JPH04363892A - 直流エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

直流エレクトロルミネッセンス素子

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JPH04363892A
JPH04363892A JP3072314A JP7231491A JPH04363892A JP H04363892 A JPH04363892 A JP H04363892A JP 3072314 A JP3072314 A JP 3072314A JP 7231491 A JP7231491 A JP 7231491A JP H04363892 A JPH04363892 A JP H04363892A
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JP
Japan
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layer
transport layer
hole transport
electron transport
light emitting
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JP3072314A
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English (en)
Inventor
Shiro Kobayashi
史朗 小林
Katsuhisa Enjoji
勝久 円城寺
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流電場を印加するこ
とにより発光する直流エレクトロルミネッセンス(以下
ELと略す)素子に関し、さらに詳述すれば電子と正孔
の再結合を利用して発光する電荷注入型の直流EL素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子には、電子を高電界中で加速し
発光中心に衝突させ、その運動エネルギーを利用して発
光中心を励起し発光を得る衝突励起型EL(一般的には
真性ELと呼ばれている)と、電子と正孔を発光層内に
注入し再結合させ、その再結合の際に放出されたエネル
ギーを利用して発光中心を励起する電荷注入ELの2種
のタイプがある。
【0003】このうち真性EL素子には、直流EL素子
と交流EL素子の2種がある。直流EL素子に属するも
のとしては、バインダーで固めた蛍光体微粉末に直流電
圧をかけて発光させる直流粉末型ELと、薄膜の蛍光体
層の上に微粉末からできた抵抗層を重ねた層を電極で挟
み直流電圧をかけて発光させる直流薄膜粉末混成型EL
が知られている。いずれも、軽量、薄型な平板型ディス
プレイとして、可搬型コンピュータの表示部などに使わ
れつつある。
【0004】一方、電荷注入EL素子としては、発光ダ
イオード(以下LEDと略す)と有機ELの2種の発光
素子が知られている。これらは、いずれも、電子と正孔
が再結合する際に発生したエネルギーを利用して発光す
るという点で共通のメカニズムを有する直流EL素子で
あるが、LEDが、例えば、GaAs、GaN、InP
、ZnSe、SiCなどの3−5族、2−6族、4族の
無機の化合物半導体に不純物をドープし、室温で充分な
キャリアが存在するN型とP型の半導体を作り、それら
を接合させてPN接合を形成し、その接合面に数Vの電
圧を印加することによりそれぞれの半導体の多数キャリ
アに小数キャリアを注入し、それらを再結合させること
により発光させる機構を取るのに対し、有機ELでは、
LEDのN型、P型半導体に相当する電子輸送層あるい
は正孔輸送層には、室温ではキャリアはほとんど存在せ
ず、外部より高電圧を印加することにより外部電極より
トンネル効果を利用して発光層内にキャリアを注入し、
それらをドナーやアクセプターを介して再結合させたり
、あるいはそれらから生じた励起子が再結合する際に発
するエネルギーで蛍光体内に配置された発光中心等をエ
ネルギー伝達により励起、発光させるなど、電子正孔の
再結合エネルギーを別の発光中心に伝達させることによ
って発光を得るという点で基本的に大きな違いがある。 両者はいずれも発光素子として用いられるが、発光ダイ
オードはバンド間に不純物準位があると発光効率が落ち
るため、単結晶基板の上にエピタルシャル成長により単
結晶からなる発光素子を形成するのが普通であり、その
ため大面積なディスプレイを形成することは難しく、一
般に点光源のランプとして用いられる。
【0005】一方、有機ELは、一般にアモルファス状
