JPWO2004091262A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ Download PDF

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Abstract

有機EL素子(10)は、基板(11)と、基板(11)上に、陽極(12)、正孔注入層(13)、電子輸送抑制積層体(14)、発光層(15)、電子輸送層(16)、陰極(18)が順次形成された構成を有し、正孔注入層(13)が、アクセプタがドープされた正孔輸送材料により構成され、電子輸送抑制積層体(14)が、発光層(15)側から正孔注入層(13)に向かって、第1電子輸送抑制層(14A1)、第2電子輸送抑制層(14B1)、第1電子輸送抑制層(14A2)が順次積層されて形成されている。正孔注入層(13)にアクセプタをドープすることにより導電性を向上し、かつ第1及び第2の電子輸送抑制層(14A1、14B1)により電子の発光層(15)への閉じ込めを確実に行うと共に第1及び第2の電子輸送抑制層(14A1、14B1)を薄膜化して正孔電流の流れを阻害することを防止する。発光効率の向上及び長寿命化が可能である。

Description

本発明は、一般に光電子素子および光電子素子を用いたフラットパネルディスプレイに関し、特に有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに関する。
近年、従来の大型・重量のあるCRT(ブラウン管)ディスプレイから、薄型・軽量のフラットディスプレイに次第に市場ニーズが移行している。フラットディスプレイとしては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイが実用化され、家庭用テレビ受像機、パソコン用モニター等として、実用化されている。
最近、次世代のフラットディスプレイとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下「ELディスプレイ」と称する。)、特に有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイを構成する有機EL素子は、正孔輸送性と電子輸送性のそれぞれの有機薄膜を積層した積層型素子の報告(C.W.Tang and S.A.VanSlyke,Applied Physics Letters vol.51,913(1987))以来、10V以下の低電圧で発光する大面積発光素子として関心を集め、盛んに研究がなされている。
積層型の有機EL素子は基本的に陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極の構成を有する。このうち電子輸送層は、上述のTang and VanSlykeの2層型素子の場合のように、発光層がその機能を兼ねる構成も可能である。陽極には、金(Au)や酸化錫(SnO)、インジウム錫酸化物(ITO)などの仕事関数の大きい電極材料が用いられている。また、陰極には電子輸送層への電子注入障壁が小さい低仕事関数を有する金属のLi、Mgまたそれらの合金Al−Li、Mg−Ag等が用いられている。
現在まで様々な有機EL素子の構造及び有機材料を用いることにより、使用初期では発光電圧10Vにおいて、輝度1000cd/m程度が得られている。しかし、有機EL素子の連続駆動を行った場合に、経時変化により発光輝度の低下及び駆動電圧の上昇が観測され、ついには短絡してしまう。
その原因として、有機EL素子の劣化は有機材料の経時における結晶化やそれに伴う有機層内での空間電荷の蓄積、及び、一定方向の電界印加による誘電分極のため有機分子が分極を起こし素子の電気的性質が変化し、又は電極の酸化等による劣化であると考えられている。また、消費電力が多い場合、エネルギ損失分は熱に変化し、有機材料の劣化を促進することが考えられる。したがって、長寿命化のためには、可能な限り低電流・低電力で高い発光輝度が得られる、高効率の素子を実現することが望ましい。
そこで、これらの高効率化する手段として、材料面からの検討及びEL素子の駆動方法によって耐久性を向上する試みがなされている。例えば、特開平6−36877号公報に開示されているように、2種の有機層を交互に積層を繰り返して井戸型ポテンシャルのエネルギーバンドを持つような発光層を形成して、一つの発光層において再結合しない電子や正孔を次なる発光層において再結合させ、発光する機会を増やして発光効率を高める方法が提案されている。しかし、この構成では、有機層の高抵抗特性により各有機層での電圧降下とジュール熱の発生が原因となり、有機EL素子の発光効率および寿命低下を招いてしまう。
