが大となるような組成比とされた第2および第3のGaInAlN(x+y+z=1)領域とからなり、該第2および第3のGaInAlN(x+y+z=1)領域により前記第1のGaInAlN(x+y+z=1)領域における電子−正孔の再結合確率が高められように構成されていることを特徴とする請求項2記載の固体発光素子。
  5. 前記蛍光薄層が前記紫外発光層の両側に位置する場合には、一方の蛍光薄層が正孔を多数キャリアとするとともに、他方の蛍光薄層が電子を多数キャリアとし、前記蛍光薄層が前記紫外発光層の片側に位置する場合には、該蛍光薄層が、正孔を多数キャリアとする蛍光薄層か電子を多数キャリアとする蛍光薄層のいずれかとすることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の固体発光素子。
  6. 前記蛍光薄層が正孔を多数キャリアとする場合において、該蛍光薄層の母体材料を、MS(但し、MはMg,Ca,Ba,Srのうちから選択される元素、LはAl,Ga,Inのうちから選択される元素、x+y=1)により形成し、この母体材料に、希土類イオンおよびMnイオンのうちから選択される材料を発光中心として付活したことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の固体発光素子。
  7. 前記蛍光薄層が電子を多数キャリアとする場合において、該蛍光薄層の母体材料を、ZnS、ZnSe、ZnMg1−xS(0<x<1)、MgS、SrS、CaS、BaSのうちから選択される材料とし、この母体材料に、希土類イオン、CuイオンおよびMnイオンのうちから選択される材料を発光中心として付活したことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の固体発光素子。
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