態で素子を形成するため、大面積の平板型ディスプレイ
への応用が容易であり、しかも、衝突励起型EL素子と
比べて、低電圧で動作し、しかも高効率の蛍光体の種類
が豊富でカラー化も容易であるという特徴があることか
ら、新タイプの平板型ディスプレイとしての応用が期待
されている。
【0006】図2は、有機EL素子の代表的な構成を示
した図である。図2を用いて有機EL素子の基本構造、
製造方法および動作メカニズムを説明する。ガラス基板
1上に、透明電極2としてITOなどの透明電極材料を
スパッタ、真空蒸着法により成膜した後に、フォトリソ
グラフィなどの方法を用いて所定の形状にパターニング
する。その上に正孔輸送層8として、TADなどの正孔
に対して導電性の良い有機物質を蒸着法、ラングミュア
ーブロジェット法などを用いて成膜する。その上に発光
層10として、PE,NSD,ANなどの有機物質から
なる蛍光体を正孔輸送層と同様の方法を用いて形成する
。続いて発光層10の上に、電子輸送層9としてPBD
などの有機物質を、正孔輸送層と同様の方法で成膜する
。その上に、上部電極7としてMgAl(マグネシウム
アルミニウム)を真空蒸着法などを用いて成膜し、さら
にフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすること
によってドットマトリックス型あるいはセグメント型の
有機EL素子を作る。駆動は、通常透明電極を陽極、上
部電極を陰極とし直流のパルス電圧を印加させることに
よって行う。電子は上部電極から電子輸送層を通って、
また、正孔は透明電極から正孔輸送層を通って、いずれ
も発光層に注入され、そこで励起子を生成する。励起子
は、発光層内の再結合中心を介して再結合し発光する。
【0007】電子輸送層は正孔を、正孔輸送層は電子を
通さない性質を有するほうが、キャリアが発光層内に閉
じ込められるため発光効率が良くなる。上記の有機EL
では、発光効率が0.5  lm/W程度の発光効率の
EL素子が報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
有機EL素子は、素子構成要素が有機物であるため、寿
命が短いという問題があった。寿命は、素子の材質、作
製プロセスによって異なるが、最も寿命が長い報告例で
も輝度は数十時間の連続発光で半減してしまう。寿命が
短い原因としては、有機物は無機物などと異なり温度に
弱いこと、また、青色や紫色のような紫外線に近い波長
を発光する際には、発光により有機物を構成する原子間
の結合が切られ分解する等の化学変化が生じることなど
が考えられる。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、上記
の問題を解決するためになされたものであって、透明基
板上に透明電極、発光層、電流制限層、上部電極が順次
設けられ、前記透明電極と前記発光層との間には正孔輸
送層を設け前記発光層と前記電流制限層との間には電子
輸送層を設けるか、または前記透明電極と前記発光層と
の間には電子輸送層を設け前記発光層と前記電流制限層
との間には正孔輸送層を設けた直流エレクトロルミネッ
センス素子であって、前記電子輸送層と前記正孔輸送層
が、それぞれ下記の(a)、(b)であることを特徴と
する直流エレクトロルミネッセンス素子である。
【0010】(a)0.1eV以上のバンドギャップを
もつ無機半導体膜の2種以上が積層された多層膜が、少
なくとも2以上繰り返し積層された周期構造を有する積
層体であって、隣接する前記無機半導体膜の伝導帯のエ
ネルギー差が0.1eV以下であり、かつ、価電子帯の
エネルギー差が0.1eV以上であり、前記無機半導体
膜の厚みが0.3〜100nmである電子輸送層。
【0011】(b)0.1eV以上のバンドギャップを
もつ無機半導体膜の2種以上が積層された多層膜が、少
なくとも2以上繰り返し積層された周期構造を有する積
層体であって、隣接する前記無機半導体膜の伝導帯のエ
ネルギーの差が0.1eV以上であり、価電子帯のエネ
ルギー差が0.1eV以下であり、かつ、前記無機半導
体膜の厚みが0.3〜100nmである正孔輸送層。
【0012】前記電子輸送層を2種の無機半導体膜を積
層した多層膜とするときの無機半導体の組合せとしては
、例えば2−6族化合物半導体ならば、CdS/CdS
e、ZnS/ZnSe、BaS/ZnSe、SrS/B
aSe、CaS/SrSe、CaS/CaSe、ZnS
e/CdTe、BaSe/ZnTe、SrSe/BaT
e、SrSe/SrTe、CaSe/SrSe、CaS
e/CaTe、MgSe/SrTe、MgSe/CaT
e、MgSe/MgTe、ZnS/CdTe、ZnS/
ZnTe、BaS/CdTe、BaS/ZnTe、Ca