この問題を解決するためには、特開平4−297076号公報に開示されているように、正孔輸送層中にアクセプタをドープして導電性を高めることが提案されている。
この場合導電性が向上され正孔電流量や電子電流量を増加することが可能であるが、キャリアの閉じ込めが十分に行われないため、消費電力が増加し、発光効率や寿命が低下するという問題が生じる。これは、一般的にアクセプタの電子親和力の大きさは、正孔注入輸送層の材料よりも大きいために、電子を発光層中に閉じ込める役割をはたす正孔輸送層と発光層との界面におけるエネルギ障壁の大きさが小さくなり、電子を発光層中に効率よく閉じ込められなくなり、発光効率が低下すると考えられる。
この問題を解決する手段として、特開2000−196140号公報に開示されているように、発光層と正孔輸送層との間に電子を閉じ込めるための電子注入抑制層を形成して、発光効率を高める方法が提案されている。正孔輸送層と発光層が直接接する場合よりも電子注入抑制層を形成したときの方が発光効率の低下は抑制されるが、電子注入抑制層を通過する電子が存在するという問題がある。電子注入抑制層の厚さを増してかかる電子を抑制することはできるが同時に正孔の流れも抑制され輝度が低下しまうという問題があり、未だ十分に満足できるEL特性のものは得られていない。
特許文献1 特開2000−196140号公報
そこで、本発明は上記の課題を解決した新規かつ有用な有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを提供することを概括課題とする。
本発明のより具体的な課題は、発光効率が優れ、高発光効率が長期間にわたって保持される長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明の一観点によれば、
陽極と、該陽極の上方に形成された陰極と、該陽極と陰極との間に形成され、有機発光材料を含む発光層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極上に正孔輸送材料とアクセプタを含む正孔注入層と、
正孔注入層と発光層との間に、複数のキャリア輸送層よりなり、発光層から正孔注入層へ流れる電子に対してエネルギ障壁を形成する電子輸送抑制積層体を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
本発明によれば、アクセプタを含有する正孔輸送材料よりなる正孔注入層を設けることにより正孔注入層の導電性を高め、発光層から正孔注入層へ流れる電子に対して、複数のキャリア輸送層によりエネルギ障壁を形成する電子輸送抑制積層体を設けることで、正孔注入層の高導電性に起因する発光層から正孔注入層への電子電流量の増加を抑制する。したがって、導電性を向上し、電子の発光層への閉じ込めを複数のキャリア輸送層により確実に行うと共に各々のキャリア輸送層を薄膜化することで正孔の流れを阻害することを防止する。その結果、発光効率の向上を図ることが可能であり、ひいては長寿命化が可能である。
前記電子輸送抑制積層体は、発光層の陽極側に接する第1のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層の陽極側に接する第2のキャリア輸送層とがこの順に交互に繰り返して配置されてなり、電子親和力が下記式(1)の関係を有する。
EaHT1 > EaHT2 …(1)
ここで、式(1)中、EaHT1は、第1のキャリア輸送層の電子親和力、EaHT2は第2のキャリア輸送層の電子親和力である。第1のキャリア輸送層と第2のキャリア輸送層との界面において、電子に対するエネルギ障壁を設けることにより、発光層から正孔注入層へ流れる電子電流量を抑制することができる。なお、電子親和力は、キャリア輸送層等を構成する材料の伝導体の下端のエネルギと真空準位とのエネルギ差(正の値)で表される。
本発明の他の観点によれば、上記いずれかの有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイが提供される。本発明によれば、高い発光効率と長い寿命を有する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを実現することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る有機EL素子の断面図である。