S/BaTeなどの組合せが例示できる。上記の組合せ
としては、バンドギャップの小さい材料からなる膜がN
型半導体よりなるものが好適である。不純物の種類や製
法によってはN型、P型のいずれを取るものもあるので
、単体での物性がこの条件を満たすことは必ずしも必要
ではない。
【0013】正孔輸送層としては、量子井戸を構成する
材料が2種の場合についていえば、一方の無機半導体膜
の材料がP型半導体であって、その導電帯の底のエネル
ギー準位および価電子帯の頂のエネルギー準位の各々が
もう一方の材料の場合よりも高いものであることが好ま
しく、例えば2−6族化合物半導体ならば、例えば使用
するP型半導体がZnTeの場合には、ZnTe/Zn
Se、ZnTe/CdSe、ZnTe/ZnS、ZnT
e/CdSなどの組合せが挙げられ、使用するP型半導
体がCdSeの場合には、CdSe/CdSが挙げられ
、使用するP型半導体がCdTeの場合には、CdTe
/ZnSe、CdTe/CdSe、CdTe/ZnS、
CdTe/CdSなどの組合せが例示できる。
【0014】2−6族半導体以外の、例えば1−5族、
1−6族、1−7族、2−4族、2−5族、2−7族、
3−5族、3−6族、4−4族、4−6族、5−6族、
6−6族の半導体であっても、それぞれの材料の導電帯
と価電子帯のエネルギー準位が上記の条件を満たす組合
せであればよい。半導体の組合せとしては、2−6族同
士の組合せでなく、2−6族と3−5族の組合せ等、組
合せ族が異なる半導体の組合せであってもよい。さらに
、上記半導体をCaSx Se1−x やGaInx 
P1−X などの多元系にしたり、あるいはアモルファ
ス状態にしたものであっても構わない。
【0015】上記の無機半導体膜には、不純物がドープ
されていても構わない。また、電子輸送層が正孔輸送層
の少なくともいずれか一方は、光を外部に効率よく取り
出すため、可視域で透明であることが必要である。
【0016】上記の膜は、真空蒸着法(電子ビーム蒸着
法、抵抗加熱法やホットウォール法などが含まれる)、
スパッタ法、MOCVD法、ALE法、電気泳動法、ガ
スデポジション法などの方法を用いて形成することがで
きる。発光層としては、電子と正孔が再結合したときに
生じるエネルギーを利用して発光するタイプの蛍光体で
あればよく、冷陰極管、蛍光表示管、プラズマディスプ
レイ、交流粉末(分散型)ELで用いられているような
蛍光体、例えば、ZnS:Cu+X、ZnS:Ag+C
u+X(ただし、Xは、Alまたはハロゲン)、Y2 
O3 S:Eu、Y2 O3 :Eu、(Yx ,Gd
1−X )BO3 :Eu、Y2 Si2 O5 :C
e、BaMgAluminate:Eu、Zn2 Si
O4 :Mn、BaAluminate:Mn、ZnO
:Zn、SnO2 :Eu、(Zn,Cd)S:Agな
どを用いることができる。これらの膜は、真空蒸着法(
電子ビーム蒸着法、抵抗加熱法やホットウォール法など
)、スパッタ法、MOCVD法、ALE法、電気泳動法
、ガスデポジション法などの方法を用いて形成すること
ができる。また、導電率を上げるためにIn2 O3 
などをドープする場合がある。
【0017】電子輸送層と陰極電極との間、あるいは正
孔輸送層と陽極電極との間のどちらか一方に、抵抗層を
挿入してもよい。一例としては、3×103 Ω・cm
から1×106 Ω・cmの抵抗率を有する導電性微粉
末を、バインダー樹脂等を用いて1から30μmの膜厚
に固めた膜などを用いることができる。導電性微粉末と
しては、CuをコートしたZnS、MnO2 、PbS
、CuO、PbO、Tb4 O7 、Eu2 O3 、
PrO2 、カーボンまたはチタン酸バリウム系半導体
などが、単体あるいはこれらの混合物の形で用いること
ができる。表示のコントラストを上げるために、黒色ま
たは暗色の物質が好んで使われるが、導電性微粉末の色
がどうしても薄すぎるような場合にはバインダー樹脂中
に染料や顔料を混入することもできる。陰極あるいは陽
極の電極としては、ITO、ZnO、SnO2 などの
透明電極と、アルミニウム、AlMg(アルミニウムマ
グネシウム)などの透明でない金属とを組み合わせて用
いることが多い。 透明電極と不透明な電極は、陰極と陽極のどちらでも使
用することが可能である。成膜法としては、スパッタ法
、真空蒸着法を用いて成膜することができる。
【0018】電子輸送層としては、伝導帯のエネルギー
差が0.1eV以下であることが必要で、0.03eV
以下がより好ましい。一方、価電子帯のエネルギー差は
、0.1eV以上であることが必要で、1eV以上がよ
り好ましい。逆に、正孔輸送層としては、価電子帯のエ
ネルギー差が0.1eV以下であることが必要で、0.