図2は、第1の実施の形態に係る有機EL素子のエネルギーダイヤグラムである。
図3は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る有機EL素子の断面図である。
図4は、エネルギーギャップを求める方法を説明するための図である。
図5は、イオン化ポテンシャルを求める方法を説明するための図である。
図6は、実施例及び比較例に係る有機EL素子に使用した電子輸送抑制層、正孔注入層、及び発光層の特性値を示す図である。
図7は、第1実施例及び第1〜第3比較例に係る有機EL素子の要部の層構成と評価結果を示す図である。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る有機ELディスプレイの分解斜視図である。
符号の説明:10,20…有機EL素子、 11…基板、 12…陽極、 13…正孔注入層、 14,24…電子輸送抑制積層体、 14A,24A…第1電子輸送抑制層、 14B,24B…第2電子輸送抑制層 15…発光層、 16…電子輸送層、 18…陰極、 30…有機ELディスプレイ
発明を実施するための最良の態様
以下、図を参照しながら本発明による実施の形態の有機EL素子について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る有機EL素子の断面図である。図2は、図1に示す本実施の形態の有機EL素子のエネルギーダイヤグラムである。図2中、Eaは電子親和力を、Egはエネルギーギャップを、Ipはイオン化ポテンシャルを表す。図1及び図2を参照するに、本実施の形態の有機EL素子10は、基板11と、基板11上に、陽極12、正孔注入層13、電子輸送抑制積層体14、発光層15、電子輸送層16、陰極18が順次形成された構成となっている。
本発明の有機EL素子10は正孔注入層13が、アクセプタがドープされた正孔輸送材料により構成されている。正孔注入層13は、例えば正孔輸送材料である2−TNATA(4,4’,4”−tris(2−naphthylphenylamino)triphenylamine)に、アクセプタとして、ハロゲン化金属化合物、ハロゲン、白金族元素等の金属の無機材料や、シアノ基やニトロ基を有する有機材料が添加されたものである。
具体的には、正孔輸送材料としては公知の材料を用いることができる。また、好適なアクセプタとして、ハロゲン化金属化合物としては、FeCl、InCl、AsF等、ハロゲンとしては、Cl、Br、I等、白金族元素等の金属としてAu、Pt、W、Ir等などが挙げられる。また、好適なアクセプタとして、シアノ基を有する有機材料としては、TCNQ(7,7,8,8, テトラシアノキノジメタン)、F4−TCNQ(2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8, テトラシアノキノジメタン)、TCNE(テトラシアノエチレン)等、ニトロ基を有する有機材料としてはTNF(トリニトロフルオレノン)、DNF(ジニトロフルオレノン)等が挙げられる。これらのうち、TCNQ、F4−TCNQ、TCNE、TNF、及びDNFが特に好適である。
正孔注入層13におけるアクセプタの含有量は、正孔輸送材料(100vol%)に対して、0.01vol%〜2.0vol%、好ましくは0.05vol%〜1.0vol%に設定される。0.01vol%未満では導電性が向上せず、2.0vol%を超えると電流量が増加し、消費電力が増加してしまう。特にアクセプタとしてF4−TCNQを用いた場合は、アクセプタの含有量は0.05vol%〜1.0vol%が好ましい。
正孔注入層13は、真空蒸着法、CVD法、スパッタ法などの真空プロセス法、あるいはスピンコート法、印刷法などのウエットプロセス法を用いて形成することができる。
本発明の有機EL素子は、正孔注入層13と発光層15との間に、電子輸送抑制積層体14が設けられている。電子輸送抑制積層体14は、発光層15側から正孔注入層13に向かって、第1電子輸送抑制層14A、第2電子輸送抑制層14B、第1電子輸送抑制層14Aが順次積層されて形成されている。第1電子輸送抑制層14A、14A、及び第2電子輸送抑制層14Bは正孔輸送材料より構成され、電子に対して発光層15側から正孔注入層13に向かってエネルギ障壁が形成されるように配置される。
第1電子輸送抑制層14A、14A、及び第2電子輸送抑制層14Bは下記式(1)に示される関係を有することが好ましい。
EaHT1 > EaHT2 …(1)
ここで、EaHT1は第1電子輸送抑制層14A、14Aの電子親和力、EaHT2は第2電子輸送抑制層14Bの電子親和力である。2つの第1電子輸送抑制層14A、14Aとの間に、第1電子輸送抑制層14A、14Aより電子親和力の大きさが大なる第2電子輸送抑制層14Bが形成されているので、第1電子輸送抑制層14Aから第2電子輸送抑制層14Bへの界面において電子に対してエネルギ障壁BRが形成される。したがって、発光層15から正孔注入層13への電子電流量が低減される。
また、さらに、発光層15と第1電子輸送抑制層14Aは下記式(2)に示す関係を有することが好ましい。
EaHT1 < EaEM …(2)
ここで、EaEMは発光層15の電子親和力、EaHT1は第1電子輸送抑制層14Aの電子親和力である。発光層15と第1電子輸送抑制層14Aとの界面においてもエネルギ障壁BRが形成され電子が発光層15に閉じ込められる。ただし、第1電子輸送抑制層14Aが1層のみでは、エネルギ障壁BRを超える電子の確率が高く、また、係る確率を低減するためには第1電子輸送抑制層14Aの厚さをより厚くすればよいが、電圧降下が大となり耐久性の観点から好ましくない。さらに、正孔電子電流量を低下させる原因ともなる。したがって、発光層15の陽極側に複数の第1及び第2電子輸送抑制層からなり、複数のエネルギ障壁BR、BRを有する電子輸送抑制積層体14を設けることにより、発光層15から正孔注入層13に向う電子電流量を効果的に抑制し、発光層15における空間電子密度を増し発光効率を向上することができる。
以下、本実施の形態に係る有機EL素子を具体的構成について説明する。
基板11には、例えば、ガラス、石英等の透明性絶縁基板、Si等の半導体基板、PETやPENなどのフィルム、PVAなどの樹脂基板等を用いることができる。またはこれらの基板上に有機EL素子のオンオフを制御するTFT(薄膜トランジスタ)がマトリクス状に形成されていてもよい。基板11の厚さは、これらの基板の材料により適宜選択されるが、おおよそ0.1mm〜10mmである。
陽極12は、基板11上に蒸着法やスパッタ法によりAl等の導電材料により形成され、正孔注入性の観点からは、仕事関数の大なるAu、Cr等を用いることが好ましい。ただし、陽極側より光が放射される場合は、ITOやIZO(インジウム−亜鉛−オキサイド)等の透明材料により形成される。
正孔注入層13及び第1電子輸送抑制層14A、第2電子輸送抑制層14Bの正孔輸送材料には、HOMOが高い、すなわちイオン化ポテンシャルが小さい材料が用いられる。代表的なものとして、銅フタロシアニン(CuPc)、スターバースト型アミンのm−MTDATA、2−TNATA、TPD、α−NPD等が挙げられる。
なお、第1電子輸送抑制層14Aと第2電子輸送抑制層14Bのイオン化ポテンシャルは、正孔電流量を増加させる観点からは、略同等であることが好ましい。正孔対してエネルギ障壁を低く形成して、正孔電流の流れを阻害せずに電子電流量を抑制することができる。
また、正孔注入層13と陽極12との間に、さらのアクセプタを含有しない他の正孔注入層を設けてもよい。他の正孔注入層は正孔注入層13と比較して薄層とし、陽極12の仕事関数の大きさとほぼ同等のイオン化ポテンシャルを有する材料により構成する。正孔電流を流れ易くすることができる。
発光層15には、Alq3(tris(8−hydroxyquinolio)aluminium)、Znq2、Balq2等の金属錯体系材料、PZ10、EM2等の色素系材料等が使用される。また、ルブレン、TPB等の色素をAlq3等のホスト材にドーピングしたものを用いることができる。
電子輸送層16には、8−ヒドロキシキノリンの金属キレート、金属チオキシノイド化合物、オキサジアゾール金属キレート、トリアジン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等を用いることができる。8−ヒドロキシキノリンの金属キレートのうちで好適なものは、Alq3、Balq(ビス(8−ヒドロキシキノラート)−(4−フェニルフェノラート)アルミニウム)、ビスPBD等が挙げられる。また、金属チオキシノイド化合物のうちで好適なものは、ビス(8−キノリンチオラート)亜鉛、ビス(8−キノリンチオラート)カドミウム、トリス(8−キノリンチオラート)ガリウム、トリス(8−キノリンチオラート)インジウム等が挙げられる。また、オキサジアゾール金属キレートのうちで好適なものは、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム等が挙げられる。