03eV以下がより好ましい。一方、伝導帯のエネルギ
ー差は、0.1eV以上であることが必要で1eV以上
がより好ましい。電子輸送層と正孔輸送層を構成する半
導体はともに0.1eV以上のバンドギャップを有する
必要がある。
【0019】電子輸送層、正孔輸送層を構成する半導体
膜の1層の膜厚は、0.3nm以上100nm以下で、
2周期以上であることが必要で、より好ましくは、0.
5nm〜5nmの膜厚で、10周期以上繰り返し積層し
た周期構造とするのが好ましい。前記電子輸送層と陰極
電極との間、あるいは前記正孔輸送層と陽極電極との間
のどちらか一方に、抵抗層を挿入した場合には、発光層
に過大な電流が流れるのが防止され、素子の破壊をより
効果的に防ぐことができる。
【0020】また、発光層は導電率が高い方が、発光層
の内部電界が低くなり、発光中心にトラップされたキャ
リアが再結合する前に伝導帯や価電子帯へ再放出される
確率が減少するので、発光効率が高くなり好ましい。
【0021】
【作用】伝導帯と価電子帯にエネルギー差がある半導体
を組合せた多層膜に電圧を印加した場合のキャリアの伝
導について考える。前記の半導体では、室温では伝導に
寄与するような電子、正孔はあまり存在しないので、低
い電界では電子、正孔などのキャリアはほとんど伝導し
ない。しかし、高電界をかけて電子輸送層と正孔輸送層
のバンドを大きく傾けると、電子および正孔は、トンネ
ル効果によって、それぞれ電子輸送層の伝導帯、正孔輸
送層の価電子帯を通って伝導できるようになる。その際
、伝導帯と価電子帯にエネルギー差があると、電子や正
孔はエネルギー状態の低い領域に落込み、閉じ込められ
、導電率が低下する性質を示す。この効果は、伝導帯と
価電子帯のエネルギー差が大きいほど大きくなり、電子
は伝導帯のエネルギー差に、正孔は価電子帯のエネルギ
ー差が大きいほど移動度が低下する。すなわち電子は、
伝導帯のエネルギー差が小さいと通り易く、伝導帯のエ
ネルギー差が大きいほど通りにくい。また、正孔は、価
電子帯のエネルギー差が小さいと通り易く、価電子帯の
エネルギー差が大きいほど通りにくい。以上のことより
、伝導帯のエネルギー差が0.1eV以下で、かつ、価
電子帯のエネルギー差が0.1eV以上である2種以上
の半導体膜を積層した多層膜では、電子は通りやすいが
、正孔は通りにくくなり、伝導帯のエネルギー差が0.