陰極18には、仕事関数が小さい、Li等の金属やその合金Mg−Ag、Al−Li等を用いられる。また、LiF/Alのように金属フッ化物等の電子注入層を導入した陰極を用いてもよい。
図2に示すように、電子は発光層15から正孔注入層13に向かって流れようとする。しかし、第1電子輸送層14Aと第2電子抑制層14Bの界面においてこれらの2つの層の電子親和力の差EaHT1−EaHT2によりエネルギ障壁BRが形成されている。これにより電子の流れが阻害され電子電流量が抑制され、発光層15に電子が閉じ込められる。さらに、発光層15と第1電子輸送層14Aとの界面において、これらの2つの層の電子親和力の差EaEM−EaHT1によりエネルギ障壁BRが形成される。これによりさらに発光層15に電子が閉じ込められる。したがって発光層15の空間電子密度が増加し正孔との再結合確率を増加することができる。
本実施の形態の有機EL素子において、発光層15の陰極18側に接する電子輸送層16と発光層15のイオン化ポテンシャルの関係が下記式(4)の関係を有することが好ましい。
IpEM < IpET …(4)
ここで、式(4)中、IpEMは、発光層15のイオン化ポテンシャル、IpETは電子輸送層のイオン化ポテンシャルであり、イオン化ポテンシャルは価電子レベル(価電子帯の上端のエネルギ)と真空準位との差(正値)で表される。正孔に対するエネルギ障壁BRを発光層15の陰極18側に設けることにより発光層15に正孔を閉じ込めることができる。空間正孔密度を増して電子との再結合確率を増すことができる。
図3は、本実施の形態の変形例に係る有機EL素子の断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し説明を省略する。
図3を参照するに、本変形例の有機EL素子20は、基板11と、基板11上に、陽極12、正孔注入層13、電子輸送抑制積層体24、発光層15、電子輸送層16、陰極18が順次形成された構成となっている。電子輸送抑制積層体24は、発光層15側から正孔注入層13に向かって、1組目の第1電子輸送抑制層24A及び第2電子輸送抑制層24BからN組目の第1電子輸送抑制層24A及び第2電子輸送抑制層24Bより構成されている。ここで、積層する組数Nは2以上の整数であり、N組目は第1電子輸送抑制層24Aのみが形成されていてもよい。
積層する組数Nが大きくなればなるほど第1電子輸送抑制層24A及び第2電子輸送抑制層24Bの厚さを薄く設定する。電子輸送抑制積層体24の全厚を150nmから500nmに設定することが好ましい。500nmより大きくなると電気抵抗が大となり十分に電流を流すことができず、また高電圧を印加すると有機EL素子20の寿命を縮めてしまう。また150nmより小さくなると発光層15側から正孔注入層13に流れる電子電流量を十分に抑制できない。
特に、第1電子輸送抑制層24A及び第2電子輸送抑制層24Bの厚さを2nm〜50nm、さらに好ましくは2nm〜20nmに設定する。第1電子輸送抑制層24A及び第2電子輸送抑制層24Bを薄膜化することで、電子の発光層15への閉じ込めを行うと共に正孔の流れを阻害することを防止する。
本変形例によれば、電子輸送抑制積層体24を第1電子輸送抑制層24A及び第1電子輸送抑制層24Bよりなる組が多数設けられているので電子に対するエネルギ障壁を多数形成することにより発光層15から正孔注入層13への電子の流れをより確実に抑制すると共に正孔の流れが阻害されることを防止することができる。
なお、上記第1の実施の形態及び変形例に係る有機EL素子10、20において、電子輸送抑制積層体14、15は2種の電子輸送抑制層から構成されているが、3種以上の電子輸送抑制層から構成されていてもよい。例えば第1電子輸送抑制層及び第2電子輸送抑制層に加え第3電子輸送抑制層を用いて、発光層15側から正孔注入層13に向かって、順に第1電子輸送抑制層/第2電子輸送抑制層/第1電子輸送抑制層/第2電子輸送抑制層/第3電子輸送抑制層/第1電子輸送抑制層としてする。これらの3種の電子輸送抑制層の電子親和力の関係を下記式(5)の関係に設定する。
EaHT1 > EaHT2> EaHT3 …(5)
ここで式(5)中、EaHT1は、第1電子輸送抑制層の電子親和力、EaHT2は第2電子輸送抑制層の電子親和力、EaHT3は第3電子輸送抑制層の電子親和力である。電子に対するエネルギ障壁を、第1電子輸送抑制層/第2電子輸送抑制層の界面に加え、第2電子輸送抑制層/第3電子輸送抑制層の界面にエネルギ障壁を形成し、電子輸送抑制積層体中に大きさの異なるエネルギ障壁を形成して電子の流れの抑制性を向上することができる。