1eV以上で、かつ、価電子帯のエネルギー差が0.1
eV以下である2種以上の半導体膜を積層した多層膜で
は、正孔は通りやすいが、電子は通りにくくなる。した
がって、前者の多層膜は、電子輸送と正孔障壁の働きを
するので、電子輸送層と呼び、後者の多層膜は、正孔輸
送と電子障壁の働きをするので正孔輸送層と呼ぶ。
【0022】したがって、このような電子輸送層と正孔
輸送層の間に発光層を挟み、電子輸送層側を陰極に、正
孔輸送層側を陽極にして、外部より電圧を印加すると、
電子は電子輸送層を通り発光層に注入され、正孔は正孔
輸送層を通り発光層に注入される。電子輸送層、正孔輸
送層は、それぞれ正孔、電子の障壁として働くので、発
光層内に注入された電子と正孔が、発光に寄与せずにそ
れぞれ正孔輸送層と電子輸送層を通って陽極と陰極に流
れてしまうのを防ぎ、発光効率の向上に寄与する。電子
輸送層、正孔輸送層のどちらか一層だけあっても、充分
発光効率向上の効果はあるが、両方の層を有している方
がより発光効率が良いので好ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明する。図
1は本発明の直流エレクトロルミネッセンス素子の一部
断面図で、電子輸送層3および正孔輸送層5は無機半導
体からなり、正孔輸送層3と上部電極7の間に電流制限
層6が設けられているのを特徴とする。図2は従来技術
の直流エレクトロルミネッセンス素子の一部断面図で、
正孔輸送層8および電子輸送層9は有機物質からなる。
【0024】透明なガラス基板1 (corning 
 7059)上に、透明電極2としてITOを反応性ス
パッタ法を用いて約500nmの厚さに成膜した後、フ
ォトリソグラフィ法により1mm当り5本のピッチでス
トライプ状にパターニングした。続いて、その上に電子
輸送層3を以下の方法で成膜した。左右にそれぞれ2室
の蒸着室を有し、中央の分配室にランプヒーターを用い
た基板加熱機構を設けたロードロック式の真空蒸着装置
の基板ホルダーにガラス基板を取り付け、まず右の蒸着
室に搬送して、基板温度を200℃、蒸着装置の真空槽
壁を500℃に加熱した状態で、石英るつぼ内に装填し
たZnSeをタングステンヒーターで加熱することによ
って蒸発させ、蒸着速度80nm/minの条件で成膜
を行いZnSe薄膜を2nm成膜した。その後、中央の
分配室においてランプヒーターを用いて3秒間加熱し、
次に左の蒸着室に搬送して基板温度200℃、真空槽壁
を500℃に加熱した状態で、石英るつぼ内に装填した
ZnSをタングステンヒーターで加熱することによって
蒸発させ、蒸着速度80nm/minの条件で成膜を行
いZnS薄膜を3nm成膜した。その後、中央の分配室
においてランプヒーターを用いて3秒間加熱し、再び右
の蒸着室に搬送してZnSeを先ほどと同一条件で成膜
し、以下このサイクルを40周期繰り返し総膜厚200
nm、40周期のZnSe/ZnS超格子多層薄膜を成
膜した。続いて、基板を取り出し、別の蒸着機に入れ、
基板温度を200℃に加熱した状態で、AgとClをそ
れぞれ1モル%含有したZnSの粉末を加熱したモリブ
デンボード上に供給し、フラッシュ蒸着により発光層4
の成膜を行った。蒸着速度は200nm/min程度で
、800nmの膜厚のZnS:Ag,Cl膜を成膜した
。 その後、基板を真空中、550℃、2時間の条件でアニ
ール処理をおこなった。
【0025】続いて、その上に正孔輸送層5の成膜を以
下の方法で行った。左右にそれぞれ2室の蒸着室を有し
、中央の分配室にランプヒーターを用いた基板加熱機構
を設けたロードロック式の真空蒸着装置の基板ホルダー
に基板を取り付け、まず右の蒸着室に搬送して、基板温
度を180℃、真空槽壁を400℃に加熱した状態で、
石英るつぼ内に装填したCdTeをタングステンヒータ
ーで加熱することによって蒸発させ、蒸着速度50nm
/minの条件で成膜を行いCdTe薄膜を1nm成膜
した。その後、中央の分配室においてランプヒーターを
用いて3秒間加熱し、次に左の蒸着室に搬送して基板温
度150℃、真空槽壁を450℃に加熱した状態で、石
英るつぼ内に装填したCdSeをタングステンヒーター
で加熱することによって蒸発させ、蒸着速度50nm/
minの条件で成膜を行いCdSe薄膜を3nm成膜し
た。その後、中央の分配室においてランプヒーターを用
いて3秒間加熱し、再び右の蒸着室に搬送してCdTe
を先ほどと同一条件で成膜し、以下このサイクルを50