まお、正孔注入層13の陰極18側に接する第1電子輸送抑制層14A又は第2電子輸送抑制層14Bは下記式(3)に示す関係を有することが好ましい。
EaHT > EaHI …(3)
ここで式(3)中、EaHTは、正孔注入層13の陰極18側に接する第1又は第2のキャリア輸送層の電子親和力、EaHIは正孔注入層13の電子親和力である。電子が発光層15側から正孔注入層13に流れる際に、発光注入層13の手前にエネルギ障壁を設けることにより電子の流れを抑制することができる。
なお、本発明の実施の形態においては、電子輸送抑制層14A、14B、24A、24B、発光層15、電子輸送層16等のエネルギーギャップ、イオン化ポテンシャル、及び電気親和力を以下の測定条件及び測定方法により求めた。
エネルギーギャップEgは、光吸収スペクトルを測定し、光吸収スペクトルの長波長端のエネルギをエネルギーギャップEgとした。具体的には、上記有機EL素子の各層を形成する条件と同様の条件で、測定対象の電子輸送層等を単独に厚さ50nm程度の薄膜に形成した。光吸収スペクトルを測定可能な分光光度計装置(日立製作所社製、商品名:スペクトロフォトメーターU−4100)を用いて大気中において紫外から可視領域の光を厚膜に照射し、光吸収スペクトル(波長依存性)を測定した。
図4は、光吸収スペクトルを示す特性図である。図4を参照するに、光吸収スペクトルの長波長側の裾野の直線部分LN1を長波長側に直線近似により外挿した直線と、バックグランドの直線部分BG1を短波長側に直線近似により外挿した直線との交点CP1の波長をエネルギに換算してエネルギーギャップEgとした。
イオン化ポテンシャルIpは、紫外線光電子分析法により測定した光電子放出の閾値エネルギをイオン化ポテンシャルIpとした。具体的には、エネルギーギャップEgの測定に用いた厚膜と同様に形成された厚膜を使用して、大気雰囲気型紫外線光電子分析装置(理研計器社製、商品名:AC−1)を用いて、大気中において紫外線を薄膜に照射し、放出される光電子数を測定して、入射紫外線のエネルギと光電子数との関係から求めた。測定条件は、入射紫外線のエネルギ範囲が3.8〜6.2eV、紫外線強度が20nWである。
図5は、光電子数の平方根と入射紫外線のエネルギとの関係の一例を示す特性図である。図5を参照するに、特性線の立ち上がりの直線部分LN2を低エネルギ側に直線近似により外挿した直線と、また、バックグランドの直線部分より高エネルギ側に直線近似により外挿した直線との交点CP2のエネルギをイオン化ポテンシャルIpとした。
さらに、電子親和力Eaは、上記により求めたイオン化ポテンシャルIpとエネルギーギャップEgとの差(Ea=Ip−Eg)により求めた。
これらの方法を用いて、エネルギーギャップ、イオン化ポテンシャル、及び電気親和力を個々の正孔輸送材料について測定し、電子輸送抑制積層体を構成する第1及び第2電子輸送抑制層や発光層の組み合わせを選択することができる。
図6は以下に説明する本発明による実施例及び本発明によらない比較例の有機EL素子を構成する電子輸送抑制層、正孔注入層、及び発光層のエネルギーギャップ、イオン化ポテンシャル、及び電気親和力の測定値を示す図である。図6に示す測定値に基づいて行った実施例及び比較例を以下に示す。
[第1実施例]
本実施例に係る有機EL素子は、透明基板上に、ITO陽極、正孔注入層、3層の電子輸送抑制層からなる電子輸送抑制積層体、発光層、及び陰極から構成されている。
ITO電極付きガラス基板を水、アセトン、イソプロピルアルコールにより超音波洗浄し、陽極表面を大気中でUV光を20分間照射してUVオゾン処理を行った。次いで真空蒸着装置を用いて、真空度1×10−6Torr、基板温度を20℃に設定し、正孔注入層として2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.5nm/s、0.0005nm/sで同時に蒸着し、厚さを120nmとした。すなわち、2−TNATAを100vol%として、F4−TCNQの含有量は0.1vol%とした。
次いで、3層からなる電子輸送抑制積層体を形成する。α−NPDを蒸着速度0.1nm/sで厚さ10nm、次に2−TNATAを蒸着速度0.1nm/sで厚さ10nm、さらにα−NPDを蒸着速度0.1nm/sで10nm形成する。