周期繰り返し、総膜厚200nmのCdTe/CdSe
超格子多層薄膜を成膜した。
【0026】続いて、MnO2 粉末を、樹脂とシンナ
ーとの混合液に分散させた塗料をスプレィー法を用いて
塗布、乾燥させ、抵抗率が1.5×105 Ω・cmで
膜厚が20μmの電流制限層6を形成し、最後に上部電
極7として、Alを電子ビーム蒸着法で1μmの膜厚を
成膜した。そして、電流制限層とAl電極をパターニン
グし、最終的に素子全体をカバーガラスで覆うことによ
り対湿度対策を施し、素子の作製を終えた。
【0027】このようにして作製された直流EL素子に
、透明電極2を陰極、上部電極7を陽極として直流の電
圧を印加すると、しきい値電圧30V、駆動電圧50V
で、中心波長480nmの青色のEL発光を得ることが
出来た。発光効率は、60Hz,30μs、電流密度1
00mA/cm2 の駆動条件時に、0.4  lm/
wであり充分実用的な値であった。また、先の駆動条件
で連続発光させた時の輝度の経時安定性は、1万時間で
20%低下したのみで、充分実用的な寿命を有していた
。本実施例では、電子輸送層をZnSeとZnSを、そ
れぞれ2nmと3nmで積層した構成としたが、それぞ
れ1nmと4nm、あるいは4nmと1nmの組合せ、
あるいはその中間の組合せでも発光効率の向上が同様に
認められた。ZnSeの膜厚に比べてZnSの膜厚を厚
くした方が正孔障壁の効果が大きく、発光効率を大きく
する点で好ましかった。同様のことは正孔障壁層につい
ても言え、CdSeの膜厚がCdTeの膜厚よりも厚い
方が電子障壁作用が大きく、発光効率が高くなった。
【0028】
【発明の効果】本発明のエレクトロルミネッセンス素子
は、電子輸送層と正孔輸送層の両層が無機半導体からな
り発光効率が高く寿命が長いので、本発明のエレクトロ
ルミネッセンス素子を用いて信頼性の高い表示装置を製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直流エレクトロルミネッセンス素子の
一実施例の一部断面図である。
【図2】従来技術の直流エレクトロルミネッセンス素子
の一部断面図である。
【符号の説明】
1    ガラス基板 2    透明電極 3    無機半導体からなる電子輸送層4    発
光層 5    無機半導体からなる正孔輸送層6    電
流制限層 7    上部電極 8    有機物質からなる正孔輸送層9    有機
物質からなる電子輸送層10    有機物質からなる
発光層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  透明基板上に透明電極、発光層、電流
    制限層、上部電極が順次設けられ、前記透明電極と前記
    発光層との間に正孔輸送層を設け前記発光層と前記電流
    制限層との間に電子輸送層を設けるか、または前記透明
    電極と前記発光層との間に電子輸送層を設け前記発光層
    と前記電流制限層との間に正孔輸送層を設けた直流エレ
    クトロルミネッセンス素子において、前記電子輸送層と
    前記正孔輸送層が、それぞれ下記の(a)、(b)であ
    ることを特徴とする直流エレクトロルミネッセンス素子
    。 (a)0.1eV以上のバンドギャップをもつ無機半導
    体膜の2種以上が積層された多層膜が、少なくとも2以
    上繰り返し積層された周期構造を有する積層体であって
    、隣接する前記無機半導体膜の伝導帯のエネルギー差が
    0.1eV以下であり、かつ、価電子帯のエネルギー差
    が0.1eV以上であり、前記無機半導体膜の厚みが0
    .3〜100nmである電子輸送層。 (b)0.1eV以上のバンドギャップをもつ無機半導
    体膜の2種以上が積層された多層膜が、少なくとも2以
    上繰り返し積層された周期構造を有する積層体であって
    、隣接する前記無機半導体膜の伝導帯のエネルギーの差
    が0.1eV以上であり、価電子帯のエネルギー差が0
    .1eV以下であり、かつ、前記無機半導体膜の厚みが
    0.3〜100nmである正孔輸送層。
JP3072314A 1991-03-12 1991-03-12 直流エレクトロルミネッセンス素子 Pending JPH04363892A (ja)

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