発光層として、Alq3を0.1nm/sで50nm蒸着した。さらにその上にAl−Li合金(Li:0.5質量%)を蒸着速度0.02nm/sで50nm蒸着し、第1実施例に係る有機EL素子を形成した。この素子に、ITOを陽極、Al−Liを陰極として電圧6V以上を印加すると緑色発光が観測された。
[第1比較例]
正孔注入層として2−TNATAを蒸着速度0.5nm/s、厚さ130nmで蒸着し、電子輸送抑制積層体の替わりにα−NPD層を蒸着速度0.1nm/s、厚さ20nmで形成した以外は第1実施例と同様にして第1比較例に係る有機EL素子を形成した。
[第2比較例]
正孔注入層として、2−TNATAを蒸着速度0.5nm/s、厚さ10nmで蒸着し、その上に、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.5nm/s、0.0005nm/sで同時に蒸着し、厚さを120nmとし、電子輸送抑制積層体の替わりにα−NPD層を蒸着速度0.1nm/s、厚さ20nmで形成した以外は第1実施例と同様にして第2比較例に係る有機EL素子を形成した。
[第3比較例]
電子輸送抑制積層体の替わりにα−NPD層を蒸着速度0.1nm/s、厚さ20nmで形成した以外は第1実施例と同様にして、第3比較例に係る有機EL素子を形成した。
図7は、第1実施例、及び第1〜第3比較例の有機EL素子の要部の層構成と評価結果を示す図である。図7を参照するに、第1〜第3比較例の有機EL素子に対して第1実施例の有機EL素子の発光効率が高いことが分かる。第1実施例の有機EL素子は、発光輝度が第2及び第3比較例より低いが電流密度も抑制され、発光効率が向上していることが分かる。α−NPDと2−NATA(電子親和力の差が0.23eV)よりなる電子輸送積層体により、発光層から正孔注入層への電子抑制層への電子電流量が抑制され、発光輝度は低下するものの、発光層に閉じこめられた電子により正孔と再結合する確率が向上し発光効率が向上したと推察される。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態の有機ELディスプレイの分解斜視図である。図8を参照するに、有機ELディスプレイ30は、ガラス基板31と、ガラス基板上にストライプ状に形成された陰極31と、陰極31に対向して垂直にストライプ状に形成された陽極34と、陰極32と陽極34との間に形成された積層体33等より構成されている。さらに、有機ELディスプレイ30は、図示されていないが、陰極及び陽極間に印加する電圧を駆動する駆動回路、水蒸気等への曝露を防止する封止容器等より構成されている。
有機ELディスプレイ30は、所望の領域の陰極32及び陽極34に電圧を印加することにより、所望の領域を発光させることができる。有機ELディスプレイ30の特徴は、陽極34、積層体33及び陰極32からなる有機EL素子が上述した第1または第2の実施形態に係る有機EL素子により構成されていることである。したがって、高い発光効率と長い寿命を有する有機ELディスプレイを実現することができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本実施の形態において、有機EL素子を基板上に陽極側より順次堆積して形成してもよく、陰極側より形成してもよい。
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子において、正孔注入層の正孔輸送材料にアクセプタをドープすることにより導電性を高め、複数のキャリア輸送層により電子に対してエネルギ障壁を形成する電子輸送抑制積層体を発光層の陽極側に設けることにより、発光層から正孔注入層への電子電流の流れを阻害して発光層に電子を閉じこると共に、正孔電流のながれを阻害することを防止して、発光効率が優れ長寿命化が可能な有機EL素子及び有機ELディスプレイを提供することができる。

Claims (13)

  1. 陽極と、該陽極の上方に形成された陰極と、該陽極と陰極との間に形成され、有機発光材料を含む発光層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    陽極上に正孔輸送材料とアクセプタを含む正孔注入層と、
    正孔注入層と発光層との間に、複数のキャリア輸送層よりなり、発光層から正孔注入層へ流れる電子に対してエネルギ障壁を形成する電子輸送抑制積層体を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記電子輸送抑制積層体は、発光層の陽極側に接する第1のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層の陽極側に接する第2のキャリア輸送層とがこの順に交互に繰り返して配置されてなり、
    電子親和力が下記式(1)の関係を有することを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    EaHT1 > EaHT2 …(1)
    (式(1)中、EaHT1は、第1のキャリア輸送層の電子親和力、EaHT2は第2のキャリア輸送層の電子親和力である。)
  3. 前記第1のキャリア輸送層と発光層の電子親和力の関係が下記式(2)の関係を有することを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    EaHT1 < EaEM …(2)
    (式(2)中、EaHT1は第1のキャリア輸送層の電子親和力、EaEMは発光層の電子親和力である。)
  4. 前記正孔注入層の陰極側に接する第1のキャリア輸送層または第2のキャリア輸送層と、前記正孔注入層の電子親和力が下記式(3)の関係を有することを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    EaHT > EaHI …(3)
    (式(3)中、EaHTは、正孔注入層の陰極側に接する第1又は第2のキャリア輸送層の電子親和力、EaHIは正孔注入層の電子親和力である。)
  5. 前記発光層と陰極との間にさらに電子輸送層を有し、
    前記電子輸送層と前記発光層のイオン化ポテンシャルが下記式(4)の関係を有することを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    IpEM < IpET …(4)
    (式(4)中、IpEMは、発光層のイオン化ポテンシャル、IpETは電子輸送層の電子親和力である。)
  6. 第1のキャリア輸送層の膜厚が第2のキャリア輸送層の膜厚と同一、又は大きいことを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 第1のキャリア輸送層の膜厚及び第2のキャリア輸送層の膜厚が2nm〜50nmの範囲であることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記正孔注入層におけるアクセプタの含有量が、0.05vol%〜2vol%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記第1のキャリア輸送層及び第2のキャリア輸送層のうちいずれか一方が前記正孔注入層の正孔輸送材料と同一の材料よりなることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記電子輸送抑制積層体は、第3のキャリア輸送層を更に有し、
    第1のキャリア輸送層、第2のキャリア輸送層及び第3のキャリア層が規則的に繰り返して配置されてなることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記電子輸送抑制積層体は、発光層の陽極側に接する第1のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層の陽極側に接する第2のキャリア輸送層と、前記第2のキャリア輸送層の陽極側に接する第3のキャリア輸送層と、前記第3のキャリア層の陽極側に接するその他の第1のキャリア輸送層とが配置されなり、
    電子親和力が下記式(5)の関係を有することを特徴とする請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    EaHT1 > EaHT2> EaHT3 …(5)
    (式(5)中、EaHT1は、第1のキャリア輸送層、他の第1のキャリア輸送層、及びその他の第1のキャリア輸送層の電子親和力、EaHT2は第2のキャリア輸送層の電子親和力、EaHT3は第3のキャリア輸送層の電子親和力である。)
  12. 前記陽極と正孔注入層との間に他の正孔注入層を更に有し、
    前記他の正孔注入層は正孔輸送材料よりなることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記請求項1〜12記載のうち、いずれか一項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
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